説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びコンピュータプログラム

【課題】バリアブル印刷を実行中に発生した不良ページの再印刷処理の効率を向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置が備える本体コントローラ900が、外部コンピュータ453からVDPジョブを受信し、VDPジョブに対応するリユーザブルオブジェクトとバリアブルオブジェクトの画像データをページ上に配置して印刷する。検品コントローラ1100が、印刷物をページ毎に検品処理し、本体コントローラ900が、検品処理の結果、印刷が不良であると判断されたページに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを優先的にキャッシュ部455に記憶する。本体コントローラ900が、印刷が不良であると判断されたページに対応するリユーザブルオブジェクトをキャッシュ部455から取得し、取得したリユーザブルオブジェクトを用いてページの再印刷処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業的印刷業界における印刷物の発行は、入稿、デザインやレイアウト、カンプ(プリンタ出力のプレゼンテーション)、校正(レイアウト修正や色修正)、校正刷り、版下作成、印刷、後処理加工、発送といった様々な工程を含む。商業的印刷業界は、オフセット製版印刷機などの大規模な印刷装置等を用いて上記の工程を実行する。上記の工程のうち、版下作成は重要な工程であるが、一度版下を作成すると、修正は容易ではなく、コスト的にも大変不利である。従って、入念な校正(レイアウトのチェックや色の確認作業)が必須であり、印刷物を作成するためには、ある程度の期間が必要となる。
【0003】
一方、最近では、電子写真方式の画像形成装置やインクジェット方式の画像形成装置の高速化、高画質化が進んでいる。そこで、商業的印刷業界に対抗して、プリント・オン・ディマンド(Print On Demand:POD)と呼ばれる、印刷装置で扱うジョブと比べて小ロットのジョブを大掛かりな装置を用いずに短納期で扱うことを目指す市場が登場している。
【0004】
POD市場では、デジタル複写機やデジタル複合機などのデジタル画像形成装置を活用して、電子データを用いたデジタルプリントを実現しており、コンピュータを利用してある程度印刷業界のレベルに近づこうとしている。中でも、顧客一人ひとりのニーズにあったデータを印刷するバリアブル印刷(Variable Data Printing)の需要が拡大している。バリアブル印刷ジョブ(VDPジョブ)は、1つのVDPジョブ対応する顧客データを各レコード単位で印刷する。従って、1つのVDPジョブは、大量(例えば数万レコード)のレコードを含む。
【0005】
VDPジョブが含む各レコードは、可変データであるバリアブルオブジェクトと、複数のページで共用されるリユーザブルオブジェクトとを含む。画像形成装置は、VDPジョブに含まれるオブジェクトを取得して描画(レンダリング)処理し、ビットマップ画像を生成する。画像形成装置は、描画処理したオブジェクトがリユーザブルオブジェクトである場合、描画処理されたリユーザブルオブジェクトを所定のキャッシュ領域に記憶する。そして、画像形成装置は、描画処理されたバリアブルオブジェクトとリユーザブルオブジェクトとを、VDPジョブが含む各ページ上に配置した上で印刷処理する。
【0006】
ここで、画像形成装置は、リユーザブルオブジェクトがキャッシュ領域に格納されている場合は、キャッシュ領域からリユーザブルオブジェクトを読み出し、読み出したリユーザブルオブジェクトを、バリアブルオブジェクトとともにページ上に配置する。一方、リユーザブルオブジェクトがキャッシュ領域に保持されていない場合は、画像形成装置は、リユーザブルオブジェクトを新たに描画処理し、描画処理されたリユーザブルオブジェクトをページ上に配置する。つまり、この場合には、画像形成装置は、リユーザブルオブジェクトのビットマップ画像(画像データ)を、いわばバリアブルオブジェクトの画像データとして生成することとなる。
【0007】
なお、商業的印刷業界やPOD市場において印刷物を検品する技術として、特許文献1は、印刷物を撮像して画像を取得し、取得した画像と検品用画像との比較結果に基づいて、不良ページを抽出するプリントシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−297739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、画像形成装置が有するキャッシュ領域に余裕がない場合、画像形成装置が不良ページを再印刷する際に、以下のような問題が生じる。画像形成装置が不良ページの再印刷する際に、不良ページが含むリユーザブルオブジェクトがキャッシュ領域に保持されていない場合には、画像形成装置はリユーザブルオブジェクトを再度描画処理しなければならない。リユーザブルオブジェクトを再度描画処理する場合は、描画処理済みのリユーザブルオブジェクトをキャッシュ領域から読み出して印刷に用いる場合と比べて、数十倍の時間がかかる。その結果、不良ページの再印刷処理の効率が低下する。
【0010】
