説明

画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】本発明は、どのような機能でも容易に登録した情報の呼び出しを実現することができ、操作性の高いUIをユーザに提供することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】操作部112から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すためのアクションIDとを関連付けてHDD104に記憶し、アクションIDとアクションIDに対応するボタン情報とを対応付けてHDD104に記憶する。そして、このボタン情報をユーザが選択可能なポータルボタンとして操作部112に表示し、ユーザにより所望のポータルボタンが選択された際に、ポータルボタンに対応するアクションIDをHDD104から検出する。さらに、アクションIDを元に、HDD104から当該アクションIDに対応する設定情報を取得し、取得した設定情報を実行若しくは反映する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、ユーザが容易に設定を行うことが可能な画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の画像処理装置では、高機能化や多機能化が進んでいることから、良く使う機能を素早く呼び出したいまたは設定を容易に行いたいというユーザニーズがある。このため、従来では、機能割り当てキー(ショートカットキー)に任意の機能や設定に関する処理を割り当てて表示部に表示しておき、ユーザがこのキーを選択すると対応する機能や設定値を反映するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記従来のショートカットキーを用いる技術(以下、「ショートカット機能」と呼ぶ。)では、ショートカットキーに対応付けて機能や設定値を画像処理装置が保持しているため、ショートカットキーで保存できる形式に、保持する機能や設定値などのデータ形式を合わせる必要がある。
【0004】
一方、画像処理装置では、使用したい機能を実装したアプリケーション(以下、「アプリ」と呼ぶ。)をインストールすることで機能を増やすことができる。しかしながら、アプリ内の機能や設定値をショートカットキーに対応させようとしても、アプリ内の機能のデータ形式がショートカット機能に合わせた形式になっていないと、ショートカット機能を利用できなかった。このような課題を解決する方法として、アプリごとに独自のスクリプトを作成し、ショートカット機能でこのスクリプトをパースすることでアプリ内の機能のデータを実行する方法がある。
【特許文献1】特開2002−132100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の方法では、各スクリプトごとに対応するパーサーを用意しなくてはならないし、パースすること自体に時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、どのような機能でも容易に登録した情報の呼び出しを実現することができ、操作性の高いUIをユーザに提供することができる画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、操作手段と、表示手段とを備える画像処理装置において、前記操作手段から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すための呼び出し情報とを関連付けて記憶する第一記憶手段と、前記呼び出し情報と当該呼び出し情報に対応するボタン情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段と、前記ボタン情報をユーザが選択可能な形式で前記表示手段に表示する表示制御手段と、前記表示手段に表示されたボタン情報がユーザにより選択された際に、当該ボタン情報に対応する呼び出し情報を前記第二記憶手段から検出する呼出情報検出手段と、前記呼出情報検出手段により検出された呼び出し情報を元に、前記第一記憶手段から当該呼び出し情報に対応する設定情報を取得する設定情報取得手段と、前記設定情報取得手段により取得された設定情報に基づいて画像処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項7記載の画像処理装置の制御方法は、操作手段と、表示手段とを備える画像処理装置の制御方法において、前記操作手段から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すための呼び出し情報とを関連付けて記憶手段に記憶する第一記憶工程と、前記呼び出し情報と当該呼び出し情報に対応するボタン情報とを対応付けて記憶手段に記憶する第二記憶工程と、前記ボタン情報をユーザが選択可能な形式で前記表示手段に表示する表示制御工程と、前記表示手段に表示されたボタン情報がユーザにより選択された際に、当該ボタン情報に対応する呼び出し情報を前記記憶手段から検出する呼出情報検出工程と、前記呼出情報検出工程にて検出された呼び出し情報を元に、前記記憶手段から当該呼び出し情報に対応する設定情報を取得する設定情報取得工程と、前記設定情報取得工程にて取得された設定情報に基づいて画像処理を実行する実行工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、どのような機能でも容易に登録した情報の呼び出しを実現することができる。また、スクリプトなどをパースする必要がないため、呼び出しを高速で行うことができる。さらに、操作性の高いUIをユーザに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示す画像処理装置は、基本的な構成として、画像処理装置内の各部を制御するコントローラユニット100と、操作部112と、スキャナ部123と、プリンタ部125とを備える。操作部112は、例えば、数字を入力するためのテンキーや処理の実行を行うためのスタートキーなどのハードキーや液晶タッチパネルで構成され、ユーザが画像処理装置を操作するためのユーザインタフェースを提供する。操作部112のタッチパネルに表示される各設定項目を表すアイコンやボタン(もしくはハードキー)をタッチ(押下)することで、画像処理装置に設定や情報の入力を行うことが可能である。
【0013】
スキャナ部123は、原稿等の画像を画像データとして読み取る。プリンタ部125は、記録用紙を搬送し、その記録用紙に画像データを可視画像として印刷する。
【0014】
