説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】 排紙トレイにおいて、排紙用紙の積載量超えによって処理済み印刷ジョブに続く印刷ジョブの途中で排紙が停止しないようにする。
【解決手段】 ジョブ待機部7は入力された印刷ジョブを順次待機する。印刷部11は、待機された印刷ジョブを用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する。加算部27は、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と記憶部7に待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する。印刷制御部29は、ジョブ待機部7の印刷ジョブを印刷部11にて順次印刷制御する。印刷制御部29は、加算値が排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、待機印刷ジョブの排紙を基準期間停止制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置および画像形成方法に係り、例えば複写機、ファクシミリ機、プリンタおよびこれらの機能を搭載した複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置および画像形成方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置にあっては、原稿から読み取る等して入力された印刷ジョブに基づき回転感光体の表面にトナー像を画像形成し、その回転感光体とこれに加圧配置された加圧ローラとの間に用紙を搬送することによって用紙にトナー像を転写して画像印刷させ、定着部によってその転写トナーを加熱定着させて排紙トレイ等に排紙する構成が良く知られている。
【0003】
このような構成において、排紙トレイ上に所定以上の用紙が排紙されると、排紙トレイを損傷したり用紙のジャム(JAM)の原因になり易く、工夫が必要である。
【0004】
従来、この種の工夫として、例えば、特開2009−42347号公報(特許文献1)のような画像形成装置が提案されている。
【0005】
この特許文献1は、画像形成がなされた用紙を積載する排紙トレイを複数備えた画像形成装置において、予約ジョブについて排紙トレイを選択する設定画面を表示する表示部と、各排紙トレイにおける用紙の現積載量を検出する検出部と、前記検出された各排紙トレイの現積載量を、一つの設定画面上に同時に表示させる制御部とを備え、出力予定枚数が排紙トレイの積載量を超える場合はその旨を表示し、用紙を積載させるべき最適な排紙トレイをユーザが容易に選択できるようにしたものである。
【0006】
また、特開平11−11792号公報(特許文献2)のような画像形成装置も提案されている。
【0007】
この特許文献2は、画像を形成した後に排紙された記録紙を排紙トレイがスタックし、排紙トレイに排紙する記録紙の検出を示す信号を排紙センサが出力し、排紙センサからの信号を基に排紙トレイに排紙された記録紙の枚数を排紙枚数管理部が計数し、排紙枚数管理部の計数した記録紙の枚数が排紙トレイにスタック可能な記録紙の上限枚数を基に予め定めた積算基準枚数に達すると排紙制御部が排紙動作を停止する構成を有し、出力枚数が排紙トレイの積載量を超えると出力を停止し、排紙トレイの用紙が取り除かれたことを検知するか、用紙取り除きボタン操作により出力を再開するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−42347号公報
【特許文献2】特開平11−11792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述した特許文献1は、複数の排出トレイを持つ大型の画像形成装置に適するものであり、小型の装置では別の排出トレイを設置、選択することが困難で、印刷ジョブが溜まってJAMを発生させ易い難点がある。
【0010】
また、特許文献2では、停止時には複数ユーザの印刷ジョブが混在した場合、取り除いた用紙をジョブ毎に仕分けする必要があり、操作が煩雑である
【0011】
そこで、本発明者は、小型の画像形成装置における使用態様および動作機能を詳細に検討した結果、画像形成装置の使用者が排紙トレイから印刷済み用紙を取り忘れても、これを長期間にわたって放置する例が少なく、一般的には比較的短期間で印刷済み用紙を回収することが多い点に着目し、本発明を完成させた。
【0012】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、簡単な構成により、排紙トレイにおいて排紙用紙の積載量超えが発生しても、処理済み印刷ジョブに続く印刷ジョブの排紙途中で排紙を停止させ難く、生産性の維持を図り易い画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る画像形成装置は、入力された印刷ジョブを順次待機するジョブ待機部と、待機された印刷ジョブを用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する印刷部と、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数とジョブ待機部に待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する加算部と、そのジョブ待機部の印刷ジョブを印刷部にて順次印刷制御するとともに、その加算部による加算値が排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御する印刷制御部と、を具備している。
