説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】個々の画像処理装置に対応させて画像形成処理の制限を課すことができる画像形成装置等を提供する。
【解決手段】プリンタ3は、デジタルカメラ1に記憶された識別情報を取得する制御部29と、識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与すると共に、制限情報が付与された識別情報を蓄積するIDリスト管理部27とを備える。そして制御部29は、識別情報を取得した際に当該取得した識別情報とIDリスト管理部27に蓄積された識別情報とを比較し、当該比較結果、及び比較の対象となった識別情報に付与された制限情報に基づいて印刷部19に印刷処理を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、デジタルカメラ等の画像処理装置から画像データを取得し、取得した画像データに基づく画像を形成する画像形成装置が知られている。この様な発明としては、特許文献1に記載された発明がある。
【0003】
【特許文献1】特開2003−244583公報
【0004】
具体的には、特許文献1に記載された発明によれば、PictBrige(登録商標)機能を用いることで画像処理装置から取得した画像データを直接印刷することができることとしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この様な画像形成装置を用いた場合、画像形成装置は、様々なユーザが所有する画像処理装置と通信可能に構成される。そして、画像形成装置に接続された全ての画像処理装置から無制限に印刷要求を受け入れて画像形成処理を行うことは、セキュリティ上の観点等から画像形成装置の所有者に不利益を及ぼす場合がある。
【0006】
そこで、本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、個々の画像処理装置に対応させて画像形成処理の制限を課すことができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、画像処理装置から取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置において、前記画像処理装置に記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与する制限情報付与部と、前記制限情報付与部において前記制限情報が付与された前記識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、前記識別情報取得部が前記識別情報を取得した際に当該取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された識別情報とを比較する識別情報比較部と、前記識別情報比較部における比較結果、及び比較の対象となった前記識別情報に付与された制限情報に基づいて前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、画像形成装置は、識別情報を有していない画像処理装置から画像データが入力された場合においても、制限情報付与部によって各識別情報に対応させて制限情報を付与することができる。
【0009】
また、本発明にかかる画像形成装置は、外部ユニットから取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置において、前記外部ユニットに記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、複数の識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、前記識別情報取得部が取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された複数の識別情報とを比較する識別情報比較部と、前記識別情報比較部における比較結果により、前記識別情報取得部が取得した識別情報が前記識別情報蓄積部に蓄積されていないと判断した場合、前記外部ユニットの画像形成処理を制限する画像形成部とを備えることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、画像形成装置は、識別情報蓄積部に蓄積されている識別情報と一致しない識別情報を有する外部ユニットから画像データを取得した場合においても、新規な外部ユニットであると判断して印刷制限を課すことができる。
【0011】
