説明

画像処理装置及び画像処理方法、並びにコンピュータプログラム及び記憶媒体

【課題】 印刷ジョブ全体のとじ位置を統一して描画処理を可能にすると共に、ユーザにとって使い勝手の良い画像処理装置を実現する。
【解決手段】 本発明の画像処理装置は、印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置して印刷データを生成するプリンタドライバを備える画像処理装置であって、印刷データに対するとじ代の位置および幅の入力を受け付ける受信手段と、前記受け付けたとじ代部の領域から印刷可能領域を算出する領域算出手段と、とじ代なしにおける印刷可能領域と前記算出したとじ代ありにおける印刷可能領域から、とじ代ありにおける前記印刷データの縮小率を算出する縮小率算出手段と、1つの印刷ジョブ中に印刷の向きが縦・横混在したデータの場合に特定のページにおけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とするとじ位置設定手段と、発行される描画命令に含まれる座標情報を変更する座標情報変更手段と、前記座標変換した描画命令に基づいて描画処理を行う描画手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションソフトウェアまたは、オペレーティングシステムから渡される描画命令を処理する画像処理装置および画像処理方法に関し、詳しくは、とじ代機能を有する画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録紙に画像を記録し、保管する場合は、複数項の記録紙をファイリングするために、パンチを用いて穴を開けることを行っていた。そのため、記録紙上に穴を開けるための領域を確保するために、とじ代を設けて画像を記録紙に記録していた。
前記とじ代を設定するためのとじ代機能とは、画像を記録紙に対して特定の方向にずらして記録したり、あるいは画像を縮小した後、記録紙に対して特定の方向にずらすことを指す。
また、両面印刷の場合は表面・裏面に対応したにとじ位置を決定する必要があるが、例えば、特開昭63−125352号公報には、両面印刷時に表面か裏面か、上とじか下とじかにより、印刷位置をずらして印刷処理を行うことに関して記載されている。
【特許文献1】特開昭63−125352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置する描画処理装置あるいは描画処理方法において、印刷の向きととじ位置の関係が図1のようになっており、且つ、1つの印刷ジョブにて印刷の向きが縦・横混在したデータの場合に従来のとじ代処理を行うと、図2に示したように、印刷の向きが縦のページと横のページとでとじ位置が異なってしまうことがあった。
【0004】
これでは印刷後直ぐに印刷データをとじることが出来ず、ユーザは再度印刷データを並べ替えたりしなければならないため、ユーザの使い勝手が良くない。また、印刷ジョブ全体のとじ位置を統一して描画処理を行うことができない。
【0005】
本発明は、上記の課題を解消するため、特定のページを基準に物理的なとじ位置を決定し、そのとじ位置に従って他のページについてのとじ代を付加する、ユーザにとって使い勝手の良い画像処理装置およびその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明による画像処理装置は、印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置する画像処理装置であって、印刷データに対するとじ代の位置および幅の入力を受け付ける受信手段と、前記受け付けたとじ代部の領域から印刷可能領域を算出する領域算出手段と、とじ代なしにおける印刷可能領域と前記算出したとじ代ありにおける印刷可能領域から、とじ代ありにおける前記印刷データの縮小率を算出する縮小率算出手段と、1つの印刷ジョブ中に印刷の向きが縦・横混在したデータの場合に特定のページにおけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とするとじ位置設定手段と、発行される描画命令に含まれる座標情報を変更する座標情報変更手段と、前記座標変換した描画命令に基づいて描画処理を行う描画手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明による画像処理方法は、印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置する画像処理方法であって、印刷データに対するとじ代の位置および幅の入力を受け付ける受信工程と、前記受け付けたとじ代部の領域から印刷可能領域を算出する領域算出工程と、とじ代なしにおける印刷可能領域と前記算出したとじ代ありにおける印刷可能領域から、とじ代ありにおける縮小率を算出する縮小率算出工程と、1つの印刷ジョブ中に印刷の向きが縦・横混在したデータの場合は特定のページにおけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とするとじ位置設定工程と、発行される描画命令に含まれる座標情報を変更する座標情報変更工程と、前記座標変更された描画命令に基づいて描画処理を行う描画工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための最良の形態の記載によっていっそう明らかになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定のページを基準に物理的なとじ位置を決定し、そのとじ位置に従って他のページについてのとじ代を付加するため、ユーザにとって使い勝手の良い画像処理装置を実現することができる。また、本発明によれば、印刷ジョブ全体のとじ位置を統一して描画処理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明にかかる実施形態の描画処理装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図3は第1及び第2の実施形態に共通に適用される描画処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図3において、ホストコンピュータ100には、例えばインクジェットプリンタなどのプリンタ105とモニタ106が接続されている。
