画像形成装置及びその制御方法
【課題】 ハードディスクの断片化解消処理を適切なタイミングで実行可能とする画像形成装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】 ハードディスクを用いて印刷ジョブを処理する際にハードディスクの読み書き速度の指標となる時間を算出する(S602)。この値が予め定めた閾値よりも大きくなった場合(S603)、デフラグ処理の実行要求を管理ホストへ要求する(S604)。ホストから許可があった場合には、デフラグ処理を実行する(S606)。
【解決手段】 ハードディスクを用いて印刷ジョブを処理する際にハードディスクの読み書き速度の指標となる時間を算出する(S602)。この値が予め定めた閾値よりも大きくなった場合(S603)、デフラグ処理の実行要求を管理ホストへ要求する(S604)。ホストから許可があった場合には、デフラグ処理を実行する(S606)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にハードディスクドライブを用いる画像形成装置の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機やプリンタを代表とする画像形成装置は高機能化の親展と共に、コンピュータとの親和性も高まって来ている。例えば、コピー機の場合、単に原稿をコピーするための機器から、”原稿をスキャンして画像データへ変換する”、”画像データを電子メールに添付して送信する”、”ネットワークプリンタとしてホストコンピュータからのデータを印刷する”、“スキャンにより得られた画像データを保存、管理する”といった機能を有する機器に変化してきている。
【0003】
そのため、画像形成装置には、大容量の印刷データを高速に、かつ高画質に処理することが要求され、大量のデータを高速に読み書き可能な記憶装置としてハードディスクドライブ(以下単にハードディスクと言う)が利用されるようになった(特許文献1参照)。そして、このような画像形成装置が例えば、ネットワークプリンタとして機能する場合、ホストコンピュータ等の上位機器から入力される印刷データの全てを、画像形成装置内部のハードディスクに記憶し、以後の処理は、このハードディスクに記憶された印刷データに基づいて実行する。
【0004】
【特許文献1】特開2000−335019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハードディスクには、繰り返し使用している間にファイルの断片化(フラグメンテーション)が発生し、読み書きの速度が徐々に低下するという特性がある。そして、ハードディスクの読み書き速度の低下は、ハードディスクを使用する画像形成装置内部の印刷処理速度の低下を招くこととなる。
【0006】
ファイルの断片化は、ファイルの書き込みと消去を繰り返す内に、連続して書き込み可能な領域が少なくなることによって発生する。連続して書き込み可能な領域が少なくなると、1つのファイルを複数の領域に細分化して書き込みしなくてはならないため、書き込みの処理時間が増加する。また、読み出しの際も複数の領域を読み出すために要するヘッド移動時間や読み出し開始位置にヘッドが達するまでの待ち時間などが増加する。結果として書き込み時間、読み出し時間の増加を招く。
【0007】
画像形成装置では、入力されたデータの書き込み、書き込んだデータを処理する際の読み出しの時間が増加することになり、印刷処理に要する時間が増大することになる。つまり、ネットワークを経由して受信する印刷ジョブ、スキャナで読み取った画像データ、FAX受信文書としてモデムから受信したデータなど、ハードディスクに一旦データを保存し、それを読み出して実行する機能の処理速度が遅くなる。例えば、スキャンしたデータをハードディスクに書込、その後ハードディスク読出により印刷、という一連の動作により実現される原稿のコピー機能において、断片化によるハードディスクの読み書き速度低下は、特にファーストプリントの速度低下を招く要因となる。
【0008】
断片化によるハードディスクの性能低下を抑制するために、ハードディスク内のファイルを再配置し、断片化を解消させるソフトウェア(所謂デフラグツール)が知られている。しかし、断片化の解消はハードディスクの多数の読み書きを必要とするため、頻繁に実行しすぎるとハードディスクの寿命を縮めることになる。そのため、効率の良い断片化解消処理の実行タイミングを決定することが望まれるが、画像形成装置に用いられるハードディスクに関し、どのような条件で断片化の解消を行ったらよいかという検討はなされていなかった。
【0009】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、ハードディスクの断片化解消処理を適切なタイミングで実行可能とする画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的は、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶手段と、画像形成処理を実行する際に、指標を算出する算出手段と、算出手段が算出した指標の値が記憶手段に記憶された閾値を超えた場合にハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置によって達成される。
【0011】
また、上述の目的は、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置の制御方法であって、ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶工程と、画像形成処理を実行する際に、指標を算出する算出工程と、算出手段が算出した指標の値が記憶手段に記憶された閾値を超えた場合にハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0012】
以上の構成により、本発明によれば、ハードディスクを用いる画像形成装置において、ハードディスクの断片化解消処理を適切なタイミングで実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置統合管理システムの全体構成を示す図である。
図1において、本システムは、ホスト側管理サーバ101及び、サーバ101にインストールされた画像形成装置統合管理ユーティリティソフトウェア106により実現される画像形成装置管理ホスト107と、画像形成装置としての複合機102,103,104と、これらを接続するLAN(Local Area Network)105とで構成される。
【0014】
図2は、図1の複合機のハードウェア構成例を示すブロック図である。ここでは、説明及び理解を容易にするため、複合機102〜104が同一構成であるものとするが、必ずしも同一構成である必要はない。
【0015】
図2において、原稿給送部201は、原稿台に置かれた単票原稿を、イメージリーダ202の読み取り位置へ搬送する。イメージリーダ202は、原稿台に置かれた原稿や、原稿給送部201に搬送された原稿の画像をイメージセンサなどを用いて読み取る。画像形成部203は、LAN105を通じて外部機器から受信したデータを印刷画像に変換し、印刷する。
【0016】
排紙部204は、印刷部203が印刷した紙を排出し、ソートやステイプルといった処理を施す。Network I/F205は、LAN105を通じてホスト107等の外部機器と通信するためのインタフェースである。印刷処理時間計測部206は、ハードディスク210を用いた印刷処理において、ハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間を計測する。CPU207は、ROM208に記憶されたプログラムを実行して各部を制御することにより、以下の断片化解消処理や、PDLデータのビットマップデータへの変換を含め、複合機が有する機能を実現させる。
【0017】
