説明

画像形成装置、および画像形成装置の制御方法

【課題】 ユーザに意識させず、ユーザの操作性を損なわずに、各ユーザに対して最適な操作パネルの表示を行なう画像形成装置を提供する。
【解決手段】 パネルリセットキー押下のような、操作者による設定のキャンセル操作が行われた回数をカウントする。カウント値が所定の値を超えた場合は、その操作者は不慣れであると判断し、操作パネルの表示を通常の操作画面から簡易で判り易い操作画面に切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置、および画像形成装置の制御方法に関し、特に複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルを備えた画像形成装置、および画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ネットワークに接続されるMFP(Multi Function Peripheral)、複写機、ファクシミリ機、プリンタなどの装置(以下、これらを総称して「画像形成装置」と呼ぶ。)が存在している。これらの装置の中には、装置本体に設けられた操作部からパラメータの設定ができるだけでなく、ネットワークを介して外部のコンピュータ(外部機器)から各種の操作(画像形成装置の制御)ができるものがある。
【0003】
この種の画像形成装置では、操作者のユーザ名に対応するパスワードの情報を記憶装置に記憶しておき、操作部から、操作者のユーザ名およびパスワードが入力されると、記憶装置を参照して操作者を認証する。すなわち、画像形成装置の使用に際し、ユーザ名とパスワードとを操作部から入力させ、認証がなされた場合に、装置の使用を許可するようになっている。
【0004】
画像形成装置の分野において、下記の特許文献1は、複数のレベルの異なるユーザが画像形成装置を使用する場合に、ユーザ毎に適した状態の操作パネルの画面表示を行なう画像形成装置を開示している。
【0005】
下記の特許文献2は、ユーザが機器の操作に不案内である場合には、パネル上のキー押下のスピードが遅くなることに着目し、キー押下のスピードを監視し、それが所定値に達しない場合には、自動的にヘルプ機能を起動するファクシミリ装置を開示している。
【0006】
下記の特許文献3は、メニュー表示のための操作およびヘルプ表示のための操作の操作履歴に基づいて、ヘルプ情報の提示を制御することにより、視聴者の制御操作の熟練度に応じた最適なメニュー情報の提示を行なう装置を開示している。
【特許文献1】特開2003−101692号公報
【特許文献2】特開平8−9077号公報
【特許文献3】特開平7−284034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、レベルの異なる複数のユーザが1台の画像形成装置の操作パネルを使用する場合、操作パネルに多くの機能を設けると、操作習熟度の低いユーザにとっては分かり難く、操作がし辛いという問題がある。特に、多くの機能を有する画像形成装置において、全ての機能を網羅するために複雑な画面を表示すると、操作に習熟しているユーザにとっては問題ないが、習熟していないユーザにとっては非常に分かり難く不便を感じるという問題が生じる。
【0008】
一方、通常の操作パネルの構成と簡易な操作パネルの構成とを用意して、それをユーザが任意に切替える構成を採用すると、切替え操作自体をユーザが煩雑に感じてしまうことになる。また、画面表示を変更するためにユーザは、設定変更メニューを開いて操作しなければならず、面倒であるという問題もある。
【0009】
また、操作に習熟していない操作者への対応として、ガイダンス(ヘルプ)を表示する手法があるが、この手法は、操作方法自体を変更して操作性を改善するものではない。
【0010】
さらに、上記特許文献1の技術は、操作者のユーザ名およびパスワードの入力による操作者の認証によって、ユーザ毎に予め用意した操作パネルの画面を表示するものであるが、全てのユーザに対してどの画面を表示させるかの事前設定を行なう必要があり、手間となる。
【0011】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、ユーザに意識させず、ユーザの操作性を損なわずに、各ユーザに対して最適な操作パネルの表示を行なうことができる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像形成装置は、複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、操作パネルにおいて特定の操作が実行された回数をカウントするカウント手段と、カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更する変更手段とを備える。
【0013】
好ましくは変更手段は、カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を簡易操作画面に変更する。
【0014】
好ましくは画像形成装置は、所定値を任意の値に変更することが可能である。
好ましくは画像形成装置は、操作者が使用することができる複数の機能ごとに所定値を保持する。
【0015】