本発明は、バリアブル印刷を実行中に発生した不良ページの再印刷処理の効率を向上させることが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態の画像形成装置は、複数ページで共用される第1のオブジェクトとページ毎に可変である第2のオブジェクトとを含む印刷ジョブを実行する画像形成装置である。前記画像形成装置は、前記第1のオブジェクトの画像データを予め定められた個数分記憶するオブジェクト記憶手段と、前記印刷ジョブを受信するジョブ受信手段と、前記第1および第2のオブジェクトの画像データをページ上に配置して印刷する印刷手段と、前記印刷によって得られる印刷物の画像を読み取る読み取り手段と、前記読み取られた印刷物の画像と基準画像との比較結果に基づいて、前記印刷が不良であるか否かをページ毎に判断する判断手段と、前記判断手段による前記印刷が不良であるか否かについての判断結果に基づいて、前記印刷が不良であると判断されたページに対応する前記第1のオブジェクトの画像データを優先的に前記オブジェクト記憶手段に記憶する制御を実行する制御手段とを備える。前記印刷手段は、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶している場合に、前記オブジェクト記憶手段から前記第1のオブジェクトの画像データを取得して前記ページ上に配置し、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶していない場合に、該第1のオブジェクトの画像データを生成して前記ページ上に配置する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、バリアブル印刷を実行中に発生した不良ページの再印刷処理の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】本体コントローラの構成例を示す図である。
【図3】VDPジョブが含むオブジェクトの例を説明する図である。
【図4】リユーザブルオブジェクトのウェイト値に応じたキャッシュ部への格納を説明する図である。
【図5】画像形成装置が備える操作部と検品装置の構成例を示す図である。
【図6】リユーザブルオブジェクトのウェイト値の変更を説明する図である。
【図7】NGページの再印刷処理を説明するフローチャートである。
【図8】リユーザブルオブジェクトのウェイト値の変更を説明する図である。
【図9】NGページの再印刷処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成例を示す図である。図1に示す画像形成装置は、原稿搬送装置100、イメージリーダ200、プリンタ部300、本体コントローラ900を備える。本実施形態の画像形成装置の制御方法およびコンピュータプログラムは、この画像形成装置が備える処理部の機能によって実現される。
【0015】
原稿搬送装置100は、本体コントローラ900の指示に従って、以下の処理を行う。原稿搬送装置100は、原稿トレイ105上にセットされた原稿を、先頭ページから順に1枚ずつ給紙し、湾曲したパスを介して原稿台ガラス205の上へと搬送する。
【0016】
イメージリーダ200は、本体コントローラ900の指示に従って、以下の処理を行う。イメージリーダ200は、片面原稿を所定の読み取りモード(例えば、原稿固定読み取りモード、原稿流し読み取りモード)に対応する読み取り方法で読み取る。原稿固定読み取りモードは、原稿台ガラス205上の読み取り位置R1へ原稿の後端を搬送、停止させ、スキャナユニット206を左から右へ移動させることにより、原稿の読み取りを行う読み取りモードである。原稿流し読み取りモードは、原稿を所定の読み取り速度で読み取り位置R1へ搬送し、スキャナユニット206を読み取り位置R1で固定したまま原稿の読み取りを行う読み取りモードである。原稿搬送装置100は、読み取った原稿を排紙トレイ106に排出する。
【0017】
また、イメージリーダ200は、両面原稿を以下の方法で読み取る。イメージリーダ200は、スキャナユニット206で表面を読み取り、光学ユニット110を使用して裏面を読み取る。光学ユニット110内には図示しないイメージセンサおよび光源等が配置されている。レンズ207を介してイメージセンサ208が読み取った原稿の画像は、画像処理されてハードディスクに格納される。
【0018】
次に、プリンタ部300について説明する。プリンタ部300は、本体コントローラ900からの指示に従って、以下のようにして印刷処理を実行する。まず、本体コントローラ900のプリンタ制御部301(図2参照)が、文書管理部454に記憶されている画像データに対応する画像信号をプリンタ部300に渡し、この画像データの印刷処理を指示する。後述するように、文書管理部454に記憶されている画像データは、本体コントローラ900がVDPジョブに含まれるオブジェクトを展開することによって得られる画像データである。プリンタ部300が備える露光制御部305が、プリンタ制御部301から受け取った画像信号に応じたレーザ光を出力する。このレーザ光が感光ドラム306に照射されると、感光ドラム306上に静電潜像が形成される。現像器307が、感光ドラム306上の静電潜像を現像する。転写部312が、感光ドラム306上の現像剤を、カセット308、309、手差し給紙部310、または両面搬送パス311のいずれかから給送されたシートに転写する。
【0019】
現像剤が転写されたシートが定着部313に導かれると、定着部313が現像剤の定着処理を行う。プリンタ制御部301(図2を参照)が、定着部313が定着処理したシートを、図示しないフラッパにより、一旦、パス315からパス314に導く。シートの後端がパス315を抜けた後、プリンタ制御部301は、シートをスイッチバックさせてパス316から排出ローラ317に導く。これにより、現像剤が転写された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして排出ローラ317によりプリンタ部300から排出することが可能である。これを反転排紙という。
【0020】
手差し給紙部310から導かれたOHPシートなどの硬いシートに画像形成を行う場合、プリンタ制御部301は、このシートをパス315に導くことなく、現像剤が転写された面を上向きの状態(フェイスアップ)のまま排出ローラ317から排出する。また、シートの両面に画像形成を行う場合、プリンタ制御部301は、シートを定着部313からパス315、パス314に導く。プリンタ制御部301は、シートの後端がパス315を抜けた直後に、シートをスイッチバックさせる。そして、プリンタ制御部301は、図示しないフラッパにより、シートを両面搬送パス311に導く。両面搬送パス311に導かれたシートに対し、再度、転写部312が静電潜像を転写し、定着部313が定着処理を行う。
