説明

画像形成されたデータからのデータページの再構成

本発明は、データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する電子装置117に関する。再構成のための参照マークを使用する必要性を回避するため、オーバサンプリングされた検出された画像からオーバサンプリングファクタを抽出する抽出ユニット118、抽出されたオーバサンプリングファクタを使用することで、データページに関してオーバサンプリングされた検出された画像の補正のための補正情報を決定する決定ユニット119、決定された補正情報を使用することで、オーバサンプリングされた検出された画像を補正する補正ユニット120が設けられる。本発明は、特に、ホログラフィック記録媒体106で記録されるデータページを読み取る光ホログラフィック装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する電子装置及び対応する方法に関する。
また、本発明は、前記電子装置を有する光ホログラフィック装置に関する。
さらに、本発明は、前記光ホログラフィック装置での使用のための対応する方法に関する。
最後に、本発明は、ソフトウェアで前記方法を実現するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ストレージシステム、特にホログラフィックデータストレージシステム(HDSS)は、高いデータ容量(12cmディスクで1Tバイト)及び高いデータレート(Gbit/s)を保証する。ホログラフィックデータストレージシステムの他の光ストレージシステムに対する利点は、現実の3次元のメディアのボリュームを使用してデータを記憶し、高い容量を可能にすることである。ホログラフィックデータストレージシステムの概説は、Lambertus Hesselink, Sergei S. Orlov及びMatthew C. Bashawによる文献“Holographic Data Storage Systems”, Proceeding of the IEEE, vol.92, no.8, pp.1231-1280, 2004で与えられる。
【0003】
ホログラフィックデータストレージ(HDS)では、デジタルデータは、ホログラフィックメディアにおいて、ページ、すなわちデータページとして記憶することができる。バイナリデータを含む空間光変調器(SLM)を通してレーザ光が送信される。このビーム及び参照ビームからの干渉パターンは、記録されたデータページとしてメディアに記録することができる。光ホログラフィック装置による記録されたデータページの読み取りは、参照ビームのみを使用して行うことができ、オリジナルのデータページは、CCDセンサ又はCMOSチップで検出することができる。記録のホログラフィックな性質のため、数百のデータページがホログラフィックメディアにおける同じ位置で記憶することができる。
【0004】
CCDセンサの画像は、オリジナルのバイナリデータに変換される。データページを再構成する1つの方法は、画素に整合されるSLM及びCCDセンサを使用することである。1つの可能性は、SLMのそれぞれの画素がCCD上の1つの画素に整合され、データビットがゼロ又は1であるかを判定するため、閾値レベルのみが使用されることである。しかし、これは、光ホログラフィック装置の全ての光学系のアライメントに制約を課す。
【0005】
代替的に、データページがCCD領域内で画像形成されるように、SLMよりも高い解像度をもつCCDを使用することができ、すなわち、オーバサンプリングされた検出画像が検出されるようにCCDにより画像がオーバサンプリングされる。したがって、この種のホログラフィックデータストレージでは、CCD上のデータページ画像の拡大、回転及び位置は未知である。データページにおけるアラインメントマークは、CCD上のデジタルデータの拡大、回転及び位置を計算するために使用することができる。次いで、これらのパラメータは、CCD上の位置に基づいてデジタルデータを再構成するために使用される。
【0006】
エラー、特に画像検出器又はレーザビームのプロファイルにおける非一様性を検出するため、幾つかの方法が提案されており、たとえばUS2005/0018263で記載される方法は、拡大及びオフセットの係数が検出画像における記録マークに基づいて決定される部分的な遅延フィルタ技術を使用する。WO2005/057584A1に記載される別の方法は、検出された画像形成されたデータページにおけるモアレパターンを検出し、モアレパターンの関数として画像形成されたデータページを変更する。しばしば、CCD画像からのデータパターンの再構成は、アライメントマークの使用に依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2005/0018263
【特許文献2】WO2005/057584A1
