説明

画像形成装置、位置ずれ検出方法及びプログラム

【課題】
画像濃度を検知するだけの簡単かつ安価な構成で、画像形成装置の光書き込み装置のプリントヘッド間の位置ずれの有無とそのずれの方向を検出する。
【解決手段】
第1及び第2のLEDプリントヘッド2、3間のずれの方向を検出するために、第1のLEDプリントヘッド2で形成したパターンを基準に、それに重ねて第2のLEDプリントヘッドで右ずれ及び左ずれ検出用の2種のパターンを感光体上に形成し、それぞれ左・右のずれ検出用のテストパターン(第1及び第2のテストパターン)を形成する。この第1,第2のテストパターンの濃度の大小を比較することで、位置ずれの有無とそのずれの方向を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子からなるプリントヘッドを備えた画像形成装置、前記プリントヘッドの位置ずれ検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を適用した広幅複写機や広幅プリンタなどの画像形成装置では、安価なA3又はA4サイズ幅の発光素子アレイユニット、例えば発光素子がLED(発光ダイオード)であるLEDプリントヘッドを複数用いて主走査方向に千鳥状に配置して、広幅サイズの書き込みに対応する光書き込み装置が使用されている。
【0003】
このような、複数のLEDプリントヘッドを主走査方向に千鳥状に配置した光書き込み装置では、LEDプリントヘッドの取り付け位置の精度や誤差、又は、LEDプリントヘッドの熱膨張などにより、隣り合うLEDプリントヘッド同士のつなぎ目部分のドット位置にずれが生じて、出力画像の縦方向に黒スジや白スジが発生し、画像品質を低下させることがある。
【0004】
この問題を解決するために、従来、LEDプリントヘッドのつなぎ目部分の位置ずれ量を、センサを用いて検出して、位置ずれを補正する画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
この従来の画像形成装置では、PSDセンサ(Position Sensitive Detector)を用いてLEDプリントヘッドの光を直接受光し、各LED素子の点灯順序と光量に対するPSDセンサの出力レベルに基づき、LEDプリントヘッドの位置ずれを検出する。
【0005】
ところが、この従来の画像形成装置では、位置ずれを検出するために、PSDセンサをプリントヘッドと感光体ドラムの間に配置するか、或いは、プリントヘッドからの光をPSDセンサまで導く導光部材を配置する必要がある。その際、プリントヘッドの焦点距離(プリントヘッドと感光体ドラムの間隔)は2mm程度であるため、その間にPSDセンサを配置するのは極めて難しく、実現に多大な困難が伴う。これに対し、導光部材などを設けると、装置が大掛かりとなり構成も複雑化し、コストも上昇するという問題が生じる。
【0006】
また、従来、LEDプリントヘッドを感光体の主走査方向に沿って千鳥状に複数配置し、各LEDプリントヘッドの重複部分に配置した濃度検知センサで、感光体の1周期分の濃度検知を行い、その結果に基づいて、各LEDプリントヘッドの光量を個々に調整して、その焦点位置ずれを補正する画像形成装置も知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、この従来の画像形成装置では、複数のLEDプリントヘッドの重複部分に対して、複数の濃度検知センサを配置しなければならず、コストが高くなる傾向がある。
また、位置ずれの補正を行う場合に、位置ずれがどの方向に生じているか判断する必要があるが、簡易な方法でこれを行うものは知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の従来の問題に鑑み為されたものであって、その目的は、感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を備え、副走査方向の異なる位置に配置された第1及び第2のプリントヘッドが、主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置において、簡単かつ安価な構成で、プリントヘッド間の位置ずれの有無と共に、そのずれの方向が判断できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、副走査方向の異なる位置に主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置であって、少なくとも第1及び第2のプリントヘッドが重複する領域において、前記感光体に第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第1のテストパターンと、第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第2のテストパターンとを形成するプリントヘッド制御手段と、第1及び第2のプリントヘッドで感光体上に形成した印字マークの濃度を検知する濃度検知手段と、前記検出された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する位置ずれ方向判断手段と、を有し、前記第1のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち一方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第2のパターンと、からなるテストパターンであり、かつ前記第2のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち他方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第3のパターンと、からなるテストパターンであることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載された画像形成装置において、前記位置ずれ方向判断手段は、前記濃度検知手段の出力に基づき前記第1及び第2の検出パターンの比較を行うことを特徴とする画像形成装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載された画像形成装置において、前記濃度検知手段で検知した濃度を記憶手段に記憶する記憶手段を有し、前記位置ずれ方向判断手段は、前記記憶手段に記憶された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断することを特徴とする画像形成装置である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載され画像形成装置において、前記印字マークは、前記第1及び第2のプリントヘッドの発光素子が感光体上に形成した潜像を現像した感光体上に形成された画像であることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5の発明は、感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、副走査方向の異なる位置に主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置における、前記プリントヘッドの位置ずれの方向を検出する位置ずれ検出方法であって、少なくとも第1及び第2のプリントヘッドが重複する領域において、前記感光体に第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第1のテストパターンと、第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第2のテストパターンとを形成するプリントヘッド制御手段と、第1及び第2のプリントヘッドで感光体上に形成した印字マークの濃度を検知する濃度検知工程と、前記検知された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する位置ずれ方向判断工程と、を有し、前記第1のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち一方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第2のパターンと、からなるテストパターンであり、かつ前記第2のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち他方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第3のパターンとからなるテストパターンである、ことを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法である。
請求項6の発明は、請求項5に記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、前記濃度検知工程は、濃度検知手段で濃度検知を行い、前記第1及び第2の検出パターンの比較は前記濃度検知手段の出力を用いて行うことを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法である。
請求項7の発明は、請求項6に記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、前記濃度検知手段で検知した濃度を記憶手段に記憶させる記憶工程を有し、前記位置ずれ方向判断工程は、前記記憶工程で記憶手段に記憶された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する工程であることを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法である。
請求項8の発明は、請求項5ないし7のいずれかに記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、前記印字マークは、前記第1及び第2のプリントヘッドの発光素子が感光体上に形成した潜像を現像した感光体上に形成された画像であることを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法である。
請求項9の発明は、請求項5ないし8のいずれかに記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、濃度検知手段が感光体の濃度を検知して行うキャリブレーション工程を有することを特徴とする位置ずれ検出方法である。
