説明

画像処理装置

【課題】 センサの数を減らし、且つ、読み取った画像の数を減らすことによる読取装置のコストをさげながら、モノクロ単色読み取りよりも好ましいモノクロ画像が得られる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 原稿読み取り時の読み取り色の指定を行う読み取り色選択手段(101)と、前記読み取り色選択手段(101)により指定された読み取り色により光源の色を選択し1つ或いは複数の画像信号の読み取りを行う画像読み取り手段(102)と、前記画像読み取り手段(102)により読み取られたデータを格納する画像格納手段(103)と、前記画像格納手段(103)に複数画像が格納されている場合は、前記読み取り色選択手段(102)により選択された色に対する合成方法を用いてモノクロ単色画像を生成するモノクロ画像生成手段(104)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のモノクロ画像出力コピーの高画質化技術においては、カラーセンサとモノクロセンサの両方を持つ読取装置においてカラー・モノクロ同時読み取りを行い、モノクロ画像信号に対してカラー画像信号の情報を適応的に用いることによってより好ましいモノクロ画像を得る方法を施したものがある。更にカラーセンサから読み取る画像を低解像度にすることによってカラー信号の圧縮コストを軽減している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−224731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術では、モノクロセンサに加えて、カラーセンサが必要となり、また、それらセンサから読み取った複数画像の処理を行うため読取装置のコストがあがる。
【0005】
そこで本発明では、センサの数を減らし、且つ、読み取った画像の数を減らすことによる読取装置のコストをさげながら、モノクロ単色読み取りよりも好ましいモノクロ画像が得られる画像処理装置およびその制御方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像処理装置は、原稿読み取り時の読み取り色の指定を行う読み取り色選択手段(101)と、前記読み取り色選択手段(101)により指定された読み取り色により光源の色を選択し1つ或いは複数の画像信号の読み取りを行う画像読み取り手段(102)と、前記画像読み取り手段(102)により読み取られたデータを格納する画像格納手段(103)と、前記画像格納手段(103)に複数画像が格納されている場合は、前記読み取り色選択手段(102)により選択された色に対する合成方法を用いてモノクロ単色画像を生成するモノクロ画像生成手段(104)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
モノクロ出力時に強調したい色や除去したい色を指定する手段を設けることにより、ユーザに対してより好ましいモノクロコピー環境を提供可能である。また、この環境を低コスト・高速処理・高画質で実現可能。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態としてのシステム構成の説明。
【図2】本発明の一実施形態としてのデータを読み込んでから画像を生成、出力するまでのフローチャート。
【図3(A)】本発明の一実施形態としての色選択UIの一例。
【図3(B)】本発明の一実施形態としての色選択UIの一例。
【図4】本発明の一実施形態としての点灯光源、光源の点灯順番、調整値、調整方法、合成方法の一例。
【図5(A)】本発明の一実施形態としてのカラー読み取り時の発光パターン及びタイミングの一例。
【図5(B)】本発明の一実施形態としての2色切り替え発光パターン及びタイミングの一例。
【図5(C)】本発明の一実施形態としての単色発光パターン及びタイミングの一例。
【図6】本発明の一実施形態としての2色切り替え読み取り時の画像処理手順の一例。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
[実施例1]
本発明に係る画像処理装置の一実施形態としての読取装置について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態1のシステム構成図である。原稿読み取り時の読み取り色の指定を行う読み取り色選択手段101と、前記読み取り色選択手段101により指定された読み取り色により光源の色を選択し1つ或いは複数の画像信号の読み取りを行う画像読み取り手段102と、前記画像読み取り手段102により読み取られたデータを格納する画像格納手段103と、前記画像格納手段103に複数画像が格納されている場合は、前記読み取り色選択手段102により選択された色に対する合成方法を用いてモノクロ単色画像を生成するモノクロ画像生成手段104とにより構成されている。
【0012】
図2は、読み取り色選択手段101において読み取り色の選択が行われ、画像読み取り手段102が画像の読み取りを行い、モノクロ画像生成手段104においてモノクロ画像が生成されるまでの流れを示すフローチャートである。
【0013】
ステップS201において、モノクロ出力が選択されているかを確認し、モノクロ出力が選択されている場合は、ステップS202へ進む。
【0014】
ステップS202において、読み取り色選択手段101である読み取り色選択UI図3(A)(B)において指定された色を獲得する。補正対象画像選択リスト302から補正対象画像の種別を選択することによって図3(A)に示す通り、補正色が選択される。また、補正対象画像選択リスト302において「色選択」を選択することにより、図3(B)に示す通り、色選択カラーバー303が有効になりスライドバー304で色の選択を行うことにより、補正色が選択される。このカラーバー303による色の選択は、選択色そのものでもよいし、補色であってもよい。読み取り色選択UI図3より補正色を獲得し、ステップS203へ進む。
【0015】
ステップS203において、補正色から図4テーブル401を用いて、使用する光源の色及び発光順を決定し、ステップS204へ進む。
【0016】
ステップS204において、テーブル401を用いて光源の切り替え点灯が必要かを確認する。図4テーブル401において、光源に0が指定されている補正色が選択された場合は切り替え点灯が必要なく、1及び2が選択された場合は切り替え点灯が必要なことを示している。ここで切り替え点灯が必要な場合は、ステップS205へ進む。
