画像処理装置及び画像処理方法
【課題】 スリープモード移行時に、外部記憶装置が予約ジョブ情報を保持している場合に、電力供給を維持して外部記憶装置の寿命を延ばすことである。
【解決手段】 CPU112が予約ジョブをHDD132が記憶しているかを判断する(S304)。そして、予約ジョブをHDD132が記憶している場合に、予約された時間までにA時間以上あるかを判断する(S305)。そして、A時間以上の場合は、電源制御部502がHDD132の電源をOFFしてスリープモードに移行する。一方、A時間以下である場合、さらに、B(B<A)時間以上であるかどうかを判断して、B時間以上である場合は、電源制御部502がHDD132の電源をON状態として、スリープモードに移行する(S308)構成を特徴とする。
【解決手段】 CPU112が予約ジョブをHDD132が記憶しているかを判断する(S304)。そして、予約ジョブをHDD132が記憶している場合に、予約された時間までにA時間以上あるかを判断する(S305)。そして、A時間以上の場合は、電源制御部502がHDD132の電源をOFFしてスリープモードに移行する。一方、A時間以下である場合、さらに、B(B<A)時間以上であるかどうかを判断して、B時間以上である場合は、電源制御部502がHDD132の電源をON状態として、スリープモードに移行する(S308)構成を特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コピーやネットワークプリント、FAX、e-mail送信等の複数の機能を実現することが可能なMFP(Multi Function peripheral:マルチファンクション周辺機器)が提供されている。これらの装置では、画像処理機能や編集機能、ネットワークで接続されたPC等の機器へ画像を転送する機能等の様々な機能を持っており、複雑な処理を同時に行うことも可能である。また、MFPには、複数の画像データを大量に処理するために、ハードディスク(HDD)等の大容量な外部記憶デバイスを備えるものもある。
【0003】
一般的なHDDには、HDD内のヘッドのロード/アンロードに約5万回の寿命が設定されており、電源をオフ・オンするたびにヘッドのロード/アンロードが繰り返されることになる。
【0004】
一方、MFPによるコピーやプリント等の動作後に、一定の時間が経過すると装置の一部の回路の電源をオフする省エネルギーモードもしくはスリープモードに移行することにより、消費電力を下げることが可能である。
【0005】
しかしながら、HDDは電源供給のオン/オフの回数が寿命により制限されており、HDDへの電源供給のオン/オフを頻繁に繰り返すと寿命である約5万回を超えてしまうこととなる。そのため、HDDの電源供給のオン/オフを切り替えてから、再びオン/オフを切り替えるまで一定時間に渡って制限を加えることで、寿命へ至る時間を延ばす技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−186426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記HDDを備える画像処理装置においては、予約ジョブ、例えばプリント、FAX、ネットワークを介したデータ送信等を含むジョブをHDDに保存して、該予約ジョブに設定された出力時刻にジョブ処理を開始する場合がある。
【0007】
この場合に、予約ジョブの出力設定時刻とは、独立してスリープモードに従いHDDの電源供給を強制的に切断してしまうと、HDDの電源がオン・オフされることとなり、上記同様にHDDの寿命である約5万回を超えてしまう。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、特定の条件が整った場合に記憶手段への電源供給を停止させる画像処理装置において、記憶手段に記憶された予約ジョブに指定されている時刻に応じて記憶手段への電源供給の停止を制限することで、記憶手段への電源供給を開始・停止する回数を減らして記憶手段の寿命を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
【0010】
画像データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された画像データを出力する出力手段と、前記入力手段により入力された画像データを記憶する記憶手段であって、前記画像データを前記出力手段にて出力させる時刻を指定した予約ジョブとして記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段へ電源を供給する供給手段と、特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への前記供給手段による電源供給を停止させるよう制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記供給手段による電源供給を停止させないことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明の電力制御方法は以下に示す構成を備える。
【0012】
画像データを入力する入力工程と、
前記入力工程にて入力された画像データを記憶手段に記憶させる記憶工程であって、前記画像データを出力させる時刻を指定した予約ジョブとして前記記憶手段に記憶させる記憶工程と、前記記憶工程にて前記記憶手段に記憶された予約ジョブを前記予約ジョブに指定された時刻に出力する出力工程と、特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への電源部からの電源供給を停止させるよう制御する制御工程とを有し、前記制御工程は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記電源部による前記記憶手段への電源供給を停止させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スリープモード移行時に、外部記憶装置が予約ジョブ情報を保持している場合に、電力供給を維持して外部記憶装置の寿命を延ばせる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
<画像処理装置の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。本例は、画像処理装置が、複写機能を実行するためのリーダ部200とプリンタ部300とを備える画像入出力装置100で構成される例である。
【0016】
図1において、画像入出力装置100は、LAN400を介して接続されたホストコンピュータ(PC)401,402と、同様にLAN400上に接続されたデータベースサーバ410と通信可能に構成されている。
【0017】
この画像入出力装置100は、コントローラ部110と、リーダ部200とスキャナユニット210とプリンタ部300および電源部500と、操作部180と、ハードディスク等の外部記憶装置(HDD)132で構成されている。
【0018】
リーダ部200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読み取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。
【0019】
プリンタ部300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット360を備える。また、プリンタ部300は、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット310を備える。さらに、プリンタ部300は、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット370を備える。
【0020】
コントローラ部110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続される。また、コントローラ部110は、LAN400を介して、PC401,402及びデータベースサーバ410と、HDD132と後述するインタフェースを介して接続されている。
【0021】
データベースサーバ410では、画像入出力装置100により読み込んだ2値画像及び多値画像をデータベースとして管理する。また、PC401等により属性情報を付加されたファイルもデータベースとして管理する。
【0022】
コントローラ部110は、リーダ部200を制御して、原稿の画像データを読み込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力してコピー機能を提供する。
【0023】
また、画像入出力装置100は、リーダ部200から読み取った画像データを、コードデータに変換し、LAN400を介してPC401,402へ送信するスキャナ機能を提供する。また、画像入出力装置100は、PC401又は402からLAN400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0024】
操作部180は、コントローラ部110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力装置100を操作するためのユーザI/Fを提供する。
【0025】
電源部500は、AC電源から電源が入力され、必要な電圧に変換し、コントローラ部110とリーダ部200およびプリンタ部300にそれぞれ電源を供給する。なお、コントローラ部110は、電源部500からプリンタ部300や、リーダ部200に対する電力供給状態を省電力モードに切り替える制御を設定された省電力条件に基づいて行う機能を備えている。なお、L1〜L4は電源供給ラインである。電源供給ラインL4は常夜回路への電源供給ラインとして機能する。電源供給ラインL3は、HDD132に対する電源供給ラインである。電源供給ラインL1はリーダ部200に対する電源供給ラインである。電源供給ラインL2はプリンタ部300に対する電源供給ラインである。
【0026】
また、プリンタ部300の一部のデバイス以外のデバイスに対する電源部500からの電力供給を制限して、消費電力を抑える、いわゆる予熱モードを備える。電源部500の詳細は、図11において後述する。
【0027】
なお、プリンタ部300の定着プロセスの違いにより、低電力効果が異なる場合がある。
【0028】
FAX回線411は、コントローラ部110と接続され、外部で接続されるFAXとの送受信を行う。
【0029】
<リーダ部200及びプリンタ部300のハード構成>
図2は、図1に示したリーダ部200及びプリンタ部300のハード構成を示す概観図である。
【0030】
リーダ部200の原稿給紙ユニット250は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(以下CCDという)218へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0031】
222はリーダ画像処理部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナI/F140を介してコントローラ部110へと出力するところである。
【0032】
352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタI/F145を介してコントローラ部110から送られる画像データをレーザドライバへと出力するところである。
【0033】
プリンタ部300のレーザドライバ317はレーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313〜316より発光させる。このレーザ光はミラー340〜351によって感光ドラム325〜328に照射され、感光ドラム325〜328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321〜324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによって、潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは、用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0034】
給紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排紙トレイ371に排出される。また、オプションの排紙ユニット370は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行う。
【0035】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0036】
<スキャナ画像処理部の構成>
図3は、図2に示したリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【0037】
図3において、リーダ画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218に読み取られて電気信号に変換される。なお、CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったもので構成される。また、CCD218は、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCD毎に並べたものでも構わない。さらに、CCD218は、フィルタがオンチップ化又はフィルタがCCDと別構成になったものでも構わない。
【0038】
そして、その電気信号(アナログ画像データ)はリーダ画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でサンプルホールド(S/H)される。そして、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でアナログ画像データのダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅される(上記処理順番は表記順とは限らない)。そして、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401で、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。
