画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラム
【課題】高精度にカメラ移動の検出を可能とする。
【解決手段】移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段21と、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段22と、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段23と、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段24と、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段25とを具備する。
【解決手段】移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段21と、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段22と、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段23と、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段24と、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段25とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動可能なカメラにより撮像された画像を用いてカメラが移動中であるのか否かを検出する場合に好適な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理においては、カメラが移動したことを検出することは行われている(特許文献1の0088欄参照)ものの、この検出のためには、背景差分やフレーム間差分を1画素(ピクセル)単位で行って特徴情報を検出することが必要である。特に、パーンやチルトに止まらず、カメラの位置自体を変化させて移動物体を撮像する場合には、移動物体が動くと共に背景が動くことになるので高精度で検出を行うための閾値設定が難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−199333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような従来の画像処理における問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、カメラが移動して背景が時間経過と共に変化するような場合にも高精度にカメラ移動を検出することが可能である画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像処理装置は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段と、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段と、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段と、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段と、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段を更に備え、前記行列作成手段は前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、前記生成手段は前記行列を用いて共分散行列を生成し、前記演算手段は前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段を備え、請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成ステップと、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成ステップと、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算ステップと、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出ステップと、前記検出ステップによる検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定ステップとを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像処理方法では、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成ステップと、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新ステップを更に備え、前記行列作成ステップでは前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、前記生成ステップでは前記行列を用いて共分散行列を生成し、前記演算ステップでは前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新ステップへ供給することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像処理方法では、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定ステップを備え、請求項4に記載の各ステップでは、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像処理用プログラムは、画像処理を行うコンピュータを、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像処理用プログラムでは、コンピュータを更に、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段として機能させ、前記行列作成手段として、前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成するように機能させ、前記生成手段として前記行列を用いて共分散行列を生成するように機能させ、前記演算手段として、前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給するように機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理用プログラムでは、コンピュータを更に、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段として機能させ、請求項7に記載の各手段として、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うように機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして行列を作成して、前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求め、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出し、検出結果に基づき前記カメラの移動を判定するので、閾値を適宜設定して高精度にカメラ移動を検出することが可能である。
【0015】
本発明によれば、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成し、仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列からユークリッド距離を得て、得られたユークリッド距離を用いて閾値を更新するので、周囲環境(周囲画像)の変化に応じた閾値を用いて高精度にカメラ移動を検出できる。
【0016】
本発明によれば、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定し、請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うので、カメラが移動せずに停止しており、大きな移動物体が移動した場合においても、誤検出をなくし高精度にカメラ移動を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像処理装置の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る画像処理装置の実施例によるブロック分けを説明するための図。
【図3】本発明に係る画像処理装置の実施例による行列作成を説明するための図。
【図4】本発明に係る画像処理装置の実施例による行列作成から共分散行列生成までの動作を説明するための図。
【図5】本発明に係る画像処理装置の実施例による共分散行列からユークリッド距離を求めるまでの動作を説明するための図。
【図6】発明に係る画像処理装置の実施例により求められたユークリッド距離をマトリックス状に並べた状態を示す図。
【図7】発明に係る画像処理装置の第1の実施形態による画像処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明に係る画像処理装置の第2の実施形態を示す構成図。
【図9】発明に係る画像処理装置の第1の実施形態による画像処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明に係る画像処理装置の第3の実施形態を示す構成図。
【図11】発明に係る画像処理装置の第3の実施形態による画像処理のカメラ移動判定動作を説明するための図。
【図12】発明に係る画像処理装置の第2の実施形態による閾値の更新のために行われる仮想画像の生成を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面を用いて本発明に係る画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1に実施形態に係る画像処理装置の構成図を示す。この画像処理装置は、CPU10とメモリ(主メモリ及び外部記憶メモリ)11を有し、情報を表示するための表示部13がCPU10に接続されたコンピュータシステムにより構成されている。
【0019】
メモリ11には、画像処理用プログラムが記憶されており、この画像処理用プログラムによりCPU10が、行列作成手段21、生成手段22、演算手段23、検出手段24及び判定手段25として機能する。
【0020】
行列作成手段21は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成するものである。上記画像信号は動画画像であり、カメラから送られたものでも、或いは記憶媒体に記憶されていたものでも良い。
【0021】
例えば、1フレームが320×240画素により構成される場合、図2に示すように5×5画素を1ブロックとすると、64×48ブロックに分けることになる。以下、1ブロックの画素構成を分割粒度という。上記では分割粒度が5×5画素であるが、分割粒度が10×10画素や分割粒度が2×2画素であっても良い。
【0022】
1フレームにおける全ブロックまたは間引いたブロックを行列の作成に使用する。分割粒度が5×5画素として間引く場合には例えば図3に示すように、第1フレームFrame1及び第2フレームFrame2においては、最左列から1列おきであって最上行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。第2フレームFrame2及び第3フレームFrame3においては、最左列の次列から1列おきであって最上行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。
【0023】
第3フレームFrame3及び第4フレームFrame4においては、最左列の次列から1列おきであって最上行の次行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。第4フレームFrame4及び第5フレームFrame5においては、最左列から1列おきであって最上行の次行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)ブロックを用いる。以下、同様にサンプリングを行う。上記のようにインターレース方式でサンプリングすることによって、均等なサンプリングを行うことができる。
【0024】
全ブロックを用いて行列を作成して処理する場合には、上記よりも高精度な処理を行うことができ、また、分割粒度を小さくすることにより精度を上げることができる。分割粒度を5×5画素として行列を作成する場合には、例えば、4ブロック毎に一つの行列を作成する。
【0025】
図4に示すように、第1フレームFrame1の1〜4で示す4ブロックの画素の輝度情報を25行×4列の行列とする。つまり、1により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第1列に並べられ、2により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第2列に並べられ、3により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第3列に並べられ、4により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第4列に並べられて全体で4行とされた行列が図4の行列1である。
【0026】
同様に第2フレームFrame2の5〜8で示す4ブロックの画素の輝度情報を25行×4列の行列とする。即ち、5により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第1列に並べられ、6により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第2列に並べられ、7により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第3列に並べられ、8により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第4列に並べられて全体で4行とされた行列が図4の行列2である。以下、同様にして全ブロックについて行列を作成する。
【0027】
生成手段22は、上記行列作成手段21によって作成された行列における対応する行列を用いて共分散行列を生成する。図4におけるS11に示されるように、行列1と行列2とを並べた25行×8列の行列3を生成し、これの転置行列3Tを生成する(S12)。この転置行列3Tは、8行×25列である。更に、生成手段22は、図4におけるS13に示すように転置行列3Tと行列3との乗算を行い、S14に示す共分散行列を生成する。生成手段22は、以下同様に、前後するフレームの対応ブロックによって作成された行列から共分散行列を生成する。画面が縦長横長或いは正方形である場合において、一般的に、粒度をm×m(m:2以上の整数)として、1フレームをNブロックに分割すると、(2×N)×(2×N)の共分散行列が生成される。
