説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム

【課題】ダウンタイムの減少を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】プリンタは、消耗部品Aの寿命時期が近いと判別した場合に、消耗部品Aおよび消耗部品Bの各々の寿命時期を予測する。プリンタは消耗部品AおよびBの各々の寿命時期を予測した寿命時期から変更し、かつ寿命時期延長後の消耗部品AおよびBの交換時期が一致するように、消耗部品AおよびBの各々の動作条件を変更する(S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、より特定的には、ダウンタイムの減少を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、たとえば除電部材、現像装置、転写装置およびクリーニング部材などのように、画像形成動作の繰り返しによって消耗する複数の消耗部品(交換パーツ、交換部品、機能部品)を交換可能に備えている。各消耗部品は経時的に劣化して、最終的には使用不能になる。従って、画像形成装置の印刷品質を良好に維持するには、各消耗部品を定期的に交換する必要があり、通常は、使用不能になった消耗部品または使用不能になる直前の消耗部品が、新しいものと交換される。
【0003】
従来、各消耗部品の寿命は、たとえば最も過酷な条件での実験でその機能を満足し得る限界印刷枚数(耐久枚数)を基準としているが、消耗部品毎にその寿命時期(限界印刷枚数)は異なっている。また、各消耗部品が実際に過酷な条件で使用されることは希であり、各消耗部品は使用可能であるにもかかわらず交換されてしまう場合が多い。
【0004】
また、消耗部品の交換作業は、専門のメンテナンス作業者(以下、サービスマンと呼ぶことがある)によって行われることも多い。各消耗部品が寿命時期に到達する度にサービスマンが訪問してこれらを交換するとすれば、交換作業が頻繁に発生することになるから、画像形成装置のダウンタイムが増大したり、サービスマンの訪問コストおよび作業コストが嵩んだりするという問題を招来する。
【0005】
この問題に関して、ダウンタイムの減少やユーザの費用負担の減少のために、複数の消耗部品の交換時期を予め合わせておく技術が従来提案されている。たとえば下記特許文献1では、寿命の短い交換部品を予め長い部品の寿命に合わせ、消耗部品を全て同時に交換することが開示されている。下記特許文献2では、現像剤の寿命と、帯電ローラの寿命と、クリーニングブレードの寿命とを全て一致させることが開示されている。下記特許文献3では、現像剤のキャリアの寿命を他の部材の寿命の整数倍とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−255787号公報
【特許文献2】特開2000−132051号公報
【特許文献3】特開2001−92256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1〜3の技術はいずれも、実際の劣化状態(または消耗状態)から直接的に判断した各消耗部品の寿命を一致させる訳ではなく、最も過酷な条件を基準にした場合の限界印刷枚数をその寿命時期とみなし、各消耗部品の機能を確実に満足した状態で他の消耗部品との交換周期を合わせて交換時期が設定されている。このため、交換時期は単体で使用する場合よりもさらに短くなり、交換時期であると判断した消耗部品であっても、実際は未だに使用可能なことが多かった。その結果、実際の劣化状態に基づく真の寿命に達していないにも拘らず、交換時期であると判断した消耗部品を新しいものと交換することになり、ダウンタイムおよびレーバーコストの増加を招いていた。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その一の目的は、ダウンタイムの減少を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、レーバーコストの削減を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一の局面に従う画像形成装置は、画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置であって、複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出手段と、検出手段にて検出した消耗状況に基づいて、第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別手段と、判別手段にて第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、検出手段にて検出した消耗状況に基づいて第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ複数の消耗部品のうち第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測手段と、第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を寿命予測手段にて予測した寿命時期から変更するように、第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更手段であって、寿命時期延長後の第1の消耗部品の交換時期と寿命時期延長後の第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更手段とを備える。
【0011】
上記画像形成装置において好ましくは、判別手段にて第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、寿命予測手段は少なくとも第1の消耗部品以外の複数の消耗部品の寿命時期を予測し、寿命予測手段にて予測した寿命時期に基づいて、条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品を第1の消耗部品以外の複数の消耗部品の中から抽出する抽出手段をさらに備える。
【0012】
上記画像形成装置において好ましくは、抽出手段は、寿命予測手段にて予測した寿命時期と、寿命予測手段にて予測した第1の消耗部品の寿命時期との差が所定値以下である消耗部品を、条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する。
【0013】
上記画像形成装置において好ましくは、抽出手段は、寿命予測手段にて予測した寿命時期が、第1の消耗部品よりも早い消耗部品を、条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する。
【0014】
上記画像形成装置において好ましくは、抽出手段は、寿命予測手段にて予測した寿命時期が、最大限に延命した場合の第1の消耗部品の予測される寿命時期よりも早い消耗部品を、条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する。
【0015】
上記画像形成装置において好ましくは、判別手段は、第1の消耗部品に関する検出値の閾値に基づいて、または交換初期の検出値を基準とする第1の消耗部品に関する検出値の変化量に基づいて、第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する。
【0016】
上記画像形成装置において好ましくは、画像形成動作の積算時間が一定時間に達した場合、一定の枚数の転写材に対して画像形成した場合、画像形成ジョブが終了した場合、およびに画像形成装置内へ転写材を通紙している場合のうち少なくともいずれか1つの場合に、検出手段は第1の消耗部品の消耗状況を検出する。
【0017】
上記画像形成装置において好ましくは、第1の消耗部品は、転写材に対してトナーを転写する転写部材から、トナーを転写した後の転写材を分離する分離部材であり、検出手段は、分離部材と、分離部材と対向する部材との間に流れる電流に基づいて分離部材の消耗状況を検出し、条件変更手段は、分離部材への印加電圧または分離部材に流す電流を変更する。
【0018】
上記画像形成装置において好ましくは、条件変更手段は、第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期の延長量が、画像形成する転写材の枚数または画像形成動作時間として決定されるように、第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する。