【0039】
そして、RGB信号はシェーディング部402で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、コントローラ部110へと出力される。
【0040】
<コントローラ部の構成>
図4は、図1に示したコントローラ部110の構成を示すブロック図である。
【0041】
図4において、メインコントローラ111は、主にCPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路とから構成される。CPU112とバスコントローラ113はコントローラ部110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM120からROM・I/F121を経由して読み込んだプログラムに基づいて動作する。
【0042】
また、PC401から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウエアによって処理される。また、バスコントローラ113は、各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0043】
DRAM122は、DRAM・I/F123によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0044】
調歩同期シリアル通信コントローラ114は、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUとシリアルバス172,173を介して制御コマンドを送受信し、操作部180のタッチパネルやキー入力の通信を行う。
【0045】
ネットワークコントローラ125は、I/F127によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ126によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)が挙げられる。
【0046】
シリアルコネクタ124は、メインコントローラ111と接続されて、外部機器との通信を行う。シリアルバスとしては一般的にUSBが挙げられる。FAN128は、メインコントローラ111に接続され、コントローラ部110を冷却するのに用いる。
【0047】
温度監視IC142は、シリアルバス143によってメインコントローラ111に接続されている。温度監視IC142はFAN128の制御や、リアルタイムクロックモジュール137の温度補正等に用いられる。
【0048】
汎用高速バス130には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ135とI/O制御部136,HDコントローラ131,コーデック133とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスが挙げられる。
【0049】
コーデック133は、DRAM122に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。
【0050】
SRAM134は、コーデック133の一時的なワーク領域として使用される。DRAM122との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0051】
HDコントローラ131は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態においては、このI/Fを介してHDD132を接続している。HDD132はプログラムを格納したり、画像データを記憶したりするのに用いている。HDD132は、処理開始時刻が指定されている予約ジョブを記憶する領域や、ボックス機能を実行するための領域が確保されている。
【0052】
I/O制御部136は、データバス144の制御を行い、ポート制御部145や割り込み制御部146の制御を行う。パネルI/F141は、LCDコントローラ140に接続され、操作部180上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F171とから構成される。
【0053】
操作部180は、液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。
【0054】
タッチパネル又はハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F171を介してCPU112に伝えられ、操作部180上の液晶表示部は、パネルI/F141から送られてきた画像データを表示するものである。
【0055】
操作部180上の液晶表示部には、本画像処理装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0056】
リアルタイムクロックモジュール137は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池138によってバックアップされている。
【0057】
SRAM139は、バックアップ電池138でバックアップされ、ユーザモードや各種設定情報や、HDD132のファイル管理情報等を蓄積している。また、SRAM139には、例えばHDD132に対する予約ジョブの時刻情報も不揮発に記憶している。なお、SRAM139の代わりにNVRAMで構成されていてもよい。
【0058】
グラフィックプロセッサ(GP)151は、DRAM122に蓄積された画像データに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化、スキャナ画像入力、及びプリンタ画像出力の処理を行う。
【0059】
DRAM152は、GP151の一時的なワーク領域として使用される。GP151は、I/F150を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM122との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0060】
コネクタ160,155は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続される。また、シリアル通信コントローラ114には、同調歩同期シリアルI/F173,172が接続される。また、ビデオI/F163,162は、スキャナ画像処理部157、プリンタ画像処理部153に接続される。
【0061】
スキャナ画像処理部157は、コネクタ160を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス161によってGP151と接続されている。そして、スキャナ画像処理部157は、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有する。また、スキャナ画像処理部157は、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス161に出力する機能も有する。
【0062】
FIFO158は、スキャナ画像処理部157と接続され、リーダ部200から送られてくるビデオ信号のライン補正を行うのに用いられる。
【0063】
プリンタ画像処理部153は、コネクタ155を介してプリンタ部300と接続される。また、プリンタ画像処理部153は、プリンタバス156によってGP151と接続されている。また、プリンタ画像処理部153は、GP151から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有する。さらに、プリンタ画像処理部153は、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス162に出力する機能も有する。
【0064】
DRAM154は、プリンタ画像処理部153に接続され、ビデオ信号を一定時間遅延させるのに用いられる。
【0065】
DRAM122上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部300への転送は、バスコントローラ113によって制御される。具体的には、GP151、プリンタ画像処理部153、コネクタ155を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
【0066】
190はFAXモデムであり、FAX I/F191を経由して外部の公衆回線とFAXの送受信を行う。
【0067】
<スキャナ画像処理部の構成>
図5は、図4に示したスキャナ画像処理部157を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0068】
図5において、リーダ部200からコネクタ160を介して送られる画像データに対して、つなぎ&MTF補正部601で読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、読取速度によって変化したMTFを補正する。
【0069】
CCD218が3ラインCCDの場合、つなぎ処理は3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正する。FIFO158はライン遅延のバッファとして用いる。
【0070】
読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は入力マスキング部602によって、CCD218の分光特性及びランプ212及びミラー214、215、216の分光特性を補正する。入力マスキング部602の出力はACSカウント部405及びGP151へと送られる。
【0071】
<プリンタ画像処理部の構成>
図6は、図4に示したプリンタ画像処理部153の詳細な構成を示すブロック図である。
【0072】
図6において、GP151から、プリンタバス156を介して送られる画像データは、まずLOG変換部701に入力される。LOG変換部701では、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。
【0073】
次に、モアレ除去部702でモアレが除去される。703はUCR&マスキング部で、モアレ除去処理されたCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理でプリンタ部300の出力にあった信号に補正される。UCR&マスキング部703で処理された信号はγ補正部704で濃度調整された後、フィルタ部705でスムージング又はエッジ処理される。
【0074】
出力切り替え706は、感光ドラム325〜328のドラム間の距離を補正するためにDRAM154にCMYK画像毎に一旦画像を蓄積し、ドラム間の距離を補正した画像をコネクタ155を介してプリンタ部300へと送る。
【0075】
<操作部概要>
図7は、図1に示した操作部180の構成を説明する平面図である。
【0076】
図7において、LCD表示部3001は、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をCPU112に伝える。
【0077】
スタートキー3002は、原稿画像の読取り動作を開始する時などに用いる。スタートキー中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。ストップキー3003は稼働中の動作を止める働きをする。IDキー3004は使用者のユーザIDを入力するときに用いる。リセットキー3005は操作部180からの設定を初期化するときに用いる。
【0078】
3006はソフトスイッチであり、このソフトスイッチ3006を押下すると、一部の回路の電源をOFFして、消費電力を削減するスリープモードに移行する。なお、図示しないハードスイッチをOFFすると全ての回路がOFFされる。
【0079】
<操作画面>
図8は、図1に示した操作部180に表示する各画面のうち本実施形態に特徴的な画面であるメイン操作画面を示す図である。
【0080】
画像入出力装置100が提供する機能は、コピー、送信/ファックス、ボックス、拡張の4つの大きなカテゴリーに分かれている。このため、各機能は、操作画面3010上の上部に表示される4つのメインタブ、つまり、「コピー」タブ3111、「送信/ファックス」タブ3012、「ボックス」タブ3013、「拡張」3014に対応している。
【0081】
これらのメインタブをユーザが選択する操作を行うことにより、各カテゴリーの画面への切り替えがCPU112の表示制御で行われる。他カテゴリーへの切り替えが許可されない場合は、メインタブの表示色が変わり、メインタブを押しても反応しない。
【0082】
本実施形態において、コピー機能は、自機が有するリーダ部200とプリンタ部300を使用して通常のドキュメント複写を行う機能を含む。また、コピー機能は、自機が有するスキャナとネットワークで接続されたプリンタ部300を使用してドキュメントの複写を行う機能(リモートコピー)を含む。
【0083】
また、送信は、自機が有するリーダ部200に置かれたドキュメントを、電子メール、リモートプリンタ、ファックス、ファイル転送(FTP)及びデータベースに転送する機能であり、宛先を複数指定することが可能である。
【0084】
さらに、ボックス機能は、リーダ部200で読み取った原稿画像を本体に保存したり、保存された画像データをプリント出力したりすることが可能である。
【0085】
図9は、図8に示したメイン操作画面から、「送信/ファックス」タブ3012を押した時の、送信/ファックス設定時の操作部画面例を示す図である。
【0086】
図9において、送信/ファックス設定では、リーダ部200で読み込んだ画像データの送り先を選択したり、作成したりすることが可能である。送り先は、ファックス、電子メール、ネットワークファイル、Iファックス等に設定することが出来る。さらに、予約設定ボタンBT1を指示することで、予約ジョブとしてFAX送信やネットワーク送信の開始時刻を予約設定することも可能である。なお、予約ジョブは、図1に示したHDD132に保持され、設定された予約時刻と現在時刻との比較に基づいて、スリープモード移行時に後述する図14に示す制御手順でHDD132に対する電源供給を電源制御部502がOFF或いはON状態に制御する。
【0087】
図10は、図1に示したPC401,402からLAN400を介してプリンタ部300にデータを出力する場合の、PC上に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【0088】