【0021】
このように、転写部312から両面搬送パス311を経由して再び転写部312に戻る一巡のパスの中に、A4、B5等のハーフサイズ用紙が5枚入った状態でも搬送可能なように、パス長、ローラ配置、駆動系の分割がなされている。なお、これらの処理による排出ページ順は、奇数ページが下向きになるように排出されるので、両面コピー時のページ順を合わせることができる。なお、プリンタ部300は、本体コントローラ900の指示に従い、ハードディスクに格納されている原稿の画像すなわちイメージリーダ200によって読み取られた画像の印刷処理を実行することもできる。この印刷処理においては、露光制御部305が、ハードディスクに格納されている原稿の画像の信号(画像信号)に対応するレーザ光を出力する。
【0022】
外部コンピュータ453は、外部バス452を介して、VDPジョブを本体コントローラに対して送信する。VDPジョブは、リユーザブルオブジェクトとバリアブルオブジェクトとを含む印刷ジョブである。リユーザブルオブジェクトは、複数ページで共用されるオブジェクト(第1のオブジェクト)である。バリアブルオブジェクトは、ページ毎に可変であるオブジェクト(第2のオブジェクト)である。
【0023】
本体コントローラ900は、外部コンピュータ453から送信されたVDPジョブを受信し、VDPジョブに含まれるオブジェクトを展開することにより、印刷対象の画像データを生成する。本体コントローラ900は、生成した印刷対象の画像データを文書管理部454(図2を参照)に記憶する。そして、本体コントローラ900のプリンタ制御部301が、文書管理部454に記憶されている画像データに対応する画像信号をプリンタ部300に渡し、この画像データの印刷処理を指示する。これによりバリアブル印刷が実行される。
【0024】
排出ローラ317から排出された印刷出力物は、検品装置1000に送り込まれる。検品装置1000は、印刷出力物の検品処理を実行する。検品装置1000は、検品装置コントローラ1100と、リーダ部1004と、紙紋読み取り部1005とを備える。検品装置コントローラ1100は、検品装置1000全体を制御する。リーダ部1004は、印刷によって得られる印刷出力物の画像を読み取る読み取り手段として機能する。紙紋読み取り部1005は、印刷物の紙紋を読み取る。本実施形態の検品処理においては、リーダ部1004が読み取った画像データを、対象画像データと記述する。
【0025】
検品装置コントローラ1100は、本体コントローラ900の文書管理部454から画像データを取得する。検品装置コントローラ1100が文書管理部454から取得した画像データを、以下では基準画像データと記述する。そして、検品装置コントローラ1100は、基準画像データと対象画像データとを比較する。
【0026】
検品装置コントローラ1100は、基準画像データと対象画像データとの比較結果に基づいて、印刷出力物を検品する。具体的には、検品装置コントローラ1100は、印刷出力物が含むページが不良ページか(NGか)または不良ページでないか(OKか)を判断する。また、検品装置コントローラ1100は、印刷出力物をフィニッシャ600に送り込む。フィニィッシャ600が、印刷出力物を所定の裁断ラインに沿って裁断し、綴じ処理、穴あけなどの処理を行う。これにより、印刷出力物が製本処理される。
【0027】
図2は、本体コントローラの構成例を示す図である。本体コントローラ900は、コントローラ制御部400、原稿給紙装置制御部101、イメージリーダ制御部201、プリンタ制御部301、外部I/F(Interface)451を備える。また、本体コントローラ900は、RIP(Raster Image Processor)部500、文書管理部454、キャッシュ部455を備える。
【0028】
コントローラ制御部400は、本体コントローラ900全体を制御する。具体的には、コントローラ制御部400は、操作部800がユーザ操作に応じて行う設定や、外部コンピュータ453から外部バス452および外部I/F451を介して受けた指示に基づいて、以下の処理を実行する。コントローラ制御部400は、原稿搬送装置制御部101、イメージリーダ制御部201と通信して、入力原稿の画像データを取得する。原稿搬送装置制御部101は、コントローラ制御部400の指示に従って、原稿搬送装置100を制御する。また、イメージリーダ制御部201は、コントローラ制御部400の指示に従って、イメージリーダ200を制御する。
【0029】
また、コントローラ制御部400は、外部I/F451を介して外部コンピュータ453からVDPジョブを受信するジョブ受信手段として機能する。本実施形態において、コントローラ制御部400がVDPジョブを受けると、コントローラ制御部400は、キャッシュ部455が印刷ジョブ(VDPジョブ)に対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを記憶しているかを判断する。
【0030】
キャッシュ部455がVDPジョブに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを記憶している場合、コントローラ制御部400は、キャッシュ部455が記憶しているリユーザブルオブジェクトの画像データを取得する。また、コントローラ制御部400は、RIP部500に指示して、バリアブルオブジェクトの画像データを生成させる。コントローラ制御部400は、生成されたバリアブルオブジェクトの画像データとキャッシュ部455から取得したリユーザブルオブジェクトの画像データとをベージ上に配置して、印刷対象の画像データを生成する。コントローラ制御部400は、生成した印刷対象の画像データを文書管理部454に記憶する。文書管理部454は、例えばハードディスク等である。文書管理部454からのデータの読み出し速度は、キャッシュ部455からのデータの読み出し速度と比べて遅い。
