説明

画像形成システム、画像形成装置、電力供給状態切換方法および電力供給状態切換プログラム

【課題】 少なくとも1つの機能が、複数の画像形成装置のいずれかで実行可能な状態を維持すること。
【解決手段】 複数のMFPそれぞれは、複数のユニットと、複数のユニットを制御して、ジョブを実行するジョブ実行部と、複数のユニットごとに、通常モードと省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換える切換部と、を備え、切換部は、通常モードから省電力モードに切り換えるための第1の条件が成立する場合(S33でYES)、複数のMFPそれぞれの電力供給状態を参照して、複数のユニットであって、複数のMFPのうち他の少なくとも1つで通常モードに設定されているユニット(S34でYES)の電力供給状態を省電力モードに切り換える(S35)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成システム、画像形成装置、電力供給状態切換方法および電力供給状態切換プログラムに関し、特に、電力の供給状態を切換可能な画像形成装置を複数含む画像形成システム、その画像形成装置、その画像形成装置で実行される電力供給状態切換方法および電力供給状態切換プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどに設置されるプリンタや複合機などの画像形成装置は、省電力化の要請が高まっており、実行するジョブやユーザからの操作のない待機状態が一定時間以上継続すると、通常より電力消費の少ない省電力モード(スリープ状態)へ自動的に遷移する機能が設けられている。
【0003】
動作履歴に基づいて、過去に動作していない時間にスリープ状態にする技術が特開2006−340223号公報(特許文献1)に記載されている。しかしながら、過去に動作した動作履歴が記憶されていない場合にスリープ状態となるが、実際にはユーザが使用する場合があり、この場合には、スリープ状態が解除されるまでジョブを実行させることができないといった問題があった。
【特許文献1】特開2006−340223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、複数の画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な画像形成システムを提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な電力供給状態切換方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な電力供給状態切換プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成システムは、複数の画像形成装置を含む画像形成システムであって、複数の画像形成装置それぞれは、少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段と、少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するジョブ実行手段と、少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換える切換手段と、を備え、切換手段は、通常モードから省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段であって、複数の画像形成装置のうち他の少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換える。
【0009】
この局面に従えば、通常モードから省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、複数の画像形成装置のうち他の少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換える。このため、複数の画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な画像形成システムを提供することができる。
【0010】
好ましくは、複数の画像形成装置それぞれは、さらに、受け付けられるジョブを、ジョブ実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、複数の画像形成装置のうちの他のすべての画像形成装置のうちから、記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられるすべての機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択する起動装置選択手段と、選択された起動装置に、一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力する起動指示手段と、を備える。
【0011】
この局面に従えば、受け付けられたジョブの処理量が所定量以上になる場合、複数の画像形成装置のうちの他のすべての画像形成装置のうちから、ジョブのすべてを実行するために用いられるすべての機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置が選択され、起動装置に、ジョブの種類を含む起動指示が出力される。このため、起動装置をジョブを実行可能な状態にすることができる。その結果、自装置にジョブが集中する状態を解消することができる。
【0012】
好ましくは、複数の画像形成装置それぞれは、さらに、受け付けられるジョブを、処理実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、複数の画像形成装置のうちの他のすべての画像形成装置に一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼手段と、ジョブ記憶手段にジョブが記憶されていない場合に、複数の画像形成装置のうち他のすべての画像形成装置のいずれかからモード切換依頼が受信される場合、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために省電力モードから通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、複数の画像形成装置であってモード切換依頼を出力した指示装置以外の装置のうちで自装置が最小か否かを判断する判断手段と、を備え、切換手段は、判断手段により、通常モードに切り換える機能実行手段の数が、自装置が最小と判断された場合、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換える。
【0013】
この局面に従えば、受け付けられたジョブの処理量が所定量以上になる場合、他のすべての画像形成装置にジョブの種類を含むモード切換依頼が送信され、他のすべての画像形成装置のいずれかからモード切換依頼が受信される場合、モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために省電力モードから通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、自装置が最小の場合、省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換える。このため、複数の装置でジョブを実行可能な状態にすることができる。その結果、1つの装置にジョブが集中する状態を解消することができる。
【0014】
好ましくは、複数の画像形成装置それぞれは、さらに、電力供給状態が変更される場合、複数の画像形成装置のうち他のすべての画像形成装置に、変更後の電力供給状態を通知する通知手段と、電力供給状態が変更される場合、または、複数の画像形成装置のうち他のいずれかの画像形成装置から該画像形成装置の電力供給状態の通知を受信する場合、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを更新する更新手段と、を備える。
【0015】
好ましくは、処理実行手段が処理を実行するためのジョブを受け付けるジョブ受付手段を、さらに備え、所定の条件は、少なくとも1つの機能実行手段ごとに定められ、少なくとも1つの機能実行手段各々が起動することなく、当該機能実行手段に対して定められた時間が経過することにより成立する。
【0016】
この局面に従えば、少なくとも1つの機能実行手段ごとに電力モードが省電力モードに切り換えられるので、部分的に電力モードを切り換えることにより、消費電力を低減することができる。
【0017】
好ましくは、画像形成システムは、複数の画像形成装置のいずれかにジョブを送信するジョブ送信装置を、さらに含み、ジョブ送信装置は、ジョブを生成するジョブ生成手段と、複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、複数の画像形成装置のうちに、少なくとも1つの機能実行手段のうち生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段のすべてが通常電モードの画像形成装置が存在する場合には、当該画像形成装置を選択し、複数の画像形成装置のうちに、少なくとも1つの機能実行手段のうち生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段のすべてが通常電モードの画像形成装置が存在しない場合には、少なくとも1つの機能実行手段のうちで生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の実行可能装置を複数の画像形成装置のうちから選択する実行装置選択手段と、選択された実行可能装置に生成されたジョブを送信するジョブ送信手段と、を備える。
【0018】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置であって、少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段と、少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するジョブ実行手段と、少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換える切換手段と、を備え、切換手段は、通常モードから省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段であって、他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換える。
【0019】
この局面に従えば、他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換えるので、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0020】
好ましくは、受け付けられるジョブを、ジョブ実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、他の1以上の画像形成装置のうちから、記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択する起動装置選択手段と、選択された起動装置に、一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力する起動指示手段と、をさらに備える。
【0021】
この局面に従えば、自装置にジョブが集中する状態を解消することができる。
【0022】
好ましくは、受け付けられるジョブを、処理実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、他の1以上の画像形成装置に、一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼手段と、ジョブ記憶手段にジョブが記憶されていない場合に、他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために省電力モードから通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、他の1以上の画像形成装置であってモード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断する判断手段と、をさらに備え、切換手段は、判断手段により、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換える。
【0023】
この局面に従えば、自装置および他の1以上の画像形成装置の1つにジョブが集中する状態を解消することができる。
【0024】
この発明の他の局面に従えば、電力供給状態切換方法は、他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置で実行される電力供給状態切換方法あって、画像形成装置が備える少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するステップと、少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換えるステップと、を含み、切り換えるステップは、通常モードから省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを参照して、少なくとも1つの機能実行手段であって、他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換えるステップを含む。
【0025】
この局面に従えば、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な電力状態切換方法を提供することができる。
【0026】
好ましくは、ジョブが受け付けられてからジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、他の1以上の画像形成装置のうちから、記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択するステップと、選択された起動装置に、一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力するステップと、をさらに含む。
