画像処理装置及びプログラム
【課題】より簡易な処理で照明環境下での悪影響を排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力する。
【解決手段】ドキュメントを載置する書画台と、書画台を撮影する撮影部21〜30と、輝度分布が基準となる状態での書画台の画像を予め記憶したメモリカード41と、撮影部21〜30で撮影する書画台の画像とメモリカード41で記憶した基準状態での書画台の画像とにより輝度の差分画像を取得し、得た輝度の差分画像に基づいて撮影部21〜30で撮影する書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう制御部31と、制御部31で得た画像を出力するUSBインタフェース37とを備える。
【解決手段】ドキュメントを載置する書画台と、書画台を撮影する撮影部21〜30と、輝度分布が基準となる状態での書画台の画像を予め記憶したメモリカード41と、撮影部21〜30で撮影する書画台の画像とメモリカード41で記憶した基準状態での書画台の画像とにより輝度の差分画像を取得し、得た輝度の差分画像に基づいて撮影部21〜30で撮影する書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう制御部31と、制御部31で得た画像を出力するUSBインタフェース37とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデータプロジェクタ装置を用いたプレゼンテーション等に好適な書画カメラ装置、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種ドキュメントを載置した書画台の画像を撮影して画像信号化し、データプロジェクタ装置等へ出力することで普通紙にプリントアウトした各種ドキュメントなどをリアルタイムで拡大投影させることが可能な書画カメラ装置が一般に商品化されている。
【0003】
この種の書画カメラ装置では、書画カメラ装置が設置される照明環境により、必ずしもドキュメントに均一で明るい照明光が照射されるとは限らない。そこで、例えば位置を変えて撮影した複数の画像を用いてドキュメントへのホットスポット(照明装置の映り込み)を消去する技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−279828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術は、ホットスポットを消去するためにドキュメント画像を位置を変えて複数回撮影しなくてはならず、その作業等のために書画台上に載置したドキュメントの画像を即時出力させることができない。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より簡易な処理で照明環境下での悪影響を排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能な書画カメラ装置、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台と、上記書画台を撮影する撮影手段と、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶した記憶手段と、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、差分画像取得手段は、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段で記憶した基準画像の双方の画像パターンに基づいて位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得することを特徴とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態を、上記書画台の輝度分布が均一な照明環境下としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置であって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶手段と、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、上記記憶手段は、複数の書画カメラ装置からの基準画像を記憶し、書画カメラ装置の外部接続に際して認証を行なう認証手段と、上記認証手段での認証結果に応じて上記記憶手段から対応する基準画像を読出す画像選択手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、上記認証手段は、外部接続された書画カメラ装置からの画像中に含まれている識別情報を検出し、その検出された情報に基づいて行なうことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置の画像処理方法であって、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶工程と、上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、この輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程とを有したことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置での画像処理方法であって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶工程と、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、上記輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程とを有したことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶ステップと、上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶ステップと、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易な処理で照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る書画カメラ装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る書画カメラ装置全体の電子回路の概念構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係る電源オン当初の処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る書画台の基準画像データを例示する図。
【図5】同実施形態に係る書画台の撮影画像データを例示する図。
【図6】同実施形態に係る位置合わせ後の書画台の基準画像データを例示する図。
【図7】同実施形態に係る輝度の差分を表す画像データを例示する図。
【図8】同実施形態に係るドキュメント用紙を含む書画台上の画像データを例示する図。
【図9】同実施形態に係る輝度補正後のドキュメント用紙を含む書画台上の画像データを例示する図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る書画カメラ装置とデータプロジェクタ装置の接続構成を示す斜視図。
【図11】同実施形態に係るブロック図。
【図12】同実施形態に係るフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下本発明を書画カメラ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る書画カメラ装置10の外観構成を示すもので、本書画カメラ装置10は、書画台11、スタンド部12、及びカメラ部13を組み合わせて構成される。
【0019】
書画台11は、例えばヒンジを介して接続された3枚の折りたたみ式の薄板状部材(合成樹脂板)からなり、その中央の合成樹脂板の端部からスタンド部12が直立する。スタンド部12の上部には回動アーム部12aが延在され、この回動アーム部12aの先端にカメラ取付け部12bが上記書画台11と平行となるように回動自在に配置される。
【0020】
そして、このカメラ取付け部12bに対してカメラ部13が取付けられ、上記書画台11上に載置された各種ドキュメントの画像を撮影することとなる。
【0021】
なお、スタンド部12の背面側下端には、USBケーブル14を取付けるためのUSBコネクタ(図示せず)が設けられる。書画カメラ装置10では、USBケーブル14を介して書画台11に載置して撮影されたドキュメント用紙の画像がカメラ部13で撮影され、その画像信号が外部接続される機器、例えばパーソナルコンピュータやデータプロジェクタ装置等へ出力される。
【0022】
次に書画カメラ装置10の概略機能構成について図2を用いて説明する。
図2は、同実施の形態に係る書画カメラ装置10全体の電子回路の概念構成を示すものである。
図中、モータ(M)21の駆動により、カメラ部13の下面側に取付けられた撮影レンズ光学系22中の一部のレンズ、具体的にはズームレンズ及びフォーカスレンズの位置が適宜移動される。この撮影レンズ光学系22の撮影光軸後方の結像位置に、図示しないメカニカルシャッタを介して、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)23が配置される。
【0023】
CCD23は、タイミング発生器(TG)24、CCDドライバ(Dv.)25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0024】
この光電変換出力は、サンプルホールド(S/H)回路26において、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎にその時点に設定されているISO感度に応じてAGC(自動ゲイン調整)された後にサンプルホールドされ、A/D変換器27に送られる。
【0025】
