画像形成装置および画像処理プログラム
【課題】 入力された画像を従来より自然な画像に高速に変換することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複合機は、代表色を記憶する記憶部と、記憶部によって記憶されている代表色を母点としたボロノイ図をLab色空間上に作成し、入力された画像の各画素をボロノイ図に基づいて最も近い代表色に変換する制御部とを備えている複合機であって、制御部は、利用者によって選択された色を受け付け、受け付けた色と白色との間の1以上の色を算出し、記憶部は、制御部によって受け付けられた色を代表色として記憶するとともに、制御部によって算出された色を代表色として記憶し、制御部は、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更する(S223)ことを特徴とする。
【解決手段】 複合機は、代表色を記憶する記憶部と、記憶部によって記憶されている代表色を母点としたボロノイ図をLab色空間上に作成し、入力された画像の各画素をボロノイ図に基づいて最も近い代表色に変換する制御部とを備えている複合機であって、制御部は、利用者によって選択された色を受け付け、受け付けた色と白色との間の1以上の色を算出し、記憶部は、制御部によって受け付けられた色を代表色として記憶するとともに、制御部によって算出された色を代表色として記憶し、制御部は、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更する(S223)ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して出力することができる画像形成装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジーやコスト削減のために省エネルギーが重視されている。複写機やプリンタ等の画像形成装置においても、省エネルギーのために、単色プリントや2色プリントなど、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して印刷することが増加している。
【0003】
従来、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して出力する場合、入力された画像の各画素を、RGB色空間上やCMYK色空間上で最も近い代表色に変換する方法が知られている。しかしながら、この方法は、RGB色空間やCMYK色空間が画像の出力装置に依存する色空間であるため、実際に出力される画像が出力装置によって異なってしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、入力された画像の各画素を、RGB色空間上やCMYK色空間上の値から、画像の出力装置に依存せずに人間の感覚で表されるLab色空間上の値に変換した後、Lab色空間上で最も近い代表色に変換する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法は、各画素を最も近い代表色に変換するときに、入力された画像の各画素に対して全ての代表色との距離を求めて、最短の距離である代表色をその画素の変換後の色としているので、変換するための処理量が多く、処理時間が長いという問題がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、ボロノイ図を用いて各画素を最も近い代表色に変換する方法が知られている(例えば、特許文献2,3参照。)。
【0006】
ところで、人間は、色相の変化に敏感である。したがって、空、海、草木などの写真画像が代表色のみで構成される画像に変換された場合、変換後の画像は、その色相の変化具合によっては不自然な画像になってしまうことがある。色相の変化を滑らかにするための技術としては、元のイメージデータに対してピクセル毎にLab色空間で色誤差拡散を実行して、出力イメージデータを生成するものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4083311号公報
【特許文献2】特開平7−85251号公報
【特許文献3】特許第3492115号公報
【特許文献4】特許第3737149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2,3に記載された技術においては、選択された代表色によっては、入力された画像のうち濃度が大きく異なる画素同士が同一の代表色に変換されることがあり、変換後の画像が不自然な画像になってしまうことがあるという問題がある。
【0009】
また、特許文献4に記載された技術においては、ピクセル毎にLab色空間で色誤差拡散を実行しているので、処理速度が遅いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、入力された画像を従来より自然な画像に高速に変換することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段とを備えている画像形成装置であって、前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。また、本発明の画像形成装置は、ボロノイ図を利用するので、画像を高速に変換することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、利用者によって選択された色を受け付ける選択色受付手段と、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と白色との間の1以上の色を算出する色算出手段とを備えており、前記代表色記憶手段は、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と、前記色算出手段によって算出された色とを前記代表色として記憶することが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成装置は、利用者によって選択された色を代表色とするだけでなく、その色と白色との間の1以上の色を自動的に代表色として追加するので、入力された画像を更に自然な画像に変換することができる。
【0015】
また、本発明の画像処理プログラムは、代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムであって、前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータは、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。また、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータは、ボロノイ図を利用するので、画像を高速に変換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像形成装置は、入力された画像を従来より自然な画像に高速に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複合機の制御構成を示すブロック図である。
【図2】利用者によってコピーの指示が与えられたときの図1に示す制御部の動作のフローチャートである。
【図3】(a)は、利用者によって代表色が選択される前の図1に示すモニタに表示されるコピー動作画面を示す図である。(b)は、利用者によって代表色が選択された後の図1に示すモニタに表示されるコピー動作画面を示す図である。
【図4】図2に示す代表色選択処理のフローチャートである。
【図5】図1に示すモニタに表示される代表色選択画面を示す図である。
【図6】図2に示すコピー処理のフローチャートである。
【図7】図6に示すボロノイ図作成処理のフローチャートである。
【図8】図7に示すボロノイ図作成処理において作成されたボロノイ図を示す図である。
【図9】図6に示す色変換処理のフローチャートである。
【図10】図6に示す特定領域画像抽出処理のフローチャートである。