【0019】
上記画像形成装置において好ましくは、検出手段にて検出した消耗状況を記憶させる記憶手段と、記憶手段にて記憶させた消耗状況を表示する表示手段とをさらに備える。
【0020】
上記画像形成装置において好ましくは、第1または第2の消耗部品が寿命時期に到達した場合に、第1および第2の消耗部品を交換するように通知する通知手段をさらに備える。
【0021】
上記画像形成装置において好ましくは、第2の消耗部品は、記録材に転写するトナー像が形成される転写部材上に残留したトナーを除去するクリーニング部材であり、条件変更手段は、クリーニング部材が転写部材に及ぼす圧力を変更する。
【0022】
本発明の他の局面に従う画像形成装置の制御方法は、画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置の制御方法であって、複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出ステップと、検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて、第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別ステップと、判別ステップにて第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ複数の消耗部品のうち第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測ステップと、第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を寿命予測ステップにて予測した寿命時期から変更するように、第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更ステップであって、寿命時期変更後の第1の消耗部品の交換時期と寿命時期変更後の第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更ステップとを備える。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従う画像形成装置の制御プログラムは、画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置の制御プログラムであって、複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出ステップと、検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて、第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別ステップと、判別ステップにて第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ複数の消耗部品のうち第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測ステップと、第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を寿命予測ステップにて予測した寿命時期から変更するように、第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更ステップであって、寿命時期変更後の第1の消耗部品の交換時期と寿命時期変更後の第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ダウンタイムの減少を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
【0025】
また本発明によれば、レーバーコストの削減を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態におけるプリンタの構成を示す断面図である。
【図2】二次転写ローラおよびその付近の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図4】使用環境の違いによる除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態において除電部材の寿命時期が延長された場合の、除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態において除電部材および転写ベルトクリーナの各々の寿命時期が延長された場合の、除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。
【図7】寿命時期の延長時の分離電圧の設定に用いられる除電部材延命テーブルの一例を示す図である。
【図8】転写ベルトクリーナの耐久枚数の試算に用いられるクリーニング部材寿命テーブルの一例を示す図である。
【図9】転写ベルトクリーナの耐久枚数の試算に用いられるクリーニング部材寿命テーブルの他の例を示す図である。
【図10】寿命時期の延長時の転写ベルトクリーナの圧力の設定に用いられるクリーナ延長テーブルの一例を示す図である。
【図11】消耗部品の寿命の調節を行う場合のプリンタ1の動作を模式的に示すフローチャートの前半部分である。
【図12】消耗部品の寿命の調節を行う場合のプリンタ1の動作を模式的に示すフローチャートの後半部分である。
【図13】本発明の一実施の形態における消耗部品の交換周期を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0028】
本実施の形態における画像形成装置は、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものである。本実施の形態における画像形成装置は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)や、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどであってもよい。
【0029】
本明細書において、「消耗状況」とは、画像形成動作の実行による消耗部品の消耗の状態や劣化の状態を意味している。「寿命時期」とは、消耗により消耗部品が適切な性能を発揮できなくなる状態に至る時期を意味している。「交換時期」とは、消耗部品の寿命時期までの期間が少なくなった結果(または消耗部品の寿命時期に到達した結果)、消耗部品の交換が奨励される期間を意味している。
【0030】
[画像形成装置の構成]
【0031】
始めに、画像形成装置の概略的な構成について説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態におけるプリンタの構成を示す断面図である。
【0033】
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置であるプリンタ1は、その本体2内に、画像プロセス装置3と、給紙装置4と、定着装置5とを主に備えている。詳細は図示していないが、プリンタ1は、たとえばLAN(Local Area Network)といったネットワークに接続されていて、外部端末(図示省略)からの印刷指令を受け付けると、当該指令に基づいて印刷を実行する。
【0034】
本体2内の下部に位置する給紙装置4は、記録材P(転写材の一例)を収容する給紙カセット21と、給紙カセット21内の記録材Pを最上層から繰り出すピックアップローラ22と、繰り出された記録材Pを1枚ずつに分離する一対の分離ローラ23と、1枚に分離された記録材Pを所定のタイミングにて画像プロセス装置3に搬送する一対のタイミングローラ24とを主に含んでいる。各給紙カセット21内の記録材Pは、ピックアップローラ22および分離ローラ23の回転にて、最上層のものから1枚ずつ搬送経路30に送り出される。搬送経路30は、給紙装置4の給紙カセット21から、タイミングローラ24のニップ部、画像プロセス装置3の二次転写ニップ部11、および定着装置5の定着ニップ部を経て、本体2上部にある排出ローラ26に至る。
【0035】
給紙カセット21内の記録材Pは、その通紙幅(搬送方向Sと直交する幅寸法)の中央を基準にして、搬送経路30に向けて矢印S方向に搬送するセンター基準にセットされる。給紙カセット21内には、給紙前の記録材Pをセンター基準に幅寄せするための一対の側部規制板25が設けられている。一対の側部規制板25は、通紙幅方向(搬送方向Sと直交する方向)に互いに連動して遠近移動するように構成されている。給紙カセット21内の記録材Pを一対の側部規制板25にて通紙幅方向両側から扶持することによって、給紙カセット21内の記録材Pがその規格に拘らずセンター基準にセットされる。従って、画像プロセス装置3での転写処理や、定着装置5での定着処理もセンター基準で実行される。