A/D変換器27では、アナログの画像データをデジタルデータに変換し、カラープロセス回路28へ出力する。
【0026】
カラープロセス回路28は、デジタルの画像データに対して画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行ない、マトリックス変換によりデジタル値の輝度色差系の画像データYUVを生成した後にバッファコントローラ29に出力する。
【0027】
バッファコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する画像データYUVを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度バッファコントローラ29内部に書込んだ後、バッファメモリとして使用されるDRAM30にDMA転送を行なう。
【0028】
このDRAM30は、上記撮影により得た画像データを保持する領域を有するものとする。
【0029】
制御部31は、CPUで構成され、ワークメモリとして使用されるメインメモリ32、動作プログラムやデータ等を固定的に記憶した不揮発性メモリでなるプログラムメモリ33とシステムバスSB1を介して接続されるもので、プログラムメモリ33から必要なプログラム等を読出し、該メインメモリ32に適宜必要なプログラムやデータを一時的に展開して書込みながら、この書画カメラ装置10全体の制御動作を司る。
【0030】
しかして制御部31は、上記画像データのDRAM30へのDMA転送終了後に、この画像データをバッファコントローラ29を介してDRAM30より読出し、表示制御部34を介してVRAM35に書込む。
【0031】
表示制御部34は、上記画像データをVRAM35より定期的に読出して表示部36に出力する。
【0032】
この表示部36は、バックライト付きのカラー液晶パネルとその駆動回路とで構成される。この表示部36は、上記カメラ部13の上面側に配置され、この書画カメラ装置10を外部機器に接続していない状態でも撮影内容を視認できるビューファインダとして機能するもので、表示制御部34からの画像データ等に基づいた表示を行なうことで、その時点で上記CCD23から取込んでいる画像等をリアルタイムにモニタ表示する。
【0033】
一方で、制御部31は、DRAM30に保持される画像データをバッファコントローラ29により読出させ、USBインタフェース(I/F)37へ出力する。USBインタフェース37は、USB2.0規格に則って外部機器の間で画像データを含む各種データの送受を行なうもので、上記USBケーブル14を介して画像データをアイソクロナス転送により外部機器へ出力する。
【0034】
なお、上記USBケーブル14は電源ケーブルを兼ねており、USB規格で規定されている電力線が電源制御部38と接続される。電源制御部38は、USBケーブル14から供給される直流5.0[V]の電力を元に各種電圧、例えば1.5[V]、3.3[V]の電力を生成し、他の各回路に必要な動作電圧を印加する。
【0035】
また、上記システムバスSB1にはさらに、補助光駆動部39、画像処理部40、及びメモリカード41が接続される。
補助光駆動部39は、制御部31の制御の下に、複数の高輝度白色LED42を同時に発光駆動し、書画台11上に載置されたドキュメント用紙を照明する。
【0036】
画像処理部40は、後述する輝度補正を含む各種画像処理を行なう他、制御部31の制御に基づいてDRAM30に保持される画像データを所定の規格、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)に則ってデータ圧縮する。
【0037】
メモリカード41は、この書画カメラ装置10のカメラ部13に着脱自在に装着されるもので、上記画像処理部40でデータ圧縮された画像データ等を記録する。
【0038】
なお、書画カメラ装置10のカメラ部13部及びスタンド部12に設けられる各種キースイッチを含んでキー入力部43が構成され、このキー入力部43でのキー操作信号が直接制御部31へ送出される。制御部31はこのキー入力部43からのキー操作信号に応じた制御動作を実行する。
【0039】
また、上記プログラムメモリ33には、この書画カメラ装置10の製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、カメラ部13により何も載置されていない状態の書画台11を撮影した画像が基準画像データとして予め記憶されているものとする。
【0040】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、以下に示す動作は、いずれも制御部31がプログラムメモリ33に記憶された動作プログラムを読出して実行することにより制御される。
【0041】
図3は、書画カメラ装置10の電源オン当初からの初期動作を示すものである。書画カメラ装置10を外部機器、例えばデータプロジェクタ装置と接続し、外部機器からUSBケーブル14を介して電源供給を受けている状態でキー入力部43の電源キーをオン操作すると、まずCCD23により書画台11をCCD23により撮影する(ステップS101)。このとき、書画台11にはドキュメント用紙が一切載置されていない状態での撮影を行なうものとする。
【0042】
こうして得た現状の書画台11の撮影画像データをDRAM30に保持した状態で、プログラムメモリ33に記憶している基準画像データを読出し、輪郭抽出とパターンマッチングの処理により撮影画像データを基準画像データに位置合わせするものとする(ステップS102)。
【0043】
図4は、予めプログラムメモリ33に記憶されていた基準画像データの内容を例示するものである。上述した如く、この基準画像データは、書画カメラ装置10の製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、カメラ部13により何も載置されていない状態で書画台11を撮影したものである。
【0044】
一方、図5は上記ステップS101での処理により得た現状での書画台11の撮影画像データを例示するものである。図示する如く、撮影範囲内に占める書画台11の位置に多少のズレを生じていると共に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっていることがわかる。
【0045】
しかして、撮影画像データを基準画像データに対して位置合わせすることで、図6に示すように両画像データで一致しない部位が抽出される。
すなわち、図6中の左辺及び上辺にハッチングで示す細い領域が両画像データの一致しない部分であり、以降、この部分については一切考慮しないものとする。
【0046】
次いで、上記位置合わせを行なった後、基準画像データから撮影画像データを各画素単位で減算することで輝度の差分を表す画像データを取得する(ステップS103)。
【0047】
図7は、この輝度の差分を表す画像データを例示するもので、撮影画像に対して基準画像がどの程度明るいものとなっているのかを示す。書画台11座面上の折り目部分や中央の十字印の部分などに関しては、周辺の輝度情報を用いて補正するものとしている。
【0048】
こうして取得した輝度の差分を表す画像データは一時的にメインメモリ32内に保持される。
【0049】
以上で輝度補正のための準備ができたものとして、書画台11上に何らかのドキュメント用紙が載置されるのを待機する(ステップS104)。これは、例えば30[フレーム/秒]のモニタレートでCCD23を駆動し、DRAM30で保持する画像データを随時監視して、上記図5に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0050】
しかして、書画台11上にドキュメント用紙が載置され、その撮影画像に大きな変化があると、ステップS104でこれを判断して、あらためて載置されたドキュメント用紙を含む書画台11を適正な露光状態で撮影する(ステップS105)。
【0051】
そして、得た画像データを上記ステップS103で取得した輝度の差分を表す画像データを用いて補正、具体的には各画素単位で撮影画像データから輝度差分画像データを減算することで輝度ムラの補正を実行し、補正した画像データを出力してUSBインタフェース37を介してUSBケーブル14より出力させる(ステップS106)。
【0052】
図8は、上記ステップS105で撮影したドキュメント用紙を含む書画台11上の画像データを例示するものである。同図では、上記図5と同様に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっている。
【0053】
これに対し、図9は上記ステップS106の処理により補正し、出力される画像データの内容を例示するものである。上記照明環境による輝度分布を補正し、画像全体で均一な輝度となり、非常に見易いものとなっていることがわかる。
【0054】
その後、再度書画台11上に載置されるドキュメント用紙に変化があるのを待機する(ステップS107)。これは、例えば30[フレーム/秒]のモニタレートでCCD23を駆動し、DRAM30で保持する画像データを随時監視することで、例えば上記図8に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0055】
しかして、ドキュメント用紙に変化があったと判断すると、再び上記ステップS05からの処理に戻り、同様の処理を繰返して、輝度を補正した画像データを得た後に出力する。
【0056】
このように、本実施形態によれば、画像中の輝度に基づく簡易な処理で照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能となる。
【0057】
また、特に上記実施形態では、撮影して得た書画台11の画像と予め記憶していた基準の画像データとで双方の画像パターンの位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得するものとした。
【0058】
そのため、基準の画像とその時点の撮影画像とでカメラ部13の設置角度等により発生し得る位置ズレを考慮した上で、双方の画像の輝度の差分を正確に算出することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
