説明

画像形成装置及びそれに用いるプログラム

【課題】画像形成装置において予定している時刻調整の実行タイミングに、印刷ジョブの実行タイミングが重複してしまうおそれがある場合でも、印刷ジョブにおける現実の出力順と表示上の出力順とに齟齬が生じないようにする技術の提供を目的とする。
【解決手段】画像形成装置1は、印刷ジョブの実行前に、制御部5が当該印刷ジョブの終了時刻を算出し、時刻調整の予定時刻と重複するかどうかを判断し、重複する場合は当該印刷ジョブの実行前または終了後に当該時刻調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻情報によって画像形成の管理を行う画像形成装置において、時刻情報の調整を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は従来から、時刻表示や、時刻を利用した実行制御を行うために時刻情報を利用していた。例えば、あらかじめ設定した時刻に画像形成装置を起動する制御や、シャットダウンする制御などが挙げられる。
【0003】
したがって、画像形成装置導入時での時刻設定や、画像形成装置に内蔵されている計時手段の現在時刻が、基準時刻に対して誤差を生じた際に、時刻の再設定等を行う必要がある。
【0004】
ただし、定期的にユーザが時刻を確認し、現在時刻を修正するのは煩雑である。また、時刻設定を行わなければ、誤った時刻が表示されて混乱を生じるおそれがある。また、時刻を利用した実行制御を行っている場合は、予定していた時刻に所望の動作が実行されないおそれがある等の問題が生じる。
【0005】
そこで、ネットワークを介して画像形成装置外部から標準時等に基づく基準時刻を取得して、画像形成装置における計時手段が提供する現在時刻と比較し、誤差を修正する画像形成装置が提案されている(特許文献1)。
【0006】
この特許文献1に記載の画像形成装置によれば、画像形成装置における時刻修正手段が定期的に基準時刻を取得し、計時手段に内蔵されている現在時刻を、基準時刻に合わせることができるので、ユーザ自らが再設定することなく、画像形成装置の時刻を、正確な時
刻に保つことができ、煩雑さや混乱を解消できる。
【0007】
また、このような時刻調整手段を有することにより、出力ログ等によって画像形成装置の出力用紙や出力履歴等を管理する場合において、各印刷ジョブに対応する出力時刻をある程度正確に表示することが可能となる。
【0008】
例えば、図3(A)は、画像形成装置における出力ログの表示画面を示すものであるが、ここに示されている出力ログは、各印刷ジョブにおける各ページごとに対応する出力時刻を表示している。この出力時刻の表示は、画像形成装置の計時手段が提供する現在時刻を基準としているため、定期的に現在時刻の調整を実行することにより、より正確な出力時刻を表示することができる。
【0009】
【特許文献1】特開平8−154244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1による時刻修正方法では、画像形成装置に内蔵される計時手段を用いて、所定の時間が経過するごと、または時刻調整予定時刻が到来するたびに、画像形成装置に記憶されている現在時刻と外部から取得する基準時刻とを比較して誤差を算出し、許容時間差を超過する場合に時刻調整を行っていた。しかしながらこの時刻修正方法では、印刷ジョブの実行タイミングと時刻調整の実行タイミングとが重複してしまった場合に問題が生じうる。
【0011】
すなわち、図3(A)に示される出力ログのように、実際の印刷順と出力ログの出力時刻順とが、表示上逆転してしまうおそれがあり、また、大幅な時刻調整を行えば、連続するページ間で出力時刻が大きくずれてしまうおそれがあった。なお、図3(A)では、「JOB」欄の「ジョブB」にかかる印刷ジョブについて、2ページ目の出力と3ページ目の出力との間に時刻調整が実行されてしまった結果、現実の出力順は2ページ目から3ページ目の順であるにもかかわらず、出力ログにおいて、あたかも3ページ目が先に出力され(「09:15:21」)、その後2ページ目が出力されている(「09:15:22」)かのように表示されてしまっている状態を示している。
【0012】
また、出力時刻を印刷した各ページに表示する場合も、実際の出力順と各ページに印刷された出力時刻の順番とが逆転してしまう等のおそれがあった。
【0013】
また、印刷ジョブの残り時間や終了時刻を表示しているときに、印刷ジョブの実行タイミングと時刻調整の実行タイミングとが重複してしまった場合は、見かけ上、これらの時刻が変化してしまう。
【0014】
このような、問題が生じてしまった場合、ユーザが要求した印刷ジョブについて現実の出力順と表示上の出力順とに齟齬が生じており、ユーザは出力用紙の順序または出力履歴の管理に支障をきたし、混乱を生じることになる。
【0015】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、予定している時刻調整の実行タイミングに、印刷ジョブの実行タイミングが重複してしまうおそれがある場合でも、印刷ジョブにおける現実の出力順と表示上の出力順とに齟齬が生じないようにする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、現在時刻を計時する計時手段と、時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、 前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、少なくとも印刷ジョブの実行前に、該印刷ジョブの終了時刻を算出する終了時刻予測手段と、前記予定時刻が前記終了時刻より前に到来するときは、前記印刷ジョブの実行前に、前記変更を実行させる実行制御手段とを備えたこと、を特徴とする画像形成装置である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、現在時刻を計時する計時手段と、時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する実行制御手段とを備えたこと、を特徴とする画像形成装置である。