【0013】
ホストコンピュータ100は、ワードプロセッサ、表計算、インターネットブラウザなどのアプリケーションソフトウェア101を有する。アプリケーションソフトウェア101によって発行される出力画像を示す各種描画処理命令群(イメージ描画命令、テキスト描画命令およびグラフィクス描画命令)は、オペレーティングシステム(OS)102を介してモニタドライバ104へ入力される。
【0014】
また、印刷を行う場合、それら描画命令群はOS102を介して、プリンタドライバ103へも入力される。プリンタドライバ103およびモニタドライバ104は、それら描画命令群を処理して印刷データを作成しプリンタ105に印刷させる、また、モニタ106に画像を表示させるためのソフトウェアである。
【0015】
ホストコンピュータ100は、上記のソフトウェアを格納し機能させるために、CPU108、ハードディスク(HD)107、RAM109、ROM110などのハードウェアを備える。
【0016】
なお、図3に示すホストコンピュータ100として一般に普及しているIBM AT互換機のパーソナルコンピュータを使用し、OS102としてMicrosoft社の Windows(登録商標)(R)98を使用することが考えられる。そして、そのようなパーソナルコンピュータに、印刷機能を有する任意のアプリケーションソフトウェアをインストールし、モニタ106およびプリンタ105を接続した形態が考えられる。
【0017】
ホストコンピュータ100では、モニタ106に表示された画像に基づき、アプリケーションソフトウェア101により、文字などのテキストに分類されるテキストデータ、図形などのグラフィクスに分類されるグラフィクスデータ、写真画像などに分類されるイメージ画像データなどを用いて出力画像データが作成される。そして、出力画像データに基づく画像を印刷する場合、アプリケーションソフトウェア101は、OS102に印刷出力要求を行い、テキストデータ部はテキスト描画命令、グラフィクスデータ部分はグラフィクス描画命令、イメージ画像データ部分はイメージ描画命令で構成される描画命令群をOS102に発行する。
【0018】
OS102は、アプリケーションソフトウェア101から印刷出力要求を受けると、プリンタ105に対応するプリンタドライバ103に描画命令群を渡す。プリンタドライバ103はOS102から渡される印刷出力要求および描画命令群を処理して、プリンタ105が印刷処理可能な印刷データを作成し、その印刷データをプリンタ105に送る。
【0019】
プリンタ105がラスタプリンタである場合、プリンタドライバ103は、描画命令群を、順次、例えばRGBそれぞれ8ビット深さをもつバンドメモリにラスタライズする。そして、全ての描画命令をラスタライズした後、ページメモリの内容をプリンタ105が印刷可能なデータ形式、例えばCMYKデータに変換してプリンタ105に送る。なお、バンドメモリは例えばRAM109に割り当てられる。
【0020】
<第1の実施形態>
以下、図4から図9を参照して第1の実施実施形態における画像処理の流れを説明する。なお、画像処理すべき印刷データは、図1に示されるように、以下のような関係にある。
【0021】
図1に示されるように、縦長用紙の場合、1つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置(とじ方向ともいう、以下同様)が左となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を上とするページとを含む。2つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が右となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を下とするページとを含む。3つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が上となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を左とするページとを含む。4つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が下となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を右とするページとを含む。
【0022】
また、横長用紙の場合、1つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が上となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を左とするページとを含む。2つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が下となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を右とするページとを含む。3つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が左となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を上とするページとを含む。4つ目のパターンとして、印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ方向が右となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ方向を下とするページとを含む。
【0023】
図4はとじ代なしの場合とありの場合における印刷可能領域を示した図である。図4にあるように、用紙の左側にとじ代を付加する場合、とじ代部を除いた領域に対して、とじ代なしの場合における印刷可能領域と同じ縦横比となる領域をとじ代ありの場合における印刷可能領域とする。つまり、とじ代なしの場合における印刷可能領域を特定の縮小率にて縮小した領域がとじ代ありの場合における印刷可能領域となる。なお、本実施例では、とじ代ありの場合における印刷可能領域は上下方向に均等の余白が存在するように配置を行う。
