説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】濃度補正を行う、画像形成装置および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】画像形成装置10は、中間調画像を含むテストパターンを形成するテストパターン生成部22と、着色剤を使用してテストパターン濃度を生成する作像エンジン28と、テストパターン濃度を検出する検出部30と、濃度補正のための補正パラメータを格納する記憶部24と、検出部30の検出結果に応答し、異なる補正パラメータにしたがって色再現データを修正して濃度補正を実行する制御部12とを備えていて、ユーザ指定した補正パラメータを使用して中間調画像の濃度補正を行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成技術に関し、より詳細には濃度補正を行う、画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を使用する画像形成装置は、電源投入時や、大量印刷後において濃度変動等が発生する。そのため、プロセス・コントロールなどの処理を実行し、変動を補正する技術が知られている。多くの場合、濃度補正は、作像エンジンのベタ濃度を補正することにより行われる。例えば、特開2006−79001号公報(特許文献1)には、搬送ベルト上にテストパターンを形成し、そのテストパターンのトナー濃度を、濃度センサで検出する画像形成装置を開示する。特許文献1に開示された画像形成装置は、検出したテストパターンの実濃度値と、記憶部が保持する特性テーブルとを比較し、許容濃度値との差を演算して、濃度補正を行っている。また、許容濃度に範囲を設けることで、検出した濃度が範囲内なら補正を行わないことで、印刷効率の向上を図っている。
【0003】
特許文献1に開示された画像形成装置は、許容濃度に範囲を設けているため、濃度に差があっても範囲内なら補正を行わず、精度が悪くなるという問題点があった。また、補正タイミング、許容濃度の範囲、テストパターンの数などの補正条件をユーザが指定することが困難であった。
【0004】
また、特開昭61−160771号公報(特許文献2)には、基準パターンの濃度情報が予め設定されたレベルより低く検出されたときに光ファイバの劣化を警告表示する原稿濃度検出装置を開示している。
【特許文献1】特開2006−79001号公報
【特許文献2】特開昭61−160771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、画像形成装置の濃度補正を行う場合、濃度補正をより高精度に行うことができ、さらには、ユーザが補正条件を柔軟に指定することができる画像形成装置および画像形成方法が必要とされていた。
【0006】
また、濃度補正を、柔軟な補正条件のもとでより高精度に行うことが可能な画像形成装置および画像形成方法が必要とされていた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、補正タイミング、許容濃度の範囲、テストパターンの数(濃度刻み)、補正方法をユーザが指定できることによる補正精度を向上した、画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はさらに、より柔軟な補正条件の設定により、より高画質を提供することが可能な画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために、画像形成装置にテストパターンの濃度を検出する検出部を配置し、検出部が取得した濃度値を画像形成装置の制御部に通知する。検出部から通知された濃度値は、制御部による色再現データの補正に使用され、中間調を対象とした、より精度の高い階調補正を提供する。画像形成装置は、濃度補正のための補正タイミング、許容濃度の範囲、テストパターンの数(階調レベル間隔)などの補正パラメータを、ユーザ設定可能とされ、ユーザは、色再現性重視か、印刷効率重視かの判断にしたがって、操作パネルなどから補正パラメータを入力する。
【0010】
補正パラメータの設定変更により、ユーザは、補正タイミングを増加させることができる。また、補正タイミングの増加による直接的な印刷効率の低下は、許容濃度範囲を別に設定することで最適化することができる。具体的には、補正タイミングを増加させた場合にでも、許容濃度範囲を狭くすれば、補正タイミングが補正タイミングで設定した頻度まで増加するが、補正の精度は向上する。また、補正タイミングを減らし、許容濃度の範囲を広くする条件を設定すれば、補正の頻度が減るものの、印刷効率を向上することができ、ユーザはこれらの補正パラメータを設定することで、ユーザ要求に最適化した画像形成条件での印刷を行うことができる。同様に、テストパターンの数の増減は、検出濃度の精度に関連し、補正モードも精度および印刷効率に影響を与える。このため、テストパターンの数についてもユーザ設定可能とすることにより、高画質化および印刷効率のトレードオフを、ユーザの要求に応じてきめ細かく設定することが可能となる。
【0011】
すなわち、本発明によれば、中間調画像を含むテストパターンを形成するテストパターン生成部と、
着色剤を使用してテストパターン濃度を生成する作像エンジンと、
前記テストパターン濃度を検出する検出部と、