また、本発明にかかる画像形成システムは、画像処理装置と画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムにおいて、前記画像処理装置は、画像データ及び識別情報を記憶する画像データ記憶部を備え、前記画像形成装置は、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像処理装置に記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与する制限情報付与部と、前記制限情報付与部において前記制限情報が付与された前記識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、前記識別情報取得部が前記識別情報を取得した際に当該取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された識別情報とを比較する識別情報比較部と、前記識別情報比較部における比較結果、及び比較の対象となった前記識別情報に付与された制限情報に基づいて前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴としている。
【0012】
この構成によれば、画像形成装置は、識別情報を有していない画像処理装置から画像データが入力された場合においても、制限情報付与部によって各識別情報に対応させて制限情報を付与することができる。
【発明の効果】
【0013】
この様に本発明によれば、個々の画像処理装置に対応させて画像形成処理の制限を課すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
第1の実施の形態にかかる画像形成システムは、図1に示す様に、画像処理装置としてのデジタルカメラ1と、画像形成装置としてのプリンタ3とを備える。そしてプリンタ3は、デジタルカメラ1によって撮像され記憶された画像データを取得し、印刷する。
【0016】
デジタルカメラ1は、撮像を行う撮像部5と、撮像部5において撮像された画像及びデジタルカメラ1固有の識別情報を記憶する記憶部7と、ユーザが各種操作を行う為の操作部9と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部11と、プリンタ3とのインターフェイスとしてのUSBコネクタ部13と、デジタルカメラ1の全体の制御を行う制御部15とを備える。そしてこの様なデジタルカメラ1は、撮像部5において撮像され生成された画像データを記憶部7に記憶させる。そして、デジタルカメラ1がプリンタ3と接続された際にプリンタ3は、記憶部7に記憶された画像データ、及び記憶部7に記憶された識別情報を読み出す。ここで、識別情報とは、例えばデジタルカメラ1の製造時にデジタルカメラに付与されたVenderID,ProductID等、各個体に応じて付与された情報をいう。
【0017】
また、プリンタ3は、デジタルカメラ1とのインターフェイスとしてのUSBコネクタ部17と、画像データに基づく画像を印刷する印刷部19と、ユーザが各種操作を行う為の操作部21と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部23と、各種情報を記憶する記憶部25と、取得した識別情報を管理するIDリスト管理部27とを備える。またプリンタ3は、これら各部の制御を行う制御部29を備える。
【0018】
記憶部25は、制御部29がUSBコネクタ部17を介してデジタルカメラ1から取得した画像データを記憶する。そして記憶部25に記憶された画像データは、一定の処理の後、印刷部19により用紙上に印刷される。
【0019】
IDリスト管理部27は、制御部29がUSBコネクタ部17を介してデジタルカメラ1から取得したVendorID及びProductIDを保存し、管理する。具体的にはIDリスト管理部27は、図2に示す様に、過去に取得した複数のVendorID及びProductIDに対応させてそれぞれの制限情報の内容をID管理リストとして記憶する。そしてIDリスト管理部27は、制御部29からの指令に基づいて、制御部29がデジタルカメラ1から取得したVendorID/ProductIDと同一のVendorID/ProductIDをID管理リストから検索する。そしてIDリスト管理部27は、ID管理リストに、制御部29がデジタルカメラ1から取得したVendorID/ProductIDと同一のVendorID/ProductIDがある場合には、該当するVendorID/ProductIDに対応する制限情報をID管理リストから読み出し、制御部29に供給する。また、IDリスト管理部27は、制御部29がデジタルカメラ1から取得したVendorID/ProductIDと同一のVendorID/ProductIDがない場合には、その旨を制御部29に通知する。
【0020】