【0024】
図5は描画命令の保存処理を示した図である。まず、ステップS101において、出力用紙における上下左右のマージンおよびとじ代部を除いた印刷可能領域を算出する。なお、前記とじ代部は印刷設定において、図7および図8に示すプリンタドライバの設定画面にて印刷者が設定を行うものとする。
【0025】
次に、ステップS102において、前記ステップS101において算出した印刷可能領域より、とじ代を付加した場合における印刷データの縮小率を算出する。
【0026】
縮小率が算出されると、処理はステップS103に移行し、ステップS103において1項目における印刷の向きの設定値から現在の印刷ジョブ全体のとじ位置を決定する。例えば、図2に示した印刷データおよび印刷設定の場合は、1項目のとじ位置と2項目のとじ位置を同じ位置にするため、図6に示したように2項目のとじ位置を長辺とじ(下)とする。
【0027】
そして、ステップS104において、前記ステップS102にて算出した縮小率を用いて、OSに対してページ全体の描画命令を要求する。ステップS105では、図7および図8に示した設定画面にて設定された値を使用し、出力用紙上に配置する位置を変更するために、OSを介してアプリケーションから渡された描画命令に含まれる座標情報を変更する。なお、前記ステップS105では、例えば、図4に示したように、長辺とじ(左)の場合は、とじ代設定画面にて指定した値だけ描画命令に含まれるX方向の座標情報を変更する。また、Y方向に関しては、印刷可能領域の上下に均等の余白が存在するようにY方向の座標情報も変更する。
【0028】
そして、ステップS106において、前記座標情報を変更した描画命令をハードディスクなどの一時記憶装置に保存する。その後、ステップS107において、現在のページに相当するすべての描画命令を保存したか否かを判断し、すべての描画命令の保存処理が終了していない場合は、ステップS105からステップS106までの処理を繰り返す。
【0029】
前記ステップS107において、すべての描画命令の保存処理が終了したと判断した場合は、ステップS108において、全ページの処理が終了したか否かの判断を行い、全ページの処理が終了していない場合は、ステップS104からS107までの処理を繰り返し、全ページの処理が終了した場合は、描画命令の保存処理を終了する。
【0030】
次に図9を用いて、保存した描画命令を使用して描画処理を行う処理の流れを説明する。
【0031】
ステップS201において、バンドメモリを取得および初期化し、ステップS202において、一時記憶装置に保存した描画命令を読み出し、ステップS203において、描画命令にて指示された描画オブジェクトをバンドメモリにビットマップ展開する描画処理を行う。
【0032】
次に、ステップS204において、現在のバンドに存在するすべての描画命令を処理したか否かの判断を行い、現在のバンドに存在するすべての描画命令の処理が終了していない場合は、ステップS202からS203までの処理を繰り返す。
【0033】
前記ステップS204において、現在のバンドに存在するすべての描画命令の処理が終了したと判断した場合は、ステップS205において、バンドメモリにRed・Green・Blueで示されたビットマップデータをCyan・Yellow・Magenta・Blackに色変換した後、多値のビットマップデータを量子化処理するなどのプリンタ用の色処理を施す。
【0034】
そして、ステップS206では、前記ステップS205において作成されたデータがプリンタに転送される。
【0035】
ステップS207において、全バンドの処理が終了したか否かの判断を行い、全バンドの処理が終了していない場合は、ステップS202からS206までの処理を繰り返す。前記ステップS207において、全バンドの処理が終了したと判断された場合は、ステップS208において、全ページの処理が終了したか否かの判断を行い、全ページの処理が終了していない場合は、ステップS202からS207までの処理を繰り返し、全バンドの処理が終了した場合は描画処理を終了する。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、アプリケーションソフトウェアまたはオペレーティングシステムから渡される描画命令に含まれる座標情報を変換した後、描画命令をハードディスク等の一時記憶装置に保存する方式を示したが、座標情報を変換しない状態で描画命令をハードディスク等の一時記憶装置に保存した後、保存した描画命令をもとに描画処理を行う際に座標情報の変換処理を行う方式にも適用できる。
【0036】
以下、図10および図11を参照して第2の実施形態における画像処理の流れを説明する。なお、画像処理すべき印刷データは、図1に示される関係にあり、この説明は第1の実施形態におけるものと同じなのでここでは省略する。
【0037】
まず、ステップS301において、出力用紙における上下左右のマージンおよびとじ代部を除いた印刷可能領域を算出する。なお、前記とじ代部は印刷設定において、図7および図8に示すプリンタドライバの設定画面にて印刷者が設定を行うものとする。
【0038】
次に、ステップS302では、前記ステップS301において算出した印刷可能領域より、とじ代を付加した場合における印刷データの縮小率を算出する。
【0039】
さらに、ステップS303にて1項目における印刷の向きの設定値から現在の印刷ジョブ全体のとじ位置を決定し、ハードディスクなどの一時記憶装置に保存する。
【0040】
そして、ステップS304において、前記ステップS302で算出された縮小率を用いて、OSに対してページ全体の描画命令を要求する。そしてステップS305において、描画命令をハードディスクなどの一時記憶装置に保存する。
【0041】
その後、ステップS306において、現在のページに相当するすべての描画命令を保存したか否かを判断し、すべての描画命令の保存処理が終了していない場合は、ステップS305の処理を繰り返す。
【0042】