濃度補正のための補正パラメータを格納する記憶部と、
前記検出部の検出結果に応答し、異なる前記補正パラメータを取得して色再現データを修正し、濃度補正を実行する制御部と
を備える、画像形成装置が提供される。
【0012】
本発明では、前記記憶部は、前記濃度補正を行うための許容範囲を設定した複数の許容範囲設定値を前記補正パラメータとして格納し、前記制御部は、検出された前記テストパターン濃度が前記許容範囲外であるとの判断に応答して濃度補正を実行することができる。本発明では、前記記憶部は、前記テストパターンを形成する補正タイミング値、複数の前記中間調画像のテストパターン・データ、複数の許容範囲設定値、複数の補正モード、および前記濃度補正を実行する場合に使用する補正モード指定値を格納しており、前記制御部は、前記記憶部に格納された前記補正パラメータを判断して前記濃度補正を実行することができる。本発明では、前記色再現データは、階調再現データ、カラーマッチング・データ、または着色剤濃度データとすることができる。
【0013】
本発明によれば、中間調画像を含むテストパターンを形成し、着色剤を使用してテストパターン濃度を生成させ、前記テストパターン濃度を検出し、前記検出の結果に応答して異なる前記補正パラメータを取得し、色再現データの修正により濃度補正する、画像形成方法が提供される。本発明では、前記補正パラメータは、前記テストパターン濃度についての複数の許容範囲設定値を設定し、前記テストパターン濃度が許容範囲外であるか否かを判断して濃度補正を行うことができる。本発明では、さらに前記テストパターンを形成する補正タイミング値を取得し、前記補正タイミング値により設定されたタイミングで前記テストパターンを形成することができる。本発明では、複数登録されたテストパターン・データから設定された前記テストパターン・データを選択して前記テストパターンを形成することができる。本発明では、前記色再現データは、階調再現データ、カラーマッチング・データ、または着色剤濃度データであり、前記濃度補正後に再度前記テストパターンを形成し、前記テストパターン濃度が、許容範囲外の場合、前記補正パラメータで指定される濃度補正を、前記濃度補正を設定上限値で設定された回数まで繰返すことができる。本発明では、前記テストパターン濃度が前記設定上限値を超えても前記許容範囲外である場合に、前記濃度補正による前記色再現データへの補正データを廃棄し、前記濃度補正前の前記色再現データに戻すことができる。本発明では、前記濃度補正が、電源投入時、トナー交換時、設定枚数印刷時、設定待機時間経過時、ユーザ要求時から選択されるユーザ設定されたタイミングで行われ、前記濃度補正は、前記テストパターンのすべてのデータ・ポイントを補正するか、範囲外のテストパターンに対応するデータ・ポイントのみを補正するかの補正モードを選択可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の図面に示した実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、画像形成装置10の実施形態を示す。画像形成装置10は、制御部12と、制御部12に対して各種の指令を入力する操作パネル(UI:ユーザ・インタフェース)20とを備えている。操作パネル20は、ユーザからの指令を受付け、パネル制御部18を介して与えられるハードウェア割込に応答して画像形成処理を実行する。制御部12は、中央処理装置(CPU)14とROM16とを備えており、CPU14は、起動時にROM16に格納された初期設定データおよび各種制御データなどを読込んでセットアップ処理を実行する。
【0016】
また、制御部12は、図1に示した実施形態では、A/D変換部26と、NVRAM24と、テストパターン生成部22とを備えている。NVRAM24は、補正処理のための各種パラメータ、例えば、補正タイミング、複数のテストパターン・データ、各テストパターン・データに対応する許容濃度範囲値を登録する許容濃度テーブルなどを格納している。また、NVRAM24は、補正回数を制限するための設定上限値を格納している。設定上限値は、ユーザ設定可能とすることもできるし、また固定値として登録しておくこともできる。設定上限値を固定値とする実施形態の場合、設定上限値は、NVRAM24にではなく、ROM16に登録しても良い。制御部12は、設定された補正タイミングでテストパターン・データを読込んで、テストパターン生成部22にテストパターン・データを渡している。
【0017】
テストパターン生成部22は、テストパターン・データを使用して感光体、半導体レーザやLEDなどの光源、およびポリゴンミラーなどを含む作像エンジン28を制御し、テストパターン・データに応答したテストパターン32の画像を感光体(図示せず)に形成させている。なお、図1に示したテストパターン32は、中間調の他、ベタ画像を含んでいるのが示されていて、中間調データばかりではなく、ベタ濃度について補正を行うことが可能とされている。テストパターン32は、NVRAM24にテストパターン・データとして格納されたラスタデータまたは濃度データをCPU14が読出して、作像エンジン28に渡すことにより、作像エンジン28がテストパターン32の静電潜像を形成し、現像プロセスを経て顕像化され、テストパターン32の画像とされる。また、中間転写体を使用する場合には、感光体から中間転写体に転写された後の転写画像がテストパターン32の画像とされても良い。