請求項10の発明は、感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている画像形成装置のコンピュータに、請求項5ないし9のいずれかに記載された位置ずれ検出方法の各工程の手順を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を備え、副走査方向の異なる位置に配置された第1及び第2のプリントヘッドが、主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置において、簡単かつ安価な構成で、LEDプリントヘッド間の位置ずれの有無及びそのずれの方向を容易に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の画像形成装置の要部を概略的に示す図である。
【図2】図2Aは、この画像形成装置Gの概略構成を示すブロック図であり、図2Bは、画像形成装置Gが備える制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】LEDプリントヘッドのつなぎ目で1ドット以下のずれ量を検出する原理を説明する図である。
【図4】ずれの方向の検出方法の原理を説明する図である。図4Aは、第2のLEDプリントヘッド3が右側に1/2ドットずれている例を、図4Bは、第2のLEDプリントヘッド3が左側に1/2ドットずれている例を示す図である。
【図5】LEDプリントヘッドのつなぎ目でのずれ方向の検出処理の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の画像形成装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の画像形成装置の要部を概略的に示す図である。
この画像形成装置Gは、図示のように、ドラム状に形成された感光体である感光体ドラム9と、感光体ドラム9を軸線回りに所定速度で回転させる回転駆動装置(図示せず)とを備えている。また、画像形成装置Gは、感光体ドラム9を囲んで、その回転方向(副走査線方向)に順に配置された、帯電チャージャ1、第1のプリントヘッド2、第2のプリントヘッド3、現像装置4、濃度検知手段である濃度検知センサ10、転写チャージャ5、分離チャージャ6、クリーニングユニット7、及び、除電ランプ8を備えている。
【0012】
帯電チャージャ1は、感光体ドラム9の外周の表面を一様に帯電させる。第1と第2のプリントヘッド2、3は、帯電させた感光体ドラム9の表面に、画像に相当するパターン光を照射して、感光体ドラム9の表面に静電潜像を形成する。現像装置4は、感光体ドラム9の静電潜像を現像用の粉体(トナー)により現像する。この現像された感光体ドラム9上の画像のトナーは、転写チャージャ5において、転写紙(図示せず)に重ね合わされて転写される。
【0013】
分離チャージャ6は、転写紙を感光体ドラム9から分離させる。クリーニングユニット7は、感光体ドラム9の表面に残った転写残トナーを清掃する。除電ランプ8は、清掃後の感光体ドラム9上の残留電位を除電して一様に取り払う。濃度検知センサ10は、感光体ドラム9に形成された画像の濃度(トナー濃度)を測定(検知)するための濃度検知手段、例えば、反射型フォトセンサ等の検知センサであり、後述するように、第1と第2のプリントヘッド2、3の位置ずれ及びその方向を検出するときに使用される。
【0014】
ここで、第1と第2のプリントヘッド2、3は、それぞれ感光体ドラム9の幅方向(主走査線方向)に沿って、かつ、感光体ドラム9の回転方向(副走査線方向)に所定間隔を開けて配置されている。併せて、第1と第2のプリントヘッド2、3は、感光体ドラム9に設定された主走査線方向の異なる範囲に配置されるとともに、一部の配置範囲がオーバーラップするように、配置範囲の境界側で、それぞれの端部を主走査方向に重複させて配置されている。これにより、第1と第2のプリントヘッド2、3は、感光体ドラム9の主走査方向に沿って、互いのつぎ目(配置範囲の境界)をオーバーラップさせて、感光体ドラム9を幅方向に分割した範囲に配置される。また、第1と第2のプリントヘッド2、3は、それぞれの一部(端部)を主走査方向に重複させて、感光体ドラム9の主走査方向の全感光範囲に亘り配置される。
【0015】
この第1と第2のプリントヘッド2、3は、複数の発光素子を一次元状に配列させたアレイ状(列状)の発光素子からなり、ここでは、LEDを発光素子としたLEDプリントヘッド(以下、第1のLEDプリントヘッド2、第2のLEDプリントヘッド3という)により構成される。これら第1と第2のLEDプリントヘッド2、3は、各発光素子が点灯したときに発生する光を感光体ドラム9に照射して、感光体ドラム9の表面に静電潜像を形成する。その際、画像形成装置Gは、第1と第2のプリントヘッド2、3により、感光体ドラム9に分割して画像を書き込み、それらを組み合わせて1つの静電潜像を形成した後、静電潜像を現像装置4のトナーにより現像する。
【0016】
図2Aは、この画像形成装置Gの概略構成を示すブロック図であり、図2Bは、画像形成装置Gが備える制御装置の内部構成を示すブロック図である。なお、図面では、LEDプリントヘッドはLPHと表す。
画像形成装置Gは、図2Aに示すように、原稿を読み取る手段である読取部100、読み取られた原稿の画像(画像情報)に画像処理を施す画像処理部200、及び、原稿を複写するときに画像を書き込む書込部500を有する。また、画像形成装置Gは、装置全体を制御する制御装置300、制御装置300にキー入力などを行う操作手段である操作部400を有し、制御装置300に上記した濃度検知センサ10が接続されている。
【0017】