【0031】
また、コントローラ制御部400は、キャッシュ部455がVDPジョブに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを記憶していない場合に、以下の処理を実行する。コントローラ制御部400は、RIP部500に指示して、リユーザブルオブジェクトの画像データと、バリアブルオブジェクトの画像データとを生成させる。具体的には、RIP部500は、リユーザブルオブジェクト、バリアブルオブジェクトそれぞれのビットマップ画像を生成する。コントローラ制御部400は、生成されたバリアブルオブジェクトの画像データとリユーザブルオブジェクトの画像データとをベージ上に配置して、印刷対象の画像データを生成し、文書管理部454に記憶する。また、コントローラ制御部400は、キャッシュ部455に、生成したリユーザブルオブジェクトの画像データを、予め定められた個数分記憶する。
【0032】
また、コントローラ制御部400は、プリンタ制御部301に指示して、文書管理部454内の画像データの印刷を行う。すなわち、コントローラ制御部400は、印刷ジョブに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データとバリアブルオブジェクトの画像データをページ上に配置して印刷する印刷手段として機能する。
【0033】
また、コントローラ制御部400は、外部I/F451を介して、検品装置コントローラ1100の比較判定制御部1002(図5(B)を参照)から検品結果を受け取る。そして、コントローラ制御部400は、検品結果に基づいて、印刷が不良であると判断されたページに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを優先的にキャッシュ部455に記憶する制御を実行する制御手段として機能する。
【0034】
キャッシュ部455は、リユーザブルオブジェクトの画像データを予め定められた個数分格納(記憶)するオブジェクト記憶手段として機能する。キャッシュ部455は、例えば、高速アクセス可能なキャッシュメモリである。
【0035】
本実施形態では、リユーザブルオブジェクト毎(第1のオブジェクト毎)に、ウェイト値が対応付けられている。ウェイト値は、キャッシュ部455へのリユーザブルオブジェクトの画像データの記憶に関する優先度を示す重み付け値である。そして、コントローラ制御部400は、リユーザブルオブジェクトの画像データを、予め定められた個数分、ウェイト値が高い順に優先的にキャッシュ部455に記憶する。また、コントローラ制御部400は、上記個数を超える分のリユーザブルオブジェクトの画像データを、ウェイト値の低い順にキャッシュ部455から解放する。
【0036】
また、コントローラ制御部400は、検品装置コントローラ1100からの要求に応じて、文書管理部454に記憶されている画像データを検品装置コントローラ1100に渡す。
【0037】
図3は、VDPジョブが含むオブジェクトの例を説明する図である。図3(A)は、顧客「Aさん」のレコードを示す。図3(B)は、顧客「Bさん」のレコードを示す。この例では、VDPジョブは、図3(A)、(B)に示す各々のレコードに含まれるページを印刷するジョブである。「Aさん」のレコードは、ページA1乃至ページAnを含む。また、「Bさん」のレコードは、ページB1乃至ページBnを含む。
【0038】
図3(A)、(B)に示す各々のページが含むオブジェクトのうち、例えば、ページA1が含む「A様」、「¥1234」、ページB1が含む「B様」、「¥5678」は、バリアブルオブジェクトである。一方、ページA1、B1、およびAnが含む、丸で示すオブジェクト、ページAn−1,Bnが含む、四角で示すオブジェクト、ページBn−1が含む、×で示すオブジェクトは、リユーザブルオブジェクトである。
【0039】
図4は、リユーザブルオブジェクトのウェイト値に応じたキャッシュ部への格納を説明する図である。図4(A)は、VDPジョブに対応する印刷データと、印刷データが含むリユーザブルオブジェクトの例を示す。図4(A)に示すVDPジョブは、AさんのレコードとBさんのレコードとを含む。ページA1,A2,A3,A4,A5,A6,A7...は、Aさんのレコードに含まれるページである。ページB1,B2,B3,B4,B5,B6,B7は、Bさんのレコードに含まれるページである。このVDPジョブが含むリユーザブルオブジェクトは、丸、四角、三角、黒丸、または×で示される。
【0040】
図4(B)は、図4(A)に示すVDPジョブに対応する印刷データが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値のリスト(以下、重み付けリストと記述)を示す。コントローラ制御部400は、例えば、VDPジョブにおけるリユーザブルオブジェクトの出現回数や出現の割合等に基づいて、各々のリユーザブルオブジェクトにウェイト値を対応付けることによって、重み付けリストを作成する。コントローラ制御部400は、作成した重み付けリストを所定の記憶手段に記憶する。そして、コントローラ制御部400は、ウェイト値の高いリユーザブルオブジェクトの画像データから優先的にキャッシュ部455に格納する。この例では、丸で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値は100、三角で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値は80、四角で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値は70である。また、×で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値は20、黒丸で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値は50である。
【0041】
