説明

画像処理装置、画像処理プログラム、および画像処理方法

【課題】より小さな規模の回路(より小さな容量のメモリ領域)を用いてがたつき部分を抽出することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成し、多値画像データを基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成する2値化手段42(42−1,42−2,42−N)と、基準2値画像データと複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつき部分を抽出する抽出手段43と、多値画像データのがたつき部分に対して補正を行う補正手段44とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力された多値画像データのがたつき部分にスムージング処理を施す画像処理装置、画像処理装置で実行される画像処理プログラム、および当該画像処理装置における画像処理方法に関し、特に、がたつき部分を抽出する構成に特徴を有する画像処理装置、画像処理装置で実行される画像処理プログラム、および当該画像処理装置における画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿を読み取って多値の画像データに変換する画像処理装置に関しては、原稿をデジタルの画像データに変換することに伴う様々な問題点が指摘されている。そして、そのような問題点を解消するための多くの技術が提案されている。
【0003】
たとえば、紙媒体などに複写された画像のエッジ部分にがたつき(ジャギー)部分が発生することが問題となっている。特に、1dotや2dot幅の細い線を読み取って2値化した場合には、当該細い線のエッジ部分のがたつきが目立ち、線幅が均一に見えなくなってしまう。そのようながたつき部分に対してスムージング処理を施すべく、下記のような技術が提案されている。
【0004】
特開平7−250246号公報(特許文献1)には、画像処理装置が開示されている。特開平7−250246号公報(特許文献1)によると、画像処理装置は、2値画像データと多値画像データとが混在した画像データを記憶するフレームメモリと、2値画像データの各画素に係るデータ処理を行い、ジャギーの発生原因となる画素を検出し、検出された画素に対応する濃度データと方向データとを出力する2値画像処理手段と、多値画像データの各画素に係るデータ処理を行い、注目画素の濃度データと注目画素の周囲における濃度の高い方向を示す方向データとを出力する多値画像処理手段と、2値画像処理手段と多値画像処理手段とから出力される注目画素の濃度データに基づいて半導体レーザをパルス幅変調およびパワー変調する多値変調手段と、2値画像処理手段と多値画像処理手段とから出力される注目画素の方向データに基づいてドットを形成し始める位置を変調する位置変調手段を有するドット形成部を有する。
【0005】
また、特開2000−125134号公報(特許文献2)には、画像処理装置が開示されている。特開2000−125134号公報(特許文献2)によると、2値化回路は、Tag判別回路の検知結果に基づいて、多値画像データの文字・線画部に対して2値化処理を行う。スムージング拡大回路は、ROMに記憶されているジャギー検出パターンおよび拡大出力パターンを用いて、上記2値化された文字・線画部のデータに対してスムージング拡大処理を施す。下地算出回路は、多値画像データとタグデータとに基づいて、文字・線画を表す画素の画素値(非下地値)、およびそれ以外の部分の画素値(下地値)を算出する。2値多値変換回路は、スムージング拡大回路で得られた2値スムージング拡大画像データを、非下地値(多値データ)および下地値(多値データ)に基づいて多値画像データに変換する。
【0006】
また、特開2000−156784号公報(特許文献3)には、画像処理装置が開示されている。特開2000−156784号公報(特許文献3)によると、2値化回路は、Tag判別回路の検知結果に基づいて、多値画像データの文字・線画部に対して2値化処理を行う。パターンマッチング回路は、ROMに記憶されているジャギー検出パターンを用いて2値画像データからジャギーを検出する。下地算出回路は、多値画像データとタグデータとに基づいて、文字・線画を表す画素の画素値(非下地値)、およびそれ以外の部分の画素値(下地値:背景)を算出する。スムージング処理値算出回路は、画素変換率、下地値、および非下地値を用いて、文字・線画部のデータに対してスムージング処理するための変換画素値を算出する。
【0007】
また、特開2006−33308号公報(特許文献4)には、画像処理装置が開示されている。特開2006−33308号公報(特許文献4)によると、画像処理装置は、入力画像から順に4×4サイズの画像ブロックを抽出し、抽出された画像ブロックの中から2×2ジャギー、凸点又は孤立点を構成する画素を劣化画素として抽出する。次に、画像処理装置は、抽出された劣化画素を、この劣化画素の周囲に存在する画素群において最も出現頻度の高い画素値で置換することにより、劣化画素を補正し、劣化画素が補正された画像を高画質拡大アルゴリズムで拡大する。
【0008】
また、画像データのうちの細線部分が途切れることを防止するための技術も提案されている。たとえば、特開2005−286607号公報(特許文献5)には、画像処理装置が開示されている。特開2005−286607号公報(特許文献5)によると、画像処理装置は、画像データを入力する画像読取部と、画像データから細線部分を検出する細線検出部と、画像データを所定の解像度に変換する解像度変換部と、解像度変換された画像データにおける細線部分を復元する細線復元部とを備える。
【特許文献1】特開平7−250246号公報
【特許文献2】特開2000−125134号公報
【特許文献3】特開2000−156784号公報
【特許文献4】特開2006−33308号公報