【0027】
好ましくは、ジョブが受け付けられてからジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、他の1以上の画像形成装置に、一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼を送信するステップと、ジョブが記憶されていない場合に、他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段のうちモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、他の1以上の画像形成装置であってモード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断するステップと、をさらに含み、切り換えるステップは、判断するステップにおいて、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換えるステップを含む。
【0028】
この発明のさらに他の局面によれば、電力供給状態切換プログラムは、他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置を制御するコンピュータで実行される電力供給状態切換プログラムあって、画像形成装置が備える少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するステップと、少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換えるステップと、をコンプユータに実行させ、切り換えるステップは、通常モードから省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを参照して、少なくとも1つの機能実行手段のうちであって、他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を省電力モードに切り換えるステップを含む。
【0029】
この局面に従えば、自装置および他の少なくとも1つの画像形成装置のいずれかで少なくとも1つの機能のすべてを実行可能な状態を維持することが可能な電力状態切換プログラムを提供することができる。
【0030】
好ましくは、ジョブが受け付けられてからジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、他の1以上の画像形成装置のうちから、記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択するステップと、選択された起動装置に、一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力するステップと、をさらにコンピュータに実行させる。
【0031】
好ましくは、ジョブが受け付けられてからジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、他の1以上の画像形成装置に、一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼を送信するステップと、ジョブが記憶されていない場合に、他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、少なくとも1つの機能実行手段のうちモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、他の1以上の画像形成装置であってモード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断するステップと、をさらにコンピュータに実行させ、切り換えるステップは、判断するステップにおいて、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、少なくとも1つの機能実行手段のうちでモード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換えるステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】PCのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】PCが備えるCPUが有する機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図6】電力テーブルの一例を示す図である。
【図7】ユニットテーブルの一例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDD191に記憶されるデータとともに示すブロック図である。
【図9】電力供給状態切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】起動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】省電力モード切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の概要を示すブロック図である。
【図13】第2の実施の形態における電力供給状態切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図14】起動可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0034】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における画像形成システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像形成システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,100A〜100Eと、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)200,200A,200Bと、サーバ300と、を含む。なお、図ではネットワーク3に6台のMFP(Multi Function Peripheral)100,100A〜100Eが接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,100A〜100Eに代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、イントラネット、インターネット等であってもよい。
【0035】
MFP100,100A〜100Eは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくとも画像データに基づいて紙などの用紙に画像を形成するための画像形成ユニットを備えている。
【0036】
PC200,200A,200B、サーバ300は、一般的なコンピュータである。PC200,200A,200B各々は、ユーザにより使用され、MFP100,100A〜100E各々を制御するドライバプログラムがインストールされている。このため、MFP100,100A〜100E各々は、PC200,200A,200Bから遠隔操作される。換言すれば、ユーザは、PC200,200A,200Bのいずれかを操作することにより、MFP100,100A〜100Eのいずれかにジョブを送信し、送信したジョブを実行させることができる。MFP100,100A〜100E各々は、PC200,200A,200Bのいずれかから受信されるジョブを実行する。
【0037】
MFP100,100A〜100Eは、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、ここではMFP100,100A〜100Eでハードウエア構成は同じとし、特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
【0038】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、MFP100の全体を制御する中央演算装置(CPU)111と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)112と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)113と、自動原稿搬送装置(ADF)ユニット110と、画像読取ユニット120と、画像形成ユニット130と、給紙ユニット140と、後処理ユニット150と、ファクシミリユニット160と、操作ユニット170と、データ通信ユニット180と、データ記憶ユニット190と、を含む。
【0039】
ADFユニット110は、原稿給紙トレイ111上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に画像読取ユニット120のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、画像読取ユニット120により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ112上に排出する。画像読取ユニット120は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換し、画像データを出力する。
【0040】
画像形成ユニット130は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、画像読取ユニットから入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙ユニット140により搬送される用紙に画像を形成する。給紙ユニット140は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成ユニット130に搬送する。また、画像形成ユニット130が用紙に画像を形成するための画像データは、後述するファクシミリユニット160、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190各々から入力される画像データを含む。
【0041】
後処理ユニット150は、画像形成ユニット130により画像が形成された用紙を排紙する。後処理ユニット150は、複数の排紙トレイを有し、画像が形成された用紙をソートして排紙することが可能である。また、後処理ユニット150は、パンチ穴加工部、ステープル加工部を備えており、排紙された用紙にパンチ穴加工、またはステープル加工することが可能である。後処理ユニット150は、画像形成ユニット130により画像が形成された用紙を排紙する機能に加え、操作ユニット170に入力された指示に基づいて、複数の排紙トレイの最上トレイに置かれた用紙の束にステープル処理または/およびパンチ処理する機能を備える。このため、後処理ユニット150は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、ファクシミリユニット160、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190とは、独立して稼動することが可能である。
【0042】
ファクシミリユニット160は、PSTN161に接続され、PSTN161にファクシミリデータを送信する、またはPSTN161からファクシミリデータを受信する。ファクシミリユニット160が受信したファクシミリデータを出力する先は、画像形成ユニット130、および後述するデータ記憶ユニット190を含む。画像形成ユニット130は、ファクシミリユニット160よりファクシミリデータが入力される場合、ファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリユニット160が送信するファクシミリデータは、画像読取ユニット120から入力される画像データ、データ記憶ユニット190から入力される画像データ、またはデータ通信ユニット180から入力される画像データを含む。
【0043】
操作ユニット170は、MFP100の上面に設けられ、MFP100を操作するユーザに対してユーザインターフェースとして機能する。操作ユニット170は、表示部171と、操作部173と、を含む。表示部171は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部173は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部173は、表示部171上に設けられたタッチパネルを含む。
【0044】
データ通信ユニット180は、MFP100をネットワーク3に接続するための通信インターフェースである。CPU101は、ネットワーク3を介して、他のMFP100A〜100E、PC200,200A,200Bおよびサーバ300と、通信可能である。通信プロトコルは、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等を用いることができる。さらに、ネットワーク3がインターネットに接続される場合には、データ通信ユニット180は、CPU101がインターネットに接続された他のコンピュータと通信することを可能にする。
【0045】
データ記憶ユニット190は、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)91と、外部記憶装置193と、を含む。外部記憶装置193は、CD−ROM93Aが装着可能であり、CPU101は、データ記憶ユニット190を制御して、CD−ROM93AからCPU101が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行する。
【0046】