【0014】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、その基準期間の経過後、その待機印刷ジョブの印刷を開始制御する構成である。
【0015】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、その待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告を出力する構成である。
【0016】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、上記印刷制御部が、その警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御する構成である。
【0017】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、外部からの続行指示入力を受ける入力部を有し、上記印刷制御部が、その基準期間の経過中にその続行指示入力に基づき待機印刷ジョブの印刷を開始制御する構成である。
【0018】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、上記排紙トレイにおける用紙排紙の有無を検出する検出部を有し、上記印刷制御部が、その基準期間の経過中に検出部による用紙なし検出に基づき待機印刷ジョブの印刷を開始制御する構成である。
【0019】
本発明の請求項7に係る画像形成方法は、入力された印刷ジョブを順次待機するジョブ待機処理と、待機された前記印刷ジョブを印刷部にて用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する印刷処理と、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する加算処理と、その印刷部を印刷制御して待機する印刷ジョブを印刷させるとともに、その加算処理による加算値が排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御する印刷制御処理とを具備している。
【0020】
本発明の請求項8に係る画像形成方法は、上記印刷制御処理が、その基準期間の経過後、その待機印刷ジョブの印刷を開始する構成である。
【0021】
本発明の請求項9に係る画像形成方法は、上記印刷制御処理が、その待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告を出力する構成である。
【0022】
本発明の請求項10に係る画像形成方法は、上記印刷制御処理が、その警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御する構成である。
【0023】
本発明の請求項11に係る画像形成方法は、外部からの続行指示入力を受ける入力処理を有し、上記印刷制御処理が、その基準期間の経過中に続行指示入力に基づき待機印刷ジョブの印刷を開始制御する構成である。
【0024】
本発明の請求項12に係る画像形成方法は、上記排紙トレイにおける用紙排紙の有無を検出する検出処理を有し、上記印刷制御処理が、その基準期間の経過中に検出処理による用紙なし検出に基づきその待機印刷ジョブの印刷を開始制御する構成である。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明の請求項1、7に係る画像形成装置および画像形成方法では、入力された印刷ジョブを順次待機させ、待機された印刷ジョブを順次印刷部にて用紙に画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙し、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数との間でそれらを加算し、この加算値が排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御するから、排紙トレイにおいて、処理済み印刷ジョブに続く印刷ジョブの排紙途中で、排紙用紙の積載量超えによって排紙を停止させ難く、生産性の維持を図り易い。
【0026】
本発明の請求項2、8に係る画像形成装置および画像形成方法では、その基準期間の経過後、その待機印刷ジョブの印刷を開始するから、必要以上に印刷ジョブの印刷実行を遅延させ難い。
【0027】
本発明の請求項3、9に係る画像形成装置および画像形成方法では、その待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき当該停止に係る警告を出力するから、使用者に注意を促し易く、この観点からも生産性の維持を図り易い。
【0028】
本発明の請求項4、10に係る画像形成装置および画像形成方法では、その警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御するから、処理済み印刷ジョブの除去を使用者に促し易く、生産性の維持を図り易い。
【0029】
本発明の請求項5、11に係る画像形成装置および画像形成方法では、その基準期間の経過中に、続行指示入力に基づき待機印刷ジョブの印刷処理を開始制御するから、使用者の希望に応じて待機印刷ジョブの印刷を開始可能で、印刷ジョブの印刷を早めることが容易である。
【0030】
本発明の請求項6、12に係る画像形成装置および画像形成方法は、その基準期間の経過中に検出処理による用紙なし検出に基づきその待機印刷ジョブの印刷処理を開始制御するから、処理済み印刷ジョブの除去に応じて待機印刷ジョブの印刷を自動的に開始可能であり、印刷ジョブの印刷処理を早めることが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の内部構成を示す要部構成図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置における待機印刷ジョブの状態を説明する図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の操作パネル部を説明する図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0033】