【0028】
演算手段23は、上記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めるものである。図5に示すように、まず共分散行列から既知の演算により固有値及び固有ベクトルを求める(S15)。求められた固有値をλ1 〜λ8 とし、固有ベクトルVを次の(式1)とする。
【0029】
【数1】
【0030】
次に演算手段23は、(式1)の固有ベクトルVと上記(行列3T )と(行列3)を用いて、((行列3)・V)T ・(行列3)を計算して特徴ベクトルを算出する。ここで算出される特徴ベクトルは、次に示す(式2)のように8行8列(一般的にはk行k列)であり、(式2)における行方向に並ぶ要素を集合して特徴ベクトルc1〜c8を得る。即ち、c1={c11,・・・,c81}T 、c2={c12,・・・,c82}T 、・・・、c8={c18,・・・,c88}T を得る。なお、(式2)においては、行列3をQにより示している。
【0031】
【数2】
【0032】
更に演算手段23は、特徴ベクトルc1〜c8の各要素間の距離を算出するものであり、本実施例では各要素間の距離をdmnとするとき、次の(式3)により、ユークリッド距離が求められる(図5のS16)。(式3)は、一般式であり、共分散行列が8行×8列である本例では、k=8である。
【0033】
【数3】
【0034】
演算手段23によって求められたユークリッド距離は、図5に示す距離行列Dのように、8行×8列であり、第1フレームFrame1の1〜4で示す4ブロックと第2フレームFrame2の5〜8で示す4ブロックにおいてそれぞれ対応するブロックについての距離は、右上側に斜めに並ぶD(1,5)、D(2,6)、D(3,7)、D(4,8)或いは、左下側に斜めに並ぶD(5,1)、D(6,2)、D(7,3)、D(8,4)に存在する。図5には、上記以外に第1フレームFrame1のブロック1と第2フレームFrame2のブロック8との距離D(8,1)の位置と、第2フレームFrame2のブロック6と第2フレームFrame2のブロック7との距離D(7,6)の位置についても示すことにより、距離行列Dの構成を説明している。
【0035】
演算手段23は、前後フレームにおける残りの対応するブロックについても同様の演算によりユークリッド距離を求める。ここでは、1フレームが320×240画素で、分割粒度を5×5画素としたので、全体では64×48=3072個のユークリッド距離が求められる。
【0036】
図1における検出手段24は、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値をブロック毎に検出する。分割粒度を5×5画素とした場合、前後する1フレームにおいて対応するブロック間のユークリッド距離は64×48得られ、図6のマトリックスに並べることができる。これに対し、検出手段24が用いる閾値は実際にカメラを移動させて上記のような処理を行ってユークリッド距離を求め、例えば全ユークリッド距離を加算して平均を求めて閾値(平均閾値)とすることができる。或いは、上記平均閾値に対し適当な定数を用いて加減乗除等の少なくともいずれかによる演算を行って閾値としても良い。
【0037】
比較値としては、例えばユークリッド距離と閾値との差、或いはユークリッド距離と閾値との比等を採用することができる。図1における判定手段25は、検出手段24による検出結果に基づきカメラの移動を判定する。即ち、比較値である「差」が「0」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるとき、或いは、比較値である「比」が「1」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるとき、カメラ移動中であると判定することができる。
【0038】
カメラ移動中であることの検出結果は、画像における移動物体検出処理に適用でき、例えば移動物体検出閾値を変更したり、移動物体検出処理のアルゴリズムを変更することができる。また、カメラにより撮像された画像を図1の表示部13に表示する場合に、「カメラ移動中」の文字を表示したり、適当なマークを表示したりすることにより、視聴している人に知らせることも可能である。
【0039】
図7は、画像処理用プログラムに対応するフローチャートである。このフローチャートにより図1に示されている各手段が実現されるので、このフローチャートに基づきCPU10による動作を説明する。画像処理装置が起動されてスタートとなると、画像信号の第i(当初i=1)フレームを取り込み(S21)、更に画像信号の第i+1フレームを取り込む(S22)。次に、CPU10は、第iフレームと第i+1フレームにおける対応するj個のブロックを取り込み、行列を作成する(S23)。これによって、1ブロックの分割粒度を5×5画素とした場合には、図2に示される行列が作成される。
【0040】
次に、CPU10は、上記行列を用いて固有値と固有ベクトルを求め、この固有値と固有ベクトルを用いて既に説明の通りの処理により共分散行列を生成する(S24)。この共分散行列は、図4に示されているようである。
【0041】
ステップS24に続いて、共分散行列を用いて第iフレームと第i+1フレームにおける対応するブロック間のユークリッド距離を求める(S25)。求められるユークリッド距離は、図5に示すように8行×8列の距離行列Dである。
【0042】
ステップS25においてユークリッド距離が求められると、全対象ブロックの処理が終了したのかを検出し(S26)、NOとなると選択するブロックを更新して(S27)、ステップS23へ戻って処理を続ける。また、ステップS26において全対象ブロックの処理が終了したことが検出された場合には、対応ブロックのユークリッド距離と予め用意した閾値を比較し、比較値を検出する(S28)。
【0043】
ステップS28に続き、上記検出された比較値に基づきが画像を撮像したカメラの移動を判定する(S29)。既に述べた通り、比較値としては例えばユークリッド距離と閾値との差を採用することができ、比較値である「差」が「0」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるときカメラ移動中であると判定する。判定結果は次の処理や画像表示のために出力され(S30)、次のフレームがあるか判定がなされ(S31)、次に処理すべきフレームがあればiを1インクリメントして(S32)ステップS22へ戻って処理を続ける。
【0044】
図8は、第2の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。この実施形態では、第1の実施形態と比べてCPU10Aに対して仮想画像生成手段26と閾値更新手段27が追加された構成を有している。仮想画像生成手段26は、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成するものである。閾値更新手段27は、ユークリッド距離を用いて閾値を更新するものである。カメラ移動検出に関しては、既に説明した図7に示したフローチャートのプログラムに基づき処理を行う。
【0045】
この第2の実施形態では、図9のフローチャートに示す処理により閾値の更新を行う。例えば、フレーム数が所定値(ここでは5)の倍数となったかを検出し(S41)、5の倍数のフレームが到来すると、このフレームの原画像を図12に示すように例えば右方に5画素ずらし、また下方へ5画素ずらした1フレームの仮想画像を生成する(S42)。このとき空白となる画素領域E(ハッチングで示す)の画素には、白や黒或いはその中間色の輝度値を補充する。
【0046】
