画像処理装置、画像処理方法
【課題】 高周波成分が潰れること無く、表示諧調のダイナミックレンジをフルに使った表示を可能にすると共に、余計な擬似成分については表示しない技術を提供すること。
【解決手段】 低周波数成分で構成される第2の画像信号にKを乗算して第3の画像信号を生成する(S103)。高周波数成分で構成される第1の画像信号に第3の画像信号を加算した第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まる場合は第3の画像信号、収まらない部分が存在する場合は収まるように第3の画像信号を修正した画像信号を出力する(S107)。出力した画像信号と第1の画像信号との合成信号を生成する(S108)。第3の画像信号の修正量γを第3の画像信号に乗じて第5の画像信号を生成する(S107)。着目サブフレームとして合成信号、第5の画像信号の何れかを出力する(S109)。
【解決手段】 低周波数成分で構成される第2の画像信号にKを乗算して第3の画像信号を生成する(S103)。高周波数成分で構成される第1の画像信号に第3の画像信号を加算した第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まる場合は第3の画像信号、収まらない部分が存在する場合は収まるように第3の画像信号を修正した画像信号を出力する(S107)。出力した画像信号と第1の画像信号との合成信号を生成する(S108)。第3の画像信号の修正量γを第3の画像信号に乗じて第5の画像信号を生成する(S107)。着目サブフレームとして合成信号、第5の画像信号の何れかを出力する(S109)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、TVの受像機やPCの表示装置として液晶表示装置が使用されている。このような液晶表示装置は、薄型に形成できるため省スペースで、且つ省電力であるため幅広く用いられている。しかし、このような液晶表示装置は、動き映像に対する応答速度が遅いという問題を有している。そこで、この応答速度を改善するための液晶表示装置の駆動方法として、次に表示する画像データを以前の画像データと比較し、その比較結果に応じてオーバードライブ駆動を行う方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、液晶表示装置の表示特性による動きぼけを改善する方法として、入力画像信号のフレーム周波数を倍にして黒挿入や中間画像挿入して駆動する方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−126050号公報
【特許文献2】特開2002−351382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高周波成分の変化量が大きい場合、表示範囲を超えた値になる場合があり、表示が崩れたり、余分な映像が表示される等の障害が発生する。係る障害に対処するために、LPF定数変更などで対応した場合、動きボケ改善効果が減少(劣化)するという問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題に鑑みて成されたものであり、高周波成分が潰れること無く、表示諧調のダイナミックレンジをフルに使った表示を可能にすると共に、余計な擬似成分については表示しない技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0008】
即ち、フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割手段と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得手段と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する手段と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理手段と、
前記処理手段が出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する手段と、
前記処理手段による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する手段と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。
【0010】
即ち、フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割工程と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得工程と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する工程と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理工程と、
前記処理工程で出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する工程と、
前記処理工程による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する工程と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、高周波成分が潰れること無く、表示諧調のダイナミックレンジをフルに使った表示を可能にすると共に、余計な擬似成分については表示しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】サブフレーム画像生成部103が着目サブフレームに対して行う処理のフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置、特にエンジン部D1の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】サブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【図5(a)】LPF402により分離された低周波数成分と高周波数成分との関係を示す図である。
【図5(b)】低周波数成分と、加算器408の出力と、との関係を示す図である。
【図5(c)】Dレンジを超えた部分680,690を除去すべく、低周波数成分を操作する処理を説明する図である。
【図5(d)】処理された低周波数成分に高周波数成分を加算した結果を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0014】
[第1の実施形態]
図2は、本実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置、特にエンジン部D1の構成例を示す図である。光変調素子としての、R,G,Bのそれぞれに対応する液晶パネル2R,2G,2Bは、クロスプリズム7に対向する位置に配置されている。本実施形態では、液晶パネル2R,2G,2Bとして、TFTを用いて駆動するTN液晶パネルを用いている。また、各液晶パネル2R,2G,2Bを挟み込むように、その両側には偏光板8をそれぞれ配置し、クロスプリズム7の光出射側には投射レンズ9やスクリーン(被投射部材)6を配置している。
【0015】
放物型のリフレクタ10は、ランプ(光源)1を囲むように配置され、ランプ1からの出射光L1が平行光束L2に変換されるように構成されている。このリフレクタ10は、放物型でなくても良く、例えば、楕円型であっても良い。この場合、このリフレクタ10は、ランプ1からの出射光L1を集光光束に変換することになる。
【0016】
ランプ1には、メタルハライドランプやキセノンランプ等を用いることができる。また、はえの目インテグレータ40,41は、ランプ1から出射された光の光路上で、液晶パネル2R,2G,2Bと共役な関係となるように配置され、光源の不均一性を改善している。