好ましくは画像形成装置は、操作者を認証する操作者認証手段と、操作者に関する情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、カウント手段は、操作者認証手段にて認証された操作者が、特定の操作を実行した回数をカウントし、変更手段は、カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、操作者認証手段にて認証された操作者が所定値以上の特定の操作をしたことを記憶手段に記憶する。
【0016】
好ましくは画像形成装置は、操作者認証手段によって操作者が認証されると、記憶手段を参照して、操作者認証手段にて認証された操作者が所定値以上の特定の操作をしていた場合、操作パネルに表示される操作画面を通常の操作画面とは異なる操作画面とすることを特徴とする。
【0017】
この発明の他の局面に従うと、画像形成装置は、複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間を計測する計測手段と、計測手段による計測時間が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更する変更手段とを備える。
【0018】
好ましくは変更手段は、計測手段による計測時間が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を簡易操作画面に変更する。
【0019】
好ましくは画像形成装置は、所定値を任意の値に変更することが可能である。
好ましくは画像形成装置は、操作者が使用することができる複数の機能ごとに所定値を保持する。
【0020】
好ましくは画像形成装置は、操作者を認証する操作者認証手段と、操作者に関する情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、計測手段は、操作者認証手段にて認証された操作者が、特定の操作を行なってから特定の操作を行なうまでの時間を計測し、変更手段は、計測手段による計測時間が所定値を超えると、操作者認証手段にて認証された操作者が所定時間操作をしなかったことを記憶手段に記憶する。
【0021】
好ましくは画像形成装置は、操作者認証手段によって操作者が認証されると、記憶手段を参照して、操作者認証手段にて認証された操作者が所定時間操作をしなかったことが記録されていた場合、操作パネルに表示される操作画面を通常の操作画面とは異なる操作画面とすることを特徴とする。
【0022】
この発明のさらに他の局面に従うと、複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、操作パネルにおいて特定の操作が実行された回数をカウントするカウント手段とを備えた画像形成装置の制御方法は、カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更することを特徴とする。
【0023】
この発明のさらに他の局面に従うと、複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間を計測する計測手段とを備えた画像形成装置の制御方法は、計測手段による計測時間が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
これらの発明に従うと、カウント手段によるカウント値、または計測手段による計測時間が所定値を超えると、操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更することができるので、ユーザに意識させず、ユーザの操作性を損なわずに、各ユーザに対して最適な操作パネルの表示を行なうことができる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるタッチパネル形式の操作パネルを有する画像形成装置(MFP)の外観構成を示す図である。
【0026】
図を参照して画像形成装置は、原稿の読取りを行なうスキャナを含むイメージリーダ部101と、液晶表示装置とタッチパネルとを含む操作パネル103と、プリントエンジン105と、給紙カセット107とを備えている。
【0027】
画像形成装置は、操作パネル103におけるユーザの操作習熟度を判断し、操作習熟度の低いユーザに対しては、より簡易な操作パネルの構成を提供し、操作性向上を図る。
【0028】
これにより、複数のレベルの異なるユーザが1台の画像形成装置の操作パネルを使用する環境において、各ユーザに対して最適な操作パネル構成をユーザに意識させずに提供することが可能となる。
【0029】
図2は、画像形成装置のシステム構成を示す全体回路のブロック図である。
画像形成装置は、主な構成要素として、CPU201、RAM203、ROM205、パネルリセットキー103aを含む操作パネル103、スキャナ部209、プリンタ部211、記憶装置215、およびNIC(network interface card)215を備えている。
【0030】
NIC215は、ネットワークを介してPCからプリントジョブデータを受信したり、スキャンやFAX送信において画像データを送信したりするためのインターフェースである。
【0031】
スキャナ部209は、セットされた原稿をスキャンし、原稿の画像データを得る公知の装置である。
【0032】
プリンタ部211は、公知の電子写真方式により、スキャナ部209で作成された画像データなどを印刷のためのプリントデータに変換し、変換後のデータに基づいて文書等の画像を印刷する装置である。