【0018】
請求項4に記載の発明は、受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置を、現在時刻を計時する計時手段、時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段、前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段、前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段、少なくとも印刷ジョブの実行前に、印刷ジョブの終了時刻を算出する終了時刻予測手段、前記予定時刻が前記算出された終了時刻より前に到来するときは、前記印刷ジョブの実行前に、前記現在時刻の前記変更を実行させる実行制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置を、現在時刻を計時する計時手段、時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段、前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段、前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する実行制御手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【0020】
請求項7に記載の発明は、受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、現在時刻を計時する計時手段と、時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、印刷ジョブを受け付けると当該印刷ジョブの終了時刻を算出する処理時刻予測手段と、前記予定時刻が前記終了時刻より前に到来するときに、前記印刷ジョブの実行前に、前記変更を実行させる第1の実行制御または、前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する第2の実行制御のいずれか一方をあらかじめ選択的に設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0021】
請求項1または4にかかる本発明によれば、印刷ジョブの実行前に、当該印刷ジョブの終了時刻を算出し、時刻調整の予定時刻と重複するかどうかを判断し、重複する場合は当該印刷ジョブの実行前に当該時刻調整を行うように構成されているから、印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、結果として、印刷ジョブのページ間で出力時刻順が逆転する事態を防止し、印刷ジョブの残時間表示、終了時刻表示が変化してしまう事態を防止することができ、ユーザの混乱が生じないようにすることが可能となる。
【0022】
また、請求項3または6にかかる本発明によれば、時刻調整の予定時刻が到来したときに、実行中の印刷ジョブが存在するかを判断し、実行中の印刷ジョブが存在する場合は、時刻調整の予定時刻が到来しても前記印刷ジョブの終了後に時刻調整を実行するように構成されているから、印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、結果として、印刷ジョブのページ間で出力時刻順が逆転する事態を防止し、印刷ジョブの残時間表示、終了時刻表示が変化してしまう事態を防止することができ、ユーザの混乱が生じないようにすることが可能となる。
【0023】
また、請求項7にかかる本発明によれば、印刷ジョブの実行前に、当該印刷ジョブの終了時刻を算出し、時刻調整の予定時刻と重複するかどうかを判断し、重複する場合は当該印刷ジョブの実行前に当該時刻調整を行う第1の実行制御、または、時刻調整の予定時刻が到来したときに、実行中の印刷ジョブが存在するかを判断し、実行中の印刷ジョブが存在する場合は、時刻調整の予定時刻が到来しても前記印刷ジョブの終了後に時刻調整を実行する第2の実行制御のいずれか一つを選択することができるように構成されている。したがって、印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、結果として、印刷ジョブのページ間で出力時刻順が逆転する事態を防止し、印刷ジョブの残時間表示、終了時刻表示が変化してしまう事態を防止することができ、ユーザの混乱が生じないようにすることが可能となる。また、ユーザの所望のタイミングで時刻調整の実行制御を行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(構成)
【0025】
この発明の実施形態に係る画像形成装置1の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態にかかる画像形成装置1の概略構成図である。また、図2は、この発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