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Lambertus Hesselink, Sergei S. Orlov and Matthew C. Bashaw“Holographic Data Storage Systems” Proceeding of the IEEE, vol.92, no.8, pp.1231-1280, 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する改善された電子装置及び対応する方法を提供することにある。また、本発明の目的は、前記電子装置及び方法をそれぞれ含む光ホログラフィック装置及び対応する方法を提供することにある。さらに、本発明の目的は、前記方法を実現するコンピュータプログラムを提供することにある。特に、参照マーク又はモアレパターンを使用しない電子装置及び対応する方法を達成することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様では、請求項1に定義される電子装置が提供され、前記装置は、前記オーバサンプリングされた検出された画像からオーバサンプリングファクタを抽出する抽出ユニット、前記抽出されたオーバサンプリングファクタを使用することで、前記データページに関して前記オーバサンプリングされた検出された画像の補正のための補正情報を判定する判定ユニット、及び前記決定された補正情報を使用することで、前記オーバサンプリングされた検出された画像を補正する補正ユニットを有する。
【0011】
本発明の更なる態様では、ホログラフィック記録媒体で記録されたデータページを読み取る光ホログラフィック装置が提供され、前記装置は、前記記録されたデータページのオーバサンプリングされた検出された画像を検出する画像検出ユニット、前記オーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する請求項1に定義された電子装置を有する。
【0012】
本発明の別の態様では、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されたとき、請求項11又は12記載の方法のステップをコンピュータに実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0013】
対応する方法は、更なる独立の請求項で定義される。本発明の好適な実施の形態は、従属の請求項で定義される。電子装置、方法及びコンピュータプログラムは、従属の請求項で定義される類似及び/又は同じ好適な実施の形態を有することが理解される。
【0014】
本発明は、1つの基本的な考えとして、オーバサンプリングされた検出された画像それ自身から記述される非一様性に関する補正情報を抽出するため、前記データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成するために有利であるという認識に基づく。次いで、この抽出された補正情報は、前記オーバサンプリングされた検出された画像を補正するために使用され、公知の方法の大部分とは対照的に、前記再構成のための参照マーク(アライメントマーク又は基準マークとも呼ばれる)又はモアレパターンを使用する必要性が最終的に回避される。
【0015】
本発明の実施の形態では、データの拡大、回転及び位置は、アライメントマークを使用することなしに、検出された画像から抽出することができる。信号処理スキームは、補正のサンプリングファクタ及び開始ポイント(位相t0)により検出された画像のリサンプリングを提供する。さらに、オーバサンプリングファクタは、たとえば高速フーリエ変換FFT又は他の公知の畳み込み変換を使用して抽出することができ、開始ポイントは、修正された畳み込み積分を使用して計算することができる。
【0016】
アライメントマークを使用しない2つの主要な利点は、アライメントマークの位置を正確に発見するための時間のかかる相互相関を回避の可能性と、アライメントマークにより必要とされるデータスペースの解放とであり、したがって、データ検索プロセスのロバスト性が提供される一方で、多くのスペースがデータのために利用可能となる。
【0017】
抽出ユニットは、前記オーバサンプリングされた検出された画像における暗線の周期性を導出する導出エレメントを更に有することが好ましく、前記導出エレメントは、前記周期性を導出するために前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列及び/又は行にわたり畳み込み変換、特に高速フーリエ変換FFTを実行する畳み込み変換エレメントを更に有する。
【0018】
本発明の別の好適な実施の形態では、前記判定ユニットは、オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列/行の前記データを、前記導出された周期性に対応する周波数を有し、且つ前記データページに関する既知のオフセットを有する人工の周期関数と比較し、少なくとも1つの他の既知のオフセットを使用して前記比較を繰り返し、前記比較された既知のオフセットのなかから、前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列/行のデータのオフセットとの最良の整合を有するベストマッチオフセットを決定し、前記補正情報の一部として、前記ベストマッチのオフセットを決定するように更に適合される。
【0019】
本発明の別の好適な実施の形態では、前記判定ユニットは、前記人工の周期関数を前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列/行と畳み込みし、前記畳み込みの最大値を検出するように更に適合される。
【0020】
本発明の別の好適な実施の形態によれば、前記判定ユニットは、修正された畳み込み積分を使用し、前記修正では、前記オーバサンプリングされた検出された画像の前記少なくとも1つの列/行のデータ信号と前記周期関数との乗算が含まれ、前記データ信号を通して1周期だけ前記周期関数をシフトするように更に適合される。