また、IDリスト管理部27は、新たにデジタルカメラがプリンタ3に接続された際に、ID管理リストの編集を行う。具体的にはIDリスト管理部27は、制御部29からの指令に基づいてID管理リストに新たにVendorID/ProductIDを書き込む。かかる処理は、例えば、接続されたデジタルカメラ1がプリンタ3に初めて接続されたデジタルカメラである場合に実行される。そして例えば新たにVendorID「1234−56」、ProductID「AAAA−BBBB」を有するデジタルカメラが始めてプリンタ3に接続された場合、制御部29は、かかるデジタルカメラに対して一時的に付与される制限情報として一時設定条件「1枚」を設定する旨の指令をIDリスト管理部27に供給する。一時設定条件は、例えば初めてプリンタ3に接続されたデジタルカメラ1に付与する条件として予めユーザにより指定された条件である。そしてこれによりIDリスト管理部27は、VendorID「1234−56」、ProductID「AAAA−BBBB」を有するデジタルカメラに対して制限情報として一時設定条件「1枚」を付与する。これにより当該デジタルカメラでは、上限値を1枚として印刷可能となる。そしてIDリスト管理部27は、当該デジタルカメラに記憶された画像データに基づく画像が印刷された後、制限情報の枚数制限から値「1」をデクリメントする。これにより当該デジタルカメラの枚数制限は0枚となり、プリンタ3は、次回から当該デジタルカメラからの印刷要求を拒否する。
【0021】
さらにIDリスト管理部27は、例えば操作部21を介してユーザからID管理リストの編集要求があった場合に、当該要求に基づいてID管理リストの編集を行う。具体的には制御部29は、操作部21を介してユーザからIDリストの編集要求があった場合に、IDリスト管理部27からID管理リストを取得する。そして、制御部29は、ID管理リストを表示部23に表示させる。その後、制御部29は、操作部21を介してユーザが編集した内容にかかる情報をIDリスト管理部27に供給する。そしてIDリスト管理部27は、制御部29から供給された情報に基づいてID管理リストを書き換える。これにより、プリンタ3は、各々のVendorID/ProductIDに対して新たに制限情報を付与し、又は制限情報を削除する等、制限情報の書き換えを行うことができる。
【0022】
以下、この様なプリンタ3の動作について図3を参照しながら詳細な説明を行う。
【0023】
USBケーブルを介してUSBコネクタ部17にデジタルカメラ1が接続されて一連の処理が開始すると、ステップS1においてプリンタ3は、後述するデジタルカメラの接続時シーケンス及び機器識別シーケンスを行う。そして、ステップS2においてプリンタ3は、接続されたデジタルカメラ1が既知の機器であるか否かを判断する。
【0024】
そして、接続されたデジタルカメラ1が既知の機器でないと判断した場合には、ステップS3においてプリンタ3は、一時設定条件を付与する。具体的にはかかる処理は、制御部29が、接続されたデジタルカメラ1から取得したVendorID/ProductIDに対して、例えば「1枚」を内容とする一時設定条件を付与すべき旨の指令をIDリスト管理部27に供給することで実行される。そしてこれによりIDリスト管理部27は、ID管理リストにデジタルカメラ1のVendorID/ProductIDを追加すると共に、当該VendorID/ProductIDに対応させて制限情報「1枚」を追加する。
【0025】
そしてプリンタ3は、ステップS2においてデジタルカメラ1が既知の機器であると判断した場合、及びステップS3において一時設定条件を付与した後、ステップS4の処理を実行する。
【0026】
ステップS4においてプリンタ3は、制限情報を読み込む。具体的にはかかる処理は、IDリスト管理部27が、接続されたデジタルカメラ1のVendorID/ProductIDに対応する制限情報をID管理リストから読み出すことで実行される。そしてIDリスト管理部27は、読み出した制限情報を制御部29に供給する。
【0027】
次に、ステップS5においてプリンタ3は、印刷制限があるか否かを判断する。具体的にはかかる処理は、制御部29が、IDリスト管理部27から供給された制限情報に基づいて、枚数制限があるか否かを判断する。そして制御部29は、枚数制限が課されている場合には、印刷制限があると判断する。
【0028】
そして印刷制限がないと判断した場合には、ステップS6においてプリンタ3は、印刷処理を実行する。このときプリンタ3は、接続されたデジタルカメラ1から取得した画像データについては印刷制限がないものとして、ユーザにより指定された枚数に応じて印刷処理を行う。
【0029】
一方、ステップS5において印刷制限があると判断した場合には、ステップS7においてプリンタ3は、印刷制限の内容を表示部23に表示する。そして、ステップS8においてプリンタ3は、枚数制限が0枚であるか否かを判断する。そして、枚数制限が0枚でない場合には、印刷処理を実行可能であるとしてプリンタ3は、ステップS6の処理を実行する。一方、枚数制限が0枚である場合には、ステップS9においてプリンタ3は、表示部23に印刷拒否を表示し、一連の処理を終了する。
【0030】
また、ステップS6において印刷処理を行った後、ステップS10においてプリンタ3は、枚数制限がある場合には枚数制限の値から1をデクリメントし、一連の処理を終了する。
【0031】
次に、デジタルカメラ1とプリンタ3とを接続した際の接続時シーケンスについて、図4を参照しながら詳細な説明を行う。
【0032】