なお、CPU101が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM93Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU101がインターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD191に記憶する、または、インターネットに接続されたコンピュータがプログラムをHDD191に書込みするようにして、HDD191に記憶されたプログラムをRAM102にロードしてCPU101で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU101により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
次に、PC200,200A,200Bのハードウエアおよび機能について説明する。PC200,200A,200Bのハードウエアおよび機能は、同じなので、ここでは、特に言及しない限りPC200を例に説明する。
【0048】
図4は、PCのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図4を参照して、PC200は、それぞれがバス208に接続され、PC200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201が実行するプログラム等を記憶するためのROM202と、CPU201の作業領域として用いられるRAM203と、PC200をネットワークに接続するためのネットワークI/F204と、大容量記憶装置としてのHDD205と、表示部206と、ユーザの操作の入力を受け付ける操作部207と、外部記憶装置209と、を含む。
【0049】
外部記憶装置209は、プログラムを記憶したCD−ROM(Compact Disc−ROM)209Aが装着される。CPU201は、外部記憶装置209を介してCD−ROM209Aに記憶されたプログラムをRAM203にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO/MD/DVD)、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROMなどの半導体メモリ等でもよい。また、HDD205に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。この場合、PC200が、ネットワーク3に接続された他のコンピュータからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD205に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0050】
本実施の形態におけるMFP100,100A〜100E各々は、電源投入後は、電力モードを通常モードに切り換え、ADFユニット110と、画像読取ユニット120と、画像形成ユニット130と、給紙ユニット140と、後処理ユニット150と、ファクシミリユニット160と、操作ユニット170と、データ通信ユニット180と、データ記憶ユニット190とのすべてを直ちに実行可能な状態とするが、省電力移行条件が成立すると、消費電力が通常モードよりも小さい省電力モードに切り換える。省電力モードは、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190各々に供給する電力を遮断する場合の他、各ユニットに部分的に電力を供給する場合、または、各ユニットに供給する電力量を減少させる場合を含む。例えば、画像形成ユニット130が、トナーを用紙に定着させる定着ローラを含む場合、省電力モードにおいては、定着ローラへの電力供給を継続し、画像形成ユニット130の定着ローラ以外の部分へ供給する電力を遮断する。また、定着ローラへ供給する電力量を減少させる省電力モードは、時間の経過とともに定着ローラの温度を段階的に低下させ、消費電力を段階的に減少させる場合を含む。なお、省電力モードを通常モードから省電力モードに切り換えるための省電力移行条件については、後述する。
【0051】
また、MFP100,100A〜00E各々は、ADFユニット110と、画像読取ユニット120と、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190各々において独立して電力モードを切り換えることが可能である。このため、MFP100,100A〜100E各々は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190ごとに、省電力移行条件が成立したか否かを判断する。
【0052】
一方、PC200,200A,200B各々は、MFP100,100A〜100Eのいずれかにジョブを実行させることができるが、MFP100,100A〜100Eのうちジョブを実行させる装置において、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190のうちジョブを実行するために用いるユニットのすべてが通常モードに設定されていることが条件となる。例えば、MFP100において、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190のすべての電力モードが、通常モードに切り換えられていれば、MFP100に、ジョブを実行させることができる。しかしながら、画像形成ユニット130の電力モードが省電力モードに切り換えられている場合は、プリントジョブを実行させることができない。また、画像形成ユニット130の電力モードが通常モードに切り換えられていても後処理ユニット150の電力モードが省電力モードに切り換えられている場合には、例えばソート処理を含むプリントジョブを実行させることはできない。
【0053】
PC200,200A,200B各々においては、ユーザがジョブを実行させるために、MFP100,100A〜100Eのいずれかを選択する段階において、MFP100,100A〜100Eのうちユーザが指定したジョブを実行するために用いられるユニットの電力モードが通常モードに切り換えられている装置を選択可能にする。このため、本実施の形態における画像形成システム1において、MFP100,100A〜100Eのうち、ユーザが指定したジョブを実行するために用いられるユニットの電力モードが省電力モードに切り換えられている装置において、省電力モードに切り換えられているユニットが通常モードに切り換えられないので、通常モードに切り換えることにより電力が消費されるのを回避することができる。
【0054】
図5は、PCが備えるCPUが有する機能の一例を、HDDに記憶されるデータとともに示すブロック図である。図5に示す機能は、PC200が備えるCPU201が、ROM202、HDD205またはCD−ROM209Aに記憶されたドライバプログラムを実行することにより、CPU201に実現される機能である。図5を参照して、HDD205には、電力テーブル261と、ユニットテーブル263とを記憶する。ここで電力テーブル261と、ユニットテーブル263について説明する。
【0055】
図6は、電力テーブルの一例を示す図である。図6を参照して、電力テーブル261は、MFP100,100A〜100Eごとに、電力供給状態を示す電力レコードを含む。ここでは、MFP100,100A〜100Eの装置識別情報を、それぞれ第1〜第6MFPとしている。電力レコードは、装置識別情報の項目と、電力供給状態の項目と、を含む。電力供給状態の項目は、ADFユニットの項目と、画像読取ユニットの項目と、画像形成ユニットの項目と、給紙ユニットの項目と、後処理ユニットの項目と、ファクシミリユニットの項目と、操作ユニットの項目と、データ通信ユニットの項目と、データ記憶ユニットの項目と、を含む。
【0056】
装置識別情報の項目には、MFP100,100A〜100E各々の装置識別情報が設定される。ADFユニットの項目はADFユニット110の電力モードが設定される。図では、電力モードが通常ユモードの場合に「○」印で示し、省電力モードの場合に「×」印で示し、ユニットを備えていない場合に「−」印で示す。画像読取ユニットの項目は、画像読取ユニット120の電力モードが設定される。画像形成ユニットの項目は、画像形成ユニット130の電力モードが設定される。給紙ユニットの項目は、給紙ユニット140の電力モードが設定される。後処理ユニットの項目は、後処理ユニット150の電力モードが設定される。ファクシミリユニットの項目は、ファクシミリユニット160の電力モードが設定される。操作ユニットの項目は、操作ユニット170の電力モードが設定される。データ通信ユニットの項目は、データ通信ユニット180の電力モードが設定される。データ記憶ユニットの項目は、データ記憶ユニット190の電力モードが設定される。
【0057】
例えば、MFP100に対応する電力レコードは、装置識別情報の項目にMFP100の装置識別情報「第1MFP」が設定された電力レコードであり、ADFユニット110、画像読取ユニット120、ファクシミリユニット160、操作ユニット170およびデータ記憶ユニット190の電力モードが省電力モードで、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180の電力モードが通常モードであることを示している。このため、MFP100は、ソート処理等の後処理を含むプリントジョブを実行可能であることが分かる。
【0058】
また、MFP100Aに対応する電力レコードは、装置識別情報の項目にMFP100Aの装置識別情報「第2MFP」が設定された電力レコードであり、画像形成ユニット120、給紙ユニット140およびファクシミリユニット160の電力モードが省電力モードで、ADFユニット110、画像読取ユニット120、後処理ユニット150、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190の電力モードが通常モードであることを示している。このため、MFP100Aは、画像読取ユニット120の電力モードが通常モードなので、ガラス面に置かれた原稿を読み取るスキャン(ガラス面)処理が実行可能であり、さらに、ADFユニット110の電力モードが通常モードなのでADFユニットに置かれた原稿を読み取るスキャン(ADF)処理が実行可能である。さらに、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190の電力モードが通常モードなので、スキャンしたデータを送信するデータ送信処理、スキャンしたデータを記憶するデータ記憶処理が実行可能である。さらに、後処理ユニット150の電力モードが通常モードなので、パンチ穴加工またはステープル加工等の後処理を実行可能である。
【0059】
図7は、ユニットテーブルの一例を示す図である。図7を参照して、ユニットテーブル263は、ジョブと、そのジョブを実行するために使用されるユニットを示すユニットレコードを含む。ユニットレコードは、ジョブ識別情報の項目と、ADFユニットの項目と、画像読取ユニットの項目と、画像形成ユニットの項目と、給紙ユニットの項目と、後処理ユニットの項目と、ファクシミリユニットの項目と、操作ユニットの項目と、データ通信ユニットの項目と、データ記憶ユニットの項目と、を含む。
【0060】
ジョブ識別情報の項目には、プリントのみするプリントジョブのジョブ識別情報「プリントジョブ(出力のみ)」、プリントした後に後処理するプリントジョブのジョブ識別情報「プリント(後処理)」、ガラス面に置かれた原稿を読み取るスキャンジョブのジョブ識別情報「スキャン(ガラス面)」、ADFユニットに置かれた原稿を読み取るスキャンジョブのジョブ識別情報「スキャン(ADF)」、ファクシミリ送信するファクシミリジョブのジョブ識別情報「FAX(送信のみ)」、ファクシミリ送信に加えてプリントするファクシミリジョブのジョブ識別情報「FAX(同時出力)」のいずれかが設定される。
【0061】
ADFユニットの項目は、ジョブが実行される際におけるADFユニット110の使用有無が設定される。図では、使用される場合に「○」印で示し、使用されない場合に「×」印で示す。画像読取ユニットの項目は、ジョブが実行される際における画像読取ユニット120の使用有無が設定される。画像形成ユニットの項目は、ジョブが実行される際における画像形成ユニット130の使用有無が設定される。給紙ユニットの項目は、ジョブが実行される際における給紙ユニット140の使用有無が設定される。後処理ユニットの項目は、ジョブが実行される際における後処理ユニット150の使用有無が設定される。ファクシミリユニットの項目は、ジョブが実行される際におけるファクシミリユニット160の使用有無が設定される。操作ユニットの項目は、ジョブが実行される際における操作ユニット170の使用有無が設定される。データ通信ユニットの項目は、ジョブが実行される際におけるデータ通信ユニット180の使用有無が設定される。データ記憶ユニットの項目は、ジョブが実行される際におけるデータ記憶ユニット190の使用有無が設定される。
【0062】
例えば、プリントのみするプリントジョブに対応するユニットレコードは、ジョブ識別情報の項目にジョブ識別情報「プリントジョブ(出力のみ)」が設定されたユニットレコードであり、プリントのみするプリントジョブが実行される際に、画像形成ユニット130、給紙ユニット140およびデータ通信ユニット180が使用され、ADFユニット110、画像読取ユニット120、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170およびデータ記憶ユニット190が使用さないことを示している。
【0063】
このため、ジョブが特定されると、図7に示すユニットテーブル263を参照して、特定されたジョブを実行するために使用されるユニットを特定することができる。また、特定されたジョブを実行するために使用されるユニットが特定されると、図6に示す電力テーブル261を参照して、MFP100,100A〜100Eのうちから特定されたユニットの電力モードが通常モードの装置を特定することができる。
【0064】
図5に戻って、PC200が備えるCPU201は、電力テーブルを取得する電力テーブル取得部251と、ジョブを生成するジョブ生成部253と、ジョブを実行する実行装置を選択する実行装置選択部255と、生成されたジョブを実行装置に送信するジョブ送信部257と、を含む。
【0065】