前記ステップS306において、すべての描画命令の保存処理が終了したと判断した場合は、ステップS307において、全ページの処理が終了したか否かの判断が行われ、全ページの処理が終了していない場合は、ステップS304からS306までの処理を繰り返し、全ページの処理が終了した場合は、描画命令の保存処理を終了する。
【0043】
次に図11を用いて、保存した描画命令を使用して描画処理を行う処理の流れを説明する。
【0044】
ステップS401において、バンドメモリを取得および初期化する。
【0045】
ステップS402において、一時記憶装置に保存したとじ位置情報を読み出す。その後、ステップS403において、一時記憶装置に保存した描画命令を読み出し、ステップS404において、描画命令に含まれる座標情報を変更する。
【0046】
そして、ステップS405において、描画命令で指示された描画オブジェクトをバンドメモリにビットマップ展開する描画処理を行う。その後、ステップS406において、現在のバンドに存在するすべての描画命令を処理したか否かの判断を行い、現在のバンドに存在するすべての描画命令の処理が終了していない場合は、ステップS403からS405までの処理を繰り返す。
【0047】
前記ステップS406において、現在のバンドに存在するすべての描画命令の処理が終了したと判断した場合は、ステップS407において、バンドメモリにRed・Green・Blueで示されたビットマップデータをCyan・Yellow・Magenta・Blackに色変換した後、多値のビットマップデータを量子化処理するなどのプリンタ用の色処理を施す。
【0048】
そして、ステップS408では、前記ステップS407において作成されたデータがプリンタに転送される。ステップS409において、全バンドの処理が終了したか否かの判断が行われ、全バンドの処理が終了していない場合は、ステップS403からS408までの処理が繰り返される。
【0049】
前記ステップS409において、全バンドの処理が終了した場合は、ステップS410において、全ページの処理が終了したか否かの判断が行われる。全ページの処理が終了していない場合は、ステップS403からS409までの処理が繰り返され、全バンドの処理が終了した場合は描画処理を終了する。
なお、本発明は複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0050】
<第3の実施形態>
第1および第2の実施形態では、1項目における印刷の向きから現在の印字ジョブ全体のとじ位置を決定したが、印字ジョブ全体における各項の印刷の向きを判断し、印刷の向きが縦の項と印刷の向きが横の項を比較し、より多い項の印刷の向きを基準として、現在の印字ジョブ全体のとじ位置を決定する方式にも適用できる。
【0051】
また、本発明は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或は装置に提供し、そのシステム或は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピィ(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0052】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれている。
【0053】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書きこまれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含む。
【0054】
また、上記実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードがネットワークを介して配信されることにより、システム又は装置のハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納され、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても、達成されることは云うまでもない。
【0055】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図5、図9、図10、図11に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0056】
<実施形態の効果>
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置する描画処理装置あるいは描画処理方法において、印刷の向きととじ位置の関係が図1のようになっている場合でも、特定のページ(1ページ目)を基準に物理的なとじ位置を決定し、そのとじ位置に従ってとじ代を付加することによって、印刷ジョブ全体のとじ位置を統一して描画処理を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】印刷の向きととじ方向の対応関係を示す図である。
【図2】従来技術において、1項目と2項目のとじ位置が異なる例を示す図である。
【図3】本実施形態における画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における印刷可能領域を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、描画命令の保存処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態において、1項目のとじ位置を基準に2項目のとじ位置を決定した場合の例を示す図である。
【図7】第1の実施形態において、とじ方向を入力する画面の例を示す図である。
【図8】第1の実施形態において、とじ代の幅を入力する画面の例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、保存した描画命令を使用した描画処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態における、描画命令の保存処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態における、保存した描画命令を使用した描画処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置して印刷データを生成するプリンタドライバを備える画像処理装置であって、