【特許文献5】特開2005−286607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の画像処理装置においては、パターンマッチングによってがたつき部分を検出した上で、当該がたつき部分に対してスムージング処理を施していた。そのため、がたつき部分を検出するための回路規模(必要なメモリ容量)が大きくなってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の主たる目的は、より小さな規模の回路(より小さな容量のメモリ領域)を用いてがたつき部分を抽出することができる画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のある局面に従えば、画像処理装置が提供される。画像処理装置は、入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成し、多値画像データを基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成する2値化手段と、基準2値画像データと複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつき部分を抽出する抽出手段と、多値画像データのがたつき部分に対して補正を行う補正手段とを備える。
【0012】
好ましくは、画像処理装置は、多値画像データから細線エリアを抽出する細線抽出手段をさらに備える。細線抽出手段は、2値化手段にて参照される比較閾値データを変更する変更手段を含む。2値化手段は、多値画像データの細線エリアを2値化する。抽出手段は、基準2値画像データの細線エリアと比較2値画像の細線エリアとを比較することによって、がたつき部分を抽出する。
【0013】
好ましくは、細線抽出手段は、多値画像データから、所定の階調未満の画素からなる所定の幅未満の所定幅エリアを抽出する幅抽出手段と、所定の長さ以上の所定幅エリアを細線エリアとして抽出する長さ抽出手段とを含む。
【0014】
好ましくは、抽出手段は、基準2値画像データ中に比較2値画像データのいずれか1つにでも一致しないエリアが存在する場合に、当該一致しないエリアをがたつき部分と判断する。
【0015】
好ましくは、抽出手段は、基準2値画像データ中に比較2値画像データの全てと一致しないエリアが存在する場合に、当該エリアをがたつき部分と判断する。
【0016】
好ましくは、補正手段は、多値画像データのがたつき部分の画素の各々に対して、当該画素周辺の複数の画素の階調値に基づきスムージング処理を行うスムージング処理手段と、多値画像データのがたつき部分の画素の階調値を、当該画素に隣接する画素の階調値に置き換える置換手段と、基準2値画像データと比較2値画像データとの比較結果に基づいて、スムージング処理手段と置換手段とを切り替えて機能させる切替手段とを備える。
【0017】
この発明の別の局面に従うと、画像処理装置が提供される。画像処理装置は、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、多値画像データを第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出する抽出手段と、多値画像データの第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施す補正手段とを備える。
【0018】
好ましくは、画像処理装置は、多値画像データを第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段をさらに備える。抽出手段は、第1および第3の2値画像データを比較することによって、第2の差分エリアを抽出する。補正手段は、多値画像データの第2の差分エリアに第2のスムージング処理を施す。
【0019】
この発明の別の局面に従うと、画像処理装置が提供される。画像処理装置は、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、多値画像データを第1の閾値データと異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、多値画像データを第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段と、第1および第2の2値画像データを比較することによって第1の差分エリアを抽出し、第1および第3の2値画像データを比較することによって第2の差分エリアを抽出する抽出手段と、多値画像データの第1および第2の差分エリアにスムージング処理を施す補正手段とを備える。
【0020】
この発明の別の局面に従うと、画像処理装置が提供される。画像処理装置は、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、多値画像データを第1の閾値データと異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、多値画像データを第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段と、第1および第2の2値画像データを比較することによって第1の差分エリアを抽出し、第1および第3の2値画像データを比較することによって第2の差分エリアを抽出する抽出手段と、多値画像データの第1および第2の差分エリアの重複部分にスムージング処理を施す補正手段とを備える。
【0021】
この発明の別の局面に従うと、演算処理部を有する画像処理装置に画像処理させる画像処理プログラムが提供される。画像処理プログラムは、演算処理部に、入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成するステップと、多値画像データを基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成するステップと、基準2値画像データと複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつき部分を抽出するステップと、多値画像データのがたつき部分に対して補正を行うステップとを実行させる。
【0022】