【0017】
はえの目インテグレータ40,41の光出射側には順に、リレーレンズ11、ミラー12を配置している。さらに後段では、2枚のダイクロミラー13,14を配置しており、ランプ1からの出射光を3つに分岐させ、リレーレンズ15やミラー16,17,18を配置することで、この分岐したそれぞれの出射光を液晶パネル2R,2G,2Bに導くようにしている。尚、19はフィールドレンズを示す。なお、図3に示す如く、液晶パネル2R,2G,2Bには、図3に示す構成例を有する映像信号処理装置3が接続されている。
【0018】
図3は、本実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。映像信号処理装置3において、スイッチ30は、端子50を介してPC(パーソナルコンピュータ)から入力される映像信号、端子51から入力されるAV信号、のうち何れか1つを選択し、選択した方の信号を後段のA/D変換器31に出力している。AV信号には、NTSC等の各種の規格の信号や、一般のテレビ放送番組の映像信号が含まれる。更には、媒体に映像信号の録画を行う録画装置(ビデオデッキ、DVDレコーダ、HDDレコーダ)或いは媒体に録画された映像信号を再生する再生装置(DVDプレーヤ、LDプレーヤ等)等から得られる映像信号も、このAV信号に含まれる。
【0019】
信号処理回路52は、端子51から入力されるAV信号に対して、AV信号のデコード、ノイズ低減処理、帯域制限フィルタリング及び信号レベル調節等の信号処理を行う。A/D変換器31は、スイッチ30から出力された映像信号(画像信号)であるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。そしてA/D変換器31は、この変換したデジタル画像信号を、後段のDSP(Digital Signal Processor)32に送出する。
【0020】
DSP32は、A/D変換器31から受けたデジタル画像信号に対して所定の信号処理を実行し、その実行結果をフレームレート変換部101へ出力する。この所定の信号処理には、例えば、コントラスト調整、ブライト調整や色変換、解像度変換等の画像処理が含まれる。
【0021】
フレームレート変換部101は、DSP32から入力されたデジタル画像信号のフレームレートの変換を行う。メモリ33には、現在のフレームにおける画像のデータと、次のフレームにおける画像のデータと、が保存されている。もちろん、メモリ33には、これ以外の必要な情報を適宜保存しても良い。
【0022】
TG(タイミング発生回路)34は、投射型表示装置200を構成する各部への動作タイミングを規定するタイミング信号を出力する。サブフレーム画像生成部103は、フレームレート変換部101から出力されたデジタル画像信号に対して、動画ぼけなどの動画特性を改善するための処理を行う。極性反転部106は、サブフレーム画像生成部103により処理済みのデジタル画像信号の極性を反転させる。D/A変換器35は、極性反転部106により極性が反転されたデジタル画像信号をアナログ画像信号に変換し、変換したアナログ画像信号をパネルドライバ36に出力する。
【0023】
パネルドライバ36は、このアナログ画像信号のうちR成分の信号については液晶パネル2Rに送出し、G成分の信号については液晶パネル2Gに送出し、B成分の信号については液晶パネル2Bに送出する。また、パネルドライバ36は、それぞれの液晶パネル2R、2G、2Bに対して電源も供給する。なお、これ以外にも、LVDS,TMDS等のデジタル信号用入力端子や、デジタルTV用D4端子等を投射型表示装置200に設けても有効であることは言うまでもない。バラスト57は、ランプ1に接続されるランプ用の電源である。58はシステム電源、60はACインレットを示す。
【0024】
リモコン61は、投射型表示装置200に対して様々な指示を行うためにユーザが操作するものである。制御パネル62は、リモコン61から送出された指示信号を受け、これをデコードしてCPU63に通知する。明るさ調整SW(スイッチ)検出部109は、明るさ調整SW(スイッチ)204の動作を検出する。
【0025】
CPU63は、ROM64やRAM65に格納されてるコンピュータプログラムやデータを用いて本装置全体の制御を行う。ROM64には、本装置の設定データや、既知の情報として説明されるものなどを格納する。なお、映像信号処理装置3を構成しているものとして上述した各部のうち、一部をコンピュータプログラムで実装する場合には、このコンピュータプログラムはこのROM64に格納され、CPU63により実行されることになる。
【0026】
RAM65は、USB I/F107を介して外部から受信したデータを一時的に記憶するためのエリアや、CPU63が用いるワークエリアなどを有する。121は端子で、外部からの様々な情報(USB出力)を入力するための端子である。USB I/F107は、端子121を介して入力された情報を受け付けるためのI/Fとして機能する。
【0027】
次に、フレームレート変換部101の動作についてより詳細に説明する。
【0028】
フレームレート変換部101は、1つのフレームの画像信号を、N(N≧2:Nは整数)個のサブフレームの画像信号に分割する処理を行う。これにより、フレームレートもN倍となる。本実施形態では、Nが2の場合について説明する。例えば、垂直周波数60Hzの入力画像信号を、2倍の垂直周波数120Hzのフレームレートに変換する場合について説明する。その際、入力された少なくとも1画面以上の入力画像がメモリ33に記憶され、メモリ33からの入力画像のデータの読出速度を変えることにより、入力画像信号とは異なるフレームレートの画像信号に変換することが可能となる。
【0029】
次に、サブフレーム画像生成部103の動作についてより詳細に説明する。図4は、サブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。サブフレーム画像生成部103には、1つのフレームを構成する各サブフレームが順次入力され、処理され、出力される。
【0030】
フレームレート変換部101から出力された着目サブフレームの画像信号は、端子401を介して減算器407、LPF(ローパスフィルタ)402に入力される。ここで、この画像信号は高周波数成分(H)と低周波数成分(L)とで構成されているので、図4には、端子401を介して入力された画像信号は、H+Lと表記している。
【0031】
LPF402は、入力された画像信号(H+L)の高周波数成分をカットすることで、低周波数成分で構成されている画像信号L(第2の画像信号)を出力する。画像信号Lは、減算器407と係数器403とに入力される。
【0032】
減算器407は、端子401を介して入力された画像信号(H+L)から、低周波数成分を減ずる、即ち、画像信号Lを減ずることで、高周波数成分で構成されている画像信号H(第1の画像信号)を出力する。
【0033】
係数器403は、画像信号Lに対して、係数K(0<K<1を満たす定数値K)を乗じることで、画像信号KL(第3の画像信号)を生成し、出力する。本実施形態では、サブフィールドの数を2とするので、その逆数である1/2をKとして用いる。従って、第3の画像信号は、画像信号L/2と表記する。これは、本実施形態では、2枚のサブフレームに対して、低周波数成分を1/2づつ表示するためである。
【0034】
次に、加算器408は、係数器403からの出力である画像信号L/2と、減算器407からの出力である画像信号Hとを加算することで、画像信号(H+L/2)を生成し、これを第4の画像信号として出力する。しかし、低周波数成分から成る画像信号L/2に高周波数成分から成る画像信号Hを加算すると、予め定められた表示範囲(Dレンジ)を超えた部分が発生する可能性がある。この部分は表示することができないため、高周波数成分は潰れて歪んで表示されることになり、画像品位を大きく低下させる。
【0035】
そこで、本実施形態では、表示範囲(一般的に言えば、画像信号の出力先としての機器が表現可能な映像信号レベルの範囲(Dレンジ))を越えた部分が除去されるように、画像信号L/2を処理する。