【図11】図6に示す色変更処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の構成について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る複合機10の制御構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、複合機10は、複合機10全体を制御するための制御部11と、種々の情報を記憶するための記憶部12と、利用者によって種々の操作が入力される図示していない操作パネル上の操作部13と、種々の情報を表示する操作パネル上のモニタ14と、用紙に印刷を実行するプリンタ部15と、原稿を読み込んで画像データを生成する読取デバイスであるスキャナ部16と、ホストコンピュータなどの図示していない外部の装置とLAN(Local Area Network)を介して通信を行うためのネットワークI/F(interface)部17とを備えている。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、本発明の画像処理プログラムなどのプログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)となどによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部11を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0024】
ここで、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、利用者によって選択された色を代表色として受け付けるようになっており、選択色受付手段11aとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、利用者によって選択された色と白色との間の1以上の色を代表色として算出するようになっており、色算出手段11bとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、記憶部12によって記憶されている代表色を母点としたボロノイ図をLab色空間上に作成するようになっており、ボロノイ図作成手段11cとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、入力された画像の各画素をボロノイ図に基づいて最も近い代表色に変換するようになっており、色変換手段11dとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、画素に対応する代表色を変更するようになっており、色変更手段11eとして機能するようになっている。
【0025】
記憶部12は、制御部11を構成するRAMなどによって構成されている。ここで、記憶部12は、制御部11が画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、代表色を記憶するようになっており、本発明の代表色記憶手段を構成している。
【0026】
操作部13は、モニタ14とともにタッチパネルを形成するボタンや、操作パネル上のボタンなどの入力デバイスから構成されている。
【0027】
モニタ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスから構成されている。
【0028】
プリンタ部15は、図示していない外部の装置から後述するネットワークI/F部17を介して受信された印刷データのジョブや、スキャナ部16によって生成された画像データのジョブなどの各種のジョブを印刷する印刷デバイスである。
【0029】
ネットワークI/F部17は、例えば、スキャナ部16によって生成された画像データをLANを介して外部の装置に送信したり、プリンタ部15で印刷されるための印刷データをLANを介して外部の装置から受信したりする。
【0030】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0031】
利用者は、操作部13によって複合機10にコピーの指示を与えることができる。利用者がコピーの指示を複合機10に与えると、複合機10の制御部11は、図2に示す処理を開始する。
【0032】
図2は、利用者によってコピーの指示が与えられたときの制御部11の動作のフローチャートである。
【0033】
図2に示すように、制御部11は、まず、図3(a)に示すコピー動作画面をモニタ14に表示させる(S101)。
【0034】
図3(a)は、利用者によって代表色が選択される前のモニタ14に表示されるコピー動作画面を示す図である。図3(b)は、利用者によって代表色が選択された後のモニタ14に表示されるコピー動作画面を示す図である。
【0035】
図3に示すように、コピー動作画面には、利用者が選択した代表色が表示される代表色表示領域21と、利用者が選択した画像種類が表示される画像種類表示領域22と、利用者が代表色を選択するときに押すための「代表色選択」ボタン23と、利用者が複合機10にコピーを開始させるときに押すための「コピー開始」ボタン24とが含まれている。利用者は、操作部13によって「代表色選択」ボタン23や「コピー開始」ボタン24を押すことができる。なお、図3(a)に示すコピー動作画面は、代表色表示領域21および画像種類表示領域22に何も表示されていない。
【0036】
図2に示すように、制御部11は、S101の処理の後、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されたか否かを判断する(S102)。
【0037】
制御部11は、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されたとS102において判断すると、図4に示す代表色選択処理を実行する(S103)。
【0038】
図4は、代表色選択処理のフローチャートである。
【0039】
図4に示すように、制御部11は、代表色選択処理において、まず、図3(a)に示すコピー動作画面に代えて図5に示す代表色選択画面をモニタ14に表示させる(S121)。
【0040】
図5は、モニタ14に表示される代表色選択画面を示す図である。
【0041】
図5に示すように、代表色選択画面には、利用者が代表色を選択するためのカラーパレット31と、利用者に画像種類として写真画像を選択させるためのラジオボタン32aと、利用者に画像種類としてテキスト画像を選択させるためのラジオボタン32bと、利用者が代表色の選択を終了するときに押すための「OK」ボタン33とが含まれている。ラジオボタン32a、32bは、常に1つのラジオボタンのみが選択されている状態になる。利用者は、操作部13によってカラーパレット31から任意の色を選択することや、ラジオボタン32a、32bの何れかを選択することや、「OK」ボタン33を押すことができる。
【0042】
図4に示すように、制御部11は、S121の処理の後、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されたか否かを判断する(S122)。
【0043】
制御部11の機能の1つである選択色受付手段11aは、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されたとS122において判断すると、利用者によって選択された代表色(以下「利用者選択代表色」という。)のRGB値を記憶部12に記憶させた後(S123)、再びS122の処理に戻る。したがって、利用者は、S122、S123の処理を繰り返すことによって、複数の代表色を選択することができる。
【0044】
制御部11は、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されていないとS122において判断すると、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されたか否かを判断する(S124)。
【0045】
制御部11は、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されたとS124において判断すると、利用者によって選択された画像種類を記憶部12に記憶させた後(S125)、再びS122の処理に戻る。
【0046】
一方、制御部11は、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されていないとS124において判断すると、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されたか否かを判断する(S126)。