この発明の別の局面に従うと、演算処理部を有する画像処理装置に画像処理させる画像処理プログラムが提供される。画像処理プログラムは、演算処理部に、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成するステップと、多値画像データを第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成するステップと、第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出するステップと、多値画像データの第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施すステップとを実行させる。
【0023】
この発明の別の局面に従うと、演算処理部を有する画像処理装置における画像処理方法が提供される。画像処理方法は、演算処理部が、入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成するステップと、演算処理部が、多値画像データを基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成するステップと、演算処理部が、基準2値画像データと複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつき部分を抽出するステップと、演算処理部が、多値画像データのがたつき部分に対して補正を行うステップと備える。
【0024】
この発明の別の局面に従うと、演算処理部を有する画像処理装置における画像処理方法が提供される。画像処理方法は、演算処理部が、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成するステップと、演算処理部が、多値画像データを第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成するステップと、演算処理部が、第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出するステップと、演算処理部が、多値画像データの第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施すステップと備える。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、この発明によれば、より小さな規模の回路を用いてがたつき部分を抽出することができる画像処理装置、画像処理プログラムおよび画像処理方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0027】
本実施の形態においては、本発明にかかる画像処理装置として代表的に、複写機能やスキャン機能やFAX送信機能などを統合したMFP(Multi Function Peripheral)であるものとする。但し、本発明にかかる画像処理装置はMFPに限定されず、入力された画像データを処理する手段を備える装置であれば他の装置であってもよく、たとえば一般的なパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施の形態にかかるMFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。図1を参照して、本実施の形態にかかるMFP100は、複数の画素(画素データ)からなる画像(画像データ)を処理するものであって、スキャン処理部10と、入力画像処理部20と、記憶部30と、CPU(Central Processing Unit)40と、ネットワークインターフェイス(I/F)部50と、出力画像処理部60と、エンジン部70と、モデム・NCU(Network Control Unit)80と、操作部90とを含んで構成される。
【0029】
スキャン処理部10は、CPU40からの制御信号に従って、セットされた原稿をスキャンして読み取り、入力画像処理部20に対して画像データを出力する。入力画像処理部20は、上記制御信号に従って、スキャン処理部10から入力された画像データの各画素について、たとえばRGBデータなどの値を算出し、CPU40へ出力する、もしくは記憶部30へ記憶する。
【0030】
記憶部30は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)やNVRAM(Non Volatile RAM)等の電子メモリと、ハードディスク等の磁気メモリとを含んで構成され、プログラムや画像データを保持する。記憶部30は、CPU40においてプログラムが実行される際の作業領域としても用いられる。後述する2値画像データの各々やがたつき部分を示すデータは、記憶部30のSRAMに記憶される。
【0031】
CPU40は、記憶部30に記憶されるプログラムを実行する。CPU40は、操作部90から入力された操作信号に基づいて、必要な制御信号を各部に出力してMFP100全体を制御する。たとえば、CPU40は、操作キーの検出、操作パネルの表示、入力されたデータの画像ファイルへの変更、電子メールの作成などを実行する。CPU40は、記憶部30、ネットワークインターフェイス部50、またはモデム・NCU80などに対して制御信号などを出力する。
【0032】
そして、CPU40は、記憶部30に記憶されるプログラムを実行し、記憶部30に保持される画像データに対してスムージング処理などの画像処理を施す。換言すれば、CPU40は、入力画像処理部20から入力される多値画像データに対して、たとえば色変換処理、色補正処理、解像度変換処理、領域特定処理、がたつき部分抽出処理、スムージング処理等の処理を実行する。それらの処理後の画像データは記憶部30に保持される。
【0033】
ネットワークインターフェイス部50は、電子メール等を、ネットワークを介して他の装置に送信するためのインターフェイスであり、プロトコルに従って、データパケットの作成などを行う。ネットワークインターフェイス部50は、上記制御信号に従って、CPU40から入力された画像データ、または記憶部30から読出した画像データを、ネットワークを介して他の装置に送信する。