以下本発明を書画カメラ装置を接続する外部機器、例えばデータプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置50を複数の書画カメラ装置10と接続したプレゼンテーションシステムの外観構成を示すものである。同図では、書画カメラ装置10は1台のみ示すが、実際にはUSBケーブル14,14,‥‥によりデータプロジェクタ装置50に対して複数台の書画カメラ装置10がデータプロジェクタ装置50と接続されているものとする。
【0060】
なお、書画カメラ装置10の外観構成に関しては上記図1と、書画カメラ装置10の基本的な回路構成については上記図2とそれぞれほぼ同様であるものとして、同一部分には同一符号を用いてそれらの説明は省略するものとする。
【0061】
図11は、データプロジェクタ装置50の全体の電子回路の概念構成を示すものである。同図で、51は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、RGB入力端子、及び上記USBケーブル14が接続されるUSB端子からなる。
【0062】
入出力コネクタ部51より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)52、システムバスSB2を介して画像変換部53で投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一された後に、投影駆動部54へ送られる。
【0063】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種キャラクタやポインタ等の記号も必要に応じて画像信号上に重畳加工された状態で投影駆動部54へ送られる。
【0064】
投影駆動部54は、送られてきた画像信号をビデオRAM55に展開して記憶させた上で、このビデオRAM55の記憶内容からビデオ信号を生成する。投影駆動部54は、このビデオ信号のフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子56を表示駆動する。
【0065】
一方、リフレクタ57内に配置された、例えば超高圧水銀灯を用いた光源ランプ58が高輝度の白色光を出射する。光源ランプ58の出射した白色光は、カラーホイール59を介して時分割で原色に着色され、インテグレータ60で輝度分布が均一な光束とされた後にミラー61で全反射して上記マイクロミラー素子56に照射される。
【0066】
そして、マイクロミラー素子56での反射光で光像が形成され、形成された光像が光学レンズユニット62を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0067】
光学レンズユニット62は、マイクロミラー素子56で形成された光像を拡大してスクリーン等の対象に投影するものであり、合焦位置及びズーム位置(投影画角)を任意に可変できるものとする。
【0068】
すなわち、光学レンズユニット62中の図示しないフォーカスレンズ及びズームレンズは共に光軸方向に沿って前後に移動することで制御されるもので、それらレンズはステッピングモータ(M)63の回動駆動により移動する。
【0069】
なお、上記カラーホイール59の終端部に対向するようにマーカセンサ64が近接配置され、このマーカセンサ64がカラーホイール59に設けられた図示しないマーカの通過を検出して検出信号を上記投影駆動部54へ送出する。
【0070】
投影駆動部54は、マーカセンサ64からの検出信号によりマイクロミラー素子56での駆動タイミングを調整する。
【0071】
また、上記光源ランプ58の点灯駆動、上記カラーホイール59用のモータ(M)65の回転駆動、及び上記ステッピングモータ63の回動駆動をいずれも投影光処理部66が実行する。
【0072】
上記各回路の動作すべてをCPU67が統括制御する。このCPU67は、動作プログラムや各種定型データ等を記憶した不揮発性メモリでなるプログラムメモリ68、RAMでなるメインメモリ69を用いてこのデータプロジェクタ装置50内の制御動作を実行する。
【0073】
上記CPU67にはさらに、キースイッチ部70から直接キー操作信号が入力される一方で、上記システムバスSB2を介して、画像記憶部71、及び音声処理部72が接続される。
【0074】
キースイッチ部70は、電源キー、モード切換キー、キャンセルキー、フォーカスキー、ズームキー、カーソル(「↑」「↓」「←」「→」)キー、エンターキー等からなる。
【0075】
これらキースイッチ部70の各キーを用いてユーザが任意の操作を行なうと、そのキー操作に応じた操作信号が直接CPU67へ入力され、CPU67はキースイッチ部70からの入力に応じて制御動作を実行する。
【0076】
画像記憶部71は、後述する輝度補正動作等のために各種画像データを保持する。
【0077】
音声処理部72は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、このデータプロジェクタ装置50の本体ケーシングの例えば背面に設けられるスピーカ73を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0078】
次に上記実施形態の動作について説明する。
以下に示す動作は、いずれもデータプロジェクタ装置50側のCPU67がプログラムメモリ68に記憶された動作プログラムを読出してメインメモリ69上で展開して実行することにより制御される。
【0079】
図12は、データプロジェクタ装置50で新規にUSBケーブル14を介して接続された書画カメラ装置10からの画像を投影する場合の制御動作を示すものである。
【0080】
その当初には、新規の書画カメラ装置10の接続があるか否かを繰返し判断することで、新規に書画カメラ装置10が接続されるのを待機する(ステップS201)。
【0081】
しかして、新規に書画カメラ装置10が接続された場合、上記ステップS201でそれを判断し、USB規格に則って接続された書画カメラ装置10の相互認証を行なう(ステップS202)。この認証の結果、基準となる書画台11の画像データ(以下「基準画像データ」と称する)をすでに画像記憶部71に登録している書画カメラ装置10であるか否かを判断する(ステップS203)。
【0082】
ここで、画像記憶部71に対応する基準画像データが登録されていないと判断した場合には、USBケーブル14を介してその書画カメラ装置10に対し、基準画像データを送信するような要求信号を送信した上で(ステップS204)、その要求信号に応答して書画カメラ装置10からのデータが送られてくるのを待機する(ステップS205)。
【0083】
しかして、書画カメラ装置10側からの基準画像データを受信すると、上記ステップS205でそれを判断して、あらたにその基準画像データを画像記憶部71に登録設定する(ステップS206)。
【0084】
また、上記ステップS203で、画像記憶部71にすでに対応する基準画像データが登録されていると判断した場合には、そのまま画像記憶部71から該当する基準画像データを読出す(ステップS207)。
【0085】
しかるに、得た基準画像データと、その後に書画カメラ装置10から送られてくる、その時点での書画台11上を撮影した画像データ(以下「撮影画像データ」と称する)とを用い、輪郭抽出とパターンマッチングの処理により撮影画像データを基準画像データに位置合わせするものとする(ステップS208)。
【0086】
図4は、予め画像記憶部71に登録されていた基準画像データの内容、あるいは新規に登録した基準画像データの内容を例示するものである。この基準画像データは、各書画カメラ装置10毎にその製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、何も載置されていない状態の書画台11をカメラ部13で撮影したものである。
【0087】
一方、図5はその時点に書画カメラ装置10側から送信されてくる撮影画像データを例示するものである。図示する如く、上記図4の画像と比べて、撮影範囲内に占める書画台11の位置に多少のズレを生じていると共に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっていることがわかる。
【0088】
しかして、撮影画像データを基準画像データに対して位置合わせすることで、図6に示すように両画像データで一致しない部位が抽出される。
すなわち、図6中の左辺及び上辺にハッチングで示す細い領域が両画像データの一致しない部分であり、以降、この部分については一切考慮しないものとする。
【0089】
次いで、上記位置合わせを行なった後、基準画像データから撮影画像データを各画素単位で減算することで輝度の差分を表す画像データを取得する(ステップS209)。
【0090】
図7は、この輝度の差分を表す画像データを例示するもので、撮影画像に対して基準画像がどの程度明るいものとなっているのかを示す。書画カメラ装置10の書画台11座面上の折り目部分や中央の十字印の部分などに関しては、周辺の輝度情報を用いて補正するものとしている。
【0091】
こうして取得した輝度の差分を表す画像データは一時的にメインメモリ69内に保持される。
【0092】
以上で輝度補正のための準備ができたものとして、書画カメラ装置10の書画台11上に何らかのドキュメント用紙が載置されるのを待機する(ステップS210)。これは、書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データを随時監視して、上記図5に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0093】
しかして、書画カメラ装置10の書画台11上にドキュメント用紙が載置され、その撮影画像に大きな変化があると、ステップS210でこれを判断して、送られてくる撮影画像データを上記ステップS209で取得した輝度の差分を表す画像データを用いて補正、具体的には各画素単位で撮影画像データから輝度差分画像データを減算することで輝度ムラの補正を実行し、補正した画像データを光学レンズユニット62より投影させる(ステップS211)。
【0094】
図8は、書画カメラ装置10から送られてくるドキュメント用紙を含む書画台11上の撮影画像データを例示するものである。同図では、上記図5と同様に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっている。