【0036】
表示範囲オーバー検出部409は、画像信号(H+L/2)を加算器408から受けると、この画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分がある(存在する)か否かをチェックし、ある場合には、その旨を後段の階調制御部410に通知する。
【0037】
階調制御部410は、画像信号L/2を係数器403から受けると、Dレンジを超えた部分が除去されるような係数γ(修正量)を画像信号L/2に対して乗じることで、この画像信号L/2の階調を制御し、制御後の画像信号(L/2×γ)を出力する。なお、画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分がない(表示範囲内に収まる)と表示範囲オーバー検出部409が判断した場合には、その旨を階調制御部410に通知する。従って階調制御部410は、係数器403から受けた画像信号L/2をそのまま出力する(この場合、γ=1)。
【0038】
また、階調制御部404は、画像信号L/2を係数器403から受けると、画像信号L/2に対して係数(2−γ)を乗じることで、この画像信号L/2の階調を制御し、制御後の画像信号(L/2×(2−γ))を、第5の画像信号として出力する。
【0039】
加算器411は、減算器407からの出力である画像信号Hと、階調制御部410からの出力である画像信号(画像信号(L/2×γ)若しくは画像信号L/2)と、を加算することで、画像信号(H+L/2×γ)を合成信号として生成し、出力する。
【0040】
セレクタ405には、加算器411からの画像信号(H+L/2×γ)と、階調制御部404からの画像信号(L/2×(2−γ))とが入力される。セレクタ405は、サブフレーム毎にこれらを交互に出力する。例えば、着目フレームが第1サブフレーム、第2サブフレーム、第3サブフレーム、、、を有しているとする。この場合、第1サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(H+L/2×γ)を、第1サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。続いて、第2サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(L/2×(2−γ))を、第2サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。続いて、第3サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(H+L/2×γ)を、第3サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。このように、セレクタ405は、サブフレーム毎にこれらを交互に選択し、出力する。セレクタ405からの出力は、端子406を介して後段の極性反転部106に送出される。
【0041】
次に、表示範囲オーバー検出部409、階調制御部410の動作について、図5(a)〜(d)を用いて、より詳細に説明する。図5(a)〜(d)において、横軸は、着目画素の低周波数成分レベル(L)を示しており、縦軸は、低周波数成分(L)と高周波数成分(H)とを加算した結果(即ち加算器411又は加算器408からの出力)を示す。画像の低周波数成分には、画素毎に高周波数成分が加算される量が異なる。
【0042】
図5(a)は、LPF402により分離された低周波数成分と高周波数成分との関係を示す図である。図5(a)において、501は、低周波数成分のレベルを示し、502、503、504は、低周波数成分に重畳される高周波数成分を示している。ここで、低周波数成分に上乗せされる高周波数成分の量は、表示画像に応じて画素毎に異なる。
【0043】
図5(b)は、低周波数成分と、加算器408の出力と、との関係を示す図である。図5(b)に示す如く、L/2にHを加算することにより、表示範囲(Dレンジ)を超えた部分680、690(斜線で示している部分)が発生している。上述の通り、この部分は表示することができないため、高周波成分が潰れて歪んだ画像となってしまい、画像品位を大きく低下させる。本実施形態は、この部分680,690を除去することを目的の1つとしている。
【0044】
図5(c)は、Dレンジを超えた部分680,690を除去すべく、低周波数成分を操作する処理を説明する図である。係る処理により、画像劣化を改善する。より具体的には、部分680を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分に702に示す量だけバイアスを加える(γを掛け合わせる)。これにより、部分680を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分における階調変換特性601を702に示す量(=602に示す量)だけ上昇させる。同様に、部分690を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分に703に示す量だけバイアスを加える(γを掛け合わせる)。これにより、部分690を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分における階調変換特性601を703に示す量(=603に示す量)だけ上昇させる。これらの処理により、階調変換特性701を得る。これにより、部分680、部分680は除去される。
【0045】
図5(d)は、このようにして処理された低周波数成分に高周波数成分を加算した結果を示す図である。802,803に示す如く、Dレンジを超えた部分は除去されている。従って、高周波成分は潰れて歪むことなく、Dレンジの範囲内に収めることが可能となった。ここで、階調変換特性は、階調間がなめらかな変化となる様にフィルタ処理してもよい。また、階調変換を行うための構成は、メモリを用いたLUT(ルックアップテーブル)で構成してもよいし、関数演算を行う回路を用いてもよい。また、ディレイ回路などを用いて、演算のタイミングを合わせることにより、表示範囲を超えた画像に対してリアルタイムでの処理が可能となる。
【0046】
例えば、1フレーム遅れて反映すると、静止画の場合は問題ないが、動画の場合は表示範囲を超えた画素と演算結果を反映する画像に、表示位置のずれが生じるという問題が発生する。
【0047】
以上の説明により、本実施形態によれば、表示装置において、動画ぼけなどの動画特性の改善を行う場合においても、高周波成分が潰れることが無く、表示階調のダイナミックレンジをフルに使った表示が可能になる。更に、余計な擬似成分が表示されることもなくなり、画質劣化を伴うことなく、動画特性の改善を向上させることができる。
【0048】
図1は、サブフレーム画像生成部103が着目サブフレームに対して行う処理のフローチャートである。従って、実際には、サブフレーム画像生成部103は、各サブフレームの画像信号に対して図1に示したフローチャートに従った処理を行うことになる。
【0049】
先ず、ステップS101では、LPF402は、入力された画像信号(H+L)の高周波数成分をカットすることで、低周波数成分で構成されている画像信号Lを出力する。画像信号Lは、減算器407と係数器403とに入力される。
【0050】
次に、ステップS102では、減算器407は、端子401を介して入力された画像信号(H+L)から、低周波数成分を減ずる、即ち、画像信号Lを減ずることで、高周波数成分で構成されている画像信号Hを出力する。次に、ステップS103では、係数器403は、画像信号Lに対して、定数値としての係数1/2を乗じることで、画像信号L/2を生成し、出力する。
【0051】
次に、ステップS104では、加算器408は、係数器403からの出力である画像信号L/2と、減算器407からの出力である画像信号Hとを加算することで、画像信号(H+L/2)を生成し、出力する。
【0052】
