説明

画像処理装置

【課題】情報媒体に新たに機密情報を付加できるようにしながら、機密情報を出力しても、漏洩しないよう確実に管理する。
【解決手段】画像読取部2は、情報媒体を読み取って、固有画像やコード画像を含む画像を入力する。コード処理部63の検出部64は、入力された画像からコード画像と固有画像とを判別し、コード画像を検出する。抽出部65は、コード画像を復元し、機密情報を取得する。制御部7は、情報媒体の画像に、コード画像から取得した機密情報を合成して出力する。画像形成部3は、記録シートに情報媒体の画像と機密情報を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード画像を有する健康保険証等の情報媒体をコピーする画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置では、QRコード、バーコードのようなコード画像を記録シートに形成する。また、記録シートのコード画像を読み取ることにより、コード画像に含まれる情報を抽出し、その情報を利用することができる。
【0003】
例えば、特許文献1のように、バーコードを付加した印刷物をコピーするとき、バーコードを読み取って、ウェブページのURLを取得し、このウェブページにアクセスして、ウェブページを印刷する。
【特許文献1】特開2006−27145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コード画像を利用することにより、多様な情報を付加することができる。ここで、クレジットカード、保険証、診察券等の情報媒体には、識別番号、本人の顔写真、氏名、住所といった個人情報が記載されている。このような情報媒体では最低限の情報しか記載することができないが、コード画像を付加すれば、必要な情報をさらに追加することができる。
【0005】
ところで、画像処理装置が情報媒体のコード画像を読み取ることにより、情報が得られる。画像処理装置は、得られた情報を例えば記録シートに印刷して出力する。しかし、情報媒体のコード画像を見ても、内容がわからないので、この出力された情報と情報媒体とのつながりがわからない。そのため、出力された情報を情報媒体と関連付けながら管理しなければならず、情報の管理が難しく、機密情報の漏洩を招くおそれがある。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、情報媒体に新たに情報を付加できるようにしながら、この情報を出力しても、漏洩しないよう確実に管理できる画像処理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面に固有画像が形成された情報媒体から画像を読み取る読取部と、読み取った画像から機密情報に関する特定画像を検出する検出部と、特定画像を解析して機密情報を抽出する抽出部と、機密情報を画像として固有画像とともに出力する出力部とを備えたものである。
【0008】
情報媒体に特定画像を形成することにより、機密情報が付加される。この表面上の特定画像からは、機密情報を認識することはできない。読取部により、情報媒体の表面を読み取ると、検出部が入力された画像から特定画像を検出する。抽出部は、特定画像を解析して、特定画像が表す機密情報を抽出する。出力部は、このように取得された機密情報を情報媒体の画像とともに印刷等によって出力する。これにより、機密情報が付加された情報媒体の画像と機密情報とが一体的に取り扱われ、まとめて管理できる。
【0009】
出力部は、固有画像と機密情報とを合成して出力する。これにより、情報媒体の画像である固有画像と機密情報とが並べられ、容易に対比できる。すなわち、出力部は、記録シートに画像を印刷するとき、機密情報を余白部分に印刷する。機密情報が固有画像と重ならず、見やすくなる。
【0010】
特定画像は、機密情報をコード化したコード画像とされ、抽出部は、コード画像を復元して、機密情報を取得する。そして、情報媒体の表面に、固有画像およびコード画像が形成され、読取部は、情報媒体の表面を読み取って、画像を入力する。
【0011】
利用者を認証する認証部を備え、出力部は、利用者に応じて機密情報を制限して出力する。出力を制限することにより、権限を有する利用者だけが機密情報を出力することが可能となる。したがって、第3者が機密情報を不正に出力することを防げる。
【0012】