【0047】
制御部11は、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されていないとS126において判断すると、再びS122の処理に戻る。
【0048】
一方、制御部11は、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されたとS126において判断すると、図5に示す代表色選択画面に代えて図3(b)に示すコピー動作画面をモニタ14に表示させて(S127)、図4に示す代表色選択処理を終了する。なお、図3(b)に示すコピー動作画面は、利用者選択代表色が代表色表示領域21に表示されており、利用者が選択した画像種類が画像種類表示領域22に表示されている。
【0049】
図2に示すように、制御部11は、S103の代表色選択処理を終了すると、再びS102の処理に戻る。
【0050】
制御部11は、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されていないとS102において判断すると、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されたか否かを判断する(S104)。
【0051】
制御部11は、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されていないとS104において判断すると、再びS102の処理に戻る。
【0052】
一方、制御部11は、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されたとS104において判断すると、図6に示すコピー処理を実行する(S105)。
【0053】
図6は、コピー処理のフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、制御部11は、コピー処理において、まず、図7に示すボロノイ図作成処理を実行する(S141)。
【0055】
図7は、ボロノイ図作成処理のフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、制御部11の機能の1つである色算出手段11bは、ボロノイ図作成処理において、まず、S123において記憶部12に記憶していた利用者選択代表色と白色との間のm個の色をRGB色空間において追加の代表色として算出し(S161)、S161において算出した追加の代表色のRGB値を記憶部12に記憶させる(S162)。
【0057】
追加の代表色の算出方法としては、例えば、RGB色空間において利用者選択代表色と白色とを結ぶ線分を(m+1)等分するm個の点を追加の代表色とする方法がある。また、利用者選択代表色が記憶部12に複数記憶されている場合、追加の代表色は、利用者選択代表色のそれぞれに対してm個ずつ算出される。ただし、利用者選択代表色と白色とが近い場合には、追加の代表色の数は、所定のルールに従ってm個未満にされるようになっていても良い。なお、追加の代表色の数であるmは、予め操作部13によって利用者が設定できるようになっている。
【0058】
次いで、制御部11の機能の1つであるボロノイ図作成手段11cは、S123およびS162において記憶部12に記憶させた代表色をRGB値からLab値に変換し(S163)、S163においてLab値に変換した代表色を母点としたボロノイ図40(図8参照。)を均等色空間としてのLab色空間上に作成して(S164)、図7に示すボロノイ図作成処理を終了する。
【0059】
なお、ボロノイ図とは、空間中に存在する各母点から最も近い空間を線や面などの超平面で区切った図である。つまり、ボロノイ図は、距離空間内の有限部分集合P={p1,p2,・・・,pn}に対するボロノイ領域{V(p1),V(p2),・・・,V(pn)}の集合と定義することができる。ここで、ボロノイ領域とは、距離関数dに対して次の式で構成される領域V(pi)のことである。
V(pi)={p|d(p,pi)≦d(p,pj),i≠j}
【0060】
図8は、S164において作成されたボロノイ図40を示す図である。
【0061】
図8に示すボロノイ図40において、S163においてLab値に変換した代表色41は、ボロノイ図40の母点である。代表色41がそれぞれ含まれるボロノイ領域42は、ボロノイ境界43や、ボロノイ境界43同士の交点であるボロノイ点44によって区切られている。なお、図8においては理解を容易にするために2次元のボロノイ図を表しているが、S164において作成されたボロノイ図40は、実際には3次元のボロノイ図である。
【0062】
図6に示すように、制御部11は、S141のボロノイ図作成処理を終了すると、スキャナ部16によって原稿の全ての画素の読み込み(S142)、図9に示す色変換処理を実行する(S143)。
【0063】
図9は、色変換処理のフローチャートである。
【0064】
図9に示すように、制御部11は、色変換処理において、まず、S142において読み込まれた画素をRGB値からLab値に変換する(S181)。
【0065】
次いで、制御部11の機能の1つである色変換手段11dは、S181においてLab値に変換した画素を、S164で作成したボロノイ図40に基づいて、最も近い代表色に変換して(S182)、図9に示す色変換処理を終了する。つまり、制御部11は、S164で作成したボロノイ図40の複数のボロノイ領域42のうち、S181においてLab値に変換した画素が含まれる1つのボロノイ領域42を求め、S181においてLab値に変換した画素をそのボロノイ領域42に含まれる代表色41に変換する。
【0066】
なお、画素がボロノイ境界43やボロノイ点44上に存在するときは、制御部11は、所定の規則に従って画素を代表色41に変換する。例えば、制御部11は、画素がボロノイ境界43上に存在するとき、そのボロノイ境界43で区切られる複数のボロノイ領域42の代表色41のうち、L値が最も高い代表色が1つのみ存在するとき、L値が最も高い代表色に画素を変換する。次いで、L値が最も高い代表色が複数存在するときには、そのL値が最も高い複数の代表色のうちa値が最も高い代表色が1つのみ存在するとき、そのa値が最も高い代表色に画素を変換する。最後に、L値およびa値が共に最も高い代表色が複数存在するときには、そのL値およびa値が共に最も高い複数の代表色のうちb値が最も高い代表色に画素を変換する。画素がボロノイ境界43上に存在するときについて説明したが、画素がボロノイ点44上に存在するときも同様である。
【0067】
図6に示すように、制御部11は、S143の色変換処理を終了すると、図10に示す特定領域画像抽出処理を実行する(S144)。
【0068】
図10は、特定領域画像抽出処理のフローチャートである。
【0069】
図10に示すように、制御部11は、特定領域画像抽出処理において、まず、S181においてLab値に変換した全体画像から特定領域画像を抽出する(S201)。ここで、特定領域とは、色相の変化を滑らかにする必要がある領域のことであり、特定領域画像とは、特定領域の画像のことである。特定領域としては、例えば、写真画像における空の領域、海の領域、草木の領域などの自然の画像の領域がある。何を特定領域に含めるかは、設定次第である。また、何を特定領域に含めるかは、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。なお、特定領域の画像は、特定領域以外の画像と比較して、色相、明度、彩度、周波数帯域などに特徴がある。これらの特徴に基づいて、特定領域画像を、それ以外の画像と区別する技術は、特開2004−234409号公報、特開2004−038481号公報、特開2004−120092号公報などに記載されている。制御部11は、このような公知の技術を使用して、S181においてLab値に変換した全体画像から特定領域画像を抽出することができる。
【0070】
次いで、制御部11の色変換手段11dは、S201において抽出された特定領域画像の各画素を、S164で作成したボロノイ図40に基づいて、最も近い代表色に変換して(S202)、図10に示す特定領域画像抽出処理を終了する。
【0071】
図6に示すように、制御部11は、S144の特定領域抽出処理を終了すると、図11に示す色変更処理を実行する(S145)。
【0072】
図11は、色変更処理のフローチャートである。
【0073】