コントローラユニット100は、バス122を介してスキャナ部123に接続され、またバス124を介してプリンタ部125に接続される。また、コントローラユニット100は、LAN113や公衆回線(WAN)114や無線115を介して他の機器に接続して、画像情報やデバイス情報の入出力制御を行う。
【0015】
CPU101は、システム全体を制御するコントローラである。RAM102は、CPU101が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。ROM103はブートROMである。ROM103には、システムのブートプログラムが格納されている。HDD104は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データ、後述する通信部111が有するすべての無線通信に関する情報(無線通信の仕様)を格納する。
【0016】
画像処理装置では、使用したい機能を実装したアプリケーション(以下、「アプリ」と呼ぶ。)をインストールすることで機能を増やすことができる。アプリのインストールにより、画像処理装置上で各種機能を動かすためのアプリケーションプログラムがRAM102やHDD104に記憶される。
【0017】
操作部I/F106は、ユーザインターフェース(UI)である操作部112との間のインターフェース部であり、操作部112に表示すべきデータを操作部112に対して出力する。また、操作部112からユーザが入力した情報を、CPU101に伝える役割を行う。Network部109は、LAN113に接続され、情報の入出力を行う。MODEM110は、公衆回線114に接続され、情報の入出力を行う。
【0018】
通信部111は、不図示のアンテナを介して無線(WIRELESS)115に接続され、情報の入出力を行う。また、通信部111は、複数種類の無線通信を行うことが可能である。上記各デバイスがシステムバス107上に配置される。
【0019】
イメージバス(ImageBus)I/F105は、システムバス107と、画像データを高速で転送する画像バス108とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス108は、PCIバスまたはIEEE1394等で規定されるバスである。
【0020】
画像バス108上に配置される各デバイスにおいて、ラスターイメージプロセッサ(RIP)116は、PDLコードをビットマップイメージに展開する。デバイスI/F部117は、スキャナ部123またはプリンタ部125をコントローラユニット100に接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0021】
スキャナ画像処理部118は、入力画像データに対して補正、加工、または編集を行う。プリンタ画像処理部119は、プリント出力画像データに対して、プリンタ部125に合った補正、解像度変換等を行う。画像回転部120は、画像データの回転を行う。画像処理部121は、画像データに対する、JPEG、JBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理や、PDF、TIFF、OCR、暗号化等のフォーマット変換処理を行う。
【0022】
次に、図1の画像処理装置にインストールされるアプリの機能や設定値を操作部112に表示するためのソフトウェア構成について図2を用いて説明する。
【0023】
図2は、図1の画像処理装置にインストールされるアプリの機能や設定値を操作部112に表示するためのデータやソフトウェア構成を示す図である。
【0024】
画像処理装置にインストールされるアプリとして、コピー動作に関する機能を有するコピーアプリ2303、文書データの送信/受信を行うセンド動作に関する機能を有するセンドアプリ2305、ポータルに関する機能を有するポータルアプリ2307などがある。これらのアプリについては、ユーザにより画像処理装置に直接インストールされるが、Network部109や通信部111などを経由して画像処理装置にインストールされることもある。インストールされたアプリは、アプリケーションプログラムとしてRAM102やHDD104に記憶される。
【0025】
また、図1の画像処理装置にインストールされたコピーアプリ2303等は、CPU101の命令により、それぞれが独立して動作する。そのため、各アプリで使用されるデータは、アプリごとにグループ分けされてHDD104に記憶される。なお、各アプリで共有するデータについては、HDD104内に設定された共通データ部2302に共通データとして記憶される。
【0026】
また、図1の画像処理装置にインストールされる複数のアプリには、それぞれのアプリを識別するための識別子として、アプリIDが割り当てられる。このアプリIDは、共通データとして共通データ部2302に記憶される。本実施形態では、例えば、コピーアプリ2303のアプリIDを「100」、センドアプリ2305のアプリIDを「101」、ポータルアプリ2307のアプリIDを「102」とする。
【0027】
ウインドウ制御部2301は、画像処理装置にインストールされた複数のアプリについて、どのアプリを操作部112に表示するかを判断する。画像処理装置にインストールされたコピーアプリ2303等の複数のアプリは、ウインドウ制御部2301からの命令に応じて、画面リソースや設定値などのデータをHDD104から取得して表示している。ウインドウ制御部2301は、例えば、コピーアプリ2303(アプリID「100」)の表示要求を受けると、コピーアプリ2303の機能による表示が可能か否かを判断し、表示可能である場合は、コピーアプリ2303に表示命令を通知する。なお、表示する際の設定データなどがあれば、表示命令と共に通知される。表示命令を受けたコピーアプリ2303は、HDD104内に設定されたコピーデータ部2304から画面リソースや設定値を取得して操作部112に表示を行う。
【0028】
一方、コピーデータ部2304にないデータを表示する場合は、コピーアプリ2303はウインドウ制御部2301にデータ要求を通知する。これを受けたウインドウ制御部2301は、HDD104内に設定された共通データ部2302から対応するデータを取得し、コピーアプリ2303に通知する。そして、コピーアプリ2303がこのデータの表示を行う。
【0029】
センドアプリ2305は、HDD104内に設定されたセンドデータ部2306との間でセンドに関するデータの送受信が可能である。同様に、ポータルアプリ2307は、HDD104内に設定されたポータルデータ部2308との間でポータルに関するデータの送受信が可能である。
【0030】