次に、ステップS105では、表示範囲オーバー検出部409は、画像信号(H+L/2)を加算器408から受けると、この画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分があるか否かをチェックする。そして、Dレンジを超えた部分がある場合には、処理をステップS107に進め、Dレンジを超えた部分がない場合には、処理をステップS106に進める。
【0053】
ステップS106では、階調制御部410、404はγに1を設定する。次に、ステップS107では、階調制御部410は、画像信号L/2を係数器403から受けると、係数γを画像信号L/2に対して乗じることで、画像信号(L/2×γ)を生成し、出力する。また、階調制御部404は、画像信号L/2を係数器403から受けると、画像信号L/2に対して係数(2−γ)を乗じることで、画像信号(L/2×(2−γ))を生成し、出力する。
【0054】
次に、ステップS108では、加算器411は、減算器407からの出力である画像信号Hと、階調制御部410からの出力である画像信号(L/2×γ)と、を加算することで、画像信号(H+L/2×γ)を生成し、出力する。
【0055】
次に、ステップS109では、セレクタ405は、加算器411からの画像信号(H+L/2×γ)と、階調制御部404からの画像信号(L/2×(2−γ))と、のうち何れか一方を出力する。
【0056】
本実施形態では、N個のサブフレームに分割した際に、高周波(H)成分画像をN個のサブフレームの内の1つに表示し、N個のサブフレームの各々に低周波(L)成分画像を1/Kずつ分割して表示する例について説明した。しかしそれに限るものではなく、H成分をK倍、L成分を1倍で表示してもよく、H成分とL成分の比が所望の条件(H:L=K:1)を満たせばよい。
【0057】
[第2の実施形態]
本実施形態では、画像の表示領域を複数の部分領域に分割し、それぞれの部分領域について第1の実施形態で説明した処理を行う。図6は、本実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。図6において図4と同じ構成要素については同じ参照番号を付けており、その説明は省略する。
【0058】
表示領域判別部901では、HD、VDの同期信号と画素クロックCLKをカウントし、表示画面内の領域を判定する。表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量(Dレンジを超えた量)を領域毎に、領域補正値記憶部902に格納する。領域間補間演算部903は、着目画素の表示位置を含む領域に対応する階調変換特性を用いて補正する。
【0059】
補間の際には、着目画素の低周波数成分値に対する周辺4領域の補正値を取得し、領域内の表示位置に応じて補間して使用する。補間方法は線形補間、キュービック補間、スプライン法など、を用いることが可能である。
【0060】
本実施形態では、領域毎に階調制御を行うことが可能となるため、領域毎に黒レベルや白レベルを最適に制御することが可能となる。そのため、表示画面内での表示範囲(ダイナミックレンジ)を有効に用いることが可能となり、コントラスト感のあるメリハリのある画像を表示することが可能となる。
【0061】
[第3の実施形態]
本実施形態では、表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量を、表示範囲オーバー量調整部1001が調整することにより、表示画像の絵作りに応じたDレンジオーバー量の調整が可能となり、好みに応じた画質制御が可能となる。
【0062】
図7は、本実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。図7において図4と同じ構成要素については同じ参照番号を付けており、その説明は省略する。表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量Aに対して、表示範囲オーバー量調整部1001は、次式に基づく処理を行い、Dレンジオーバー量Cを得る。
【0063】
Dレンジオーバー量C=Dレンジオーバー量A−調整量B
そして表示範囲オーバー量調整部1001は、このDレンジオーバー量Cを表示範囲オーバー検出部409に再度送出するので、表示範囲オーバー検出部409は、このDレンジオーバー量CがDレンジを越えているか否かをチェックする。これにより、Dレンジオーバー量を検出する範囲に幅を持たせることが可能となる。もちろん、これ以降の処理では、このDレンジオーバー量Cが用いられる。
【0064】
例えば、絵作りで、階調を積極的に潰す場合がある。この場合は、表示範囲を超えた部分をある程度犠牲にしてもよい。必ずしも全ての階調を表示する必要がないからである。この場合、調整量Bは、DSP32により画像の輝度情報(分布、平均、最大、最小)等を元に演算処理され決定される。
【0065】
本実施形態によれば、Dレンジオーバー量を検出する範囲に幅を持たせて制御することが可能となるため、好みに応じた絵作りが可能となる。また、Dレンジオーバー量に応じて圧縮率を変えることにより、白潰れ/黒潰れの様に、画像を飽和されることなく、階調制御を行うことも可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像処理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、TVの受像機やPCの表示装置として液晶表示装置が使用されている。このような液晶表示装置は、薄型に形成できるため省スペースで、且つ省電力であるため幅広く用いられている。しかし、このような液晶表示装置は、動き映像に対する応答速度が遅いという問題を有している。そこで、この応答速度を改善するための液晶表示装置の駆動方法として、次に表示する画像データを以前の画像データと比較し、その比較結果に応じてオーバードライブ駆動を行う方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、液晶表示装置の表示特性による動きぼけを改善する方法として、入力画像信号のフレーム周波数を倍にして黒挿入や中間画像挿入して駆動する方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−126050号公報
【特許文献2】特開2002−351382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高周波成分の変化量が大きい場合、表示範囲を超えた値になる場合があり、表示が崩れたり、余分な映像が表示される等の障害が発生する。係る障害に対処するために、LPF定数変更などで対応した場合、動きボケ改善効果が減少(劣化)するという問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題に鑑みて成されたものであり、高周波成分が潰れること無く、表示諧調のダイナミックレンジをフルに使った表示を可能にすると共に、余計な擬似成分については表示しない技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0008】
即ち、フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割手段と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得手段と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する手段と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理手段と、
前記処理手段が出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する手段と、
前記処理手段による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する手段と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の画像処理方法は以下の構成を備える。