図11に示すように、制御部11の機能の1つである色変更手段11eは、色変更処理において、まず、S202において代表色41に変換された特定領域画像のうち1つの画素を対象とする(S221)。
【0074】
次いで、色変更手段11eは、S221で対象とした画素が、その画素に隣接する画素に対して、S164で作成したボロノイ図40上で所定の範囲内であるか否かを判断する(S222)。ここで、S222における「隣接する画素」は、既にS221で対象とされた画素のみから選択される。したがって、特定領域画素のうち最初の画素については、未だ「隣接する画素」が無いので、S222における判断ができない。このような場合、色変更手段11eは、所定の範囲内であるとS222において判断するようになっている。また、「所定の範囲」とは、各画素に対応する代表色41が所属するボロノイ領域42同士が例えば2つ隣以内の位置関係にあることである。2つ隣以内の位置関係とは、対象のボロノイ領域42同士が同一のボロノイ領域42であるか、直接隣り合うボロノイ領域42であるか、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42であるかの何れかの位置関係である。なお、所定の範囲は、設定次第である。また、所定の範囲は、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。
【0075】
色変更手段11eは、所定の範囲内ではないとS222において判断すると、所定の範囲内になるように、対象の画素に対応する代表色41を変更する(S223)。すなわち、色変更手段11eは、これら2つの画素をボロノイ図40上で結んだ線分が重なるボロノイ領域42のうち、「隣接する画素」が所属するボロノイ領域42に対して所定の範囲内のボロノイ領域42を選択し、選択したボロノイ領域42の代表色41を対象の画素に対応する代表色41とする。例えば、各画素に対応する代表色41が所属するボロノイ領域42同士が2つ隣以内の位置関係にあることが「所定の範囲」である場合、色変更手段11eは、対象のボロノイ領域42同士が所定の範囲内でないとき、対象のボロノイ領域42同士が同一のボロノイ領域42であるか、直接隣り合うか、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うかの何れかの位置関係になるように、対象の画素に対応する代表色41を変更する。なお、対象のボロノイ領域42同士を同一のボロノイ領域42、直接隣り合うボロノイ領域42、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42の何れの位置関係にするかは、設定次第である。また、対象のボロノイ領域42同士を同一のボロノイ領域42、直接隣り合うボロノイ領域42、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42の何れの位置関係にするかは、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。
【0076】
次いで、色変更手段11eは、特定領域の全ての画素を対象にしたか否かを判断する(S224)。また、色変更手段11eは、所定の範囲内であるとS222において判断した場合、対象の画素に対応する代表色41を変更せずに、S224の処理を実行する。
【0077】
色変更手段11eは、特定領域の画素のうち未だ対象にしていない画素があるとS224において判断すると、未だ対象にしていない画素についてS221の処理に戻る。
【0078】
一方、色変更手段11eは、特定領域の全ての画素を対象にしたとS224において判断すると、図11に示す色変更処理を終了する。
【0079】
図6に示すように、制御部11は、S145の色変更処理を終了すると、S182において代表色41に変換した全体画像に、S145の色変更処理において必要に応じて代表色41を変更された特定領域画像を上書き合成する(S146)。つまり、制御部11は、代表色41で表された全体画像であって、特定領域画像の代表色41が必要に応じて変更されている全体画像を生成する。
【0080】
そして、制御部11は、S146で合成した画像をLab値からRGB値に変換する(S147)。
【0081】
次いで、制御部11は、予めROMに記憶されているカラールックアップテーブルに基づいて、S147においてRGB値に変換した画素をRGB値からCMYK値に変換する(S148)。
【0082】
次いで、制御部11は、S148においてCMYK値に変換した全ての画素に基づいてプリンタ部15によって用紙に印刷を実行させ(S149)、図6に示すコピー処理を終了する。
【0083】
図2に示すように、制御部11は、S105のコピー処理を終了すると、図3(b)に示すコピー動作画面をモニタ14に閉じさせて(S106)、図2に示す処理を終了する。
【0084】
以上に説明したように、複合機10は、隣接する画素がボロノイ図40上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色41を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。
【0085】
また、複合機10は、利用者によって選択された色を代表色とするだけでなく、その色と白色との間の1以上の色を自動的に代表色として追加するので、入力された画像を更に自然な画像に変換することができる。
【0086】
また、複合機10は、ボロノイ図40を用いて各画素を最も近い代表色に変換するので、入力された画像の各画素に対して全ての代表色との距離を求めて各画素を最も近い代表色に変換する構成と比較して、高速に処理することができる。
【0087】
また、複合機10は、スキャナ部16から入力された画像の各画素を、RGB色空間上の値から、画像の出力装置に依存せずに人間の感覚で表されるLab色空間上の値に変換した後、Lab色空間上で最も近い代表色に変換するので、プリンタ部15によって実際に印刷される画像が装置によって異なってしまうことを防止することができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、コピーのジョブについて説明しているが、印刷を実行するジョブであれば他のジョブであっても良い。例えば、図示していない外部の装置からネットワークI/F部17を介して受信された印刷データのジョブであっても良い。
【0089】
また、本実施の形態においては、入力される画像の色空間がRGB色空間であり、出力される画像の色空間がCMYK色空間であるが、入力される画像の色空間や出力される画像の色空間は、これらに限られるものではない。
【0090】
また、本実施の形態においては、均等色空間としてLab色空間が使用されているが、Lab色空間以外の均等色空間が使用されるようになっていても良い。例えば、均等色空間としてLuv色空間が使用されるようになっていても良い。
【0091】
また、本実施の形態においては、利用者によって選択可能な画像種類が写真画像およびテキスト画像であるが、これら以外の画像種類が利用者によって選択可能になっていても良い。
【0092】
また、本発明の画像形成装置は、本実施の形態において複合機について説明しているが、コピー機、プリンタなどの複合機以外の画像形成装置であっても良い。
【0093】
また、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータとして、本実施の形態において画像形成装置について説明しているが、画像形成装置以外のコンピュータであっても良い。例えば、汎用のパーソナルコンピュータに本発明の画像処理プログラムを実行させても良い。
【符号の説明】
【0094】
10 複合機(画像形成装置)
11a 選択色受付手段
11b 色算出手段
11c ボロノイ図作成手段
11d 色変換手段
11e 色変更手段
12 記憶部(代表色記憶手段)
40 ボロノイ図
41 代表色
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して出力することができる画像形成装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジーやコスト削減のために省エネルギーが重視されている。複写機やプリンタ等の画像形成装置においても、省エネルギーのために、単色プリントや2色プリントなど、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して印刷することが増加している。