図10において、通常の印刷以外に、画像入出力装置100の操作部180上で所定のパスワード等を入力してプリント出力するセキュアプリントや、出力時刻を指定して印刷する予約印刷等の予約ジョブを設定可能である。
【0089】
本実施形態では、本画面において、ページ設定、仕上げ、給紙、印刷品質等のタブTAB1〜TAB4が用意されている。ユーザは、本画面で、タブTAB1〜TAB4を選択して、各ページ設定、仕上げ、給紙、印刷品質に対する詳細設定を行うことができる。現在、本画面では、ページ設定が選択された状態である。なお、BT1〜BT3はボタンで、それぞれ、OK,キャンセル、ヘルプに対応している。
【0090】
<電源部>
図11は、図1に示した電源部500の詳細構成を説明するブロック図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0091】
図11において、501はAC/DC変換部であり、AC100V電源から画像入出力装置100のリーダ部200、プリンタ部300、コントローラ部110に必要なDC電圧に変換する。
【0092】
502は電源制御部であり、コントローラ部110からの制御信号に応じて各FETスイッチ503,504,505,506,507のON/OFFを制御する。これにより、それぞれAC/DC変換部501、リーダ部200、プリンタ部300、コントローラ部110へ電源を供給する。
【0093】
コントローラ部110は、図4に示したCPU112、DRAM122、ネットワークコントローラ125などから構成される常夜回路部513とそれ以外の非常夜回路514に分けられている。そして、電源制御部502は、FETスイッチ506で非常夜回路514の電源を制御することが可能である。
【0094】
ここで、非常夜回路514には、第2のデバイスとして機能するメインコントローラ111におけるバスコントローラ113、シリアル通信コントローラ114等の駆動回路系が含まれる。
【0095】
常夜回路部513は、第1のデバイスとして、電源部500からの電力供給を制限するスリープモード状態に遷移させる第2のデバイスを駆動する回路系である。例えばコントローラ部110内のCPU112、DRAM122、ネットワークコントローラ125等への駆動回路が含まれる。
【0096】
また、コントローラ部110のHDD132の電源を、FETスイッチ507で制御することが可能である。
【0097】
このように、電源制御部502が各FETスイッチ504,505をOFF制御することにより、画像入出力装置100を長時間使用しないスリープモード等時にリーダ部200とプリンタ部300への電源供給を遮断する。これにより、画像入出力装置100の消費電力を下げることが可能となる。
【0098】
さらに、電源制御部502がFETスイッチ506,507をそれぞれOFFすることにより、コントローラ部110内の非常夜回路514およびHDD132の電源供給を遮断し、さらに消費電力を削減することが可能となる。具体的には、図14に示す制御手順に従い、電源制御部502がCPU112の指示に従い、スリープモード状態に遷移させる場合に、予約ジョブ情報の出力時刻に基づいて、HDD132に対する電源制御部502からの電力供給状態を異なる態様で制御する。
【0099】
本実施形態では、第1の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差(A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第1の時間差以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を停止してスリープモード状態に遷移させる。
【0100】
また、第2の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差以下の第2の時間差(B(B<A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第2の時間差(B(B<A時間)以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を維持して前記スリープモード状態に遷移させる。
【0101】
また、第3の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第2の時間差以下である場合、電源部500からHDD132に対する電力供給を維持する。なお、現在時刻は、例えば図4に示したリアルタイムクロックモジュール137から取得される。
【0102】
なお、CPU112を含む常夜回路部513は、通常は常に電源を供給されており、電源制御部502がFETスイッチ503をOFFするか、図示していないメインスイッチをOFFするときのみ電源が遮断される。
【0103】
これは、画像入出力装置100がスリープ状態においても、ネットワーク上のPC401、402からの特定のパケットを受信して、スリープ状態を解除する必要がある。このために、ネットワークコントローラ125を含む周辺回路に対して電力を供給する必要があるからである。ここで、特定のパケットとは、特定のIPアドレスに出力するパケットを含む。
【0104】
<通常PDLプリント時のシーケンス>
図12は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402のプリンタドライバによるPDLデータ転送処理例である。なお、S101,S102は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0105】
まず、例えばPC401から受信したPDL画像データを出力する場合、S101で、PC401上でユーザがプリンタドライバを介して表示される、例えば図10に示したプリンタ設定画面上で、当該PDL画像出力ジョブのプリント設定を行う。
【0106】
図10に示すように、プリント設定内容としては、部数、用紙サイズ、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。また、予約印刷指定を選択すると、印刷ジョブを画像入出力装置100のHDD132に蓄積して、指定されたプリント開始時刻にHDD132に蓄積された印刷ジョブを出力させる予約ジョブの設定が行える。
【0107】
S102では、PC401上で印刷指示を与え、それと共にPC401上にインストールされているドライバソフトウェアが、印刷対象となるPC401上のコードデータをいわゆるPDLデータに変換する。そして、S101で設定したプリント設定パラメータとともに、本画像入出力装置の制御装置110に、LAN400を介してPDLデータを転送する。この際、上記予約ジョブの設定がなされている場合、図1に示したHDD132一時的に蓄積されて、CPU112によりジョブ実行が後述する図14または前述した図7に示す制御手順に基づいて制御される。
【0108】
図13は、本実施形態を示す画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402等より受信する通常のPDL画像出力処理例である。なお、S201〜S207は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0109】
S201で、コントローラ部110のCPU112は、LAN400を介してPC401からPDLデータを受信するのを待機し、PDLデータを受信したら、S202に進む。そして、S202で、CPU112が、コネクタ126およびNC125を介して転送されたPDLデータを前記プリント設定パラメータに基づいて、画像データに展開(ラスタライズ)する。なお、画像データの展開は、DRAM122上に行われる。
【0110】
次に、S203で、メインコントローラ111がDRAM122上に展開された画像データを、GP151に転送する。そして、S204でGP151において必要な画像処理を行った後、S205へ進む。
【0111】
そして、S205では、GP151がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM122上に記憶する。
【0112】
次に、S1206では、メインコントローラ111はGP151、プリンタ画像処理部153、コネクタ155を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM122上の画像データを、プリンタ部300へと転送する。
【0113】
そして、S207では、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、すなわち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0114】
<予約ジョブ動作時のシーケンス>
図14は、本実施形態を示す画像処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402等より受信する予約ジョブ処理例である。なお、S301〜S313は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0115】
ここでは、予約ジョブは、PC401,402のプリンタドライバ画面からPDLデータのプリント開始時刻を予約指定するものとする。
【0116】
まず、S301で、PC401,402のプリンタドライバが提供する印刷設定画面(図10参照)からプリント開始時刻を指定した予約ジョブが投入されたかどうかを判断する。ここで、予約ジョブが投入されたと判断した場合は、S302において、投入された予約ジョブをHDD132へスプールし記憶した後、ステップS303へ進む。
【0117】
一方、S301で、CPU112が予約ジョブが投入されていないと判断した場合は、S303に進む。そして、S303で、CPU112が画像入出力装置100がコピー機能やプリント・FAX送受信機能等の動作を行っていないスタンバイ状態から一定時間が経過しているかを判断する。
【0118】
次に、一定時間が経過していると判断した場合は、S304で、CPU112は、HDDにスプールされている予約ジョブがあるかどうかを判定する。ここで、CPU112が予約ジョブがHDD132に無いと判断した場合は、S309に進む。そして、S309で、CPU112の指示に基づいて電源制御部502がFETスイッチ507を制御することで、HDD132の電源をOFFにしてスリープモードに移行する。
【0119】
具体的には、図11に示した電源制御部502がFETスイッチ507をOFF状態にすることで、HDD132の電源をOFF状態に遷移させる。
【0120】
一方、S304で、CPU112がHDD132に予約ジョブがあると判断した場合、S305で、CPU112が現在時刻との比較で、予約時刻まで所定のA時間以上あるかどうかを判断する。
【0121】
ここで、CPU112が予約時刻まで所定のA時間以上あると判断した場合は、S309で、HDD132の電源を、図11に示した電源制御部502がFETスイッチ507をOFF状態にすることで、OFFにしてスリープモードに移行する。なお、予約時刻は、バックアップされるSRAM139に記憶されているものとする。
【0122】
一方、S305で、CPU112が予約時刻まで所定のA時間未満であると判断した場合は、さらにS306で、CPU112が現在時刻との比較で予約時刻までB(A>Bとする)時間以上あるかどうかを判断する。ここで、CPU112がB(A>Bとする)時間以上あると判断した場合は、S308で、HDD132に対する電源をONにしたままスリープモードに移行する。なお、AまたはBをユーザが設定変更可能とする場合と、ROM120等により特定の値に設定する場合とがある。これは、ユーザのデータ処理環境に合わせて、ユーザ好みの時間A,B(A>B)を設定させて、利便性を向上させるためである。
【0123】
一方、S306で、CPU112が現在時刻との比較で予約時刻まで所定のB時間未満であると判断した場合は、S307へ進む。そして、S307で、スリープモードには入らずに、HDD132に対する電源供給状態をON状態としてスタンバイの状態を維持して、S310へ進む。
【0124】
そして、S310で、CPU112が現在時刻との比較で、設定されていた予約時刻が来たかどうかを判断する。ここで、CPU112が定されていた予約時刻が来たと判断した場合は、HDD132の電源がONで無ければ、S311で、CPU112でHDD132の電源をON状態であるかを判断する。
【0125】
ここで、CPU112がHDD132の電源をOFF状態であると判断した場合は、S312で、電源制御部502がHDD132の電源をON状態に遷移させて、S313へ進む。
【0126】
次に、S313で、HDD132に保持されていた予約されたプリントジョブを実行して、本処理を終了する。
【0127】
一方、S310で、CPU112が予約時刻が来ていないと判断した場合は、S301に戻り以下同様に予約ジョブの動作を繰り返す。
【0128】
なお、予約ジョブには、PC401,402のプリンタドライバ画面からPDLデータのプリント開始時刻を予約指定する場合だけでない。例えば、操作部180上の画面から原稿データをスキャンしてFAX送信の開始時刻を予約指定する場合や、原稿データをスキャンしてネットワーク送信の開始時刻を予約指定する場合が考えられる。
【0129】
上記実施形態では、図14に示すS303で、スタンバイモードからスリープモードに移行する場合、スタンバイから一定の時間が経過することでスリープモードに移行する場合について説明した。しかしながら、ユーザが操作部180のソフトスイッチを押すことで、スリープモードに移行させる構成であってもよい。
【0130】
なお、この場合は、図14に示すS303の前後において、操作部180のソフトスイッチを押されたことをCPU112が判断するものとし、他の制御は、図14と同様である。
【0131】
これにより、PC401等から受信する予約ジョブに対する処理中に、スリープモードに移行する場合に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を停止する制御が行われる。同様に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を維持したり、スタンバイモードとしたりする態様の制御が実行される。
【0132】