ジョブ生成部253は、PC200を操作するユーザが、操作部207を操作して、ジョブを実行するための条件を入力すれば、入力された条件に従ってジョブを生成する。例えば、文字編集のアプリケーションプログラムを実行し、生成された文字データをプリントするためのプリント条件を入力すれば、文字データをプリントするためのプリントジョブを生成する。プリント条件は、例えば、部数、用紙サイズ、用紙の方向、画像の配置の用紙への配置方向および配置位置、ソート、ステープルの有無等を含む。また、ユーザが操作部207に原稿をスキャンするスキャン条件を入力すれば、原稿を読み取るスキャンジョブを生成する。スキャン条件は、例えば、原稿サイズ、原稿の種類(文字、写真、図形)、原稿のカラー/モノクロの別、出力先を特定する情報を含む。さらに、ユーザが操作部207に、ファクシミリ送信するためのファクシミリ送信条件を入力すれば、ファクシミリ送信ジョブを生成する。ファクシミリ送信条件は、ファクシミリ送信の対象となるデータを特定する情報、ファクシミリの送信先を特定するファクシミリ番号等を含む。ジョブ生成部253は、生成したジョブを、実行装置選択部255およびジョブ送信部257に出力する。
【0066】
電力テーブル取得部251は、ネットワークI/F204を制御して、MFP100,100A〜100Eのいずれかから電力供給状態を受信する。電力テーブル取得部251は、電力供給状態を受信すると、受信された電力供給状態と、MFP100〜100Eのうちから電力供給状態を送信してきた装置を識別するための装置識別情報を取得する。そして、受信された電力供給状態と、取得された装置識別情報とを用いて、HDD205に記憶された電力テーブル261を更新する。具体的には、取得された装置識別情報と同じ装置識別情報が、装置識別情報の項目に設定された電力レコードを特定し、特定した電力レコードの電力供給状態の項目を、受信された電力供給状態で更新する。
【0067】
実行装置選択部255は、ジョブ生成部253からジョブが入力されると、HDD205に記憶されたユニットテーブル263を参照して、入力されるジョブを実行するために使用されるユニットを特定する。次に、実行装置選択部255は、は、HDD205に記憶された電力テーブル261を参照して、MFP100,100A〜100Eのうちから特定されたユニットの電力モードが通常モードのMFPを特定する。例えば、ジョブ生成部253から入力されるジョブが、プリントのみするプリントジョブの場合、図7に示したユニットテーブル263から、ジョブ識別情報の項目にジョブ識別情報「プリントジョブ(出力のみ)」が設定されたユニットレコードを抽出し、プリントのみするプリントジョブを実行する場合に使用されるユニットとして、画像形成ユニット130、給紙ユニット140およびデータ通信ユニット180を特定する。次に、図6に示した電力テーブル261を参照して、画像形成ユニット130、給紙ユニット140およびデータ通信ユニット180各々の電力モードがすべて通常モードに設定されている電力レコードを抽出する。図6に示した電力テーブル261においては、装置識別情報の項目に装置識別情報「第1MFP」が設定された電力レコードが抽出される。実行装置選択部255は、抽出された電力レコードの装置識別情報の項目に設定された装置識別情報「第1MFP」で特定されるMFP100を、起動装置に選択する。実行装置選択部255は、選択された起動装置MFP100の装置識別情報「第1MFP」を、ジョブ送信部257に出力する。なお、電力テーブル261から複数の電力レコードが抽出される場合、抽出された複数の電力レコードにそれぞれ設定された複数の装置識別情報のうちから1つを、PC200のユーザが選択するようにすればよい。
【0068】
MFP100A〜100Eにおいては、プリントジョブを実行するために用いられる画像形成ユニット130および給紙ユニット140の電力モードが省電力モードに切り換えられている。この状態で、MFP100A〜100Eに、プリントのみするプリントジョブを送信したと仮定すると、画像形成ユニット130および給紙ユニット140の電力モードが通常モードに切り換えられ、電力が消費されてしまう。このため、MFP100,100A〜100Eのうち、ユーザが指定したプリントのみするプリントジョブを実行するために用いられるユニットの電力モードが省電力モードに切り換えられているMFP100A〜100Eに、プリントのみするプリントジョブが送信されないようにするので、MFP100A〜100Eに各々において、プリントジョブを実行するために省電力モードに切り換えられている画像形成ユニット130および給紙ユニット140が通常モードに切り換えられないようにすることができ、その結果、不要な電力が消費されるのを回避することができる。
【0069】
本実施の形態における画像形成システム1においては、PC200,200A,200B各々においてMFP100,100A〜100Eのうちからジョブを送信する起動装置を選択することができるように、MFP100,100A〜100E各々が電力状態を切り換える。換言すれば、PC200,200A,200B各々において入力されるジョブを実行するために用いられるユニットの電力モードが、MFP100,100A〜100Eの少なくとも1つで通常モードとなるように、MFP100,100A〜100E各々においてADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、およびデータ通信ユニット180の電力モードを省電力モードに切り換える。
【0070】
以下、MFP100,100A〜100E各々において、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、およびデータ通信ユニット180ごとに電力モードを切り換える制御について、詳細に説明する。
【0071】
図8は、第1の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を、HDD191に記憶されるデータとともに示すブロック図である。図8に示すMFP100が備えるCPU101の機能は、CPU101がROM103、HDD191またはCD−ROM93Aに記憶された電力供給状態切換プログラムを実行することにより、CPU101により実現される機能である。
【0072】
図8を参照して、MFP100が備えるCPU101は、ジョブを受け付けるジョブ受付部51と、ジョブを実行するジョブ実行部53と、電力モードを切り換える切換部55と、電力供給状態を他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bそれぞれに通知する通知部57と、他のMFP100A〜100Eのいずれかから電力供給状態を受信する電力供給状態受信部59と、電力テーブルを更新する電力テーブル更新部61と、起動装置選択部63と、起動指示部65と、を含む。
【0073】
ジョブ受付部51は、データ通信ユニット180がPC200,200A,200Bのいずれかからジョブを受信すると、受信されたジョブを受け付ける。データ通信ユニット180がPC200,200A,200Bのいずれかから受信するジョブは、プリント処理を実行するためのプリントジョブ、スキャン処理を実行するためのスキャンジョブ、データ記憶処理を実行するためのデータ記憶ジョブ、ファクシミリ送信処理を実行するためのファクシミリ送信ジョブを含む。
【0074】
また、ジョブ受付部51は、ユーザが操作ユニット170を操作する場合、操作ユニット170に入力された操作に従ってジョブを受け付ける。操作ユニット170により受け付けられるジョブは、コピー処理を実行するためのコピージョブ、スキャン処理を実行するためのスキャンジョブ、ファクシミリを送信するファクシミリ送信ジョブ、データを送信するデータ送信ジョブ、データを記憶するデータ記憶ジョブ、パンチ穴加工またはステープル加工する後処理ジョブを含む。ジョブ受付部51は、ファクシミリユニット160が外部からファクシミリデータを受信する場合、ファクシミリ受信ジョブを受け付ける。
【0075】
ジョブ受付部51は、データ通信ユニット180、操作ユニット170またはファクシミリユニット160のいずれかから受け付けられたジョブをHDD195に記憶する。これにより、HDD195にジョブが記憶される。
【0076】
ジョブ実行部53は、HDD191に記憶されたジョブ95を、記憶された順に読出し、実行する。ジョブ実行部53は、HDD191に記憶されたジョブ95の実行が終了すると、実行したジョブ95をHDD191から消去する。
【0077】
ジョブ実行部53が実行するジョブは、コピージョブ、プリントジョブ、ファクシミリ送信ジョブ、ファクシミリ受信ジョブ、データ送信ジョブ、データ受信ジョブ、データ記憶ジョブ、後処理ジョブがあり、ジョブ実行部53は、ジョブを実行する場合、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190を制御する。
【0078】
例えば、ジョブ実行部53は、プリントジョブを実行する場合は、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、およびデータ通信ユニット180を制御し、さらに、プリントジョブがソート等の後処理を定める場合は、後処理ユニット150を制御する。また、ジョブ実行部53は、スキャンジョブを実行する場合、ADFユニット110、画像読取ユニット120を制御し、スキャンしたデータを記憶する場合は、データ記憶ユニット190を制御し、スキャンしたデータを外部に送信する場合はデータ通信ユニット180を制御する。また、ジョブ実行部53は、後処理ジョブを実行する場合は、後処理ユニット150および操作ユニット170を制御する。
【0079】
切換部55は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190それぞれの電力モードを切り換える。切換部55は、MFP100に電源が投入された時点においては、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190それぞれの電力モードを通常モードに切り換える。ADFユニット110と、画像読取ユニット120と、画像形成ユニット130と、給紙ユニット140と、後処理ユニット150と、ファクシミリユニット160と、操作ユニット170と、データ通信ユニット180と、データ記憶ユニット190とは、通常モードにおいて、CPU101から指令が入力されれば直ちに処理を実行可能な状態となる。
【0080】
切換部55は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190のうち、電力モードが通常モードのユニットについて、そのユニットの電力モードを省電力移行条件が成立することを条件に、通常モードよりも消費電力の小さい省電力モードに切り換える。省電力移行条件については後述する。切換部55は、電力モードを切り換える場合、更新指示を電力テーブル更新部61および通知部57に出力する。更新指示は、電力モードを切り換えたユニットを識別するためのユニット識別情報と、切り換え後の電力モードと、を含む。
【0081】
電力モードが省電力モードの場合は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190各々に供給する電力を遮断する場合の他、ユニットに部分的に電力を供給する場合、または、ユニットに供給する電力量を減少させる場合を含む。例えば、画像形成ユニット130が、トナーを用紙に定着させる定着ローラを含む場合、省電力モードにおいては、定着ローラへの電力供給を継続し、画像形成ユニットの定着ローラ以外の部分へ供給する電力を遮断する。また、定着ローラへ供給する電力量を減少させる省電力モードは、定着ローラの温度を低い状態に保つ場合等である。
【0082】
ジョブ実行部53は、ジョブを実行するに際し、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190のうち、ジョブの実行に必要なユニットの電力モードが省電力モードならば、切換部55に電力モード切換指示を出力する。電力モード切換指示は、ユニットを識別するためのユニット識別情報を含む。ここでは、ファクシミリユニット160およびデータ通信ユニット180は、省電力モードにおいても、外部から常にデータまたはファクリミリデータを受信することができる。なお、ファクシミリユニット160およびデータ通信ユニット180は、省電力モードにおいて、外部から常にデータまたはファクリミリデータを受信することができない場合には、電力モードを省電力モードに切り換えないようにしてもよい。
【0083】
切換部55は、ジョブ実行部53から電力モード切換指示が入力されると、電力モード切換指示に含まれるユニット識別情報で特定されるユニットの電力モードを通常モードに切り換える。切換部55は、電力モードを切り換える場合、更新指示を電力テーブル更新部61および通知部57に出力する。更新指示は、電力モードを切り換えたユニットを識別するためのユニット識別情報と、切り換え後の電力モードと、を含む。
【0084】
通知部57は、切換部55から更新指示が入力されると、データ通信ユニット180を制御して、他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bそれぞれに、電力供給状態を送信する。電力供給状態は、切換部55から更新指示が入力された後における、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190それぞれの電力モードを含む。
【0085】
電力供給状態受信部59は、データ通信ユニット180を制御して、他のMFP100A〜100Eのいずれかから電力供給状態を受信する。電力供給状態受信部59は、電力供給状態を受信すると、受信された電力供給状態と、MFP100A〜100Eのうち電力供給状態を送信してきた装置を識別するための装置識別情報との組を電力テーブル更新部61に出力する。
【0086】
電力テーブル更新部61は、切換部55から更新指示が入力される場合、または、電力供給状態受信部59から電力供給状態と装置識別情報との組が入力される場合、いずれかの入力に応じて、HDD191に記憶された電力テーブル261を更新する。ここで、電力テーブル261は、図6に示した電力テーブル261と同じである。画像形成システム1において、共通の電力テーブル261が用いられ、MFP100,100A〜100DおよびPC200,200A,200B各々に、共通の電力テーブル261が記憶される。