出力を指示した利用者が認証されなかった場合、出力部は、機密情報の代わりに特定画像を出力する。また、利用者の認証を行わない場合、出力部は、特定画像および機密情報を出力せず、固有画像だけを出力する。これによって、不要な機密情報の出力やこれに関連する特定画像の出力を抑制でき、セキュリティ性が高まる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、情報媒体に機密情報をコード画像のような特定画像として付加することにより、情報媒体の情報量を増やすことができる。そして、情報媒体を読み取ることにより、情報媒体の画像だけでなく機密情報も画像として同時に出力することができ、情報媒体と機密情報とを関連付けることができる。これによって、機密情報だけが独立して存在するといったことがなくなり、機密情報の管理が容易となり、機密情報の漏洩防止にも役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態の画像処理装置を図1に示す。本画像処理装置は、コピーモード、プリントモード、スキャナモードおよびファクシミリモードを実行する複合機であり、キャビネット1に、原稿を読み取って画像データを入力する画像読取部2と、画像データを処理して印刷する画像形成部3と、画像データを記憶する記憶部4と、外部装置と通信する通信部5と、入力操作のための操作パネル6と、処理部を制御して、モードに応じた画像データの処理を実行する制御部7とを備えている。なお、処理部は、入力された画像データを出力するために処理するものであり、画像形成部3、記憶部4および通信部5とされる。
【0015】
図2に示すように、画像読取部2は、キャビネット1の上方に配置され、スキャナ部10と、原稿自動搬送部11とを備えている。原稿自動搬送部11は、スキャナ部10の上方に設けられ、原稿の画像データを読み取るために原稿を自動的に搬送する。
【0016】
キャビネット1の上面に、プラテンガラスからなる原稿台12が設けられ、原稿台12を覆う原稿カバー13が設けられる。原稿自動搬送部11は、原稿カバー13に一体的に搭載される。原稿カバー13は、開閉自在とされ、原稿カバー13が閉状態のとき、原稿自動搬送部11によって原稿が搬送される。原稿カバー13が開状態のとき、原稿を原稿台12に載置できる。原稿カバー13の開閉は、カバー開閉センサにより検出される。また、原稿台12に載置された原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出センサが設けられている。
【0017】
原稿が原稿自動搬送部11の原稿セットトレイ15にセットされると、原稿検出センサ16が原稿をセットされたことを検出する。そして、操作パネル6において、印刷する記録シートのサイズおよび変倍率等のコピー条件が入力される。その後、スタートキーの入力操作により、原稿の画像の読み取りが開始される。
【0018】
原稿自動搬送部11において、ピックアップローラ17により原稿セットトレイ15上の各原稿が1枚ずつ引き出される。原稿は、捌き板18と搬送ローラ19間を通って、原稿台12に送り出される。原稿は、原稿台12上で副走査方向に搬送され、原稿排出トレイ20に排出される。原稿排出トレイ20には、原稿排出センサが設けられ、原稿排出トレイ20上の原稿の有無が検出される。
【0019】
スキャナ部10は、第1読取部21および第2読取部22を備えている。原稿台12の一側に、読取領域が形成され、原稿が原稿台12を搬送されるとき、読取領域を通過する。読取領域の下方には、第1読取部21の第1走査ユニット23が位置して、原稿の表面(下側面)が読み取られる。
【0020】
原稿自動搬送部11によって原稿が原稿台12に搬送されるとき、第1走査ユニット23は読取位置に移動して位置決めされ、第2走査ユニット24も所定位置に位置決めされる。第1走査ユニット23の露光ランプにより、原稿の表面が原稿台12の下方から照射される。原稿からの反射光は、第1、第2走査ユニット23、24の各反射ミラーにより結像レンズ25に導かれる。原稿の反射光は、結像レンズ25によりCCD26に集光される。原稿の表面の画像がCCD26上に結像される。これにより、搬送される原稿の表面の画像が読み取られる。
【0021】
また、第2読取部22によって、原稿の裏面(上側面)が読み取られる。第2読取部22は、原稿台12の上方に配置され、原稿の裏面を照射するLED、蛍光灯等を有する露光ランプアレイ、画素毎に原稿の反射光を集光するセルフォックレンズアレイ、セルフォックレンズアレイを通じて受光した原稿からの反射光を光電変換して、アナログの画像信号を出力する密着イメージセンサ(CIS;Contact image Sensor)等を備えている。これにより、搬送される原稿の裏面の画像が読み取られる。