したがって、スリープモード移行時に、一律にHDD132に対する電源供給を停止する回数が軽減され、電源をオフ・オンするたびにHDD132のヘッドのロード/アンロードが繰り返される回数も軽減される。これにより、HDD132の寿命を延ばすことが可能となる。
【0133】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては予約ジョブのデータをHDD132に記憶させるものとしていたが、第2実施形態では予約ジョブのデータをDRAM122に記憶させる点が異なる。ただし、DRAM122の記憶容量はHDD132の記憶容量に比べて少ないので、あらゆる予約ジョブのデータを記憶させることはできないので、DRAM122の空き容量に応じて予約ジョブを記憶させるかどうかを切り替えるものとする。
【0134】
図15は、本実施形態を示す画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図14の変形例である。なお、S301〜S313、S401〜S403は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0135】
また、図14と異なる点は新たにステップS401〜S403が加わっている点である。他のステップ(S301〜S310、312、313)については、第1実施形態の図14で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0136】
図15のステップS401でCPU112は、ステップS301で投入された予約ジョブのデータ量に対してDRAM122に十分な空き容量があるか否かを判定する。そして、十分な空き容量があると判定すればステップS402へ進み、そうでなければステップS302へ進む。
【0137】
図15のステップS402でCPU112は、予約ジョブのデータをDRAM122へスプールして記憶させる。
【0138】
また、図15のステップS402でCPU112は、予約時間となった予約ジョブがDRAM122に記憶されているか否かにより、HDD132への電源投入が必要か否かを判断する。具体的には、予約ジョブがDRAM122に記憶されている場合、CPU112はHDD132への電源投入が必要ないとしてステップS313へ進む。一方、予約ジョブがDRAM122に記憶されていない場合、CPU112はHDD132への電源投入が必要あるとしてステップS312へ進む。
【0139】
以上説明した第2実施形態によれば、DRAM122に予約ジョブが記憶できる場合は、スタンバイ状態からの復帰にあたってHDD132へ電源投入する必要がないため、HDD132が電源をオン/オフする回数を減らすことができる。
【0140】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0141】
第1実施形態及び第2実施形態においては、スタンバイモードからスリープモードに移行する場合、スタンバイから一定の時間が経過することでスリープモードに移行していた。それに対して、操作部180のソフトスイッチ3006を押すことによりスリープモードに移行させることも考えられる。このとき、予約ジョブがHDD132に記憶されており、予約時刻が近い時に、ソフトスイッチ3006を押した場合に以下のような対応が可能である。例えば、操作部180の液晶表示部に「もうすぐ予約プリントの出力時刻ですが、電源を切りますか。」等の表示を行い、ユーザに確認を取ることが考えられる。また、あるいは「もうすぐ予約プリントの出力時刻のためスリープできません。」等の表示を行ってスリープモードへの移行を禁止することも可能である。この場合、ソフトスイッチ3006のON/OFFを短時間で繰り返すことにより、HDD132の電源がオン/オフする回数を増やすことを防ぐことが可能となる。
【0142】
また、予約ジョブの保存先をHDD132またはDRAM122のどちらかもしくは組み合わせてユーザが指定することも可能である。あるいは、予約ジョブの保存に必要な容量に応じて自動的に選択することも可能である。例えばデータ量が所定の容量以下の予約ジョブの場合にのみDRAMに保存することにより、予約ジョブ以外のデータ処理に必要なメモリ容量を確保しておくことが容易となる。
【0143】
〔第4実施形態〕
上記実施形態では、PC401、402等から予約ジョブとしてプリントジョブを受信して、HDD132に蓄積して、予約された時刻にHDD132に記憶されたプリントジョブを処理する場合について説明した。つまり、PC401、402が記憶するプリンタドライバのプリント設定画面を介して予約ジョブの設定を行う場合について説明した。
【0144】
しかし、予約ジョブは、プリントジョブに限らず、画像入出力装置100のリーダ部200から読み取られて画像情報を外部機器に送信するジョブを、HDD132に予約ジョブとして蓄積した後、予約時刻に外部機器に送信するジョブであってもよい。ここで、予約ジョブは、ファクシミリ送信ジョブ、データ転送ジョブが含まれる。
【0145】
本実施形態では、第1の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差(A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第1の時間差以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を停止してスリープモード状態に遷移させる。
【0146】
また、第2の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差以下の第2の時間差(B(B<A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第2の時間差(B(B<A時間)以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を維持して前記スリープモード状態に遷移させる。
【0147】
また、第3の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第2の時間差以下である場合、電源部500からHDD132に対する電力供給を維持する。
【0148】
尚、操作部180には、予約ジョブの処理開始時刻を設定するための図9に示したUI画面を表示させて、ボタンBT1を指示した後、機能ボタンFBT1からFBT3014で機能を選択する。そして、ユーザがテンキーK1を操作して、予約時刻を設定するものとする。
【0149】
これにより、PC401等から受信する予約ジョブに対する処理中に、スリープモードに移行する場合に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を停止する制御が行われる。同様に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を維持したり、スタンバイモードとなる態様の制御が実行される。
【0150】
したがって、スリープモード移行時に、一律にHDD132に対する電源供給を停止する回数が軽減され、電源をオフ・オンするたびにHDD132のヘッドのロード/アンロードが繰り返される回数も軽減される。これにより、HDD132の寿命を延ばすことが可能となる。
【0151】
〔他の実施形態〕
以下、図16に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0152】
図16は、本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0153】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0154】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0155】
本実施形態における図13、図14、図15に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0156】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0157】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0158】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0159】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0160】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0161】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0162】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0163】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0164】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0165】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0166】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したリーダ部及びプリンタ部のハード構成を示す概観図である。
【図3】図2に示したスキャナ画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したコントローラ部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したスキャナ画像処理部を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図4に示したプリンタ画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示した操作部の構成を説明する平面図である。
【図8】図1に示した操作部に表示する各画面のうち本実施形態に特徴的な画面であるメイン操作画面を示す図である。
【図9】図8に示したメイン操作画面から、「送信/ファックス」タブを押した時の、送信/ファックス設定時の操作部画面例を示す図である。
【図10】図1に示したPCからネットワークを介してプリンタ部にデータを出力する場合の、PC上に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示した電源部の詳細構成を説明するブロック図である。
【図12】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態を示す画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態を示す画像処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態を示す画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0168】
132 HDD
500 電源部
502 電源制御部
513 常夜回路部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コピーやネットワークプリント、FAX、e-mail送信等の複数の機能を実現することが可能なMFP(Multi Function peripheral:マルチファンクション周辺機器)が提供されている。これらの装置では、画像処理機能や編集機能、ネットワークで接続されたPC等の機器へ画像を転送する機能等の様々な機能を持っており、複雑な処理を同時に行うことも可能である。また、MFPには、複数の画像データを大量に処理するために、ハードディスク(HDD)等の大容量な外部記憶デバイスを備えるものもある。
【0003】
一般的なHDDには、HDD内のヘッドのロード/アンロードに約5万回の寿命が設定されており、電源をオフ・オンするたびにヘッドのロード/アンロードが繰り返されることになる。
【0004】
一方、MFPによるコピーやプリント等の動作後に、一定の時間が経過すると装置の一部の回路の電源をオフする省エネルギーモードもしくはスリープモードに移行することにより、消費電力を下げることが可能である。
【0005】
しかしながら、HDDは電源供給のオン/オフの回数が寿命により制限されており、HDDへの電源供給のオン/オフを頻繁に繰り返すと寿命である約5万回を超えてしまうこととなる。そのため、HDDの電源供給のオン/オフを切り替えてから、再びオン/オフを切り替えるまで一定時間に渡って制限を加えることで、寿命へ至る時間を延ばす技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−186426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記HDDを備える画像処理装置においては、予約ジョブ、例えばプリント、FAX、ネットワークを介したデータ送信等を含むジョブをHDDに保存して、該予約ジョブに設定された出力時刻にジョブ処理を開始する場合がある。
【0007】
この場合に、予約ジョブの出力設定時刻とは、独立してスリープモードに従いHDDの電源供給を強制的に切断してしまうと、HDDの電源がオン・オフされることとなり、上記同様にHDDの寿命である約5万回を超えてしまう。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、特定の条件が整った場合に記憶手段への電源供給を停止させる画像処理装置において、記憶手段に記憶された予約ジョブに指定されている時刻に応じて記憶手段への電源供給の停止を制限することで、記憶手段への電源供給を開始・停止する回数を減らして記憶手段の寿命を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は以下に示す構成を備える。
【0010】