【0018】
テストパターンは、ラインCCDなどを含んで構成される検出部30により濃度が測定されて、テストパターン濃度が取得される。テストパターン濃度は、A/D変換部26によりA/D変換され、CPU14へと送られる。CPU14は、受取ったテストパターン濃度を、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリなどで構成されたNVRAM24に格納された許容濃度テーブルに登録された許容範囲設定値と比較して、テストパターン濃度が許容範囲内であるか否かを判断する。制御部12は、テストパターン濃度が許容範囲内であるか否かの判断に応答して濃度補正を実行する。テストパターン・データは、画像形成装置10が使用する着色剤で、設定された網点面積率の中間調パターンを与えるように設定されている。
【0019】
なお、本実施形態の画像形成装置10は、テストパターン濃度として、感光体上の反射濃度を使用することもできるし、画像形成装置10が中間転写体を使用する場合には、中間転写体に転写された後の反射濃度または透過濃度を使用することもできる。中間転写体に転写された後の濃度を使用する場合には、CMYKに対応する反射濃度を検出部30でテストパターンの形成処理と分離して検出できるので、全色を補正する場合に補正処理を効率的に行うことができる。
【0020】
また、図1に示した画像形成装置10は、テストパターンの形成の他、ユーザ指令に応答してスキャナ(図示せず)から取得した画像データを画像処理し、作像エンジン28を制御して画像データに対応した印刷物を形成させる、複写機としても機能する。さらに、画像形成装置10は、USBまたはIEEE1294などのバスラインやイーサネット(登録商標)などのネットワーク(図示せず)を介して受信したアプリケーションからの画像データに対して画像処理を実行し印刷物を形成する、ローカル・プリンタまたはネットワーク・プリンタとしても機能する。この他、画像形成装置10は、ファクシミリ機能やメール機能などを実装する、MFP(Multi Function Peripheral)として構成されても良い。
【0021】
図2は、制御部12が画像形成装置10に提供するカラー処理機能部の実施形態を示す。本実施形態の画像形成装置10は、アプリケーション40から渡された、加法混色系の色彩表示であるRGB表色系で記述された画像データを受取り、減法混色系のCMYK表示に色変換し、トナー、カラーインクなどの着色剤量を決定し、作像エンジン28に渡している。アプリケーション40としては、本実施形態では、スキャナ・アプリケーションの他、外部接続された情報処理装置が実行するアプリケーションとすることができる。
【0022】
アプリケーション40からの画像データは、カラーマッチング処理部42でRGB表色系からCIE1976L均等色空間の変換を経てCMYK表色系に色変換される。この処理のため、カラーマッチング処理部42は、例えば、RGB表色系を、CIE1976L均等色空間またはCIE1976L均等色空間またはYXZ色空間の座標に変換する色域マッピングのためのルックアップ・テーブル(LUT)52aと、変換された色空間の座標値を、画像形成装置10が使用する減法混色系の着色剤で、使用する着色剤に対応する着色剤濃度に変換する着色剤濃度テーブル52bとを使用することができる。カラーマッチング処理部42は、RGB表色系で渡される画像データの色空間座標値から、機種、すなわち使用する着色剤の色特性を反映したCMYK表色系での色空間座標値を与えている。以下、説明の便宜上、本実施形態では、CIE1976L均等色空間を経由して色域マッピングおよび装置固有のCMYK表色系への座標変換を行うものとして説明を行う。
【0023】
図3は、本実施形態でのカラーマッチング処理部42が実行する処理の概略図である。アプリケーション40からのRGBデータは、LUT52aを使用してRGBデータに対応するL均等色空間座標値に変換される。また、着色剤濃度テーブル52bは、変換されたL均等色空間座標値を保存するように、入力RGBデータと、出力CMYKデータとを対応させる対応テーブルとして構成され、入力RGBデータに対応する出力CMYKデータを検索し、出力値とする。
【0024】
図3に示されるように、本実施形態ではカラーマッチング処理部42が使用する色再現データは、LUT52aおよび着色剤濃度テーブル52bであり、画像形成装置10は、濃度補正を実行する場合、濃度補正の第1実施形態では、LUT52aにエントリされたデータを修正する。また、第2実施形態では、画像処理装置10は、着色剤濃度テーブル52bを修正することで、濃度補正を実行する。
【0025】
なお、本実施形態では、着色剤濃度テーブル52bを使用する場合には、色空間を、32×32×32に縮退させたサンプリング・ポイントからなるデータ形式を使用し、サンプリング・ポイント間の色変換を補間するため、別に補間色をNVRAM24やROM16などに格納させることができる。この場合、サンプリング・ポイント間については補間式を使用して色域マッピングで与えられた色空間座標値を再現するCMYK表色系の座標値を計算することができる。
【0026】