制御装置300は、図2Bに示すように、各種の演算処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)301、CPU301により使用される各種設定情報、プログラム、データ等を格納するROM(Read Only Memory)302、及び、CPU301が直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)303を有するコンピュータからなる。なお、本実施形態では、上記コンピュータでプログラムを実行させることにより、位置ずれ方向判断機能を備えた位置ずれ方向判断手段を実現する。
【0018】
書込部500(図2A参照)は、画像処理部200から転送された画像データの信号をプリントヘッド制御回路501で1画素単位ビットに変換し、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3で光(ここでは、赤外光)に変換して出力する。その際、プリントヘッド制御回路501は、画像を感光体ドラム9の幅方向に対応する方向に分割して、分割された各画像のデータを、第1のLEDプリントヘッド2と第2のLEDプリントヘッド3に並行して転送する。また、第2のLEDプリントヘッド3は、第1のLEDプリントヘッド2よりも感光体ドラム9の回転方向の下流に配置されている。そのため、プリントヘッド制御回路501は、第2のLEDプリントヘッド3に対し、遅延回路を通して、第1のLEDプリントヘッド2と第2のLEDプリントヘッド3の副走査線方向の間隔、及び、感光体ドラム9の周速により決定される遅延時間だけ遅延させてデータを転送する。
これにより、感光体ドラム9上で、第2のLEDプリントヘッド3が書き込む画像を、第1のLEDプリントヘッド2が書き込んだ画像に1ラインに合成させる。
【0019】
ところで、画像形成装置Gは、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の取り付け位置の精度や誤差などにより、それらの主走査線方向の位置ずれが生じるため、そのずれを補正するために、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の位置のずれ量およびその方向を検出して、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の取り付け位置を調整等する必要がある。
【0020】
つまり、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3のつなぎ目での位置ずれが発生すると、第1のLEDプリントヘッド2で感光体上に形成した印字マークを含むパターン上に第2のLEDプリントヘッド3の印字マークを含むパターンを重ねた場合、重ねたパターンは、第1のLEDプリントヘッド2で形成した印字マークを含むパターンに対して、左右いずれかに位置ずれが生じる。
【0021】
そこで、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の取り付け位置を調整等する場合に必要となる、上記位置ずれ量と位置ずれの方向の検出について、まず、上記位置ずれ量を検出する原理を説明する。
図3は、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3のつなぎ目で1ドット(図面では、ドットはdotと表す)以下のずれ量を検出する原理を説明する図である。また、図3Aは、つなぎ目で、丸印により表すドット(LED)にずれがないときのパターン(テストパターン)を示す図、図3Bは、1/2ドットのずれが生じたときのテストパターンを示す図、図3Cは、濃度検知センサ10の出力チャート図である。
画像形成装置Gは、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3のつなぎ目のオーバーラップ部分(重複部分)で、感光体ドラム9上に所定の画像からなるテストパターンを形成し、濃度検知センサ10で、感光体ドラム9上に形成されたテストパターンの画像の濃度を測定する。このテストパターンは、制御装置300のROM302に記憶されている。
【0022】
このテストパターンの形成時(図3A参照)には、転写紙は使わずに、感光体ドラム9上に上記のように画像を形成する。また、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3は、オーバーラップ部分の発光素子を所定数ごとに交互に点灯及び消灯させて感光体ドラム9上に所定のテストパターン(図面では、点灯部が黒、消灯部が白からなる画像で示す)を形成する。ここでは、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3は、オーバーラップ部分で相対するドットにて、それぞれドットの配列方向に沿って点灯(図の黒丸は1ドットに相当する印字マーク)と消灯(白丸は図の1ドットに相当する無印字領域)を交互に繰り返し、1ドット毎に1ドットずつ照射して、感光体ドラム9上にテストパターンを形成する。画像形成装置Gは、濃度検知センサ10で、形成後のテストパターンの画像濃度を測定する。
【0023】
1ドット以下のずれ量を検出する際に、テストパターンの画像濃度は、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3のドットにずれがないときに最も薄く(図3A参照)、ずれが大きくなるほど次第に濃くなり(図3B参照)、ずれが1ドットになると最も濃くなる。これに対し、濃度検知センサ10(図3C参照)の出力は、画像濃度が薄いときに高く、画像濃度が濃いときに低くなる。これを利用して、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3のつなぎ目のオーバーラップ部分で、濃度検知センサ10の出力の変化量dにより、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の主走査線方向の位置のずれ量を検出する。