この実施形態にかかる画像形成装置1は、ADF(Auto Document Feeder;原稿自動搬送装置)10、画像読取部20、画像書込部21、画像形成部22、搬送部30、給紙トレイ40を備えて構成される。画像形成装置1は、例えばADF10等から供給された印刷原稿を画像読取部20で読取り、画像処理を行って、給紙トレイ40から給紙された記録用紙に対し、画像形成部22によって当該原稿の内容を記録する。記録された記録用紙は搬送部30によって搬送される。なお、本実施形態の画像形成装置1は、周知の電子写真方式による。以下、画像形成装置1の各部の構成について説明する。
【0027】
ADF10は、原稿を載置できる載置部(図示せず)を有し、原稿が載置されると、当該原稿を画像読取部20に搬送する。画像読取部20を経過した当該原稿は、ADF10における図示しない排紙部に積載される。
【0028】
画像読取部20は、ADF10から搬送されてきた原稿を読み取って当該原稿の画像データを作成する。画像書込部21は、作成された画像データに応じたレーザ光を感光体ドラム23に照射し、静電潜像を形成した上でこの静電潜像を現像し、感光体ドラム23上にトナー像を形成する。この静電潜像は現像され、トナー像が形成される。
【0029】
一方、搬送部30により、記録用紙が積載されている給紙トレイ40から画像形成部22に記録用紙が搬送される。
【0030】
画像形成部22は、感光体ドラム23を有し、感光体ドラム23に形成したトナー像を転写する。記録用紙に当該トナー像を転写すると、記録用紙を感光体ドラム23から分離し、熱と圧力により当該トナー像を定着する。両面印刷の場合は当該記録用紙の他方の面にも画像を形成する。画像形成された記録用紙は、画像形成装置1から排出される。
【0031】
次に、図2を用いて、この実施形態にかかる画像形成装置1の主たる制御を説明する。
【0032】
図2に示すように画像形成装置1は、制御部5、電波受信機6、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信機7、I/F(Interface)8、記憶装置9およびクロック発生装置14を備える。制御部5はCPU等のマイクロプロセッサを含み構成され、記憶装置9は、RAMおよびROM等を含み構成される。記憶装置9にはあらかじめ制御プログラムが記憶され、CPUが当該制御プログラムを適宜RAM上に展開することにより、読取制御、ジョブ管理、プリンタ制御、対話制御、計時処理、時刻調整処理等を行うようになっている。
【0033】
また、電波受信機6は、標準電波システムに基づいた基準時刻を取得するために、標準電波を受信する。また、GPS受信機7は、GPS受信機能を使用して、基準時刻を取得するために、GPSにより衛星が送信するシステム時刻データを受信する。I/F8は外部機器等とネットワーク2を介して通信する。この通信先としては例えば、原子時計等から標準時刻等の基準時刻を配信するNTP(Network Time Protocol)サーバがある。クロック発生装置14は、一定周波数のクロックパルスを発生する。
【0034】
このように本実施形態にかかる画像形成装置1は基準時刻の取得手段として電波受信機6、GPS受信機7、NTPサーバと通信することが可能なI/F8を備えている。これは、電波受信機6、GPS受信機7、およびNTPサーバとの通信手段のそれぞれを備えることで、例えば電波が受信できない地域または、NTPサーバでサポートされない地域など、何らかの事情により1つの基準時刻取得手段では基準時刻を取得することができない地域があることを考慮しているものである。ただし、これらをすべて備える必要はなく、いずれか1つであってもよい。この場合であっても、I/F8は外部機器との通信手段として必要となる場合がある。
【0035】
制御部5による読取制御としては、ADF10を制御して載置された原稿を画像読取部20に搬送させ、当該原稿を画像読取部20によって読み取らせる。
【0036】
ジョブ管理では、画像読取部20によって、またはネットワーク2およびI/F8を介して画像データを取得した後、当該画像データを印刷ジョブとして受け付ける。印刷ジョブを受け付けると各印刷ジョブをまとめ、受け付けた印刷ジョブの優先順位に基づき実行順等を管理する。このようにして取得した画像データついて画像処理を実行させる。さらに、画像読取部20が読み取った原稿を排紙させる。
【0037】
プリンタ制御では、印刷ジョブを実行して、画像書込部21、画像形成部22、搬送部30、給紙トレイ40を制御して、取得した画像データを出力させる。
【0038】
対話制御では、ユーザが印刷ジョブ等に関する事項およびその他の事項を設定するための表示画面を、ユーザインターフェイス(UI:User Interface)11に表示させる。印刷ジョブ等に関する事項とは、例えば、当該印刷ジョブにかかる、用紙についての項目(拡大・縮小倍率、用紙方向、出力用紙、給紙トレイ)、出力についての項目(出力方法、部数、排紙トレイ、排紙モード、ソート、仕分け)、製本についての項目(とじ位置、印刷種類)等である。その他の事項とは、例えば、時刻調整の間隔や、基準時刻の取得方法、時刻調整の実行タイミング等である。なお、これらは画像データに付加されていてもよい。
【0039】
このユーザによる条件の設定方法の一例として、図7に示すような設定画面による当該条件の設定方法がある。図7は、本発明の実施形態における時刻調整の予定時刻、時刻調整方法および時刻調整の実行タイミングに関する設定についての設定画面である。ユーザはこの設定画面において時刻調整の予定時刻と、実際に時刻を調整するタイミングを設定する。ここで、予定時刻とは、ユーザが設定した時刻調整の実行を予定している時刻であり、後述する第1および第2の実行制御により、予定時刻に時刻調整を行わない場合がある。また、時刻調整の実行タイミングに関する設定とは、後述する第1および第2の実行制御により、時刻調整の実行タイミングを印刷ジョブの処理前か処理後に変更するための設定である。