【0095】
これに対し、図9は上記ステップS211の処理により補正した上で投影される画像データの内容を例示するものである。上記照明環境による輝度分布を補正し、画像全体で均一な輝度となり、非常に見易いものとなっていることがわかる。
【0096】
その後、上記投影状態を維持しながら、他の書画カメラ装置10が新たに接続されてその割込みがあるか否か(ステップS212)、現在選択している書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データに変化があるか否か(ステップS213)を繰返し判断することで、これらの状態となるのを待機する。
【0097】
しかして、現在選択している書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データに変化があった場合、上記ステップS213でそれを判断し、再びその新たな撮影画像データの輝度補正を行なうべく上記ステップS211からの処理を実行する。
【0098】
また、上記ステップS212,S213の処理を繰返す過程で他の書画カメラ装置10が新たに接続されてその割込みがあった場合、上記ステップS212でそれを判断し、その新たに接続された書画カメラ装置10に対処するべく上記ステップS202からの処理に戻る。
【0099】
このように本実施形態によれば、外部接続した書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データを投影するデータプロジェクタ装置50のような装置において、画像データ中の輝度に基づく簡易な処理で書画カメラ装置10側での照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画カメラ装置10の書画台11上に載置された各種ドキュメントの画像を即時処理して出力することが可能となる。
【0100】
加えて、本実施形態では、複数接続される書画カメラ装置10の各基準画像データを画像記憶部71に登録するものとし、認証を行なってその結果に応じて対応する基準画像データを画像記憶部71から読出すものとしたので、複数の書画カメラ装置10を接続するような装置でも適切な輝度補正を施した画像データを出力することができる。
【0101】
なお、上記実施形態では、認証処理を行なうに当たってUSB規格に則って行なうものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、書画カメラ装置10から送られてくる画像中の識別情報、例えば書画台11上面にプリントされた特定のマークやバーコードを画像データ中から検出することで、書画カメラ装置10の機種や個体の認証を行なうものとしてもよいし、さらには書画台11全面の色自体を機種毎に異なるものとし、画像データ中の書画台11部分の色成分を検出することで対応する機種を特定することができるようにしてもよい。
【0102】
そのように書画カメラ装置10から送られてくる画像データに含まれる画像情報を書画カメラ装置10の認証に用いることで、USB等の規格に制限されることなく、書画カメラ装置10の登録と認証に要する処理を簡易な画像処理のソフトウェアにより容易に実現できる。
【0103】
なお、上記第2の実施形態では、複数の書画カメラ装置10を接続する外部機器として、書画カメラ装置10の出力した画像を投影するデータプロジェクタ装置50を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限ることなく、パーソナルコンピュータやその他何らかの画像処理を行なうような外部機器であっても同様に適用することが可能である。
【0104】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件により適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0105】
10…書画カメラ装置、11…書画台、12…スタンド部、12a…回動アーム部、12b…カメラ取付け部、13…カメラ部、14…USBケーブル、21…モータ(M)、22…撮影レンズ光学系、23…CCD、24…タイミング発生器(TG)、25…CCDドライバ、26…サンプルホールド(S/H)回路、27…A/D変換器、28…カラープロセス回路、29…バッファコントローラ、30…DRAM、31…制御部、32…メインメモリ、33…プログラムメモリ、34…表示制御部、35…VRAM、36…表示部、37…USBインタフェース(I/F)、38…電源制御部、39…補助光駆動部、40…画像処理部、41…メモリカード、42…高輝度白色LED、43…キー入力部、50…データプロジェクタ装置、51…入出力コネクタ部、52…入出力インタフェース(I/F)、53…画像変換部、54…投影駆動部、55…ビデオRAM、56…マイクロミラー素子(SOM)、57…リフレクタ、58…光源ランプ、59…カラーホイール、60…インテグレータ、61…ミラー、62…光学レンズユニット、63…ステッピングモータ(M)、64…マーカセンサ、65…モータ(M)、66…投影光処理部、67…CPU、68…プログラムメモリ、69…メインメモリ、70…キースイッチ部、71…画像記憶部、72…音声処理部、73…スピーカ、SB1,SB2…システムバス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデータプロジェクタ装置を用いたプレゼンテーション等に好適な書画カメラ装置、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各種ドキュメントを載置した書画台の画像を撮影して画像信号化し、データプロジェクタ装置等へ出力することで普通紙にプリントアウトした各種ドキュメントなどをリアルタイムで拡大投影させることが可能な書画カメラ装置が一般に商品化されている。
【0003】
この種の書画カメラ装置では、書画カメラ装置が設置される照明環境により、必ずしもドキュメントに均一で明るい照明光が照射されるとは限らない。そこで、例えば位置を変えて撮影した複数の画像を用いてドキュメントへのホットスポット(照明装置の映り込み)を消去する技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−279828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術は、ホットスポットを消去するためにドキュメント画像を位置を変えて複数回撮影しなくてはならず、その作業等のために書画台上に載置したドキュメントの画像を即時出力させることができない。
【0006】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より簡易な処理で照明環境下での悪影響を排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能な書画カメラ装置、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台と、上記書画台を撮影する撮影手段と、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶した記憶手段と、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、差分画像取得手段は、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段で記憶した基準画像の双方の画像パターンに基づいて位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得することを特徴とすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態を、上記書画台の輝度分布が均一な照明環境下としたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置であって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶手段と、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、上記記憶手段は、複数の書画カメラ装置からの基準画像を記憶し、書画カメラ装置の外部接続に際して認証を行なう認証手段と、上記認証手段での認証結果に応じて上記記憶手段から対応する基準画像を読出す画像選択手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、上記認証手段は、外部接続された書画カメラ装置からの画像中に含まれている識別情報を検出し、その検出された情報に基づいて行なうことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置の画像処理方法であって、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶工程と、上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、この輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程とを有したことを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置での画像処理方法であって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶工程と、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、上記輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程とを有したことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶ステップと、上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶ステップと、外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易な処理で照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る書画カメラ装置の外観構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態に係る書画カメラ装置全体の電子回路の概念構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態に係る電源オン当初の処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係る書画台の基準画像データを例示する図。