一連の処理が開始するとステップS11においてプリンタ3は、デジタルカメラ1にコンフィグディスクリプタの要求を送信する。そしてこれに応じてステップS12においてデジタルカメラ1は、コンフィグディスクリプタを返信する。次に、ステップS13においてプリンタ3は、デジタルカメラ1にインターフェイスディスクリプタの要求を送信する。そしてこれに応じてステップS14においてデジタルカメラ1は、インターフェイスディスクリプタを返信する。次に、ステップS15においてプリンタ3は、デジタルカメラ1にエンドポイントディスクリプタの要求を送信する。そしてこれに応じてステップS16においてデジタルカメラ1は、エンドポイントディスクリプタを返信する。次に、ステップS17においてプリンタ3は、デジタルカメラ1にVendorIDの要求を送信する。そしてこれに応じてステップS18においてデジタルカメラ1は、VendorIDを返信する。次に、ステップS19においてプリンタ3は、デジタルカメラ1にProductIDの要求を送信する。そしてこれに応じてステップS20においてデジタルカメラ1は、ProductIDを返信する。この様な処理によりデジタルカメラ1及びプリンタ3は接続時シーケンスを実行する。
【0033】
次に、デジタルカメラ1が既知の機器であるか否かを判断する際のプリンタ3の動作について、図5を参照しながら詳細な説明を行う。
【0034】
一連の処理が開始するとステップS21においてIDリスト管理部27は、ID管理リストを参照し、比較処理を行っていないVendorID/ProcuctIDがあるか否かを判断する。そして比較処理を行っていないVendorID/ProcuctIDがある場合には、ステップS22においてIDリスト管理部27は、比較処理を行っていないVendorID/ProcuctIDがデジタルカメラ1のVendorID/ProcuctIDと一致するか否かを判断する。そしてIDリスト管理部27は、一致するVendorID/ProcuctIDが発見されるまで、又は比較処理を行っていないVendorID/ProcuctIDがなくなるまでこれらの処理を繰り返し実行する。そして、ステップS21において比較処理を行っていないVendorID/ProcuctIDがないと判断した場合、IDリスト管理部27は、一致するVendorID/ProcuctIDがないと判断する。そしてステップS23においてIDリスト管理部27は、既知のフラグをオフする。これによりプリンタ3はデジタルカメラ1が既知の機器でないと判断することができる。一方、ステップS22において対象となるVendorID/ProcuctIDがデジタルカメラ1のVendorID/ProcuctIDと一致すると判断した場合、IDリスト管理部27は、一致するVendorID/ProcuctIDがあると判断する。そして、ステップS24においてIDリスト管理部27は、既知のフラグをオンする。これによりプリンタ3はデジタルカメラ1が既知の機器であると判断することができる。
【0035】
この様にプリンタ3によれば、デジタルカメラ1が既知の機器でない場合には、一定の印刷制限を付与することができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第2の実施の形態にかかる画像形成システムは、上述した第1の実施の形態にかかる画像形成システムと同一の構成を有する箇所があるため、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0037】
具体的には、第2の実施の形態にかかる情報処理システムのプリンタ3は、モノクロ印刷及びカラー印刷を行うことができるプリンタであり、図6に示す様なID管理リストを記憶する。ID管理リストには、枚数制限に代えて、カラー制限が記憶される。また、ID管理リストには、カラー印刷の実行可能枚数を示す「カラー印刷可能枚数」が記憶される。そして、カラー制限が課されているデジタルカメラについては、例えば1枚目の印刷に関してはカラー印刷が可能に構成され、2枚目以降の印刷については、カラー印刷が制限され、モノクロ印刷のみが実行可能となる。具体的にはIDリスト管理部27は、印刷制限が課されているデジタルカメラ1からの画像について1枚目の印刷が終了したと判断した時点で、当該デジタルカメラ1のProductID/VendorIDに対応する印刷制限の書き換えを行う。一方、カラー制限が課されていないデジタルカメラについては、カラー印刷及びモノクロ印刷を実行可能に構成される。
【0038】
以下、プリンタ3の動作について、図7を参照しながら詳細な説明を行う。
【0039】
USBケーブルを介してUSBコネクタ部17にデジタルカメラ1が接続されて一連の処理が開始すると、ステップS31においてプリンタ3は、デジタルカメラの接続時シーケンス及び機器識別シーケンスを行う。そして、ステップS32においてプリンタ3は、接続されたデジタルカメラ1が既知の機器であるか否かを判断する。
【0040】