【0003】
従来、入力された画像を代表色のみで構成される画像に変換して出力する場合、入力された画像の各画素を、RGB色空間上やCMYK色空間上で最も近い代表色に変換する方法が知られている。しかしながら、この方法は、RGB色空間やCMYK色空間が画像の出力装置に依存する色空間であるため、実際に出力される画像が出力装置によって異なってしまうという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、入力された画像の各画素を、RGB色空間上やCMYK色空間上の値から、画像の出力装置に依存せずに人間の感覚で表されるLab色空間上の値に変換した後、Lab色空間上で最も近い代表色に変換する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法は、各画素を最も近い代表色に変換するときに、入力された画像の各画素に対して全ての代表色との距離を求めて、最短の距離である代表色をその画素の変換後の色としているので、変換するための処理量が多く、処理時間が長いという問題がある。
【0005】
この問題を解決する方法として、ボロノイ図を用いて各画素を最も近い代表色に変換する方法が知られている(例えば、特許文献2,3参照。)。
【0006】
ところで、人間は、色相の変化に敏感である。したがって、空、海、草木などの写真画像が代表色のみで構成される画像に変換された場合、変換後の画像は、その色相の変化具合によっては不自然な画像になってしまうことがある。色相の変化を滑らかにするための技術としては、元のイメージデータに対してピクセル毎にLab色空間で色誤差拡散を実行して、出力イメージデータを生成するものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4083311号公報
【特許文献2】特開平7−85251号公報
【特許文献3】特許第3492115号公報
【特許文献4】特許第3737149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2,3に記載された技術においては、選択された代表色によっては、入力された画像のうち濃度が大きく異なる画素同士が同一の代表色に変換されることがあり、変換後の画像が不自然な画像になってしまうことがあるという問題がある。
【0009】
また、特許文献4に記載された技術においては、ピクセル毎にLab色空間で色誤差拡散を実行しているので、処理速度が遅いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、入力された画像を従来より自然な画像に高速に変換することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成装置は、代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段とを備えている画像形成装置であって、前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。また、本発明の画像形成装置は、ボロノイ図を利用するので、画像を高速に変換することができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置は、利用者によって選択された色を受け付ける選択色受付手段と、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と白色との間の1以上の色を算出する色算出手段とを備えており、前記代表色記憶手段は、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と、前記色算出手段によって算出された色とを前記代表色として記憶することが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成装置は、利用者によって選択された色を代表色とするだけでなく、その色と白色との間の1以上の色を自動的に代表色として追加するので、入力された画像を更に自然な画像に変換することができる。
【0015】
また、本発明の画像処理プログラムは、代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムであって、前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする。
【0016】
この構成により、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータは、隣接する画素がボロノイ図上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。また、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータは、ボロノイ図を利用するので、画像を高速に変換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の画像形成装置は、入力された画像を従来より自然な画像に高速に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る複合機の制御構成を示すブロック図である。
【図2】利用者によってコピーの指示が与えられたときの図1に示す制御部の動作のフローチャートである。
【図3】(a)は、利用者によって代表色が選択される前の図1に示すモニタに表示されるコピー動作画面を示す図である。(b)は、利用者によって代表色が選択された後の図1に示すモニタに表示されるコピー動作画面を示す図である。
【図4】図2に示す代表色選択処理のフローチャートである。
【図5】図1に示すモニタに表示される代表色選択画面を示す図である。
【図6】図2に示すコピー処理のフローチャートである。
【図7】図6に示すボロノイ図作成処理のフローチャートである。
【図8】図7に示すボロノイ図作成処理において作成されたボロノイ図を示す図である。
【図9】図6に示す色変換処理のフローチャートである。
【図10】図6に示す特定領域画像抽出処理のフローチャートである。
【図11】図6に示す色変更処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施の形態に係る画像形成装置としての複合機の構成について説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る複合機10の制御構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、複合機10は、複合機10全体を制御するための制御部11と、種々の情報を記憶するための記憶部12と、利用者によって種々の操作が入力される図示していない操作パネル上の操作部13と、種々の情報を表示する操作パネル上のモニタ14と、用紙に印刷を実行するプリンタ部15と、原稿を読み込んで画像データを生成する読取デバイスであるスキャナ部16と、ホストコンピュータなどの図示していない外部の装置とLAN(Local Area Network)を介して通信を行うためのネットワークI/F(interface)部17とを備えている。
【0023】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、本発明の画像処理プログラムなどのプログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)となどによって構成されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部11を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0024】