【0021】
本発明の実施の形態では、前記補正ユニットは、前記抽出されたオーバサンプリングファクタ及び前記決定されたオフセットを使用することで、その列及び/又は行について、前記オーバサンプリングされた検出された画像をライン毎にリサンプリングするリサンプリングエレメントを更に有する。好ましくは、閾値エレメントが設けられ、前記オーバサンプリングされた検出された画像の列及び/又は行及び/又は領域当たりのヒストグラムを使用することで、スライサエレメントのための閾値を決定する。さらに、前記再構成されたデータページの開始として少なくとも1つの列及び/又は行の合計の非ゼロの値を使用することで、前記データページの少なくとも1つのデータエッジを検出することで、前記再構成されたデータページの開始を判定する開始エレメントが導入される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施の形態を参照して明らかとなるであろう。
【図1】本発明の光ホログラフィック装置の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の方法の実施の形態のフローチャートである。
【図3】対応するコンピュータプログラムのメインステップを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、位相共役の読み出しを使用した本発明の実施の形態に係る光ホログラフィック装置を示す。この光装置は、放射線源100、コリメータ101、第一のビームスプリッタ102、空間光変調器103、第二のビームスプリッタ104、レンズ105、第一の偏向子107、第一の望遠鏡108、第一のミラー109、半波長板110、第二のミラー111、第二の偏向子112、第二の望遠鏡113、検出器114、並びに、抽出ユニット118、判定ユニット119及び補正ユニット120を有する電子装置117を有する。光装置は、ホログラフィックメディア106にデータを記録し、該メディアからデータを読み取ることが意図される。
【0024】
電子装置117は、専用の集積回路又は他のハードウェアとすることができ、これは、個別に分散されるか、たとえば既存のホログラフィック光装置に追加することができる。代替的に、抽出ユニット118、判定ユニット119及び補正ユニット120の機能は、たとえばコンピュータ又はマイクロプロセッサで実行されるソフトウェアで実現することができる。
【0025】
ホログラフィックメディア106にデータページを記録する間、放射線源100により発生された放射線ビームの半分は、第一のビームスプリッタ102により空間光変調器103に送出される。この放射線ビームの部分は、信号ビームSBと呼ばれる。放射線源100により発生される放射線ビームの半分は、第一の偏向子107により望遠鏡108に偏向される。この放射線ビームの部分は、参照ビームRBと呼ばれる。信号ビームSBは、空間光変調器103により空間的に変調される。空間光変調器103は、透過領域及び吸収領域を有し、これは、記録されるべきデータページの0と1のデータビットに対応する。信号ビームが空間光変調器103を通過した後、記録されるべき信号をホログラフィックメディア106に搬送し、すなわち記録されるべきデータページを搬送する。次いで、信号ビームは、レンズ105によりホログラフィックメディア106に集束される。
【0026】
また、参照ビームは、第一のテレスコープ108によりホログラフィックメディア106に集束される。したがって、データページは、信号ビームSBと参照ビームRBとの間の干渉の結果としての干渉パターンの形式で、ホログラフィックメディア106に記録される。ひとたびデータページがホログラフィックメディア106で記録されると、別のデータページは、ホログラフィックメディア106の同じ位置で記録される。このため、このデータページに対応するデータは、空間光変調器103に送出される。ホログラフィックメディア106に関する参照信号の角度が変更されるように、第一の偏向子107は回転される。回転の間に同じ位置に参照ビームRBを保持するため、第一のテレスコープ108が使用される。したがって、ホログラフィックメディア106の同じ位置で異なるパターンにより干渉パターンが記録される。これは、角度多重と呼ばれる。複数のデータページが記録されるホログラフィックメディア106の同じ位置は、ブックと呼ばれる。
【0027】
代替的に、放射線ビームの波長は、同じブックにおける異なるデータページを記録するために調整される。これは、波長多重と呼ばれる。ホログラフィックメディア106にデータページを記録するため、シフト多重のような他の種類の多重化も使用される。
【0028】
ホログラフィックメディア106からのデータページの読み取りの間、空間光変調器103は、ビームの部分が空間光変調器103を通過しないように完全に吸収性のあるものとされる。ビームスプリッタ102を通過する放射線源100により発生されたビームの一部が第一のミラー109、半波板110及び第二のミラー111を介して第二の偏向子112に到達するように、第一の偏向子107は取り除かれる。ホログラフィックメディア106にデータページを記録するために角度多重化が使用されており、所与のデータページが読み取られている場合、ホログラフィックメディア106に関するその角度がこの所与のホログラムを記録するために使用された角度と同じであるようなやり方で、第二の偏向子112が配置される。第二の偏向子112により偏向され、第二のテレスコープ113によりホログラフィックメディア106で集束される信号は、この所与のホログラムを記録するために使用された参照信号の位相共役である。たとえば、ホログラフィックメディア106にデータページを記録するために波長多重化が使用されており、所与のデータページが読み出される場合、この所与のデータページを読み取るために同じ波長が使用される。