【0010】
即ち、フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割工程と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得工程と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する工程と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理工程と、
前記処理工程で出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する工程と、
前記処理工程による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する工程と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力工程と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によれば、高周波成分が潰れること無く、表示諧調のダイナミックレンジをフルに使った表示を可能にすると共に、余計な擬似成分については表示しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】サブフレーム画像生成部103が着目サブフレームに対して行う処理のフローチャートである。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置、特にエンジン部D1の構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】サブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【図5(a)】LPF402により分離された低周波数成分と高周波数成分との関係を示す図である。
【図5(b)】低周波数成分と、加算器408の出力と、との関係を示す図である。
【図5(c)】Dレンジを超えた部分680,690を除去すべく、低周波数成分を操作する処理を説明する図である。
【図5(d)】処理された低周波数成分に高周波数成分を加算した結果を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態は、本発明を具体的に実施した場合の一例を示すもので、特許請求の範囲に記載の構成の具体的な実施例の1つである。
【0014】
[第1の実施形態]
図2は、本実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置、特にエンジン部D1の構成例を示す図である。光変調素子としての、R,G,Bのそれぞれに対応する液晶パネル2R,2G,2Bは、クロスプリズム7に対向する位置に配置されている。本実施形態では、液晶パネル2R,2G,2Bとして、TFTを用いて駆動するTN液晶パネルを用いている。また、各液晶パネル2R,2G,2Bを挟み込むように、その両側には偏光板8をそれぞれ配置し、クロスプリズム7の光出射側には投射レンズ9やスクリーン(被投射部材)6を配置している。
【0015】
放物型のリフレクタ10は、ランプ(光源)1を囲むように配置され、ランプ1からの出射光L1が平行光束L2に変換されるように構成されている。このリフレクタ10は、放物型でなくても良く、例えば、楕円型であっても良い。この場合、このリフレクタ10は、ランプ1からの出射光L1を集光光束に変換することになる。
【0016】
ランプ1には、メタルハライドランプやキセノンランプ等を用いることができる。また、はえの目インテグレータ40,41は、ランプ1から出射された光の光路上で、液晶パネル2R,2G,2Bと共役な関係となるように配置され、光源の不均一性を改善している。
【0017】
はえの目インテグレータ40,41の光出射側には順に、リレーレンズ11、ミラー12を配置している。さらに後段では、2枚のダイクロミラー13,14を配置しており、ランプ1からの出射光を3つに分岐させ、リレーレンズ15やミラー16,17,18を配置することで、この分岐したそれぞれの出射光を液晶パネル2R,2G,2Bに導くようにしている。尚、19はフィールドレンズを示す。なお、図3に示す如く、液晶パネル2R,2G,2Bには、図3に示す構成例を有する映像信号処理装置3が接続されている。
【0018】
図3は、本実施形態に係る画像処理装置を適用した投射型表示装置200のハードウェア構成例を示すブロック図である。映像信号処理装置3において、スイッチ30は、端子50を介してPC(パーソナルコンピュータ)から入力される映像信号、端子51から入力されるAV信号、のうち何れか1つを選択し、選択した方の信号を後段のA/D変換器31に出力している。AV信号には、NTSC等の各種の規格の信号や、一般のテレビ放送番組の映像信号が含まれる。更には、媒体に映像信号の録画を行う録画装置(ビデオデッキ、DVDレコーダ、HDDレコーダ)或いは媒体に録画された映像信号を再生する再生装置(DVDプレーヤ、LDプレーヤ等)等から得られる映像信号も、このAV信号に含まれる。
【0019】
信号処理回路52は、端子51から入力されるAV信号に対して、AV信号のデコード、ノイズ低減処理、帯域制限フィルタリング及び信号レベル調節等の信号処理を行う。A/D変換器31は、スイッチ30から出力された映像信号(画像信号)であるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。そしてA/D変換器31は、この変換したデジタル画像信号を、後段のDSP(Digital Signal Processor)32に送出する。
【0020】
DSP32は、A/D変換器31から受けたデジタル画像信号に対して所定の信号処理を実行し、その実行結果をフレームレート変換部101へ出力する。この所定の信号処理には、例えば、コントラスト調整、ブライト調整や色変換、解像度変換等の画像処理が含まれる。
【0021】
フレームレート変換部101は、DSP32から入力されたデジタル画像信号のフレームレートの変換を行う。メモリ33には、現在のフレームにおける画像のデータと、次のフレームにおける画像のデータと、が保存されている。もちろん、メモリ33には、これ以外の必要な情報を適宜保存しても良い。
【0022】
TG(タイミング発生回路)34は、投射型表示装置200を構成する各部への動作タイミングを規定するタイミング信号を出力する。サブフレーム画像生成部103は、フレームレート変換部101から出力されたデジタル画像信号に対して、動画ぼけなどの動画特性を改善するための処理を行う。極性反転部106は、サブフレーム画像生成部103により処理済みのデジタル画像信号の極性を反転させる。D/A変換器35は、極性反転部106により極性が反転されたデジタル画像信号をアナログ画像信号に変換し、変換したアナログ画像信号をパネルドライバ36に出力する。
【0023】
パネルドライバ36は、このアナログ画像信号のうちR成分の信号については液晶パネル2Rに送出し、G成分の信号については液晶パネル2Gに送出し、B成分の信号については液晶パネル2Bに送出する。また、パネルドライバ36は、それぞれの液晶パネル2R、2G、2Bに対して電源も供給する。なお、これ以外にも、LVDS,TMDS等のデジタル信号用入力端子や、デジタルTV用D4端子等を投射型表示装置200に設けても有効であることは言うまでもない。バラスト57は、ランプ1に接続されるランプ用の電源である。58はシステム電源、60はACインレットを示す。
【0024】
リモコン61は、投射型表示装置200に対して様々な指示を行うためにユーザが操作するものである。制御パネル62は、リモコン61から送出された指示信号を受け、これをデコードしてCPU63に通知する。明るさ調整SW(スイッチ)検出部109は、明るさ調整SW(スイッチ)204の動作を検出する。
【0025】