γ変換部44は、階調再現データを本実施形態では8ビット階調(0−255)で管理しており、画像形成装置10が階調レベル値に対応して適切な濃度階調を与えるように階調補正する。γ変換部44は、ROM16などに格納されたγテーブル54を参照して解像度別/出力モード別の濃度階調を与える着色剤濃度を総量規制部46に渡す。総量規制部46は、与えられたCMYK着色剤の単一着色剤の最大濃度および総量を、ROM16に格納された総量規制値56を使用して制限し、着色剤濃度が過大とならないように制限している。
【0027】
画像形成装置10は、設定された補正パラメータにしたがって濃度補正を行い、LUT52a、着色剤濃度テーブル52bまたは階調再現データをディジタル的に修正して、補正処理を実行する。なお、階調レベルは、8ビット階調とする必要はなく、10ビット階調など、装置設定に応じて設定することができる。画像処理装置10は、濃度補正を実行する場合、第3実施形態としてγテーブル54のエントリ値を修正して、濃度補正を実行することができる。なお、濃度補正のための処理については、より詳細に後述する。
【0028】
階調変換部48は、与えられた階調での着色剤濃度を与える網点面積率のディザパターンを、ROM16などに格納されたディザパターン・テーブル58を参照して取得し、濃度階調データを面積階調データに変換し画像形成エンジンに印刷データとして渡して画像形成させている。なお、図2に示した実施形態では、各テーブルまたはデータは、ROM16に格納しておくものとして説明したが、特定の実装形態では、NVRAM24に格納することもできるし、画像形成装置10がハードディスク・ドライブなどを備えている場合には、ハードディスク・ドライブに格納しておくことができる。
【0029】
図4は、本実施形態でNVRAM24に格納される補正パラメータの実施形態を示す。図4に示した補正パラメータは、ユーザまたはサービスマンが、操作パネル20から設定画面を呼出し、各種設定が行われる。設定の後、ユーザまたはサービスマンが登録操作を指令すると、設定にしたがったデータがNVRAM24に書込まれ、以後の補正処理が実行される。図4に示すように、補正パラメータとしては、補正タイミング60(図4(a))および許容濃度62(図4(b))を登録しておくことができる。
【0030】
補正タイミング60は、画像形成装置10が補正を実行するタイミングを与えるパラメータであり、図4に示した実施形態では、補正タイミングとして、電源投入時、トナー交換時、設定枚数印刷時、設定待機時間の経過、操作パネルからのユーザ指令による割込などのイベントが使用され、これらの項目がエントリされている。補正パラメータは、各補正タイミングを使用するかどうかの設定および印刷枚数、経過時間などを補正タイミング設定値として含んでいる。また、画像形成装置10は、補正タイミングとして使用するかどうかの設定および印刷枚数値経過時間など数値設定可能なパラメータについて、ユーザ設定可能とされている。
【0031】
また、図4(b)に示した実施形態では、補正パラメータとして許容濃度62が設定されている。図4(b)に示した補正パラメータは、テストパターン・データの反射濃度の実測値と目標設定濃度との間の差ΔDの割合をパーセンテイジで規定する、許容範囲設定値を登録する。これらの許容濃度設定値は、印刷効率を重視する「速度重視」、標準的な色再現性を与える「標準」、および色再現精度重視を指定する「精度重視」のエントリ項目に対応して登録されている。ユーザまたはサービスマンは、操作パネル20からの指令により補正頻度および色再現性の精度を判断して許容濃度の範囲を選択すると、対応する許容濃度設定値での濃度補正が実行される。
【0032】
図5は、本実施形態の補正パラメータについて他の実施形態を示す。図5に示した実施形態では、補正パラメータとして複数のテストパターンを登録する。図5(a)では、補正処理の精度または印刷効率をユーザが重視するか否かに応答して「速度重視」、「標準」、および「精度重視」などがエントリ項目として登録された補正パラメータ64が示されている。速度重視から精度重視の設定は、テストパターン・データの数が、それぞれ階調レベル値ごとに順次増加する設定とされている。また、図5(b)に示した実施形態では、CMYKごとにテストパターンを指定する補正パラメータ66がエントリされた実施形態である。図5(b)に示した実施形態では、CMYK全色補正モード、CMYとKとを別にして補正する、K別補正モード、CMYKをそれぞれ個別的に、許容濃度範囲を参照して補正する個別色補正モードがエントリされていて、それぞれのエントリ項目につき、操作パネル20からの指令に応じて設定可能とされている。
【0033】
さらに、図5(c)に示した実施形態では、補正処理のテストパターンとして、全色またはKを除いた各色について全点を補正するか各色について全点補正を行うかの補正モード指定がエントリ項目とされた補正パラメータ68を示す。図5(c)に示された補正パラメータでは、全点補正がオン設定の場合は、補正対象の着色剤について図5(a)で示したパターン数の全データ・ポイントで補正を実行し、オフの場合には、許容濃度範囲外となったデータ・ポイントのみの補正を実行する補正モードを指令する。なお、図5(b)および図5(c)に示した設定は、図5(a)で示した補正処理の精度指定に応じて、操作パネル20で連携して表示させることができる。例えば、速度重視の場合には、自動的にCMYK単色別補正モードが選択され、その他の設定は設定不可として表示させることができる。
【0034】