画像データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された画像データを出力する出力手段と、前記入力手段により入力された画像データを記憶する記憶手段であって、前記画像データを前記出力手段にて出力させる時刻を指定した予約ジョブとして記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段へ電源を供給する供給手段と、特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への前記供給手段による電源供給を停止させるよう制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記供給手段による電源供給を停止させないことを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成する本発明の電力制御方法は以下に示す構成を備える。
【0012】
画像データを入力する入力工程と、
前記入力工程にて入力された画像データを記憶手段に記憶させる記憶工程であって、前記画像データを出力させる時刻を指定した予約ジョブとして前記記憶手段に記憶させる記憶工程と、前記記憶工程にて前記記憶手段に記憶された予約ジョブを前記予約ジョブに指定された時刻に出力する出力工程と、特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への電源部からの電源供給を停止させるよう制御する制御工程とを有し、前記制御工程は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記電源部による前記記憶手段への電源供給を停止させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スリープモード移行時に、外部記憶装置が予約ジョブ情報を保持している場合に、電力供給を維持して外部記憶装置の寿命を延ばせる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
<画像処理装置の全体構成>
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。本例は、画像処理装置が、複写機能を実行するためのリーダ部200とプリンタ部300とを備える画像入出力装置100で構成される例である。
【0016】
図1において、画像入出力装置100は、LAN400を介して接続されたホストコンピュータ(PC)401,402と、同様にLAN400上に接続されたデータベースサーバ410と通信可能に構成されている。
【0017】
この画像入出力装置100は、コントローラ部110と、リーダ部200とスキャナユニット210とプリンタ部300および電源部500と、操作部180と、ハードディスク等の外部記憶装置(HDD)132で構成されている。
【0018】
リーダ部200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読み取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。
【0019】
プリンタ部300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット360を備える。また、プリンタ部300は、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット310を備える。さらに、プリンタ部300は、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット370を備える。
【0020】
コントローラ部110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続される。また、コントローラ部110は、LAN400を介して、PC401,402及びデータベースサーバ410と、HDD132と後述するインタフェースを介して接続されている。
【0021】
データベースサーバ410では、画像入出力装置100により読み込んだ2値画像及び多値画像をデータベースとして管理する。また、PC401等により属性情報を付加されたファイルもデータベースとして管理する。
【0022】
コントローラ部110は、リーダ部200を制御して、原稿の画像データを読み込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力してコピー機能を提供する。
【0023】
また、画像入出力装置100は、リーダ部200から読み取った画像データを、コードデータに変換し、LAN400を介してPC401,402へ送信するスキャナ機能を提供する。また、画像入出力装置100は、PC401又は402からLAN400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0024】
操作部180は、コントローラ部110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力装置100を操作するためのユーザI/Fを提供する。
【0025】
電源部500は、AC電源から電源が入力され、必要な電圧に変換し、コントローラ部110とリーダ部200およびプリンタ部300にそれぞれ電源を供給する。なお、コントローラ部110は、電源部500からプリンタ部300や、リーダ部200に対する電力供給状態を省電力モードに切り替える制御を設定された省電力条件に基づいて行う機能を備えている。なお、L1〜L4は電源供給ラインである。電源供給ラインL4は常夜回路への電源供給ラインとして機能する。電源供給ラインL3は、HDD132に対する電源供給ラインである。電源供給ラインL1はリーダ部200に対する電源供給ラインである。電源供給ラインL2はプリンタ部300に対する電源供給ラインである。
【0026】
また、プリンタ部300の一部のデバイス以外のデバイスに対する電源部500からの電力供給を制限して、消費電力を抑える、いわゆる予熱モードを備える。電源部500の詳細は、図11において後述する。
【0027】
なお、プリンタ部300の定着プロセスの違いにより、低電力効果が異なる場合がある。
【0028】
FAX回線411は、コントローラ部110と接続され、外部で接続されるFAXとの送受信を行う。
【0029】
<リーダ部200及びプリンタ部300のハード構成>
図2は、図1に示したリーダ部200及びプリンタ部300のハード構成を示す概観図である。
【0030】
リーダ部200の原稿給紙ユニット250は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(以下CCDという)218へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0031】
222はリーダ画像処理部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナI/F140を介してコントローラ部110へと出力するところである。
【0032】
352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタI/F145を介してコントローラ部110から送られる画像データをレーザドライバへと出力するところである。
【0033】
プリンタ部300のレーザドライバ317はレーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じたレーザ光をレーザ発光部313〜316より発光させる。このレーザ光はミラー340〜351によって感光ドラム325〜328に照射され、感光ドラム325〜328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321〜324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)のトナーによって、潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは、用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0034】
給紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排紙トレイ371に排出される。また、オプションの排紙ユニット370は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行う。
【0035】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0036】
<スキャナ画像処理部の構成>
図3は、図2に示したリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【0037】
図3において、リーダ画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218に読み取られて電気信号に変換される。なお、CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったもので構成される。また、CCD218は、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCD毎に並べたものでも構わない。さらに、CCD218は、フィルタがオンチップ化又はフィルタがCCDと別構成になったものでも構わない。
【0038】
そして、その電気信号(アナログ画像データ)はリーダ画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でサンプルホールド(S/H)される。そして、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でアナログ画像データのダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅される(上記処理順番は表記順とは限らない)。そして、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401で、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのデジタル信号に変換される。
【0039】
そして、RGB信号はシェーディング部402で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、コントローラ部110へと出力される。
【0040】
<コントローラ部の構成>
図4は、図1に示したコントローラ部110の構成を示すブロック図である。
【0041】
図4において、メインコントローラ111は、主にCPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路とから構成される。CPU112とバスコントローラ113はコントローラ部110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM120からROM・I/F121を経由して読み込んだプログラムに基づいて動作する。
【0042】
また、PC401から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウエアによって処理される。また、バスコントローラ113は、各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0043】
DRAM122は、DRAM・I/F123によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0044】
調歩同期シリアル通信コントローラ114は、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUとシリアルバス172,173を介して制御コマンドを送受信し、操作部180のタッチパネルやキー入力の通信を行う。
【0045】
ネットワークコントローラ125は、I/F127によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ126によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)が挙げられる。
【0046】
シリアルコネクタ124は、メインコントローラ111と接続されて、外部機器との通信を行う。シリアルバスとしては一般的にUSBが挙げられる。FAN128は、メインコントローラ111に接続され、コントローラ部110を冷却するのに用いる。
【0047】
温度監視IC142は、シリアルバス143によってメインコントローラ111に接続されている。温度監視IC142はFAN128の制御や、リアルタイムクロックモジュール137の温度補正等に用いられる。
【0048】
汎用高速バス130には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ135とI/O制御部136,HDコントローラ131,コーデック133とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスが挙げられる。
【0049】
コーデック133は、DRAM122に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。
【0050】
SRAM134は、コーデック133の一時的なワーク領域として使用される。DRAM122との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0051】
HDコントローラ131は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態においては、このI/Fを介してHDD132を接続している。HDD132はプログラムを格納したり、画像データを記憶したりするのに用いている。HDD132は、処理開始時刻が指定されている予約ジョブを記憶する領域や、ボックス機能を実行するための領域が確保されている。
【0052】
I/O制御部136は、データバス144の制御を行い、ポート制御部145や割り込み制御部146の制御を行う。パネルI/F141は、LCDコントローラ140に接続され、操作部180上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F171とから構成される。
【0053】
操作部180は、液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。