CPU63は、ROM64やRAM65に格納されてるコンピュータプログラムやデータを用いて本装置全体の制御を行う。ROM64には、本装置の設定データや、既知の情報として説明されるものなどを格納する。なお、映像信号処理装置3を構成しているものとして上述した各部のうち、一部をコンピュータプログラムで実装する場合には、このコンピュータプログラムはこのROM64に格納され、CPU63により実行されることになる。
【0026】
RAM65は、USB I/F107を介して外部から受信したデータを一時的に記憶するためのエリアや、CPU63が用いるワークエリアなどを有する。121は端子で、外部からの様々な情報(USB出力)を入力するための端子である。USB I/F107は、端子121を介して入力された情報を受け付けるためのI/Fとして機能する。
【0027】
次に、フレームレート変換部101の動作についてより詳細に説明する。
【0028】
フレームレート変換部101は、1つのフレームの画像信号を、N(N≧2:Nは整数)個のサブフレームの画像信号に分割する処理を行う。これにより、フレームレートもN倍となる。本実施形態では、Nが2の場合について説明する。例えば、垂直周波数60Hzの入力画像信号を、2倍の垂直周波数120Hzのフレームレートに変換する場合について説明する。その際、入力された少なくとも1画面以上の入力画像がメモリ33に記憶され、メモリ33からの入力画像のデータの読出速度を変えることにより、入力画像信号とは異なるフレームレートの画像信号に変換することが可能となる。
【0029】
次に、サブフレーム画像生成部103の動作についてより詳細に説明する。図4は、サブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。サブフレーム画像生成部103には、1つのフレームを構成する各サブフレームが順次入力され、処理され、出力される。
【0030】
フレームレート変換部101から出力された着目サブフレームの画像信号は、端子401を介して減算器407、LPF(ローパスフィルタ)402に入力される。ここで、この画像信号は高周波数成分(H)と低周波数成分(L)とで構成されているので、図4には、端子401を介して入力された画像信号は、H+Lと表記している。
【0031】
LPF402は、入力された画像信号(H+L)の高周波数成分をカットすることで、低周波数成分で構成されている画像信号L(第2の画像信号)を出力する。画像信号Lは、減算器407と係数器403とに入力される。
【0032】
減算器407は、端子401を介して入力された画像信号(H+L)から、低周波数成分を減ずる、即ち、画像信号Lを減ずることで、高周波数成分で構成されている画像信号H(第1の画像信号)を出力する。
【0033】
係数器403は、画像信号Lに対して、係数K(0<K<1を満たす定数値K)を乗じることで、画像信号KL(第3の画像信号)を生成し、出力する。本実施形態では、サブフィールドの数を2とするので、その逆数である1/2をKとして用いる。従って、第3の画像信号は、画像信号L/2と表記する。これは、本実施形態では、2枚のサブフレームに対して、低周波数成分を1/2づつ表示するためである。
【0034】
次に、加算器408は、係数器403からの出力である画像信号L/2と、減算器407からの出力である画像信号Hとを加算することで、画像信号(H+L/2)を生成し、これを第4の画像信号として出力する。しかし、低周波数成分から成る画像信号L/2に高周波数成分から成る画像信号Hを加算すると、予め定められた表示範囲(Dレンジ)を超えた部分が発生する可能性がある。この部分は表示することができないため、高周波数成分は潰れて歪んで表示されることになり、画像品位を大きく低下させる。
【0035】
そこで、本実施形態では、表示範囲(一般的に言えば、画像信号の出力先としての機器が表現可能な映像信号レベルの範囲(Dレンジ))を越えた部分が除去されるように、画像信号L/2を処理する。
【0036】
表示範囲オーバー検出部409は、画像信号(H+L/2)を加算器408から受けると、この画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分がある(存在する)か否かをチェックし、ある場合には、その旨を後段の階調制御部410に通知する。
【0037】
階調制御部410は、画像信号L/2を係数器403から受けると、Dレンジを超えた部分が除去されるような係数γ(修正量)を画像信号L/2に対して乗じることで、この画像信号L/2の階調を制御し、制御後の画像信号(L/2×γ)を出力する。なお、画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分がない(表示範囲内に収まる)と表示範囲オーバー検出部409が判断した場合には、その旨を階調制御部410に通知する。従って階調制御部410は、係数器403から受けた画像信号L/2をそのまま出力する(この場合、γ=1)。
【0038】
また、階調制御部404は、画像信号L/2を係数器403から受けると、画像信号L/2に対して係数(2−γ)を乗じることで、この画像信号L/2の階調を制御し、制御後の画像信号(L/2×(2−γ))を、第5の画像信号として出力する。
【0039】
加算器411は、減算器407からの出力である画像信号Hと、階調制御部410からの出力である画像信号(画像信号(L/2×γ)若しくは画像信号L/2)と、を加算することで、画像信号(H+L/2×γ)を合成信号として生成し、出力する。
【0040】
セレクタ405には、加算器411からの画像信号(H+L/2×γ)と、階調制御部404からの画像信号(L/2×(2−γ))とが入力される。セレクタ405は、サブフレーム毎にこれらを交互に出力する。例えば、着目フレームが第1サブフレーム、第2サブフレーム、第3サブフレーム、、、を有しているとする。この場合、第1サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(H+L/2×γ)を、第1サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。続いて、第2サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(L/2×(2−γ))を、第2サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。続いて、第3サブフレームの画像信号が端子401に入力されると、セレクタ405は、画像信号(H+L/2×γ)を、第3サブフレームを再生するための画像信号として選択し、出力する。このように、セレクタ405は、サブフレーム毎にこれらを交互に選択し、出力する。セレクタ405からの出力は、端子406を介して後段の極性反転部106に送出される。
【0041】
次に、表示範囲オーバー検出部409、階調制御部410の動作について、図5(a)〜(d)を用いて、より詳細に説明する。図5(a)〜(d)において、横軸は、着目画素の低周波数成分レベル(L)を示しており、縦軸は、低周波数成分(L)と高周波数成分(H)とを加算した結果(即ち加算器411又は加算器408からの出力)を示す。画像の低周波数成分には、画素毎に高周波数成分が加算される量が異なる。
【0042】
図5(a)は、LPF402により分離された低周波数成分と高周波数成分との関係を示す図である。図5(a)において、501は、低周波数成分のレベルを示し、502、503、504は、低周波数成分に重畳される高周波数成分を示している。ここで、低周波数成分に上乗せされる高周波数成分の量は、表示画像に応じて画素毎に異なる。
【0043】
図5(b)は、低周波数成分と、加算器408の出力と、との関係を示す図である。図5(b)に示す如く、L/2にHを加算することにより、表示範囲(Dレンジ)を超えた部分680、690(斜線で示している部分)が発生している。上述の通り、この部分は表示することができないため、高周波成分が潰れて歪んだ画像となってしまい、画像品位を大きく低下させる。本実施形態は、この部分680,690を除去することを目的の1つとしている。