【0036】
給紙装置4の上方に位置する画像プロセス装置3は、感光体13上に形成されたトナー像を記録材Pに転写する役割を担うものであり、転写部材である中間転写ベルト6と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色に対応する計4つの作像部7Y、7M、7C、および7K(以降、これらをまとめて作像部7と呼ぶことがある)と、一次転写ローラ16と、二次転写ローラ10とを含んでいる。中間転写ベルト6は、本体2内の中央部右側に位置する駆動ローラ8と、本体2内の中央部左側に位置する従動ローラ9とに巻き掛けられている。中間転写ベルト6のうち駆動ローラ8に巻き掛けられた部分に転写部材である二次転写ローラ10が当接されている。中間転写ベルト6と二次転写ローラ10との当接部分は二次転写領域である二次転写ニップ部11になっている。中間転写ベルト6のうち従動ローラ9に巻き掛けられた部分の外側には、中間転写ベルト6上の未転写トナーを除去する転写ベルトクリーナ12(クリーニング部材)が配置されている。本体2内部のうち画像プロセス装置3と給紙装置4との間には、プリンタ1の制御全般を司る制御部28が配置されている。
【0037】
4つの作像部7は、中間転写ベルト6の下方において、図1の左からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、中間転写ベルト6に沿って並べて配置されている。各作像部7は感光体13と、帯電器14と、現像器15と、一次転写ローラ16と、感光体クリーナ17と、露光部19とを含んでいる。感光体13の周囲には、図1における時計回りの回転方向に沿って順に、帯電器14、露光部19、現像器15、一次転写ローラ16、および感光体クリーナ17が配置されている。
【0038】
各作像部7において、帯電器14にて帯電される感光体13に、露光部19からレーザービームが投射されると、感光体13上に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器15から供給されるトナーにて反転現像されて各色のトナー像となり、感光体13と一次転写ローラ16とで構成される一次転写ニップ部において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、感光体13から中間転写ベルト6の外周面に一次転写されて重ねられる。感光体13に残った未転写トナーは感光体クリーナ17にて掻き取られ、感光体13上から取り除かれる。そして、記録材Pが二次転写ニップ部11を通過する際に、中間転写ベルト6上に形成された4色のトナー像が記録材Pに一括して二次転写される。中間転写ベルト6に残留した未転写トナーは転写ベルトクリーナ12にて掻き取られ、中間転写ベルト6上から取り除かれる。
【0039】
画像プロセス装置3における二次転写ローラ10の上方に位置する定着装置5は、IH(Induction Heating)ヒータやハロゲンランプヒータなどの熱源を内蔵した定着ローラ31と、定着ローラ31に対峙する加圧ローラ32とを備えている。定着ローラ31と加圧ローラ32との当接部分が定着領域である定着ニップ部になっている。二次転写ニップ部11を通過して未定着トナー像を載せた記録材Pは、定着ローラ31と加圧ローラ32との間の定着ニップ部を通過する際に加熱・加圧され、記録材P上に未定着トナー像を定着される。その後、記録材Pは、一対の排出ローラ26の回転にて排紙トレイ27上に排出される。
【0040】
プリンタ1において、たとえば各作像部7の現像器15、中間転写ベルト6、転写ベルトクリーナ12、および感光体クリーナ17などは、画像形成動作の繰り返しによって消耗する消耗部品に相当するものであり、プリンタ1において交換可能(着脱自在)に構成されている。現像器15については、たとえば現像器15内の貯蔵トナー量を用いて消耗状況を検知可能であり、かつ寿命時期(寿命)が予測可能である。また現像器がトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた現像器の場合には、トナー帯電量を用いてキャリアの劣化状態を判断し寿命時期を予想可能である。中間転写ベルト6については、たとえばベルトの表面の粗さを用いて消耗状況を検知可能であり、かつ寿命時期が予測可能である。転写ベルトクリーナ12および感光体クリーナ17については、たとえばトナーの除去性能を用いて消耗状況を検知可能であり、かつ寿命時期が予測可能である。
【0041】
なお、その他の例示は省略するが、プリンタ1において、画像形成動作の実行により消耗し、かつプリンタ1において交換可能な構成要素であれば、いずれも消耗部品たり得るのは言うまでもない。
【0042】
また、転写部材としては二次転写ローラ10を使用する代わりに放電器を使用してもよい。また、中間転写ベルト6が二次転写ローラ10と対向する代わりに、感光体が直接二次転写ローラ10と対向していてもよい。
【0043】
続いて、二次転写ローラ10およびその付近の構成について詳細に説明する。
【0044】
図2は、二次転写ローラおよびその付近の構成を示す断面図である。
【0045】
図2を参照して、中間転写ベルト6のうち駆動ローラ8より外側の箇所に、二次転写ローラ10が回転可能に配置されている。二次転写ローラ10より搬送下流側には、接触式の除電部材50が配置されている。除電部材50は、二次転写ニップ部11を通過した記録材Pに接触(当接)して除電することにより、記録材Pの中間転写ベルト6からの分離性を向上させて、定着装置5への搬送をスムーズにするためのものである。除電部材50は画像形成動作の繰り返しによって消耗する消耗部品に相当するものであり、本体2に交換可能に装着されている。
【0046】
除電部材50は、たとえば、二次転写ローラ10の外周側に被さる金属アーム51と、金属アーム51における搬送経路30寄りの部位に取り付けられた除電布52とを含んでいる。金属アーム51は、二次転写ローラ10の外周に沿って延びる基部51aと、基部51aの両端から二次転写ローラ10に向かって互いに平行に突出する一対の脚部51bとを有している。一対の脚部51bの各々は二次転写ローラ10の軸部10aに支持されている。除電布52は、導電性微細繊維の不織布からなるものであり、金属アーム51の基部51a上面側のうち中間転写ベルト6に対峙する部位(搬送経路30に近い部位)に貼り付けられている。
【0047】
除電部材50には、二次転写に印加する電圧と逆極性の分離電圧を印加する分離電源53がリレー54を介して電気的に接続されている。リレー54は、除電部材50への分離電圧印加の可否を選択的に切り換えるためのものである。リレー54は、除電部材の動作を制御するコントローラ40に電気的に接続されていて、記録材Pの先端が除電部材50に接触すれば導通状態となり、記録材Pの末端が除電部材50から離れれば遮断状態となるように構成されている。一方、本体2は、導電性接触子56の移動に応じて抵抗値を変化させる可変抵抗器55を介して接地されている。導電性接触子56は、リレー54と同様にコントローラ40に電気的に接続されている。導電性接触子56の移動にて可変抵抗器55の抵抗値を変化させることにより、除電部材50への分離電圧V(印加電圧値)が変更される。コントローラ40の入出力インターフェイスには、前述したリレー54、可変抵抗器55の導電性接触子56、および電流計57が電気的に接続されている。
【0048】
また、二次転写ローラ10と対向する駆動ローラ8は、電流計57を介して接地されている。電流計57は、除電部材50に印加された分離電圧によって除電部材50および駆動ローラ8を流れた分離電流I(印加電流)を検出するものである。除電部材50が消耗すると除電部材50には電流が流れにくくなる。したがって、除電部材50の消耗状況(劣化状況)は、除電部材50を流れた分離電流Iの減少に比例して悪化する。換言すると、電流計57にて検出される分離電流Iの絶対値が小さくなるほど、除電部材50は劣化する。従って、電流計57にて検出される分離電流Iを用いて、除電部材50の消耗状況を検知可能であり、かつ除電部材50の寿命時期(交換時期)を予測可能である。
【0049】