なお、本実施形態では、図1の画像処理装置はコピーアプリ、センドアプリ、ポータルアプリの3種類のアプリケーションを備えているものとするが、これ以外のアプリケーションを備えていてもよいものとする。
【0031】
図3は、操作部112のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【0032】
操作部112のタッチパネルに表示される画面は、図示例のトップ画面300のように、各画面で共通の内容が表示される共通エリア201と、各画面で異なる内容が表示される機能エリア202とからなる。トップ画面とは、画像処理装置の電源を入れてから実行可能状態になったときに、最初に表示される画面である。
【0033】
共通エリア201は、表示している画面を説明するためのタイトルバー203と、現在表示している画面に応じた設定登録や機能設定を行うメニューを表示するためのメニューボタン204とからなる。機能エリア202には、コピーやセンドなどのアプリを利用する画面に切り替えるためのアプリボタンが表示されている。本実施の形態では、アプリボタンとしては、コピーアプリボタン205、センドアプリボタン207、及びポータルアプリボタン206が表示されている。新しいアプリが画像処理装置にインストールされると、このアプリに対応するアプリボタンがトップ画面300上の機能エリア202に表示される。
【0034】
メニューボタン204は、各画面に応じた設定登録や機能設定を行うメニューを表示するためのボタンである。メニューボタン204が押下されると、後述する図8に示すメニューリスト701を表示する。メニューリスト701に表示する内容と、それが選択されたときの内部処理については、各アプリが画面ごとに定義し、定義された内容が各画面に対応付けてHDD104に記憶されている。なお、メニューリストに表示するものがないときは網掛け表示を行うことでユーザ選択不可にしている。
【0035】
本実施形態では、ポータルアプリ2307以外のアプリは、図8に示すように、必ずメニューリスト701の中に「ポータルへの登録」というメニューと、それに対応する処理を定義していることとする。
【0036】
操作部112上では、ユーザは様々な設定を行うことができる。例えば、コピー部数の入力、画像形成状態のエラー状況の表示、複数の設定操作の組み合わせからなる製本印刷設定などがある(以下、このような様々な設定を「画像形成に関する各種設定」と総称する。)。
【0037】
ポータルアプリ2307には、画像形成に関する各種設定を設定情報として保存し、ユーザの要求に応じて、保存した設定情報を呼び出して再現する機能(以下、「呼出再現機能」と呼ぶ。)や、保存した各種設定を変更または削除するための変更・削除機能がある。これらの詳細については後述する。
【0038】
本実施の形態では、各アプリにより各画面で表示される情報(座標やフォント、画像リソース、デフォルト設定値など)は全てRAM102、ROM103、HDD104のいずれかに記憶されているものとする。そして、ウインドウ制御部2301の制御により画像処理装置の状態に応じて各画面で表示する情報を判断し、HDD104(RAM102やROM103でもよい)に記憶されている情報が操作部I/F106を通して操作部112に表示される。
【0039】
図3に示すトップ画面300上でコピーアプリボタン205が押下されると、図4に示すようなコピー初期画面400に表示が切り替わる。コピー初期画面400には、機能エリア202に設定ボタンとして、倍率設定を行うための倍率設定ボタン301、両面設定を行うための両面設定ボタン302、コピーアプリ全体で設定されている設定内容を確認するための設定確認ボタン304等が表示される。これらの設定ボタンのいずれかが押下されることで、コピーに関する設定を行うための各種設定画面に表示が切り替わり、ユーザが設定を変更することが可能となる。
【0040】
なお、コピーを行う際によく使われる基本的な機能(倍率など)は、設定ボタンだけではなく、設定内容も表示される。例えば、倍率が設定された場合、設定された結果(例えば、「100%」)が倍率設定結果エリア303に表示される。
【0041】
図3に示すトップ画面300上でポータルアプリボタン206が押下されると、図5に示すようなポータル初期画面500に表示が切り替わる。ポータル初期画面500上の機能エリア202には、呼出再現機能で保存された画像形成に関する各種設定を呼び出すためのユーザが選択可能なポータルボタン401,407が表示される。表示されるポータルボタンは同一の構成を有し、例えば、ポータルボタン401は、アイコン402と、ボタン名称403と、このボタンに対するコメント404とからなるが、これに限定されるものではない。
【0042】
ポータルボタンについては、ユーザにより選択されたグループ分け(グループ分類)の表示が可能である。個人ボタン405若しくは共有ボタン406が押下されると、現在表示されているグループとは別のグループに表示切り替えが行われる。本実施形態では、デフォルトとして、共有ボタン406が押下(選択)されているものとする。共有ボタン406は、全てのユーザが共通に使用するポータルボタンを表示するためのボタンである。
【0043】
一方、個人ボタン405は、個人ごとに登録したポータルボタンを表示するためボタンである。そのため、トップ画面300を表示する前やポータル初期画面500を表示する前に、ユーザ認証を行い、認証エラーになったユーザに対しては個人ボタン405を押下できなくしている。なお、本実施形態におけるユーザ認証については、パスワード認証や人体認証等の一般的な構成を用いたものであり、それらの詳細については、説明を省略する。
【0044】
次に、ポータル初期画面の表示命令に基づき、ポータル初期画面を表示するときの制御の流れについて説明する。
【0045】
ポータルボタンを画面に表示するための情報は、図14に示すようなテーブル情報として記憶・管理され、アイコンやボタン名称、コメントなどのボタン情報と他の情報とを関連付けてHDD104に記憶されている。図14に示すテーブル情報は、ポータルボタンに割り当てられたポータルボタンNo.に、アプリID、アクションID、アイコン情報、及びボタン情報が関連付けられている。アイコン情報には、アイコンとして表示可能なビットマップ形式などの画像データ若しくは画像データへのパスが含まれる。ボタン情報には、ボタン名称と、コメントと、グループ分類とが含まれる。ボタン名称は、ボタン名称403に表示される内容である。コメントは、コメント404に表示される内容である。グループ分類は、個人ボタン405が押下されて登録されたか、共有ボタン406が押下されて登録されたかを示すものである。なお、個人ボタン405が押下されて登録された場合、ユーザID(例えば、図示の「userID:0001」)もHDD104に登録される。このユーザIDは、ユーザ認証時に利用されたものであることが好適である。このポータルボタンは、登録されたユーザだけが利用することができるボタンとなる。一方、共有ボタンが押下されて登録された場合、特定のユーザにIDに紐付けられずにHDD104に登録される。このポータルボタンは、全てのユーザが利用可能なボタンとなる。なお、アクションIDについては後述する。