また、図5(c)で示した全点補正についても、速度重視が指定された場合には、自動的にオフ設定されるように実装することができる。また、速度重視の場合には、テストパターン32として最低の許容濃度範囲、最小のパターン数、CMYK単色補正モード、全点補正モードOFF、すなわち許容範囲外のデータ・ポイントのみを補正する補正パラメータを自動的に選択して操作パネル20を通してユーザに表示させ、ユーザ選択に応じて精度重視の設定(最大の許容濃度範囲、最大のパターン数、CMYK全色補正モード、全点補正モードON)の設定までの間でユーザ要求に対応した補正精度および効率を選択させ、選択された補正パラメータをオンデマンド補正パラメータとしてNVRA24に登録させ、以後、オンデマンド補正パラメータをデフォルト設定とすることができる。
【0035】
本実施形態では、特定の用途および目的に応じてさらに別の補正パラメータを設定し、NVRAM24やハードディスク・ドライブなどの記憶部に登録しておくことができる。
【0036】
図6は、画像処理装置10が実行する補正処理のフローチャートの実施形態を示す。図6に示した処理は、ステップS100から開始し、ステップS101でユーザから補正要求の割込およびステップS102で設定された補正タイミングとなったことに対応する割込が発生したかを判断し、それぞれの割込が発生するまで待機する。ステップS101またはステップS102でそれぞれの割込が発生すると、ステップS103に処理を分岐させ、テストパターン・データを記憶部から取得し、ステップS104でテストパターン・データを作像エンジン28に渡してテストパターンを形成させる。
【0037】
ステップS105でテストパターンを検出し、実濃度と設定濃度とから、誤差ΔDを計算し、ステップS106で計算された誤差ΔDが設定された許容範囲外か否かを判断する。ステップS106の判断でΔDが許容範囲外であると判断された場合(yes)には、ステップS107で補正を実行した回数を登録した補正カウンタを、補正回数について設定された設定上限値と比較する。
【0038】
ステップS107の比較の結果、補正カウンタが設定上限値を超える場合(yes)、検出部30のエラーなどにより不正確なΔDが得られている可能性があるので、ステップS109で、補正により修正したデータを補正前の値にリセットし、ステップS110で補正処理を終了させる。なお、このとき、操作パネル20にエラー表示およびサービスマン・コールなどを表示させることができる。
【0039】
一方、ステップS107の判断で補正カウンタが設定上限値以下の場合(no)は、処理をステップS104に分岐させ、ステップS106の判断でΔDが許容範囲内になるまで(ステップS106の判断でnoの場合)、または補正カウンタが設定上限値を超えるまで(ステップS107の判断でyes)、補正を実行させ、ステップS110で補正処理を終了させる。なお、補正カウンタは、補正対象の着色剤ごとに格別に設定・初期化されて、各色別に補正回数を制限している。
【0040】
図7は、図6のステップS107に示した補正処理の実施形態のフローチャートを示す。図7に示した処理は、ステップS200から開始し、ステップS201でNVRAM24に登録された補正モードを検査する。検査の結果全点補正モードが設定されているか、色別補正モードが設定されているか、またはK別補正モードが設定されているかの判断に応答して、それぞれステップS211(全色補正モード)、K別補正モード(ステップS202)または色別補正モード(ステップS214)に処理を分岐させる。以下、各補正モードごとに説明を行うが、ステップS214の色別補正モードについては詳細に後述する。
【0041】
全色補正モードは、ステップS211から開始し、ステップS211で全点補正が設定されているか否かを判断する。全点補正が指定されていれば(yes)ステップS212で、テストパターン・データにより測定された階調レベルについてのデータ・ポイント全部について補正を行う。また、ステップS211で範囲外のCMYKのデータ・ポイントについて補正を行うことが指定されている場合(no)、ステップS213に処理を分岐させ、許容範囲外となったデータ・ポイントのみを補正し、補正終了後、ステップS210に処理を分岐させ、補正処理を終了させる。
【0042】
また、ステップS201でK別補正モードが指定されている場合、処理をステップS202へと分岐させ、K別補正モードを開始させる。K別補正モードを別に補正モードとする理由は、Kを補正すると、色相および彩度を保持するためのCMYの濃度補正を必ず伴うので、CMYの補正を行った後にKを補正することが効率的なためである。ステップS202では、まずCMYについてのテストパターンについて許容範囲外となったデータ・ポイントがあるか否かを判断し、CMYのうち許容範囲外となったデータ・ポイントがある場合(yes)、ステップS203でCMYの全点補正が指定されているか否かを判断する。ステップS203で全点補正が指定されている場合(yes)には、ステップS204でCMY全点補正を実行する。また、ステップS203では、CMYについて範囲外のデータ・ポイントのみを補正することが指定されている場合(no)には、ステップS205でCMYの範囲外のデータ・ポイントについて補正処理を実行する。
【0043】