ここで、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、利用者によって選択された色を代表色として受け付けるようになっており、選択色受付手段11aとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、利用者によって選択された色と白色との間の1以上の色を代表色として算出するようになっており、色算出手段11bとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、記憶部12によって記憶されている代表色を母点としたボロノイ図をLab色空間上に作成するようになっており、ボロノイ図作成手段11cとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、入力された画像の各画素をボロノイ図に基づいて最も近い代表色に変換するようになっており、色変換手段11dとして機能するようになっている。また、制御部11は、画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、画素に対応する代表色を変更するようになっており、色変更手段11eとして機能するようになっている。
【0025】
記憶部12は、制御部11を構成するRAMなどによって構成されている。ここで、記憶部12は、制御部11が画像処理プログラムを実行することによって、後述するように、代表色を記憶するようになっており、本発明の代表色記憶手段を構成している。
【0026】
操作部13は、モニタ14とともにタッチパネルを形成するボタンや、操作パネル上のボタンなどの入力デバイスから構成されている。
【0027】
モニタ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスから構成されている。
【0028】
プリンタ部15は、図示していない外部の装置から後述するネットワークI/F部17を介して受信された印刷データのジョブや、スキャナ部16によって生成された画像データのジョブなどの各種のジョブを印刷する印刷デバイスである。
【0029】
ネットワークI/F部17は、例えば、スキャナ部16によって生成された画像データをLANを介して外部の装置に送信したり、プリンタ部15で印刷されるための印刷データをLANを介して外部の装置から受信したりする。
【0030】
次に、複合機10の動作について説明する。
【0031】
利用者は、操作部13によって複合機10にコピーの指示を与えることができる。利用者がコピーの指示を複合機10に与えると、複合機10の制御部11は、図2に示す処理を開始する。
【0032】
図2は、利用者によってコピーの指示が与えられたときの制御部11の動作のフローチャートである。
【0033】
図2に示すように、制御部11は、まず、図3(a)に示すコピー動作画面をモニタ14に表示させる(S101)。
【0034】
図3(a)は、利用者によって代表色が選択される前のモニタ14に表示されるコピー動作画面を示す図である。図3(b)は、利用者によって代表色が選択された後のモニタ14に表示されるコピー動作画面を示す図である。
【0035】
図3に示すように、コピー動作画面には、利用者が選択した代表色が表示される代表色表示領域21と、利用者が選択した画像種類が表示される画像種類表示領域22と、利用者が代表色を選択するときに押すための「代表色選択」ボタン23と、利用者が複合機10にコピーを開始させるときに押すための「コピー開始」ボタン24とが含まれている。利用者は、操作部13によって「代表色選択」ボタン23や「コピー開始」ボタン24を押すことができる。なお、図3(a)に示すコピー動作画面は、代表色表示領域21および画像種類表示領域22に何も表示されていない。
【0036】
図2に示すように、制御部11は、S101の処理の後、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されたか否かを判断する(S102)。
【0037】
制御部11は、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されたとS102において判断すると、図4に示す代表色選択処理を実行する(S103)。
【0038】
図4は、代表色選択処理のフローチャートである。
【0039】
図4に示すように、制御部11は、代表色選択処理において、まず、図3(a)に示すコピー動作画面に代えて図5に示す代表色選択画面をモニタ14に表示させる(S121)。
【0040】
図5は、モニタ14に表示される代表色選択画面を示す図である。
【0041】
図5に示すように、代表色選択画面には、利用者が代表色を選択するためのカラーパレット31と、利用者に画像種類として写真画像を選択させるためのラジオボタン32aと、利用者に画像種類としてテキスト画像を選択させるためのラジオボタン32bと、利用者が代表色の選択を終了するときに押すための「OK」ボタン33とが含まれている。ラジオボタン32a、32bは、常に1つのラジオボタンのみが選択されている状態になる。利用者は、操作部13によってカラーパレット31から任意の色を選択することや、ラジオボタン32a、32bの何れかを選択することや、「OK」ボタン33を押すことができる。
【0042】
図4に示すように、制御部11は、S121の処理の後、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されたか否かを判断する(S122)。
【0043】
制御部11の機能の1つである選択色受付手段11aは、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されたとS122において判断すると、利用者によって選択された代表色(以下「利用者選択代表色」という。)のRGB値を記憶部12に記憶させた後(S123)、再びS122の処理に戻る。したがって、利用者は、S122、S123の処理を繰り返すことによって、複数の代表色を選択することができる。
【0044】
制御部11は、代表色選択画面のカラーパレット31から利用者によって代表色が選択されていないとS122において判断すると、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されたか否かを判断する(S124)。
【0045】
制御部11は、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されたとS124において判断すると、利用者によって選択された画像種類を記憶部12に記憶させた後(S125)、再びS122の処理に戻る。
【0046】
一方、制御部11は、代表色選択画面のラジオボタン32a、32bから利用者によって画像種類が選択されていないとS124において判断すると、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されたか否かを判断する(S126)。
【0047】
制御部11は、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されていないとS126において判断すると、再びS122の処理に戻る。
【0048】
一方、制御部11は、代表色選択画面の「OK」ボタン33が利用者によって押されたとS126において判断すると、図5に示す代表色選択画面に代えて図3(b)に示すコピー動作画面をモニタ14に表示させて(S127)、図4に示す代表色選択処理を終了する。なお、図3(b)に示すコピー動作画面は、利用者選択代表色が代表色表示領域21に表示されており、利用者が選択した画像種類が画像種類表示領域22に表示されている。
【0049】
図2に示すように、制御部11は、S103の代表色選択処理を終了すると、再びS102の処理に戻る。
【0050】
制御部11は、コピー動作画面の「代表色選択」ボタン23が利用者によって押されていないとS102において判断すると、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されたか否かを判断する(S104)。
【0051】
制御部11は、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されていないとS104において判断すると、再びS102の処理に戻る。
【0052】
一方、制御部11は、コピー動作画面の「コピー開始」ボタン24が利用者によって押されたとS104において判断すると、図6に示すコピー処理を実行する(S105)。
【0053】
図6は、コピー処理のフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、制御部11は、コピー処理において、まず、図7に示すボロノイ図作成処理を実行する(S141)。
【0055】
図7は、ボロノイ図作成処理のフローチャートである。