キャッシュ部455が、ウェイト値の高い順に3個のリユーザブルオブジェクトの画像データを格納する場合を想定すると、コントローラ制御部400は、丸、三角、四角で示すリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455に格納する。
【0042】
図5は、画像形成装置が備える操作部の構成例と検品装置の構成例を示す図である。図5(A)は、操作部800の構成例を示す。操作部800は、LCD表示部801を備える。LCD表示部801は、LCD上にタッチパネルシートが貼られた構成を有する。LCD表示部801は、システムの操作画面を表示する。操作画面上には、テンキー851、スタートキー852、ストップキー853、リセットキー854が表示される。
【0043】
LCD表示部801は、操作画面上に表示したキーが押された場合、このキーの位置情報をコントローラ制御部400に伝える。これにより、コントローラ制御部400に、押されたキーに応じた情報が入力される。テンキー851は、コピー枚数等の情報を入力するためのキーである。スタートキー852は、画像形成装置に複写動作、原稿の読み取り動作の開始を指示する制御情報を入力するためのキーである。ストップキー853は、稼働中の動作の停止を指示する制御情報を入力するためのキーである。リセットキー854は、リセットの開始を指示する制御情報を入力するためのキーである。
【0044】
図5(B)は、検品装置の構成例を示す。検品装置1000は、イメージリーダ制御部1001、比較判定制御部1002、外部I/F1003、リーダ部1004を備える。イメージリーダ制御部1001と、比較判定制御部1002と、外部I/F1003とが、検品装置コントローラ1100に対応する。リーダ部1004は、図1中に示すリーダ部1004と同様である。
【0045】
イメージリーダ制御部1001は、リーダ部1004を制御して、印刷出力物の画像データを読み取る。当該読み取られた画像データが、対象画像データである。外部I/F1003は、外部コンピュータ453と検品装置1000との間の通信、本体コントローラ900と検品装置との間の通信を媒介する。比較判定制御部1002は、イメージリーダ制御部1001から対象画像データを取得する。
【0046】
また、比較判定制御部1002は、外部I/F1003を介して、本体コントローラ900から基準画像データを取得する。そして、比較判定制御部1002は、対象画像データと基準画像データとを比較し、比較結果に基づいて、印刷出力物が含むページが不良ページであるか否か、すなわち印刷が不良であるか否かをページ毎に判断する判断手段として機能する。当該判断結果を、以下では検品結果と記述する。比較判定制御部1002は、本体コントローラ900のコントローラ制御部400に検品結果を渡す。
【0047】
図6は、実施例1における、リユーザブルオブジェクトのウェイト値の変更を説明する図である。図6(A)中に示すA1乃至A7、B1乃至B7は、VDPジョブが含むページである。図中、”OK”という文字が記述されたページは、検品装置コントローラ1100が不良ページでないと判断した(OK判定された)ページである。”NG”という文字が記述されたページは、検品装置コントローラ1100が、不良ページであると判断した(NG判定された)ページである。以下では、OK判定されたページを、OKページと記述する。また、NG判定されたページを、NGページと記述する。
【0048】
コントローラ制御部400は、検品装置コントローラ1100から、ページ毎の検品結果を取得する。コントローラ制御部400は、OKページが出現する度に、そのページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を低くする。例えば、コントローラ制御部400は、OKページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値から10を減じる。もちろん、コントローラ制御部400は、OKページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値から任意の値を減じるようにしてもよい。
【0049】
また、コントローラ制御部400は、キャッシュ部455に画像データが格納されているいずれか1つのリユーザブルオブジェクトのウェイト値が0になった場合に、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を高くする。例えば、コントローラ制御部400は、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値に50を加える。コントローラ制御部400が、いずれか1つのリユーザブルオブジェクトのウェイト値が任意の値(第1の値)になった場合に、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を、第1の値より大きい任意の値(第2の値)に設定するようにしてもよい。
【0050】
図6(B)は、AさんのレコードのページA1からA3までOK判定された時の、リユーザブルオブジェクトのウェイト値の変更を説明する図である。ページA1は、丸で示すリユーザブルオブジェクトを含む。ページA2は、四角で示すリユーザブルオブジェクトを含む。また、ページA3は、三角で示すリユーザブルオブジェクトを含む。従って、ページA3までOK判定された時、コントローラ制御部400は、図6(B)中に示すように、重み付けリストが含むリユーザブルオブジェクトのうち、丸、三角、四角で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値を10だけ低い値に変更する。
【0051】
図6(C)は、Aさんのレコードが含むページの検品処理に引き続いて、BさんのレコードのページB4までの検品処理がされた時点における、リユーザブルオブジェクトのウェイト値を示す。この時点で、四角で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値が0となる。ここで、図6(A)に示すように、この時点において、ページA4がNG判定されている。