【0029】
次いで、参照信号の位相共役は、情報パターンにより回折され、再構成された信号ビームが形成され、この再構成された信号ビームは、次いでレンズ105及び第二のビームスプリッタ104を介して検出器114に到達する。したがって、画像形成されたデータページは、検出器114で形成され、前記検出器114により検出される。検出器114は、画素を有する。表示される実施の形態では、検出器114は、画像形成されたデータページよりも多くの画素を有し、すなわち、画像は検出器114によりオーバサンプリングされる。いずれの場合においても、画像形成されるデータページの1ビット又は所与のビット数が検出器114の対応する画素に衝突するようなやり方で、画像形成されるデータページは、検出器114と丁寧に揃えられるべきである。
【0030】
ここで、画像形成されるデータページが検出器114と常に丁寧に揃えられないように、システムにおいて多くの自由度が存在する。たとえば、再構成された信号ビームの軸に垂直の方向で、検出器114に関するホログラフィックメディア106の位置ずれは、並進のミスアライメントを招く。ホログラフィックメディア106又は検出器114の回転は、画像形成されるデータページと検出器114の間の角度の誤差を招く。再構成される信号ビームの軸に平行な方向に、検出器114に関するホログラフィックメディア106の位置ずれは、拡大誤差を招き、これは、画像形成されるデータページのビット(又は所与のビット数)のサイズが検出器114の画素のサイズとは異なることを意味する。
【0031】
さらに、先に説明されたように、データの書込みの間のレーザビームにおける空間光強度の変動は、読み取りの間と同様に、読み取りに応じた取得された画像における望まれない変動を招く。なお、さらに、画像検出器114の非一様の画素の応答は、これら望まれない変動に追加される。さらに、ホログラフィックメディア106は、レーザ光の不均一性を散乱し、画像に於ける強度の変動を更に深刻にする。これらの変動は、正しいビット判定を困難にする。
【0032】
したがって、本発明によれば、前記データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する電子装置117は、前記オーバサンプリングされた検出された画像からオーバサンプリングされたファクタを抽出する抽出ユニット118、前記抽出されたオーバサンプリングファクタを使用することで、前記データページに関して前記オーバサンプリングされた検出された画像の補正のための補正情報を決定する決定手段119、及び、前記決定された補正情報を使用することで、前記オーバサンプリングされた検出された画像を補正する補正ユニット120を使用する。上述されたユニット118,119及び120の詳細は、図2及び図3に関して以下に記載される。
【0033】
図2は、データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する本発明の方法の実施の形態のフローチャートである。フローチャートは、上から下にブロック毎に記載される。
【0034】
ブロックS1「CCD画像」:HDSでは、バイナリデータページは、SLMにより画像形成される。たとえば、SLMは、600×800の画素の解像度で使用される。これらの画素は、2048×3072の画素の解像度をもつCCDで画像形成される。
【0035】
ブロックS2及びS2a「オーバサンプルファクタTの決定」:SLMの画素は連続的ではないので、それぞれの画素間の暗線がCCD画像に写る。これらの暗線の周期性は、CCD画像の全てのライン又は行を通して、高速フーリエ変換FFT、又は他の公知の畳み込み変換で決定される。これらのラインの周期性は、どの位多くのCCD画素がSLM画素に対応するかを正確に示す。データページのCCD画像のFFTにおけるピークは、SLM画素の周期性を示す。たとえば、ピークが864である場合、3072/864*2は3.55である。したがって、1つのSLM画素は、3.55のCCD画素で画像形成される。
【0036】
ブロックS3及びS3a「位相t0を決定」:CCDデータをリサンプリングするため、開始ポイントが提供されるべきである。オーバサンプリングファクタが既知であるので、CCDでのSLM画素と同じ周波数で、たとえば正弦波である周期関数を構築することが可能である。正弦波がCCDの列と畳み込みされる場合、これら2つの畳み込みは、正弦波のピークがデータ信号のピークと揃えられるとき、その最大となる。これを計算するため、修正された畳み込み積分を使用することができ、これは、データ信号と正弦波を乗算するが、データ信号を通して1周期だけ正弦波をシフトするのみである。以下では、式Φはオーバサンプリングファクタであり、nはこの例では32で選択される。
【0037】
【数1】