そして、接続されたデジタルカメラ1が既知の機器でないと判断した場合には、ステップS33においてプリンタ3は、一時設定条件を付与する。具体的にはかかる処理は、制御部29が、接続されたデジタルカメラ1から取得したVendorID/ProductIDに対して、例えば「制限有」を内容とする一時設定条件を付与すべき旨の指令をIDリスト管理部27に供給することで実行される。そしてこれによりIDリスト管理部27は、ID管理リストにデジタルカメラ1のVendorID/ProductIDを追加し、当該VendorID/ProductIDに対応する制限情報のフィールドに「制限有」を追加する。またこのときIDリスト管理部27は、当該VendorID/ProductIDに対応するカラー印刷可能枚数のフィールドに「1枚」を追加する。
【0041】
そしてプリンタ3は、ステップS32においてデジタルカメラ1が既知の機器であると判断した場合、及びステップS33において一時設定条件を付与した後、ステップS34の処理を実行する。
【0042】
ステップS34においてプリンタ3は、制限情報を読み込む。次に、ステップS35においてプリンタ3は、印刷制限があるか否かを判断する。
【0043】
そして、印刷制限がないと判断した場合には、ステップS36においてプリンタ3は、制限情報に基づいて印刷処理を実行する。具体的には、制限情報の内容が「制限有」でない場合、又は制限情報の内容が「制限有」であるが、カラー印刷可能枚数が0枚以上の場合には、カラー印刷及びモノクロ印刷を実行できる為、プリンタ3は、ユーザが設定した内容に基づいてカラー印刷又はモノクロ印刷を実行する。
【0044】
また、ステップS35において印刷制限があると判断された場合には、ステップS37においてプリンタ3は表示部23に印刷制限を表示する。そしてステップS36においてプリンタ3は、印刷制限に基づく印刷処理を実行する。具体的には、入力された画像データがカラー画像である場合においてもプリンタ3は、画像データをモノクロ画像に変換して印刷処理を実行する。
【0045】
そして印刷処理を実行した後、ステップS37においてプリンタ3は、制限情報を書き換える必要があるか否かを判断する。かかる処理は、IDリスト管理部27が、印刷処理を実行した際のデジタルカメラ1が印刷制限を課されている機器であるか否かを判断することで実行される。そして、印刷制限が課されていない機器である場合には、制限情報を書き換える必要がないとしてプリンタ3は一連の処理を終了する。一方、印刷制限が課されている機器でない場合には、制限情報を書き換えるべく、ステップS38の処理を実行する。
【0046】
ステップS38においてプリンタ3は、制限情報の書き換えを行う。かかる処理は、IDリスト管理部27が、印刷処理を実行した際のデジタルカメラ1のカラー印刷可能枚数を「1枚」から「0枚」に書き換える。これにより、当該デジタルカメラ1による次回の印刷時には、カラー印刷を制限することができる。その後、プリンタ3は一連の処理を終了する。
【0047】
この様に第2の実施の形態によれば、デジタルカメラ1が既知の機器でない場合には、カラー制限を課すことができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態について詳細な説明を行う。尚、第3の実施の形態にかかる画像形成システムは、上述した第1の実施の形態にかかる画像形成システムと同一の構成を有する箇所があるため、該箇所については詳細な説明を省略し、差異のある箇所についてのみ詳細な説明を行う。
【0049】
図8に示す様に、第3の実施の形態にかかる画像形成システムは、USBメモリ101を備える。そしてプリンタ109は、USBメモリ101に記憶された画像データを読み出し、印刷する。
【0050】
USBメモリ101は、画像データ並びにVendorID/ProductIDを記憶する記憶部103と、各部の制御を行う制御部105と、USBコネクタ107を備える。
【0051】
また、プリンタ109の制御部111は、制御部29の構成に加え、一定の場合にUSBメモリ101の記憶部103にIDの書き込みを行う。具体的には制御部111は、USBメモリ101のVendorID/ProductIDが読み込めず、且つ、USBメモリが書き込み可能である場合に、USBメモリの特定の番地にIDとして所定の文字列を書き込む。そしてこれによりプリンタ109は、USBメモリ等の記憶装置についても印刷制限を課すことができる。尚、以下では説明の便宜上、印刷制限として上述した枚数制限を課すものとして詳細な説明を行うが、第2の実施の形態において詳細な説明を行ったカラー制限を課すことも可能である。
【0052】
以下、プリンタ109の動作について図9を参照しながら詳細な説明を行う。
【0053】
USBケーブルを介してUSBコネクタ部17にUSBメモリ101が接続されて一連の処理が開始すると、ステップS41においてプリンタ109は、USBメモリ101の接続時シーケンス及び機器識別シーケンスを行う。そして、ステップS42においてプリンタ109は、接続されたUSBメモリ101からVendorID/ProductIDが取得できたか否かを判断する。
【0054】