【0017】
ステップS205において、最終ラインまで読み取ったかを確認し、最終ラインまで読み取っていない場合は、ステップS206へ進む。
【0018】
ステップS206において、テーブル401において1が指定されている光源を発光させて画像信号を読み取り、画像格納手段103のバッファ1に格納し、ステップS207へ進む。
【0019】
ステップS207において、テーブル401において2が指定されている光源を発光させて画像信号を読み取り、画像格納手段103のバッファ2に格納し、ステップS205へ進みこれを繰り返す。
【0020】
ステップS205からステップS207の繰り返しは図5(B)に示すようになる。ラインセンサー501が動きながら、テーブル401において1及び2で指定された光源が順に発光し繰り返しながら画像信号を読み取るため、発光パターン502のようなパターンになる。この時読み取り画像は図6のようになり、バッファ1には読み取り画像602が、バッファ2には読み取り画像603が格納されている。
【0021】
一方、ステップS205において、最終ラインまで読み取った場合は、ステップS208へ進む。
【0022】
ステップS208において、モノクロ画像生成手段104は、画像信号の調整値をテーブル401より獲得し、ステップS209へ進む。
【0023】
ステップS209において、モノクロ画像生成手段104は、表402のステップS208で獲得した調整値に対応する演算式を用いて画像格納手段103のバッファ2に格納の画像信号を調整し、調整後画像604を得て、バッファ2に再格納し、ステップS210へ進む。
【0024】
ステップS210において、モノクロ画像生成手段104は、画像格納手段103のバッファ1とバッファ2の画像を合成式403を用いて合成し、合成画像605を得て、画像格納手段103のバッファ0に格納し、ステップS217へ進む。
【0025】
一方、ステップS204において、図4テーブル401で光源に0が指定されている補正色が選択された場合は切り替え点灯が必要ないと判断し、ステップS211へ進む。
【0026】
ステップS211において、テーブル401において点灯対象となっている光源を点灯し、画像読み取り手段102によって読み取り、画像格納手段103のバッファ0に格納する。この時、光源の切り替えが必要なくなるため、図5(C)のように発光パターンは一定の色になる。画像の読み取りが終了したら、ステップS217へ進む。
【0027】
一方、ステップS201において、モノクロ出力ではない場合、ステップS212へ進む。
【0028】
ステップS212において、最終ラインまで読み取ったかを確認し読み取っていない場合は、ステップS213へ進む。
【0029】
ステップS213において、1番目の光源の点灯を行い画像読み取り手段102で読み取った読み取り画像を画像格納手段103のバッファ1へ格納し、ステップS214へ進む。
【0030】
ステップS214において、2番目の光源の点灯を行い画像読み取り手段102で読み取った読み取り画像を画像格納手段103のバッファ2へ格納し、ステップS215へ進む。
【0031】
ステップS215において、3番目の光源の点灯を行い画像読み取り手段102で読み取った読み取り画像を画像格納手段103のバッファ3へ格納し、ステップS212へ進みこれを繰り返す。
【0032】
ステップS212からステップS215までの繰り返しは図5(A)のようになり発光パターン502のように3光源を切り替えながら点灯しラインセンサーを移動させながら画像503の読み取りを行う。
【0033】
一方、ステップS212において最終ラインまで読み取った場合は、ステップS216へ進む。
【0034】
ステップS216において、画像格納手段103のバッファ1、バッファ2、バッファ3の画像信号を合成し、バッファ0に格納して、ステップS217へ進む。
【0035】
ステップS217において、バッファ0に格納の画像信号を出力し、終了する。
【符号の説明】
【0036】
101 読み取り色選択手段
102 画像読み取り手段
103 画像格納手段
104 モノクロ画像生成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読み取り時の読み取り色の指定を行う読み取り色選択手段(101)と、前記読み取り色選択手段(101)により指定された読み取り色により光源の色を選択し1つ或いは複数の画像信号の読み取りを行う画像読み取り手段(102)と、前記画像読み取り手段(102)により読み取られたデータを格納する画像格納手段(103)と、前記画像格納手段(103)に複数画像が格納されている場合は、前記読み取り色選択手段(102)により選択された色に対する合成方法を用いてモノクロ単色画像を生成するモノクロ画像生成手段(104)とを備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記読み取り色選択手段(101)は、選択された色に応じて、1つ乃至2つの光源の選択と、2光源の場合は2つの読み取り画像信号の混合率を決定することを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像読み取り手段(102)は、色ごとに発光パターンを変えながら1つのセンサーで読み取ることを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記モノクロ画像生成手段(104)において、モノクロ画像を生成する際に、読み取り画像の1つは調整せずそのまま用い、もう1つは前記読み取り色選択手段(101)によって指定された混合率を用いて調整することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図4】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図5(C)】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−191460(P2012−191460A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53672(P2011−53672)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】