【0087】
次に、切換部55が、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190各々の電力モードを省電力モードに切り換えるか否かを判断する際に用いる省電力移行条件について説明する。
【0088】
省電力移行条件は、第1の条件と第2の条件とを含み、第1の条件と第2の条件とがともに成立する場合に、省電力移行条件が成立する。第1の条件は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190各々において、処理が実行されない期間がしきい値以上となることにより成立する。例えば、ユーザが操作ユニット170にジョブを入力する操作をすることなく、かつ、PC200,200A,200Bのいずれかからもジョブを受信することなく、しきい値を超える時間が経過する場合に、第1の条件が成立する。
【0089】
また、第1の条件の成立を判断するためのしきい値は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190間で、異なるようにしてもよいし、同じにしてもよい。例えば、省電力モードから通常モードに切り換えられた後に、処理を実行可能になるまでの起動時間が、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190によって異なる。このため、起動時間が短いユニットは、しきい値を小さくし、起動時間が長いユニットは、しきい値を長くするようにすることができる。
【0090】
切換部55は、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190のうち、第1の条件が成立したユニットが存在する場合、HDD191に記憶されている電力テーブル261を参照して、第1の条件が成立したユニットと同じ機能を実行するユニットが他のMFP100A〜100Eの少なくとも1つで通常モードに設定されているならば、第2の条件が成立すると判断する。
【0091】
このため、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190のうち、第1の条件が成立したユニットの電力モードを省電力モードに切り換えた場合であっても、他のMFP100A〜100Eの少なくとも1つで、MFP100において省電力モードに切り換えたユニットと同じ機能を有するユニットの電力モードが通常モードに設定された状態となる。その結果、MFP100,100A〜100Eの少なくとも1つで、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180、およびデータ記憶ユニット190各々が有する機能を実行可能な状態を実現することができる。
【0092】
このため、PC200,200A,200B各々において、MFP100,100A〜100Eのいずれかを選択して、ジョブを実行させることができる。一方で、MFP100,100A〜100Eのうち1つにジョブが集中する場合がある。例えば、MFP100の画像形成ユニット130の電力モードが通常モードであり、MFP100A〜100E各々において、MFP100の画像形成ユニット130と同じ機能の画像形成ユニットの電力モードが省電力モードの場合、PC200,200A,200B各々からプリントジョブがMFP100のみにしか送信できない。その結果、MFP100にプリントジョブが蓄積され、MFP100の負荷が増大する。
【0093】
このため、起動装置選択部63は、HDD191に記憶されるジョブ95の処理量を監視しており、HDD191に蓄積されるジョブ95の処理量が所定量以上になると、MFP100A〜100Eのうちから起動装置を選択する。起動装置は、MFP100のHDD191に蓄積されたジョブ95を実行するために用いられるユニット、ここでは、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180、と同じ機能のユニットの電力モードを通常モードに切り換える装置である。
【0094】
起動装置選択部63は、HDD191に記憶された電力テーブル261を参照して、起動装置を選択する。起動装置選択部63は、自装置以外のMFP100A〜100Eのうちから、MFP100のHDD191に蓄積されたジョブ95を実行するために用いられるユニットであって、電力モードが省電力モードのユニットの数が最小の装置を、起動装置として選択する。
【0095】
ここで、HDD191に、図6に示した電力テーブル261が記憶されている場合を例に説明する。MFP100のHDD191に蓄積されたジョブ95を実行するために用いられるユニットは、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180である。MFP100Aにおいては、画像形成ユニット、給紙ユニット各々の電力モードが省電力モードであるが、後処理ユニットおよびデータ通信ユニット各々の電力モードが通常モードである。このため、MFP100Aの省電力モードのユニット数は「2」である。一方、MFP100B〜100E各々においては、画像形成ユニット、給紙ユニットおよび後処理ユニット各々の電力モードが省電力モードであるが、データ通信ユニット各々の電力モードが通常モードである。このため、省電力モードのユニット数は「3」である。この場合、起動装置選択部63は、省電力モードのユニット数が最小のMFP100Aを起動装置に選択する。
【0096】
起動装置選択部63は、起動装置MFP100Aを選択すると、送信指示を起動指示部65に出力する。送信指示は、起動装置MFP100Aの装置識別情報と、電力モードを切り換えるユニット、ここでは、画像形成ユニットおよび給紙ユニット各々のユニット識別情報とを含む。
【0097】
起動指示部65は、起動装置選択部63から送信指示が入力されると、起動指示を、送信指示に含まれる装置識別情報で特定される起動装置MFP100Aに、データ通信ユニット180を介して送信する。起動指示は、電力モードを切り換えるユニット、ここでは、画像形成ユニットおよび給紙ユニット各々のユニット識別情報を含む。起動指示を受信するMFP100Aにおいては、起動指示に含まれる画像形成ユニットおよび給紙ユニット各々のユニット識別情報に基づいて、画像形成ユニットおよび給紙ユニットの電力モードを、通常モードに切り換える。これにより、MFP100と、MFP100Aとにおいて、プリントジョブを実行することが可能となるので、PC200,200A,200B各々からプリントジョブがMFP100にしか送信できない状態が解消される。その結果、プリントジョブがMFP100Aにも送信される場合があるので、MFP100の負荷が低減する場合があり、1つのMFP100にジョブが集中する状態を解消することができる。
【0098】
逆に、MFP100A〜100Eのいずれかから起動指示がMFP100に送信される場合がある。ここで、MFP100,100A〜100Eの電力供給状態を仮定する。MFP100において、画像形成ユニット130、給紙ユニット140各々の電力モードが省電力モードであるが、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180各々の電力モードが通常モードであり、MFP100Aにおいて、画像形成ユニット、給紙ユニット、後処理ユニットおよびデータ通信ユニットのすべての電力モードが通常モードであり、MFP100B〜100E各々において、画像形成ユニット、給紙ユニット、後処理ユニットおよびデータ通信ユニットのすべての電力モードが省電力モードと仮定する。
【0099】
この仮定の場合、MFP100Aにおいてプリントジョブが集中するので、MFP100Aに蓄積されたプリントジョブが所定量以上になると、MFP100の省電力モードのユニット数は「2」であり、MFP100B〜100E各々の省電力モードのユニット数は「4」なので、MFP100Aは、起動装置MFP100に起動指示を出力する。この場合の、起動指示は、画像形成ユニット130、給紙ユニット140各々のユニット識別情報を含む。
【0100】
起動指示受信部67は、データ通信ユニット180を制御して、MFP100Aが送信する起動指示を受信する。起動指示受信部67は、起動指示を受信すると、切換部55に電力モード切換指示を出力する。電力モード切換指示は、受信された起動指示に含まれる画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々のユニット識別情報を含む。
【0101】
切換部55は、起動指示受信部67から電力モード切換指示が入力されると、電力モード切換指示に含まれるユニット識別情報で特定される画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々の電力モードを通常モードに切り換える。切換部55は、電力モードを切り換える場合、更新指示を電力テーブル更新部61および通知部57に出力する。更新指示は、電力モードを切り換えた画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々のユニット識別情報と、切り換え後の電力モード(通常モード)と、を含む。電力テーブル更新部61は、入力される更新指示にしたがって、電力テーブル261を更新し、通知部57は、入力される更新指示に従って、他のMFP100A〜100E、PC200,200A,200Bそれぞれに、電力供給状態を送信する。
【0102】
図9は、電力供給状態切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。電力供給状態切換処理は、MFP100が備えるCPU101がROM103、HDD191またはCD−ROM93Aに記憶された電力供給状態切換プログラムを実行することにより、CPU101により実行される処理である。
【0103】
図9を参照して、電力供給状態を受信したか否かを判断する(ステップS01)。データ通信ユニット180が、他のMFP100A〜100Eのいずれかから電力供給状態を受信したか否かにより判断する。データ通信ユニット180が電力供給状態を受信する場合、MFP100A〜100Eのうち電力供給状態を送信してきた装置を識別するための装置識別情報を取得する。電力供給状態を受信したならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければステップS02をスキップして処理をステップS03に進める。
【0104】
ステップS02においては、HDD191に記憶された電力テーブル261を更新し、処理をステップS03に進める。具体的には、ステップS01において受信された電力供給状態を送信してきた装置識別情報と同じ装置識別情報が装置識別情報の項目に設定された電力レコードを電力テーブル261から特定し、特定した電力レコードの電力供給状態の項目を、ステップS01において受信された電力供給状態で書き換える。
【0105】
ステップS03においては、ジョブを受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、PC200,200A,200Bのいずれかからジョブを受信すると、受信されたジョブを受け付ける。ジョブを受信したならば処理をステップS04に進めるが、そうでなければステップS04をスキップして処理をステップS05に進める。ステップS04においては、ステップS03において受信されたジョブをHDD191に一時記憶する。これにより、HDD191にジョブ95が記憶される。
【0106】
ステップS05においては、処理対象とするジョブが存在するか否かを判断する。HDD191にジョブ95が記憶されているか否かによりを判断する。HDD191にジョブ95が記憶されているならば、ジョブを処理対象に設定し、処理をステップS06に進めるが、HDD191にジョブ95が記憶されていなければ処理をステップS13に進める。HDD191に複数のジョブ95が記憶されている場合、最初に記憶されたジョブ95を処理対象に設定する。
【0107】
次のステップS06においては、処理対象に設定されたジョブ95をHDD191から読み出す。そして、そのジョブを実行する場合に使用されるユニットを特定する。ここでは、プリントした後に後処理するプリントジョブが処理対象に設定された場合を例に説明する。この場合は、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180を、使用されるユニットとして特定する。以下、使用されるユニットとして特定さるユニットを、特定ユニットという。
【0108】
ステップS08においては、HDD195に記憶されているジョブ95の処理量が所定量以上か否かを判断する。HDD191に複数のジョブ95が記憶されている場合があり、この場合には複数のジョブ95すべてを処理した場合の処理量を算出し、算出した処理量が所定量以上か否かを判断する。ジョブ95の処理量が所定量以上ならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければステップS09をスキップして処理をステップS10に進める。
【0109】
ステップS09においては、起動処理を実行し、処理をステップS10に進める。起動処理の詳細は後述するが、他のMFP100A〜100Eのうちから起動装置を選択する処理である。次のステップS10においては、ステップS06において読み出されたジョブ95を実行する。そして、ステップS11において、実行したジョブ95を、HDD191から消去する。
【0110】
次のステップS12においては、特定ユニットに対応するタイマをリセットする。具体的には、特定ユニットに対応するタイマの値を「0」に設定し、タイマによる計時を開始する。タイマは、ジョブの実行が修了してから経過する時間、換言すれば、ユニットが駆動しない時間を計時する。タイマは、ユニットごとに設けられるので、複数のユニットが特定ユニットとされる場合には、複数の特定ユニット各々に対応するタイマをリセットする。ここでは、画像形成ユニット130に対応するタイマ、給紙ユニット140に対応するタイマ、後処理ユニット150に対応するタイマおよびデータ通信ユニット180に対応するタイマを、それぞれリセットする。
【0111】