図1は本発明に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
【0034】
図1において、画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像読取部3、通信部5、記憶部7、操作パネル部9および印刷部11を有し、例えば複合機を構成している。なお、画像形成装置Aとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0035】
主制御部1は、画像読取部3、通信部5、記憶部7、操作パネル部9および印刷部11を制御するものであるが、詳細は後述する。
【0036】
画像読取部3は、例えば図2に示すように、画像形成装置Aの本体ケース13の上部に配置され、主制御部1の制御の下、例えば印刷された原稿から画像を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的印刷ジョブを生成する公知のスキャナー等であり、生成した印刷ジョブが記憶部7に順次記憶されるようになっている。画像形成装置Aの内部構成については後述する。
【0037】
図1に戻って、通信部5は、主制御部1の制御の下、ネットワークを介して例えば他の複合機(何れも図示せず。)との間で、画像や文書を含む印刷ジョブを所定のプロトコルで受信し、記憶部7に順次記憶するインターフェース部である。
【0038】
記憶部7は、画像読取部3や通信部5からの印刷ジョブ、主制御部1の動作プログラムの他、動作画面データ等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。
【0039】
記憶部7は、主制御部1の制御の下、例えば図3に示すように、画像読取部3および通信部5からの印刷ジョブ1、2、3、4、…を記憶待機し、入力順又は操作パネル部9からの指示順に印刷部11に出力するジョブ待機部として機能する。
【0040】
操作パネル部9は、例えば図2の画像形成装置Aの本体ケース13の上部に配置され、画像形成装置Aの動作状態を表示する液晶形の表示部として機能するとともに、印刷する印刷媒体である用紙の選択、印刷の開始(再開)又は中止、図示はしないが、印刷部数等の指示入力部としての機能他を受付ける入力部として機能しており、主制御部1によって制御される。
【0041】
すなわち、操作パネル部9は、主制御部1の制御の下、例えば図4に示すように、A4、A3、B4等の用紙を選択する用紙選択画面9aを表示し、その用紙選択キー9b、印刷の開始キー9cおよび中止キー9d等を表示するとともにこれらの入力を受け付け、主制御部1に出力する機能を有している。
【0042】
操作パネル部9は、後述するように、印刷部11の動作停止や動作によって排紙トレイ23に排紙された用紙除去を求める指示「印刷を停止します。排紙トレイの用紙を取り除いてください。」といった警告情報9eの表示も可能になっている。
【0043】
印刷部11は、図2の画像形成装置Aの本体ケース13内に配置され、寸法の異なる用紙がセットされる複数の給紙段15a、15bと、これらの給紙段15a、15bから1次給紙された用紙を2次給紙する過程で、その用紙に印刷ジョブデータを転写して画像形成する転写部17と、転写された画像を定着する定着部19と、片面に画像が転写定着された用紙を両面印刷用に表裏反転させて転写部17に戻す反転搬送部21等を有する、画像形成部としてのカラー又はモノクロ印刷エンジンである。
【0044】
なお、印刷部11は、操作パネル部9から印刷ジョブについて印刷指示(開始)がなされると、記憶部7の待機順に用紙に画像形成して印刷排紙する
【0045】
本体ケース13の側面上部には、印刷部11で印刷された用紙が排紙される排紙口に排紙トレイ23が配置されており、排紙トレイ23には用紙排紙の有無を検出する検出部25が配置され、印刷部を形成している。
【0046】
検出部25は、排紙トレイ23に排紙された用紙の重さや接触状況等を検出するとともに、排紙のない状態も検出して検出信号を主制御部1に出力するセンサである。
【0047】
図1の主制御部1は、CPU、このCPUの起動プログラムを格納したメモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部3、通信部5、記憶部7、操作パネル部9および印刷部11を制御するとともに、記憶部7の印刷ジョブデータを印刷部11に順次出力して印刷制御するとともに、加算部27および印刷制御部29としての機能を有している。
【0048】
加算部27は、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と記憶部(ジョブ待機部)7に待機し次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とを、それらの間で加算して加算値を演算する機能を有している。
【0049】
加算部27は、加算値を出力した後で加算値をクリアし、印刷ジョブの排紙完了の都度、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と待機印刷ジョブの印刷枚数との間で加算演算する機能を有している。
【0050】
なお、印刷ジョブの印刷枚数は、上述した転写部17で頁毎のイメージデータに展開して画像形成する際に、その頁数から取得可能である。
【0051】