【0033】
操作パネル103は、コピーの画質、用紙設定や、スキャン画像の送信先の登録・選択を行なうための装置であり、表面にタッチパネルが積層された液晶表示部から構成される。
【0034】
CPU201は、ROM205から必要なプログラムを読出して、システム全体の機能を制御する。ROM205には、画像形成装置全体を制御するプログラムが格納されている。RAM203は、CPU201におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。また、スキャナ部209で読取られた画像データ等が一時的に保存される。
【0035】
図3〜5は、画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
画像形成装置はユーザ認証機能を持ち、ユーザは画像形成装置を使用するために、ユーザIDとパスワードとを入力しなければならない。ステップS101において、ユーザIDおよびパスワードによるユーザ認証を実行する。
【0036】
図6は、ステップS101で操作パネル103に表示されるユーザ認証を行なう画面を示す図である。
【0037】
図を参照して、この画面に従いユーザは、IDとパスワードとを入力する。画像形成装置は、入力されたIDとパスワードの組が記憶装置213に記憶されているかを判定することでユーザ認証を行なう。
【0038】
認証がOKであれば、ステップS103でログイン処理を行なう。ここでは、ユーザIDが「Testuser」という名前でログインされたものとする。
【0039】
ステップS105において、ユーザIDに対応するユーザの前回ログイン時の操作画面の設定を記憶装置213から参照し、ステップS107においてユーザの操作画面の設定が「通常操作画面」であるか「簡易操作画面」であるかを判定する。
【0040】
「簡易操作画面」であれば、ステップS133(図5)において、ユーザに簡易操作画面を選択するか否かを決定させるための選択画面を表示する。
【0041】
図7は、ステップS133で操作パネル103に表示される選択画面を示す図である。
図に示されるように、ユーザには、正常にログインがなされたことと、前回、簡易操作画面が使用されたことと、今回も簡易操作画面を使用するかの質問とが表示される。この画面において、ユーザは簡易操作画面を使用するか、通常操作画面を使用するかを選択することができる。
【0042】
また、図7の画面においてユーザが「次回ログイン時には、この画面を表示しない」の項目をチェックすると、次回からの操作画面は、図7で選択された画面に固定される。
【0043】
図5のステップS135で、選択された画面が通常操作画面であればステップS109へ進み、簡易操作画面であればステップS137へ進む。
【0044】
なお、ステップS133で図7の画面を表示させずに、そのままステップS137へ進むようにしても良い。
【0045】
ステップS107でユーザの操作画面の設定が「通常操作画面」である場合、またはステップS135で「通常操作画面」が選択されたのであれば、ステップS109において、特定のキー入力回数をカウントするための「操作キーカウンタ」の値をクリアし、ステップS111において、操作パネル103に従来どおりの通常操作画面を表示する。
【0046】
なお、操作キーカウンタは、コピー用、ファックス用といった各機能ごとに複数用意してもよい。それらの操作キーカウンタは、該当する機能(コピー、ファックスなど)が選ばれている状態でのみ、カウントを行なう。
【0047】
図8および図9は、操作パネル103に表示される通常操作画面の具体例を示す図である。
【0048】
図8の画面においては、ユーザはコピーの基本設定として、用紙、倍率、片面/両面の選択を行なうことができる。また、図9の画面においては、ユーザはコピーの応用機能の設定として、カバーシート、綴じ代作成、画像付加などの設定を行なうことができる。
【0049】
ステップS113において、ユーザは該当する機能を使用するために操作を開始する。すなわちユーザは、操作パネルによるコピー操作(または、ファックス操作、スキャン操作など)を行なう。
【0050】
ステップS115において、特定のキー(ここでは、操作のキャンセルに利用されるパネルリセットキー103aであるものとする。)が1回押される度に、操作キーカウンタを1加算する(ステップS123)。
【0051】
ユーザが操作を終了する(該当機能のジョブが終了する、またはログオフする)までに、ステップS117において、操作キーカウンタが予め定められた閾値を超えたかを判定する。超えた場合、ステップS125において、ユーザIDに対応する操作画面の設定を、「簡易操作画面」として記憶装置213に記憶する。なお、操作キーカウンタの内容を判定するための閾値は、ユーザによって変更できるようにしてもよい。また、機能によってパネルリセットキーを押すと考えられる想定回数は異なるため、各機能ごとに異なる閾値を持たせてもよい。
【0052】
その後、ステップS127において簡易操作画面への切替選択画面を操作パネル103に表示する。
【0053】
図10は、ステップS127で操作パネル103に表示される切替選択画面を示す図である。
【0054】