【0024】
つまり、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の両方で、同じ白線と黒線が交互に並んだチャート(いわゆる万線チャート)を形成して重ね合わせると、画像の干渉により、ドットがずれているときは画像濃度が濃くなり、ずれていないときは薄くなる。この画像濃度を濃度検知センサ10で測定して読み取り、濃度の変化量をずれ量に換算することで、ずれ量を検出することができる。
【0025】
上記の方法により位置ずれ量の検出は可能である。しかし、位置ずれの方向までは検出できない。
そこで、本実施形態では、第1と第2のLEDプリントヘッド2、3の位置ずれが所定のドット未満である場合に、第2、第3のパターンを工夫することにより、第1、第2のテストパターンのいずれかは、必ず基準となる第1のパターンよりも左右いずれかの幅が拡大され、したがってその濃度は第1のパターンよりも大きくなるようにしている。それによって、1回目の合成画像(第1のテストパターン)と2回目の合成画像(第2のテストパターン)の濃度を比較することで、つまり、どちらの濃度(実際には濃度検知センサ10の出力電圧)が低いか或いは高いかにより、位置ずれが左右何れの方向かを知ることができる。
【0026】
次に、上記位置ずれの方向の検出方法について具体的に説明する。
図4は、1ドット未満で位置ずれしているときのずれの方向の検出方法の原理を説明する図である。図4Aは、第2のLEDプリントヘッド3が右側に1/2ドットずれている例を、図4Bは、第2のLEDプリントヘッド3が左側に1/2ドットずれている例を示す図である。
【0027】
基準となる第1のLEDプリントヘッド2で、第1のLEDプリントヘッド2と第2のLEDプリントヘッド3のオーバーラップ領域の左端2ドットと、以降の2ドット毎に2ドットずつ照射し、感光体ドラム9上に、図4A(1)aで示すように、点灯したLEDに対応するそれぞれ2ドットの印字マーク(黒丸)と点灯しないLEDに対応する2ドットの無印字部分(白丸でドットを表す)が交互に並んだパターン(これを第1のパターンという)を形成する。次に、第2のLEDプリントヘッド3で、図4A(1)bで示すように、オーバーラップ領域の左端1ドット(つまり、図3A(1)aに示す第1のパターンの左端の印字マークと重なる位置の1ドット)と、以降の3ドット毎に1ドットずつ点灯して、感光体ドラム9上に、1ドットの印字マーク(黒丸)と3ドットの無印字部分(白丸)が交互に並んだパターン(これを第2のパターンという)を形成する(正確には、第1のLEDプリントヘッドが第1のパターン(図4(1)a)中の所定のマークを形成した発光素子の端部の発光素子と、第1のLEDプリントヘッドと第2のLEDプリントヘッドが互いにそれぞれ予め定めた取り付け距離である場合に、同じ主走査位置に来る第2のLEDプリントヘッドの発光素子で、第2のパターン(図4(1)b)中の所定のマークを形成する。後述の第3のパターンも同様である)。
図4A(2)は、以上の第1及び第2のパターンを合成して形成した、感光体ドラム9上に形成されるパターン(第1のテストパターン)である。この第1のテストパターンでは、第2のパターンの1ドットの印字マークは第1のパターンの2ドットの印字マーク領域と重なるため、その印字幅は第1のパターンと変わらない。
【0028】
次に、上記と同様に、基準となる第1のLEDプリントヘッド2でLEDをオーバーラップ領域の左端2ドットと、以降の2ドット毎に2ドットずつ点灯して、感光体ドラム9上に図4A(1)aに示すような第1のパターンを形成する。
続いて、第2のLEDプリントヘッド3を用いて、図4A(1)cに示すように、第2のパターン(図4A(1)b)から1ドット右方にずらしてLED1ドット(つまり、第1のパターンの右端部分に重なる位置の1ドット)の点灯を行う。即ち、図4A(1)cに示すように、オーバーラップ領域の左端から2ドット目と、以降の3ドット目毎に1ドットずつLEDを照射して、感光体9上に1ドットの印字マークと3ドット分の無印字部分(白丸)が交互に並んだパターン(第3のパターン)を形成する。
図4A(3)は、上記第1及び第3のパターンを合成して形成したパターン(第2のテストパターン)を示す。
【0029】
この場合は、第2のLEDプリントヘッド3が第1のLEDプリントヘッド2から右にずれているため(図示例では1/2ずれている例である)、第2のテストパターンでは、第3のパターンの左端から2番目の印字マーク(黒丸)は、第1のパターンの連続した印字マーク(黒丸)の右端の印字マークから1/2ドット分右側に出るため、その幅は、図4A(3)に示すように、第1のテストパターンのそれよりも幅広になる。
このことは、第2のLEDプリントヘッドが第1のLEDプリントヘッドから右側にずれている場合は、第2のテストパターンの幅は第1のテストパターンの幅よりも幅広になること、つまり、濃度が高くなることを示している。
【0030】
同様に、図4Bに示すように、第2のLEDプリントヘッド3が第1のLEDプリントヘッド2から左にずれていると(図示例では1/2ずれている例である)、上記とは逆に、第2のテストパターン(図4B(3))の幅は、第1のテストパターン(図4B(2))の幅よりも幅広(図示例では1/2ドット)になる。