【0054】
タッチパネル又はハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F171を介してCPU112に伝えられ、操作部180上の液晶表示部は、パネルI/F141から送られてきた画像データを表示するものである。
【0055】
操作部180上の液晶表示部には、本画像処理装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0056】
リアルタイムクロックモジュール137は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池138によってバックアップされている。
【0057】
SRAM139は、バックアップ電池138でバックアップされ、ユーザモードや各種設定情報や、HDD132のファイル管理情報等を蓄積している。また、SRAM139には、例えばHDD132に対する予約ジョブの時刻情報も不揮発に記憶している。なお、SRAM139の代わりにNVRAMで構成されていてもよい。
【0058】
グラフィックプロセッサ(GP)151は、DRAM122に蓄積された画像データに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化、スキャナ画像入力、及びプリンタ画像出力の処理を行う。
【0059】
DRAM152は、GP151の一時的なワーク領域として使用される。GP151は、I/F150を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM122との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0060】
コネクタ160,155は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続される。また、シリアル通信コントローラ114には、同調歩同期シリアルI/F173,172が接続される。また、ビデオI/F163,162は、スキャナ画像処理部157、プリンタ画像処理部153に接続される。
【0061】
スキャナ画像処理部157は、コネクタ160を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス161によってGP151と接続されている。そして、スキャナ画像処理部157は、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有する。また、スキャナ画像処理部157は、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス161に出力する機能も有する。
【0062】
FIFO158は、スキャナ画像処理部157と接続され、リーダ部200から送られてくるビデオ信号のライン補正を行うのに用いられる。
【0063】
プリンタ画像処理部153は、コネクタ155を介してプリンタ部300と接続される。また、プリンタ画像処理部153は、プリンタバス156によってGP151と接続されている。また、プリンタ画像処理部153は、GP151から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有する。さらに、プリンタ画像処理部153は、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス162に出力する機能も有する。
【0064】
DRAM154は、プリンタ画像処理部153に接続され、ビデオ信号を一定時間遅延させるのに用いられる。
【0065】
DRAM122上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部300への転送は、バスコントローラ113によって制御される。具体的には、GP151、プリンタ画像処理部153、コネクタ155を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
【0066】
190はFAXモデムであり、FAX I/F191を経由して外部の公衆回線とFAXの送受信を行う。
【0067】
<スキャナ画像処理部の構成>
図5は、図4に示したスキャナ画像処理部157を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0068】
図5において、リーダ部200からコネクタ160を介して送られる画像データに対して、つなぎ&MTF補正部601で読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、読取速度によって変化したMTFを補正する。
【0069】
CCD218が3ラインCCDの場合、つなぎ処理は3ラインの読取位置が同じになるように信号タイミングを補正する。FIFO158はライン遅延のバッファとして用いる。
【0070】
読取位置タイミングが補正されたデジタル信号は入力マスキング部602によって、CCD218の分光特性及びランプ212及びミラー214、215、216の分光特性を補正する。入力マスキング部602の出力はACSカウント部405及びGP151へと送られる。
【0071】
<プリンタ画像処理部の構成>
図6は、図4に示したプリンタ画像処理部153の詳細な構成を示すブロック図である。
【0072】
図6において、GP151から、プリンタバス156を介して送られる画像データは、まずLOG変換部701に入力される。LOG変換部701では、LOG変換でRGB信号からCMY信号に変換する。
【0073】
次に、モアレ除去部702でモアレが除去される。703はUCR&マスキング部で、モアレ除去処理されたCMY信号はUCR処理でCMYK信号が生成され、マスキング処理でプリンタ部300の出力にあった信号に補正される。UCR&マスキング部703で処理された信号はγ補正部704で濃度調整された後、フィルタ部705でスムージング又はエッジ処理される。
【0074】
出力切り替え706は、感光ドラム325〜328のドラム間の距離を補正するためにDRAM154にCMYK画像毎に一旦画像を蓄積し、ドラム間の距離を補正した画像をコネクタ155を介してプリンタ部300へと送る。
【0075】
<操作部概要>
図7は、図1に示した操作部180の構成を説明する平面図である。
【0076】
図7において、LCD表示部3001は、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をCPU112に伝える。
【0077】
スタートキー3002は、原稿画像の読取り動作を開始する時などに用いる。スタートキー中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。ストップキー3003は稼働中の動作を止める働きをする。IDキー3004は使用者のユーザIDを入力するときに用いる。リセットキー3005は操作部180からの設定を初期化するときに用いる。
【0078】
3006はソフトスイッチであり、このソフトスイッチ3006を押下すると、一部の回路の電源をOFFして、消費電力を削減するスリープモードに移行する。なお、図示しないハードスイッチをOFFすると全ての回路がOFFされる。
【0079】
<操作画面>
図8は、図1に示した操作部180に表示する各画面のうち本実施形態に特徴的な画面であるメイン操作画面を示す図である。
【0080】
画像入出力装置100が提供する機能は、コピー、送信/ファックス、ボックス、拡張の4つの大きなカテゴリーに分かれている。このため、各機能は、操作画面3010上の上部に表示される4つのメインタブ、つまり、「コピー」タブ3111、「送信/ファックス」タブ3012、「ボックス」タブ3013、「拡張」3014に対応している。
【0081】
これらのメインタブをユーザが選択する操作を行うことにより、各カテゴリーの画面への切り替えがCPU112の表示制御で行われる。他カテゴリーへの切り替えが許可されない場合は、メインタブの表示色が変わり、メインタブを押しても反応しない。
【0082】
本実施形態において、コピー機能は、自機が有するリーダ部200とプリンタ部300を使用して通常のドキュメント複写を行う機能を含む。また、コピー機能は、自機が有するスキャナとネットワークで接続されたプリンタ部300を使用してドキュメントの複写を行う機能(リモートコピー)を含む。
【0083】
また、送信は、自機が有するリーダ部200に置かれたドキュメントを、電子メール、リモートプリンタ、ファックス、ファイル転送(FTP)及びデータベースに転送する機能であり、宛先を複数指定することが可能である。
【0084】
さらに、ボックス機能は、リーダ部200で読み取った原稿画像を本体に保存したり、保存された画像データをプリント出力したりすることが可能である。
【0085】
図9は、図8に示したメイン操作画面から、「送信/ファックス」タブ3012を押した時の、送信/ファックス設定時の操作部画面例を示す図である。
【0086】
図9において、送信/ファックス設定では、リーダ部200で読み込んだ画像データの送り先を選択したり、作成したりすることが可能である。送り先は、ファックス、電子メール、ネットワークファイル、Iファックス等に設定することが出来る。さらに、予約設定ボタンBT1を指示することで、予約ジョブとしてFAX送信やネットワーク送信の開始時刻を予約設定することも可能である。なお、予約ジョブは、図1に示したHDD132に保持され、設定された予約時刻と現在時刻との比較に基づいて、スリープモード移行時に後述する図14に示す制御手順でHDD132に対する電源供給を電源制御部502がOFF或いはON状態に制御する。
【0087】
図10は、図1に示したPC401,402からLAN400を介してプリンタ部300にデータを出力する場合の、PC上に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【0088】
図10において、通常の印刷以外に、画像入出力装置100の操作部180上で所定のパスワード等を入力してプリント出力するセキュアプリントや、出力時刻を指定して印刷する予約印刷等の予約ジョブを設定可能である。
【0089】
本実施形態では、本画面において、ページ設定、仕上げ、給紙、印刷品質等のタブTAB1〜TAB4が用意されている。ユーザは、本画面で、タブTAB1〜TAB4を選択して、各ページ設定、仕上げ、給紙、印刷品質に対する詳細設定を行うことができる。現在、本画面では、ページ設定が選択された状態である。なお、BT1〜BT3はボタンで、それぞれ、OK,キャンセル、ヘルプに対応している。
【0090】
<電源部>
図11は、図1に示した電源部500の詳細構成を説明するブロック図である。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0091】
図11において、501はAC/DC変換部であり、AC100V電源から画像入出力装置100のリーダ部200、プリンタ部300、コントローラ部110に必要なDC電圧に変換する。
【0092】
502は電源制御部であり、コントローラ部110からの制御信号に応じて各FETスイッチ503,504,505,506,507のON/OFFを制御する。これにより、それぞれAC/DC変換部501、リーダ部200、プリンタ部300、コントローラ部110へ電源を供給する。
【0093】
コントローラ部110は、図4に示したCPU112、DRAM122、ネットワークコントローラ125などから構成される常夜回路部513とそれ以外の非常夜回路514に分けられている。そして、電源制御部502は、FETスイッチ506で非常夜回路514の電源を制御することが可能である。
【0094】
ここで、非常夜回路514には、第2のデバイスとして機能するメインコントローラ111におけるバスコントローラ113、シリアル通信コントローラ114等の駆動回路系が含まれる。
【0095】
常夜回路部513は、第1のデバイスとして、電源部500からの電力供給を制限するスリープモード状態に遷移させる第2のデバイスを駆動する回路系である。例えばコントローラ部110内のCPU112、DRAM122、ネットワークコントローラ125等への駆動回路が含まれる。
【0096】
また、コントローラ部110のHDD132の電源を、FETスイッチ507で制御することが可能である。
【0097】
このように、電源制御部502が各FETスイッチ504,505をOFF制御することにより、画像入出力装置100を長時間使用しないスリープモード等時にリーダ部200とプリンタ部300への電源供給を遮断する。これにより、画像入出力装置100の消費電力を下げることが可能となる。
【0098】
さらに、電源制御部502がFETスイッチ506,507をそれぞれOFFすることにより、コントローラ部110内の非常夜回路514およびHDD132の電源供給を遮断し、さらに消費電力を削減することが可能となる。具体的には、図14に示す制御手順に従い、電源制御部502がCPU112の指示に従い、スリープモード状態に遷移させる場合に、予約ジョブ情報の出力時刻に基づいて、HDD132に対する電源制御部502からの電力供給状態を異なる態様で制御する。
【0099】
本実施形態では、第1の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差(A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第1の時間差以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を停止してスリープモード状態に遷移させる。
【0100】
また、第2の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差以下の第2の時間差(B(B<A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第2の時間差(B(B<A時間)以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を維持して前記スリープモード状態に遷移させる。
【0101】
また、第3の制御態様として、電源制御部502は、操作部180により設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第2の時間差以下である場合、電源部500からHDD132に対する電力供給を維持する。なお、現在時刻は、例えば図4に示したリアルタイムクロックモジュール137から取得される。