図に示されるように、ユーザには、画面を簡易操作画面に切替えるか否かの質問が表示される。この画面において、ユーザは簡易操作画面を使用するか、通常操作画面を使用するかを選択することができる。
【0055】
ステップS129において、切替選択画面で「はい」が選択された場合は、ステップS137へ進み、簡易操作画面の表示を行なう。「いいえ」が選択された場合は、元の通常操作画面に戻る。通常操作画面に戻った後は、ステップS131で再び操作キーカウンタをクリアする。なお、再度カウンタが閾値を超えた場合は、再び簡易操作画面への切替選択画面(図10)を表示させてもよいし、表示させないようにしてもよい。
【0056】
ステップS117でNO、またはステップS131での処理の後、ステップS119でコピー操作(または、ファックス操作、スキャン操作など)が終了したか判定を行なう。YESであればステップS121において、操作パネルによる操作を終了し、ログオフ状態とする。NOであれば、ステップS113へ戻る。
【0057】
次に、図5のステップS137以降で実行される、簡易操作画面の表示処理について説明する。
【0058】
ステップS137において、操作パネル103に簡易操作画面が表示される。
図11は、操作パネル103に表示される簡易操作画面の具体例を示す図である。
【0059】
図11の画面においては、簡易操作画面に切替えられた旨と、例として、「シンプルなコピー」と「いろいろな機能を使ったコピー」の2種類のうちのいずれを選択するかの提案をユーザに対して行なっている。
【0060】
また、図11の画面の下に示されるように、いつでも「通常操作画面」に戻るための表示を行なってもよい。また、図11に示されるように、不慣れなユーザに対して補助的な情報を提供するために、画面下部に「アドバイス」欄を設けてもよい。
【0061】
更には、「アドバイス」欄にてあるキーの説明を行なっている状態で、「アドバイス」欄がタッチされると、説明しているキーが点滅するような機能を備えることとしてもよい。
【0062】
図12は、シンプルなコピーが選択された場合に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0063】
図11の画面において、ユーザが「シンプルなコピー」を選択した場合、図12のようなシンプルな設定が表示される。この画面においては、ユーザの入力可能な事項を最小限として、不慣れなユーザでも正確な設定ができるようにしている。
【0064】
ユーザは図12の画面に従って設定を行い、スタートキーを押してコピーを開始する。
図13は、コピー中に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0065】
コピー中もしくは終了後に、図13のような画面を表示させて、次の操作を不慣れなユーザに促す。
【0066】
図14は、いろいろな機能を使ったコピーが選択された場合に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0067】
「いろいろな機能を使ったコピー」が選択された場合は、図14から図19のようなウィザード形式の設定をユーザに提供する。ユーザはそれらに従って設定を行い、スタートキーを押してコピーを開始する。そして、コピー中もしくは終了後に、図13のような画面を表示させて、次の操作を不慣れなユーザに促す。
【0068】
より詳しくは、図14の画面においては、表面のみをコピーしたい原稿かをユーザに質問し、それに基づきコピーモードの設定を行なう。画面中の「次へ」が押下されると、図15の画面が表示される。
【0069】
図15は、図14の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0070】
図15の画面においては、用紙の裏面にもコピーを行ないたいかをユーザに質問し、それに基づきコピーモードの設定を行なう。画面中の「次へ」が押下されると、図16の画面が表示される。
【0071】
図16は、図15の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0072】
図16の画面においては、用紙の種類、サイズを変更するかをユーザに質問し、それに基づきコピーモードの設定を行なう。画面中の「次へ」が押下されると、図17の画面が表示される。
【0073】
図17は、図16の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0074】
図17の画面においては、出力部数、仕上がりを変更するかをユーザに質問し、それに基づきコピーモードの設定を行なう。画面中の「次へ」が押下されると、図18の画面が表示される。
【0075】
図18は、図17の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0076】
図18の画面においては、他の機能を実行するかをユーザに質問し、それに基づきコピーモードの設定を行なう。画面中の「次へ」が押下されると、図19の画面が表示される。
【0077】
図19は、図18の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【0078】
図19の画面においては、コピーの設定を完了した旨を表示し、設定の確認/変更を行なうかをユーザに質問する。原稿がセットされ、スタートキーが押下されると、コピーが開始される。
【0079】