【0046】
ポータル初期画面の表示命令をCPU101が検知すると、ウインドウ制御部2301からポータルアプリ2307にポータルボタンの表示制御を行うように命令を出す。これにより、ポータルアプリ2307は、HDD104から表示指定されているグループを検出し、このグループに属するポータルボタンを検出する。そして、CPU101が正常に動作可能なアプリIDを判断する。その後、検出したポータルボタンの中で正常に動作可能なアプリIDをもつポータルボタンのボタン情報をHDD104から読み出して、ポータルボタンとして表示する(表示制御手段)。これにより、図5に示すようなポータル初期画面500が操作部112のタッチパネルに表示される。
【0047】
なお、ポータルアプリ2307は、ポータルボタン401が押下されることで、このポータルボタン401に登録されている処理を実行する。同様に、メニューボタン204が押下された際に表示する内容については後述する。
【0048】
次に、各アプリの画像形成に関する設定をポータルボタンとして登録するための処理について説明する。
【0049】
呼出再現機能により各アプリの画像形成に関する処理をポータルボタンとして登録するための処理を図6を用いて説明する。
【0050】
図6は、ポータルへの登録処理の一例を示す図である。図6では、コピーアプリ2303により行われる処理と、ポータルアプリ2307により行われる処理とを明確に区別するために、コピーアプリ2303により行われる処理を左側、ポータルアプリ2307により行われる処理を右側に記載する。
【0051】
なお、本実施形態における処理は全て、ポータルアプリ2307がHDD104に予め保存されている情報やユーザの入力を取得し、この情報を元にCPU101を利用して様々な実行命令を出すことで行われる。また、コピーアプリ2303やポータルアプリ2307により行われる処理は全てCPU101の判断により行われている。
【0052】
また、操作部112においてユーザが画面をタッチした場合は、CPU101が、タッチした画面上の座標位置を検知し、この座標位置に対応付けられた処理プログラムをHDD104から読み出して実行することで、画面切り替えや設定処理が行われる。また、CPU101の命令により実行された処理の結果は、全てRAM102やHDD104に記憶される。
【0053】
本実施形態では、一例として、コピーアプリ2303において、倍率設定を「80%」、両面設定を「両面から両面」に設定変更したものを、ポータルボタン4として登録する場合について説明する。
【0054】
図3に示すトップ画面300において、ユーザによるコピーアプリボタン205の押下をCPU101が検知すると、トップ画面300を図4に示すコピー初期画面400に切り替える。そして、このコピー初期画面400上でユーザにより行われた画像形成(コピー)に関する各種設定をコピーアプリ2303が検知し、設定情報としてHDD104に記憶する(ステップS501)。
【0055】
ここで、画像形成に関する各種設定を行うための具体的なユーザの操作について説明する。
【0056】
コピー初期画面400において倍率設定ボタン301が押下されると、図7に示す倍率設定画面700に表示が切り替わる。この倍率設定画面700において80%ボタン601が押下されると、倍率結果エリア602が「80」%に設定される。この状態で、閉じるボタン603が押下されると、設定された倍率がHDD104に記憶され、1つ前の画面(本実施形態ではコピー初期画面400)に戻す。
【0057】
同様にして、両面設定についても、コピー初期画面400上で両面設定ボタン302が押下されると、不図示の両面設定画面に表示が切り替わる。そして、この両面設定画面において両面から両面の設定を行うことでユーザは設定を行うことができる。
【0058】
次に、設定した内容をポータルボタンとして登録するための処理について説明する。
【0059】
まず、メニューボタン204の押下をコピーアプリ2303が検知すると、図8に示すように、コピー初期画面400上にメニューリスト701を表示する(ステップS502)。ここでポータルへの登録エリア702の押下をコピーアプリ2303が検知すると(ステップS502でYES)、ポータルへの登録モードに入る。一方、ポータルへの登録エリア702以外のエリアの押下を検知すると、登録モードに入ることなく、対応する各処理を実行して(ステップS503)、本処理を終了する。
【0060】
ポータルへの登録モードに入ると、コピーアプリ2303は、図9に示すように、コピー初期画面400上にモーダルダイアログである確認ダイアログ801を表示し(ステップS504)、ユーザからの入力を待つ状態になる(ステップS505)。確認ダイアログ801には、ユーザにより設定された内容(倍率設定や両面設定など)と、キャンセルボタン802と、OKボタン803が表示される。
【0061】
確認ダイアログ801の表示中に、コピーアプリ2303がキャンセルボタン802の押下を検知した場合は(ステップS505でNO)、ポータルへの登録モードを終了し、表示画面をポータルへの登録エリア702が押下される前の状態に戻す。
【0062】
一方、コピーアプリ2303がOKボタン803の押下を検知した場合は(ステップS505でYES)、ポータルアプリ2307へ登録依頼を出す(ステップS506)。登録依頼の際には、コピーアプリ2303は、当該コピーアプリ2303のアプリIDと、ポータル初期画面上のポータルボタンとして表示するアイコン情報をHDD104から取得してポータルアプリ2307に送信する。なお、倍率などの設定に関する情報は通知されない。
【0063】
具体的な処理としては、コピーアプリ2303は、HDD104内に設定されたコピーアプリ2303の記憶領域(共通データ部2302及びコピーデータ部2304を含む)からアプリIDとアイコン情報を取得する。そして、これらの情報をウインドウ制御部2301に通知する。そして、ウインドウ制御部2301がこれらの情報をポータルアプリ2307に通知し、これを受け取ったポータルアプリ2307が当該ポータルアプリ2307の記憶領域(共通データ部2302及びポータルデータ部2308を含む)に記憶する。