コントローラ40は、除電部材50への分離電圧V(印加電圧値)や分離電流Iなどの除電部材50の動作条件を変更可能である。具体的には、導電性接触子56の移動による可変抵抗器55の抵抗値変化によって、除電部材50への分離電圧Vが変更される。
【0050】
なお、除電部材50としては、たとえば鋸歯電極、導電ブラシ、または導電布などを用いることができ、電圧を印加することのできる導電性の材料が好ましい。
【0051】
図3は、本発明の一実施の形態におけるプリンタの構成を示すブロック図である。
【0052】
図3を参照して、プリンタ1は、プリンタ1における画像形成動作の積算時間(駆動時間)をカウントするタイマ81と、プリンタ1において画像形成した(搬送した)記録材Pの枚数をカウントするカウンタ82と、複数のキーおよび液晶表示部を有する操作パネル83と、転写ベルトクリーナ12によるクリーニング作業後の中間転写ベルト6の残トナー(未転写トナー)を検知可能である濃度センサ84と、現像器15に貯蔵されているトナー量を検知する貯蔵トナー量検知部85と、中間転写ベルト6の表面の粗さを測定するベルト粗さ評価部86と、転写ベルトクリーナ12が中間転写ベルト6に及ぼす圧力(以降、転写ベルトクリーナ12の圧力と呼ぶことがある)や、感光体クリーナ17が感光体13に及ぼす圧力などを調整するクリーナ調整部87とをさらに備えている。コントローラ40、タイマ81、カウンタ82、操作パネル83、濃度センサ84、貯蔵トナー量検知部85、ベルト長評価部86、クリーナ調整部87の各々は、制御部28に接続されている。
【0053】
制御部28は、CPU71と、HDD72と、ROM73と、RAM74と、ネットワークコントローラ75とを含んでいる。CPU71は、プリンタ1全体の制御を行なう。またCPU71は、ROM73に記憶されたプリンタ1の制御プログラムを実行する。CPU71は、所定の処理を行なうことにより、HDD72、ROM73、RAM74のデータの読み込みや、HDD72、ROM73、RAM74へのデータの書き込みを行なう。
【0054】
HDD72は各種データを記憶する記憶装置である。特にHDD72は、後述する各種のテーブルや数値を記憶している。
【0055】
ROM73は、たとえばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM73には、プリンタ1の動作を行なうための各種プログラムと、各種固定データとが格納されている。ROM73は、書換え不可能なものであってもよい。
【0056】
RAM74は、CPU71のメインメモリである。RAM74は、CPU71が制御プログラムを実行するときに必要なデータを記憶するためなどに用いられる。
【0057】
ネットワークコントローラ75は、CPU71からの指示に従って、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルによって、有線または無線のLANなどを介して外部端末との通信を行う。特にネットワークコントローラ75は、外部端末からの印刷指令を受け付ける。
【0058】
プリンタ1は、複数の消耗部品を含んでおり、各消耗部品の消耗状況を検出することができる。プリンタ1は、複数の消耗部品のうち1つの消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合に、その消耗部品の予測される寿命時期(以下、予測寿命時期と呼ぶことがある)と予測寿命時期が近い消耗部品を、他の消耗部品の中から抽出する。そして、寿命時期が近いと判別した消耗部品と、抽出した消耗部品との交換時期が一致するように(同じになるように)延命措置などを行い、寿命時期を調節する。そして、2つの消耗部品のうちいずれかが寿命時期に到達したときに、それらの消耗部品を同時に交換する。
【0059】
[寿命時期の調節方法の概要]
【0060】
続いて、消耗部品の寿命時期の調節方法の概要について説明する。なお、以下においては、寿命時期を調節する消耗部品が除電部材50および転写ベルトクリーナ12である場合について説明する。始めに、図4を用いて除電部材の一般的な性質を説明する。
【0061】
図4は、使用環境の違いによる除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。図4および図5において、縦軸は電流計57で計測される分離電流I(μA)を示しており、横軸は耐久枚数、または画像形成した記録材Pの枚数(k(×1000)枚)を示している。
【0062】
図4を参照して、除電部材は、プリンタの画像形成動作の繰り返しにより消耗すると、その抵抗が増大する。このため、除電部材に印加される分離電圧Vが一定である場合には、プリンタの画像形成動作の繰り返しにより分離電流Iは単調減少する。その結果、除電部材が適切な性能を発揮できなくなる値である線LTで示す値まで分離電流Iが低下し、除電部材が寿命時期に到達する。つまり、分離電流Iは、除電部材の消耗状況(劣化状態)を把握するための指標となる。
【0063】
以降、消耗部品が適切な性能を発揮できる状態で画像形成可能な記録材の枚数を耐久枚数と呼ぶことがある。消耗部品の寿命時期は、耐久枚数として表すことができる。また、分離電流Iが線LTの値まで低下した場合に、除電部材が寿命時期に到達したと判断し、分離電流Iが線LTに近接した線NRの値まで低下した場合に、除電部材が交換時期に入ったと判断する。
【0064】
従来の消耗部品の耐久枚数は、各種実験を行った結果、最も過酷な実験条件(最悪条件)で画像形成可能な記録材の枚数により決定されていた。たとえば除電部材においては、最悪条件における分離電流Iの変化を示す直線A1に基づいて、耐久枚数および交換時期が設定されていた。すなわち、除電部材の使用開始時から直線A1が線LTの値に到達する時までの間に画像形成した記録材の枚数NS1(この場合約200k枚)が、除電部材の耐久枚数とされていた。また、直線A1が線NRの値になった時から線LTの値になる時までの期間EP1が除電部材の交換時期とされていた。
【0065】
しかし、実際にはこのような過酷な条件で使用されることはほとんど無く、使用可能であるにもかかわらず交換されてしまう消耗部品が殆どである。たとえば除電部材が最も好適な条件(最良条件)で使用された場合には、分離電流Iは直線A2に示すように変化する。その結果、除電部材の耐久枚数が枚数NS1から枚数NS2へと増加し、除電部材の交換時期が交換時期EP1から交換時期EP2へと遅くなる。従って、従来の方法で消耗部品が寿命時期に到達したと判断された場合でも、実際には消耗部品はまだ使用可能であることが多かった。本実施の形態では、この使用可能な期間を利用して寿命時期を延長する。
【0066】
図5は、本発明の一実施の形態において除電部材の寿命時期が延長された場合の、除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。図5において、直線B1およびB2は、ある使用条件で画像形成動作を繰り返した場合における除電部材50の分離電流Iの変化を示している。
【0067】
図5を参照して、除電部材50を用いてプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数が枚数NS3となった場合に、直線B1が線NRの値まで低下する。この場合プリンタ1は、除電部材50が交換時期に入った(つまり、除電部材50の寿命時期が近い)と判断する。除電部材50が交換時期に入ったと判断すると、プリンタ1は、コントローラ40を通じて分離電圧Vを増加することによって分離電流Iを増加させる。これにより、分離電流Iは線NRで示す値を上回り、以降の分離電流Iは直線B2で示すように変化する。その結果、仮に分離電圧Vを増加させなかった場合には枚数NS4であった除電部材50の耐久枚数を、枚数NS5に増加することができ、除電部材50の寿命時期を延長することができる。除電部材50の耐久枚数の増加量(つまり、除電部材50の寿命時期の延長量)は、分離電圧Vの増加量によって調節可能である。
【0068】
なお、除電部材50の分離電圧Vを変更する代わりに、分離電流Iを変更することにより、除電部材50の耐久枚数を増加させてもよい。
【0069】
ここで、分離電圧Vは、交換時期に入った時などの、ある程度の枚数の記録材Pに対して画像形成動作を行った後で増加することが好ましい。たとえば、除電部材50の使用開始時(全く画像形成を行っていない時)から高い分離電圧Vが設定されると、除電部材50の分離電流Iが高くなり過ぎて除電部材50の劣化が著しく速くなる。
【0070】