【0102】
なお、CPU112を含む常夜回路部513は、通常は常に電源を供給されており、電源制御部502がFETスイッチ503をOFFするか、図示していないメインスイッチをOFFするときのみ電源が遮断される。
【0103】
これは、画像入出力装置100がスリープ状態においても、ネットワーク上のPC401、402からの特定のパケットを受信して、スリープ状態を解除する必要がある。このために、ネットワークコントローラ125を含む周辺回路に対して電力を供給する必要があるからである。ここで、特定のパケットとは、特定のIPアドレスに出力するパケットを含む。
【0104】
<通常PDLプリント時のシーケンス>
図12は、本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402のプリンタドライバによるPDLデータ転送処理例である。なお、S101,S102は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0105】
まず、例えばPC401から受信したPDL画像データを出力する場合、S101で、PC401上でユーザがプリンタドライバを介して表示される、例えば図10に示したプリンタ設定画面上で、当該PDL画像出力ジョブのプリント設定を行う。
【0106】
図10に示すように、プリント設定内容としては、部数、用紙サイズ、片面/両面、ページ出力順序、ソート出力、ステイプル止めの有無等である。また、予約印刷指定を選択すると、印刷ジョブを画像入出力装置100のHDD132に蓄積して、指定されたプリント開始時刻にHDD132に蓄積された印刷ジョブを出力させる予約ジョブの設定が行える。
【0107】
S102では、PC401上で印刷指示を与え、それと共にPC401上にインストールされているドライバソフトウェアが、印刷対象となるPC401上のコードデータをいわゆるPDLデータに変換する。そして、S101で設定したプリント設定パラメータとともに、本画像入出力装置の制御装置110に、LAN400を介してPDLデータを転送する。この際、上記予約ジョブの設定がなされている場合、図1に示したHDD132一時的に蓄積されて、CPU112によりジョブ実行が後述する図14または前述した図7に示す制御手順に基づいて制御される。
【0108】
図13は、本実施形態を示す画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402等より受信する通常のPDL画像出力処理例である。なお、S201〜S207は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0109】
S201で、コントローラ部110のCPU112は、LAN400を介してPC401からPDLデータを受信するのを待機し、PDLデータを受信したら、S202に進む。そして、S202で、CPU112が、コネクタ126およびNC125を介して転送されたPDLデータを前記プリント設定パラメータに基づいて、画像データに展開(ラスタライズ)する。なお、画像データの展開は、DRAM122上に行われる。
【0110】
次に、S203で、メインコントローラ111がDRAM122上に展開された画像データを、GP151に転送する。そして、S204でGP151において必要な画像処理を行った後、S205へ進む。
【0111】
そして、S205では、GP151がメインコントローラ111へ画像処理後の画像データを転送する。メインコントローラ111は転送されてきた画像データをDRAM122上に記憶する。
【0112】
次に、S1206では、メインコントローラ111はGP151、プリンタ画像処理部153、コネクタ155を介してプリンタ部300を制御しつつ、適切なタイミングでDRAM122上の画像データを、プリンタ部300へと転送する。
【0113】
そして、S207では、制御装置110が、プリンタ部300を制御して画像データをプリント出力する。画像データの転送が完了すると、すなわち当該PDLジョブが終了すると、プリント出力を終了する。
【0114】
<予約ジョブ動作時のシーケンス>
図14は、本実施形態を示す画像処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本処理は、図1に示したPC401、402等より受信する予約ジョブ処理例である。なお、S301〜S313は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0115】
ここでは、予約ジョブは、PC401,402のプリンタドライバ画面からPDLデータのプリント開始時刻を予約指定するものとする。
【0116】
まず、S301で、PC401,402のプリンタドライバが提供する印刷設定画面(図10参照)からプリント開始時刻を指定した予約ジョブが投入されたかどうかを判断する。ここで、予約ジョブが投入されたと判断した場合は、S302において、投入された予約ジョブをHDD132へスプールし記憶した後、ステップS303へ進む。
【0117】
一方、S301で、CPU112が予約ジョブが投入されていないと判断した場合は、S303に進む。そして、S303で、CPU112が画像入出力装置100がコピー機能やプリント・FAX送受信機能等の動作を行っていないスタンバイ状態から一定時間が経過しているかを判断する。
【0118】
次に、一定時間が経過していると判断した場合は、S304で、CPU112は、HDDにスプールされている予約ジョブがあるかどうかを判定する。ここで、CPU112が予約ジョブがHDD132に無いと判断した場合は、S309に進む。そして、S309で、CPU112の指示に基づいて電源制御部502がFETスイッチ507を制御することで、HDD132の電源をOFFにしてスリープモードに移行する。
【0119】
具体的には、図11に示した電源制御部502がFETスイッチ507をOFF状態にすることで、HDD132の電源をOFF状態に遷移させる。
【0120】
一方、S304で、CPU112がHDD132に予約ジョブがあると判断した場合、S305で、CPU112が現在時刻との比較で、予約時刻まで所定のA時間以上あるかどうかを判断する。
【0121】
ここで、CPU112が予約時刻まで所定のA時間以上あると判断した場合は、S309で、HDD132の電源を、図11に示した電源制御部502がFETスイッチ507をOFF状態にすることで、OFFにしてスリープモードに移行する。なお、予約時刻は、バックアップされるSRAM139に記憶されているものとする。
【0122】
一方、S305で、CPU112が予約時刻まで所定のA時間未満であると判断した場合は、さらにS306で、CPU112が現在時刻との比較で予約時刻までB(A>Bとする)時間以上あるかどうかを判断する。ここで、CPU112がB(A>Bとする)時間以上あると判断した場合は、S308で、HDD132に対する電源をONにしたままスリープモードに移行する。なお、AまたはBをユーザが設定変更可能とする場合と、ROM120等により特定の値に設定する場合とがある。これは、ユーザのデータ処理環境に合わせて、ユーザ好みの時間A,B(A>B)を設定させて、利便性を向上させるためである。
【0123】
一方、S306で、CPU112が現在時刻との比較で予約時刻まで所定のB時間未満であると判断した場合は、S307へ進む。そして、S307で、スリープモードには入らずに、HDD132に対する電源供給状態をON状態としてスタンバイの状態を維持して、S310へ進む。
【0124】
そして、S310で、CPU112が現在時刻との比較で、設定されていた予約時刻が来たかどうかを判断する。ここで、CPU112が定されていた予約時刻が来たと判断した場合は、HDD132の電源がONで無ければ、S311で、CPU112でHDD132の電源をON状態であるかを判断する。
【0125】
ここで、CPU112がHDD132の電源をOFF状態であると判断した場合は、S312で、電源制御部502がHDD132の電源をON状態に遷移させて、S313へ進む。
【0126】
次に、S313で、HDD132に保持されていた予約されたプリントジョブを実行して、本処理を終了する。
【0127】
一方、S310で、CPU112が予約時刻が来ていないと判断した場合は、S301に戻り以下同様に予約ジョブの動作を繰り返す。
【0128】
なお、予約ジョブには、PC401,402のプリンタドライバ画面からPDLデータのプリント開始時刻を予約指定する場合だけでない。例えば、操作部180上の画面から原稿データをスキャンしてFAX送信の開始時刻を予約指定する場合や、原稿データをスキャンしてネットワーク送信の開始時刻を予約指定する場合が考えられる。
【0129】
上記実施形態では、図14に示すS303で、スタンバイモードからスリープモードに移行する場合、スタンバイから一定の時間が経過することでスリープモードに移行する場合について説明した。しかしながら、ユーザが操作部180のソフトスイッチを押すことで、スリープモードに移行させる構成であってもよい。
【0130】
なお、この場合は、図14に示すS303の前後において、操作部180のソフトスイッチを押されたことをCPU112が判断するものとし、他の制御は、図14と同様である。
【0131】
これにより、PC401等から受信する予約ジョブに対する処理中に、スリープモードに移行する場合に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を停止する制御が行われる。同様に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を維持したり、スタンバイモードとしたりする態様の制御が実行される。
【0132】
したがって、スリープモード移行時に、一律にHDD132に対する電源供給を停止する回数が軽減され、電源をオフ・オンするたびにHDD132のヘッドのロード/アンロードが繰り返される回数も軽減される。これにより、HDD132の寿命を延ばすことが可能となる。
【0133】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては予約ジョブのデータをHDD132に記憶させるものとしていたが、第2実施形態では予約ジョブのデータをDRAM122に記憶させる点が異なる。ただし、DRAM122の記憶容量はHDD132の記憶容量に比べて少ないので、あらゆる予約ジョブのデータを記憶させることはできないので、DRAM122の空き容量に応じて予約ジョブを記憶させるかどうかを切り替えるものとする。
【0134】
図15は、本実施形態を示す画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートであり、図14の変形例である。なお、S301〜S313、S401〜S403は各ステップを示す。また、各ステップは、CPU112がROM121、あるいはHDD132よりDRAM122にロードする制御プログラムを実行することで実現される。
【0135】
また、図14と異なる点は新たにステップS401〜S403が加わっている点である。他のステップ(S301〜S310、312、313)については、第1実施形態の図14で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0136】
図15のステップS401でCPU112は、ステップS301で投入された予約ジョブのデータ量に対してDRAM122に十分な空き容量があるか否かを判定する。そして、十分な空き容量があると判定すればステップS402へ進み、そうでなければステップS302へ進む。
【0137】
図15のステップS402でCPU112は、予約ジョブのデータをDRAM122へスプールして記憶させる。
【0138】
また、図15のステップS402でCPU112は、予約時間となった予約ジョブがDRAM122に記憶されているか否かにより、HDD132への電源投入が必要か否かを判断する。具体的には、予約ジョブがDRAM122に記憶されている場合、CPU112はHDD132への電源投入が必要ないとしてステップS313へ進む。一方、予約ジョブがDRAM122に記憶されていない場合、CPU112はHDD132への電源投入が必要あるとしてステップS312へ進む。
【0139】
以上説明した第2実施形態によれば、DRAM122に予約ジョブが記憶できる場合は、スタンバイ状態からの復帰にあたってHDD132へ電源投入する必要がないため、HDD132が電源をオン/オフする回数を減らすことができる。
【0140】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0141】
第1実施形態及び第2実施形態においては、スタンバイモードからスリープモードに移行する場合、スタンバイから一定の時間が経過することでスリープモードに移行していた。それに対して、操作部180のソフトスイッチ3006を押すことによりスリープモードに移行させることも考えられる。このとき、予約ジョブがHDD132に記憶されており、予約時刻が近い時に、ソフトスイッチ3006を押した場合に以下のような対応が可能である。例えば、操作部180の液晶表示部に「もうすぐ予約プリントの出力時刻ですが、電源を切りますか。」等の表示を行い、ユーザに確認を取ることが考えられる。また、あるいは「もうすぐ予約プリントの出力時刻のためスリープできません。」等の表示を行ってスリープモードへの移行を禁止することも可能である。この場合、ソフトスイッチ3006のON/OFFを短時間で繰り返すことにより、HDD132の電源がオン/オフする回数を増やすことを防ぐことが可能となる。
【0142】
また、予約ジョブの保存先をHDD132またはDRAM122のどちらかもしくは組み合わせてユーザが指定することも可能である。あるいは、予約ジョブの保存に必要な容量に応じて自動的に選択することも可能である。例えばデータ量が所定の容量以下の予約ジョブの場合にのみDRAMに保存することにより、予約ジョブ以外のデータ処理に必要なメモリ容量を確保しておくことが容易となる。
【0143】
〔第4実施形態〕
上記実施形態では、PC401、402等から予約ジョブとしてプリントジョブを受信して、HDD132に蓄積して、予約された時刻にHDD132に記憶されたプリントジョブを処理する場合について説明した。つまり、PC401、402が記憶するプリンタドライバのプリント設定画面を介して予約ジョブの設定を行う場合について説明した。