【0056】
図7に示すように、制御部11の機能の1つである色算出手段11bは、ボロノイ図作成処理において、まず、S123において記憶部12に記憶していた利用者選択代表色と白色との間のm個の色をRGB色空間において追加の代表色として算出し(S161)、S161において算出した追加の代表色のRGB値を記憶部12に記憶させる(S162)。
【0057】
追加の代表色の算出方法としては、例えば、RGB色空間において利用者選択代表色と白色とを結ぶ線分を(m+1)等分するm個の点を追加の代表色とする方法がある。また、利用者選択代表色が記憶部12に複数記憶されている場合、追加の代表色は、利用者選択代表色のそれぞれに対してm個ずつ算出される。ただし、利用者選択代表色と白色とが近い場合には、追加の代表色の数は、所定のルールに従ってm個未満にされるようになっていても良い。なお、追加の代表色の数であるmは、予め操作部13によって利用者が設定できるようになっている。
【0058】
次いで、制御部11の機能の1つであるボロノイ図作成手段11cは、S123およびS162において記憶部12に記憶させた代表色をRGB値からLab値に変換し(S163)、S163においてLab値に変換した代表色を母点としたボロノイ図40(図8参照。)を均等色空間としてのLab色空間上に作成して(S164)、図7に示すボロノイ図作成処理を終了する。
【0059】
なお、ボロノイ図とは、空間中に存在する各母点から最も近い空間を線や面などの超平面で区切った図である。つまり、ボロノイ図は、距離空間内の有限部分集合P={p1,p2,・・・,pn}に対するボロノイ領域{V(p1),V(p2),・・・,V(pn)}の集合と定義することができる。ここで、ボロノイ領域とは、距離関数dに対して次の式で構成される領域V(pi)のことである。
V(pi)={p|d(p,pi)≦d(p,pj),i≠j}
【0060】
図8は、S164において作成されたボロノイ図40を示す図である。
【0061】
図8に示すボロノイ図40において、S163においてLab値に変換した代表色41は、ボロノイ図40の母点である。代表色41がそれぞれ含まれるボロノイ領域42は、ボロノイ境界43や、ボロノイ境界43同士の交点であるボロノイ点44によって区切られている。なお、図8においては理解を容易にするために2次元のボロノイ図を表しているが、S164において作成されたボロノイ図40は、実際には3次元のボロノイ図である。
【0062】
図6に示すように、制御部11は、S141のボロノイ図作成処理を終了すると、スキャナ部16によって原稿の全ての画素の読み込み(S142)、図9に示す色変換処理を実行する(S143)。
【0063】
図9は、色変換処理のフローチャートである。
【0064】
図9に示すように、制御部11は、色変換処理において、まず、S142において読み込まれた画素をRGB値からLab値に変換する(S181)。
【0065】
次いで、制御部11の機能の1つである色変換手段11dは、S181においてLab値に変換した画素を、S164で作成したボロノイ図40に基づいて、最も近い代表色に変換して(S182)、図9に示す色変換処理を終了する。つまり、制御部11は、S164で作成したボロノイ図40の複数のボロノイ領域42のうち、S181においてLab値に変換した画素が含まれる1つのボロノイ領域42を求め、S181においてLab値に変換した画素をそのボロノイ領域42に含まれる代表色41に変換する。
【0066】
なお、画素がボロノイ境界43やボロノイ点44上に存在するときは、制御部11は、所定の規則に従って画素を代表色41に変換する。例えば、制御部11は、画素がボロノイ境界43上に存在するとき、そのボロノイ境界43で区切られる複数のボロノイ領域42の代表色41のうち、L値が最も高い代表色が1つのみ存在するとき、L値が最も高い代表色に画素を変換する。次いで、L値が最も高い代表色が複数存在するときには、そのL値が最も高い複数の代表色のうちa値が最も高い代表色が1つのみ存在するとき、そのa値が最も高い代表色に画素を変換する。最後に、L値およびa値が共に最も高い代表色が複数存在するときには、そのL値およびa値が共に最も高い複数の代表色のうちb値が最も高い代表色に画素を変換する。画素がボロノイ境界43上に存在するときについて説明したが、画素がボロノイ点44上に存在するときも同様である。
【0067】
図6に示すように、制御部11は、S143の色変換処理を終了すると、図10に示す特定領域画像抽出処理を実行する(S144)。
【0068】
図10は、特定領域画像抽出処理のフローチャートである。
【0069】
図10に示すように、制御部11は、特定領域画像抽出処理において、まず、S181においてLab値に変換した全体画像から特定領域画像を抽出する(S201)。ここで、特定領域とは、色相の変化を滑らかにする必要がある領域のことであり、特定領域画像とは、特定領域の画像のことである。特定領域としては、例えば、写真画像における空の領域、海の領域、草木の領域などの自然の画像の領域がある。何を特定領域に含めるかは、設定次第である。また、何を特定領域に含めるかは、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。なお、特定領域の画像は、特定領域以外の画像と比較して、色相、明度、彩度、周波数帯域などに特徴がある。これらの特徴に基づいて、特定領域画像を、それ以外の画像と区別する技術は、特開2004−234409号公報、特開2004−038481号公報、特開2004−120092号公報などに記載されている。制御部11は、このような公知の技術を使用して、S181においてLab値に変換した全体画像から特定領域画像を抽出することができる。
【0070】
次いで、制御部11の色変換手段11dは、S201において抽出された特定領域画像の各画素を、S164で作成したボロノイ図40に基づいて、最も近い代表色に変換して(S202)、図10に示す特定領域画像抽出処理を終了する。
【0071】
図6に示すように、制御部11は、S144の特定領域抽出処理を終了すると、図11に示す色変更処理を実行する(S145)。
【0072】
図11は、色変更処理のフローチャートである。
【0073】
図11に示すように、制御部11の機能の1つである色変更手段11eは、色変更処理において、まず、S202において代表色41に変換された特定領域画像のうち1つの画素を対象とする(S221)。
【0074】
次いで、色変更手段11eは、S221で対象とした画素が、その画素に隣接する画素に対して、S164で作成したボロノイ図40上で所定の範囲内であるか否かを判断する(S222)。ここで、S222における「隣接する画素」は、既にS221で対象とされた画素のみから選択される。したがって、特定領域画素のうち最初の画素については、未だ「隣接する画素」が無いので、S222における判断ができない。このような場合、色変更手段11eは、所定の範囲内であるとS222において判断するようになっている。また、「所定の範囲」とは、各画素に対応する代表色41が所属するボロノイ領域42同士が例えば2つ隣以内の位置関係にあることである。2つ隣以内の位置関係とは、対象のボロノイ領域42同士が同一のボロノイ領域42であるか、直接隣り合うボロノイ領域42であるか、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42であるかの何れかの位置関係である。なお、所定の範囲は、設定次第である。また、所定の範囲は、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。
【0075】