【0022】
原稿台12に原稿を載置したとき、第1読取部21により原稿の表面の画像が読み取られる。第1、第2走査ユニット23、24は相互に所定の速度関係を維持しつつ副走査方向に移動する。第1走査ユニット23によって、原稿台12上の原稿が露光され、第1、第2走査ユニット23、24によって、原稿からの反射光が結像レンズ25に導かれる。結像レンズ25によって、原稿の画像がCCD26上に結像される。
【0023】
このようにして、原稿の片面もしくは両面の画像が読み取られると、原稿の片面もしくは両面の画像データが制御部7に入力される。制御部7は、画像処理部を有しており、画像処理部により、画像データに各種の画像処理を施す。この画像データが画像形成部3に出力される。
【0024】
画像形成部3は、入力された画像データに基づいて、記録シートにカラー画像あるいは白黒画像を印刷する。画像形成部3は、レーザスキャンユニット30、4つの画像ステーション31、中間転写ベルトユニット32、定着装置33、搬送装置34を備えている。
【0025】
各画像ステーション31は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に応じたカラー画像をそれぞれ形成する。各画像ステーション31は、感光体ドラム35、現像装置36、帯電装置37、クリーニング装置38、除電装置(図示せず)を備えている。
【0026】
感光体ドラム35は、一方向に回転駆動され、クリーニング装置38は、感光体ドラム35の表面の残留トナーをクリーニングし、除電装置は、感光体ドラム35の表面を除電する。帯電装置37は、感光体ドラム35の表面を均一に帯電する。
【0027】
レーザスキャンユニット30では、画像読取部等から入力された画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム35の表面を主走査方向に繰り返し走査して、静電潜像を感光体ドラム35の表面に形成する。現像装置36は、トナーを感光体ドラム35の表面に供給して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム35の表面に形成する。
【0028】
中間転写ベルトユニット32は、中間転写ベルト40、中間転写ローラ41、転写ベルトクリーニング装置42、テンション機構43を備えている。中間転写ベルト41は、各感光体ドラム35の上方に配置され、駆動ローラ44および従動ローラ45に掛け巻きされて、矢印Bの方向に回転する。
【0029】
中間転写ローラ41は、中間転写ベルト40を挟んで感光体ドラム35に対向して配置され、転写バイアス電圧が印加されている。トナーと逆極性の電圧が中間転写ローラ41により印加されることにより、感光体ドラム35の表面のトナー像が中間転写ベルト40に転写される。各色のトナー像が中間転写ベルト40に積層され、合成された多色のトナー像が形成される。
【0030】
転写ローラ41は中間転写ベルト40に圧接されて配置され、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。中間転写ベルト40上のトナー像は、転写ローラ46と中間転写ベルト40との間に搬送された記録シートに、転写ローラ46によって転写される。転写ベルトクリーニング装置42により、中間転写ベルト40に残存しているトナーが除去される。
【0031】
記録シートに転写されたトナー像は、定着装置33により加熱および加圧されて、記録シート上に定着され、画像が記録シートに形成される。このようにして画像が印刷された記録シートは、キャビネット1の上部に設けられた排出トレイ50に排出される。
【0032】
搬送装置34は、シートカセット51あるいは手差トレイ52から記録シートを搬送路53に沿って搬送する。搬送路53は、中間転写ベルト40と転写ローラ46との間、定着装置33を通り、排出トレイ50に至る。
【0033】
搬送装置34は、ピックアップローラ54、搬送ローラ55、レジストローラ56、排出ローラ57を備えている。シートカセット51あるいは手差トレイ52の記録シートは、1枚ずつ搬送路53に送り出され、搬送路53を搬送されて、排出トレイ50に排出される。この記録シートの搬送中に、画像が記録シートに印刷される。また、両面印刷のために、スイッチバック搬送路58が設けられている。定着後の記録シートは、搬送ローラ55によりスイッチバック搬送路58を通り、中間転写ベルト40と転写ローラ46との間に搬送される。両面印刷された記録シートは、定着装置33を通り、排出トレイ50に排出される。