図5のステップS139においては、操作パネルによるコピー操作を実行し、ステップS141においてコピー操作終了画面を表示し、ステップS121へ進む。
【0080】
このように、本実施の形態においては、操作に不慣れなユーザが多く使用すると考えられるパネルリセットキーの押下回数を操作キーカウンタでカウントし、そのカウント値に基づいて、簡易操作画面を表示するか、通常操作画面を表示するかを切替えることとしている。これにより、ユーザに特別な操作をさせることなく、またユーザに特に意識させることなく、ユーザの状況に応じた適切な表示を操作パネルで行なうことができる。
【0081】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態における画像形成装置(MFP)の構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0082】
本実施の形態における画像形成装置では、図3および4に示される処理に代えて、図20および図21に示される処理が行なわれる。
【0083】
図20および図21は、第2の実施の形態における画像形成装置が実行する処理の一部を示すフローチャートである。
【0084】
図を参照して、ステップS201〜207での処理は、ステップS101〜S107での処理と同じであるため、ここでの説明を繰返さない。
【0085】
ステップS207でユーザの操作画面の設定が「通常操作画面」である場合、またはステップS135(図5)で「通常操作画面」が選択されたのであれば、ステップS209において、ユーザにより操作がなされなかった時間を計測するための「内部タイマ」の値をクリアし、ステップS211において、操作パネル103に従来どおりの通常操作画面(図8、図9)を表示する。
【0086】
ステップS213において、ユーザは該当する機能を使用するために操作を開始する。すなわちユーザは、操作パネルによるコピー操作(または、ファックス操作、スキャン操作など)を行なう。
【0087】
ステップS215において、何かキーが押されたかを判定し、NOであれば、ステップS219へ進む。ステップS215でYESであれば、ステップS251において内部タイマはカウントしているかを判定する。ステップS251でNOであれば、ステップS253において内部タイマのカウントを開始する。その後、ステップS219へ進む。
【0088】
また、ステップS251でYESであれば、ステップS255で内部タイマのカウントを終了する。そしてステップS257で、カウント時間は予め定められた閾値を超えたかを判定する。超えた場合、ステップS259において、ユーザIDに対応する操作画面の設定を、「簡易操作画面」として記憶装置213に記憶する。なお、内部タイマの内容を判定するための閾値は、ユーザによって変更できるようにしてもよい。また、機能によってキーの操作に要する時間は異なる(また、機能によってキーを押すタイミングは異なる)ため、各機能ごとに異なる閾値を持たせてもよい。
【0089】
その後、ステップS261において簡易操作画面への切替選択画面(図10)を操作パネル103に表示する。
【0090】
ステップS263において、切替選択画面で「はい」が選択された場合は、ステップS137(図5)へ進み、簡易操作画面の表示を行なう。「いいえ」が選択された場合は、元の通常操作画面に戻る。通常操作画面に戻った後は、ステップS265で再び内部タイマをクリアする。なお、再度内部タイマの値が閾値を超えた場合は、再び簡易操作画面への切替選択画面(図10)を表示させてもよいし、表示させないようにしてもよい。
【0091】
ステップS257でNO、またはステップS265での処理の後、ステップS219でコピー操作(または、ファックス操作、スキャン操作など)が終了したか判定を行なう。YESであればステップS221において、操作パネルによる操作を終了し、ログオフ状態とする。NOであれば、ステップS213へ戻る。
【0092】
なお、内部タイマは、コピー用、ファックス用といった各機能ごとに用意してもよい。それらは該当する機能が選ばれている状態でのみカウントを行なう。
【0093】
この実施の形態においては、ユーザが該当機能を使用するために操作を開始した場合において、何かキーが押された時点で内部タイマのカウントを開始し、次に何かキーが押されたら内部タイマのカウントを停止し、そのカウント時間を得る。カウント時間が長ければ長いほどユーザのキー操作における迷いが大きいと判断している。
【0094】
得られたカウント時間が閾値を超えた場合、簡易操作画面への切替選択画面を表示させ、同時に記憶装置において該当ユーザの操作画面を「簡易操作画面」と記憶する。
【0095】
このように、本実施の形態においては、操作に不慣れなユーザにとって長くなると考えられるキー入力のインターバル時間を測定し、その測定値に基づいて、簡易設定画面を表示するか、通常操作画面を表示するかを切替えることとしている。これにより、ユーザに特別な操作をさせることなく、またユーザに特に意識させることなく、ユーザの状況に応じた適切な表示を操作パネルで行なうことができる。
【0096】
[その他]
なお、上記実施の形態において、機能ごとに閾値である所定値を変更することが可能である旨述べたが、ここで指す機能とは、昨今の画像形成装置に搭載されるコピー、ファクス、プリンタといった広義の機能の他に、広義の機能がそれぞれ備える狭義の機能(例えば片面コピーや両面コピー)も含まれるものである。