【0064】
ポータルアプリ2307は、コピーアプリ2303からの登録依頼を受け取ると、図10に示すような、ボタン情報を登録するためのポータル登録画面1000を表示する(ステップS507)。ポータル登録画面1000上では、ポータルボタン上に表示するボタン名称とコメントの入力、そして、ポータルボタンのグループ分類を設定することができる。本実施形態では、図示のように、ボタン名称として「縮小_両面コピー」が入力され、コメントとして「倍率を80%、両面設定に変更」と入力され、ポータルボタンのグループ分類を「共有」に設定されたものとする。
【0065】
次に、ポータル登録画面1000上の、設定をキャンセルすることを意味するキャンセルボタン902の押下をポータルアプリ2307が検知する(ステップS508でNO)。すると、ポータルアプリ2307は、受け取ったアプリIDと、ポータル登録画面上で入力/設定されたボタン情報を削除する。その後、ポータルへの登録モードを抜ける。
【0066】
具体的な処理としては、ポータルアプリ2307は、HDD104内に設定されたポータルアプリ2307の記憶領域(共通データ部2302及びポータルデータ部2308を含む)からアプリIDとアイコン情報を削除する。そして、ウインドウ制御部2301へコピーアプリ2303の表示要求とポータル登録がキャンセルされたことを意味する情報を通知する。
【0067】
一方、ポータル登録画面1000上の、設定が完了したことを意味するOKボタン901の押下をポータルアプリ2307が検知する(ステップS508でYES)。すると、ポータルアプリ2307は、ポータル登録画面1000上で入力及び設定された内容に基づいてポータルボタンの作成処理を行う(ステップS509)。
【0068】
ポータルボタンを作成するために、まず、ポータルアプリ2307は、今回の登録依頼を一意に識別可能なアクションIDを生成する(本実施形態では、アプリごとに1から通し番号を振る制御を用いている)。次に、ポータルアプリ2307は、アプリID、アクションID、アイコン情報、及びボタン情報を元にポータルボタンを作成する。
【0069】
具体的には、HDD104内のポータルアプリ2307の記憶領域に、図11に示すテーブル情報で、コピーアプリ2303のアプリID、アクションID、アイコン情報、及びボタン情報が関連付けられて1つのポータルボタンとして記憶される(第二記憶手段)。図11に示すテーブル情報には、図14に示すテーブル情報に対して上記登録処理によりポータルボタン4が追加されている。
【0070】
ポータルボタンの作成が完了すると、ポータルアプリ2307は、コピーアプリ2303に完了通知と共に、生成したアクションIDを送信する(ステップS510)。コピーアプリ2303は、受け取ったアクションID(呼び出し情報)をステップS501で設定された内容(設定情報)と関連付けて、HDD104におけるコピーアプリ2303の記憶領域に保存する(第一記憶手段)。そして、ポータルへの登録モードを終了する(ステップS511)。HDD104内のコピーアプリ2303の記憶領域に保存されたアクションIDと関連付けされた設定情報の一例を図12に示す。図12では、アクションIDに対して、アイコン情報と設定情報が関連付けられている。
【0071】
ポータルへの登録モードを終了すると、登録モードに入る前の状態に戻す(ステップS502)。
【0072】
なお、コピーアプリ2303がいつも同じアイコンを使用する場合は、アクションIDとアイコン情報を図12に示すように関連付けて保存しなくてもよい。
【0073】
画像処理装置では、図11に示すテーブル情報が登録されている場合、ポータル初期画面を開かれると、図13に示すポータル初期画面1300を操作部112に表示する。機能エリア202には、ポータルボタン1としてポータルボタン401が表示され、ポータルボタン3としてポータルボタン407が表示され、新たに登録されたポータルボタン4としてポータルボタン1303が表示される。なお、デフォルトのグループ分類は共有になっていることから、図示例では、図11のテーブル情報におけるポータルボタンNo.2に対応するポータルボタン2が表示されていないが、個人ボタン405が押下されると、認証されたユーザのポータルボタン2が表示される。
【0074】
図6の処理を行うことにより、ポータルに登録するコピーアプリ2303のデータはコピーアプリ2303でのみ保持され、ポータルアプリ2307はアクションIDのみを保持する。ポータルアプリ2307から登録した内容を実行する際は、アクションIDの実行命令を対応するアプリに通知するだけなので、アプリがどのようなデータ形式でデータを管理していたとしても、同じ手順でポータルへ登録することができる。
【0075】
本実施形態では、アプリの一例としてコピーアプリ2303での処理を説明したが、センドアプリなどの他のアプリでも同じようにポータルボタンへの登録を行うことが可能である。
【0076】
次に、図6の処理におけるエラー処理について説明する。なお、エラー発生時には、エラーダイアログをポップアップ表示等で操作部112に表示してユーザに知らせることも可能である。
【0077】
ステップS506において、アプリID若しくはアイコン情報をHDD104から取得できなかった場合は、ポータルへの登録モードを終了し、表示画面をポータルへの登録エリア702が押下される前の状態に戻す。
【0078】
ステップS509で作成された情報やステップS511で作成された情報がHDD104に記憶できない場合(例えば、書き込み権限がなかった場合や容量を越えた場合)は、RAM102への記憶を行う。RAM102にも記憶できない場合は、ポータルへの登録処理を終了する。そして、表示画面をポータルへの登録エリア702が押下される前の状態に戻す(ステップS502へ戻す)。
【0079】
ステップS506とステップS510において、正常に通信が行えなかった場合も、ポータルへの登録処理を終了し、表示画面をポータルへの登録エリア702が押下される前の状態に戻す(ステップS502へ戻す)。
【0080】
次に、ポータル初期画面上に表示されているポータルボタンが押下されたときに実行する呼出再現機能の処理について説明する。
【0081】
本実施形態では、図13に示すポータル初期画面1300において、ポータルボタン4(ポータルボタン1303)が押下されたこととする。ポータル初期画面上でユーザがポータルボタン4を押下すると、操作部112が図15に示すように表示画面が切り替わる。そして、画像処理装置は、押下されたポータルボタン4について登録された処理を実行する。このときの処理を図16を用いて説明する。
【0082】