【図5】同実施形態に係る書画台の撮影画像データを例示する図。
【図6】同実施形態に係る位置合わせ後の書画台の基準画像データを例示する図。
【図7】同実施形態に係る輝度の差分を表す画像データを例示する図。
【図8】同実施形態に係るドキュメント用紙を含む書画台上の画像データを例示する図。
【図9】同実施形態に係る輝度補正後のドキュメント用紙を含む書画台上の画像データを例示する図。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る書画カメラ装置とデータプロジェクタ装置の接続構成を示す斜視図。
【図11】同実施形態に係るブロック図。
【図12】同実施形態に係るフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下本発明を書画カメラ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る書画カメラ装置10の外観構成を示すもので、本書画カメラ装置10は、書画台11、スタンド部12、及びカメラ部13を組み合わせて構成される。
【0019】
書画台11は、例えばヒンジを介して接続された3枚の折りたたみ式の薄板状部材(合成樹脂板)からなり、その中央の合成樹脂板の端部からスタンド部12が直立する。スタンド部12の上部には回動アーム部12aが延在され、この回動アーム部12aの先端にカメラ取付け部12bが上記書画台11と平行となるように回動自在に配置される。
【0020】
そして、このカメラ取付け部12bに対してカメラ部13が取付けられ、上記書画台11上に載置された各種ドキュメントの画像を撮影することとなる。
【0021】
なお、スタンド部12の背面側下端には、USBケーブル14を取付けるためのUSBコネクタ(図示せず)が設けられる。書画カメラ装置10では、USBケーブル14を介して書画台11に載置して撮影されたドキュメント用紙の画像がカメラ部13で撮影され、その画像信号が外部接続される機器、例えばパーソナルコンピュータやデータプロジェクタ装置等へ出力される。
【0022】
次に書画カメラ装置10の概略機能構成について図2を用いて説明する。
図2は、同実施の形態に係る書画カメラ装置10全体の電子回路の概念構成を示すものである。
図中、モータ(M)21の駆動により、カメラ部13の下面側に取付けられた撮影レンズ光学系22中の一部のレンズ、具体的にはズームレンズ及びフォーカスレンズの位置が適宜移動される。この撮影レンズ光学系22の撮影光軸後方の結像位置に、図示しないメカニカルシャッタを介して、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)23が配置される。
【0023】
CCD23は、タイミング発生器(TG)24、CCDドライバ(Dv.)25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0024】
この光電変換出力は、サンプルホールド(S/H)回路26において、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎にその時点に設定されているISO感度に応じてAGC(自動ゲイン調整)された後にサンプルホールドされ、A/D変換器27に送られる。
【0025】
A/D変換器27では、アナログの画像データをデジタルデータに変換し、カラープロセス回路28へ出力する。
【0026】
カラープロセス回路28は、デジタルの画像データに対して画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行ない、マトリックス変換によりデジタル値の輝度色差系の画像データYUVを生成した後にバッファコントローラ29に出力する。
【0027】
バッファコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する画像データYUVを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度バッファコントローラ29内部に書込んだ後、バッファメモリとして使用されるDRAM30にDMA転送を行なう。
【0028】
このDRAM30は、上記撮影により得た画像データを保持する領域を有するものとする。
【0029】
制御部31は、CPUで構成され、ワークメモリとして使用されるメインメモリ32、動作プログラムやデータ等を固定的に記憶した不揮発性メモリでなるプログラムメモリ33とシステムバスSB1を介して接続されるもので、プログラムメモリ33から必要なプログラム等を読出し、該メインメモリ32に適宜必要なプログラムやデータを一時的に展開して書込みながら、この書画カメラ装置10全体の制御動作を司る。
【0030】
しかして制御部31は、上記画像データのDRAM30へのDMA転送終了後に、この画像データをバッファコントローラ29を介してDRAM30より読出し、表示制御部34を介してVRAM35に書込む。
【0031】
表示制御部34は、上記画像データをVRAM35より定期的に読出して表示部36に出力する。
【0032】
この表示部36は、バックライト付きのカラー液晶パネルとその駆動回路とで構成される。この表示部36は、上記カメラ部13の上面側に配置され、この書画カメラ装置10を外部機器に接続していない状態でも撮影内容を視認できるビューファインダとして機能するもので、表示制御部34からの画像データ等に基づいた表示を行なうことで、その時点で上記CCD23から取込んでいる画像等をリアルタイムにモニタ表示する。
【0033】
一方で、制御部31は、DRAM30に保持される画像データをバッファコントローラ29により読出させ、USBインタフェース(I/F)37へ出力する。USBインタフェース37は、USB2.0規格に則って外部機器の間で画像データを含む各種データの送受を行なうもので、上記USBケーブル14を介して画像データをアイソクロナス転送により外部機器へ出力する。
【0034】
なお、上記USBケーブル14は電源ケーブルを兼ねており、USB規格で規定されている電力線が電源制御部38と接続される。電源制御部38は、USBケーブル14から供給される直流5.0[V]の電力を元に各種電圧、例えば1.5[V]、3.3[V]の電力を生成し、他の各回路に必要な動作電圧を印加する。
【0035】
また、上記システムバスSB1にはさらに、補助光駆動部39、画像処理部40、及びメモリカード41が接続される。
補助光駆動部39は、制御部31の制御の下に、複数の高輝度白色LED42を同時に発光駆動し、書画台11上に載置されたドキュメント用紙を照明する。
【0036】
画像処理部40は、後述する輝度補正を含む各種画像処理を行なう他、制御部31の制御に基づいてDRAM30に保持される画像データを所定の規格、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)に則ってデータ圧縮する。
【0037】
メモリカード41は、この書画カメラ装置10のカメラ部13に着脱自在に装着されるもので、上記画像処理部40でデータ圧縮された画像データ等を記録する。
【0038】
なお、書画カメラ装置10のカメラ部13部及びスタンド部12に設けられる各種キースイッチを含んでキー入力部43が構成され、このキー入力部43でのキー操作信号が直接制御部31へ送出される。制御部31はこのキー入力部43からのキー操作信号に応じた制御動作を実行する。
【0039】
また、上記プログラムメモリ33には、この書画カメラ装置10の製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、カメラ部13により何も載置されていない状態の書画台11を撮影した画像が基準画像データとして予め記憶されているものとする。
【0040】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、以下に示す動作は、いずれも制御部31がプログラムメモリ33に記憶された動作プログラムを読出して実行することにより制御される。
【0041】
図3は、書画カメラ装置10の電源オン当初からの初期動作を示すものである。書画カメラ装置10を外部機器、例えばデータプロジェクタ装置と接続し、外部機器からUSBケーブル14を介して電源供給を受けている状態でキー入力部43の電源キーをオン操作すると、まずCCD23により書画台11をCCD23により撮影する(ステップS101)。このとき、書画台11にはドキュメント用紙が一切載置されていない状態での撮影を行なうものとする。
【0042】
こうして得た現状の書画台11の撮影画像データをDRAM30に保持した状態で、プログラムメモリ33に記憶している基準画像データを読出し、輪郭抽出とパターンマッチングの処理により撮影画像データを基準画像データに位置合わせするものとする(ステップS102)。
【0043】
図4は、予めプログラムメモリ33に記憶されていた基準画像データの内容を例示するものである。上述した如く、この基準画像データは、書画カメラ装置10の製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、カメラ部13により何も載置されていない状態で書画台11を撮影したものである。
【0044】
一方、図5は上記ステップS101での処理により得た現状での書画台11の撮影画像データを例示するものである。図示する如く、撮影範囲内に占める書画台11の位置に多少のズレを生じていると共に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっていることがわかる。