【0040】
例えば、図7に示すように、1日の時刻調整回数、予定時刻の基準となる時刻調整の時間間隔や、印刷ジョブと時刻調整の予定時刻が重複するおそれがある場合、印刷ジョブの処理前または処理後の時刻調整の実行タイミング、電波受信機6、GPS受信機7、NTPサーバなどの基準時刻の取得方法等を設定することができる。
【0041】
ユーザによってこれらの設定された条件を設定情報としてRAM上に記憶しておく。例えば制御部5は、画像形成装置1が有する時刻情報としての現在時刻から、設定された時刻調整の時間間隔が経過した時刻を、次の時刻調整の予定時刻として記憶装置9に登録する。原則として、この予定時刻に基づき時刻調整が行われるが、後述する実行タイミング制御により予定時刻に前後して時刻調整が行われる場合がある。さらに、時刻調整の実行タイミングや、基準時刻の取得方法も登録される。
【0042】
計時処理では、クロック発生装置14等の計時機能を有する装置からクロックパルス信号を受けることにより、画像形成装置1における記憶装置9に記憶されている現在時刻に対して加算処理を行い、当該現在時刻を時々刻々と更新させる。また、当該記憶されている現在時刻を提供する。
【0043】
なお、本実施形態のクロック発生装置14および制御部5における計時処理は、本発明における「計時手段」の一例である。標準電波システム、GPS、NTPサーバは、本発明における「時刻配信システム」の一例である。電波受信機6、GPS受信機7、I/F8は、本発明における「基準時刻取得手段」の一例である。記憶手段9におけるROM、RAMは本発明における「記憶手段」の一例である。
【0044】
時刻調整処理では、ユーザがユーザインターフェイス11により設定した、時刻調整の実行タイミングにかかる制御を行う。以下、印刷ジョブの処理前に時刻調整を実行する実行制御を第1実施形態、印刷ジョブの処理後に時刻調整を実行する実行制御を第2実施形態、またはこれらの実行制御を選択的に設定することができる形態を第3実施形態として、実施形態ごとに詳細に説明する。
[第1実施形態]
【0045】
この発明の第1実施形態にかかる画像形成装置1の制御部5では、前述の時刻調整処理として、一定条件の下に時刻調整の実行タイミングを制御し、時刻調整を印刷ジョブ開始前に実施させる時刻調整処理を行う。この時刻調整処理としては、処理時間予測処理、終了時刻予測処理、第1の実行制御、第1の時刻変更処理、基準時刻取得制御がある。以下、図2、図4および図7を用いて説明する。
【0046】
制御部5は、処理時間予測処理として、印刷ジョブを受け付けるたびに、当該印刷ジョブにかかる処理時間をページ数・部数等から予測する。例えば、あらかじめ記憶装置9に記憶されている1ページあたりの印刷処理に要する時間を読み出すとともに、その読み出した1ページあたりの処理時間に、予測した印刷ジョブにおけるページ数を乗じた数値を求めて当該印刷ジョブの処理時間を算出する(処理時間予測機能)。
【0047】
この処理時間予測処理は、印刷ジョブの受け付け時に行われるので、例えば、先行する印刷ジョブの実行中に当該処理が行われることにより、当該処理にかかる時間を省略することができ、印刷ジョブおよび当該処理時間予測処理を効率よく実行することができる。ただし、印刷ジョブが実行される直前に行ってもよい。
【0048】
終了時刻予測処理では、処理時間が算出された印刷ジョブの実行開始直前に、当該予測した処理時間と記憶装置9に記憶されている現在時刻に基づき、印刷ジョブの終了時刻を予測する。例えば、制御部5は、記憶装置9から取得した現在時刻から印刷ジョブ開始時刻を求める。その印刷ジョブ開始時刻から、処理時間予測機能により算出された当該印刷ジョブの処理時間が経過した時の時刻を、当該印刷ジョブの終了時刻と予測する(終了時刻予測機能)。
【0049】
この終了時刻予測処理は、印刷ジョブが実行される直前に実行されるので、印刷ジョブを受け付けた時に終了時刻予測処理を行う場合に比べて、当該処理時と実際の印刷ジョブ開始時との間に起きうる事象による影響を受けにくく、終了時刻をより正確に予測することができる。ただし、印刷ジョブを受け付けた時に終了時刻予測処理を行ってもよく、この場合は、終了時刻予測処理にかかる時間を待って印刷ジョブの実行を開始する必要がなくなる。
【0050】
第1の実行制御では、当該予測した印刷ジョブの終了時刻と、ユーザインターフェイス11等によりユーザが設定した時刻調整間隔等に基づいて定まる時刻調整の予定時刻とを比較する。さらに、当該比較の結果、終了時刻より前に予定時刻が到来する場合は、次に述べる第1の時刻変更取得機能に対し、予定時刻ではなく、印刷ジョブの開始前に時刻調整の実行命令を送信する(第1の実行制御)。
【0051】
第1の時刻変更処理では、時刻調整の予定時刻が到来したとき、または第1の実行制御から実効命令を受信したときに、記憶装置9における現在時刻を、基準時刻取得制御によって取得した基準時刻に変更する。例えば、その変更は取得した基準時刻を記憶装置9に上書きして記憶させることにより行う(第1の時刻変更機能)。
【0052】
基準時刻取得制御では、第1の時刻変更機能が前述の第1の実行制御機能による実行命令を受信したときに、電波受信機6などから、基準時刻を取得させるものである(基準時刻取得機能)。
【0053】
なお、本実施形態の制御部5における処理時間予測機能は、本発明における「処理時間予測手段」の一例である。第1の時刻変更機能は、本発明における「時刻変更手段」の一例である。終了時刻予測機能は、本発明における「終了時刻予測手段」の一例である。第1の実行制御は、本発明における「実行制御」の一例である。