【0044】
図5(c)は、Dレンジを超えた部分680,690を除去すべく、低周波数成分を操作する処理を説明する図である。係る処理により、画像劣化を改善する。より具体的には、部分680を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分に702に示す量だけバイアスを加える(γを掛け合わせる)。これにより、部分680を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分における階調変換特性601を702に示す量(=602に示す量)だけ上昇させる。同様に、部分690を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分に703に示す量だけバイアスを加える(γを掛け合わせる)。これにより、部分690を含む高周波数成分を重ねる低周波数成分における階調変換特性601を703に示す量(=603に示す量)だけ上昇させる。これらの処理により、階調変換特性701を得る。これにより、部分680、部分680は除去される。
【0045】
図5(d)は、このようにして処理された低周波数成分に高周波数成分を加算した結果を示す図である。802,803に示す如く、Dレンジを超えた部分は除去されている。従って、高周波成分は潰れて歪むことなく、Dレンジの範囲内に収めることが可能となった。ここで、階調変換特性は、階調間がなめらかな変化となる様にフィルタ処理してもよい。また、階調変換を行うための構成は、メモリを用いたLUT(ルックアップテーブル)で構成してもよいし、関数演算を行う回路を用いてもよい。また、ディレイ回路などを用いて、演算のタイミングを合わせることにより、表示範囲を超えた画像に対してリアルタイムでの処理が可能となる。
【0046】
例えば、1フレーム遅れて反映すると、静止画の場合は問題ないが、動画の場合は表示範囲を超えた画素と演算結果を反映する画像に、表示位置のずれが生じるという問題が発生する。
【0047】
以上の説明により、本実施形態によれば、表示装置において、動画ぼけなどの動画特性の改善を行う場合においても、高周波成分が潰れることが無く、表示階調のダイナミックレンジをフルに使った表示が可能になる。更に、余計な擬似成分が表示されることもなくなり、画質劣化を伴うことなく、動画特性の改善を向上させることができる。
【0048】
図1は、サブフレーム画像生成部103が着目サブフレームに対して行う処理のフローチャートである。従って、実際には、サブフレーム画像生成部103は、各サブフレームの画像信号に対して図1に示したフローチャートに従った処理を行うことになる。
【0049】
先ず、ステップS101では、LPF402は、入力された画像信号(H+L)の高周波数成分をカットすることで、低周波数成分で構成されている画像信号Lを出力する。画像信号Lは、減算器407と係数器403とに入力される。
【0050】
次に、ステップS102では、減算器407は、端子401を介して入力された画像信号(H+L)から、低周波数成分を減ずる、即ち、画像信号Lを減ずることで、高周波数成分で構成されている画像信号Hを出力する。次に、ステップS103では、係数器403は、画像信号Lに対して、定数値としての係数1/2を乗じることで、画像信号L/2を生成し、出力する。
【0051】
次に、ステップS104では、加算器408は、係数器403からの出力である画像信号L/2と、減算器407からの出力である画像信号Hとを加算することで、画像信号(H+L/2)を生成し、出力する。
【0052】
次に、ステップS105では、表示範囲オーバー検出部409は、画像信号(H+L/2)を加算器408から受けると、この画像信号(H+L/2)において、Dレンジを越えた部分があるか否かをチェックする。そして、Dレンジを超えた部分がある場合には、処理をステップS107に進め、Dレンジを超えた部分がない場合には、処理をステップS106に進める。
【0053】
ステップS106では、階調制御部410、404はγに1を設定する。次に、ステップS107では、階調制御部410は、画像信号L/2を係数器403から受けると、係数γを画像信号L/2に対して乗じることで、画像信号(L/2×γ)を生成し、出力する。また、階調制御部404は、画像信号L/2を係数器403から受けると、画像信号L/2に対して係数(2−γ)を乗じることで、画像信号(L/2×(2−γ))を生成し、出力する。
【0054】
次に、ステップS108では、加算器411は、減算器407からの出力である画像信号Hと、階調制御部410からの出力である画像信号(L/2×γ)と、を加算することで、画像信号(H+L/2×γ)を生成し、出力する。
【0055】
次に、ステップS109では、セレクタ405は、加算器411からの画像信号(H+L/2×γ)と、階調制御部404からの画像信号(L/2×(2−γ))と、のうち何れか一方を出力する。
【0056】
本実施形態では、N個のサブフレームに分割した際に、高周波(H)成分画像をN個のサブフレームの内の1つに表示し、N個のサブフレームの各々に低周波(L)成分画像を1/Kずつ分割して表示する例について説明した。しかしそれに限るものではなく、H成分をK倍、L成分を1倍で表示してもよく、H成分とL成分の比が所望の条件(H:L=K:1)を満たせばよい。
【0057】
[第2の実施形態]
本実施形態では、画像の表示領域を複数の部分領域に分割し、それぞれの部分領域について第1の実施形態で説明した処理を行う。図6は、本実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。図6において図4と同じ構成要素については同じ参照番号を付けており、その説明は省略する。
【0058】
表示領域判別部901では、HD、VDの同期信号と画素クロックCLKをカウントし、表示画面内の領域を判定する。表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量(Dレンジを超えた量)を領域毎に、領域補正値記憶部902に格納する。領域間補間演算部903は、着目画素の表示位置を含む領域に対応する階調変換特性を用いて補正する。
【0059】
補間の際には、着目画素の低周波数成分値に対する周辺4領域の補正値を取得し、領域内の表示位置に応じて補間して使用する。補間方法は線形補間、キュービック補間、スプライン法など、を用いることが可能である。
【0060】
本実施形態では、領域毎に階調制御を行うことが可能となるため、領域毎に黒レベルや白レベルを最適に制御することが可能となる。そのため、表示画面内での表示範囲(ダイナミックレンジ)を有効に用いることが可能となり、コントラスト感のあるメリハリのある画像を表示することが可能となる。
【0061】
[第3の実施形態]
本実施形態では、表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量を、表示範囲オーバー量調整部1001が調整することにより、表示画像の絵作りに応じたDレンジオーバー量の調整が可能となり、好みに応じた画質制御が可能となる。
【0062】
図7は、本実施形態に係るサブフレーム画像生成部103の機能構成例を示すブロック図である。図7において図4と同じ構成要素については同じ参照番号を付けており、その説明は省略する。表示範囲オーバー検出部409が検出したDレンジオーバー量Aに対して、表示範囲オーバー量調整部1001は、次式に基づく処理を行い、Dレンジオーバー量Cを得る。
【0063】
Dレンジオーバー量C=Dレンジオーバー量A−調整量B
そして表示範囲オーバー量調整部1001は、このDレンジオーバー量Cを表示範囲オーバー検出部409に再度送出するので、表示範囲オーバー検出部409は、このDレンジオーバー量CがDレンジを越えているか否かをチェックする。これにより、Dレンジオーバー量を検出する範囲に幅を持たせることが可能となる。もちろん、これ以降の処理では、このDレンジオーバー量Cが用いられる。