【0045】
しかして、撮影画像データを基準画像データに対して位置合わせすることで、図6に示すように両画像データで一致しない部位が抽出される。
すなわち、図6中の左辺及び上辺にハッチングで示す細い領域が両画像データの一致しない部分であり、以降、この部分については一切考慮しないものとする。
【0046】
次いで、上記位置合わせを行なった後、基準画像データから撮影画像データを各画素単位で減算することで輝度の差分を表す画像データを取得する(ステップS103)。
【0047】
図7は、この輝度の差分を表す画像データを例示するもので、撮影画像に対して基準画像がどの程度明るいものとなっているのかを示す。書画台11座面上の折り目部分や中央の十字印の部分などに関しては、周辺の輝度情報を用いて補正するものとしている。
【0048】
こうして取得した輝度の差分を表す画像データは一時的にメインメモリ32内に保持される。
【0049】
以上で輝度補正のための準備ができたものとして、書画台11上に何らかのドキュメント用紙が載置されるのを待機する(ステップS104)。これは、例えば30[フレーム/秒]のモニタレートでCCD23を駆動し、DRAM30で保持する画像データを随時監視して、上記図5に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0050】
しかして、書画台11上にドキュメント用紙が載置され、その撮影画像に大きな変化があると、ステップS104でこれを判断して、あらためて載置されたドキュメント用紙を含む書画台11を適正な露光状態で撮影する(ステップS105)。
【0051】
そして、得た画像データを上記ステップS103で取得した輝度の差分を表す画像データを用いて補正、具体的には各画素単位で撮影画像データから輝度差分画像データを減算することで輝度ムラの補正を実行し、補正した画像データを出力してUSBインタフェース37を介してUSBケーブル14より出力させる(ステップS106)。
【0052】
図8は、上記ステップS105で撮影したドキュメント用紙を含む書画台11上の画像データを例示するものである。同図では、上記図5と同様に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっている。
【0053】
これに対し、図9は上記ステップS106の処理により補正し、出力される画像データの内容を例示するものである。上記照明環境による輝度分布を補正し、画像全体で均一な輝度となり、非常に見易いものとなっていることがわかる。
【0054】
その後、再度書画台11上に載置されるドキュメント用紙に変化があるのを待機する(ステップS107)。これは、例えば30[フレーム/秒]のモニタレートでCCD23を駆動し、DRAM30で保持する画像データを随時監視することで、例えば上記図8に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0055】
しかして、ドキュメント用紙に変化があったと判断すると、再び上記ステップS05からの処理に戻り、同様の処理を繰返して、輝度を補正した画像データを得た後に出力する。
【0056】
このように、本実施形態によれば、画像中の輝度に基づく簡易な処理で照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画台上に載置した各種ドキュメントの画像を即時出力することが可能となる。
【0057】
また、特に上記実施形態では、撮影して得た書画台11の画像と予め記憶していた基準の画像データとで双方の画像パターンの位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得するものとした。
【0058】
そのため、基準の画像とその時点の撮影画像とでカメラ部13の設置角度等により発生し得る位置ズレを考慮した上で、双方の画像の輝度の差分を正確に算出することができる。
【0059】
(第2の実施形態)
以下本発明を書画カメラ装置を接続する外部機器、例えばデータプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置50を複数の書画カメラ装置10と接続したプレゼンテーションシステムの外観構成を示すものである。同図では、書画カメラ装置10は1台のみ示すが、実際にはUSBケーブル14,14,‥‥によりデータプロジェクタ装置50に対して複数台の書画カメラ装置10がデータプロジェクタ装置50と接続されているものとする。
【0060】
なお、書画カメラ装置10の外観構成に関しては上記図1と、書画カメラ装置10の基本的な回路構成については上記図2とそれぞれほぼ同様であるものとして、同一部分には同一符号を用いてそれらの説明は省略するものとする。
【0061】
図11は、データプロジェクタ装置50の全体の電子回路の概念構成を示すものである。同図で、51は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、RGB入力端子、及び上記USBケーブル14が接続されるUSB端子からなる。
【0062】
入出力コネクタ部51より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース(I/F)52、システムバスSB2を介して画像変換部53で投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一された後に、投影駆動部54へ送られる。
【0063】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種キャラクタやポインタ等の記号も必要に応じて画像信号上に重畳加工された状態で投影駆動部54へ送られる。
【0064】
投影駆動部54は、送られてきた画像信号をビデオRAM55に展開して記憶させた上で、このビデオRAM55の記憶内容からビデオ信号を生成する。投影駆動部54は、このビデオ信号のフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子56を表示駆動する。
【0065】
一方、リフレクタ57内に配置された、例えば超高圧水銀灯を用いた光源ランプ58が高輝度の白色光を出射する。光源ランプ58の出射した白色光は、カラーホイール59を介して時分割で原色に着色され、インテグレータ60で輝度分布が均一な光束とされた後にミラー61で全反射して上記マイクロミラー素子56に照射される。
【0066】
そして、マイクロミラー素子56での反射光で光像が形成され、形成された光像が光学レンズユニット62を介して、投影対象となるここでは図示しないスクリーンに投影表示される。
【0067】
光学レンズユニット62は、マイクロミラー素子56で形成された光像を拡大してスクリーン等の対象に投影するものであり、合焦位置及びズーム位置(投影画角)を任意に可変できるものとする。
【0068】
すなわち、光学レンズユニット62中の図示しないフォーカスレンズ及びズームレンズは共に光軸方向に沿って前後に移動することで制御されるもので、それらレンズはステッピングモータ(M)63の回動駆動により移動する。
【0069】
なお、上記カラーホイール59の終端部に対向するようにマーカセンサ64が近接配置され、このマーカセンサ64がカラーホイール59に設けられた図示しないマーカの通過を検出して検出信号を上記投影駆動部54へ送出する。
【0070】
投影駆動部54は、マーカセンサ64からの検出信号によりマイクロミラー素子56での駆動タイミングを調整する。
【0071】
また、上記光源ランプ58の点灯駆動、上記カラーホイール59用のモータ(M)65の回転駆動、及び上記ステッピングモータ63の回動駆動をいずれも投影光処理部66が実行する。
【0072】
上記各回路の動作すべてをCPU67が統括制御する。このCPU67は、動作プログラムや各種定型データ等を記憶した不揮発性メモリでなるプログラムメモリ68、RAMでなるメインメモリ69を用いてこのデータプロジェクタ装置50内の制御動作を実行する。
【0073】
上記CPU67にはさらに、キースイッチ部70から直接キー操作信号が入力される一方で、上記システムバスSB2を介して、画像記憶部71、及び音声処理部72が接続される。
【0074】
キースイッチ部70は、電源キー、モード切換キー、キャンセルキー、フォーカスキー、ズームキー、カーソル(「↑」「↓」「←」「→」)キー、エンターキー等からなる。
【0075】
これらキースイッチ部70の各キーを用いてユーザが任意の操作を行なうと、そのキー操作に応じた操作信号が直接CPU67へ入力され、CPU67はキースイッチ部70からの入力に応じて制御動作を実行する。
【0076】
画像記憶部71は、後述する輝度補正動作等のために各種画像データを保持する。
【0077】
音声処理部72は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、このデータプロジェクタ装置50の本体ケーシングの例えば背面に設けられるスピーカ73を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0078】
次に上記実施形態の動作について説明する。
以下に示す動作は、いずれもデータプロジェクタ装置50側のCPU67がプログラムメモリ68に記憶された動作プログラムを読出してメインメモリ69上で展開して実行することにより制御される。
【0079】
図12は、データプロジェクタ装置50で新規にUSBケーブル14を介して接続された書画カメラ装置10からの画像を投影する場合の制御動作を示すものである。
【0080】
その当初には、新規の書画カメラ装置10の接続があるか否かを繰返し判断することで、新規に書画カメラ装置10が接続されるのを待機する(ステップS201)。
【0081】
しかして、新規に書画カメラ装置10が接続された場合、上記ステップS201でそれを判断し、USB規格に則って接続された書画カメラ装置10の相互認証を行なう(ステップS202)。この認証の結果、基準となる書画台11の画像データ(以下「基準画像データ」と称する)をすでに画像記憶部71に登録している書画カメラ装置10であるか否かを判断する(ステップS203)。
【0082】