図16は、ポータルボタン4が押下されたときに実行される呼び出し際限機能の処理を示すフローチャートである。図16では、呼び出されたコピーアプリ2303により行われる処理を左側、ポータルアプリ2307により行われる処理を右側に記載する。
【0083】
ポータル初期画面1300上のポータルボタン4の押下をポータルアプリ2307が検出する(ステップS1501)。次に、ポータルアプリ2307はHDD104からポータルボタン4に対応するアプリIDとアクションIDを検出する(ステップS1502)(呼出情報検出手段)。このとき、HDD104に保存された図11に示すテーブル情報から、対応するアプリIDとして「100」、アクションIDとして「3」を取得する。
【0084】
次に、ポータルアプリ2307は、取得したアプリIDから処理を実行するアプリであるコピーアプリ2303をHDD104から検出し、このアプリに実行命令として、アクションIDを送信する(ステップS1503)。このように、ポータルアプリ2307からはアクションIDのみを送信するため、どのようなデータ形式でアプリがデータを保持していても、ポータルアプリから実行命令を出すことができる。
【0085】
ポータルアプリ2307から実行命令を受信したコピーアプリ2303は、アクションIDに対応する設定情報をHDD104から取得し(設定情報取得手段)、設定の実行(反映)を行う(ステップS1504)。本実施形態では、コピーアプリ2303は、図12に示すテーブル情報からアクションID:3に対応する設定情報として、「倍率:80%」と「両面:両面から両面」を取得し、この内容を実行する。取得した設定情報を反映する方法を図17を用いて説明する。
【0086】
図17は、ポータルボタン押下時にコピーアプリ2303が実行する処理の一例を示す図である。
【0087】
まず、ポータルアプリ2307からの実行命令をコピーアプリ2303が受信すると(ステップS1601)、コピーアプリ2303はコピーに関するデフォルトの設定をHDD104から取得し、現在の設定値をデフォルトに設定し直す(ステップS1602)。そして、コピー初期画面に戻す(ステップS1603)。次に、コピーアプリ2303は、アクションIDに対応する設定情報をHDD104に上書きし、当該設定情報を操作部112にも反映する(ステップS1604)。
【0088】
なお、本実施形態では、アクションIDを受信したことによる設定情報の反映を図17に示す処理により行ったが、ポータルアプリ2307からはアクションIDを対象のアプリに通知する点以外は、アプリごとに異なる処理が行われてもよい。例えば、ステップS1602の処理を行わない処理や、ステップS1604の後に特定の画面を表示若しくは別の処理を追加する処理であってもよい。
【0089】
本実施形態では、コピーアプリ2303は、ステップS501で設定情報を保存したが、設定情報ではなくユーザにより設定された操作フローを保存するように構成してもよい。この場合、ポータルアプリ2307が実行する処理は同じであり、コピーアプリ2303においてアクションIDと対応付けて記憶する内容が異なる。例えば、図12に示すテーブル情報ではなく、図18に示すような内容のテーブル情報がHDD104に記憶される。そして、ステップS1604で設定情報を反映するのではなく、記憶した操作フローを1つずつ順番に実行することになる。例えば、アクションID:3に対応する設定情報を反映する場合は、図18に示すように、「倍率設定」ボタン押下、「80%」ボタン押下、「閉じる」ボタン押下、・・・という順に操作フローが実行される。もちろん、設定情報や操作フローに限らず、ポータルアプリ2307からの実行命令(アクションID含む)によりコピーアプリ2303で実行できる内容ならどのようなものでもよい。
【0090】
次に、図16の処理におけるエラー処理について説明する。なお、エラー発生時は、エラーダイアログをポップアップ表示等で操作部112に表示してユーザに知らせることも可能である。
【0091】
ステップS1502において、アプリID若しくはアクションIDを取得できなかった場合や、ステップS1504において対応する処理が実行できなかった場合は、ポータルアプリ2307の実行処理を終了し、ポータル初期画面に戻す。
【0092】
また、ステップS1502で取得したアプリIDが、既に削除されたアプリや停止中のアプリだった場合も、ポータルアプリ2307の実行処理を終了を終了し、ポータル初期画面に戻す。
【0093】
また、ステップS1503において、正常に通信が行われなかった場合も、ポータルアプリ2307の実行処理を終了し、ポータル初期画面に戻す。
【0094】
次に、登録したポータルボタンの編集・削除に関する処理について説明する。
【0095】
登録したポータルボタンの編集を行う場合、まずポータル初期画面を開き、メニューボタン204を押下する。メニューボタン204を押下されると、図19に示すように、メニューリスト1801が表示される。メニューボタン204が押下された際に表示する内容(ここでは「ボタンの編集・削除」)はHDD104に記憶されている。そして、ボタンの編集・削除エリア1802が押下されることで、ポータル初期画面1300から図20に示すポータルボタンの編集・削除画面2000に表示が切り替わる。この画面では、メニューボタンに何も登録されていないため、メニューボタン204は網掛け表示になっている。
【0096】
なお、本実施形態では、ポータルボタンの編集・削除を行うために、ポータル初期画面上のメニューボタン204の押下からボタンの編集・削除エリア1802を選択するように構成しているが、これに限定するものではない。例えば、図5のステップS511の処理完了後に、自動的にポータルボタンの編集・削除画面2000に表示を切り替えるように構成してもよい。
【0097】
ポータルボタンの編集・削除画面2000において、編集するポータルボタンを選択(押下)し、編集ボタン1901を押下することで、編集モードに入る。本実施形態では、登録したポータルボタン4が押下された後に編集ボタン1901が押下された場合について説明する。
【0098】
編集モードでは、選択(押下)されたポータルボタンに対応するボタン情報をHDD104から取得し、このボタン情報に基づいて図21に示すようなポータルボタンの編集画面2100に表示が切り替わる。HDD104から取得される内容については、図11に示すテーブル情報の、選択されたポータルボタン4に対応するボタン情報である。
【0099】