上記原画像の1フレームと仮想画像の1フレームとについて、図7のステップS23からステップS27までと同様にして、全ブロックについてユークリッド距離を求める(S23〜S27)。更に、上記で求めたユークリッド距離を用いて閾値を作成して、次のフレームについてカメラ移動を検出する閾値を更新する(S43)。ユークリッド距離を用いて閾値を作成する場合、例えば全ユークリッド距離を加算して平均を求めて閾値(平均閾値)とすることができる。或いは、上記平均閾値に対し適当な定数を用いて加減乗除等の少なくともいずれかによる演算を行って閾値としても良い。
【0047】
上記のように閾値を変更するため、カメラ移動によって背景が変ってゆく場合に、これに追随して閾値を更新することになる。このため、適切な閾値により高精度な検出を行うことができる。
【0048】
次に、第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態に係る画像処理装置は、画面に大きな移動物体が現れた場合にカメラ移動であると誤検出することを防止する。即ち、第1の実施形態においては、1フレーム全体を対象として処理を行ったが、図10に示すように、CPU10Bに検出領域設定手段28が備えられており、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する。
【0049】
例えば、図11に示されるように第iフレームの画像における左右の端部に幅が10ブロック程度の短冊状の領域Ai、Biを設定する。次の第i+1フレームの画像における左右の端部にも上記と全く同様に、幅が10ブロック程度の短冊状の領域Ai+1、Bi+1を設定する。この設定領域について(Ai,Ai+1)の組合せと(Bi,Bi+1)の組合せにより、それぞれ図7に示した処理を行い、カメラ移動の検出を行う。検出結果は2通り得られるので、2つの結果がカメラ移動であることを示している場合のみ、カメラ移動とする。これにより、画面に大きな移動物体が現れた場合には、上記左右の領域が同時に移動物体で覆われることは少なく、誤検出を防止することができる。ここでは、左右の端部に検出領域を設けたが、上下の端部や画面の隅等を検出領域とすることもできる。また、検出領域の数は複数であれば良い。
【0050】
上記の第3の実施形態により処理を行う場合において、前述の第2の実施形態と同様に閾値を更新する場合は、仮想画像生成手段26は、上記検出領域それぞれについて仮想画像の生成を行い、閾値更新手段27は、上記検出領域それぞれについて閾値を得て更新を行うことになる。これにより、適切な閾値により高精度な検出を行うことができる。
【0051】
尚、上記の実施形態では、各手段をソフトウエアによって実現したが、演算回路や論理回路のようなハードウエアの組み合わせによっても各手段を実現し、これにより画像処理装置を構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0052】
10、10A、10B CPU
11 メモリ
13 表示部
21 行列作成手段
22 生成手段
23 演算手段
24 検出手段
25 判定手段
26 仮想画像生成手段
27 閾値更新手段
28 検出領域設定手段
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動可能なカメラにより撮像された画像を用いてカメラが移動中であるのか否かを検出する場合に好適な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像処理においては、カメラが移動したことを検出することは行われている(特許文献1の0088欄参照)ものの、この検出のためには、背景差分やフレーム間差分を1画素(ピクセル)単位で行って特徴情報を検出することが必要である。特に、パーンやチルトに止まらず、カメラの位置自体を変化させて移動物体を撮像する場合には、移動物体が動くと共に背景が動くことになるので高精度で検出を行うための閾値設定が難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−199333号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記のような従来の画像処理における問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、カメラが移動して背景が時間経過と共に変化するような場合にも高精度にカメラ移動を検出することが可能である画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像処理装置は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段と、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段と、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段と、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段と、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段を更に備え、前記行列作成手段は前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、前記生成手段は前記行列を用いて共分散行列を生成し、前記演算手段は前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る画像処理装置は、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段を備え、請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成ステップと、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成ステップと、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算ステップと、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出ステップと、前記検出ステップによる検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定ステップとを具備することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像処理方法では、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成ステップと、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新ステップを更に備え、前記行列作成ステップでは前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、前記生成ステップでは前記行列を用いて共分散行列を生成し、前記演算ステップでは前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新ステップへ供給することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る画像処理方法では、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定ステップを備え、請求項4に記載の各ステップでは、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