【0034】
出力画像処理部60は、上記制御信号に従って記憶部30に保持される多値画像データを読出し、その画像に対してスクリーン処理等を施し、処理後の画像データをエンジン部70に対して出力する。ただし、出力画像処理部60が、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。すなわち、出力画像処理部60に上記制御信号に従って記憶部30に保持される多値画像データが入力され、出力画像処理部60が当該多値画像データに対してがたつき部分抽出処理やスムージング処理等を施し、処理後の画像データをエンジン部70に対して出力する構成であってもよい。
【0035】
エンジン部70は、上記制御信号に従って、出力画像処理部60から入力された画像データに基づいてトナー画像を生成し、トナー画像をセットされた印刷用紙に転写することで画像を印刷する。ここでMFP100がカラー画像を出力するカラーMFPである場合にはエンジン部70はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを用いてトナー画像を生成する。
【0036】
モデム・NCU80は、ファクシミリ送受信のための変復調、ファクシミリの通信プロトコルなどに従って電話回線を介した通信を制御する。モデム・NCU80は、上記制御信号に従って、CPU40から入力された画像データ、または記憶部30から読出した画像データを、電話回線を介して他の装置に送信する。
【0037】
操作部90は操作キーと表示部とを含んで構成され、ユーザインターフェイスとして機能して、ユーザからの宛先の入力、スキャン条件の選択、画像ファイルフォーマットの選択、処理の開始/中断等の操作を受付ける。操作部90は、ユーザの操作に基づいた操作信号を、CPU40に対して出力する。
【0038】
<機能構成>
図2は、本実施の形態にかかるMFP100の機能構成を示すブロック図である。図2に示される各部は、主にCPU40が記憶部30に記憶されるプログラムを実行することによって実現される機能であってもよいし、いくつかの機能ブロックが、たとえば第1の2値化部42−1や差分抽出部43などが専用のハードウェア回路によって実現される構成であってもよい。
【0039】
図2を参照して、本実施の形態にかかるMFP100は、多値画像データに画像処理(がたつき部分抽出処理およびスムージング処理)を施すための機能として、細線抽出部41と、2値化部42と、差分抽出部43と、補正部44と、記憶部30とを含む。
【0040】
まず、細線抽出部41は、入力された多値画像データから細線エリアを抽出する。より詳細には、細線抽出部41は、多値画像データのうち所定の階調未満の連続する画素からなる所定の幅未満の所定幅エリアを抽出する幅抽出部411と、所定幅エリアのうち所定の長さ以上の所定幅エリアを細線エリアとして抽出する長さ抽出部412と、細線エリアの幅に基づいて2値化部42にて参照される2値化リファレンス(比較閾値データ)を変更する変更部413とを含む。
【0041】
具体的には、幅抽出部411は、多値画像データの中から、所定の階調未満の画素が連続する第1のエリアを抽出するとともに、画素の連続方向に垂直な方向における第1のエリアの長さを当該第1のエリアの幅として計算する。幅抽出部411は、第1のエリアのうち、その幅が所定の幅未満の第2のエリアを「所定幅エリア」として抽出する。そして、長さ抽出部412は、多値画像データに存在する所定幅エリアのうち、その長さが所定の長さ以上の第3のエリアを「細線エリア」として抽出する。
【0042】
変更部413は、第1のエリアの幅、すなわち細線エリアの幅に応じて、2値化部42で採用される2値化リファレンスを変更する。換言すれば、変更部413は、細線エリアの幅に基づいて、2値化部42が記憶部30から読み出す2値化リファレンスを選択(決定)する。
【0043】
たとえば、2値化部42は、細線エリアの幅が所定値よりも短い場合に、低い階調の(黒に近い)2値化リファレンスを閾値として読み出して、当該2値化リファレンスに基づいて多値画像データを2値化する。そして、2値化部42は、細線エリアの幅が所定値よりも長い場合に、高い階調の(白に近い)2値化リファレンスを閾値として読み出して、当該2値化リファレンスに基づいて多値画像データを2値化する。
【0044】
2値化部42は、第1の2値化部42−1と、第2の2値化部42−2と、図示しない第3の2値化部〜第N−1の2値化部と、第Nの2値化部42−Nとを含む。第1の2値化部42−1は、入力された多値画像データを、第1の2値化リファレンスref1(基準閾値データ)に基づいて2値化することによって、基準2値画像データを生成する。第2の2値化部42−2は、入力された多値画像データを、第2の2値化リファレンスref2(比較閾値データ)に基づいて2値化することによって、比較2値画像データを生成する。第Nの2値化部42−Nは、入力された多値画像データを、第Nの2値化リファレンスrefN(比較閾値データ)に基づいて2値化することによって、比較2値画像データを生成する。
【0045】
より詳細には、第1の2値化部42−1は、記憶部30から細線エリアの幅に相応しい第1の2値化リファレンスref1を読み出して、その第1の2値化リファレンスref1に基づいて多値画像データを2値画像データに変換する。同様にして、第2の2値化部42−2〜第Nの2値化部42−Nの各々も、自身の2値化リファレンスに基づいて多値画像データを2値画像データに変換する。なお、それぞれの2値化部42−1、42−2、42−Nは、多値画像データのうち細線エリアに該当する部分のみについて、2値画像データに変換することが好ましい。
【0046】
図3は、多値画像データと2値画像データと差分エリアとの関係を示す第1のイメージ図である。図3に示すように、第1の2値化部42−1は、多値画像データ(a)に基づき、第1の2値化リファレンスを参照して、基準2値画像データ(b)を作成する。第2の2値化部42−2は、多値画像データ(a)に基づき、第2の2値化リファレンスを参照して、比較2値画像データ(c)を作成する。
【0047】