印刷データに対するとじ代の位置および幅の入力を受け付ける受信手段と、
前記受け付けたとじ代部の領域から印刷可能領域を算出する領域算出手段と、
とじ代なしにおける印刷可能領域と前記算出したとじ代ありにおける印刷可能領域から、とじ代ありにおける前記印刷データの縮小率を算出する縮小率算出手段と、
1つの印刷ジョブ中に印刷の向きが縦・横混在したデータの場合に特定のページにおけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とするとじ位置設定手段と、
発行される描画命令に含まれる座標情報を変更する座標情報変更手段と、
前記座標変換した描画命令に基づいて描画処理を行う描画手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記受信手段が受け付ける前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が左となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を上とするページとを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記受信手段が受け付ける前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が右となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を下とするページとを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受信手段が受け付ける前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が上となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を左とするページとを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記受信手段が受け付ける前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が下となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を右とするページとを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記とじ位置設定手段は、1ページ目におけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とすることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
印刷の向きが横の場合に、印刷の向きが縦の場合に対して時計回りに90度回転して用紙に配置して印刷データを生成する画像処理方法であって、
印刷データに対するとじ代の位置および幅の入力を受け付ける受信工程と、
前記受け付けたとじ代部の領域から印刷可能領域を算出する領域算出工程と、
とじ代なしにおける印刷可能領域と前記算出したとじ代ありにおける印刷可能領域から、とじ代ありにおける縮小率を算出する縮小率算出工程と、
1つの印刷ジョブ中に印刷の向きが縦・横混在したデータの場合は特定のページにおけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置とするとじ位置設定工程と、
発行される描画命令に含まれる座標情報を変更する座標情報変更工程と、
前記座標変更された描画命令に基づいて描画処理を行う描画工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
前記受信工程で受け付けられる前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が左となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を上とするページとを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記受信工程で受け付けられる前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が右となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を下とするページとを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記受信工程で受け付けられる前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が上となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を左とするページとを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記受信工程で受け付けられる前記印刷データは、印刷の向きが縦かつとじ代の位置が下となるページと印刷の向きを横に設定した場合にとじ代の位置を右とするページとを含むことを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項12】
前記とじ位置設定工程では、1ページ目におけるとじ位置を印刷ジョブ全体のとじ位置と設定されることを特徴とする請求項7乃至11に記載の画像処理方法。
【請求項13】
請求項7乃至12の何れか1項に記載の画像処理方法を実行するためのコンピュータプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−19931(P2006−19931A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194289(P2004−194289)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】