ここで、画像記憶部71に対応する基準画像データが登録されていないと判断した場合には、USBケーブル14を介してその書画カメラ装置10に対し、基準画像データを送信するような要求信号を送信した上で(ステップS204)、その要求信号に応答して書画カメラ装置10からのデータが送られてくるのを待機する(ステップS205)。
【0083】
しかして、書画カメラ装置10側からの基準画像データを受信すると、上記ステップS205でそれを判断して、あらたにその基準画像データを画像記憶部71に登録設定する(ステップS206)。
【0084】
また、上記ステップS203で、画像記憶部71にすでに対応する基準画像データが登録されていると判断した場合には、そのまま画像記憶部71から該当する基準画像データを読出す(ステップS207)。
【0085】
しかるに、得た基準画像データと、その後に書画カメラ装置10から送られてくる、その時点での書画台11上を撮影した画像データ(以下「撮影画像データ」と称する)とを用い、輪郭抽出とパターンマッチングの処理により撮影画像データを基準画像データに位置合わせするものとする(ステップS208)。
【0086】
図4は、予め画像記憶部71に登録されていた基準画像データの内容、あるいは新規に登録した基準画像データの内容を例示するものである。この基準画像データは、各書画カメラ装置10毎にその製造工場出荷前に、輝度ムラ等が一切なく充分に明るい適正な照明環境下で、何も載置されていない状態の書画台11をカメラ部13で撮影したものである。
【0087】
一方、図5はその時点に書画カメラ装置10側から送信されてくる撮影画像データを例示するものである。図示する如く、上記図4の画像と比べて、撮影範囲内に占める書画台11の位置に多少のズレを生じていると共に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっていることがわかる。
【0088】
しかして、撮影画像データを基準画像データに対して位置合わせすることで、図6に示すように両画像データで一致しない部位が抽出される。
すなわち、図6中の左辺及び上辺にハッチングで示す細い領域が両画像データの一致しない部分であり、以降、この部分については一切考慮しないものとする。
【0089】
次いで、上記位置合わせを行なった後、基準画像データから撮影画像データを各画素単位で減算することで輝度の差分を表す画像データを取得する(ステップS209)。
【0090】
図7は、この輝度の差分を表す画像データを例示するもので、撮影画像に対して基準画像がどの程度明るいものとなっているのかを示す。書画カメラ装置10の書画台11座面上の折り目部分や中央の十字印の部分などに関しては、周辺の輝度情報を用いて補正するものとしている。
【0091】
こうして取得した輝度の差分を表す画像データは一時的にメインメモリ69内に保持される。
【0092】
以上で輝度補正のための準備ができたものとして、書画カメラ装置10の書画台11上に何らかのドキュメント用紙が載置されるのを待機する(ステップS210)。これは、書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データを随時監視して、上記図5に示した状態から大幅な変化があったか否かを判断することで実行される。
【0093】
しかして、書画カメラ装置10の書画台11上にドキュメント用紙が載置され、その撮影画像に大きな変化があると、ステップS210でこれを判断して、送られてくる撮影画像データを上記ステップS209で取得した輝度の差分を表す画像データを用いて補正、具体的には各画素単位で撮影画像データから輝度差分画像データを減算することで輝度ムラの補正を実行し、補正した画像データを光学レンズユニット62より投影させる(ステップS211)。
【0094】
図8は、書画カメラ装置10から送られてくるドキュメント用紙を含む書画台11上の撮影画像データを例示するものである。同図では、上記図5と同様に、照明環境により全体に画像左上側が明るく、同右下側が暗い輝度分布となっている。
【0095】
これに対し、図9は上記ステップS211の処理により補正した上で投影される画像データの内容を例示するものである。上記照明環境による輝度分布を補正し、画像全体で均一な輝度となり、非常に見易いものとなっていることがわかる。
【0096】
その後、上記投影状態を維持しながら、他の書画カメラ装置10が新たに接続されてその割込みがあるか否か(ステップS212)、現在選択している書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データに変化があるか否か(ステップS213)を繰返し判断することで、これらの状態となるのを待機する。
【0097】
しかして、現在選択している書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データに変化があった場合、上記ステップS213でそれを判断し、再びその新たな撮影画像データの輝度補正を行なうべく上記ステップS211からの処理を実行する。
【0098】
また、上記ステップS212,S213の処理を繰返す過程で他の書画カメラ装置10が新たに接続されてその割込みがあった場合、上記ステップS212でそれを判断し、その新たに接続された書画カメラ装置10に対処するべく上記ステップS202からの処理に戻る。
【0099】
このように本実施形態によれば、外部接続した書画カメラ装置10から送られてくる撮影画像データを投影するデータプロジェクタ装置50のような装置において、画像データ中の輝度に基づく簡易な処理で書画カメラ装置10側での照明環境下での悪影響を確実に排除し、書画カメラ装置10の書画台11上に載置された各種ドキュメントの画像を即時処理して出力することが可能となる。
【0100】
加えて、本実施形態では、複数接続される書画カメラ装置10の各基準画像データを画像記憶部71に登録するものとし、認証を行なってその結果に応じて対応する基準画像データを画像記憶部71から読出すものとしたので、複数の書画カメラ装置10を接続するような装置でも適切な輝度補正を施した画像データを出力することができる。
【0101】
なお、上記実施形態では、認証処理を行なうに当たってUSB規格に則って行なうものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、書画カメラ装置10から送られてくる画像中の識別情報、例えば書画台11上面にプリントされた特定のマークやバーコードを画像データ中から検出することで、書画カメラ装置10の機種や個体の認証を行なうものとしてもよいし、さらには書画台11全面の色自体を機種毎に異なるものとし、画像データ中の書画台11部分の色成分を検出することで対応する機種を特定することができるようにしてもよい。
【0102】
そのように書画カメラ装置10から送られてくる画像データに含まれる画像情報を書画カメラ装置10の認証に用いることで、USB等の規格に制限されることなく、書画カメラ装置10の登録と認証に要する処理を簡易な画像処理のソフトウェアにより容易に実現できる。
【0103】
なお、上記第2の実施形態では、複数の書画カメラ装置10を接続する外部機器として、書画カメラ装置10の出力した画像を投影するデータプロジェクタ装置50を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限ることなく、パーソナルコンピュータやその他何らかの画像処理を行なうような外部機器であっても同様に適用することが可能である。
【0104】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件により適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0105】
10…書画カメラ装置、11…書画台、12…スタンド部、12a…回動アーム部、12b…カメラ取付け部、13…カメラ部、14…USBケーブル、21…モータ(M)、22…撮影レンズ光学系、23…CCD、24…タイミング発生器(TG)、25…CCDドライバ、26…サンプルホールド(S/H)回路、27…A/D変換器、28…カラープロセス回路、29…バッファコントローラ、30…DRAM、31…制御部、32…メインメモリ、33…プログラムメモリ、34…表示制御部、35…VRAM、36…表示部、37…USBインタフェース(I/F)、38…電源制御部、39…補助光駆動部、40…画像処理部、41…メモリカード、42…高輝度白色LED、43…キー入力部、50…データプロジェクタ装置、51…入出力コネクタ部、52…入出力インタフェース(I/F)、53…画像変換部、54…投影駆動部、55…ビデオRAM、56…マイクロミラー素子(SOM)、57…リフレクタ、58…光源ランプ、59…カラーホイール、60…インテグレータ、61…ミラー、62…光学レンズユニット、63…ステッピングモータ(M)、64…マーカセンサ、65…モータ(M)、66…投影光処理部、67…CPU、68…プログラムメモリ、69…メインメモリ、70…キースイッチ部、71…画像記憶部、72…音声処理部、73…スピーカ、SB1,SB2…システムバス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメントを載置する書画台と、
上記書画台を撮影する撮影手段と、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶した記憶手段と、
上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、
上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、
上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする書画カメラ装置。
【請求項2】
差分画像取得手段は、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段で記憶した基準画像の双方の画像パターンに基づいて位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の書画カメラ装置。
【請求項3】