印刷制御部29は、記憶部7の印刷ジョブを印刷部13にて順次印刷制御するとともに、印刷ジョブの印刷された用紙の排紙完了を検出し、予め設定された積算基準枚数をその加算値が超えるとき、待機印刷ジョブの排紙を基準期間、例えば5分間停止制御し、当該期間が経過したとき、待機印刷ジョブの印刷を開始する機能を有している。
【0052】
なお、排紙の停止は、具体的には給紙段15a、15bからの給紙の停止、又は図示しないレジストローラでの2次給紙の停止等がある。
【0053】
印刷制御部29は、待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告として、図4に示すように、印刷停止されている旨の表示や、排紙された用紙除去を求める指示「印刷を停止します。排紙トレイの用紙を取り除いてください。」といった警告情報9eを操作パネル部9で表示制御する機能を有している。
【0054】
印刷制御部29は、操作パネル部9の例えば開始キー9cから印刷の続行指示入力を受けたとき、これに基づき基準期間の経過の途中であっても待機印刷ジョブの印刷を開始制御する機能を有している。
【0055】
さらに、印刷制御部29は、基準期間の経過中に検出部25による用紙なしの検出信号に基づき、待機印刷ジョブの印刷を開始制御する機能も有している。
【0056】
次に、本発明に係る画像形成装置Aの動作を簡単に説明する。
【0057】
動作プログラムが開始すると、ステップS1において印刷ジョブを入力して待機させるとともに(ジョブ待機処理)、これに基づき印刷部11が印刷ジョブの印刷を実行し(印刷処理)、印刷された用紙が排紙トレイ23に排紙されて排紙完了を印刷部11が検出すると、ステップS2にて印刷制御部29が待機(予約)印刷ジョブの有無を判別する(印刷制御処理)。
【0058】
待機印刷ジョブがなくてステップS2がNOであれば終了し、待機印刷ジョブがあってステップS2がYESであれば、ステップS3にて加算部27が排紙完了印刷ジョブと待機印刷ジョブの枚数を加算するとともに(加算処理)、印刷枚数が積算基準枚数を超えるか否か印刷制御部29が判別する(印刷制御処理)。
【0059】
加算枚数が積算基準枚数を超えずにステップS3がNOであれば、ステップS7に移り、印刷制御部29が待機印刷ジョブの印刷を開始制御するとともに、印刷動作を停止させるための停止期間カウント値をクリアして終了する(印刷制御処理)。
【0060】
加算枚数が積算基準枚数を超えていてステップS3がYESであればステップS4に移り、ステップS4にて印刷制御部29が待機印刷ジョブの印刷開始を停止(保留)制御するとともに、停止期間カウントを開始してステップS5に移る(印刷制御処理)。
【0061】
ステップS5では印刷制御部29が待機印刷ジョブの印刷停止および排紙用紙の除去を求める警告情報9e「印刷を停止します。排紙トレイの用紙を取り除いてください。」を操作パネル部9に表示制御し、使用者に通知可能状態を作り、ステップS6にて停止期間が基準期間を超えたか否か印刷制御部29が判別する(印刷制御処理)。
【0062】
停止期間が基準期間を超えていてステップS6がYESであればステップS7に移ってステップS7を処理し、停止期間が基準期間を超えずにステップS6がNOであればステップS8に移り、排紙トレイ23における用紙除去の有無を印刷制御部29が判別する(印刷制御処理)。
【0063】
用紙が除去されてステップS8がYESであれば、ステップS7に移ってステップS7を処理し、用紙が除去されずにステップS8がNOであれば、ステップS6に戻ってステップS8がYESになるまでそれらを繰り返す(印刷制御処理)。
【0064】
これらの主要な処理が、本発明の画像形成方法を構成する。
【0065】
このように本発明に係る画像形成装置は、入力された印刷ジョブを順次待機する記憶部(ジョブ待機部)7と、待機された印刷ジョブを用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する印刷部11と、排紙完了した直近の印刷ジョブの印刷枚数と記憶部7に待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する加算部27と、その記憶部7の印刷ジョブを印刷部11にて順次印刷制御するとともに、その加算部による加算値が排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御する印刷制御部29とを具備している。
【0066】
そのため、簡単な構成により、排紙トレイ23において、排紙用紙の積載量超えが生じても、処理済み印刷ジョブに続く印刷ジョブの途中で排紙が停止し難く、生産性の維持を図り易い。
【0067】
この点、従来の画像形成装置では、排紙トレイ23の積載量が所定値を超えることによって動作停止する処理が同一印刷ジョブ内に限られ、印刷ジョブを跨る印刷出力枚数超えを検出しないため、待機印刷ジョブが続いて実行されると、排紙トレイ23の積載量超えによる排紙部でのJAMが発生する可能性があった。
【0068】
さらに、積載量超えによる停止時に、排出トレイ23においては、排紙完了した印刷済み用紙と、待機印刷ジョブに係る排紙用紙が混在し易く、排紙トレイ23から取り除いた後の用紙仕分け作業も煩雑であり、本発明によってそれらが改善される。
【0069】
そして、印刷制御部29が、その基準期間の経過後、その待機印刷ジョブの印刷を開始制御するから、処理済み印刷ジョブの除去を使用者に促し易く、生産性の維持を図り易い。
【0070】
また、印刷制御部29が、その待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告を出力するから、使用者に注意を促し易く、生産性の維持を図り易い。
【0071】
さらに、印刷制御部29が、その警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御するから、処理済み印刷ジョブの除去を使用者に促し易く、生産性の維持を図り易い。