ROM208は、複合機の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM209は、複合機の各処理に関わる一時的なデータを記憶したり、CPU207のワークエリアなどとして用いられる。ハードディスクドライブ(HDD)210は、複合機の各処理に関わるプログラムやデータ、イメージリーダ202で読み取った画像データ、外部装置から受信した印刷ジョブデータ、各種設定値などを記憶する。操作部211はユーザが装置に指示を与えるための入力デバイスであり、一般的に複数のキーやボタン、タッチパネルなどから構成される。表示部212は例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、装置の動作状況及び操作部211に対する操作に関わる情報を表示する。カレンダタイマ213は時計であり、現在の日時を出力する。上述した各構成ブロックは互いにシステムバス214により接続され、データをやりとりしている。
【0018】
図3は本実施形態の複合機がHDD210に記憶するモード別・用紙別の平均印刷処理時間テーブルの例を示す図である。テーブルは、PS(PostScript(商標))データ:カラー:A4サイズ、LIPSデータ:モノクロ:A3サイズ、・・・といった、データ種別、色数及び出力用紙サイズなど、データサイズに影響するパラメータの組合わせからなるモードを表すフィールド301と、各モードに対する平均印刷処理時間を表すフィールド302によって構成されている。
【0019】
図4は、印刷処理時間計算部206がハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間としての印刷処理時間を求める動作を説明するフローチャートである。この処理は、原則として印刷ジョブ毎(記録紙一枚分の印刷処理毎)に行われる。
【0020】
S401で、ある印刷ジョブに係るページ記述言語(PDL)データを受信し始めた時点(Network I/F205が受信を開始した時点)での時刻t1をカレンダタイマ213から取得し保存する。S402では、受け取ったPDLデータがハードディスク210に書き込まれ、その後ビットマップファイルに変換するためにハードディスク210から全て読み出された時点での時刻t2を取得し保存する。
【0021】
そして、S403で印刷処理時間Tを
T=(t2 - t1)/PDLデータの総バイト数 (式1)
によって算出する。この計算より、PLDデータ1バイトあたりの印刷処理時間が算出される。
【0022】
なお、時刻t1、t2は、HDD210の読み書き速度に依存した時間、より具体は断片化による読み書き速度の低下を検出しうる、測定可能な任意のタイミングに設定することが可能である。例えば、時刻t1として、PDLデータをハードディスクに書き込み始めた時刻を用いても良いし、時刻t2として、ハードディスクから読み出したPDLデータのビットマップデータへの展開が終了した時刻を用いても良い。
【0023】
さらに、PDLデータがRAM209にまず格納され、その後ビットマップデータへ変換された後(又は変換されながら)、ハードディスク210に書き込まれるような構成を有する複合機もある。その場合、印刷時間Tは、
t3:ビットマップデータをハードディスク210に書き込み始めた時刻
t4:ビットマップデータをハードディスク210に書き終わった時刻
として、
T=t3−t3/PDLデータの総バイト数 (式1’)
により求めることができる。
このような構成では、PDLデータよりもデータ量の多いビットマップデータの書き込みに要する時間を用いて印刷処理時間Tを算出するので、PDLデータの読み書きに要する時間よりも、実際の印刷処理の内容を反映した断片化の程度が判断できるという利点がある。
【0024】
また、時刻t1、t2の検出やPDLデータ量の算出はCPU207が行い、印刷処理時間計算部206へ通知するように構成しても良い。
【0025】
S403で算出した印刷処理時間Tは、S404で、PDLデータ中の情報に基づいて上述のモードのいずれかに対応付けてHDD210に保存する。
【0026】
図5は、印刷処理時間計算部206が、平均印刷処理時間を算出する動作を表したフローチャートである。本明細書において平均印刷処理時間とは、規定回数分の印刷処理時間の平均値であり、印刷処理時間の増大を判定する閾値として使用する。
【0027】
S501では、画像形成装置が設置されてから、或いは断片化解消処理(デフラグ処理)実施後、印刷した枚数が規定枚数に達しているかどうかの判断を行う。S501において印刷枚数が規定枚数に達していない場合は、S502で、図4において説明した印刷処理時間算出処理を実行する。S501において印刷枚数が規定枚数に達した場合は、S503で、それまでに上記の方法(S401〜S403)で算出した印刷処理時間Tn(n=1,2,3,・・・,X)を用い、平均印刷処理時間Taveを
Tave=ΣTn/印刷枚数
により、モード毎に算出する。算出した平均印刷処理時間は、図3に示したテーブルのフィールド302に格納する。
【0028】
なお、ここでは説明及び理解を簡単にするため、モードにかかわらない総印刷枚数が規定枚数に達したかどうかをS501で判定し、平均印刷処理時間の算出のみモード毎に行う場合について説明した。しかしながら、モード毎に規定枚数を設定し、S501〜S503の処理をモード毎に行うようにしても良い。
【0029】
モードと後に規定枚数を設定可能とした場合、頻度の少ないモードに対する平均印刷処理時間が算出されるまでの時間が長くなりすぎたり、逆に頻度の多いモードに対する平均印刷処理時間が不必要に更新されることを抑制することができる。
【0030】
デフラグ処理実行後にも平均印刷処理時間を算出することにより、経時的な変化によるHDD210の性能低下を反映した閾値を常に利用することが可能となる。
【0031】
図6は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
なお、ここでは、既に図4及び図5において説明した印刷処理時間及び平均印刷処理時間の算出処理を行い、モード別の平均印刷処理時間(処理時間増大を判定するための閾値)が設定されているものとする。すなわち、装置の設置後、既に規定枚数分の印刷処理が実行されており、その間はデフラグ処理を行うかどうかの判定は行っていない。これは、装置の設置時からしばらくの間はHDD210の断片化が発生してもその程度は軽いものと考えられるため、平均印刷処理時間を算出するための規定枚数の印刷が終了するまではデフラグ処理の必要性を判定しなくても問題ないからである。
【0032】
S602では、画像形成装置へ送られてきた印刷ジョブの印刷処理時間を、図4に示した処理と同様の処理により算出する。S603では算出した印刷処理時間と、印刷ジョブのモードに対応する閾値とを比較し、印刷処理時間が閾値を超えているかどうかの判断をする。
【0033】
S603において印刷処理時間が閾値を超えていない場合はS601へ戻って次の印刷ジョブを待つ。S603において印刷処理時間が閾値を超えている場合は、S604で画像形成装置管理ホスト107へハードディスク210のデフラグ実行許可を要求する。その後、S605で画像形成装置管理ホスト107からデフラグ実行の許可が通知されたかどうかを判断する。S605において、デフラグ実行の不許可が通知された場合は、S601へ戻る。一方、デフラグ実行の許可が通知された場合は、S606でハードディスク210のデフラグ処理を直ちに実行して、S601へ戻る。
【0034】
図13は画像形成装置管理ホスト107のデフラグ処理要求受信処理を説明するフローチャートである。前述のように、ホスト107は、汎用コンピュータであるホスト側管理サーバ101で画像形成装置統合管理ユーティリティソフトウェア106を稼働させることにより実現されている。ホスト側サーバ101の構成は特に説明しないが、CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイ、入力デバイス、各種インタフェースなど、パーソナルコンピュータとして市販されている一般的なコンピュータが備える構成を有している。
【0035】
画像形成装置管理ホスト107は、管理対象である複数の複合機102〜104の状況などを監視している。S1310ではデフラグ処理要求の受信を監視しており、受信が検出された際にはS1320へ移行する。S1320では例えば図12に示すような入力ダイアログ画面をディスプレイに表示する。本実施形態では画像形成装置側でデフラグ処理が必要であると判定した場合に、実行許可をホストに求める構成としている(図6、S606)。
【0036】