一方、ステップS202の判断でCMYの濃度が範囲外ではないと判断された場合(no)の他、ステップS204、S205の処理の後、ステップS206でKの濃度が許容範囲外であるか否かを判断する。ステップS206でKの濃度についても許容範囲外ではないと判断された場合(no)には、処理をステップS210に分岐させ、補正処理を終了させる。また、ステップS206でKの濃度が範囲外であると判断された場合(yes)には、ステップS207で全点補正か否かを判断し、当該判断に応答してそれぞれの補正モードに対応する補正処理を、ステップS208またはステップS209で実行した後、ステップS210で補正処理を終了する。
【0044】
図8は、図7で説明した全点補正モードおよび範囲外となったCMYKについて補正する処理の実施形態の説明図である。図8(a)が全点補正の説明図であり、図8(b)が範囲外となったデータ・ポイントを補正する処理の説明図である。なお、図8では、許容濃度設定値の範囲をハッチングで示している。図8(a)に示すように、全点補正モードでは、データ・ポイントが1点でも許容範囲外であると判断された場合には、テストパターンにより指定される全データ・ポイントについて補正処理を実行する。この場合、許容範囲内にあるデータ・ポイントであっても補正されることになるので、処理時間を要するものの、全体として見た場合のカラーバランスや階調再現性は、より高精度となる。
【0045】
一方、許容濃度範囲外となったデータ・ポイントについてのみ補正を行う場合は、図8(b)に示すようにポイントAおよびポイントBのみを目標濃度とするように補正する。この実施形態の場合、補正対象のデータ・ポイント以外のデータ・ポイントについては許容範囲内でずれたままに残され、全体としての色再現性やカラーバランスなどについては図8(a)で示す補正処理よりも劣る。しかしながら、許容濃度範囲外となったデータ・ポイントについてのみ補正を行う場合は、他の補正パラメータを同一に維持しながら、より高速印刷性を提供することができる。
【0046】
本実施形態の画像形成装置10は、ユーザ設定に応答し、ユーザが印刷までの時間を短縮する場合には図8(b)の補正処理を実行し、より高精細の印刷を要求する場合には、図8(a)の補正処理を実行する補正パラメータにしたがって印刷処理を実行することが可能となる。
【0047】
図9は、図7で説明したステップS214の実施形態を示したフローチャートである。図9に示す処理は、ステップS300から開始し、ステップS301でCMYKにそれぞれ色相識別値Hを割当て、i=1に初期設定する。ステップS302では、Hの濃度が許容範囲外であるか否かを判断し、許容範囲外でない場合(no)には、ステップS306へと処理を分岐させ、ステップS307でi>4(全色検査を終了したか)であるか否かを判断する。全色の判断が終了していない場合(no)、処理をステップS302へと分岐させる。
【0048】
一方、ステップS302でHの濃度が許容範囲外であると判断された場合(yes)には、ステップS303で全点補正か否かを補正パラメータをルックアップして判断し、判断に応答してステップS304またはステップS305の処理を実行し、ステップS306へと処理を分岐させる。ステップS307で全色について処理が終了したか否かを判断し、全色についての補正が終了した段階でステップS308に処理を分岐させて補正処理を終了させる。図9に示した処理は、許容範囲外と判断されない限り不要な補正処理を実行しないので、高速印刷性と印刷精度とに対し、適切に対応する補正処理を実行することが可能となる。
【0049】
図10および図11を使用して、本実施形態における補正処理の実施形態を説明する。図10は、カラーマッチング処理部42が保有する色再現データについて補正処理によりデータが修正される実施形態を示す。本実施形態では、濃度補正は、カラーマッチング処理部のLUT52aまたはγ変換部が使用する階調再現データを登録するテーブルのエントリ値を修正することにより行われる。まず図10に示したカラーマッチング処理部のデータを修正する実施形態から説明する。カラーマッチング処理部42では、RGB値からCIE1976Lなどの均等色空間の値を与えるLUT52aと、それに対応するCMYK系の濃度値を与える着色剤濃度テーブル52bとを備えている。
【0050】
濃度補正の第1実施形態では、LUT52aにエントリされた値を修正し、修正された濃度を与える着色剤濃度テーブルのエントリ値を検索し、対応するRGBデータを取得する。その後、RGBデータに対応するL均等色空間の座標値を取得し、RGBデータに対応するエントリ値がΔD=0、または|ΔD|=εとするように修正する(補正処理1)。なお、εは、補正データを数値解析により取得する場合、収束判定に使用する収束判定値である。LUT52aのエントリ値の修正は、サンプリング・データの値をΔDに対応するように修正することもできるし、該当するRGBデータ近傍のデータについて、新たなサンプリング・データとしてLUT52aにエントリし、補間式などを適用して濃度補正に対応するLの値をLUT52aが戻すように実装される。
【0051】