なお、線NRおよび線LTで示す値は、たとえばHDD72に予め記憶されていてもよい。除電部材50を始めとする消耗部品の消耗状況については、プリンタ1のHDD72に予め記憶されているテーブルに基づいて判断されてもよいし、過去の検出結果から劣化カーブを計算し、計算された劣化カーブに基づいて判断されてもよい。さらに、除電部材50を始めとする消耗部品が交換時期に入ったか否かについては、上述のように消耗部品に関する検出値の閾値に基づいて判断されてもよいし、交換初期の検出値を基準とする検出値の変化量に基づいて判断されてもよい。
【0071】
図6は、本発明の一実施の形態において除電部材および転写ベルトクリーナの各々の寿命時期が延長された場合の、除電部材の分離電流の変化を模式的に示す図である。図6において、直線B1およびB2は、ある使用条件で画像形成動作を繰り返した場合における除電部材50の消耗状況の変化を示している。直線C1およびC2は、ある使用条件で画像形成動作を繰り返した場合における転写ベルトクリーナ12の消耗状況の変化を示している。
【0072】
図6を参照して、除電部材50を用いてプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数が枚数NS3となった場合に、直線B1が線NRの値まで低下し、除電部材50が交換時期に入る。除電部材50が交換時期に入ると、プリンタ1は、除電部材50と転写ベルトクリーナ12との寿命時期の調整を行う。具体的にはプリンタ1は、除電部材50と転写ベルトクリーナ12との各々における残りの耐久枚数(残りの寿命時期)を予測する。その結果、除電部材50の残りの耐久枚数は、直線B1に基づいて枚数NR4と予測され、転写ベルトクリーナ12の残りの耐久枚数は、直線C1に基づいて枚数NR6と予測される。
【0073】
ここで、転写ベルトクリーナ12においては、プリンタ1の画像形成動作の繰り返しによって転写ベルトクリーナ12が消耗すると、トナーの除去性能が直線C1で示すように低下する。つまり、トナーの除去性能は、転写ベルトクリーナ12の消耗状況を示す指標となる。
【0074】
除電部材50と転写ベルトクリーナ12との各々における残りの耐久枚数を予測した後で、プリンタ1は、除電部材50の分離電圧Vを増加することにより、除電部材50の予測される耐久枚数を枚数NR4から枚数NR5へ増加させる(寿命時期を延長する)。同時にプリンタ1は、クリーナ調整部87を用いて転写ベルトクリーナ12の圧力を増加することにより、トナーの除去性能を向上させる。これにより、以降のトナーの除去性能は直線C2で示すように変化する。その結果、転写ベルトクリーナ12の予測される耐久枚数が枚数NR6から枚数NR7へ増加する。
【0075】
除電部材50および転写ベルトクリーナ12の各々の耐久枚数は、除電部材50の交換時期と転写ベルトクリーナ12の交換時期とが一致するように増加される。すなわち、転写ベルトクリーナ12が寿命時期に到達した時に除電部材50が交換時期に入っているように(または、除電部材50が寿命時期に到達した時に転写ベルトクリーナ12が交換時期に入っているように)される。このように耐久枚数を増加することにより、除電部材50および転写ベルトクリーナ12を同じ機会に交換することができる。
【0076】
なお、除電部材50が交換時期に入った場合に、複数の消耗部品の各々の寿命時期を予測し、除電部材50の予測される寿命時期に基づいて、動作条件を変更する消耗部品をその中から抽出してもよい。この場合、予測される寿命時期と、除電部材50の予測される寿命時期との差が所定値以下である消耗部品を、動作条件を変更する消耗部品として抽出してもよい。また、消耗部品の消耗状況が線NRに到達した場合に、その消耗部品の交換を促す表示(ニア表示)を操作パネル83に行ってもよい。
【0077】
[除電部材の分離電圧の具体的な設定方法]
【0078】
上述のように、プリンタ1は、除電部材50が交換時期に入ると、コントローラ40を通じて分離電圧Vを増加することによって分離電流Iを増加させ、これにより除電部材50の寿命時期を延長する。ここでは、除電部材50の寿命時期の延長時の分離電圧Vの具体的な設定方法について説明する。
【0079】
図7は、寿命時期の延長時の分離電圧の設定に用いられる除電部材延命テーブルの一例を示す図である。
【0080】
図7を参照して、除電部材印加電圧(テーブル中「+300」などの数値)は、寿命時期の延長時に設定される分離電圧Vを示している。除電部材印加電圧は、標準電圧(交換時期に入る前の除電部材50に設定される分離電圧の標準値)からの増加量(V)として示されている。寿命調整開始枚数は、除電部材50の使用開始時から寿命時期の延長時までにプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数を示している。寿命延長枚数は、除電部材50の寿命時期の必要とされる延長量(増加させる必要がある耐久枚数の量)を示している。
【0081】
たとえば、寿命調整開始枚数が250k枚〜300k枚であり、かつ寿命延長枚数が40k枚である場合には、分離電圧の標準値に対してさらに400Vだけ高い電圧が、新たな分離電圧Vとして設定される。
【0082】
寿命時期の延長時に設定される分離電圧Vは、上述のように除電部材延命テーブルを用いる代わりに、以下の式(1)を用いて設定されてもよい。
【0083】
除電部材印加電圧(V)=標準電圧(V)+a×残り耐久枚数(枚) ・・・(1)
【0084】
上記式(1)において、残り耐久枚数は、寿命時期の延長時以降に必要な耐久枚数を示しており、aは正数の定数を示している。
【0085】
[転写ベルトクリーナの寿命時期の予測方法および転写ベルトクリーナの圧力の具体的な設定方法]
【0086】
上述のように、プリンタ1は、転写ベルトクリーナ12の圧力を増加することによりトナーの除去性能を向上させ、これにより転写ベルトクリーナ12の寿命時期を延長する。ここでは、転写ベルトクリーナ12の寿命時期の予測方法と、転写ベルトクリーナ12の寿命時期の延長量に応じた転写ベルトクリーナ12の圧力の具体的な設定方法とについて説明する。
【0087】
図8は、転写ベルトクリーナの耐久枚数の試算に用いられるクリーニング部材寿命テーブルの一例を示す図である。
【0088】
図8を参照して、予め決められた条件(たとえばプリンタ1の電源をオンした時、プリンタが画像形成した記録材Pの枚数が一定枚数に達した時、またはプリンタ1における画像形成動作の積算時間が一定時間に達した時など)を満たした場合、プリンタ1は、トナー付着量の異なるパターンを中間転写ベルト6上に形成し、そのパターンを転写ベルトクリーナ12にてクリーニングさせる。そしてプリンタ1は、クリーニング後に中間転写ベルト6上に残留したトナー(クリーニング残り)を濃度センサ84で検知することにより、転写ベルトクリーナ12によるトナーの除去状況を評価する。
【0089】
図8を参照して、C.P1およびC.P2は、基準となるトナーの除去状況の評価結果である。すなわち、トナーの除去状況の評価結果がC.P(チェックポイント)1の条件を満たした場合には、転写ベルトクリーナ12の使用開始時からその時までにプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数が、到達枚数a1(一例では50k枚)としてたとえばHDD72に記憶される。トナーの除去状況の評価結果がC.P2の条件を満たした場合には、転写ベルトクリーナ12の使用開始時からその時までにプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数が、到達枚数a2(一例では100k枚)としてたとえばHDD72に記憶される。
【0090】
C.P1およびC.P2における○印は、転写ベルトクリーナ12がトナーを適切に除去していると評価した場合を示しており、×印は、転写ベルトクリーナ12がトナーを適切に除去していないと評価した場合を示している。つまり、C.P1は、トナー付着量が1g/m2〜1.5g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が良好であり、かつトナー付着量が1.75g/m2〜2g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が望ましくない、という条件になっている。C.P2は、トナー付着量が1g/m2〜1.25g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が良好であり、かつトナー付着量が1.5g/m2〜2g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が望ましくない、という条件になっている。
【0091】