この例では、この修正された畳み込みは、それぞれの列から計算される。この最大の位置はオーバサンプリングファクタの法を有し、2つの隣接する列の間のt0における差は、好ましくはオーバサンプリングファクタの半分を超えるものではなく、したがって、最大で45°の回転を可能にする。ひどく揃えられたシステムについて、CCDのデータページの最大の回転は、数°に更に近くなる。30列毎のt0の線形外挿により、5°の回転が可能となる。同じ手順が行について従うことができる。
【0038】
ブロックS4及びS4a「CCD画像をリサンプル」:CCDデータは、計算されたオーバサンプリングファクタ及びt0を使用して、列及び行の両者についてリサンプルすることができる。この例におけるリサンプリングは、線形外挿により行なわれる。しかし、「スプライン」のような更に複雑なリサンプリング方法も同様に使用される。
【0039】
ブロックS5及びS5a「スライスレベルを決定」:それぞれのサンプルは、ビットを表す。スライサについて閾値を決定するため、この例ではライン当たりのヒストグラムが使用される。また、CCD画像の強度の変動に依存して、ヒストグラムが領域ごとに選択される。
【0040】
ブロックS6及びS6a「エッジを決定」:バイナリのビット同期のデータページが利用可能である。残されているのは、データの開始を発見することであり、これは、データエッジを検出することで行なうことができる。列/行の合計の非ゼロの値は、オリジナルのページの開始の好適な証拠である。
【0041】
ブロックS7「再構成されたデータページ」:図2の例では、バイナリページが全体として再構築される。この方法は、CCD画像が4ブロック又は9ブロックに分割されるときに同様に機能する。これは、画像形成システムの歪みを保証するために有効となる。
【0042】
本発明の1つの応用は、CCD画像のデータページの正確な位置が未知であるので、ホログラフィックデータストレージのページに基づいたデータ検索である。また、センサアレイのデータの正確なアライメントが未知であるデータストレージ及び検索システムについても使用される。
【0043】
図3には、別のフローチャートが示される。このフローチャートは、理解及び比較可能性の容易さのため、先に記載された図2の実施の形態の順序及び例示的な符号を使用する。これに基づいて、フローチャートは、上述された方法はソフトウェアで実現される本発明の好適な実施の形態に係るコンピュータプログラムのメインプログラムコードのブロックを示す。繰り返される説明を回避するため、先の図2の記載が主に参照され、以下のフローチャートにも同様に適用可能である。図2から更に、図3のフローチャートは、列についてブロックS3及びS4の別のループをも示す。したがって、図3のフローは、以下のようなものである。
【0044】
ブロックS1:定義。
ブロックS2:ステップの初期化「行及び列についてオーバサンプリングファクタを抽出」。
ブロックS3i:「それぞれの行について位相(t0)を決定」、t0_row(3072)を供給。
ブロックS4:「全ての行についてCCD画像をリサンプリング」。
ブロックS3ii:「それぞれの列について位相(t0)を決定」、t0_column(3072)を供給。
ブロックS4:「全ての列についてCCD画像をリサンプリング」。CCD画像を供給(600×800 12bpp)。
ブロックS5:「スライサレベル(たとえばグローバルスライサ)を決定」。CCD画像を供給(600×800 1bpp)。
ブロックS6:「エッジを決定」。
ブロックS7:「再構成されたデータページ」。
【0045】
本発明は、図面及び上述の説明で詳細に例示及び記載されたが、係る例示及び説明は、例示として考慮されるべきであって限定的なものではなく、本発明は、開示される実施の形態に限定されるものではない。開示される実施の形態に対する他の変形は、図面、開示及び特許請求の範囲の教示から特許請求される発明の実施において当業者により理解及び実施することができる。
【0046】
請求項において、単語「有する“comprising”」は、他のエレメント又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は、複数を排除するものではない。単数のエレメント又は他のユニットは、請求項で引用される幾つかのアイテムの機能を実行する場合がある。所定の手段が相互に異なる従属の請求項で引用される事実は、これらの手段の組み合わせが利用するために使用することができないことを示すものではない。
【0047】
用語「エレメント」は、装置の実態の部分を示すものとして、方法のステップを示すものとして、及び/又はソフトウェアプログラムの一部を示すものとして解釈することができる。
【0048】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として光記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体に記憶/分散される場合があるが、インターネット、或いは、他の有線又は無線の電気通信システムを介するように、他の形式で分散される場合もある。
請求項における参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データページのオーバサンプリングされた検出された画像から前記データページを再構成する電子装置であって、
前記オーバサンプリングされた検出された画像からオーバサンプリングファクタを抽出する抽出ユニットと、
前記抽出されたオーバサンプリングファクタを使用することで、前記データページに関して前記オーバサンプリングされた検出された画像の補正のための補正情報を決定する決定ユニットと、