【0034】
操作パネル6は、スキャナ部10に設けられ、操作部60および表示部61を有する。操作部60は、各種の操作キーを備えている。表示部61は、液晶ディスプレイからなり、タッチパネルとされる。表示部61に表示される操作画面内にタッチキーが形成され、これらも操作キーとして機能する。
【0035】
そして、通信部5は、通信インターフェースを備え、通信インターフェースがLAN、WANといったネットワークに接続される。ネットワークには、複数の外部装置が接続されている。外部装置としては、他の画像処理装置、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、サーバとされる。ネットワークは、ルータから電話回線や光ファイバ等の通信回線を介してインターネットに接続される。通信部5は、外部装置とネットワークを通じて所定の通信プロトコルによって通信可能とされる。また、画像処理装置同士も通信可能とされる。なお、ネットワーク内での通信は有線でも無線でもよい。これらの画像処理装置および外部装置によって、画像処理システムが形成される。
【0036】
また、通信部5は、モデム装置を備えている。モデム装置に電話回線が接続される。画像処理装置は、ファクシミリ通信を行える。なお、画像処理装置は、ネットワークを通じてインターネットファクシミリによるデータ通信も行える。さらに、通信部5は、通信端子や無線通信用の通信カードを備えている。通信端子には、USBメモリ、ICカード等の記憶媒体が接続され、通信部5は、記憶媒体との間でデータの送受信を行う。また、通信カードを通じて、携帯電話、PDA等の通信端末と無線通信によるデータの送受信を行う。
【0037】
記憶部4は、ハードディスク装置からなる。記憶部4は、画像読取部2から入力された画像データあるいは通信部5から入力された画像データを記憶する。なお、入力された画像データは、一旦DRAM等の画像メモリに保存され、画像処理や暗号化処理が施された後、画像メモリから記憶部4に転送される。また、記憶部4から画像データを読み出すとき、画像データは、画像処理や復号化処理され、画像メモリに保存される。その後、画像データは、実行される処理にしたがって、印刷、データ送信、ファクシミリ通信によって外部に出力される。
【0038】
記憶部4は、管理テーブル62を有し、管理テーブル62には、画像処理装置の制御情報、設定情報、利用者の認証情報といった画像処理装置を動作させるために必要な情報が記憶される。これらの情報が作成、変更されると、管理テーブル62の情報は更新される。なお、管理テーブル62は、記憶部4とは別の不揮発性メモリに設けてもよい。
【0039】
制御部7は、CPU、ROM、RAMを有するマイクロコンピュータからなり、CPUは、ROMに格納されている制御プログラムをRAMに読み出して、制御プログラムを実行する。制御プログラムにしたがって、各部が動作する。画像読取部2や通信部5といった入力部から画像データの入力があると、操作部60からの入力情報や外部装置から入力された画像データのヘッダ情報に含まれる処理条件に基づいて、プリントモード、コピーモード、スキャナモード、ファクシミリモードのいずれかのモードが実行される。また、制御プログラムには、ブラウザやメールソフトが含まれ、制御部7は、TCP/IPプロトコル等の通信プロトコルにより外部装置とデータ通信したり、電子メールの送受信を行う。
【0040】
制御部7は、各モードを行うとき、入力された画像データを記憶部4に一時的に保存する。また、制御部7は、入力された画像データを記憶部4に保存して管理するファイリングモードを実行する。保存された画像データは、指示された処理にしたがって再出力される。
【0041】
出力された画像データは、制御部7からの指示により、記憶部4から消去される。この消去に際して、画像データにランダムなデータを上書きすることによって、画像データを復元できないように無効化する。このように、無効化処理、さらには暗号化処理を行うことにより、画像データの不正使用を防止する。
【0042】