したがって、感光体上に第1及び第2のテストパターンを形成し、その濃度を測定し、その大小を比較することにより、ずれが主走査方向右向きか左向きか判別することができる。
【0031】
つまり、図4A、3Bに示すように、第1のテストパターンの濃度検知センサ10の出力と第2のテストパターンのそれとを比較して、第1のテストパターンの濃度検知センサ出力>第2のテストパターンの濃度検知センサ出力であれば、第2のLEDプリントヘッド3が右方向、また、第1のテストパターンの濃度検知センサ出力<第2のテストパターンの濃度検知センサ出力であれば、第のLEDプリントヘッド3は左方向にずれていることが判別される。
【0032】
次に、第1及び第2のLEDプリントヘッド2、3のずれ量の算出について説明する。
ずれ量は、まず第2のLEDプリントヘッド3が1/2ドット右にずれるとき(図4A)、濃度検知センサ10の出力が黒ベタのとき(1ドットずれるとき)と第1のパターン濃度を基準に、以下の換算式で算出することができる。
ずれ量(ドット)=[第1のパターン−第2のテストパターン/(第1のパターン−黒ベタ)]×N
ここで、第1のパターン及び黒ベタ時の濃度は基準データであり、第2のテストパターン(第1のパターン+第3のパターン)はずれ検出用データである。第2のLEDプリントヘッド3が1/2ドット右にずれるときは、第1のパターンと第1のテストパターン(第1のパターン+第2のパターン)は同じ濃度(第2のパターンが第1のパターンに隠れる)を持つため、「第1のパターン」の代わりに第1のテストパターンを基準濃度データに用いてもよい。また、Nは、第1のLEDプリントヘッド2のパターンの白黒ドットの繰り返し間隔である。つまり、1ドット未満のずれ量検出のときはN=1、4ドット未満のずれ量検出のときはN=4、8ドット未満のずれ量検出のときはN=8となり、本実施例でNは2となる。
【0033】
同じように、第2のLEDプリントヘッド3が1/2ドット左にずれるとき(図B)、濃度検知センサ10の出力が黒ベタ(1ドットずれるとき)ときと第1のパターン濃度を基準に、以下のような換算式でずれ量を換算することができる。
ずれ量(ドット)=[第1のパターン−第1のテストパターン/(第1のパターン−黒ベタ)]×N
ここで、第1のパターン及び黒ベタ時の濃度は基準データであり、第1のテストパターン(第1のパターン+第2のパターン)はずれ検出用データである。第2のLEDプリントヘッド3が1/2ドット左にずれているときは、第1のパターンと第2のテストパターン(第1のパターン+第3のパターン)は同じ濃度(第3のパターンが第1のパターンに隠れる)を持つため、「第1のパターン」の代わりに第1のテストパターンを基準濃度データに用いてもよい。また、Nは2となる。
【0034】
図4C(1)及び図4D(1)は、濃度検知センサ10の出力を縦軸に出力を、また横軸に時間をとって、ドラム面の濃度(キャリブレーション用)と、第1、第2のテストパターンの濃度に対応した出力値(電圧)を示した図である。図4C(2)及び図4C(2)は、図4C(1)と図4D(1)において、さらに、全てのLEDを点灯したときの黒ベタ画像の濃度に対応した出力値を示した図である。
図示のように、各整数(1、2、3、・・・)のドットずれごとに基準濃度データ(第1及び第2のテストパターン)を取っておき、ずれ検出用データと比較することで、1ドット以下の精度で、第2のLEDプリントヘッド3の位置のずれ量を検出することができる。
【0035】
なお、図4A及び図4Bでは、1ドット以下のずれ量の検出を行うことができるパターンを示しているが、パターンの幅を変更することによりずれ量の検出範囲を増やすこともできる。例えば、2ドット以下のずれ量を検出するときは、第1のパターンでは4ドット毎に4ドットずつ照射し、第2のパターン及び第3のパターンで第1のパターンの両端部に2ドットを照射するテストパターンを形成すればよく、4ドット以下のずれ量を検出するときは、第1のパターンでは8ドット毎に8ドットずつ照射し、第2のパターン及び第3のパターンで第1のパターンの両端部に4ドットを照射するテストパターンを形成すればよい。
【0036】
また、濃度検知センサ10で濃度を測定するときはパターン読取期間中(ドラム回転中)に複数回サンプリングを行い、その最高値データ、最低値データを除いたデータの平均値を取得することが好ましい。
また、感光体ドラム9上のトナー像は転写紙に転写するが、テストパターン形成時は、転写紙は使わずに感光体ドラム9上の画像を形成する。
【0037】
図5は、以上で説明したLEDプリントヘッドのオーバヘッド領域(つなぎ目)でのずれ方向の検出処理の手順を示すフロー図である。
図5において、まず、感光体ドラム9を回転させ、濃度検知センサ10で感光体ドラム9面の濃度を読み取り、濃度検知センサ10のキャリブレーションを実行する(S101)。ここで、キャリブレーションは、例えば、感光体ドラム面を読み取ったときのセンサ出力電圧が4Vになるようにセンサ光量を調整又は校正するものである。
【0038】
次に、同制御回路500は、制御装置300からの指示に基づき第1のLEDプリントヘッド2の上記第1のパターン及び第2のLEDプリントヘッド3の上記第2のパターンを感光体ドラム9上に書き込んで合成し、第1のテストパターンを形成する(S102)。
次に、濃度検知手段である濃度検知センサ10で第1のテストパターンの濃度を測定し、システム制御装置300は、その測定値を記憶手段であるRAM302(図2)に記憶(蓄積)させる(S103)。
【0039】