前記決定された補正情報を使用することで、前記オーバサンプリングされた検出された画像を補正する補正ユニットと、
を有することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記抽出ユニットは、前記オーバサンプリングされた検出された画像における暗線の周期性を導出する導出エレメントを更に有する、
請求項1記載の電子装置。
【請求項3】
前記導出エレメントは、前記周期性を導出するために前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列及び/又は行を通して、畳み込み変換、特に高速フーリエ変換を実行する畳み込み変換エレメントを更に有する、
請求項2記載の電子装置。
【請求項4】
前記決定手段は、
前記オーバサンプリングされた検出された画像の前記少なくとも1つの列及び/又は行のデータを、前記導出された周期性に対応する周波数を有し、且つ前記データページに関して既知のオフセットを有する人工的な周期関数と比較し、
少なくとも1つの他の既知のオフセットを使用して前記比較を繰り返し、
前記比較された既知のオフセットのなかから、前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列及び/又は行のデータのオフセットとの最良の整合を有する最良の整合のオフセットを決定し、前記補正情報の一部として前記最良の整合のオフセットを決定する、
請求項3記載の電子装置。
【請求項5】
前記決定ユニットは、
前記人工的な周期関数を前記オーバサンプリングされた検出された画像の少なくとも1つの列及び/又は行と畳み込みを行い、
前記畳み込みの最大を検出する、
請求項4記載の電子装置。
【請求項6】
前記決定ユニットは、
修正された畳み込み積分を使用し、前記修正は、前記オーバサンプリングされた検出された画像の前記少なくとも1つの列及び/又は行のデータ信号の前記周期関数との乗算を含み、
前記データ信号を通して1周期だけ前記周期関数をシフトする、
請求項5記載の電子装置。
【請求項7】
前記補正ユニットは、
ライン毎に、前記抽出されたオーバサンプリングファクタ及び前記決定されたオフセットを使用することで、その列及び/又は行について、前記オーバサンプリングされた検出された画像をリサンプリングするリサンプリングエレメントを更に有する、
請求項1乃至4の何れか記載の電子装置。
【請求項8】
前記補正ユニットは、
前記オーバサンプリングされた検出された画像の列及び/又は行及び/又は領域当たりのヒストグラムを使用することで、スライサエレメントの閾値を決定する閾値エレメントを更に有する、
請求項1記載の電子装置。
【請求項9】
前記補正ユニットは、
前記再構成されたデータページの開始として、少なくとも1つの列及び/又は行の合計の非ゼロの値を使用することで、前記データページの少なくとも1つのデータエッジを検出することにより前記再構成されたデータページの開始を決定する開始エレメントを更に有する、
請求項1記載の電子装置。
【請求項10】
ホログラフィック記録媒体に記録されるデータページを読み出す光ホログラフィック装置であって、
記録されたデータページのオーバサンプリングされた検出された画像を検出する画像検出ユニットと、
前記オーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する請求項1記載の電子装置と、
を有する電子装置。
【請求項11】
データページのオーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成する方法であって、
前記オーバサンプリングされた検出された画像からオーバサンプリングファクタを抽出するステップと、
抽出されたオーバサンプリングファクタを使用することで前記データページに関する前記オーバサンプリングされた検出された画像の補正のための補正情報を決定するステップと、
前記決定された補正情報を使用することで前記オーバサンプリングされた検出された画像を補正するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10記載のホログラフィック記録媒体に記録されたデータページを読み取る光ホログラフィック装置における使用方法であって、
前記記録されたデータページのオーバサンプリングされた検出された画像を検出するステップと、
請求項11記載の方法を使用して前記オーバサンプリングされた検出された画像からデータページを再構成するステップと、
を含む使用方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるとき、コンピュータに、請求項11又は12記載の方法のステップを実行させるプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−505138(P2010−505138A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529811(P2009−529811)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053783
【国際公開番号】WO2008/038186
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】