一方、第2実施形態で着色剤濃度テーブル52bを修正する場合、測定されたΔDの値をキャンセルするようにまず、CMYKの濃度を修正し、修正された濃度を与えるように着色剤濃度テーブル52bの対応するアドレスに登録された値を修正する(補正処理2)。第2実施形態でのCMYKの濃度修正のため、別途補間式をNVRAM24またはROM16などに格納しておき、補間式を適用してC′、M′、Y′、K′の値を算出することもできるし、所定のCMYKの値についてΔDを与える最適なC′、M′、Y′、K′の値を与えるルックアップ・テーブルを用意しておき、補間式を使用することなく、着色剤濃度テーブル52bについて修正するべき値を取得することもできる。なお、第2実施形態においては、ΔDを与えるためのルックアップ・テーブルを、Kテーブルと、CMYテーブルとして別に構成させることで、効率的に色別補正モードおよびK別補正モードに対応した補正処理を実行することができる。
【0052】
LUT52aを修正する場合には、ΔDを直接修正する着色剤濃度データではなく、ΔDの値から均等色空間の値を算出し、LUT52aの修正を行うことが必要とされるので、処理的には低速となるが色域マッピングの値から補正を行うことができるので高精細の目的からいえば、より高精度の補正ということができる。一方で、着色剤濃度テーブル52bを補正する実施形態は、結果的に与えられる画像からすると、ΔDが重要なので、濃度補正の高速性および色別処理対応性という点で、補正処理に伴う印刷効率の低下防止の点からは、着色剤濃度テーブル52bを修正する補正処理2の方が、好ましい補正方法である。
【0053】
なお、ΔDから対応するCIE1976Lの値またはXYZの値を計算させるためには、これまで知られた種々の方法を使用することができ、例えば、高木他著、「新編 画像解析ハンドブック」、2004年9月10日初版、高木幹雄・高木陽久監修、財団法人東京大学出版会(ISBN4−13−061119−4)に記載された色空間変換/逆変換手法を用いることができる。
【0054】
また、補正処理の第3実施形態では、階調再現データとして登録されるγテーブルを修正する。図11には、階調再現データであるγ特性を修正することによる補正方法の実施形態を示す。図11に示した実施形態では、γ変換部44が管理するγテーブルが、その時点での画像形成装置10の画像形成特性(VlアップやVlダウン)転写特性などにより過渡的に画像形成装置10に適合しなくなったものということができる。このため、カラーマッチング処理部42を修正するよりもより効率的に濃度特性を補正することができる。例えば、図8に示した実施形態でポイントAについてはγ特性を局所的に寝かせるようにγテーブルの対応するエントリ値を修正し、ポイントBについてはγ特性を局所的に立たせるように補正を行うことができる。図11についてC(シアン)についてのγテーブルの値と、目標出力値との間の関係を示す。図11中、曲線Cが補正前のγテーブルのエントリ値を階調出力値(ディジタル8ビット)についてプロットしたデータであり、直線Eが目標γ特性である。
【0055】
画像形成装置10は、補正シーケンスを実行したときにポイントAおよびポイントBの実測濃度を与えている場合、それぞれその時点での階調特性がデフォルト設定ではない補正値を使用することが色再現性およびカラーマッチングのために必要な状態となっている。このため、第3実施形態では、γテーブルの該当するエントリ項目の値を、例えば直線Eを対称軸として軸対称移動させる1次関数または座標変換行列を用意する。第3実施形態では、取得されたΔDの値から、ΔDに対応するように直線E上のポイントを与える階調ビット数および出力値を計算する。
【0056】
その後、計算された出力−ビット値をγデータの対応するエントリ・アドレスに記述することにより、計算された値を新たなγデータとして使用して画像形成を行うことで、濃度補正に対応する印刷を行うことができる。なお、γテーブルの値は、補正ごとにγテーブルのエントリ項目として登録し直すこともできるし、γテーブル以外にNVRAM24などに修正γテーブルを所定期間保存しておき、所定期間が満了した後または装置リセットなどのイベントに応答して削除する構成とすることができる。
【0057】
補正方法の第3実施形態は、濃度補正に対するオーバーヘッドおよび色別対応性の点で、第1実施形態および第2実施形態よりも高速性を提供することができ、またLUT52aおよび着色剤濃度テーブル52bのエントリ値を修正しないで対応することができるので、より柔軟に濃度補正に対応することが可能となる。
【0058】
また、上述した各実施形態では、ΔDの値を修正するための計算としては、各種の数値計算手法を使用することができる。計算方法としては、例えば各補正値に対応する修正値を予め計算させたルックアップ・テーブルをNVRAM24に登録し、ΔDの実測値からLUT52aまたは着色剤濃度テーブル52bの補正値を取得し、各テーブルを修正することができる。また、CMYKとCIEL均等色空間との色変換マトリックスを数値計算し、ΔD=0とする各値を最小二乗法を使用して決定することもできる。これらの最適化の際の実施形態については、画像処理装置10の処理能力、コストなどに対応して適宜選択して実装することができる。
【0059】
これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】画像形成装置の実施形態を示した図。
【図2】制御部が画像形成装置に構成するカラー処理機能部の実施形態を示した図。
【図3】本実施形態でのカラーマッチング処理部が実行する処理の概略図。
【図4】NVRAMに格納される補正パラメータの実施形態を示した図。