ステップS13においては、省電力モード切換処理を実行する。省電力モード切換処理の詳細は、後述するが、MFP100が備える複数のユニット、ADFユニット110と、画像読取ユニット120と、画像形成ユニット130と、給紙ユニット140と、後処理ユニット150と、ファクシミリユニット160と、操作ユニット170と、データ通信ユニット180と、データ記憶ユニット190のうち省電力移行条件が成立したユニットの電力モードを省電力モードに切り換える処理である。
【0112】
次のステップS14においては、起動指示を受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、他のMFP100A〜100Eのいずれかから起動指示を受信したか否かを判断する。起動指示を受信したならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS15においては、起動指示により特定されるユニットの電力モードを通常モードに切り換える。そして、電力モードを切り換えたユニットについて、電力ケーブルを更新する(ステップS16)。次のステップS17においては、電力供給状態を通知し、処理をステップS01に戻す。具体的には、他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bに、データ通信ユニット180を介して、更新後の電力供給状態を送信する。
【0113】
なお、ユーザが操作ユニット170にジョブを入力する場合、CPU101は、入力されたジョブを受け付け、受け付けられたジョブを実行する。CPU101が、操作ユニット170に入力されたジョブを実行する場合、そのジョブを実行するために使用されるユニットの電力モードが省電力モードならば、電力モードを通常モードに切り換える。この場合においても、CPU101は、HDD191に記憶された電力テーブル261を更新するとともに、更新後の電力供給状態を、他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bに送信する。さらに、ジョブの実行が終了すると、そのジョブを実行するために使用されたユニットに対応するタイマをリセットする。
【0114】
図10は、起動処理の流れの一例を示すフローチャートである。起動処理は、図9のステップS09において、実行される処理であり、起動処理が実行される前のステップS07において、処理対象に設定されたジョブを実行するために用いられる特定ユニットが特定されている。
【0115】
図10を参照して、HDD191に記憶された電力テーブル261を読み出す(ステップS21)。そして、電力テーブルを参照して、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要な特定ユニットの数を、装置ごとに集計する(ステップS22)。具体的には、他のMFP100A〜100Eそれぞれの電力レコードを参照して、電力モードが省電力モードに設定されている特定ユニットの数をカウントする。図6に示した電力テーブル261がHDD191に記憶されている場合、プリントした後に後処理するプリントジョブが処理対象に設定されているので、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、およびデータ通信ユニット180が特定ユニットである。MFP100Aにおいては、画像形成ユニット、給紙ユニット各々の電力モードが省電力モードであるが、後処理ユニットおよびデータ通信ユニット各々の電力モードが通常モードである。このため、MFP100Aにおいて、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要な特定ユニットの数は「2」である。一方、MFP100B〜100E各々においては、画像形成ユニット、給紙ユニットおよび後処理ユニット各々の電力モードが省電力モードであるが、データ通信ユニット各々の電力モードが通常モードであり、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要な特定ユニットの数は「3」である。
【0116】
次のステップS23においては、集計値が最小の装置を起動装置に選択する。この場合、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要な特定ユニットの数が最も小さい「2」のMFP100Aを起動装置に選択する。
【0117】
次のステップS24においては、起動装置に起動指示を送信し、処理を電力供給状態切換処理に戻す。起動指示は、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要な特定ユニットを識別するためのユニット識別情報を含む。ここでは、起動装置MFP100Aに、画像形成ユニットおよび給紙ユニット各々のユニット識別情報を含む起動指示をデータ通信ユニット180を介して送信する。
【0118】
図11は、省電力モード切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。省電力モード切換処理は、図9のステップS13において、実行される処理である。図11を参照して、CPU101は、変数iに「1」を設定する。変数iは、MFP100が備えるADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190のいずれかを特定する値が入力される。ここでは、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット、30、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190の順に、ユニットを選択し、選択された順番でユニットを特定する。具体的には、第1番目にADFユニット110を選択し、第2番目に画像読取ユニット120を選択し、第3番目に画像形成ユニット130を選択し、第4番目に給紙ユニット140を選択し、第5番目に後処理ユニット150を選択し、第6番目にファクシミリユニット160を選択し、第7番目に操作ユニット170を選択し、第8番目にデータ通信ユニット180を選択し、第9番目にデータ記憶ユニット190を選択する。
【0119】
次のステップS32においては、第i番目のユニットを選択する。そして、第i番目に選択されたユニットに対応するタイマの値Viがしきい値Ti以上か否かを判断する(ステップS33)。換言すれば、第i番目に選択されたユニットに対して第1の条件が成立するか否かを判断する。Viは、第i番目に選択されたユニットに対応するタイマの値を示し、Tiは、第i番目に選択されたユニットに対応した予め定められたしきい値を示す。タイマの値Viがしきい値Ti以上ならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS36に進める。
【0120】
ステップS34においては、HDD191に記憶された電力テーブル261を参照して、第i番目に選択されたユニットと同じ機能のユニットであって、電力モードが通常モードのユニットが、他のMFP100A〜100Eのいずれかに存在するか否かを判断する。換言すれば、第i番目に選択されたユニットに対して第2の条件が成立するか否かを判断する。第i番目に選択されたユニットと同じ機能のユニットであって、電力モードが通常モードのユニットが他のMFP100A〜100Eのいずれかに存在すれば処理をステップS35に進める。一方、第i番目に選択されたユニット同じ機能のユニットが、他のMFP100A〜100Eのいずれにおいても電力モードが省電力モードならば処理をステップS36に進める。
【0121】
ステップS35においては、第i番目に選択されたユニットの電力モードを省電力モードに切り換え、処理をステップS36に進める。ステップS36においては、次に選択するべきユニットが存在するか否かを判断する。未選択のユニットが存在するならば処理をステップS37に進めるが、存在しなければ処理をステップS38に進める。ステップS37においては、変数iをインクリメントし、処理をステップS32に戻す。
【0122】
ステップS38においては、HDD191に記憶された電力テーブル261を、電力モードを省電力モードに変更した後の電力供給状態で更新し、処理をステップS39に進める。ステップS39においては、電力供給状態を通知し、処理を電力供給状態切換処理に戻す。具体的には、他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bに、データ通信ユニット180を介して、更新後の電力供給状態を送信する。
【0123】
<第2の実施の形態>
上述した第1の実施の形態における画像形成システム1においては、MFP100,100A〜100Eのうち負荷の増大したMFP100において、他のMFP100A〜100Eのうちから起動装置を選択し、起動装置に起動指示を送信するようにした。第2の実施の形態における画像形成システム1においては、MFP100,100A〜100Eのうち負荷の増大したMFP100において、他のMFP100A〜100Eのすべてに、起動を依頼し、起動が依頼されたMFP100A〜100E間で、起動装置を決定するようにしたものである。
【0124】
第2の実施の形態における画像形成システム1の全体概要は、図1に示したブロック図と同じである。第2の実施の形態におけるMFP100,100A〜100E各々の外観およびハードウエア構成は、図2および図3にそれぞれ示したのと同じである。したがって、ここでは、説明を繰り返さない。
【0125】
ここでは、図6に示した電力テーブル261がHDD191に記憶されている場合を例に説明する。この場合、上述したのと同様に、PC200,200A,200B各々において、MFP100,100A〜100Eのいずれかを選択して、プリントジョブを実行させる場合、MFP100にプリントジョブが蓄積され、MFP100の負荷が増大する。
【0126】
図12は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の概要を示すブロック図である。図12を参照して、図8に示した機能と異なる点は、切換部55が切換部55Aに変更された点、起動装置選択部63および起動指示部65が削除された点、依頼部71、依頼受信部73および判断部75が追加された点である。その他の機能は、図8に示した機能と同じなので、ここでは異なる点を主に説明する。
【0127】
依頼部71は、HDD191に記憶されるジョブ95の処理量を監視しており、HDD191に蓄積されるジョブ95の処理量が所定量以上になると、MFP100A〜100Eのすべてにデータ通信ユニット180を介して起動依頼を送信する。起動依頼は、MFP100のHDD191に蓄積されたジョブ95を実行するために用いられるユニット、ここでは、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180各々のユニット識別情報を含む。
【0128】
以下の説明では、図12に示した依頼受信部73、判断部75および切換部55Aについて、MFP100Aが備えるCPU101の機能として説明する。MFP100Aが備える依頼受信部73は、データ通信ユニット180が、MFP100,100B〜100Eのいずれかから起動依頼を受信する場合、起動依頼を取得する。ここでは、MFP100が起動依頼を送信するので、MFP100から起動依頼を受信する。MFP100Aの依頼受信部73は、起動依頼を取得すると、起動依頼に含まれるユニット識別情報を、判断部75に出力する。
【0129】
判断部75は、HDD191に記憶された電力テーブル261を参照して、依頼受信部73から入力されるユニット識別情報で特定されるユニットを特定する。ここでは、起動依頼に含まれるユニット識別情報によって、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180が特定される。そして、判断部75は、特定したユニットであって、電力モードが省電力モードのユニットの数が、自装置が最小か否かを判断する。MFP100Aにおいては、画像形成ユニット130、給紙ユニット140各々の電力モードが省電力モードであるが、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180各々の電力モードが通常モードである。このため、MFP100Aの省電力モードのユニット数は「2」である。一方、MFP100B〜100Eにおいては、画像形成ユニット130、給紙ユニット140および後処理ユニット150の電力モードが省電力モードであるが、データ通信ユニット180の電力モードが通常モードである。このため、MFP100B〜100E各々の省電力モードのユニット数は「3」である。この場合、判断部75は、省電力モードのユニット数が自装置において最小と判断する。
【0130】
判断部75は、起動依頼に含まれるユニット識別情報によって特定される画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180であって、電力モードが省電力モードの画像形成ユニット130、給紙ユニット140の電力モードを通常モードに切り換えるために、切換部55Aに電力モード切換指示を出力する。電力供給状態切換指示は、起動依頼に含まれるユニット識別情報によって特定される画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180であって、電力モードが省電力モードの画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々のユニット識別情報を含む。
【0131】
切換部55Aは、判断部75から電力供給状態切換指示が入力されると、電力供給状態切換指示に含まれるユニット識別情報で特定される画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々の電力モードを通常モードに切り換える。切換部55Aは、電力モードを切り換える場合、更新指示を電力テーブル更新部61および通知部57に出力する。更新指示は、電力モードを切り換えた画像形成ユニット130および給紙ユニット140各々のユニット識別情報と、切り換え後の電力モード(通常モード)と、を含む。電力テーブル更新部61は、入力される更新指示にしたがって、電力テーブル261を更新し、通知部57は、入力される更新指示に従って、他のMFP100,100B〜100E、PC200,200A,200Bそれぞれに、電力供給状態を送信する。