る画像処理用プログラムは、画像処理を行うコンピュータを、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段、前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段、前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段、前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る画像処理用プログラムでは、コンピュータを更に、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段、ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段として機能させ、前記行列作成手段として、前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成するように機能させ、前記生成手段として前記行列を用いて共分散行列を生成するように機能させ、前記演算手段として、前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給するように機能させることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る画像処理用プログラムでは、コンピュータを更に、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段として機能させ、請求項7に記載の各手段として、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うように機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして行列を作成して、前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求め、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出し、検出結果に基づき前記カメラの移動を判定するので、閾値を適宜設定して高精度にカメラ移動を検出することが可能である。
【0015】
本発明によれば、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成し、仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列からユークリッド距離を得て、得られたユークリッド距離を用いて閾値を更新するので、周囲環境(周囲画像)の変化に応じた閾値を用いて高精度にカメラ移動を検出できる。
【0016】
本発明によれば、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定し、請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うので、カメラが移動せずに停止しており、大きな移動物体が移動した場合においても、誤検出をなくし高精度にカメラ移動を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像処理装置の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】本発明に係る画像処理装置の実施例によるブロック分けを説明するための図。
【図3】本発明に係る画像処理装置の実施例による行列作成を説明するための図。
【図4】本発明に係る画像処理装置の実施例による行列作成から共分散行列生成までの動作を説明するための図。
【図5】本発明に係る画像処理装置の実施例による共分散行列からユークリッド距離を求めるまでの動作を説明するための図。
【図6】発明に係る画像処理装置の実施例により求められたユークリッド距離をマトリックス状に並べた状態を示す図。
【図7】発明に係る画像処理装置の第1の実施形態による画像処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明に係る画像処理装置の第2の実施形態を示す構成図。
【図9】発明に係る画像処理装置の第1の実施形態による画像処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明に係る画像処理装置の第3の実施形態を示す構成図。
【図11】発明に係る画像処理装置の第3の実施形態による画像処理のカメラ移動判定動作を説明するための図。
【図12】発明に係る画像処理装置の第2の実施形態による閾値の更新のために行われる仮想画像の生成を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面を用いて本発明に係る画像処理装置、画像処理方法及び画像処理用プログラムの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1に実施形態に係る画像処理装置の構成図を示す。この画像処理装置は、CPU10とメモリ(主メモリ及び外部記憶メモリ)11を有し、情報を表示するための表示部13がCPU10に接続されたコンピュータシステムにより構成されている。
【0019】
メモリ11には、画像処理用プログラムが記憶されており、この画像処理用プログラムによりCPU10が、行列作成手段21、生成手段22、演算手段23、検出手段24及び判定手段25として機能する。
【0020】
行列作成手段21は、移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成するものである。上記画像信号は動画画像であり、カメラから送られたものでも、或いは記憶媒体に記憶されていたものでも良い。
【0021】
例えば、1フレームが320×240画素により構成される場合、図2に示すように5×5画素を1ブロックとすると、64×48ブロックに分けることになる。以下、1ブロックの画素構成を分割粒度という。上記では分割粒度が5×5画素であるが、分割粒度が10×10画素や分割粒度が2×2画素であっても良い。
【0022】
1フレームにおける全ブロックまたは間引いたブロックを行列の作成に使用する。分割粒度が5×5画素として間引く場合には例えば図3に示すように、第1フレームFrame1及び第2フレームFrame2においては、最左列から1列おきであって最上行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。第2フレームFrame2及び第3フレームFrame3においては、最左列の次列から1列おきであって最上行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。
【0023】
第3フレームFrame3及び第4フレームFrame4においては、最左列の次列から1列おきであって最上行の次行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)を用いる。第4フレームFrame4及び第5フレームFrame5においては、最左列から1列おきであって最上行の次行から1行おきにサンプリングしたブロック(合計32×24)ブロックを用いる。以下、同様にサンプリングを行う。上記のようにインターレース方式でサンプリングすることによって、均等なサンプリングを行うことができる。
【0024】
全ブロックを用いて行列を作成して処理する場合には、上記よりも高精度な処理を行うことができ、また、分割粒度を小さくすることにより精度を上げることができる。分割粒度を5×5画素として行列を作成する場合には、例えば、4ブロック毎に一つの行列を作成する。