デフラグ処理には短くても数分、長ければ数時間を必要とし、処理中は作業を受け付けることが出来ないか、受け付けることが可能であっても制限を受ける可能性が高い。そのため、画像形成装置がネットワーク上の共用デバイスとして用いられている場合などには、デフラグ処理の実行を画像形成装置側の判断のみにゆだねることによるデメリットが存在する。また、デフラグ処理がユーザの知らないうちに開始されることは好ましくないと考えられる。そのため、ホスト107からの許可があってからデフラグ処理を実行する構成としている。また、ホスト107からリモートでデフラグ処理の実行を指示できるため、わざわざ実機まで出向く必要がない。
【0037】
ホスト107のユーザ(管理者)は、図12のダイアログ画面が表示されると、現在のシステムのジョブ受付状況などを勘案して、デフラグ処理の実行を許可するかどうかを判断する。そして、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作し、ダイアログ画面の「はい」ボタン1210又は「後で」ボタン1220のいずれかを押下する。
【0038】
このホスト107はこの操作を検出し(S1330)、「はい」ボタン1210が押下された場合にはデフラグ処理の実行許可を示す通知を、「後で」ボタン1220が押下された場合には実行を許可しない旨の通知を、要求元の複合機102〜104に送信する(S1340)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、ハードディスクの読み書き速度を反映した処理速度の閾値を設け、実際の処理速度が閾値より低下した場合にデフラグ処理が必要と判定する。これにより、実際の速度低下が生じた場合にデフラグ処理を実行することが可能となり、不必要にデフラグ処理を行うことによるハードディスクの寿命短縮を防止しながら、適切なタイミングでデフラグ処理を行うことが可能なる。
【0040】
また、処理速度の閾値をページ記述言語の種類や色数、用紙サイズなどに応じたモード毎に設けることにより、速度低下の発生をより精度良く検出することが可能になるという効果がある。
具体的には、例えばA4モノクロ印刷、特に1〜3ページ等の小ページ数の印刷の場合、PDLデータも、展開後のビットマップデータもデータ量は比較的小さい。従って、ハードディスク210が断片化を起こしていても、連続領域に書き込み可能である可能性が高くなる。
【0041】
従って、このような、データ量が少ないモードでは、閾値を大きくすることにより、不要なデフラグ処理の発生を抑制することができる。
一方、A3カラー印刷など、ページ数が少なくてもPDLデータや展開後のビットマップデータ量が大きくなる印刷モードでは、ハードディスク210の断片化の影響を受けやすい。そのため閾値を小さくして、デフラグ処理を適切なタイミングで行わせるようにすることができる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、印刷処理時間の増大のみをデフラグ実行要否の判断材料としていた。本実施形態は、印刷処理時間に加え、画像形成装置のハードディスクにおける断片化の状況を判断基準として用いて、デフラグ処理実行要否を判断する。
【0043】
図7は、本実施形態における画像形成装置の一例としての複合機102〜104のハードウェア構成例を示すブロック図であり、図2と同じ構成要素には同じ参照数字を付した。
【0044】
図7において、本実施形態の複合機102,103,104は、図2の構成に対して、断片化されたファイル、つまり連続していないファイルの断片がハードディスク中のどれだけを占めているかを取得する断片化情報取得部701を付加した構成を有する。このような断片化情報取得部701は、例えばハードディスク管理ソフトウェアやOSのシステムツールとして提供されているデフラグツールの一機能として実現されているものと同等のものでよい。断片化情報取得部701は、取得した断片化情報を状況テーブルとしてハードディスク210に記憶する。
【0045】
図8は断片化情報取得部701が生成する状況テーブルの例を示す図である。状況テーブルは、画像形成装置のハードディスク210内にあるファイルの種類(断片化されたファイル、連続ファイル、システムファイル、空き領域など)を表すフィールド801と、各種類のファイルがハードディスク領域に占める割合を表すフィールド802によって構成されている。
【0046】
図9は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図9において第1の実施形態と同じ処理を行うステップには図6と同じ参照数字を付し、説明を省略する。なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様、モード別の平均印刷処理時間(処理時間増大を判定するための閾値)が予め設定されており、また断片化情報の閾値として、断片化されたファイルがハードディスク210に占める割合の閾値(%)が設定されているものとする。断片化情報の閾値は固定値であっても良いし、デフラグ処理が実行される毎に所定値ずつ減らすなど変化させても良い。
【0047】
図9に示すように、本実施形態では、印刷処理時間が閾値を超えた場合に直ちにデフラグ処理が必要であると判定するのではなく、さらにS901で断片化情報取得部701により断片化情報を取得した結果、断片化情報の閾値を超えている場合(S903、Y)にデフラグ処理が必要であると判定する。
【0048】
取得した断片化情報が閾値を超えていない場合(S903,N)には、S601へ戻る。また、本実施形態においても、デフラグ処理を実行した後には、図5の処理を実行して印刷処理時間の閾値再設定を行う。
【0049】
本実施形態によれば、印刷処理時間に加えてハードディスクの断片化情報も考慮してデフラグ処理の必要性を判定するので、ハードディスクの断片化以外の理由により一時的に読み書き速度が低下した場合などにはデフラグ処理を要求しなくなる。また、実際に断片化がどの程度まで進行しているのかを判定した上でデフラグ処理の要否を判定するため、、第1の実施形態よりも判定精度が向上する。
【0050】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態においては、PDLデータの書き込みに要する時間及び、読み出しながらビットマップへ展開する処理に要する時間に基づく印刷処理時間や、断片化の程度を用いてデフラグ処理の要否を判定していた。しかし、デフラグ処理の要否判定材料はこれらに限定されない。
【0051】
本実施形態では、より単純な判断材料として、画像形成装置が印刷した枚数(画像形成処理を行った回数)に基づいてデフラグ実行要否をの判断を行うようにしたことを特徴とする。
【0052】
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、第1及び第2の実施形態に係る画像形成装置と同一でも良いし、印刷時間計測部206や断片化情報取得部701を持たない構成であっても良い。本実施形態に係る画像形成装置においては、受信したジョブデータに基づいて行った印刷枚数を例えばCPU207がカウントし、累積印刷枚数(累積印刷回数)をハードディスク210に記憶する。また、予め定めた枚数の閾値もまたハードディスク210に記憶しておく。枚数の閾値は例えば5000枚毎といった周期的な値でも良いし、5000枚、10000枚、14000枚、13000枚といったように、枚数の差が徐々に小さくなるような複数の値であっても良い。
【0053】
図10は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図10において第1の実施形態と同じ処理を行うステップには図6と同じ参照数字を付し、説明を省略する。ここでは予め枚数の閾値が上述のように設定されているものとする。
【0054】
S1001では画像形成装置が印刷する度に印刷した枚数をカウントし、累積値を増加させる。S1002では、画像形成装置が印刷した累積枚数(総枚数)が、設定された閾値を超えているかどうかの判断を行う。S1002において、累積印刷枚数が閾値を超えていなかった場合、S601へ戻る。累積印刷枚数が閾値を超えていた場合、S604で画像形成装置管理ホスト107へハードディスクのデフラグ実行許可を要求する。以後は第1の実施形態と同様に処理を行う。
ただし、本実施形態では印刷処理時間を用いていないため、印刷処理時間の計測や更新は行わなくて良い。
【0055】