色変更手段11eは、所定の範囲内ではないとS222において判断すると、所定の範囲内になるように、対象の画素に対応する代表色41を変更する(S223)。すなわち、色変更手段11eは、これら2つの画素をボロノイ図40上で結んだ線分が重なるボロノイ領域42のうち、「隣接する画素」が所属するボロノイ領域42に対して所定の範囲内のボロノイ領域42を選択し、選択したボロノイ領域42の代表色41を対象の画素に対応する代表色41とする。例えば、各画素に対応する代表色41が所属するボロノイ領域42同士が2つ隣以内の位置関係にあることが「所定の範囲」である場合、色変更手段11eは、対象のボロノイ領域42同士が所定の範囲内でないとき、対象のボロノイ領域42同士が同一のボロノイ領域42であるか、直接隣り合うか、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うかの何れかの位置関係になるように、対象の画素に対応する代表色41を変更する。なお、対象のボロノイ領域42同士を同一のボロノイ領域42、直接隣り合うボロノイ領域42、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42の何れの位置関係にするかは、設定次第である。また、対象のボロノイ領域42同士を同一のボロノイ領域42、直接隣り合うボロノイ領域42、他の1つのボロノイ領域42を挟んで隣り合うボロノイ領域42の何れの位置関係にするかは、利用者が選択した画像種類に応じて異なっていても良い。
【0076】
次いで、色変更手段11eは、特定領域の全ての画素を対象にしたか否かを判断する(S224)。また、色変更手段11eは、所定の範囲内であるとS222において判断した場合、対象の画素に対応する代表色41を変更せずに、S224の処理を実行する。
【0077】
色変更手段11eは、特定領域の画素のうち未だ対象にしていない画素があるとS224において判断すると、未だ対象にしていない画素についてS221の処理に戻る。
【0078】
一方、色変更手段11eは、特定領域の全ての画素を対象にしたとS224において判断すると、図11に示す色変更処理を終了する。
【0079】
図6に示すように、制御部11は、S145の色変更処理を終了すると、S182において代表色41に変換した全体画像に、S145の色変更処理において必要に応じて代表色41を変更された特定領域画像を上書き合成する(S146)。つまり、制御部11は、代表色41で表された全体画像であって、特定領域画像の代表色41が必要に応じて変更されている全体画像を生成する。
【0080】
そして、制御部11は、S146で合成した画像をLab値からRGB値に変換する(S147)。
【0081】
次いで、制御部11は、予めROMに記憶されているカラールックアップテーブルに基づいて、S147においてRGB値に変換した画素をRGB値からCMYK値に変換する(S148)。
【0082】
次いで、制御部11は、S148においてCMYK値に変換した全ての画素に基づいてプリンタ部15によって用紙に印刷を実行させ(S149)、図6に示すコピー処理を終了する。
【0083】
図2に示すように、制御部11は、S105のコピー処理を終了すると、図3(b)に示すコピー動作画面をモニタ14に閉じさせて(S106)、図2に示す処理を終了する。
【0084】
以上に説明したように、複合機10は、隣接する画素がボロノイ図40上で所定の範囲内になるように、画素に対応する代表色41を変更するので、入力された画像を従来より自然な画像に変換することができる。
【0085】
また、複合機10は、利用者によって選択された色を代表色とするだけでなく、その色と白色との間の1以上の色を自動的に代表色として追加するので、入力された画像を更に自然な画像に変換することができる。
【0086】
また、複合機10は、ボロノイ図40を用いて各画素を最も近い代表色に変換するので、入力された画像の各画素に対して全ての代表色との距離を求めて各画素を最も近い代表色に変換する構成と比較して、高速に処理することができる。
【0087】
また、複合機10は、スキャナ部16から入力された画像の各画素を、RGB色空間上の値から、画像の出力装置に依存せずに人間の感覚で表されるLab色空間上の値に変換した後、Lab色空間上で最も近い代表色に変換するので、プリンタ部15によって実際に印刷される画像が装置によって異なってしまうことを防止することができる。
【0088】
なお、本実施の形態においては、コピーのジョブについて説明しているが、印刷を実行するジョブであれば他のジョブであっても良い。例えば、図示していない外部の装置からネットワークI/F部17を介して受信された印刷データのジョブであっても良い。
【0089】
また、本実施の形態においては、入力される画像の色空間がRGB色空間であり、出力される画像の色空間がCMYK色空間であるが、入力される画像の色空間や出力される画像の色空間は、これらに限られるものではない。
【0090】
また、本実施の形態においては、均等色空間としてLab色空間が使用されているが、Lab色空間以外の均等色空間が使用されるようになっていても良い。例えば、均等色空間としてLuv色空間が使用されるようになっていても良い。
【0091】
また、本実施の形態においては、利用者によって選択可能な画像種類が写真画像およびテキスト画像であるが、これら以外の画像種類が利用者によって選択可能になっていても良い。
【0092】
また、本発明の画像形成装置は、本実施の形態において複合機について説明しているが、コピー機、プリンタなどの複合機以外の画像形成装置であっても良い。
【0093】
また、本発明の画像処理プログラムを実行するコンピュータとして、本実施の形態において画像形成装置について説明しているが、画像形成装置以外のコンピュータであっても良い。例えば、汎用のパーソナルコンピュータに本発明の画像処理プログラムを実行させても良い。
【符号の説明】
【0094】
10 複合機(画像形成装置)
11a 選択色受付手段
11b 色算出手段
11c ボロノイ図作成手段
11d 色変換手段
11e 色変更手段
12 記憶部(代表色記憶手段)
40 ボロノイ図
41 代表色
【特許請求の範囲】
【請求項1】
代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段とを備えている画像形成装置であって、
前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
利用者によって選択された色を受け付ける選択色受付手段と、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と白色との間の1以上の色を算出する色算出手段とを備えており、
前記代表色記憶手段は、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と、前記色算出手段によって算出された色とを前記代表色として記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムであって、
前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項1】
代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段とを備えている画像形成装置であって、
前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
利用者によって選択された色を受け付ける選択色受付手段と、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と白色との間の1以上の色を算出する色算出手段とを備えており、
前記代表色記憶手段は、前記選択色受付手段によって受け付けられた色と、前記色算出手段によって算出された色とを前記代表色として記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
代表色を記憶する代表色記憶手段と、前記代表色記憶手段によって記憶されている前記代表色を母点としたボロノイ図を均等色空間上に作成するボロノイ図作成手段と、入力された画像の各画素を前記ボロノイ図に基づいて最も近い前記代表色に変換する色変換手段と、前記画素に対応する前記代表色を変更する色変更手段としてコンピュータを機能させるための画像処理プログラムであって、
前記色変更手段は、隣接する前記画素が前記ボロノイ図上で所定の範囲内になるように、前記画素に対応する前記代表色を変更することを特徴とする画像処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−211287(P2011−211287A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74376(P2010−74376)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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