転写ベルトクリーナ12によるトナーの除去状況を評価した結果、到達枚数a1およびa2がHDD72に記憶されると、プリンタ1は、以下の式(2)を用いて、転写ベルトクリーナ12の耐久枚数を試算し、それにより寿命時期を予測する。試算された耐久枚数は、たとえばHDD72に記憶される。
【0092】
耐久枚数(枚)=到達枚数a2(枚)+(到達枚数a2(枚)−到達枚数a1(枚)) ・・・式(2)
【0093】
転写ベルトクリーナ12の耐久枚数は、図8に示すクリーニング部材寿命テーブルおよび式(2)を用いて試算する代わりに、図9に示すクリーニング部材寿命テーブルおよび以下の式(3)を用いて試算されてもよい。
【0094】
図9は、転写ベルトクリーナの耐久枚数の試算に用いられるクリーニング部材寿命テーブルの他の例を示す図である。
【0095】
図9を参照して、C.P3は、基準となるトナーの除去状況の評価結果である。すなわち、トナーの除去状況の評価結果がC.P3の条件を満たした場合には、転写ベルトクリーナ12の使用開始時からその時までにプリンタ1が画像形成した記録材Pの枚数が、到達枚数a3(一例では50k枚)としてたとえばHDD72に記憶される。C.P3は、トナー付着量が1g/m2〜1.5g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が良好であり、かつトナー付着量が1.75g/m2〜2g/m2と設定された場合のトナーの除去状況の評価結果が望ましくない、という条件になっている。
【0096】
転写ベルトクリーナ12によるトナーの除去状況を評価した結果、到達枚数a3がHDD72に記憶されると、プリンタ1は、以下の式(3)を用いて、耐久枚数を試算し、それにより寿命を予測する。試算された耐久枚数は、たとえばHDD72に記憶される。
【0097】
耐久枚数(枚)=到達枚数a3(枚)+(到達枚数a3(枚)×2) ・・・式(3)
【0098】
図9に示すクリーニング部材寿命テーブルおよび式(3)を用いる場合には、1つの到達枚数a3のみに基づいて耐久枚数が試算可能である。
【0099】
一方、転写ベルトクリーナ12の寿命時期の延長量は、除電部材50の交換時期と転写ベルトクリーナ12の交換時期とが一致するように設定され、転写ベルトクリーナ12の寿命時期の延長量に応じて、転写ベルトクリーナ12の圧力が設定される。
【0100】
図10は、寿命時期の延長時の転写ベルトクリーナの圧力の設定に用いられるクリーナ延長テーブルの一例を示す図である。
【0101】
図10を参照して、寿命時期の延長時に設定される転写ベルトクリーナ12の圧力(テーブル中「10%」などの数値)は、転写ベルトクリーナ12が中間転写ベルト6に及ぼす標準圧力(交換時期に入る前の転写ベルトクリーナ12に設定されている圧力)に対する圧力の増加率(%)として示されている。推定寿命は、上述の方法で試算された転写ベルトクリーナ12の耐久枚数を示している。必要延長枚数は、転写ベルトクリーナ12の寿命時期の延長量(増加させる必要がある耐久枚数の量)を示している。
【0102】
たとえば、上述の方法で試算された転写ベルトクリーナ12の耐久枚数が80k枚〜90k枚であり、かつ転写ベルトクリーナ12の耐久枚数を30k枚だけ増加させる必要がある場合には、転写ベルトクリーナ12の標準圧力に対して15%だけ大きい圧力が、新たな転写ベルトクリーナ12の圧力として設定される。
【0103】
なお、転写ベルトクリーナ12は、クリーニングブレードなどを用いて中間転写ベルト6上の残留トナーを物理的に除去する構成ものであってもよい。この場合には、上述のように中間転写ベルト6に及ぼす転写ベルトクリーナ12の圧力を調整することで、転写ベルトクリーナ12の寿命を増加させることが好ましい。また、転写ベルトクリーナ12は、電流または電圧が印加されたローラやブラシを使用して中間転写ベルト6上の残留トナーを電気的に除去するものであってもよい。この場合には、転写ベルトクリーナ12に対して印加する電流値や電圧値を調節することで、転写ベルトクリーナ12の寿命を増加させることが好ましい。電流値や電圧値の調節を行う場合にも、図10に示すクリーナ延長テーブルと同様のテーブルを用いて電流値や電圧値の増加率を設定することができる。
【0104】
[プリンタの動作を示すフローチャート]
【0105】
続いて、消耗部品の寿命の調節を行う場合のプリンタ1の動作の一例について説明する。
【0106】
図11および図12は、消耗部品の寿命の調節を行う場合のプリンタ1の動作を模式的に示すフローチャートである。図11および図12においては、消耗部品Aの寿命調節が必要となった場合に、消耗部品Aの予測寿命時期と近い予測寿命時期を有する消耗部品Bを、プリンタ1に含まれる複数の消耗部品の中から抽出し、消耗部品AおよびBの各々の寿命時期を延長する場合に付いて説明する。典型的には、消耗部品Aは除電部材50であり、消耗部品Bは転写ベルトクリーナ12である。しかし、消耗部品AおよびBは、プリンタ1に含まれる消耗部品であれば何でもよい。
【0107】
図11を参照して、タイマ81にてカウントした画像形成動作の積算時間が一定時間に達すると(S1)、プリンタ1のCPU71は、消耗部品Aの消耗状況を検知(検出)する(S3)。消耗部品Aの消耗状況を検知するタイミングは、上述のようにタイマ81にてカウントした画像形成動作の積算時間が一定時間に達した場合の他、カウンタ82にてカウントした画像形成した記録材Pの枚数が一定枚数に達した場合、画像形成ジョブが終了した場合、または画像形成装置内へ記録材Pを通紙している場合、あるいはこれらの場合の組合せなどであってもよい。また、ステップS3において検知した消耗部品Aの消耗状況をHDD72などに記憶させ、その消耗状況を操作パネル83に表示してもよい。
【0108】
次にCPU71は、消耗部品Aは寿命調整の必要があるか否かを判別する(S5)。ステップS5の判別は、たとえば消耗部品Aが交換時期に入っているか否かを判別することによって行われる。ステップS5において、消耗部品Aの寿命調整の必要がある判別した場合(S5でYES)、CPU71は、消耗部品A、およびプリンタ1に含まれる他の消耗部品の寿命時期を予測し(S7)、図12のステップS9に進む。ステップS7において、消耗部品の寿命時期が既に予測されている場合(たとえば消耗部品が転写ベルトクリーナ12である場合)には、既に予測された寿命時期をHDD72から読み出してもよい。一方、ステップS5において、消耗部品Aの寿命調整の必要は無いと判別した場合(S5でNO)、CPU71は、次回の消耗状況の検知まで現在の設定状態を継続し(除電部材50の場合、同一の分離設定で耐久を行ない)、処理を終了する。
【0109】
図12を参照して、ステップS9において、CPU71は、消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品はあるか否かを判別する(S9)。ステップS9において、消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品があると判別した場合(S9でYES)、消耗部品Aの予測寿命時期と近い予測寿命時期の消耗部品(消耗部品Aの予測寿命時期との予測寿命時期の差が所定値以下である消耗部品)が存在している状態にある。この場合CPU71は、その消耗部品を消耗部品Bとして抽出する(S11)。
【0110】
続いてCPU71は、交換部品Bに延命機能があるか否かを判別する(S13)。ステップS13においては、交換部品Bの動作条件を変更することにより交換部品Bの寿命時期を延長することができる場合には、交換部品Bに延命機能があると判別され、そうでない場合には、交換部品Bに延命機能が無いと判別される。ステップS13において、交換部品Bに延命機能があると判別した場合(S13でYES)、CPU71はステップS15へ進む。
【0111】
ステップS15において、CPU71は、最大限に延命した場合(寿命時期を最大限まで延長した場合)の消耗部品Bの予測寿命時期は、消耗部品Aの予測寿命時期よりも早いか否かを判別する(S15)。ステップS15において、最大限に延命した場合の消耗部品Bの予測寿命時期が消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い場合(S15でYES)、CPU71は、消耗部品AおよびBの各々の動作条件を変更することにより、最大限に延命した場合の消耗部品Bの予測寿命時期に、消耗部品AおよびBの寿命時期を設定(変更)する(S17)。次にCPU71は、消耗部品AおよびBの交換準備を促す(S19)。具体的には、「消耗部品AおよびBの交換時期です」などの表示が操作パネル83に行われる。その後CPU71は、消耗部品AおよびBが寿命時期に到達した時に、消耗部品AおよびBの交換を促す表示を行う(S21)。具体的には、「消耗部品AおよびBを交換して下さい」などの表示が操作パネル83に行われる。