【0097】
[実施の形態における効果]
上記第1の実施の形態の構成によると、(例えばパネルリセットキー押下のような、操作者による設定のキャンセル操作に該当する)特定の操作が行われた回数をカウントし、その回数が所定の値を超えた場合は、その操作者は不慣れであると判断し、操作パネルを通常の操作画面情報ではなく簡易で判り易い操作画面情報に切替えることができる。
【0098】
また、操作が不慣れであると判断するには個人差があるため、切替えの判断に用いる所定値は、任意に変更することも可能である。
【0099】
また、画像形成装置の持つ機能ごとに特定の操作が行なわれると想定される回数は異なるため、その各機能ごとに異なる所定値を保持することも可能である。
【0100】
また、操作者を認証する操作者認証機能、操作者に関する情報を記憶する記憶装置を画像形成装置に備えさせることで、認証した操作者ごとに特定の操作が所定回数行われたことを記憶することも可能である。
【0101】
また、操作者を認証した時点で、その操作者が過去に特定の操作を所定回数行ったかどうかを記憶装置より参照し、もし行っていた場合は、操作画面をすぐに切替えることも可能である。
【0102】
また、第2の実施の形態の構成によると、特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間を計測し、その時間が所定時間より長い場合は、その操作者は操作に迷う不慣れな操作者であると判断し、操作パネルを通常の操作画面情報ではなく簡易で判り易い操作画面情報に切替えることができる。
【0103】
特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間とは、何かキーが押されてから次に何かキーが押されるまでの時間といった単純なパターンでもよいし、ある特定のキーが押されてから異なる特定のキーが押されるまでの時間といった限定されたパターンでもよい。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態によると、操作者の操作不慣れを自動的に判断することができ、通常の操作画面から簡易な(機能を抑えた)操作画面を提供することで、ユーザに最適な操作環境を提供することができる。
【0105】
なお、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0106】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0107】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるタッチパネル形式の操作パネルを有する画像形成装置(MFP)の外観構成を示す図である。
【図2】画像形成装置のシステム構成を示す全体回路のブロック図である。
【図3】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】ステップS101で操作パネル103に表示されるユーザ認証を行なう画面を示す図である。
【図7】ステップS133で操作パネル103に表示される選択画面を示す図である。
【図8】操作パネル103に表示される通常操作画面の具体例を示す図である。
【図9】操作パネル103に表示される通常操作画面の具体例を示す図である。
【図10】ステップS127で操作パネル103に表示される切替選択画面を示す図である。
【図11】操作パネル103に表示される簡易操作画面の具体例を示す図である。
【図12】シンプルなコピーが選択された場合に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図13】コピー中に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図14】いろいろな機能を使ったコピーが選択された場合に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図15】図14の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図16】図15の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図17】図16の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図18】図17の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図19】図18の画面の次に操作パネル103に表示される内容の具体例を示す図である。
【図20】第2の実施の形態における画像形成装置が実行する処理の一部を示すフローチャートである。
【図21】図20に続くフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
101 イメージリーダ部、103 操作パネル、103a パネルリセットキー、105 プリントエンジン、209 スキャナ部、211 プリンタ部、213 記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、