【0054】
次に、図4を用いて、第1実施形態にかかる画像形成装置1の実行タイミング制御の動作の説明をする。図4は、本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置1において、時刻調整の実行タイミング制御の動作を表す図面である。
(動作)
【0055】
(S01)
制御部5は、ネットワーク2からI/F8を通じて、またはスキャナ部3を通じて画像データを取得することにより、当該画像データにかかる印刷ジョブを受け付ける。受け付けた印刷ジョブの優先順位を定め、定めた優先順位に基づいた順番で印刷ジョブを実行させる(ジョブ管理)。
【0056】
(S02)
制御部5は、印刷ジョブを受け付けると当該印刷ジョブの処理時間の予測値を、当該印刷ジョブにかかるページ数・部数等から予測する(処理時間予測機能)。
【0057】
(S03)
制御部5は、印刷ジョブを受け付けた後、S01において処理順が定められた印刷ジョブについて、その実行開始直前に、記憶装置9に記憶されている現在時刻を取得し、その取得した現在時刻から、当該印刷ジョブの開始時間を予測する(終了時刻予測機能)。
【0058】
(S04)
制御部5は、S02で予測した印刷ジョブの開始時間から、S02で予測した印刷ジョブの処理時間が経過した時刻を、当該印刷ジョブの終了時刻として予測する(終了時刻予測機能)。
【0059】
(S05)
制御部5は、あらかじめ設定された時刻調整の予定時刻を、記憶装置9から取得する(第1の実行制御)。
【0060】
(S06)
制御部5は、S04で予測した当該印刷ジョブの終了時刻と、S05で取得した時刻調整の予定時刻とを比較して、当該印刷ジョブの終了時刻より前に時刻調整の予定時刻が到来するかどうかを判断する(第1の実行制御)。
【0061】
(S07)
S05において、当該印刷ジョブの終了時刻より前に時刻調整の予定時刻が到来すると判断した場合(S05;Yes)、制御部5は、予定時刻が到来していなくても、印刷ジョブの実行前に、電波受信機6などから基準時刻を取得して、新たな現在時刻として記憶装置9に記録し、画像形成装置1の現在時刻を調整する(第1の実行制御、基準時刻取得機能、第1の時刻変更機能)。
【0062】
(S08)
S07において時刻調整が実行されたら、制御部5は、当該印刷ジョブを実行させ、画像書込部21、画像形成部22、搬送部30、給紙トレイ40を制御して、取得した画像データを出力させる(プリンタ制御)。
【0063】
(S09)
S05において、当該印刷ジョブの終了時刻より後に時刻調整の予定時刻が到来すると判断した場合(S05;No)、当該印刷ジョブを実行させ、画像書込部21、画像形成部22、搬送部30、給紙トレイ40を制御して、取得した画像データを出力させる(プリンタ制御)。
【0064】
(S10)
S09において当該印刷ジョブが実行され終了すると、当該印刷ジョブの終了時刻より、時刻調整の予定時刻が後なので、あらかじめ設定された時刻調整の予定時刻に、電波受信機6、GPS受信機7またはNTPサーバなどから基準時刻を取得して記憶装置9に記録し、画像形成装置1の現在時刻を変更する(基準時刻取得機能、第1の時刻変更機能)。
【0065】
(S11)
制御部5は、次回の時刻調整の予定時刻を設定し、記憶装置9に登録する。ここで、次回の予定時刻とは、図7のような設定画面で設定された時刻、または変更された現在時刻から、設定された間隔の時間が経過した時刻である。
[第2実施形態]
【0066】
この発明の第2実施形態にかかる画像形成装置1の制御部5では、前述の時刻調整処理として、一定条件の下に時刻調整の実行タイミングを制御し、時刻調整を印刷ジョブ終了後に実施させる時刻調整処理を行う。この時刻調整処理としては、処理時間予測処理、終了時刻予測処理、第2の実行制御、第2の時刻調整処理、基準時刻調整処理がある。以下、図2、図5および図7を用いて説明する。
【0067】
制御部5は第2の実行制御として、ユーザインターフェイス11等によりユーザが設定した時刻調整の予定時刻が到来したときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断する。さらに、当該判断の結果、印刷ジョブが実行中であると判断した場合は、予定時刻であっても時刻調整を保留し、当該実行中であった印刷ジョブの終了後に時刻調整の実行命令を送信する(第2の実行制御機能)。
【0068】
時刻調整の予定時刻が到来したとき、または第1の実行制御から実行命令を受信したときに、記憶装置9における現在時刻を、基準時刻取得制御によって取得した基準時刻に変更する。例えば、その変更は取得した基準時刻に基づいて記憶装置9に上書きして記憶させることにより行う(第2の時刻変更機能)。
【0069】
基準時刻取得制御では、第2の時刻変更機能が前述の第2の実行制御機能による実行命令を受信したときに、電波受信機6などから、基準時刻を取得させるものである(基準時刻取得機能)。
【0070】
なお、本実施形態の制御部5における基準時刻取得機能は、第2の時刻変更機能は、本発明における「時刻変更手段」の一例である。また、第2の実行制御は、本発明における「実行制御」の一例である。
【0071】
次に、図5を用いて、第2の実施形態にかかる画像形成装置1の実行タイミング制御の動作の説明をする。図5は、本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置1において、時刻調整の実行タイミング制御の動作を表す図面である。
(動作)
【0072】
(S21)