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態を、上記書画台の輝度分布が均一な照明環境下としたことを特徴とする請求項1または2に記載の書画カメラ装置。
【請求項4】
ドキュメントを載置する書画台、上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置であって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶手段と、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、
上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、
上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
上記記憶手段は、複数の書画カメラ装置からの基準画像を記憶し、
書画カメラ装置の外部接続に際して認証を行なう認証手段と、
上記認証手段での認証結果に応じて上記記憶手段から対応する基準画像を読出す画像選択手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記認証手段は、外部接続された書画カメラ装置からの画像中に含まれている識別情報を検出し、その検出された情報に基づいて行なうことを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置の画像処理方法であって、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶工程と、
上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、
上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、
この輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程と
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置での画像処理方法であって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶工程と、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、
上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、
上記輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程と
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶ステップと、
上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、
上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、
上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶ステップと、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、
上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、
上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ドキュメントを載置する書画台と、
上記書画台を撮影する撮影手段と、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶した記憶手段と、
上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、
上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、
上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする書画カメラ装置。
【請求項2】
差分画像取得手段は、上記撮影手段で撮影して得る書画台の画像と上記記憶手段で記憶した基準画像の双方の画像パターンに基づいて位置調整を行なった後に輝度の差分画像を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の書画カメラ装置。
【請求項3】
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態を、上記書画台の輝度分布が均一な照明環境下としたことを特徴とする請求項1または2に記載の書画カメラ装置。
【請求項4】
ドキュメントを載置する書画台、上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置であって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶手段と、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶手段に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得手段と、
上記差分画像取得手段で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正手段と、
上記輝度補正手段で得た画像を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
上記記憶手段は、複数の書画カメラ装置からの基準画像を記憶し、
書画カメラ装置の外部接続に際して認証を行なう認証手段と、
上記認証手段での認証結果に応じて上記記憶手段から対応する基準画像を読出す画像選択手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記認証手段は、外部接続された書画カメラ装置からの画像中に含まれている識別情報を検出し、その検出された情報に基づいて行なうことを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
【請求項7】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置の画像処理方法であって、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶工程と、
上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、
上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、
この輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程と
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置での画像処理方法であって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶工程と、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶工程に記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得工程と、
上記差分画像取得工程で得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正工程と、
上記輝度補正工程で得た画像を出力する出力工程と
を有したことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を予め記憶しておく記憶ステップと、
上記撮影部で撮影して得る書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、
上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて上記撮影部で撮影して得る書画台の画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、
上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
ドキュメントを載置する書画台、及び上記書画台を撮影する撮影部を備え、撮影により得た書画台上のドキュメントの画像を取得して出力する書画カメラ装置が外部接続される画像処理装置が内蔵したコンピュータが実行するプログラムであって、
外部接続された上記書画カメラ装置から送られてくる、上記書画台が所定の輝度分布となる照明状態で撮影した基準画像を記憶する記憶ステップと、
外部接続された書画カメラ装置からの書画台の画像と上記記憶ステップに記憶されている基準画像とにより輝度の差分画像を取得する差分画像取得ステップと、
上記差分画像取得ステップで得た輝度の差分画像に基づいて外部接続された書画カメラ装置からの画像中の少なくともドキュメント部分の輝度補正を行なう輝度補正ステップと、
上記輝度補正ステップで得た画像を出力する出力ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−151871(P2012−151871A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48953(P2012−48953)
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2007−226143(P2007−226143)の分割
【原出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月6日(2012.3.6)
【分割の表示】特願2007−226143(P2007−226143)の分割
【原出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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