【0112】
ステップS9において、消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品が無い場合(S9でNO)、CPU71は、最大限に延命した場合の消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品はあるか否かを判別する(S31)。ステップS31において、最大限に延命した場合の消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品があると判別した場合(S31でYES)、消耗部品Aの予測寿命時期と近い予測寿命時期の消耗部品(消耗部品Aの予測寿命時期との予測寿命時期の差が所定値以下である消耗部品)が存在している状態にある。この場合CPU71は、その消耗部品を消耗部品Bとして抽出する(S33)。次にCPU71は、消耗部品Bの予測寿命時期に、消耗部品AおよびBの寿命時期を設定し(S35)、ステップS19の処理へ進む。
【0113】
ステップS31において、最大限に延命した場合の消耗部品Aの予測寿命時期よりも早い予測寿命時期を有する消耗部品が無いと判別した場合(S31でNO)、消耗部品Aの予測寿命時期と近い予測寿命時期を有する消耗部品が無い状態である。この場合CPU71は、消耗部品Aを最大限に延命し(消耗部品Aの寿命時期を最大限まで延長し)(S41)、消耗部品Aの交換準備を促す(S43)。具体的には、「消耗部品Aの交換時期です」などの表示が操作パネル83に行われる。その後CPU71は、消耗部品Aが寿命時期に到達した時に、消耗部品Aの交換を促す表示を行い(S45)、処理を終了する。ステップS45では、具体的には、「消耗部品Aを交換して下さい」などの表示が操作パネル83に行われる。
【0114】
ステップS13において、交換部品Bに延命機能が無いと判別した場合(S13でNO)、CPU71はステップS35の処理へ進み、消耗部品Bの予測寿命時期に、消耗部品AおよびBの寿命時期を設定する(S35)。
【0115】
ステップS15において、最大限に延命した場合の消耗部品Bの予測寿命時期が消耗部品Aの予測寿命時期と同じか、それより遅い場合(S15でNO)、CPU71は、最大限に延命した場合の消耗部品Aの寿命予測時期に、消耗部品AおよびBの寿命時期を合わせ(S25)、ステップS19の処理へ進む。
【0116】
なお、上述のフローチャートにおいて、交換時期を消耗部品Aと一致させることが可能な消耗部品が複数存在する場合には、寿命時期を調整範囲可能な消耗部品の中で最も耐久枚数が長い交換部品と交換時期が一致するように各消耗部品の動作条件を変更してもよい。また、ステップS11およびS33において消耗部品Bを抽出する代わりに、消耗部品Aと消耗部品Bとの組合せが予め決定されていてもよい。
【0117】
図13は、本発明の一実施の形態における消耗部品の交換周期を模式的に示す図である。図13では、消耗部品として、除電部材(除電部材50)、黒現像器(作像部7Kの現像器15)、カラー現像器(作像部7Y、7M、または7Cの現像器15)、およびCL部材(転写ベルトクリーナ12)の各々の交換周期が示されている。図13の横軸は、カウンタ82にてカウントした画像形成した記録材Pの枚数を示している。図13における斜線部分は、それぞれの消耗部品において寿命時期を延長可能な範囲(または交換警告提示範囲)を示している。図13の棒グラフ内部に記載された数字は、何台目の消耗部品かを示している。
【0118】
図13を参照して、1台目のカラー現像器の交換時期が1台目の黒現像器および1台目のCL部材の交換時期と一致するように、1台目のカラー現像器の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が70k枚に達した時に、1台目の黒現像器、1台目のカラー現像器および1台目のCL部材が同時に交換される。続いて、2台目の黒現像器および2台目のカラー現像器の交換時期が一致するように、2台目の黒現像器および2台目のカラー現像器の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が130k枚に達した時に、2台目の黒現像器および2台目のカラー現像器が同時に交換される。続いて、3台目のカラー現像器および2代目のCL部材の交換時期が一致するように、3台目のカラー現像器および2代目のCL部材の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が190k枚に達した時に、3台目のカラー現像器および2代目のCL部材が同時に交換される。次に、3台目の黒現像器の交換時期が4台目のカラー現像器の交換時期と一致するように、3台目の黒現像器の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が230k枚に達した時に、3台目の黒現像器および4台目のカラー現像器が同時に交換される。
【0119】
続いて、1台目の除電部材、5台目のカラー現像器および3台目のCL部材の交換時期が4台目の黒現像器の交換時期と一致するように、1台目の除電部材、5台目のカラー現像器および3台目のCL部材の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が290k枚に達した時に、1台目の除電部材、4台目の黒現像器、5台目のカラー現像器、および3台目のCL部材が同時に交換される。次に、6台目のカラー現像器の交換時期が、5台目の黒現像器および4台目のCL部材の交換時期と一致するように、6台目のカラー現像器の寿命時期が延長される。その結果、画像形成した記録材Pの枚数が350k枚に達した時に、5台目の黒現像器、6台目のカラー現像器、および4台目のCL部材が同時に交換される。
【0120】
[実施の形態の効果]
【0121】
本実施の形態においては、消耗部品の劣化状況を検知し、消耗部品の寿命時期が近い場合に、その消耗部品の交換時期と他の消耗部品の交換時期とが一致するように、その消耗部品の寿命時期を変更する。これにより、消耗部品を機能限界まで使用することが可能となり、CPP(コピー1枚あたりのコスト)の削減を図ることができる。また、消耗部品を同時に交換することができるため、サービスマンの顧客訪問回数を減らし、ダウンタイムおよびレーバーコストを削減することが可能となる。
【0122】
[その他]
【0123】
上述の実施の形態における消耗部品としては、上述したものの他、転写ローラ、帯電ブラシ、またはクリーニングブラシ(CLブラシ)など、画像形成動作の繰り返しにより(耐久により)電圧特性や電流特性が変わるものが好ましい。これにより、寿命時期や交換時期を容易に予測することができる。
【0124】
寿命時期(交換時期)の予測および延長方法については、上述した方法の他、消耗部品に関する電圧やトルク、外径など、画像形成動作の繰り返しによる(耐久による)変化があれば、その変化を測定することによって同様の制御が可能である。
【0125】
消耗部品の寿命時期の延長量は、上述のようにその消耗部品を用いてプリンタが画像形成する転写材の枚数(耐久枚数)として決定される場合の他、その消耗部品を用いてプリンタが画像形成動作を行う時間として決定されてもよい。
【0126】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0127】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0128】
1 プリンタ
2 本体
3 画像プロセス装置
4 給紙装置
5 定着装置
6 中間転写ベルト
7,7Y,7M,7C,7K 作像部
8 駆動ローラ
9 従動ローラ
10 二次転写ローラ
10a 二次転写ローラの軸部
11 二次転写ニップ部
12 転写ベルトクリーナ
13 感光体
14 帯電器
15 現像器
16 一次転写ローラ
17 感光体クリーナ
19 露光部
21 給紙カセット
22 ピックアップローラ
23 分離ローラ
24 タイミングローラ
25 側部規制板
26 排出ローラ
27 排紙トレイ
28 制御部
30 搬送経路
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
40 コントローラ
50 除電部材
51 金属アーム
51a 金属アームの基部
51b 金属アームの脚部
52 除電布
53 分離電源
54 リレー
55 可変抵抗器