本実施形態では、ハードディスクの断片化の進行がファイルの書き込み及び読み出しの繰り返しによって発生することから、ハードディスクを利用する処理(印刷)の回数が増加すればそれに伴って断片化が進行するという考えに基づいている。第1の実施形態や第2の実施形態に比べるとデフラグ処理要否の判定精度という点では劣るが、より簡便な方法で実施可能であるため、印刷時間計測部206や断片化情報取得部701を持たない画像形成装置においても適用可能である。また、印刷サイズやカラーに制限のある画像形成装置、端的にはA4モノクロ印刷専用の画像形成装置においては、本実施形態の構成でも十分に適切なタイミングでデフラグ処理の必要性を判定することが可能である。
【0056】
<第4の実施形態>
第3の実施形態においては、累積印刷枚数のみによりデフラグ実行の判断を行っていた。しかしながら、第3の実施形態を他の実施形態と組み合わせることも可能である。本実施形態では、累積印刷枚数とハードディスクの断片化状況を判断基準として、デフラグ実行の要否を判定することを特徴とする。
【0057】
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、第2の実施形態に係る画像形成装置と同一であって良い。また、第2の実施形態の構成から、印刷処理時間計測部206を取り除いた構成であっても良い。
【0058】
図11は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図11において第1〜3の実施形態と同じ処理を行うステップには図6、図9又は図10と同じ参照数字を付し、説明を省略する。また、予め累積印刷枚数の閾値並びに断片化情報の閾値については設定が終了しているものとする。
【0059】
図11から明らかなように、本実施形態は、第2の実施形態における印刷処理時間の算出及び閾値との比較処理(S602、S603)の代わりに、第3の実施形態における印刷枚数の加算及び累積印刷枚数と閾値との比較処理(S1001、S1002)を実施することで実現できる。
【0060】
本実施形態によれば、累積印刷枚数に加えてハードディスクの断片化情報も考慮してデフラグ処理の必要性を判定するので、累積印刷枚数が閾値に達していても、実際に断片化が進行していなければデフラグ処理が必要であると判定しない。そのため、第3の実施形態よりも実態に即したデフラグ処理の要否判定が可能になる。
【0061】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、PDLデータによる印刷ジョブを受信した印刷処理に帰因する断片化の解消について説明した。しかし、前述したように、ハードディスクを備えた画像装置の中にはスキャンした原稿画像をコピーする処理においてもハードディスクへの書き込み、読み出しを行うものがある。このような画像処理装置においては、例えば第3の実施形態における印刷累積枚数をコピー累積枚数と置き換えることによってデフラグ処理の必要性を判定することができる。
【0062】
また、スキャンした原稿画像をハードディスクに書き込み始めた時刻と、書き込みが終了し、その後印刷のための読み出しが終了した時刻を第1の実施形態における印刷処理時間と見なすことで、同様のデフラグ処理動作が可能である。この場合も、出力用紙の大きさなどのモードに応じて印刷処理時間の閾値を設定することが可能である。
【0063】
また、これらのデフラグ処理に断片化情報を判断材料として加え、第2及び第4の実施形態と同様に処理することも可能である。
【0064】
また、上述の実施形態では、デフラグ処理が必要と判断された場合に、ホスト107による許可を得てから実行するものであった。しかし、例えばネットワークに接続されずに使用されている画像処理装置であれば、表示部212に警告メッセージを表示し、ユーザからの許可を得てから実行するようにすることも可能である。
【0065】
また、ホストやユーザの許可を得る構成以外にも、深夜など、通常は印刷処理を行わない時間になってから自動的に実行するように構成することも可能である。後者の場合、自動でデフラグ処理を実行した日時情報をログとして記憶しておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置統合管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の複合機のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の複合機がHDD210に記憶するモード別・用紙別の平均印刷処理時間テーブルの例を示す図である。
【図4】印刷処理時間計算部206がハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間としての印刷処理時間を求める動作を説明するフローチャートである。
【図5】印刷処理時間計算部206が、平均印刷処理時間を算出する動作を表したフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における複合機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図8】断片化情報取得部701が生成する状況テーブルの例を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】実施形態に係る画像形成装置管理ホストが表示するダイアログ画面の例を示す図である。
【図13】実施形態に係る画像形成装置管理ホストのデフラグ処理要求受信処理を説明するフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特にハードディスクドライブを用いる画像形成装置の管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コピー機やプリンタを代表とする画像形成装置は高機能化の親展と共に、コンピュータとの親和性も高まって来ている。例えば、コピー機の場合、単に原稿をコピーするための機器から、”原稿をスキャンして画像データへ変換する”、”画像データを電子メールに添付して送信する”、”ネットワークプリンタとしてホストコンピュータからのデータを印刷する”、“スキャンにより得られた画像データを保存、管理する”といった機能を有する機器に変化してきている。
【0003】
そのため、画像形成装置には、大容量の印刷データを高速に、かつ高画質に処理することが要求され、大量のデータを高速に読み書き可能な記憶装置としてハードディスクドライブ(以下単にハードディスクと言う)が利用されるようになった(特許文献1参照)。そして、このような画像形成装置が例えば、ネットワークプリンタとして機能する場合、ホストコンピュータ等の上位機器から入力される印刷データの全てを、画像形成装置内部のハードディスクに記憶し、以後の処理は、このハードディスクに記憶された印刷データに基づいて実行する。
【0004】
【特許文献1】特開2000−335019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハードディスクには、繰り返し使用している間にファイルの断片化(フラグメンテーション)が発生し、読み書きの速度が徐々に低下するという特性がある。そして、ハードディスクの読み書き速度の低下は、ハードディスクを使用する画像形成装置内部の印刷処理速度の低下を招くこととなる。
【0006】
ファイルの断片化は、ファイルの書き込みと消去を繰り返す内に、連続して書き込み可能な領域が少なくなることによって発生する。連続して書き込み可能な領域が少なくなると、1つのファイルを複数の領域に細分化して書き込みしなくてはならないため、書き込みの処理時間が増加する。また、読み出しの際も複数の領域を読み出すために要するヘッド移動時間や読み出し開始位置にヘッドが達するまでの待ち時間などが増加する。結果として書き込み時間、読み出し時間の増加を招く。
【0007】
画像形成装置では、入力されたデータの書き込み、書き込んだデータを処理する際の読み出しの時間が増加することになり、印刷処理に要する時間が増大することになる。つまり、ネットワークを経由して受信する印刷ジョブ、スキャナで読み取った画像データ、FAX受信文書としてモデムから受信したデータなど、ハードディスクに一旦データを保存し、それを読み出して実行する機能の処理速度が遅くなる。例えば、スキャンしたデータをハードディスクに書込、その後ハードディスク読出により印刷、という一連の動作により実現される原稿のコピー機能において、断片化によるハードディスクの読み書き速度低下は、特にファーストプリントの速度低下を招く要因となる。