【0132】
判断部75が省電力モードのユニット数が自装置において最小と判断する場合に、省電力モードのユニット数が最小となる装置が、自装置を含めて複数存在する場合がある。例えば、MFP100Bにおける省電力モードのユニット数が、MFP100Aの省電力モードのユニット数と同じになる場合である。この場合、MFP100Aの判断部75は、MFP100Bの判断部との間で通信し、いずれが電力モードを通常モードに切り換えるかを決定する。そして、MFP100Aの判断部75は、自装置が電力モードを通常モードに切り換えることを決定した場合は、上記と同様に、切換部55Aに電力モード切換指示を出力するが、自装置が電力モードを通常モードに切り換えることを決定しない場合は、切換部55Aに電力モード切換指示を出力しない。
【0133】
判断部75が、MFP100Bの判断部との間で通信し、いずれが電力モードを通常モードに切り換えるかを決定する方法は、周知の方法を用いることができる。なお、判断部75は、省電力モードのユニット数が自装置において最小と判断する場合、自装置を含む複数の装置で電力モードを通常モードに切り換えるようにしてもよい。
【0134】
図13は、第2の実施の形態における電力供給状態切換処理の流れの一例を示すフローチャートである。図13に示す電力供給状態切換処理は、第2の実施の形態におけるMFP100が備えるCPU101が、ROM103、HDD191またはCD−ROM93Aに記憶された電力供給状態切換プログラムを実行することにより、CPU101により実現される処理である。図13を参照して、図9に示す電力供給状態切換処理と異なる点は、ステップS09に代えて、ステップS09Aが実行される点、ステップS14〜ステップS17に代えてステップS50が実行される点、である。その他の処理は、図9に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0135】
CPU101が処理をステップS09Aに進める場合は、ステップS08において、HDD191に記憶されるジョブ95の処理量が所定量以上になる場合である。ステップS09Aにおいては、MFP100A〜100Eのすべてにデータ通信ユニット180を介して起動依頼を送信する。起動依頼は、MFP100のHDD191に蓄積されたジョブ95を実行するために用いられるユニット、ここでは、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150およびデータ通信ユニット180各々のユニット識別情報を含む。
【0136】
ステップS50においては、起動可否判断処理を実行し、処理をステップS01に戻す。
【0137】
図14は、起動可否判断処理の流れの一例を示すフローチャートである。起動可否判断処理は、図13のステップS50において実行される処理である。図14を参照して、ステップS51において、起動依頼を受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、他のMFP100A〜100Eのいずれかから起動依頼を受信したか否かを判断する。起動依頼を受信したならば処理をステップS52に進めるが、そうでなければ処理を電力供給状態切換処理に戻す。
【0138】
ステップS52において、起動依頼で特定されるユニットを抽出する。起動依頼に含まれるユニット識別情報のユニットを処理対象として抽出する。そして、HDD191に記憶された電力テーブル261を読み出す(ステップS53)。そして、電力テーブルを参照して、ステップS52において抽出されたユニットのうちで、電力モードを省電力モードから通常モードへ切換が必要なユニットの数を、装置ごとに集計する。具体的には、他のMFP100A〜100Eそれぞれの電力レコードを参照して、ステップS52において抽出されたユニットであって、電力モードが省電力モードに設定されているユニットの数をカウントする。
【0139】
次のステップS55においては、自装置の集計値が最小か否かを判断する。ステップS54において集計した結果、自装置の集計地が最小ならば処理をステップS56に進めるが、そうでなければ処理を電力供給状態切換処理に戻す。ステップS56においては、集計値が最小となる装置が複数か否かを判断する。集計値が最小となる装置が自装置を含めて複数ならば処理をステップS57に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に進める。
【0140】
ステップS57においては、起動予告を送信する。データ通信ユニット180を介して、ステップS54において集計した集計値が最小となる他の装置に、起動予告を送信する。起動予告は、自装置が電力モードを通常モードに切り換えることの予告である。
【0141】
ステップS58においては、起動予告を送信した装置から了承通知を受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、ステップS57において起動予告を送信した装置から了承通知を受信したか否かを判断する。了承通知を受信したならば処理をステップS59に進めるが、そうでなければ処理をステップS63に進める。ステップS59においては、ステップS58において受信された了承通知を送信してきた装置に、起動通知を送信し、処理をステップS60に進める。ステップS60においては、ステップS52において抽出されたユニットのすべての電力モードを通常モードに切り換える。そして、電力モードを切り換えたユニットについて、電力ケーブルを更新する(ステップS61)。次のステップS62においては、電力供給状態を通知する。具体的には、他のMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200Bに、データ通信ユニット180を介して、更新後の電力供給状態を送信する。そして、し、起動可否判断処理を終了し、処理を電力供給状態切換処理に戻す。
【0142】
一方、ステップS63においては、起動予告を受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、他のMFP100A〜100Eのいずれかから起動予告を受信したならば、処理をステップS64に進めるが、そうでなければ処理をステップS58に戻す。ステップS64においては、ステップS57において送信した起動予告に付されたタイムスタンプの時刻が、ステップS63において受信された起動予告に付されたタイムスタンプの時刻よりも前か否かを判断する。送信した起動予告に付されたタイムスタンプの時刻が、受信された起動予告に付されたタイムスタンプの時刻よりも前ならば処理をステップS58に戻すが、後ならば処理をステップS65に進める。ステップS65においては、了承通知を、ステップS63において受信された起動予告を送信してきた装置に送信し、処理をステップS66に進める。
【0143】
ステップS66においては、起動通知を受信したか否かを判断する。データ通信ユニット180が、ステップS63において受信された起動予告を送信してきた装置から起動通知を受信したか否かを判断する。起動通知を受信するまで待機状態となり(ステップS66でNO)、起動通知を受信したならば、起動可否判断処理を終了し、処理を電力供給状態切換処理に戻す。起動通知を送信してきた他の装置において、ステップS52において抽出されたユニットのすべての電力モードが通常モードに切り換えられたため、自装置MFP100において電力モードを切り換える必要がないからである。
【0144】
なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、MFP100,100A〜100D各々においては、ADFユニット110、画像読取ユニット120、画像形成ユニット130、給紙ユニット140、後処理ユニット150、ファクシミリユニット160、操作ユニット170、データ通信ユニット180およびデータ記憶ユニット190の電力モードを切り換えると、電力供給状態を他のすべての装置に送信するようにして、MFP100,100A〜100EおよびPC200,200A,200Bで、共通の電力テーブル261を記憶するようにした。これに代えて、MFP100,100A〜100D各々が電力供給状態を、サーバ300のみに送信するようにして、サーバ300において電力テーブル261を集中して管理するようにしてもよい。この場合には、MFP100,100A〜100EおよびPC200,200A,200B各々がサーバ300から電力テーブル261を取得するようにし、MFP100,100A〜100Eの電力供給状態を検出することができる。
【0145】
また、MFP100,100A〜100Eのうち1つをマスタ装置とし、他のすべてをスレーブ装置とし、スレーブ装置が電力供給状態をマスタ装置に送信するようにし、マスタ装置で電力テーブルを集中して管理するようにしてもよい。例えば、MFP100がマスタ装置となる場合、スレーブ装置であるMFP100A〜100EおよびPC200,200A,200B各々がマスタ装置MFP100から電力テーブル261を取得するようにし、MFP100,100A〜100Eの電力供給状態を検出することができる。
【0146】
なお、上述した実施の形態においては、画像形成システム1について説明したが、図9〜図11に示した第1の実施の形態における電力供給状態切換処理、または図13および図14に示した第2の実施の形態における電力供給状態切換処理を、MFP100,100A〜100Eにそれぞれ実行させる電力供給状態切換方法、または、それらの電力供給状態切換方法を、MFP100,100A〜100E各々が備えるCPU111に実行させる電力供給状態切換プログラムとして、発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0147】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<付記>
(1) 前記画像形成システムは、サーバをさらに含み、
前記複数の画像形成装置それぞれは、さらに、前記電力供給状態が変更される場合、前記サーバに、変更後の電力供給状態を通知する通知手段を、備え、
前記サーバは、前記複数の画像形成装置のいずれから該画像形成装置の電力供給状態の通知を受信する場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを更新する更新手段を、備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成システム。
【0148】
(2) 前記複数の画像形成装置は、少なくとも1つのマスタ装置と前記マスタ装置以外の1以上のスレーブ装置とを含み、
前記1以上のスレーブ装置それぞれは、さらに、前記電力供給状態が変更される場合、前記少なくとも1つのマスタ装置に、変更後の電力供給状態を通知する通知手段を備え、
前記少なくとも1つのマスタ装置それぞれは、さらに、前記1以上のスレーブ装置のいずれかから前記電力供給状態の通知を受信する場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを更新する更新手段を備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成システム。
【符号の説明】
【0149】
1 画像形成システム、3 ネットワーク、51 ジョブ受付部、53 ジョブ実行部、55,55A 切換部、57 通知部、59 電力供給状態受信部、61 電力テーブル更新部、63 起動装置選択部、65 起動指示部、67 起動指示受信部、71 依頼部、73 依頼受信部、75 判断部、100,100A〜100E MFP、101 CPU、102 RAM、103 ROM、111 原稿給紙トレイ、112 原稿排紙トレイ、110 ADFユニット、120 画像読取ユニット、130 画像形成ユニット、140 給紙ユニット、150 後処理ユニット、160 ファクシミリユニット、170 操作ユニット、171 表示部、173 操作部、180 データ通信ユニット、190 データ記憶ユニット、193 外部記憶装置、193A CD−ROM、200,200A,200B PC、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ネットワークI/F、205 HDD、206 表示部、207 操作部、208 バス、209 外部記憶装置、209A CD−ROM、251 電力テーブル取得部、253 ジョブ生成部、255 実行装置選択部、257 ジョブ送信部、261 電力テーブル、263 ユニットテーブル、300 サーバ。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムであって、
前記複数の画像形成装置それぞれは、
少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段と、
前記少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するジョブ実行手段と、
前記少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと前記通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換える切換手段と、を備え、
前記切換手段は、前記通常モードから前記省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段であって、前記複数の画像形成装置のうち他の少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を前記省電力モードに切り換える、画像形成システム。
【請求項2】
前記複数の画像形成装置それぞれは、さらに、
受け付けられるジョブを、前記ジョブ実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記複数の画像形成装置のうちの他のすべての画像形成装置のうちから、前記記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられるすべての機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択する起動装置選択手段と、