次に、第1のLEDプリントヘッド2の上記第1のパターン及び第2のLEDプリントヘッド3の上記第3のパターンを感光体ドラム9上に書き込んで合成し、第2のテストパターンを形成する(S104)。
次に、システム制御装置300のプログラムによる機能実現手段として構成される位置ずれ方向判断手段は、濃度検知センサ10で第2テストパターンの濃度を測定(検知)させ、システム制御装置300の記憶手段であるRAM302に記憶(蓄積)させる(S105)。
【0040】
ここで、システム制御装置300の 位置ずれ方向判断手段は、測定した第1のテストパターンと第2のテストパターンの濃度データをRAM302から読み出して比較演算処理を行い、ずれ方向の検出を行う(S106)。
なお、ずれ方向の検出方法は上記のように、第1のテストパターンの濃度出力が第2のテストパターンの濃度出力より大きいとき、つまり、第1のテストパターンの濃度検知センサ出力>第2のテストパターンの濃度検知センサ出力のとき、第2のLEDプリントヘッド3は右方向にずれており、第1のテストパターンの濃度出力が第2のテストパターン濃度出力より小さいとき、つまり、第1のテストパターンの濃度検知センサ出力<第2のテストパターンの濃度検知センサ出力のときは、第のLEDプリントヘッド3は左方向にずれていると判断する。また、第1のテストパターンの濃度出力と第2のテストパターンの濃度出力が等しいときは、第2のLEDプリントヘッド3はずれがないか、又はここでは2ドット単位でずれていてドット画像が一致しているかのいずれかである。
【0041】
以上のように、本実施形態の位置ずれ検出方法では、第1のLEDプリントヘッド2により形成された第1のパターンは所定の印字幅を持った印字マークを含むパターンとし、第2のLEDプリントヘッド3により形成される第2、第3のパターンは、第1のパターンの印字マークの左端部と右端部にパターン1の印字マークよりも幅狭の印字マークを含んだパターンにして、それぞれ第1のパターンと合成して合成画像である第1及び第2のテストパターンを形成する。そして、この第1及び第2のテストパターンの濃度の検知値(電圧)を比較すれば、その大小の関係から位置ずれの方向が分かる。
なお、印字マーク幅に変化がないときは、ずれがない(本実施形態では1ドット未満のずれはない)と判断する。この位置ずれ検出において、ハードウエアとしては濃度検知センサ10が一個追加すれば足りるから、その構成は簡単でありかつコストもそれ程掛からない。
【0042】
また、本実施形態では、第1、2、3のパターンとも、テストパターンを形成する領域、つまりLEDプリントヘッドのつなぎ目の領域は主走査側に500ドット(約20mm)程度、さらに副走査方向には連続して500ライン程度であり、濃度検知センサ10の検知領域より十分大きくしているので(図2C参照)、濃度検知センサ10の取り付けにばらつきが生じ、測定ポイントが多少ずれたとしても、濃度検知センサ10の出力は十分保つことができる。
また、本実施形態では、LEDプリントヘッドのオーバーラップ領域分にのみパターンを書き込みするようにしているが、LEDプリントヘッドの全領域で書き込ませるようにしてもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、第1のLEDプリントヘッド2及び第2のLEDプリントヘッド3の2本のLEDプリントヘッドを用いた場合について説明したが、これはLEDプリントヘッドが2台であることに限定する趣旨ではなく、副走査方向上流側のLEDプリントヘッドを第1のLEDプリントヘッド、下流側のものを第2のLEDプリントヘッドとして、それぞれ複数台のLEDプリントヘッドで構成してもよい。また、位置ずれ及びその方向を判断する制御装置は、画像形成装置全体を制御する制御装置300として説明したが、これに限定されず、独立した制御装置であってもよい。また、当然のことながらプリントヘッドはLEDプリントヘッドのみに限定されず、感光体もドラム状のもののみに限定されない。
【符号の説明】
【0044】
1・・・帯電チャージャ、2・・・第1のLEDプリントヘッド、3・・・第2のLEDプリントヘッド、4・・・現像ユニット、5・・・転写チャージャ、6・・・分離チャージャ、7・・・クリーニングチャージャ、8・・・除電ランプ、9・・・感光体ドラム、10・・・濃度検知センサ、100・・・読取部、200・・・画像処理部、300・・・システム制御装置、301・・・CPU、302・・・ROM、303・・・RAM、400・・・操作部、500・・・書込み制御部、501・・・LEDプリントヘッド制御回路。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特許第4019654号公報
【特許文献2】特開2007―038546公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、副走査方向の異なる位置に主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置であって、
少なくとも第1及び第2のプリントヘッドが重複する領域において、前記感光体に第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第1のテストパターンと、第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第2のテストパターンとを形成するプリントヘッド制御手段と、
第1及び第2のプリントヘッドで感光体上に形成した印字マークの濃度を検知する濃度検知手段と、