【0064】
例えば、絵作りで、階調を積極的に潰す場合がある。この場合は、表示範囲を超えた部分をある程度犠牲にしてもよい。必ずしも全ての階調を表示する必要がないからである。この場合、調整量Bは、DSP32により画像の輝度情報(分布、平均、最大、最小)等を元に演算処理され決定される。
【0065】
本実施形態によれば、Dレンジオーバー量を検出する範囲に幅を持たせて制御することが可能となるため、好みに応じた絵作りが可能となる。また、Dレンジオーバー量に応じて圧縮率を変えることにより、白潰れ/黒潰れの様に、画像を飽和されることなく、階調制御を行うことも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割手段と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得手段と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する手段と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理手段と、
前記処理手段が出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する手段と、
前記処理手段による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する手段と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記分割手段は、前記着目フレームの画像信号を、この画像信号の垂直周波数よりも大きい垂直周波数のフレームレートに変換することで、前記着目フレームの画像信号を複数のサブフレームに分割することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記定数値Kは、前記着目フレームを構成するサブフレームの数の逆数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記着目フレームの画像信号に対してローパスフィルタを用いることで前記第2の画像信号を取得し、前記着目フレームの画像信号から前記第2の画像信号を減ずることで前記第1の画像信号を取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記範囲は、前記出力手段による出力先としての表示装置が表現可能な信号レベルの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、サブフレーム毎に前記合成信号、前記第5の画像信号を交互に出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記1つのフレームは、1つの画像を複数の部分領域に分割した場合のそれぞれの部分領域であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割工程と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得工程と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する工程と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理工程と、
前記処理工程で出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する工程と、
前記処理工程による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する工程と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割手段と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得手段と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する手段と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理手段と、
前記処理手段が出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する手段と、
前記処理手段による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する手段と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記分割手段は、前記着目フレームの画像信号を、この画像信号の垂直周波数よりも大きい垂直周波数のフレームレートに変換することで、前記着目フレームの画像信号を複数のサブフレームに分割することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記定数値Kは、前記着目フレームを構成するサブフレームの数の逆数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記着目フレームの画像信号に対してローパスフィルタを用いることで前記第2の画像信号を取得し、前記着目フレームの画像信号から前記第2の画像信号を減ずることで前記第1の画像信号を取得することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記範囲は、前記出力手段による出力先としての表示装置が表現可能な信号レベルの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、サブフレーム毎に前記合成信号、前記第5の画像信号を交互に出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記1つのフレームは、1つの画像を複数の部分領域に分割した場合のそれぞれの部分領域であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
フレーム毎に入力される画像信号を処理して出力する画像処理装置が行う画像処理方法であって、
1つのフレームを複数のサブフレームに分割する分割工程と、
着目サブフレームの画像信号から、高周波数成分で構成される第1の画像信号と、低周波数成分で構成される第2の画像信号と、を取得する取得工程と、
前記第2の画像信号に対して0<K<1を満たす定数値Kを乗じることで第3の画像信号を生成する工程と、
前記第1の画像信号と前記第3の画像信号とを加算することで得られる第4の画像信号が予め定められた範囲内に収まるレベルである場合には前記第3の画像信号を出力し、前記第4の画像信号において前記範囲内に収まらない部分が存在する場合には当該部分が収まるように前記第3の画像信号を修正した画像信号を出力する処理工程と、
前記処理工程で出力した画像信号と前記第1の画像信号との合成信号を生成する工程と、
前記処理工程による前記第3の画像信号の修正量をγとした場合に、前記第3の画像信号に定数値(2−γ)を乗じることで第5の画像信号を生成する工程と、
前記着目サブフレームとして、前記合成信号、前記第5の画像信号の何れかを出力する出力工程と
を備えることを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図5(c)】
【図5(d)】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2010−243608(P2010−243608A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89575(P2009−89575)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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