そして、接続されたUSBメモリ101からVendorID/ProductIDを取得できたと判断した場合には、ステップS43においてプリンタは機器識別シーケンスを実行する。そして、ステップS44においてプリンタ109は、USBメモリ101が既知の機器であるか否かを判断する。そして、USBメモリ101が既知の機器であると判断した場合には、ステップS45においてプリンタ109は、制限情報を読み込む。次に、ステップS46においてプリンタ109は、印刷制限があるか否かを判断する。そして印刷制限がないと判断した場合には、ステップS47においてプリンタ109は、印刷処理を実行する。このときプリンタ109は、接続されたUSBメモリ101から取得した画像データについては印刷制限がないものとして、ユーザにより指定された設定に基づいて印刷処理を行う。
【0055】
一方、ステップS46において印刷制限があると判断した場合には、ステップS48においてプリンタ109は、印刷制限の内容を表示部23に表示する。そして、ステップS49においてプリンタ109は、枚数制限が0枚であるか否かを判断する。そして、枚数制限が0枚でない場合には、印刷処理を実行可能であるとしてプリンタ109は、ステップS47の処理を実行する。一方、枚数制限が0枚である場合には、ステップS50においてプリンタ109は、表示部23に印刷拒否を表示し、一連の処理を終了する。
【0056】
また、ステップS47において印刷処理を行った後、ステップS51においてプリンタ109は、枚数制限がある場合には枚数制限の値から1をデクリメントし、一連の処理を終了する。
【0057】
また、ステップS42においてUSBメモリ101からVendorID/ProductIDを取得できなかったと判断した場合には、ステップS51においてプリンタ109は、USBメモリ101に情報が書き込み可能か否かを判断する。そしてUSBメモリ101に情報が書き込み可能であると判断した場合には、ステップS53においてプリンタ109は、USBメモリ101にIDを書き込み、ステップS43以降の処理を実行する。
【0058】
また、USBメモリ101に情報が書き込み可能でないと判断した場合には、ステップS54においてプリンタ109は、USBメモリ101に記憶された画像データは印刷することができないとしてステップS50以降の処理を実行する。
【0059】
さらに、ステップS44においてUSBメモリが既知の機器でないと判断された場合には、ステップS54においてプリンタ109は、一時設定条件を付与し、ステップS45以降の処理を実行する。
【0060】
この様に、第3の実施の形態によれば、IDを書き込み可能なUSBメモリ等の記憶装置や、IDを書き込むことができない周辺機器等に対しても印刷制限を課すことができる。
【0061】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、各構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0062】
例えば上述の実施の形態では、印刷制限として枚数制限及びカラー制限を用いて詳細な説明を行ったが、印刷制限としては、両面印刷の制限等とすることも可能である。
【0063】
また、上述の実施の形態においては、画像処理装置と画像形成装置との接続方法としてUSB接続を用いることとしたが、かかる接続方法としては、双方向通信可能な方法であればどの様な方法であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施の形態にかかる画像形成システムを示すブロック図である。
【図2】同画像形成システムにおいて使用されるID管理リストの一例を示す図である。
【図3】同画像形成システムを構成するプリンタの動作を示すフロー図である。
【図4】同画像形成システムを構成するプリンタ及びデジタルカメラの動作を示すフロー図である。
【図5】同プリンタの動作を示すフロー図である。
【図6】第2の実施の形態にかかる画像形成システムにおいて使用されるID管理リストの一例を示す図である。
【図7】同画像形成システムを構成するプリンタの動作を示すフロー図である。
【図8】第3の実施の形態にかかる画像形成システムを示すブロック図である。
【図9】同画像形成システムを構成するプリンタの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0065】
1 デジタルカメラ
3,109 プリンタ
5 撮像部
7 記憶部
19 印刷部
21 操作部
23 表示部
25 記憶部
27 IDリスト管理部
101 USBメモリ
103 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置から取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置において、
前記画像処理装置に記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与する制限情報付与部と、
前記制限情報付与部において前記制限情報が付与された前記識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、