本画像処理装置では、QRコード等の2次元コードやバーコードといったコード画像から得られた情報を出力するコード処理部63を有している。コード処理部63は、画像読取部2により読み取った画像からコード画像を検出する検出部64と、コード画像を解析して、コード画像として付加された情報を抽出する抽出部65とから構成される。制御部7は、抽出部65から取得した情報を画像形成部3、通信部5あるいは表示部61を通じて出力する。
【0043】
また、本画像処理装置では、クレジットカード、運転免許証、保険証、住民基本台帳カード、診察券等の情報媒体の表裏面を読み取り、表裏面の各画像を合成して、1ページに並べて出力する機能を有している。ここでは、この機能をカードショット機能と称する。なお、片面にのみ画像を有する情報媒体の場合、カードショット機能が実行されると、片面の画像が1ページに出力される。
【0044】
情報媒体には、個人情報が記載されている。例えば、診察券では、図3に示すように、表面に、氏名、生年月日、カード番号が記載される。保険証カードでは、図4に示すように、有効期限、記号、氏名、生年月日等が記載される。裏面には、住所が記載されている。このように、情報媒体の表面、さらには裏面には、個人情報を表す画像として固有画像が形成されている。
【0045】
そして、情報媒体には、コード画像として2次元コードが付加されている。コード画像は、個人の機密情報をコード化したものである。例えば、診察券における機密情報として、診察履歴、病歴、処方箋、運転免許証における機密情報として、犯罪履歴、免許停止等の行政処分履歴、保険証における機密情報として、家族構成、通院履歴といった様々な情報があげられる。このように、コード画像は、機密情報に関する特定画像である。なお、画像処理装置は、入力された情報をコード化して、コード画像を作成する機能を有し、表面に印刷可能な情報媒体に対して、コード画像を印刷する。
【0046】
コード画像付きの情報媒体を読み取って処理するとき、画像読取部2は、情報媒体を読み取って、固有画像や特定画像を含む画像を入力する。コード処理部63の検出部64は、入力された画像から特定画像と固有画像とを判別し、特定画像を検出する。抽出部65は、検出されたコード画像を復元して、機密情報を取得する。制御部7は、画像形成部3、通信部5あるいは表示部61を制御する出力部として機能し、この出力部は、情報媒体の画像とともに、コード画像から取得した機密情報を画像として出力する。
【0047】
例えば、カードショット機能により情報媒体をコピーするとき、図5に示すように、情報媒体の画像に機密情報が合成されて、記録シートに印刷されて出力される。固有画像やコード画像を含む情報媒体の画像が、記録シートの所定の領域に印刷される。この所定の領域以外の余白部分に、履歴情報等の機密情報が印刷される。
【0048】
また、表示部61あるいは情報処理装置の画面に表示して出力する場合も同様に、情報媒体の画像と機密情報とが合成され、余白部分に機密情報が配置されて、1つの画面に表示される。
【0049】
このように、コード画像にして機密情報を情報媒体に付加した場合、コード画像を読み取ることによって、情報媒体の固有画像に関連付けれるように、機密情報を出力することができる。通常、運転免許証、診察券を使用する者や第3者には、情報媒体に記載された内容以外の情報を把握することはできないが、機密情報を必要とする者により、容易に機密情報を取得することが可能となる。しかも、情報媒体の個人情報と機密情報とが別々にならず、一体的に取り扱うことができ、機密情報が漏洩しないように情報管理を容易に行える。
【0050】
ところで、画像処理装置は、利用者を認証する認証部66を備えている。利用者に応じて、実行できる処理が制限される。すなわち、利用者ごとにセキュリティレベルが設定される。認証部66は、ID情報およびパスワード、生体情報といった認証情報が入力されると、これらの情報に基づいて利用者を特定する。そして、予め登録された利用者情報に基づいて、利用者を認証する。利用者情報には、利用者毎のセキュリティレベルが登録されている。管理者のような権限が高い利用者のセキュリティレベルは高く、ゲストのような権限の低い利用者のセキュリティレベルは低くされる。利用者のセキュリティレベルが高いほど、入力された画像に対する処理の制限が少なく、利用者のセキュリティレベルが低いほど、処理の制限が多くなる。
【0051】