【0052】
コントローラ制御部400は、ページA4が含む黒丸で示すリユーザブルオブジェクトのウェイト値を、図6(C)中に示すように50だけ高い値に変更する。これにより、ウェイト値が最も高いリユーザブルオブジェクトは、黒丸で示すリユーザブルオブジェクトとなる。ウェイト値が2番目に高いリユーザブルオブジェクトは、丸で示すリユーザブルオブジェクトである。また、ウェイト値が3番目に高いリユーザブルオブジェクトは、三角で示すリユーザブルオブジェクトである。従って、コントローラ制御部400は、ウェイト値が0となった、四角で示すリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455から解放する。なお、コントローラ制御部400が、ウェイト値が任意の予め決められた値まで下がったリユーザブルオブジェクトをキャッシュ部455から解放するようにしてもよい。
【0053】
四角で示すリユーザブルオブジェクトの画像データがキャッシュ部455から解放されたことで、キャッシュ部455に空きが生じる。コントローラ制御部400は、黒丸で示すリユーザブルオブジェクトをキャッシュ部455に格納する。これにより、コントローラ制御部400は、NGページA4を再印刷する時に、キャッシュ部455に格納されている黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データを用いることができる。
【0054】
具体的には、コントローラ制御部400は、NGページA4を再印刷する時に、NGページA4に対応するバリアブルオブジェクトの画像データを生成するとともに、キャッシュ部455から黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データを取得する。なお、コントローラ制御部400が、文書管理部454に記憶されている画像データからNGページに対応するバリアブルオブジェクトの画像データを取得するようにしてもよい。そして、コントローラ制御部400は、生成または取得したバリアブルオブジェクトの画像データと取得した黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データとをページA1上に配置して、印刷対象の画像データを生成する。従って、コントローラ制御部400が、リユーザブルオブジェクトの画像データを生成することなく、キャッシュ部455から取得したリユーザブルオブジェクトの画像データを用いて再印刷処理を実行することができる。その結果、NGページの再印刷処理の効率が向上する。
【0055】
図7は、実施例1におけるNGページの再印刷処理を説明するフローチャートである。まず、コントローラ制御部400が、重み付けリストを作成する(ステップS1)。コントローラ制御部400が、重み付けリストを参照して、ウェイト値の高いリユーザブルオブジェクトを優先的にキャッシュ部455に残す(ステップS2)。
【0056】
次に、コントローラ制御部400が、印刷ジョブに応じたプリントを開始する(ステップS3)。検品装置コントローラ1100が、印刷出力物をページ毎に検品処理する。コントローラ制御部400は、検品装置コントローラ1100から取得した検品結果に基づいて、ページ毎に、OKページか、またはNGページかを判断する(ステップS4)。
【0057】
ページがOKページである場合、コントローラ制御部400は、重み付けリストにおいて、このOKページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を低くして(ステップS6)、ステップS7に進む。ステップS6において、例えば、コントローラ制御部400は、OKページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値から10を減じる。ページがNGページである場合、コントローラ制御部400は、重み付けリストにおいて、このNGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値をそのままの値とする(ステップS5)。
【0058】
次に、コントローラ制御部400が、キャッシュ部455内にウェイト値が0になったリユーザブルオブジェクトがあるかを判断する(ステップS7)。キャッシュ部455内にウェイト値が0になったリユーザブルオブジェクトがない場合は、ステップS10に進む。キャッシュ部455内にウェイト値が0になったリユーザブルオブジェクトがある場合は、ステップS8に進む。
【0059】
ステップS8において、コントローラ制御部400が、重み付けリストにおいて、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を高くする(ステップS8)。例えば、コントローラ制御部400は、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値に50を加える。
【0060】
次に、コントローラ制御部400が、ウェイト値が0となったリユーザブルオブジェクトをキャッシュ部455から解放し、ステップS8においてウェイト値を高くしたリユーザブルオブジェクトをキャッシュ部455に格納する(ステップS9)。
【0061】
次に、コントローラ制御部400が、印刷ジョブの実行が終了したかを判断する(ステップS10)。印刷ジョブの実行が終了していない場合は、ステップS4に戻る。印刷ジョブが終了した場合は、コントローラ制御部400が、NGページの再印刷を行う(ステップS11)。具体的には、コントローラ制御部400が、キャッシュ部455からNGページに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データを取得し、取得したリユーザブルオブジェクトを用いて、NGページを再印刷する。実施例1の画像形成装置は、NGページに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455から取得し、取得した画像データを用いて印刷処理するので、NGページを迅速に印刷処理することができる。