ユーザインターフェイス11等によりユーザが設定した時刻調整の予定時刻が到来したときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断する(第2の実行制御)。
【0073】
(S22)
制御部5は、S21の判断の結果、印刷ジョブが実行中であると判断した場合は(S21;Yes)、時刻調整機能を制御して、予定時刻であっても時刻調整を保留する(第2の実行制御)。
【0074】
(S23)
制御部5は、S21の判断の結果、印刷ジョブが実行中であると判断した場合(S21;No)、または当該実行中であった印刷ジョブが終了すると、電波受信機6(図2)などから基準時刻を取得して記憶装置9に記録し、画像形成装置1の現在時刻を調整する(第2の実行制御機能、第2の時刻変更機能、基準時刻取得機能)。
【0075】
(S24)
制御部5は、次回の時刻調整の実行タイミングを設定し、記憶装置9に登録する。ここで次回の時刻調整の実行タイミングとは、図7のような設定画面で設定された時刻、または変更された現在時刻から、設定された間隔の時間が経過した時刻である。
[第3実施形態]
【0076】
この発明の第3実施形態にかかる画像形成装置1では一定条件の下に時刻調整の実行タイミングを制御し、時刻調整をユーザの選択によって、印刷ジョブ実行前または印刷ジョブ終了後に実施させる制御を行う。以下、図2、図6および図7を用いて説明する。
【0077】
第3実施形態における制御部5は前述の、「第1または第2の実行制御機能」「第1または第2の時刻変更機能」、「基準時刻取得機能」「処理時間予測機能」「終了時刻予測機能」を備えている。これらの機能は第1・第2実施形態における機能と同じ機能であり説明を割愛する。
【0078】
なお、本実施形態の制御部5における処理時間予測機能は、本発明における「処理時間予測手段」の一例である。第1または第2の時刻変更機能は、本発明における「時刻変更手段」の一例である。終了時刻予測機能は、本発明における「終了時刻予測手段」の一例である。第1または第2の実行制御は、本発明における「第1の実行制御」または「第2の実行制御」の一例である。設定機能は、本発明における「設定手段」の一例である。
【0079】
図7は、本発明の実施形態における時刻調整間隔および時刻調整タイミング等時刻調整に関する設定についての設定画面である。ユーザは図7のような設定画面において、時刻調整の実行タイミング制御について設定する。このような設定があると、制御部5は、当該設定を記憶装置9(図2)に記憶させ、当該記憶させた設定に基づき、時刻調整の実行タイミングにかかる制御が行われる(設定機能)。
【0080】
例えば図7のように、時刻調整の実行タイミングにかかる制御についてユーザは、図2におけるユーザインターフェイス11等により設定画面の各設定事項を設定していく。この設定事項は、時刻調整の予定時刻に関する事項、調整方法、実行タイミングなどである。
【0081】
図7の設定画面の調整間隔設定領域50では、時刻調整を実行する調整間隔を設定することができる。例えば、調整回数設定領域51では1日における時刻調整の回数を設定することができ、時間間隔指定領域52では、時刻調整を行う間隔を設定することができる。図7においては、180分おきで1日2回時刻調整が行われる設定が表されている。
【0082】
調整時刻設定領域60では、時刻調整を実行する時刻を設定することができる。例えば、時刻指定領域61では、時刻調整をする時刻について時分を指定することができる。図7においては、時間間隔指定領域52において時刻調整が実行される時間間隔のみが設定されており、時刻指定は行わない設定が表示されている。
【0083】
調整方法設定領域70では、時刻調整の調整方法を設定することができる。この調整方法とは、基準時刻を取得する方法であり、本実施形態においては、図2における電波受信機6、GPS受信機7、NTPサーバ(ネットワーク2、I/F8を介する)のいずれか1つを取得手段として指定する。例えば、調整方法選択領域71において、電波受信機6、GPS受信機7、NTPサーバのいずれか1つを選択する。図7においては、基準時刻取得手段としてNTPサーバが選択されている。
【0084】
NTPサーバ設定領域80では、基準時刻を取得するための配信システムとして、NTPサーバを設定することができる。このNTPサーバの設定は、調整方法設定領域70において、NTPサーバを設定したときに行うものである。例えば、NTPサーバ選択領域81において記憶装置9(図2)等に登録されているNTPサーバを選択的に設定することができる。図7においては、記憶装置9に登録されているNTPサーバの1つが選択されている。
【0085】
実行タイミング設定領域90では、時刻調整の実行タイミングを設定することができる。例えば、実行タイミング選択領域91において「処理前に実行」、または「処理後に実行」を選択する。ここで、「処理前に実行」とは、前述の第1実施形態における第1の実行制御をいい、「処理後に実行」とは、前述の第2実施形態における第2の実行制御をいう。図7においては、時刻調整の実行タイミングとして、「処理後に実行」する設定が表されている。
【0086】
次に、図6を用いて、第3の実施形態にかかる画像形成装置1の時刻調整の設定から、設定した実行タイミング制御が周期実行されるまでの動作の説明をする。図6は、本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置1において、時刻調整の実行タイミングを設定する一連の動作を説明するためのフローチャートである。
(動作)
【0087】
(S31)
ユーザは、時刻調整の予定時刻・方法・実行制御(実行タイミング)にかかる各種設定をする。時刻調整の実行制御については、第1の実行制御または第2の実行制御のいずれかを選択することにより設定する。