【0025】
図4に示すように、第1フレームFrame1の1〜4で示す4ブロックの画素の輝度情報を25行×4列の行列とする。つまり、1により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第1列に並べられ、2により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第2列に並べられ、3により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第3列に並べられ、4により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第4列に並べられて全体で4行とされた行列が図4の行列1である。
【0026】
同様に第2フレームFrame2の5〜8で示す4ブロックの画素の輝度情報を25行×4列の行列とする。即ち、5により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第1列に並べられ、6により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第2列に並べられ、7により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第3列に並べられ、8により示されるブロックにおける5×5=25画素の輝度情報が第4列に並べられて全体で4行とされた行列が図4の行列2である。以下、同様にして全ブロックについて行列を作成する。
【0027】
生成手段22は、上記行列作成手段21によって作成された行列における対応する行列を用いて共分散行列を生成する。図4におけるS11に示されるように、行列1と行列2とを並べた25行×8列の行列3を生成し、これの転置行列3Tを生成する(S12)。この転置行列3Tは、8行×25列である。更に、生成手段22は、図4におけるS13に示すように転置行列3Tと行列3との乗算を行い、S14に示す共分散行列を生成する。生成手段22は、以下同様に、前後するフレームの対応ブロックによって作成された行列から共分散行列を生成する。画面が縦長横長或いは正方形である場合において、一般的に、粒度をm×m(m:2以上の整数)として、1フレームをNブロックに分割すると、(2×N)×(2×N)の共分散行列が生成される。
【0028】
演算手段23は、上記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めるものである。図5に示すように、まず共分散行列から既知の演算により固有値及び固有ベクトルを求める(S15)。求められた固有値をλ1 〜λ8 とし、固有ベクトルVを次の(式1)とする。
【0029】
【数1】
【0030】
次に演算手段23は、(式1)の固有ベクトルVと上記(行列3T )と(行列3)を用いて、((行列3)・V)T ・(行列3)を計算して特徴ベクトルを算出する。ここで算出される特徴ベクトルは、次に示す(式2)のように8行8列(一般的にはk行k列)であり、(式2)における行方向に並ぶ要素を集合して特徴ベクトルc1〜c8を得る。即ち、c1={c11,・・・,c81}T 、c2={c12,・・・,c82}T 、・・・、c8={c18,・・・,c88}T を得る。なお、(式2)においては、行列3をQにより示している。
【0031】
【数2】
【0032】
更に演算手段23は、特徴ベクトルc1〜c8の各要素間の距離を算出するものであり、本実施例では各要素間の距離をdmnとするとき、次の(式3)により、ユークリッド距離が求められる(図5のS16)。(式3)は、一般式であり、共分散行列が8行×8列である本例では、k=8である。
【0033】
【数3】
【0034】
演算手段23によって求められたユークリッド距離は、図5に示す距離行列Dのように、8行×8列であり、第1フレームFrame1の1〜4で示す4ブロックと第2フレームFrame2の5〜8で示す4ブロックにおいてそれぞれ対応するブロックについての距離は、右上側に斜めに並ぶD(1,5)、D(2,6)、D(3,7)、D(4,8)或いは、左下側に斜めに並ぶD(5,1)、D(6,2)、D(7,3)、D(8,4)に存在する。図5には、上記以外に第1フレームFrame1のブロック1と第2フレームFrame2のブロック8との距離D(8,1)の位置と、第2フレームFrame2のブロック6と第2フレームFrame2のブロック7との距離D(7,6)の位置についても示すことにより、距離行列Dの構成を説明している。
【0035】
演算手段23は、前後フレームにおける残りの対応するブロックについても同様の演算によりユークリッド距離を求める。ここでは、1フレームが320×240画素で、分割粒度を5×5画素としたので、全体では64×48=3072個のユークリッド距離が求められる。
【0036】
図1における検出手段24は、ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値をブロック毎に検出する。分割粒度を5×5画素とした場合、前後する1フレームにおいて対応するブロック間のユークリッド距離は64×48得られ、図6のマトリックスに並べることができる。これに対し、検出手段24が用いる閾値は実際にカメラを移動させて上記のような処理を行ってユークリッド距離を求め、例えば全ユークリッド距離を加算して平均を求めて閾値(平均閾値)とすることができる。或いは、上記平均閾値に対し適当な定数を用いて加減乗除等の少なくともいずれかによる演算を行って閾値としても良い。
【0037】
比較値としては、例えばユークリッド距離と閾値との差、或いはユークリッド距離と閾値との比等を採用することができる。図1における判定手段25は、検出手段24による検出結果に基づきカメラの移動を判定する。即ち、比較値である「差」が「0」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるとき、或いは、比較値である「比」が「1」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるとき、カメラ移動中であると判定することができる。
【0038】
カメラ移動中であることの検出結果は、画像における移動物体検出処理に適用でき、例えば移動物体検出閾値を変更したり、移動物体検出処理のアルゴリズムを変更することができる。また、カメラにより撮像された画像を図1の表示部13に表示する場合に、「カメラ移動中」の文字を表示したり、適当なマークを表示したりすることにより、視聴している人に知らせることも可能である。
【0039】
図7は、画像処理用プログラムに対応するフローチャートである。このフローチャートにより図1に示されている各手段が実現されるので、このフローチャートに基づきCPU10による動作を説明する。画像処理装置が起動されてスタートとなると、画像信号の第i(当初i=1)フレームを取り込み(S21)、更に画像信号の第i+1フレームを取り込む(S22)。次に、CPU10は、第iフレームと第i+1フレームにおける対応するj個のブロックを取り込み、行列を作成する(S23)。これによって、1ブロックの分割粒度を5×5画素とした場合には、図2に示される行列が作成される。
【0040】
次に、CPU10は、上記行列を用いて固有値と固有ベクトルを求め、この固有値と固有ベクトルを用いて既に説明の通りの処理により共分散行列を生成する(S24)。この共分散行列は、図4に示されているようである。
【0041】
ステップS24に続いて、共分散行列を用いて第iフレームと第i+1フレームにおける対応するブロック間のユークリッド距離を求める(S25)。求められるユークリッド距離は、図5に示すように8行×8列の距離行列Dである。