【0062】
図8は、実施例2におけるリユーザブルオブジェクトのウェイト値の変更を説明する図である。この例では、キャッシュ部455が格納できるリユーザブルオブジェクトの容量は、リユーザブルオブジェクト3個分であるものとする。実施例2では、コントローラ制御部400が、VDPジョブの実行が終了した時点で、NGページのウェイト値を、キャッシュ部455に画像データが記憶されているリユーザブルオブジェクトのいずれかに対応するウェイト値より高い値に設定する。例えば、コントローラ制御部400は、NGページのウェイト値を、キャッシュ部455に画像データが記憶されているリユーザブルオブジェクトのうち、ウェイト値が最も低いリユーザブルオブジェクトのウェイト値より高い値に設定する。
【0063】
図8(A)中に示すA1乃至A7、B1乃至B7は、VDPジョブが含むページである。図中、”NG”が記述されたページ(A4)は、NGページである。コントローラ制御部400は、検品装置コントローラ1100から、ページ毎の検品結果を取得する。コントローラ制御部400は、VDPジョブの実行が終了した時、つまり、図8(A)中のページB7までプリントが終了した時に、以下の処理を行う。
【0064】
コントローラ制御部400は、NGページA4が含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を、キャッシュ部455に画像データが格納されているリユーザブルオブジェクトのうちウェイト値が最も低いリユーザブルオブジェクトのウェイト値より高くする。
【0065】
ここで、ページA4が含むリユーザブルオブジェクトは、黒丸で示されるリユーザブルオブジェクトである。また、図8(B)に示すように、キャッシュ部455に画像データが格納されているリユーザブルオブジェクトのうち、ウェイト値が最も低いリユーザブルオブジェクトは、四角で示されるリユーザブルオブジェクトである。また、四角で示されるリユーザブルオブジェクトのウェイト値は、70である。従って、コントローラ制御部400は、黒丸で示されるリユーザブルオブジェクトのウェイト値に、例えば50を加えることによって、このウェイト値が70より高くなるようにする。コントローラ制御部400がNGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値に加える値は、任意の値でよい。
【0066】
そして、コントローラ制御部400は、図8(C)に示すように、ウェイト値が最も小さい四角で示すリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455から解放し、黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455に格納する。その結果、キャッシュ部455が記憶する画像データは、丸、三角、および黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データとなる。つまり、コントローラ制御部400は、ページ毎の検品結果に基づいて、キャッシュ部455が記憶するリユーザブルオブジェクトの画像データを決定する。なお、コントローラ制御部400が、VDPジョブの実行が終了した時に、キャッシュ部455に格納されているリユーザブルオブジェクトの画像データの全てを解放するようにしてもよい。
【0067】
コントローラ制御部400は、NGページA4を再印刷する時に、キャッシュ部455に格納されている黒丸で示すリユーザブルオブジェクトの画像データを用いることができる。従って、コントローラ制御部400が、このリユーザブルオブジェクトの画像データを再度生成することなく印刷できるので、再印刷処理の効率が向上する。
【0068】
図9は、実施例2におけるNGページの再印刷処理を説明するフローチャートである。図9のステップS21乃至S23は、図7のステップS1乃至S3と同様である。図9のステップS24において、検品装置コントローラ1100が、印刷出力物をページ毎に検品処理する(ステップS24)。続いて、コントローラ制御部400が、VDPジョブが終了したかを判断する(ステップS25)。VDPジョブが終了していない場合は、ステップS24に戻る。VDPジョブが終了した場合は、ステップS26に進む。
【0069】
次に、コントローラ制御部400が、検品装置コントローラ1100から受け取った検品結果に基づいて、NGページがあるかを判断する(ステップS26)。NGページがない場合は、処理を終了する。NGページがある場合は、ステップS27に進む。
【0070】
ステップS27において、コントローラ制御部400が、NGページのリユーザブルオブジェクトのウェイト値を高くする(ステップS27)。すなわち、コントローラ制御部400は、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を、キャッシュ部455に画像データが格納されているリユーザブルオブジェクトのうち、ウェイト値が最も低いリユーザブルオブジェクトのウェイト値より高くする。
【0071】