【0088】
(S32)
制御部5は、ユーザにより選択された時刻調整の実行制御が、第1の実行制御であるかについて判断する。
を記憶装置9(図2)等に記憶させる。
【0089】
(S33)
制御部5は、S32の判断の結果、選択された時刻調整の実行制御について第1の実行制御であると判断した場合は(S21;Yes)、時刻調整の実行制御方法として、第1の実行制御を登録する。
【0090】
(S34)
制御部5は、S32の判断の結果、選択された時刻調整の実行制御について第1の実行制御でないと判断した場合は(S32;No)、時刻調整の実行制御方法として、第2の実行制御を登録する。
【0091】
(S33)
制御部5は、時刻調整の実行制御方法として、第1または第2の実行制御を登録すると、選択した第1または第2の実行制御に基づき、時刻調整の実行タイミング制御の周期実行を開始する。
【0092】
なお、設定された第1の実行制御、または第2の実行制御は、前述の第1の実行制御、または第2の実行制御と同じ動作をするものであり、ここでは説明を割愛する。
【0093】
(作用効果)
【0094】
以上説明した本実施形態にかかる画像形成装置の作用及び効果について説明する。
【0095】
本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置は、印刷ジョブの実行前に、当該印刷ジョブにかかる処理時間を求め、当該印刷ジョブの処理開始時間を予測して、この印刷ジョブの処理開始時間および処理時間から当該印刷ジョブの終了時刻を算出し、時刻調整の実行タイミングと重複するかどうかを判断し、重複する場合は当該印刷ジョブの終了を待って時刻調整を行うように構成されている。
【0096】
したがって、印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、結果として、同一の印刷ジョブのページ間で出力時刻順が逆転する事態を防止し、印刷ジョブの残時間表示、終了時刻表示が変化してしまう事態を防止することができ、ユーザを混乱させないようにすることが可能となる。
【0097】
また、本発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置は、時刻調整の予定時刻が到来したときに、実行中の印刷ジョブが存在するかを判断し、実行中の印刷ジョブが存在する場合は、時刻調整の予定時刻が到来しても前記印刷ジョブの終了を待ってから時刻調整を実行するように構成されている。
【0098】
したがって、印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、結果として、印刷ジョブのページ間で出力時刻順が逆転する事態を防止し、印刷ジョブの残時間表示、終了時刻表示が変化してしまう事態を防止することができ、ユーザの混乱が生じないようにすることが可能となる。
【0099】
また、本発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置は、印刷ジョブおよび時刻調整の実行タイミングにかかる制御について、前述の第1の実行制御、および前述の第2の実行制御のいずれかを選択的に設定し、選択したいずれかの実行制御を行わせる構成となっている。したがって、ユーザの所望のタイミングで時刻調整の実行制御を行わせることができる。
【0100】
また、本発明の第1〜第3の実施形態にかかる画像形成装置によれば、前述のように印刷ジョブ実行中に時刻調整を行うことがなく、画像形成装置における出力ログや出力用紙順を適切に管理することができる。
(変形例)
【0101】
次に、本発明にかかる画像形成装置の変形例について、以下に説明する。
【0102】
第1の実施形態にかかる画像形成装置1では、印刷ジョブを受け付けるたびに当該印刷ジョブの処理時間を算出し、終了時刻を予測するように構成されているが、本発明はこの実施形態に限られない。例えば、時刻調整の予定時刻の数時間前(予定時刻前1時間以内等)の印刷ジョブのみ終了時刻を予測するように構成としてもよい。
【0103】
また、第2の実施形態にかかる画像形成装置1では、時刻調整の予定時刻が到来したときに、実行中の印刷ジョブが存在する場合は、印刷ジョブの終了後に時刻調整を実行するように構成されているが、本発明はこの実施形態に限られない。例えば、時刻調整の予定時刻に、実行中の印刷ジョブが存在したときに、当該印刷ジョブが複数部数にかかるものである場合は、複数部数のうち1部の処理を実行し、当該1部の処理が終了し、次の1部について処理する前に時刻調整を実行するような構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】この発明の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる画像形成装置の出力ログを表示する表示画面を示す図である。
【図4】この発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置による時刻調整の実行タイミング制御の一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施形態にかかる画像形成装置による時刻調整の実行タイミング制御の一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明の第3の実施形態にかかる画像形成装置による時刻調整の実行タイミング制御を設定する一連の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明の実施形態にかかる画像形成装置による時刻調整の実行タイミング制御を設定する設定画面を説明するための図である。