前記操作パネルにおいて特定の操作が実行された回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更する変更手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を簡易操作画面に変更する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記所定値を任意の値に変更することが可能である、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
操作者が使用することができる複数の機能ごとに前記所定値を保持する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
操作者を認証する操作者認証手段と、
前記操作者に関する情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、
前記カウント手段は、前記操作者認証手段にて認証された操作者が、特定の操作を実行した回数をカウントし、
前記変更手段は、前記カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、前記操作者認証手段にて認証された操作者が所定値以上の特定の操作をしたことを前記記憶手段に記憶する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作者認証手段によって操作者が認証されると、前記記憶手段を参照して、前記操作者認証手段にて認証された操作者が所定値以上の特定の操作をしていた場合、前記操作パネルに表示される操作画面を通常の操作画面とは異なる操作画面とすることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、
特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間を計測する計測手段と、
前記計測手段による計測時間が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更する変更手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項8】
前記変更手段は、前記計測手段による計測時間が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を簡易操作画面に変更する、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記所定値を任意の値に変更することが可能である、請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
操作者が使用することができる複数の機能ごとに前記所定値を保持する、請求項7〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
操作者を認証する操作者認証手段と、
前記操作者に関する情報を記憶する記憶手段とをさらに備え、
前記計測手段は、前記操作者認証手段にて認証された操作者が、特定の操作を行なってから特定の操作を行なうまでの時間を計測し、
前記変更手段は、前記計測手段による計測時間が所定値を超えると、前記操作者認証手段にて認証された操作者が所定時間操作をしなかったことを前記記憶手段に記憶する、請求項7〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記操作者認証手段によって操作者が認証されると、前記記憶手段を参照して、前記操作者認証手段にて認証された操作者が所定時間操作をしなかったことが記録されていた場合、前記操作パネルに表示される操作画面を通常の操作画面とは異なる操作画面とすることを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、
前記操作パネルにおいて特定の操作が実行された回数をカウントするカウント手段とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記カウント手段によるカウント値が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更することを特徴とする、画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
複数種類の操作画面を表示することが可能であり、各種の操作の入力がなされる操作パネルと、
特定の操作が行われてから特定の操作が行われるまでの時間を計測する計測手段とを備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記計測手段による計測時間が所定値を超えると、前記操作パネルに表示される操作画面を異なるものに変更することを特徴とする、画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−25460(P2007−25460A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210009(P2005−210009)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】