【0144】
しかし、予約ジョブは、プリントジョブに限らず、画像入出力装置100のリーダ部200から読み取られて画像情報を外部機器に送信するジョブを、HDD132に予約ジョブとして蓄積した後、予約時刻に外部機器に送信するジョブであってもよい。ここで、予約ジョブは、ファクシミリ送信ジョブ、データ転送ジョブが含まれる。
【0145】
本実施形態では、第1の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差(A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第1の時間差以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を停止してスリープモード状態に遷移させる。
【0146】
また、第2の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差以下の第2の時間差(B(B<A時間)以上であるかどうかを判断する。そして、第2の時間差(B(B<A時間)以上であると判断した場合、電源制御部502からHDD132に対する電力供給を維持して前記スリープモード状態に遷移させる。
【0147】
また、第3の制御態様として、電源制御部502は、PC401、402等から受信する予約ジョブ情報(例えばプリントジョブ)で設定された出力時刻と現在時刻との時間差が設定された第2の時間差以下である場合、電源部500からHDD132に対する電力供給を維持する。
【0148】
尚、操作部180には、予約ジョブの処理開始時刻を設定するための図9に示したUI画面を表示させて、ボタンBT1を指示した後、機能ボタンFBT1からFBT3014で機能を選択する。そして、ユーザがテンキーK1を操作して、予約時刻を設定するものとする。
【0149】
これにより、PC401等から受信する予約ジョブに対する処理中に、スリープモードに移行する場合に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を停止する制御が行われる。同様に、その予約時間に到達するまでの時間差に応じて、HDD132への電力供給を維持したり、スタンバイモードとなる態様の制御が実行される。
【0150】
したがって、スリープモード移行時に、一律にHDD132に対する電源供給を停止する回数が軽減され、電源をオフ・オンするたびにHDD132のヘッドのロード/アンロードが繰り返される回数も軽減される。これにより、HDD132の寿命を延ばすことが可能となる。
【0151】
〔他の実施形態〕
以下、図16に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像処理装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0152】
図16は、本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0153】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0154】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0155】
本実施形態における図13、図14、図15に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0156】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0157】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0158】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0159】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0160】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0161】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0162】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0163】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0164】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0165】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0166】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【図1】本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したリーダ部及びプリンタ部のハード構成を示す概観図である。
【図3】図2に示したスキャナ画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示したコントローラ部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示したスキャナ画像処理部を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図4に示したプリンタ画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】図1に示した操作部の構成を説明する平面図である。
【図8】図1に示した操作部に表示する各画面のうち本実施形態に特徴的な画面であるメイン操作画面を示す図である。
【図9】図8に示したメイン操作画面から、「送信/ファックス」タブを押した時の、送信/ファックス設定時の操作部画面例を示す図である。
【図10】図1に示したPCからネットワークを介してプリンタ部にデータを出力する場合の、PC上に表示されるプリンタドライバ画面の一例を示す図である。
【図11】図1に示した電源部の詳細構成を説明するブロック図である。
【図12】本実施形態を示す情報処理装置におけるデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態を示す画像処理装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態を示す画像処理装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施形態を示す画像処理装置における第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る画像処理装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0168】
132 HDD
500 電源部
502 電源制御部
513 常夜回路部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを出力する出力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを記憶する記憶手段であって、前記画像データを前記出力手段にて出力させる時刻を指定した予約ジョブとして記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段へ電源を供給する供給手段と、
特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への前記供給手段による電源供給を停止させるよう制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記供給手段による電源供給を停止させないことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であって、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差より大きい場合、前記供給手段から前記記憶手段及び前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を停止して前記画像処理装置をスリープ状態に遷移させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であって、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が設定された前記第1の時間差以内かつ第2の時間差より大きい場合、前記供給手段から前記記憶手段に対する電力供給を維持しつつ、前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を停止して前記画像処理装置をスリープ状態に遷移させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が前記第1の時間差より小さい第2の時間差以内である場合、前記供給手段から前記記憶手段及び前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を維持することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記予約ジョブ情報は、ファクシミリ送受信ジョブ、ネットワークを介するデータ送信ジョブを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像データを入力する入力工程と、
前記入力工程にて入力された画像データを記憶手段に記憶させる記憶工程であって、前記画像データを出力させる時刻を指定した予約ジョブとして前記記憶手段に記憶させる記憶工程と、
前記記憶工程にて前記記憶手段に記憶された予約ジョブを前記予約ジョブに指定された時刻に出力する出力工程と、
特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への電源部からの電源供給を停止させるよう制御する制御工程とを有し、
前記制御工程は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記電源部による前記記憶手段への電源供給を停止させないことを特徴とする画像処理方法。
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを出力する出力手段と、
前記入力手段により入力された画像データを記憶する記憶手段であって、前記画像データを前記出力手段にて出力させる時刻を指定した予約ジョブとして記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段へ電源を供給する供給手段と、
特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への前記供給手段による電源供給を停止させるよう制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記供給手段による電源供給を停止させないことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であって、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が設定された第1の時間差より大きい場合、前記供給手段から前記記憶手段及び前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を停止して前記画像処理装置をスリープ状態に遷移させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であって、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が設定された前記第1の時間差以内かつ第2の時間差より大きい場合、前記供給手段から前記記憶手段に対する電力供給を維持しつつ、前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を停止して前記画像処理装置をスリープ状態に遷移させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記特定の条件が整った場合であっても、前記予約ジョブにて指定されている時刻と現在時刻との時間差が前記第1の時間差より小さい第2の時間差以内である場合、前記供給手段から前記記憶手段及び前記画像処理装置の他の部分に対する電力供給を維持することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記予約ジョブ情報は、ファクシミリ送受信ジョブ、ネットワークを介するデータ送信ジョブを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像データを入力する入力工程と、
前記入力工程にて入力された画像データを記憶手段に記憶させる記憶工程であって、前記画像データを出力させる時刻を指定した予約ジョブとして前記記憶手段に記憶させる記憶工程と、
前記記憶工程にて前記記憶手段に記憶された予約ジョブを前記予約ジョブに指定された時刻に出力する出力工程と、
特定の条件が整った場合に、前記記憶手段への電源部からの電源供給を停止させるよう制御する制御工程とを有し、
前記制御工程は、前記特定の条件が整った場合であっても、現在時刻と前記予約ジョブにて指定されている時刻との時間差が第1の時間差以内である場合、前記電源部による前記記憶手段への電源供給を停止させないことを特徴とする画像処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−324956(P2007−324956A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153120(P2006−153120)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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