【図5】補正パラメータについて他の実施形態を示した図。
【図6】画像処理装置が実行する補正処理のフローチャートの実施形態を示した図。
【図7】図6のステップS107に示した補正処理の実施形態のフローチャート。
【図8】図7で説明した全点補正モードおよび範囲外となったCMYKについて補正する処理の実施形態の説明図。
【図9】図7で説明したステップS214の実施形態を示したフローチャート。
【図10】色再現データに対する補正処理の実施形態を示した図。
【図11】階調再現データに対する補正処理の実施形態を示した図。
【符号の説明】
【0061】
10…画像形成装置、12…制御部、14…中央処理装置(CPU)、16…ROM、18…パネル制御部、20…操作パネル、22…テストパターン生成部、24…NVRAM、26…A/D変換部、28…作像エンジン、30…検出部、32…テストパターン、40…アプリケーション、42…カラーマッチング処理部、44…γ変換部、46…総量規制部、48…階調変換部、52…カラーマッチング・データ、54…γテーブル(階調再現データ)、56…総量規制値、58…ディザパターン・テーブル、60、62、64、66、68…補正パラメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間調画像を含むテストパターンを形成するテストパターン生成部と、
着色剤を使用してテストパターン濃度を生成する作像エンジンと、
前記テストパターン濃度を検出する検出部と、
濃度補正のための補正パラメータを格納する記憶部と、
前記検出部の検出結果に応答し、異なる前記補正パラメータを取得して色再現データを修正し、濃度補正を実行する制御部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記濃度補正を行うための許容範囲を設定した複数の許容範囲設定値を前記補正パラメータとして格納し、前記制御部は、検出された前記テストパターン濃度が前記許容範囲外であるとの判断に応答して濃度補正を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記テストパターンを形成する補正タイミング値、複数の前記中間調画像のテストパターン・データ、複数の許容範囲設定値、複数の補正モード、および前記濃度補正を実行する場合に使用する補正モード指定値を格納しており、前記制御部は、前記記憶部に格納された前記補正パラメータを判断して前記濃度補正を実行する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記色再現データは、階調再現データ、カラーマッチング・データ、または着色剤濃度データである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
中間調画像を含むテストパターンを形成し、着色剤を使用してテストパターン濃度を生成させ、前記テストパターン濃度を検出し、前記検出の結果に応答して異なる前記補正パラメータを取得して、色再現データを修正することにより濃度補正する、画像形成方法。
【請求項6】
前記補正パラメータは、前記テストパターン濃度についての複数の許容範囲設定値を設定し、前記テストパターン濃度が許容範囲外であるか否かを判断して濃度補正を行う、請求項5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
さらに前記テストパターンを形成する補正タイミング値を取得し、前記補正タイミング値により設定されたタイミングで前記テストパターンを形成する、請求項5または6に記載の画像形成方法。
【請求項8】
複数登録されたテストパターン・データから設定された前記テストパターン・データを選択して前記テストパターンを形成する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記色再現データは、階調再現データ、カラーマッチング・データ、または着色剤濃度データであり、前記濃度補正後に再度前記テストパターンを形成し、前記テストパターン濃度が、許容範囲外の場合、前記補正パラメータで指定される濃度補正を、前記濃度補正を設定上限値で設定された回数まで繰返す、請求項5〜8に記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記テストパターン濃度が前記設定上限値を超えても前記許容範囲外である場合に、前記濃度補正による前記色再現データへの補正データを廃棄し、前記濃度補正前の前記色再現データに戻す、請求項9に記載の画像形成方法。
【請求項11】
前記濃度補正が、電源投入時、トナー交換時、設定枚数印刷時、設定待機時間経過時、ユーザ要求時から選択されるユーザ設定されたタイミングで行われ、前記濃度補正は、前記テストパターンのすべてのデータ・ポイントを補正するか、範囲外のテストパターンに対応するデータ・ポイントのみを補正するかの補正モードを選択可能である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−134280(P2008−134280A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318200(P2006−318200)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】