図2および図3を参照して、差分抽出部43は、第1の2値化部42−1からの基準2値画像データと第2の2値化部42−2からの比較2値画像データとを比較することによって、第1のがたつき部分(図3(e)における点線エリア内部)を抽出する。より詳細には、差分抽出部43は、異なる2値化リファレンスに基づいて生成された2値画像データ同士の差分エリアを、がたつき部分として計算する。換言すれば、差分抽出部43は、異なる2値化リファレンスに基づいて生成された2値画像データ同士において、異なる階調を有する画素を抽出する。
【0048】
たとえば、差分抽出部43は、異なる2値化リファレンスに基づいて2値化された2値画像データ同士を比較して、画素毎に階調(0または1)の排他的論理和が取得できればよい。これによって、後述する補正部44は、排他的論理和が1となる画素をがたつき部分(差分エリア)として、当該画素および当該画素に隣接する(当該画素の近傍の)画素にスムージング処理を施すことができる。
【0049】
このように、本実施の形態に係るMFP100においては、異なる2値化リファレンスに基づいて生成された2値画像データ同士の差分エリアを取得することによって、がたつき部分を抽出することができる。つまり、本実施の形態に係るMFP100は、パターンマッチングによってがたつき部分を抽出する必要がないため、がたつき部分を抽出するための容量を抑えつつ、後述するスムージング処理を行うことができる。
【0050】
補正部44は、多値画像データのがたつき部分に対して補正を行う。すなわち、補正部44は、多値画像データのうちがたつき部分に該当する画素、および当該画素の近傍の画素に対して、スムージング処理を施す。
【0051】
補正部44は、多値画像データのがたつき部分の画素の各々に対して当該画素周辺の複数の画素の階調値に基づきスムージング処理を行うスムージング部442と、多値画像データのがたつき部分の画素の階調値を当該画素に隣接する画素の階調値に置き換える置換部443と、基準2値画像データと比較2値画像データとの比較結果に基づいてスムージング部442と置換部443とを切り替えて機能させる切替部441とを備える。
【0052】
切替部441は、たとえば、がたつき部分の大きさ(面積)が所定値以上であるか否かを判断し、がたつき部分の大きさ(面積)が所定値以上である場合に置換部443を機能させて、がたつき部分の大きさ(面積)が所定値未満である場合にスムージング部442を機能させる。
【0053】
ここで、図4(a)は細線を表示する画面を示すイメージ図であり、図4(b)は太線を表示する画面を示すイメージ図である。図4(a)および図4(b)に示すように、細線を表示する場合には、太線を表示する場合と比較して、線幅に対するがたつき部分の割合が大きくなるため、がたつきが目立ち、線幅が均一でないように見えやすくなる。
【0054】
本実施の形態に係るMFP100は、多値画像データのうち、所定の幅未満の細線エリアに対して、画像データの2値化処理、がたつき部分の抽出処理、スムージング処理などを行うため、それらの処理を行うための計算量(回路規模)を抑えつつ、より有効なスムージング処理を行うことができる。
【0055】
また、図5(a)は、長い線を表示する画面を示すイメージ図であり、図5(b)は短い線を表示する画面を示すイメージ図である。図5(a)および図5(b)に示すように、長い線を表示する場合には、短い線を表示する場合と比較して、線幅に対するがたつき部分の割合が大きくなるため、がたつきが目立ち、線幅が均一でないように見えやすくなる。
【0056】
本実施の形態に係るMFP100は、多値画像データのうち、所定の長さ以上の細線エリアに対して、画像データの2値化処理、がたつき部分の抽出処理、スムージング処理などを行うため、それらの処理を行うための計算量を抑えつつ、より有効なスムージング処理を行うことができる。
【0057】
<変形例>
特に、本実施の形態に係るMFP100は、図2に示すように、複数の2値化部42−1、42−2、42−Nを有するものである。このため、本実施の形態に係る差分抽出部43は、複数の2値化部42−1、42−2、42−Nから得られる2値画像データを比較することによって、その組み合わせ数の種類の差分エリアを取得することができる。
【0058】
図6は、多値画像データと2値画像データと差分エリアとの関係を示す第2のイメージ図である。図6に示すように、第1の2値化部42−1は、多値画像データ(a)に基づき、第1の2値化リファレンスを参照して、基準2値画像データ(b)を作成する。第2の2値化部42−2は、多値画像データ(a)に基づき、第2の2値化リファレンスを参照して、比較2値画像データ(c)を作成する。第3の2値化部は、多値画像データ(a)に基づき、第3の2値化リファレンスを参照して、比較2値画像データ(d)を作成する。
【0059】
図2および図6を参照して、差分抽出部43は、第1の2値化部42−1からの基準2値画像データと第2の2値化部42−2からの比較2値画像データとを比較することによって、第1のがたつき部分(図6(e)における点線エリア内部)を抽出する。そして、差分抽出部43は、第1の2値化部42−1からの基準2値画像データと第3の2値化部からの比較2値画像データとを比較することによって、第2のがたつき部分(図6(f)における点線エリア内部)を抽出する。
【0060】
補正部44は、多値画像データの第1のがたつき部分(図6(e)における点線エリア内部)と第2のがたつき部分(図6(f)における点線エリア内部)に対して補正を行う。すなわち、補正部44は、多値画像データのうち第1のがたつき部分に該当する画素、および当該画素の近傍の画素に対して、第1のスムージング処理(弱いスムージング処理)を施す。そして、補正部44は、多値画像データのうち第2のがたつき部分(f)に該当する画素、および当該画素の近傍の画素に対して、第2のスムージング処理(強いスムージング処理)を施す。
【0061】
あるいは、補正部44は、第1および第2のがたつき部分(図6(e)における点線エリアと図6(f)における点線エリアを合わせたエリア、あるいは図3(e)における点線エリア内部)に対して比較的弱い第1のスムージング処理を施した後に、第2のがたつき部分(図6(e)における点線エリア内部)に対して比較的強い第2のスムージング処理を施してもよい。