【0042】
ステップS25においてユークリッド距離が求められると、全対象ブロックの処理が終了したのかを検出し(S26)、NOとなると選択するブロックを更新して(S27)、ステップS23へ戻って処理を続ける。また、ステップS26において全対象ブロックの処理が終了したことが検出された場合には、対応ブロックのユークリッド距離と予め用意した閾値を比較し、比較値を検出する(S28)。
【0043】
ステップS28に続き、上記検出された比較値に基づきが画像を撮像したカメラの移動を判定する(S29)。既に述べた通り、比較値としては例えばユークリッド距離と閾値との差を採用することができ、比較値である「差」が「0」に近いブロック数が半数(所定割合)以上であるときカメラ移動中であると判定する。判定結果は次の処理や画像表示のために出力され(S30)、次のフレームがあるか判定がなされ(S31)、次に処理すべきフレームがあればiを1インクリメントして(S32)ステップS22へ戻って処理を続ける。
【0044】
図8は、第2の実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。この実施形態では、第1の実施形態と比べてCPU10Aに対して仮想画像生成手段26と閾値更新手段27が追加された構成を有している。仮想画像生成手段26は、1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成するものである。閾値更新手段27は、ユークリッド距離を用いて閾値を更新するものである。カメラ移動検出に関しては、既に説明した図7に示したフローチャートのプログラムに基づき処理を行う。
【0045】
この第2の実施形態では、図9のフローチャートに示す処理により閾値の更新を行う。例えば、フレーム数が所定値(ここでは5)の倍数となったかを検出し(S41)、5の倍数のフレームが到来すると、このフレームの原画像を図12に示すように例えば右方に5画素ずらし、また下方へ5画素ずらした1フレームの仮想画像を生成する(S42)。このとき空白となる画素領域E(ハッチングで示す)の画素には、白や黒或いはその中間色の輝度値を補充する。
【0046】
上記原画像の1フレームと仮想画像の1フレームとについて、図7のステップS23からステップS27までと同様にして、全ブロックについてユークリッド距離を求める(S23〜S27)。更に、上記で求めたユークリッド距離を用いて閾値を作成して、次のフレームについてカメラ移動を検出する閾値を更新する(S43)。ユークリッド距離を用いて閾値を作成する場合、例えば全ユークリッド距離を加算して平均を求めて閾値(平均閾値)とすることができる。或いは、上記平均閾値に対し適当な定数を用いて加減乗除等の少なくともいずれかによる演算を行って閾値としても良い。
【0047】
上記のように閾値を変更するため、カメラ移動によって背景が変ってゆく場合に、これに追随して閾値を更新することになる。このため、適切な閾値により高精度な検出を行うことができる。
【0048】
次に、第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態に係る画像処理装置は、画面に大きな移動物体が現れた場合にカメラ移動であると誤検出することを防止する。即ち、第1の実施形態においては、1フレーム全体を対象として処理を行ったが、図10に示すように、CPU10Bに検出領域設定手段28が備えられており、前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する。
【0049】
例えば、図11に示されるように第iフレームの画像における左右の端部に幅が10ブロック程度の短冊状の領域Ai、Biを設定する。次の第i+1フレームの画像における左右の端部にも上記と全く同様に、幅が10ブロック程度の短冊状の領域Ai+1、Bi+1を設定する。この設定領域について(Ai,Ai+1)の組合せと(Bi,Bi+1)の組合せにより、それぞれ図7に示した処理を行い、カメラ移動の検出を行う。検出結果は2通り得られるので、2つの結果がカメラ移動であることを示している場合のみ、カメラ移動とする。これにより、画面に大きな移動物体が現れた場合には、上記左右の領域が同時に移動物体で覆われることは少なく、誤検出を防止することができる。ここでは、左右の端部に検出領域を設けたが、上下の端部や画面の隅等を検出領域とすることもできる。また、検出領域の数は複数であれば良い。
【0050】
上記の第3の実施形態により処理を行う場合において、前述の第2の実施形態と同様に閾値を更新する場合は、仮想画像生成手段26は、上記検出領域それぞれについて仮想画像の生成を行い、閾値更新手段27は、上記検出領域それぞれについて閾値を得て更新を行うことになる。これにより、適切な閾値により高精度な検出を行うことができる。
【0051】
尚、上記の実施形態では、各手段をソフトウエアによって実現したが、演算回路や論理回路のようなハードウエアの組み合わせによっても各手段を実現し、これにより画像処理装置を構成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0052】
10、10A、10B CPU
11 メモリ
13 表示部
21 行列作成手段
22 生成手段
23 演算手段
24 検出手段
25 判定手段
26 仮想画像生成手段
27 閾値更新手段
28 検出領域設定手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段と、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段と、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段と、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段と、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段を更に備え、
前記行列作成手段は前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、
前記生成手段は前記行列を用いて共分散行列を生成し、
前記演算手段は前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給すること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段を備え、
請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成ステップと、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成ステップと、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算ステップと、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定ステップと
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成ステップと、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新ステップを更に備え、
前記行列作成ステップでは前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、
前記生成ステップでは前記行列を用いて共分散行列を生成し、