前記識別情報取得部が前記識別情報を取得した際に当該取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された識別情報とを比較する識別情報比較部と、
前記識別情報比較部における比較結果、及び比較の対象となった前記識別情報に付与された制限情報に基づいて前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記憶装置から取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置において、
前記記憶装置に記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与する制限情報付与部と、
前記制限情報付与部において前記制限情報が付与された前記識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、
前記識別情報取得部が前記識別情報を取得した際に当該取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された識別情報とを比較する識別情報比較部と、
前記識別情報比較部における比較結果、及び比較の対象となった前記識別情報に付与された制限情報に基づいて前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
入力された情報に基づいて前記識別情報に付与された前記制限情報を書き換える制限情報書換部を備えること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記識別情報取得部において前記識別情報を取得できない場合に前記記憶装置に識別情報を書き込む識別情報書込部を備えること
を特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制限情報は、画像形成処理時におけるカラー印刷を許可するか否かにかかる情報であること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制限情報は、画像形成処理時における印刷枚数の上限値にかかる情報であること
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像処理装置は、USBを介して接続されたこと
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
外部ユニットから取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う画像形成装置において、
前記外部ユニットに記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、
複数の識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、
前記識別情報取得部が取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された複数の識別情報とを比較する識別情報比較部と、
前記識別情報比較部における比較結果により、前記識別情報取得部が取得した識別情報が前記識別情報蓄積部に蓄積されていないと判断した場合、前記外部ユニットの画像形成処理を制限する画像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像処理装置と画像形成装置とを接続して構成される画像形成システムにおいて、
前記画像処理装置は、画像データ及び識別情報を記憶する画像データ記憶部を備え、
前記画像形成装置は、前記画像データ記憶部に記憶された前記画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像処理装置に記憶された識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に、画像形成処理時における制限にかかる制限情報を付与する制限情報付与部と、
前記制限情報付与部において前記制限情報が付与された前記識別情報を蓄積する識別情報蓄積部と、
前記識別情報取得部が前記識別情報を取得した際に当該取得した識別情報と前記識別情報蓄積部に蓄積された識別情報とを比較する識別情報比較部と、
前記識別情報比較部における比較結果、及び比較の対象となった前記識別情報に付与された制限情報に基づいて前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部とを備えること
を特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−80766(P2009−80766A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251294(P2007−251294)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】