前記選択された起動装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力する起動指示手段と、を備えた請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記複数の画像形成装置それぞれは、さらに、
受け付けられるジョブを、前記処理実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、前記複数の画像形成装置のうちの他のすべての画像形成装置に前記一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼手段と、
前記ジョブ記憶手段にジョブが記憶されていない場合に、前記複数の画像形成装置のうち他のすべての画像形成装置のいずれかからモード切換依頼が受信される場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために省電力モードから通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、前記複数の画像形成装置であって前記モード切換依頼を出力した指示装置以外の装置のうちで自装置が最小か否かを判断する判断手段と、を備え、
前記切換手段は、前記判断手段により、通常モードに切り換える機能実行手段の数が、自装置が最小と判断された場合、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換える、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記複数の画像形成装置それぞれは、さらに、前記電力供給状態が変更される場合、前記複数の画像形成装置のうち他のすべての画像形成装置に、変更後の電力供給状態を通知する通知手段と、
前記電力供給状態が変更される場合、または、前記複数の画像形成装置のうち他のいずれかの画像形成装置から該画像形成装置の電力供給状態の通知を受信する場合、前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを更新する更新手段と、を備えた、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記処理実行手段が処理を実行するためのジョブを受け付けるジョブ受付手段を、さらに備え、
前記所定の条件は、前記少なくとも1つの機能実行手段ごとに定められ、前記少なくとも1つの機能実行手段各々が起動することなく、当該機能実行手段に対して定められた時間が経過することにより成立する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成システムは、前記複数の画像形成装置のいずれかにジョブを送信するジョブ送信装置を、さらに含み、
前記ジョブ送信装置は、ジョブを生成するジョブ生成手段と、
前記複数の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記複数の画像形成装置のうちに、前記少なくとも1つの機能実行手段のうち前記生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段のすべてが通常電モードの画像形成装置が存在する場合には、当該画像形成装置を選択し、前記複数の画像形成装置のうちに、前記少なくとも1つの機能実行手段のうち前記生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段のすべてが通常電モードの画像形成装置が存在しない場合には、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記生成されたジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の実行可能装置を前記複数の画像形成装置のうちから選択する実行装置選択手段と、
前記選択された実行可能装置に前記生成されたジョブを送信するジョブ送信手段と、を備える、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置であって、
少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段と、
前記少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するジョブ実行手段と、
前記少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと前記通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換える切換手段と、を備え、
前記切換手段は、前記通常モードから前記省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段であって、前記他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を前記省電力モードに切り換える、画像形成装置。
【請求項8】
受け付けられるジョブを、前記ジョブ実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記他の1以上の画像形成装置のうちから、前記記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択する起動装置選択手段と、
前記選択された起動装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力する起動指示手段と、をさらに備えた請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
受け付けられるジョブを、前記処理実行手段が実行するまでの間一時記憶するジョブ記憶手段と、
前記ジョブ記憶手段に記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、前記他の1以上の画像形成装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼手段と、
前記ジョブ記憶手段にジョブが記憶されていない場合に、前記他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために省電力モードから通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、前記他の1以上の画像形成装置であって前記モード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断する判断手段と、をさらに備え、
前記切換手段は、前記判断手段により、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換える、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置で実行される電力供給状態切換方法あって、
前記画像形成装置が備える少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するステップと、
前記少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと前記通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換えるステップと、を含み、
前記切り換えるステップは、前記通常モードから前記省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段であって、前記他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を前記省電力モードに切り換えるステップを含む、電力供給状態切換方法。
【請求項11】
ジョブが受け付けられてから前記ジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、前記受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、
前記一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記他の1以上の画像形成装置のうちから、前記記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択するステップと、
前記選択された起動装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力するステップと、をさらに含む請求項10に記載の電力供給状態切換方法。
【請求項12】
ジョブが受け付けられてから前記ジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、前記受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、
前記一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、前記他の1以上の画像形成装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼を送信するステップと、
ジョブが記憶されていない場合に、前記他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段のうち前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、前記他の1以上の画像形成装置であって前記モード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断するステップと、をさらに含み、
前記切り換えるステップは、前記判断するステップにおいて、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換えるステップを含む、請求項10に記載の電力供給状態切換方法。
【請求項13】
他の1以上の画像形成装置と通信可能な画像形成装置を制御するコンピュータで実行される電力供給状態切換プログラムあって、
前記画像形成装置が備える少なくとも1つの機能をそれぞれ実行する少なくとも1つの機能実行手段を制御して、ジョブを実行するステップと、
前記少なくとも1つの機能実行手段ごとに、通常モードと前記通常モードより消費電力の少ない省電力モードとのいずれかに電力供給状態を切り換えるステップと、を前記コンプユータに実行させ、
前記切り換えるステップは、前記通常モードから前記省電力モードに切り換えるための所定の条件が成立する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を示す電力テーブルを参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちであって、前記他の1以上の画像形成装置のうち少なくとも1つで通常モードに設定されている機能実行手段の電力供給状態を前記省電力モードに切り換えるステップを含む、電力供給状態切換プログラム。
【請求項14】
ジョブが受け付けられてから前記ジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、前記受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、
前記一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記他の1以上の画像形成装置のうちから、前記記憶されたジョブのすべてを実行するために用いられる機能を実行可能であり、省電力モードから通常電力モードに切り換える機能実行手段の数が最小の起動装置を選択するステップと、
前記選択された起動装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含む起動指示を出力するステップと、をさらに前記コンピュータに実行させる請求項10に記載の電力供給状態切換プログラム。
【請求項15】
ジョブが受け付けられてから前記ジョブを実行するステップにおいて実行されるまでの間、前記受け付けられたジョブを一時記憶するステップと、
前記一時記憶するステップにおいて記憶されたジョブの処理量が所定量以上になる場合、前記他の1以上の画像形成装置に、前記一時記憶されたジョブの種類を含むモード切換依頼を送信するモード切換依頼を送信するステップと、
ジョブが記憶されていない場合に、前記他の1以上の画像形成装置のいずれかからモード切換依頼を受信する場合、自装置および前記他の1以上の画像形成装置それぞれの電力供給状態を参照して、前記少なくとも1つの機能実行手段のうち前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために通常モードへの切換が必要な機能実行手段の数が、前記他の1以上の画像形成装置であって前記モード切換指示を出力した指示装置以外の他装置のいずれよりも自装置が小さいか否かを判断するステップと、をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記切り換えるステップは、前記判断するステップにおいて、通常モードに切り換える機能実行手段の数が他装置のいずれよりも自装置が小さいと判断された場合、前記少なくとも1つの機能実行手段のうちで前記モード切換依頼に含まれる種類のジョブを実行するために用いられる機能実行手段であって省電力モードに切り換えられている機能実行手段を通常モードに切り換えるステップを含む、請求項10に記載の電力供給状態切換プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−5292(P2013−5292A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135640(P2011−135640)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】