【符号の説明】
【0105】
1 画像形成装置
2 ネットワーク
3 スキャナ部
5 制御部
6 電波受信機
7 GPS受信機
8 I/F
9 記憶装置
10 ADF
11 ユーザインターフェイス
20 画像読取部
21 画像書込部
22 画像形成部
30 搬送部
40 給紙トレイ
50 調整間隔設定領域
51 調整回数設定領域
52 時間間隔指定領域
60 調整時刻設定領域
61 時刻指定領域
70 調整方法設定領域
71 調整方法選択領域
80 NTPサーバ設定領域
81 NTPサーバ選択領域
90 実行タイミング設定領域
91 実行タイミング選択領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、
現在時刻を計時する計時手段と、
時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、
前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、
前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、
少なくとも印刷ジョブの実行前に、該印刷ジョブの終了時刻を算出する終了時刻予測手段と、
前記予定時刻が前記終了時刻より前に到来するときは、前記印刷ジョブの実行前に、前記変更を実行させる実行制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、少なくとも印刷ジョブを受け付けた際に該印刷ジョブの処理時間を予測する処理時間予測手段をさらに備え、
前記終了時刻予測手段は、前記現在時刻から前記予測された処理時間が経過した時刻を前記終了時刻として予測すること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、
現在時刻を計時する計時手段と、
時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、
前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、
前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する実行制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置を、
現在時刻を計時する計時手段、
時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段、
前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段、
前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段、
少なくとも印刷ジョブの実行前に、印刷ジョブの終了時刻を算出する終了時刻予測手段、
前記予定時刻が前記算出された終了時刻より前に到来するときは、前記印刷ジョブの実行前に、前記現在時刻の前記変更を実行させる実行制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに前記画像形成装置を、
少なくとも印刷ジョブを受け付けた際に該印刷ジョブの処理時間を予測する処理時間予測手段として機能させ、
前記終了時刻予測手段を、前記現在時刻から前記予測された処理時間が経過した時刻を前記終了時刻として予測するよう機能させること、
を特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置を、
現在時刻を計時する計時手段、
時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段、
前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段、
前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、
前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する実行制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
受け付けた印刷ジョブの実行を時刻で管理して画像を形成する画像形成装置であって、
現在時刻を計時する計時手段と、
時刻配信システムから基準時刻を取得する基準時刻取得手段と、
前記現在時刻を、前記取得された基準時刻に変更する時刻変更手段と、
前記変更を実行する予定の予定時刻をあらかじめ記憶する記憶手段と、
印刷ジョブを受け付けると当該印刷ジョブの終了時刻を算出する処理時刻予測手段と、
前記予定時刻が前記終了時刻より前に到来するときに、前記印刷ジョブの実行前に、前記変更を実行させる第1の実行制御または、
前記予定時刻になったときに、印刷ジョブが実行中であるかを判断し、印刷ジョブが実行中であると前記判断された場合は、前記印刷ジョブの終了を待ってその終了後に前記現在時刻の前記変更を実行する第2の実行制御
のいずれか一方をあらかじめ選択的に設定する設定手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−902(P2008−902A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169799(P2006−169799)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】