【0008】
断片化によるハードディスクの性能低下を抑制するために、ハードディスク内のファイルを再配置し、断片化を解消させるソフトウェア(所謂デフラグツール)が知られている。しかし、断片化の解消はハードディスクの多数の読み書きを必要とするため、頻繁に実行しすぎるとハードディスクの寿命を縮めることになる。そのため、効率の良い断片化解消処理の実行タイミングを決定することが望まれるが、画像形成装置に用いられるハードディスクに関し、どのような条件で断片化の解消を行ったらよいかという検討はなされていなかった。
【0009】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、ハードディスクの断片化解消処理を適切なタイミングで実行可能とする画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的は、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶手段と、画像形成処理を実行する際に、指標を算出する算出手段と、算出手段が算出した指標の値が記憶手段に記憶された閾値を超えた場合にハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置によって達成される。
【0011】
また、上述の目的は、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置の制御方法であって、ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶工程と、画像形成処理を実行する際に、指標を算出する算出工程と、算出手段が算出した指標の値が記憶手段に記憶された閾値を超えた場合にハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0012】
以上の構成により、本発明によれば、ハードディスクを用いる画像形成装置において、ハードディスクの断片化解消処理を適切なタイミングで実行することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置統合管理システムの全体構成を示す図である。
図1において、本システムは、ホスト側管理サーバ101及び、サーバ101にインストールされた画像形成装置統合管理ユーティリティソフトウェア106により実現される画像形成装置管理ホスト107と、画像形成装置としての複合機102,103,104と、これらを接続するLAN(Local Area Network)105とで構成される。
【0014】
図2は、図1の複合機のハードウェア構成例を示すブロック図である。ここでは、説明及び理解を容易にするため、複合機102〜104が同一構成であるものとするが、必ずしも同一構成である必要はない。
【0015】
図2において、原稿給送部201は、原稿台に置かれた単票原稿を、イメージリーダ202の読み取り位置へ搬送する。イメージリーダ202は、原稿台に置かれた原稿や、原稿給送部201に搬送された原稿の画像をイメージセンサなどを用いて読み取る。画像形成部203は、LAN105を通じて外部機器から受信したデータを印刷画像に変換し、印刷する。
【0016】
排紙部204は、印刷部203が印刷した紙を排出し、ソートやステイプルといった処理を施す。Network I/F205は、LAN105を通じてホスト107等の外部機器と通信するためのインタフェースである。印刷処理時間計測部206は、ハードディスク210を用いた印刷処理において、ハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間を計測する。CPU207は、ROM208に記憶されたプログラムを実行して各部を制御することにより、以下の断片化解消処理や、PDLデータのビットマップデータへの変換を含め、複合機が有する機能を実現させる。
【0017】
ROM208は、複合機の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM209は、複合機の各処理に関わる一時的なデータを記憶したり、CPU207のワークエリアなどとして用いられる。ハードディスクドライブ(HDD)210は、複合機の各処理に関わるプログラムやデータ、イメージリーダ202で読み取った画像データ、外部装置から受信した印刷ジョブデータ、各種設定値などを記憶する。操作部211はユーザが装置に指示を与えるための入力デバイスであり、一般的に複数のキーやボタン、タッチパネルなどから構成される。表示部212は例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、装置の動作状況及び操作部211に対する操作に関わる情報を表示する。カレンダタイマ213は時計であり、現在の日時を出力する。上述した各構成ブロックは互いにシステムバス214により接続され、データをやりとりしている。
【0018】
図3は本実施形態の複合機がHDD210に記憶するモード別・用紙別の平均印刷処理時間テーブルの例を示す図である。テーブルは、PS(PostScript(商標))データ:カラー:A4サイズ、LIPSデータ:モノクロ:A3サイズ、・・・といった、データ種別、色数及び出力用紙サイズなど、データサイズに影響するパラメータの組合わせからなるモードを表すフィールド301と、各モードに対する平均印刷処理時間を表すフィールド302によって構成されている。
【0019】
図4は、印刷処理時間計算部206がハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間としての印刷処理時間を求める動作を説明するフローチャートである。この処理は、原則として印刷ジョブ毎(記録紙一枚分の印刷処理毎)に行われる。
【0020】
S401で、ある印刷ジョブに係るページ記述言語(PDL)データを受信し始めた時点(Network I/F205が受信を開始した時点)での時刻t1をカレンダタイマ213から取得し保存する。S402では、受け取ったPDLデータがハードディスク210に書き込まれ、その後ビットマップファイルに変換するためにハードディスク210から全て読み出された時点での時刻t2を取得し保存する。
【0021】
そして、S403で印刷処理時間Tを
T=(t2 - t1)/PDLデータの総バイト数 (式1)
によって算出する。この計算より、PLDデータ1バイトあたりの印刷処理時間が算出される。
【0022】
なお、時刻t1、t2は、HDD210の読み書き速度に依存した時間、より具体は断片化による読み書き速度の低下を検出しうる、測定可能な任意のタイミングに設定することが可能である。例えば、時刻t1として、PDLデータをハードディスクに書き込み始めた時刻を用いても良いし、時刻t2として、ハードディスクから読み出したPDLデータのビットマップデータへの展開が終了した時刻を用いても良い。
【0023】
さらに、PDLデータがRAM209にまず格納され、その後ビットマップデータへ変換された後(又は変換されながら)、ハードディスク210に書き込まれるような構成を有する複合機もある。その場合、印刷時間Tは、
t3:ビットマップデータをハードディスク210に書き込み始めた時刻
t4:ビットマップデータをハードディスク210に書き終わった時刻
として、
T=t3−t3/PDLデータの総バイト数 (式1’)
により求めることができる。
このような構成では、PDLデータよりもデータ量の多いビットマップデータの書き込みに要する時間を用いて印刷処理時間Tを算出するので、PDLデータの読み書きに要する時間よりも、実際の印刷処理の内容を反映した断片化の程度が判断できるという利点がある。
【0024】
また、時刻t1、t2の検出やPDLデータ量の算出はCPU207が行い、印刷処理時間計算部206へ通知するように構成しても良い。
【0025】
S403で算出した印刷処理時間Tは、S404で、PDLデータ中の情報に基づいて上述のモードのいずれかに対応付けてHDD210に保存する。
【0026】
図5は、印刷処理時間計算部206が、平均印刷処理時間を算出する動作を表したフローチャートである。本明細書において平均印刷処理時間とは、規定回数分の印刷処理時間の平均値であり、印刷処理時間の増大を判定する閾値として使用する。
【0027】