56 導電性接触子
57 電流計
71 CPU
72 HDD
73 ROM
74 RAM
75 ネットワークコントローラ
81 タイマ
82 カウンタ
83 操作パネル
84 濃度センサ
85 貯蔵トナー量検知部
86 ベルト長評価部
87 クリーナ調整部
P 記録材
S 搬送方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置であって、
前記複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出手段と、
前記検出手段にて検出した消耗状況に基づいて、前記第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段にて前記第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、前記検出手段にて検出した消耗状況に基づいて前記第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ前記複数の消耗部品のうち前記第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測手段と、
前記第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を前記寿命予測手段にて予測した寿命時期から変更するように、前記第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更手段であって、寿命時期延長後の前記第1の消耗部品の交換時期と寿命時期延長後の前記第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項2】
前記判別手段にて前記第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、前記寿命予測手段は少なくとも前記第1の消耗部品以外の複数の消耗部品の寿命時期を予測し、
前記寿命予測手段にて予測した寿命時期に基づいて、前記条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品を前記第1の消耗部品以外の複数の消耗部品の中から抽出する抽出手段をさらに備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記寿命予測手段にて予測した寿命時期と、前記寿命予測手段にて予測した前記第1の消耗部品の寿命時期との差が所定値以下である消耗部品を、前記条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記寿命予測手段にて予測した寿命時期が、前記第1の消耗部品よりも早い消耗部品を、前記条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記寿命予測手段にて予測した寿命時期が、最大限に延命した場合の前記第1の消耗部品の予測される寿命時期よりも早い消耗部品を、前記条件変更手段にて動作条件を変更する第2の消耗部品として抽出する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判別手段は、前記第1の消耗部品に関する検出値の閾値に基づいて、または交換初期の検出値を基準とする前記第1の消耗部品に関する検出値の変化量に基づいて、前記第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成動作の積算時間が一定時間に達した場合、一定の枚数の転写材に対して画像形成した場合、画像形成ジョブが終了した場合、およびに画像形成装置内へ転写材を通紙している場合のうち少なくともいずれか1つの場合に、前記検出手段は前記第1の消耗部品の消耗状況を検出する、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の消耗部品は、転写材に対してトナーを転写する転写部材から、トナーを転写した後の転写材を分離する分離部材であり、
前記検出手段は、前記分離部材と、前記分離部材と対向する部材との間に流れる電流に基づいて前記分離部材の消耗状況を検出し、
前記条件変更手段は、前記分離部材への印加電圧または前記分離部材に流す電流を変更する、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記条件変更手段は、前記第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期の延長量が、画像形成する転写材の枚数または画像形成動作時間として決定されるように、前記第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記検出手段にて検出した消耗状況を記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段にて記憶させた消耗状況を表示する表示手段とをさらに備えた、請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1または第2の消耗部品が寿命時期に到達した場合に、前記第1および第2の消耗部品を交換するように通知する通知手段をさらに備えた、請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第2の消耗部品は、記録材に転写するトナー像が形成される転写部材上に残留したトナーを除去するクリーニング部材であり、
前記条件変更手段は、前記クリーニング部材が前記転写部材に及ぼす圧力を変更する、請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて、前記第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにて前記第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、前記検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて前記第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ前記複数の消耗部品のうち前記第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測ステップと、
前記第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を前記寿命予測ステップにて予測した寿命時期から変更するように、前記第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更ステップであって、寿命時期変更後の前記第1の消耗部品の交換時期と寿命時期変更後の前記第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更ステップとを備えた、画像形成装置の制御方法。
【請求項14】
画像形成動作の実行により消耗する複数の消耗部品を交換可能に備えた画像形成装置の制御プログラムであって、
前記複数の消耗部品のうち第1の消耗部品の消耗状況を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて、前記第1の消耗部品の寿命時期が近いか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにて前記第1の消耗部品の寿命時期が近いと判別した場合、前記検出ステップにて検出した消耗状況に基づいて前記第1の消耗部品の寿命時期を予測し、かつ前記複数の消耗部品のうち前記第1の消耗部品とは異なる第2の消耗部品の寿命時期を予測する寿命予測ステップと、
前記第1および第2の消耗部品の各々の寿命時期を前記寿命予測ステップにて予測した寿命時期から変更するように、前記第1および第2の消耗部品の各々の動作条件を変更する条件変更ステップであって、寿命時期変更後の前記第1の消耗部品の交換時期と寿命時期変更後の前記第2の消耗部品の交換時期とを一致させる条件変更ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−198370(P2012−198370A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62210(P2011−62210)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】