前記検出された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する位置ずれ方向判断手段と、を有し、
前記第1のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち一方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第2のパターンと、からなるテストパターンであり、かつ
前記第2のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち他方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第3のパターンと、からなるテストパターンであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記位置ずれ方向判断手段は、前記濃度検知手段の出力に基づき前記第1及び第2の検出パターンの比較を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像形成装置において、
前記濃度検知手段で検知した濃度を記憶手段に記憶する記憶手段を有し、
前記位置ずれ方向判断手段は、前記記憶手段に記憶された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記印字マークは、前記第1及び第2のプリントヘッドの発光素子が感光体上に形成した潜像を現像した感光体上に形成された画像であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、副走査方向の異なる位置に主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている光書き込み装置を備えた画像形成装置における、前記プリントヘッドの位置ずれの方向を検出する位置ずれ検出方法であって、
少なくとも第1及び第2のプリントヘッドが重複する領域において、前記感光体に第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第1のテストパターンと、第1及び第2のプリントヘッドにより形成される第2のテストパターンとを形成するプリントヘッド制御手段と、
第1及び第2のプリントヘッドで感光体上に形成した印字マークの濃度を検知する濃度検知工程と、
前記検知された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する位置ずれ方向判断工程と、を有し、
前記第1のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち一方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第2のパターンと、からなるテストパターンであり、かつ
前記第2のテストパターンは、第1のプリントヘッドが形成する複数の連続した印字マークを含む第1のパターンと、第2のプリントヘッドが形成する前記第1のパターンの前記印字マークのうち他方端側の印字マークと重なる印字マークを含む前記第1のパターンよりも印字マーク幅の狭い第3のパターンとからなるテストパターンである、ことを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法。
【請求項6】
請求項5に記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、
前記濃度検知工程は、濃度検知手段で濃度検知を行い、前記第1及び第2の検出パターンの比較は前記濃度検知手段の出力を用いて行うことを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、
前記濃度検知手段で検知した濃度を記憶手段に記憶させる記憶工程を有し、
前記位置ずれ方向判断工程は、前記記憶工程で記憶手段に記憶された第1及び第2のテストパターンの濃度を比較して、その大小関係から第1及び第2のプリントヘッドの位置ずれの方向を判断する工程であることを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、
前記印字マークは、前記第1及び第2のプリントヘッドの発光素子が感光体上に形成した潜像を現像した感光体上に形成された画像であることを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかに記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法において、
前記濃度検知手段が感光体の濃度を検知して行うキャリブレーション工程を有することを特徴とするプリントヘッドの位置ずれ検出方法。
【請求項10】
感光体に光を照射することで潜像を形成する列状に配置された複数の発光素子列を有する第1及び第2のプリントヘッドが、主走査方向において互いに端部を重複させて配置されている画像形成装置のコンピュータに、請求項5ないし9のいずれかに記載されたプリントヘッドの位置ずれ検出方法の各工程の手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−194693(P2011−194693A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63375(P2010−63375)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】