S501では、画像形成装置が設置されてから、或いは断片化解消処理(デフラグ処理)実施後、印刷した枚数が規定枚数に達しているかどうかの判断を行う。S501において印刷枚数が規定枚数に達していない場合は、S502で、図4において説明した印刷処理時間算出処理を実行する。S501において印刷枚数が規定枚数に達した場合は、S503で、それまでに上記の方法(S401〜S403)で算出した印刷処理時間Tn(n=1,2,3,・・・,X)を用い、平均印刷処理時間Taveを
Tave=ΣTn/印刷枚数
により、モード毎に算出する。算出した平均印刷処理時間は、図3に示したテーブルのフィールド302に格納する。
【0028】
なお、ここでは説明及び理解を簡単にするため、モードにかかわらない総印刷枚数が規定枚数に達したかどうかをS501で判定し、平均印刷処理時間の算出のみモード毎に行う場合について説明した。しかしながら、モード毎に規定枚数を設定し、S501〜S503の処理をモード毎に行うようにしても良い。
【0029】
モードと後に規定枚数を設定可能とした場合、頻度の少ないモードに対する平均印刷処理時間が算出されるまでの時間が長くなりすぎたり、逆に頻度の多いモードに対する平均印刷処理時間が不必要に更新されることを抑制することができる。
【0030】
デフラグ処理実行後にも平均印刷処理時間を算出することにより、経時的な変化によるHDD210の性能低下を反映した閾値を常に利用することが可能となる。
【0031】
図6は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
なお、ここでは、既に図4及び図5において説明した印刷処理時間及び平均印刷処理時間の算出処理を行い、モード別の平均印刷処理時間(処理時間増大を判定するための閾値)が設定されているものとする。すなわち、装置の設置後、既に規定枚数分の印刷処理が実行されており、その間はデフラグ処理を行うかどうかの判定は行っていない。これは、装置の設置時からしばらくの間はHDD210の断片化が発生してもその程度は軽いものと考えられるため、平均印刷処理時間を算出するための規定枚数の印刷が終了するまではデフラグ処理の必要性を判定しなくても問題ないからである。
【0032】
S602では、画像形成装置へ送られてきた印刷ジョブの印刷処理時間を、図4に示した処理と同様の処理により算出する。S603では算出した印刷処理時間と、印刷ジョブのモードに対応する閾値とを比較し、印刷処理時間が閾値を超えているかどうかの判断をする。
【0033】
S603において印刷処理時間が閾値を超えていない場合はS601へ戻って次の印刷ジョブを待つ。S603において印刷処理時間が閾値を超えている場合は、S604で画像形成装置管理ホスト107へハードディスク210のデフラグ実行許可を要求する。その後、S605で画像形成装置管理ホスト107からデフラグ実行の許可が通知されたかどうかを判断する。S605において、デフラグ実行の不許可が通知された場合は、S601へ戻る。一方、デフラグ実行の許可が通知された場合は、S606でハードディスク210のデフラグ処理を直ちに実行して、S601へ戻る。
【0034】
図13は画像形成装置管理ホスト107のデフラグ処理要求受信処理を説明するフローチャートである。前述のように、ホスト107は、汎用コンピュータであるホスト側管理サーバ101で画像形成装置統合管理ユーティリティソフトウェア106を稼働させることにより実現されている。ホスト側サーバ101の構成は特に説明しないが、CPU、ROM、RAM、HDD、ディスプレイ、入力デバイス、各種インタフェースなど、パーソナルコンピュータとして市販されている一般的なコンピュータが備える構成を有している。
【0035】
画像形成装置管理ホスト107は、管理対象である複数の複合機102〜104の状況などを監視している。S1310ではデフラグ処理要求の受信を監視しており、受信が検出された際にはS1320へ移行する。S1320では例えば図12に示すような入力ダイアログ画面をディスプレイに表示する。本実施形態では画像形成装置側でデフラグ処理が必要であると判定した場合に、実行許可をホストに求める構成としている(図6、S606)。
【0036】
デフラグ処理には短くても数分、長ければ数時間を必要とし、処理中は作業を受け付けることが出来ないか、受け付けることが可能であっても制限を受ける可能性が高い。そのため、画像形成装置がネットワーク上の共用デバイスとして用いられている場合などには、デフラグ処理の実行を画像形成装置側の判断のみにゆだねることによるデメリットが存在する。また、デフラグ処理がユーザの知らないうちに開始されることは好ましくないと考えられる。そのため、ホスト107からの許可があってからデフラグ処理を実行する構成としている。また、ホスト107からリモートでデフラグ処理の実行を指示できるため、わざわざ実機まで出向く必要がない。
【0037】
ホスト107のユーザ(管理者)は、図12のダイアログ画面が表示されると、現在のシステムのジョブ受付状況などを勘案して、デフラグ処理の実行を許可するかどうかを判断する。そして、マウスやキーボード等の入力デバイスを操作し、ダイアログ画面の「はい」ボタン1210又は「後で」ボタン1220のいずれかを押下する。
【0038】
このホスト107はこの操作を検出し(S1330)、「はい」ボタン1210が押下された場合にはデフラグ処理の実行許可を示す通知を、「後で」ボタン1220が押下された場合には実行を許可しない旨の通知を、要求元の複合機102〜104に送信する(S1340)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハードディスクドライブを備え、ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、ハードディスクの読み書き速度を反映した処理速度の閾値を設け、実際の処理速度が閾値より低下した場合にデフラグ処理が必要と判定する。これにより、実際の速度低下が生じた場合にデフラグ処理を実行することが可能となり、不必要にデフラグ処理を行うことによるハードディスクの寿命短縮を防止しながら、適切なタイミングでデフラグ処理を行うことが可能なる。
【0040】
また、処理速度の閾値をページ記述言語の種類や色数、用紙サイズなどに応じたモード毎に設けることにより、速度低下の発生をより精度良く検出することが可能になるという効果がある。
具体的には、例えばA4モノクロ印刷、特に1〜3ページ等の小ページ数の印刷の場合、PDLデータも、展開後のビットマップデータもデータ量は比較的小さい。従って、ハードディスク210が断片化を起こしていても、連続領域に書き込み可能である可能性が高くなる。
【0041】
従って、このような、データ量が少ないモードでは、閾値を大きくすることにより、不要なデフラグ処理の発生を抑制することができる。
一方、A3カラー印刷など、ページ数が少なくてもPDLデータや展開後のビットマップデータ量が大きくなる印刷モードでは、ハードディスク210の断片化の影響を受けやすい。そのため閾値を小さくして、デフラグ処理を適切なタイミングで行わせるようにすることができる。
【0042】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、印刷処理時間の増大のみをデフラグ実行要否の判断材料としていた。本実施形態は、印刷処理時間に加え、画像形成装置のハードディスクにおける断片化の状況を判断基準として用いて、デフラグ処理実行要否を判断する。
【0043】
図7は、本実施形態における画像形成装置の一例としての複合機102〜104のハードウェア構成例を示すブロック図であり、図2と同じ構成要素には同じ参照数字を付した。
【0044】
図7において、本実施形態の複合機102,103,104は、図2の構成に対して、断片化されたファイル、つまり連続していないファイルの断片がハードディスク中のどれだけを占めているかを取得する断片化情報取得部701を付加した構成を有する。このような断片化情報取得部701は、例えばハードディスク管理ソフトウェアやOSのシステムツールとして提供されているデフラグツールの一機能として実現されているものと同等のものでよい。断片化情報取得部701は、取得した断片化情報を状況テーブルとしてハードディスク210に記憶する。
【0045】
図8は断片化情報取得部701が生成する状況テーブルの例を示す図である。状況テーブルは、画像形成装置のハードディスク210内にあるファイルの種類(断片化されたファイル、連続ファイル、システムファイル、空き領域など)を表すフィールド801と、各種類のファイルがハードディスク領域に占める割合を表すフィールド802によって構成されている。