【0062】
(OR条件処理)
あるいは、補正部44は、多値画像データの第1のがたつき部分と第2のがたつき部分のいずれにも(図6(e)における点線エリアと図6(f)における点線エリアを合わせたエリア、あるいは図3(e)における点線エリア内部)、第1のスムージング処理を施しても良い(OR条件処理)。すなわち、差分抽出部43は、基準2値画像データ中に、その階調が比較2値画像データのいずれか1つとでも一致しないエリア(画素)が存在する場合に、当該一致しないエリアをがたつき部分と判断する。
【0063】
より詳細には、差分抽出部43は、基準2値画像データと比較2値画像データとを比較することによって、両者に差異点がないか否かを判断する。差分抽出部43は、両者に差異点がある場合に、当該差異点に該当する画素をがたつき部分と判断する。差分抽出部43は、基準2値画像データと他の比較2値画像データとを比較することによって、両者に差異点がないか否かを判断する。差分抽出部43は、両者に差異点がある場合に、当該差異点に該当する画素をがたつき部分と判断する。差分抽出部43は、この処理を繰り返すことによって得られる全てのがたつき部分を、多値画像データにおけるがたつき部分として抽出する。
【0064】
この方法は、各2値化リファレンスとして、色素毎に異なる閾値(しきい階調値)が設定されている場合に、特に有効である。
【0065】
(AND条件処理)
あるいは、補正部44は、多値画像データの第1のがたつき部分と第2のがたつき部分の重複部分(図6(f)における点線エリア内部)に対してのみ、第1のスムージング処理を施しても良い。すなわち、差分抽出部43は、基準2値画像データ中に、その階調が比較2値画像データの全てと一致しないエリア(画素)が存在する場合に、当該全てと一致しないエリアをがたつき部分と判断する。
【0066】
より詳細には、差分抽出部43は、基準2値画像データと比較2値画像データとを比較することによって、両者に差異点がないか否かを判断する。差分抽出部43は、両者に差異点がある場合に、当該差異点に該当する画素をがたつき部分と判断する。差分抽出部43は、基準2値画像データと他の比較2値画像データとを比較することによって、両者に差異点がないか否かを判断する。差分抽出部43は、両者に差異点がある場合に、当該差異点に該当する画素をがたつき部分と判断する。差分抽出部43は、この処理を繰り返すことによって、全ての比較処理においてがたつき部分と判断されたエリア(画素)のみを多値画像データにおけるがたつき部分として抽出する。
【0067】
この方法は、各2値化リファレンスとして、色素毎に異なる閾値(しきい階調値)が設定されている場合に、特に有効である。
【0068】
<画像処理>
次に、本実施の形態にかかるMFP100における画像処理の処理手順について説明する。図7は、本実施の形態にかかるMFP100における画像処理の処理手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るMFP100においては、主にCPU40が記憶部30に記憶されるプログラムを実行して図1および図2に示される各部を制御することによって、図7のフローチャートに示される処理が実現される。
【0069】
すなわち、図7を参照して、まずCPU40は、入力された多値画像データから細線エリアを抽出する(ステップS102)。すなわち、CPU40は、多値画像データから、所定の幅未満かつ所定の長さ以上の連続する画素から構成される細線エリアを抽出する。そして、多値画像データ中に細線エリアが存在した場合(ステップS104にてYESである場合)、CPU40は、多値画像データに基づいて2値画像データを生成する(ステップS106)。
【0070】
より詳細には、CPU40は、基準2値化リファレンスに基づいて、多値画像データを基準2値画像データに変換する。また、CPU40は、複数の比較2値化リファレンスの各々に基づいて、多値画像データを比較2値画像データの各々に変換する。なお、多値画像データ中に細線エリアが存在しない場合(ステップS104にてNOである場合)、CPU40は、画像処理(スムージング処理)を終了する。
【0071】
そして、CPU40は、基準2値画像データと比較2値画像データの各々とを比較することによって、基準2値画像データと比較2値画像データの各々とに差異(画素に付された階調の差異)があるか否かを判断する(ステップS108)。基準2値画像データと比較2値画像データの各々とに差異がある場合(ステップS108にてYESである場合)、CPU40は、基準2値画像データと比較2値画像データの各々との差分エリアをがたつき部分として抽出する(ステップS110)。
【0072】
CPU40は、多値画像データのうち、差分エリア(がたつき部分)の近傍の画素に対して、スムージング処理を施す(ステップS112)。一方、基準2値画像データと比較2値画像データの各々とに差異がない場合(ステップS108にてNOである場合)、CPU40は、画像処理(スムージング処理)を終了する。
【0073】
<まとめ>
本実施の形態に係るMFP100と通常のMFPとの差異について説明する。図8は、通常のMFPの機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、通常のMFPにおいては、2値化処理部46が、多値画像データを2値化することによって2値画像データを生成する。そして、パターンマッチング処理部47が、記憶部48などに記憶されている複数のジャギー(がたつき)パターンを読み出して、すなわち複数のパターンマッチングフィルタを用いて、2値画像データにパターンマッチングを行う。換言すれば、通常のMFPは、記憶部48に予め記憶されている複数のパターンマッチングフィルタを用いることによってがたつき部分の抽出を行う。
【0074】
このように、通常のMFPにおいては、複数のパターンマッチングフィルタを用いてがたつき部分を抽出するため、必要となる回路規模やメモリ容量が増大し、処理時間も長くなってしまう。