ポータルボタンの編集画面2100では、ボタン情報として登録されている内容を変更(編集)することができる。本実施形態では、ボタン名称を変更するために、ボタン名称エリア2001を押下してソフトキーボード(不図示)を開き、そこで「縮小_両面コピー2」と文字入力してソフトキーボードを閉じたこととする。この場合、ボタン名称エリア2001に表示される内容は「縮小_両面コピー」から「縮小_両面コピー2」に変更される。そして、OKボタン2002が押下されると、ポータルアプリ2307は、HDD104の内容を書き換えて、編集モードを終了する。編集モード終了後は、編集した内容が反映されたポータルボタンの編集・削除画面を表示する。
【0100】
一方、OKボタン2002ではなく、キャンセルボタン2003が押下された場合は、編集モードに入ってから行われた入力操作を全てキャンセルし、編集モードを終了して、ポータルボタンの編集・削除画面を表示する。
【0101】
なお、本実施形態では、図21に示すポータルの編集画面2100でアイコン情報の編集を行う項目を表示する構成としていないが、編集モードでアイコン情報の編集を行うことも可能である。
【0102】
登録したポータルボタンの削除を行う場合、図20に示すポータルボタンの編集・削除画面2000において削除するポータルボタンを選択(押下)し、削除ボタン1902を押下することで、削除モードに入る。本実施形態では、登録したポータルボタン4が押下された後に削除ボタン1902が押下された場合について説明する。
【0103】
削除モードでは、ポータルボタンの編集・削除画面2000上に図22に示すような確認ダイアログ2101がポップアップ表示される。この確認ダイアログ2101において、キャンセルボタン2103が押下された場合は、削除モードに入ってから行われた操作を全てキャンセルして削除モードを終了し、確認ダイアログ2101を閉じて、ポータルボタンの編集・削除画面2000を表示する。
【0104】
一方、確認ダイアログ2101において、OKボタン2102が押下された場合は、選択したポータルボタン4を削除し、削除モードを終了する。そして、削除モードの終了後は、削除した内容が反映されたポータルボタンの編集・削除画面2000を表示する。
【0105】
次に、ポータルボタン4を削除する際の具体的な処理について図23を用いて説明する。
【0106】
図23は、ポータルボタン4を削除する際に実行される処理を示すフローチャートである。図23では、コピーアプリ2303により行われる処理を左側、ポータルアプリ2307により行われる処理を右側に記載する。
【0107】
まず、ユーザによる削除実行(OKボタン2102の押下)をポータルアプリ2307が検知すると、ポータルアプリ2307はHDD104から削除するポータルボタンに対応するアプリIDと、アクションIDを取得する(ステップS2201)。そして、ポータルアプリ2307は、取得したアプリIDに対応するアプリに、削除命令と共に、アクションIDを通知する(ステップS2202)。本実施形態では、コピーアプリ2303にアクションID:3の内容を削除するように通知する。
【0108】
通知を受けたコピーアプリ2303は、HDD104からアクションIDに対応する設定情報を検出し、HDD104からアクションIDと当該アクションIDに対応する設定情報(アイコン情報を含めてもよい)を削除する(ステップS2203)。そして、コピーアプリ2303はポータルアプリ2307に削除完了を通知する(ステップS2204)。
【0109】
削除完了通知を受け取ったポータルアプリ2307は、HDD104(内の図11に示すテーブル情報)からポータルボタンに関する情報(ポータルボタンNo、アプリID、アクションID、アイコン情報、ボタン情報など)を削除する(ステップS2205)。これにより、ポータルボタンと対応する情報が削除される。
【0110】
次に、図23の処理におけるエラー処理について説明する。なお、エラー発生時には、エラーダイアログをポップアップ表示等で操作部112に表示してユーザに知らせることも可能である。
【0111】
ステップS2201において、対応するアプリIDやアクションIDを取得できなかった場合や、ステップS2203において、対応する情報や対応する情報の削除を行えなかった場合は、ステップS2205における削除処理については行われない。
【0112】
また、ステップS2202において、正常に通信が行われなかった場合も、ステップS2205における削除処理については行われない。
【0113】
上記実施形態によれば、操作部112から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すためのアクションIDとを関連付けてHDD104に記憶し、アクションIDとアクションIDに対応するボタン情報とを対応付けてHDD104に記憶する。そして、このボタン情報をユーザが選択可能なポータルボタンとして操作部112に表示し、ユーザにより所望のポータルボタンが選択された際に、ポータルボタンに対応するアクションIDをHDD104から検出する。さらに、アクションIDを元に、HDD104から当該アクションIDに対応する設定情報を取得し、取得した設定情報を実行若しくは反映する。これにより、どのような機能でも容易に登録した情報の呼び出しを実現することができる。また、スクリプトなどをパースする必要がないため、呼び出しを高速で行うことができる。さらに、操作性の高いUIをユーザに提供することができる。
【0114】
上記実施形態では、本発明を画像処理装置に適用した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、パーソナル・コンピュータ等の情報処理装置や携帯端末等であってもよい。
【0115】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0116】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0117】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0118】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【0119】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現する場合も含まれる。この場合、上記プログラムは、該プログラムを記憶した記憶媒体から直接、またはインターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続された不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより供給される。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理装置にインストールされるアプリの機能や設定値を操作部に表示するためのデータやソフトウェア構成を示す図である。