【0046】
図9は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図9において第1の実施形態と同じ処理を行うステップには図6と同じ参照数字を付し、説明を省略する。なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様、モード別の平均印刷処理時間(処理時間増大を判定するための閾値)が予め設定されており、また断片化情報の閾値として、断片化されたファイルがハードディスク210に占める割合の閾値(%)が設定されているものとする。断片化情報の閾値は固定値であっても良いし、デフラグ処理が実行される毎に所定値ずつ減らすなど変化させても良い。
【0047】
図9に示すように、本実施形態では、印刷処理時間が閾値を超えた場合に直ちにデフラグ処理が必要であると判定するのではなく、さらにS901で断片化情報取得部701により断片化情報を取得した結果、断片化情報の閾値を超えている場合(S903、Y)にデフラグ処理が必要であると判定する。
【0048】
取得した断片化情報が閾値を超えていない場合(S903,N)には、S601へ戻る。また、本実施形態においても、デフラグ処理を実行した後には、図5の処理を実行して印刷処理時間の閾値再設定を行う。
【0049】
本実施形態によれば、印刷処理時間に加えてハードディスクの断片化情報も考慮してデフラグ処理の必要性を判定するので、ハードディスクの断片化以外の理由により一時的に読み書き速度が低下した場合などにはデフラグ処理を要求しなくなる。また、実際に断片化がどの程度まで進行しているのかを判定した上でデフラグ処理の要否を判定するため、、第1の実施形態よりも判定精度が向上する。
【0050】
<第3の実施形態>
第1及び第2の実施形態においては、PDLデータの書き込みに要する時間及び、読み出しながらビットマップへ展開する処理に要する時間に基づく印刷処理時間や、断片化の程度を用いてデフラグ処理の要否を判定していた。しかし、デフラグ処理の要否判定材料はこれらに限定されない。
【0051】
本実施形態では、より単純な判断材料として、画像形成装置が印刷した枚数(画像形成処理を行った回数)に基づいてデフラグ実行要否をの判断を行うようにしたことを特徴とする。
【0052】
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、第1及び第2の実施形態に係る画像形成装置と同一でも良いし、印刷時間計測部206や断片化情報取得部701を持たない構成であっても良い。本実施形態に係る画像形成装置においては、受信したジョブデータに基づいて行った印刷枚数を例えばCPU207がカウントし、累積印刷枚数(累積印刷回数)をハードディスク210に記憶する。また、予め定めた枚数の閾値もまたハードディスク210に記憶しておく。枚数の閾値は例えば5000枚毎といった周期的な値でも良いし、5000枚、10000枚、14000枚、13000枚といったように、枚数の差が徐々に小さくなるような複数の値であっても良い。
【0053】
図10は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図10において第1の実施形態と同じ処理を行うステップには図6と同じ参照数字を付し、説明を省略する。ここでは予め枚数の閾値が上述のように設定されているものとする。
【0054】
S1001では画像形成装置が印刷する度に印刷した枚数をカウントし、累積値を増加させる。S1002では、画像形成装置が印刷した累積枚数(総枚数)が、設定された閾値を超えているかどうかの判断を行う。S1002において、累積印刷枚数が閾値を超えていなかった場合、S601へ戻る。累積印刷枚数が閾値を超えていた場合、S604で画像形成装置管理ホスト107へハードディスクのデフラグ実行許可を要求する。以後は第1の実施形態と同様に処理を行う。
ただし、本実施形態では印刷処理時間を用いていないため、印刷処理時間の計測や更新は行わなくて良い。
【0055】
本実施形態では、ハードディスクの断片化の進行がファイルの書き込み及び読み出しの繰り返しによって発生することから、ハードディスクを利用する処理(印刷)の回数が増加すればそれに伴って断片化が進行するという考えに基づいている。第1の実施形態や第2の実施形態に比べるとデフラグ処理要否の判定精度という点では劣るが、より簡便な方法で実施可能であるため、印刷時間計測部206や断片化情報取得部701を持たない画像形成装置においても適用可能である。また、印刷サイズやカラーに制限のある画像形成装置、端的にはA4モノクロ印刷専用の画像形成装置においては、本実施形態の構成でも十分に適切なタイミングでデフラグ処理の必要性を判定することが可能である。
【0056】
<第4の実施形態>
第3の実施形態においては、累積印刷枚数のみによりデフラグ実行の判断を行っていた。しかしながら、第3の実施形態を他の実施形態と組み合わせることも可能である。本実施形態では、累積印刷枚数とハードディスクの断片化状況を判断基準として、デフラグ実行の要否を判定することを特徴とする。
【0057】
本実施形態に係る画像形成装置の構成は、第2の実施形態に係る画像形成装置と同一であって良い。また、第2の実施形態の構成から、印刷処理時間計測部206を取り除いた構成であっても良い。
【0058】
図11は本実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。図11において第1〜3の実施形態と同じ処理を行うステップには図6、図9又は図10と同じ参照数字を付し、説明を省略する。また、予め累積印刷枚数の閾値並びに断片化情報の閾値については設定が終了しているものとする。
【0059】
図11から明らかなように、本実施形態は、第2の実施形態における印刷処理時間の算出及び閾値との比較処理(S602、S603)の代わりに、第3の実施形態における印刷枚数の加算及び累積印刷枚数と閾値との比較処理(S1001、S1002)を実施することで実現できる。
【0060】
本実施形態によれば、累積印刷枚数に加えてハードディスクの断片化情報も考慮してデフラグ処理の必要性を判定するので、累積印刷枚数が閾値に達していても、実際に断片化が進行していなければデフラグ処理が必要であると判定しない。そのため、第3の実施形態よりも実態に即したデフラグ処理の要否判定が可能になる。
【0061】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、PDLデータによる印刷ジョブを受信した印刷処理に帰因する断片化の解消について説明した。しかし、前述したように、ハードディスクを備えた画像装置の中にはスキャンした原稿画像をコピーする処理においてもハードディスクへの書き込み、読み出しを行うものがある。このような画像処理装置においては、例えば第3の実施形態における印刷累積枚数をコピー累積枚数と置き換えることによってデフラグ処理の必要性を判定することができる。
【0062】
また、スキャンした原稿画像をハードディスクに書き込み始めた時刻と、書き込みが終了し、その後印刷のための読み出しが終了した時刻を第1の実施形態における印刷処理時間と見なすことで、同様のデフラグ処理動作が可能である。この場合も、出力用紙の大きさなどのモードに応じて印刷処理時間の閾値を設定することが可能である。
【0063】
また、これらのデフラグ処理に断片化情報を判断材料として加え、第2及び第4の実施形態と同様に処理することも可能である。
【0064】
また、上述の実施形態では、デフラグ処理が必要と判断された場合に、ホスト107による許可を得てから実行するものであった。しかし、例えばネットワークに接続されずに使用されている画像処理装置であれば、表示部212に警告メッセージを表示し、ユーザからの許可を得てから実行するようにすることも可能である。
【0065】
また、ホストやユーザの許可を得る構成以外にも、深夜など、通常は印刷処理を行わない時間になってから自動的に実行するように構成することも可能である。後者の場合、自動でデフラグ処理を実行した日時情報をログとして記憶しておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置統合管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1の複合機のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の複合機がHDD210に記憶するモード別・用紙別の平均印刷処理時間テーブルの例を示す図である。