【0075】
一方、本実施の形態に係るMFP100においては、図2に示すように、2値化部42が異なる2値化リファレンスに基づいて2値画像データを生成し、差分抽出部43が2値画像データ同士の差分エリアを取得することによってがたつき部分を抽出する。換言すれば、本実施の形態に係るMFP100においては、並列に接続された2値化部42−1,42−2,42−Nから出力されてくる2値化データに基づいて、差分抽出部43が差分エリアを抽出する。
【0076】
このように、本実施の形態に係るMFP100は、複数のパターンフィルタを用いてパターンマッチングを行う必要がないため、がたつき部分を抽出するための容量を抑えつつ、有効なスムージング処理を行うことができる。
【0077】
<その他の実施の形態>
本実施の形態にかかるMFP100で実行される画像処理を、CPU40を有するコンピュータに実行させるための画像処理プログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0078】
なお、画像処理プログラムは、コンピュータのオペレーションシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して情報管理処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して情報管理処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかる文字判定プログラムに含まれ得る。
【0079】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストール
されて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施の形態にかかるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図2】本実施の形態にかかるMFPの機能構成を示すブロック図である。
【図3】多値画像データと2値画像データと差分エリアとの関係を示す第1のイメージ図である。
【図4】細線を表示する画面を示すイメージ図と太線を表示する画面を示すイメージ図である。
【図5】長い線を表示する画面を示すイメージ図と短い線を表示する画面を示すイメージ図である。
【図6】多値画像データと2値画像データと差分エリアとの関係を示す第2のイメージ図である。
【図7】本実施の形態にかかるMFPにおける画像処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】通常のMFPの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
10 スキャン処理部、20 入力画像処理部、30 記憶部、41 細線抽出部、411 幅抽出部、412 長さ抽出部、413 変更部、42 2値化部、42−1 第1の2値化部、42−2 第2の2値化部、42−N 第Nの2値化部、43 差分抽出部、44 補正部、441 切替部、442 スムージング部、443 置換部、46 2値化処理部、47 パターンマッチング処理部、48 記憶部、50 ネットワークインターフェイス部、60 出力画像処理部、70 エンジン部、80 モデム・NCU、90 操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成し、前記多値画像データを前記基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成する2値化手段と、
前記基準2値画像データと前記複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつきエリアを抽出する抽出手段と、
前記多値画像データの前記がたつきエリアに対して補正を行う補正手段とを備える、画像処理装置。
【請求項2】
前記多値画像データから細線エリアを抽出する細線抽出手段をさらに備え、
前記2値化手段は、前記多値画像データの前記細線エリアを2値化し、
前記抽出手段は、前記基準2値画像データの前記細線エリアと前記比較2値画像の前記細線エリアとを比較することによって、がたつきエリアを抽出する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記細線抽出手段は、
前記多値画像データから、所定の階調未満の画素からなる所定の幅未満の所定幅エリアを抽出する幅抽出手段と、
所定の長さ以上の前記所定幅エリアを細線エリアとして抽出する長さ抽出手段と、
前記細線エリアの幅に基づいて、前記2値化手段にて参照される前記比較閾値データを変更する変更手段とを含む、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記基準2値画像データ中に前記比較2値画像データのいずれか1つにでも一致しないエリアが存在する場合に、当該一致しないエリアをがたつき部と判断する、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記基準2値画像データ中に前記比較2値画像データの全てと一致しないエリアが存在する場合に、当該全てと一致しないエリアをがたつき部と判断する、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記補正手段は、
前記多値画像データの前記がたつき部の画素の各々に対して、当該画素周辺の複数の画素の階調値に基づきスムージング処理を行うスムージング手段と、
前記多値画像データの前記がたつき部の画素の階調値を、当該画素に隣接する画素の階調値に置き換える置換手段と、
前記基準2値画像データと前記比較2値画像データとの比較結果に基づいて、前記スムージング手段と前記置換手段とを切り替えて機能させる切替手段とを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、
前記多値画像データを前記第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、