【0072】
さらにまた、操作パネル部(入力部)9が、外部からの続行指示入力を受け、上記印刷制御部29が、その基準期間の経過中に入力部からの続行指示入力に基づき待機印刷ジョブの印刷を開始制御するから、使用者の希望に応じて待機印刷ジョブの印刷を開始するから、印刷ジョブの印刷を早めることが容易である。
【0073】
ところで、上述した本発明の画像形成装置では、排紙トレイ23部分に用紙検出センサを配置しなくとも実施可能であるが、上述したように、排紙トレイ23に検出部25を配置することにより、以下の効果を得ることが可能である。
【0074】
すなわち、停止期間の経過中に検出部25による用紙なし検出に基づき待機印刷ジョブの印刷を開始制御するから、処理済み印刷ジョブの除去に応じて待機印刷ジョブの印刷を自動的に開始可能で、印刷ジョブの印刷を早めることが容易である。
【0075】
さらに、本発明の画像形成方法は、上述した画像形成装置Aに搭載されて実行され、本発明の画像形成装置Aと同様な効果を有する。
【符号の説明】
【0076】
1 印刷制御部
3 画像読取部
5 通信部
7 記憶部(ジョブ待機部)
9 操作パネル部(表示部、入力部)
9a 用紙選択画面
9b 用紙選択キー
9c 開始キー
9d 中止キー
9e エラーメッセージ
11 印刷部
13 本体ケース
15a、15b 給紙段
17 転写部
21 定着部
23 反転搬送部
25 排紙トレイ
25 検出部
27 加算部
29 印刷制御部
A 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷ジョブを順次待機するジョブ待機部と、
待機された前記印刷ジョブを用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する印刷部と、
排紙完了した直近の前記印刷ジョブの印刷枚数と前記ジョブ待機部に待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する加算部と、
前記ジョブ待機部の前記印刷ジョブを前記印刷部にて順次印刷制御するとともに、前記加算部による加算値が前記排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、前記待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御する印刷制御部と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷制御部は、前記基準期間の経過後、前記待機印刷ジョブの印刷を開始制御する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷制御部は、前記待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告を出力する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷制御部は、前記警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御する請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
外部からの続行指示入力を受ける入力部を有し、前記印刷制御部は、前記基準期間の経過中に前記続行指示入力に基づき前記待機印刷ジョブの印刷を開始制御する請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記排紙トレイにおける用紙排紙の有無を検出する検出部を有し、前記印刷制御部は、前記基準期間の経過中に前記検出部による用紙なし検出に基づき前記待機印刷ジョブの印刷を開始制御する請求項3又は4記載の画像形成装置。
【請求項7】
入力された印刷ジョブを順次待機するジョブ待機処理と、
待機された前記印刷ジョブを印刷部にて用紙に順次画像形成して印刷し、排紙トレイに排紙する印刷処理と、
排紙完了した直近の前記印刷ジョブの印刷枚数と待機して次に印刷される待機印刷ジョブの印刷枚数とをそれらの間で加算する加算処理と、
前記印刷部を印刷制御して待機する前記印刷ジョブを印刷するとともに、前記加算処理による加算値が前記排紙トレイに係る積算基準枚数を超えるとき、前記待機印刷ジョブの排紙を基準期間にわたって停止制御する印刷制御処理と、
を具備することを特徴とする画像形成方法。
【請求項8】
前記印刷制御処理は、前記基準期間の経過後、前記待機印刷ジョブの印刷を開始する請求項7記載の画像形成方法。
【請求項9】
前記印刷制御処理は、前記待機印刷ジョブの排紙を停止制御するとき、当該停止に係る警告を出力する請求項7又は8記載の画像形成方法。
【請求項10】
前記印刷制御処理は、前記警告として、排紙された用紙除去を求める指示を表示部に表示制御する請求項9記載の画像形成方法。
【請求項11】
外部からの続行指示入力を受ける入力処理を有し、前記印刷制御処理は、前記基準期間の経過中に前記続行指示入力に基づき前記待機印刷ジョブの印刷を開始制御する請求項9又は10記載の画像形成方法。
【請求項12】
前記排紙トレイにおける用紙排紙の有無を検出する検出処理を有し、前記印刷制御処理は、前記基準期間の経過中に前記検出処理による用紙なし検出に基づき前記待機印刷ジョブの印刷を開始制御する請求項9又は10記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−112929(P2011−112929A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270188(P2009−270188)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】