【図4】印刷処理時間計算部206がハードディスクの書き込み、読み出し速度の指標となる時間としての印刷処理時間を求める動作を説明するフローチャートである。
【図5】印刷処理時間計算部206が、平均印刷処理時間を算出する動作を表したフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】第2の実施形態における複合機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図8】断片化情報取得部701が生成する状況テーブルの例を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図10】第3の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る画像形成装置のデフラグ処理動作を説明するフローチャートである。
【図12】実施形態に係る画像形成装置管理ホストが表示するダイアログ画面の例を示す図である。
【図13】実施形態に係る画像形成装置管理ホストのデフラグ処理要求受信処理を説明するフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクドライブを備え、前記ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶手段と、
画像形成処理を実行する際に、前記指標を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらに、前記判定手段が前記断片化解消処理が必要であると判定した場合、断片化解消処理の実行許可を要求する要求手段と、
前記要求に応答して実行許可が得られた場合のみ前記ハードディスクに対する前記断片化解消処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成処理が、ページ記述言語で記述された画像形成ジョブを前記ハードディスクに書き込む工程と、前記書き込んだページ記述言語をビットマップデータに展開するために読み出す工程とを含み、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標が、前記画像形成ジョブを受信してから、前記読み出す工程が終了するまでの時間の、前記画像形成ジョブの単位データ当たりの時間であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記断片化解消処理を実行した後、所定回数分の画像形成処理の実行時に算出した前記指標の値を用いて、前記記憶手段に記憶された、前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を更新する更新手段をさらに有することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標が、前記画像形成装置が画像形成した回数の累積値であり、
前記算出手段が、画像形成処理を実行する毎に、当該画像形成処理によって行われる画像形成回数を加算することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
さらに、前記ハードディスクの断片化情報を取得する断片化情報取得手段を有し、
前記記憶手段が、前記断片化情報の閾値をさらに記憶し、
前記判定手段が、前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超え、さらに前記断片化情報取得手段により取得した断片化情報が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に、前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ハードディスクドライブを備え、前記ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置の制御方法であって、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶工程と、
画像形成処理を実行する際に、前記指標を算出する算出工程と、
前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項1】
ハードディスクドライブを備え、前記ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置において、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶手段と、
画像形成処理を実行する際に、前記指標を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
さらに、前記判定手段が前記断片化解消処理が必要であると判定した場合、断片化解消処理の実行許可を要求する要求手段と、
前記要求に応答して実行許可が得られた場合のみ前記ハードディスクに対する前記断片化解消処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成処理が、ページ記述言語で記述された画像形成ジョブを前記ハードディスクに書き込む工程と、前記書き込んだページ記述言語をビットマップデータに展開するために読み出す工程とを含み、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標が、前記画像形成ジョブを受信してから、前記読み出す工程が終了するまでの時間の、前記画像形成ジョブの単位データ当たりの時間であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記断片化解消処理を実行した後、所定回数分の画像形成処理の実行時に算出した前記指標の値を用いて、前記記憶手段に記憶された、前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を更新する更新手段をさらに有することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標が、前記画像形成装置が画像形成した回数の累積値であり、
前記算出手段が、画像形成処理を実行する毎に、当該画像形成処理によって行われる画像形成回数を加算することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
さらに、前記ハードディスクの断片化情報を取得する断片化情報取得手段を有し、
前記記憶手段が、前記断片化情報の閾値をさらに記憶し、
前記判定手段が、前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超え、さらに前記断片化情報取得手段により取得した断片化情報が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に、前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ハードディスクドライブを備え、前記ハードディスクドライブに対するデータ書き込み及び読み出しを行いながら画像形成する画像形成装置の制御方法であって、
前記ハードディスクの書き込み及び読み出し速度の増大を判定するための指標の閾値を予め記憶する記憶工程と、
画像形成処理を実行する際に、前記指標を算出する算出工程と、
前記算出手段が算出した指標の値が前記記憶手段に記憶された閾値を超えた場合に前記ハードディスクの断片化解消処理が必要であると判定する判定工程とを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−76063(P2007−76063A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−264422(P2005−264422)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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