制御部7は、認証された利用者に応じて、コード画像から取得した機密情報の出力を制限する。すなわち、カードショット機能の処理を指示した利用者のセキュリティレベルに応じて、取得した機密情報を出力する。利用者のセキュリティレベルが高いとき、取得した機密情報のすべてを出力する。利用者のセキュリティレベルが低いとき、取得した機密情報の一部だけを出力する。例えば、機密情報の最初の箇所だけを出力したり、機密情報を間引いて出力する。
【0052】
認証情報が入力されても、利用者を認証できない場合、制御部7は、機密情報を出力せず、特定画像を出力する。すなわち、認証された利用者でない利用者が処理を指示した場合、制御部7は、コード画像が検出されても、機密情報を取得せず、入力された情報媒体の画像だけを印刷等により出力する。出力された画像には、コード画像は含まれている。
【0053】
また、利用者の認証を行わない場合、制御部7は、機密情報もコード画像も出力しない。すなわち、制御部7は、入力された情報媒体の画像からコード画像を検出し、コード画像を消去する画像処理を行う。そして、コード画像を消去した画像を出力する。出力された画像には、固有画像は含まれるが、コード画像や機密情報は含まれていない。
【0054】
このように、利用者に応じて情報媒体に付加された機密情報の出力を制限することにより、必要な情報だけを出力することが可能となる。そのため、機密情報の不要な出力を防止でき、機密情報の漏洩を防げる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。情報媒体に付加する特定画像として、2次元コード等のコード画像に限らず、機密情報に応じて特定の色、パターンあるいはこれらを組み合わせて、表した画像としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の画像処理装置の制御ブロック図
【図2】画像処理装置の概略全体構成を示す図
【図3】診察券の表面を示す図
【図4】健康保険証カードの表面を示す図
【図5】情報媒体の画像および機密情報を印刷した記録シートを示す図
【符号の説明】
【0057】
2 画像読取部
3 画像形成部
4 記憶部
5 通信部
6 操作パネル
7 制御部
63 コード処理部
64 検出部
65 抽出部
66 認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に固有画像が形成された情報媒体から画像を読み取る読取部と、読み取った画像から機密情報に関する特定画像を検出する検出部と、特定画像を解析して機密情報を抽出する抽出部と、機密情報を画像として固有画像とともに出力する出力部とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
出力部は、固有画像と機密情報とを合成して出力することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
出力部は、記録シートに画像を印刷するとき、機密情報を余白部分に印刷することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
利用者を認証する認証部を備え、出力部は、利用者に応じて機密情報を制限して出力することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項5】
出力を指示した利用者が認証されなかった場合、出力部は、機密情報の代わりに特定画像を出力することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
利用者の認証を行わない場合、出力部は、特定画像および機密情報を出力せず、固有画像だけを出力することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
特定画像は、機密情報をコード化したコード画像とされ、抽出部は、コード画像を復元して、機密情報を取得することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項8】
情報媒体の表面に、固有画像および特定画像が形成され、読取部は、情報媒体の表面を読み取って、画像を入力することを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−263329(P2008−263329A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103399(P2007−103399)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】