前記演算ステップでは前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新ステップへ供給すること
を特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定ステップを備え、
請求項4に記載の各ステップでは、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
画像処理を行うコンピュータを、
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段、
前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段
として機能させることを特徴とする画像処理用プログラム。
【請求項8】
コンピュータを更に、
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段
として機能させ、
前記行列作成手段として、前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成するように機能させ、
前記生成手段として前記行列を用いて共分散行列を生成するように機能させ、
前記演算手段として、前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給するように機能させること
を特徴とする請求項7に記載の画像処理用プログラム。
【請求項9】
コンピュータを更に、
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段として機能させ、
請求項7に記載の各手段として、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うように機能させることを特徴とする請求項8に記載の画像処理用プログラム。
【請求項1】
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段と、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段と、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段と、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段と、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段を更に備え、
前記行列作成手段は前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、
前記生成手段は前記行列を用いて共分散行列を生成し、
前記演算手段は前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給すること
を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段を備え、
請求項1に記載の各手段は、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成ステップと、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成ステップと、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算ステップと、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出ステップと、
前記検出ステップによる検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定ステップと
を具備することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成ステップと、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新ステップを更に備え、
前記行列作成ステップでは前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成し、
前記生成ステップでは前記行列を用いて共分散行列を生成し、
前記演算ステップでは前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新ステップへ供給すること
を特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定ステップを備え、
請求項4に記載の各ステップでは、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
画像処理を行うコンピュータを、
移動可能なカメラにより撮像された画像における1フレーム中のm×m(m:2以上の整数)画素を1ブロックとして、時間的に前後のフレームにおける対応する複数のブロックについてそれぞれの輝度データによる行列を前後のフレーム分作成する行列作成手段、
前記対応する行列を用いて共分散行列を生成する生成手段、
前記共分散行列から固有値及び固有ベクトルを求め、固有値及び固有ベクトルに基づき前後のフレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求める演算手段、
ユークリッド距離と閾値とを比較して比較値を検出する検出手段、
前記検出手段による検出結果に基づき前記カメラの移動を判定する判定手段
として機能させることを特徴とする画像処理用プログラム。
【請求項8】
コンピュータを更に、
1フレームの原画像を所定方向にずらした仮想画像の1フレームを生成する仮想画像生成手段、
ユークリッド距離を用いて閾値を更新する閾値更新手段
として機能させ、
前記行列作成手段として、前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームを用いた行列を作成するように機能させ、
前記生成手段として前記行列を用いて共分散行列を生成するように機能させ、
前記演算手段として、前記共分散行列から前記仮想画像の1フレームと原画像の1フレームの対応する各ブロック間のユークリッド距離を求めて前記閾値更新手段へ供給するように機能させること
を特徴とする請求項7に記載の画像処理用プログラム。
【請求項9】
コンピュータを更に、
前後の1フレームそれぞれの中に離れた複数の検出領域を設定する検出領域設定手段として機能させ、
請求項7に記載の各手段として、前後のフレームの前記検出領域について処理を行うように機能させることを特徴とする請求項8に記載の画像処理用プログラム。
【図1】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図11】
【図12】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−154633(P2011−154633A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16996(P2010−16996)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(391016358)東芝情報システム株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(391016358)東芝情報システム株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
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