【図3】操作部のタッチパネルに表示される画面の一例を示す図である。
【図4】コピー初期画面の一例を示す図である。
【図5】ポータル初期画面の一例を示す図である。
【図6】ポータルへの登録処理の一例を示す図である。
【図7】コピーアプリにより表示される倍率設定画面の一例を示す図である。
【図8】コピーアプリにより表示されるメニューリストの一例を示す図である。
【図9】コピーアプリにより表示される確認ダイアログの一例を示す図である。
【図10】ポータル登録画面の一例を示す図である。
【図11】HDD内のポータルアプリの記憶領域に保存されるテーブル情報の一例を示す図である。
【図12】HDD内のコピーアプリの記憶領域に保存されるテーブル情報の一例を示す図である。
【図13】ポータルボタン4が登録されたポータル初期画面の一例を示す図である。
【図14】ポータルボタン4が登録される前のポータルアプリの記憶領域に保存されるテーブル情報の一例を示す図である。
【図15】ポータルボタン押下時に切り替わる表示画面の一例を示す図である。
【図16】ポータルボタン4が押下されたときに実行される呼び出し際限機能の処理を示すフローチャートである。
【図17】ポータルボタン押下時にコピーアプリが実行する処理の一例を示す図である。
【図18】HDD内のコピーアプリの記憶領域に保存されるテーブル情報の他の例を示す図である。
【図19】メニューボタン押下によりメニューリストが表示されたポータル初期画面の一例を示す図である。
【図20】ポータルボタンの編集・削除画面の一例を示す図である。
【図21】ポータルボタンの編集画面の一例を示す図である。
【図22】ポータルボタンの編集・削除画面上に表示される確認ダイアログの一例を示す図である。
【図23】ポータルボタン4を削除する際に実行される処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0121】
100 コントローラユニット
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 HDD
105 イメージバスI/F
106 操作部I/F
107 バス
108 画像バス
109 Network部
110 モデム
111 通信部
116 RIP
117 デバイスI/F
118 スキャナ画像処理部
119 プリンタ画像処理部
120 画像回転部
121 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段と、表示手段とを備える画像処理装置において、
前記操作手段から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すための呼び出し情報とを関連付けて記憶する第一記憶手段と、
前記呼び出し情報と当該呼び出し情報に対応するボタン情報とを対応付けて記憶する第二記憶手段と、
前記ボタン情報をユーザが選択可能な形式で前記表示手段に表示する表示制御手段と、
前記表示手段に表示されたボタン情報がユーザにより選択された際に、当該ボタン情報に対応する呼び出し情報を前記第二記憶手段から検出する呼出情報検出手段と、
前記呼出情報検出手段により検出された呼び出し情報を元に、前記第一記憶手段から当該呼び出し情報に対応する設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記設定情報取得手段により取得された設定情報に基づいて画像処理を実行する実行手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示するボタン情報を変更または削除する編集・削除手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第二記憶手段に記憶されたボタン情報ごとに、前記表示手段にユーザが選択可能なボタンを表示することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
ユーザ認証を行う認証手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記認証手段により認証されたユーザに応じて、前記表示手段に表示するボタン情報を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第一記憶手段に記憶される設定情報には、前記画像処理装置にインストールされたアプリケーションに関する設定、ユーザにより入力された情報、ユーザにより設定された操作フローが含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第二記憶手段に記憶されるボタン情報には、前記表示手段に表示するボタン情報として、ボタン名称、コメント、アイコン情報、ユーザにより選択されたグループ分類を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
操作手段と、表示手段とを備える画像処理装置の制御方法において、
前記操作手段から設定された設定情報と当該設定情報を呼び出すための呼び出し情報とを関連付けて記憶手段に記憶する第一記憶工程と、
前記呼び出し情報と当該呼び出し情報に対応するボタン情報とを対応付けて記憶手段に記憶する第二記憶工程と、
前記ボタン情報をユーザが選択可能な形式で前記表示手段に表示する表示制御工程と、
前記表示手段に表示されたボタン情報がユーザにより選択された際に、当該ボタン情報に対応する呼び出し情報を前記記憶手段から検出する呼出情報検出工程と、
前記呼出情報検出工程にて検出された呼び出し情報を元に、前記記憶手段から当該呼び出し情報に対応する設定情報を取得する設定情報取得工程と、
前記設定情報取得工程にて取得された設定情報に基づいて画像処理を実行する実行工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項7記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータに読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−114825(P2010−114825A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287768(P2008−287768)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】