コントローラ制御部400が、ウェイト値が最も低いリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455から解放し、NGページが含むリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455に格納する(ステップS28)。そして、コントローラ制御部400が、キャッシュ部455からNGページが含むリユーザブルオブジェクトの画像データを取得し、取得したリユーザブルオブジェクトの画像データを用いて、NGページを再印刷する(ステップS29)。実施例2の画像形成装置は、NGページに対応するリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455から取得し、取得した画像データを用いて印刷処理するので、NGページを迅速に印刷処理することができる。また、実施例2の画像形成装置は、印刷が終了したことを契機として、NGページが含むリユーザブルオブジェクトのウェイト値を高くする処理を実行する。従って、ページ毎の検品結果が出力される度に重み付けリスト中のリユーザブルオブジェクトのウェイト値を変更する場合に比べ、NGページが含むリユーザブルオブジェクトの画像データをキャッシュ部455に格納するための処理の負荷を軽くすることができる。
【0072】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0073】
453 外部コンピュータ
900 本体コントローラ
1100 検品装置コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページで共用される第1のオブジェクトとページ毎に可変である第2のオブジェクトとを含む印刷ジョブを実行する画像形成装置であって、
前記第1のオブジェクトの画像データを予め定められた個数分記憶するオブジェクト記憶手段と、
前記印刷ジョブを受信するジョブ受信手段と、
前記第1および第2のオブジェクトの画像データをページ上に配置して印刷する印刷手段と、
前記印刷によって得られる印刷物の画像を読み取る読み取り手段と、
前記読み取られた印刷物の画像と基準画像との比較結果に基づいて、前記印刷が不良であるか否かをページ毎に判断する判断手段と、
前記判断手段による前記印刷が不良であるか否かについての判断結果に基づいて、前記印刷が不良であると判断されたページに対応する前記第1のオブジェクトの画像データを優先的に前記オブジェクト記憶手段に記憶する制御を実行する制御手段とを備え、
前記印刷手段は、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶している場合に、前記オブジェクト記憶手段から前記第1のオブジェクトの画像データを取得して前記ページ上に配置し、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶していない場合に、該第1のオブジェクトの画像データを生成して前記ページ上に配置する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のオブジェクト毎に、前記オブジェクト記憶手段への画像データの記憶に関する優先度を示すウェイト値が対応付けられており、
前記制御手段は、
前記第1のオブジェクトの画像データを前記ウェイト値が高い順に前記オブジェクト記憶手段に前記個数分記憶し、該個数を超える分の第1のオブジェクトの画像データを該オブジェクト記憶手段から解放し、
前記印刷が不良であると判断されたページに対応する第1のオブジェクトのウェイト値を、前記オブジェクト記憶手段に画像データが記憶されている第1のオブジェクトのいずれかのウェイト値より高い値に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記印刷が不良でないと判断されたページに対応する第1のオブジェクトのウェイト値を、該印刷が不良でないと判断される度に低くし、前記オブジェクト記憶手段に画像データが記憶されている第1のオブジェクトのいずれかのウェイト値が0となった時に、前記印刷が不良であると判断されたページに対応する第1のオブジェクトのウェイト値を高くする
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記印刷が終了した時に、該印刷が不良であると判断されたページに対応する第1のオブジェクトのウェイト値を、前記オブジェクト記憶手段に画像データが記憶されている第1のオブジェクトのうち、ウェイト値が最も低い第1のオブジェクトのウェイト値より高い値に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数ページで共用される第1のオブジェクトとページ毎に可変である第2のオブジェクトとを含む印刷ジョブを実行する画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、前記第1のオブジェクトの画像データを予め定められた個数分記憶するオブジェクト記憶手段を備えており、
前記印刷ジョブを受信する受信工程と、
前記第1および第2のオブジェクトの画像データをページ上に配置して印刷する印刷工程と、
前記印刷によって得られる印刷物の画像を読み取る読み取り工程と、
前記読み取られた印刷物の画像と基準画像との比較結果に基づいて、前記印刷が不良であるか否かをページ毎に判断する判断工程と、
前記判断工程による前記印刷が不良であるか否かについての判断結果に基づいて、前記印刷が不良であると判断されたページに対応する前記第1のオブジェクトの画像データを優先的に前記オブジェクト記憶手段に記憶する制御を実行する制御工程とを有し、
前記印刷工程は、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶している場合に、前記オブジェクト記憶手段から前記第1のオブジェクトの画像データを取得して前記ページ上に配置し、前記オブジェクト記憶手段が前記受信された印刷ジョブが含む第1のオブジェクトの画像データを記憶していない場合に、該第1のオブジェクトの画像データを生成して前記ページ上に配置する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−135948(P2012−135948A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289843(P2010−289843)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】