前記第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出する抽出手段と、
前記多値画像データの前記第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施す補正手段とを備える、画像処理装置。
【請求項8】
前記多値画像データを前記第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段をさらに備え、
前記抽出手段は、前記第1および第3の2値画像データを比較することによって、第2の差分エリアを抽出し、
前記補正手段は、前記多値画像データの前記第2の差分エリアに第2のスムージング処理を施す、請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、
前記多値画像データを前記第1の閾値データと異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、
前記多値画像データを前記第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段と、
前記第1および第2の2値画像データを比較することによって第1の差分エリアを抽出し、前記第1および第3の2値画像データを比較することによって第2の差分エリアを抽出する抽出手段と、
前記多値画像データの前記第1および第2の差分エリアにスムージング処理を施す補正手段とを備える、画像処理装置。
【請求項10】
入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成する第1の2値化手段と、
前記多値画像データを前記第1の閾値データと異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成する第2の2値化手段と、
前記多値画像データを前記第1および第2の閾値データと異なる第3の閾値データに基づいて2値化することによって第3の2値画像データを生成する第3の2値化手段と、
前記第1および第2の2値画像データを比較することによって第1の差分エリアを抽出し、前記第1および第3の2値画像データを比較することによって第2の差分エリアを抽出する抽出手段と、
前記多値画像データの前記第1および第2の差分エリアの重複部分にスムージング処理を施す補正手段とを備える、画像処理装置。
【請求項11】
演算処理部を有する画像処理装置に画像処理させる画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、前記演算処理部に、
入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成するステップと、
前記多値画像データを前記基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成するステップと、
前記基準2値画像データと前記複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつきエリアを抽出するステップと、
前記多値画像データの前記がたつきエリアに対して補正を行うステップとを実行させる、画像処理プログラム。
【請求項12】
演算処理部を有する画像処理装置に画像処理させる画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、前記演算処理部に、
入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成するステップと、
前記多値画像データを前記第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成するステップと、
前記第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出するステップと、
前記多値画像データの前記第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施すステップとを実行させる、画像処理プログラム。
【請求項13】
演算処理部を有する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記演算処理部が、入力された多値画像データを基準閾値データに基づいて2値化することによって基準2値画像データを生成するステップと、
前記演算処理部が、前記多値画像データを前記基準閾値データと異なる複数の比較閾値データの各々に基づいて2値化することによって複数の比較2値画像データを生成するステップと、
前記演算処理部が、前記基準2値画像データと前記複数の比較2値画像データとを比較することによって、がたつきエリアを抽出するステップと、
前記演算処理部が、前記多値画像データの前記がたつきエリアに対して補正を行うステップと備える、画像処理方法。
【請求項14】
演算処理部を有する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記演算処理部が、入力された多値画像データを第1の閾値データに基づいて2値化することによって第1の2値画像データを生成するステップと、
前記演算処理部が、前記多値画像データを前記第1の閾値データとは異なる第2の閾値データに基づいて2値化することによって第2の2値画像データを生成するステップと、
前記演算処理部が、前記第1および第2の2値画像データを比較することによって、第1の差分エリアを抽出するステップと、
前記演算処理部が、前記多値画像データの前記第1の差分エリアに第1のスムージング処理を施すステップと備える、画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−4128(P2010−4128A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159227(P2008−159227)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】