説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】小冊子の最外側面及び最内側面を従来よりも自由なレイアウトで印刷することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】画像形成装置としての複合機1は、原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、そのページを例外ページとして小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける割付部16aと、割り付け部16aによって割り付けられた例外ページを含めて原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて小冊子を作成し得る印刷画像を生成する印刷画像データ生成部16bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、ファクシミリ、或いはこれら各機器の機能を複合化した複合機等の画像形成装置は、ユーザーの利便性の向上を図るため或いは付加価値を高めるために多機能化が進んでいる。例えば、近年の画像形成装置は、画像が形成される記録媒体としての印刷用紙を節約し、両面印刷物の体裁を良くして閲覧を便利にすることができるブックレット印刷機能(小冊子印刷機能)等を備えるものが殆どである。
【0003】
ここで、ブックレット印刷機能とは、本のような小冊子を作成する機能であり、印刷すべきページの並び替えを行ってページレイアウトを自動的に計算した上で印刷用紙の両面に集約印刷する機能である。このブックレット印刷機能を備える画像形成装置に対し、中綴じや中折りが可能なフィニッシャーが取り付けられている場合には、画像形成装置のブックレット印刷機能によって印刷された印刷物がステープラーで綴じられた状態で出力され、更には中折りされた状態で出力される。
【0004】
以上のブックレット印刷機能を用いなくとも、ユーザーが手作業でページの並び替えやページレイアウトの計算を行えば小冊子の作成は可能である。しかしながら、小冊子を手作業で作成しようとすると、複雑なページ割が必要になり、ユーザーが極めて煩雑な操作を行う必要がある。このため、小冊子を気軽に作成することができるブックレット印刷機能は極めて優れた機能である。今後、電子書籍(電子ブック)の普及に伴って、電子ブックを小冊子として印刷して読んでみたいという需要が増大すると考えられることから、ブックレット印刷機能は今まで以上に重要な機能になると考えられる。
【0005】
以下の特許文献1には、見開きページがある場合に、そのページの画像を中央で分割して左右のページにそれぞれ割り当てるとともに、左右のページの間の折りしろ部が空白とならないように分割した画像を補完して小冊子を作成する技術が開示されている。また、以下の特許文献2には、印刷すべき原稿の向き及び文書の内容(縦書き又は横書きの別)に応じて、閉じ方とページ順序を決定して小冊子を作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−46761号公報
【特許文献2】特開2000−151977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したブックレット印刷機能を用いて小冊子を作成する場合には、最外側面及び最内側面については特別な取り扱いが必要になる。その理由は、他の面とは異なり、完全な見開きが可能であって2ページに分割する必要がないからである。ここで、最外側面とは、小冊子の表紙及び裏表紙となる面をいい、最内側面とは、小冊子の最も内側に綴じられることになる面(具体的に、ステープラーによって綴じられる場合には、ステープラーの針が止まる面)をいう。このため、最外側面及び最内側面については、のど(綴じ合わせ部分)の余白が不必要であり、それを活用して2ページ分を連結したレイアウトのページ割りが可能となる。
【0008】
しかしながら、従来は、基本的に全てのページが同等に扱われていたため、上述した通り、最外側面及び最内側面のみを他の面とは異なる扱いにして2ページ分を連結したレイアウトのページ割りを行うことは不可能であった。このため、従来は、例えばユーザーが2ページ分を連結したレイアウトの最内側面を作成したとしても、最内側面の全体が1ページに収まるように縮小印刷(例えば、A4サイズ(A5サイズ2ページ分)がA5サイズ1ページに縮小印刷)されてしまい、ブックレット印刷機能の特徴が生かしきれていないという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小冊子の最外側面及び最内側面を従来よりも自由なレイアウトで印刷することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、原稿画像に基づいて小冊子を作成し得る印刷画像を生成して印刷用紙に印刷可能な画像形成装置(1)において、前記原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、該ページを例外ページとして前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける割付手段(16a)と、前記割付手段によって割り付けられた前記例外ページを含めて前記原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて前記印刷画像を生成する印刷画像生成手段(16b)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記印刷画像生成手段が、前記原稿画像の入れ替えに際し、前記原稿画像の前記例外ページ以外の複数ページを前記印刷用紙に集約させることを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記印刷画像生成手段が、前記例外ページのページ数を前記印刷用紙に集約されるページ数として計数して前記原稿画像の入れ替えを行うことを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記印刷画像生成手段が、前記印刷画像が印刷された印刷用紙を小冊子に製本した場合に、少なくとも前記例外ページ以外のページが前記原稿画像のページ順となるように前記原稿画像の入れ替えを行うことを特徴としている。
また、本発明の画像形成装置は、前記割付手段によって前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付けられた前記例外ページの印刷に用いる印刷用紙を、他のページの印刷に用いる印刷用紙とは異なるものに指定可能であることを特徴としている。
本発明の画像形成方法は、原稿画像に基づいて小冊子を作成し得る印刷画像を生成して印刷用紙に印刷可能な画像形成方法において、前記原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、該ページを例外ページとして前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける第1ステップ(S13)と、前記第1ステップで割り付けられた前記例外ページを含めて前記原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて前記印刷画像を生成する第2ステップ(S14)と、前記第2ステップで生成された前記印刷画像を前記印刷用紙に印刷する第3ステップ(S15)とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、そのページを例外ページとして小冊子の最外側面又は最内側面に割り付け、割り付けられた例外ページを含めて原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて前記印刷画像を生成しているため、小冊子の最外側面及び最内側面を従来よりも自由なレイアウトで印刷することが可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機が用いられるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における複合機で印刷されるべき原稿画像の一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における複合機の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における複合機に対する印刷設定画面の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における複合機の印刷結果を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態における複合機の他の印刷結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による画像形成装置及び画像形成方法について詳細に説明する。尚、以下では、画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機が用いられるネットワークシステムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す通り、ネットワークシステムNSは、複合機1と端末装置2とがネットワークNを介して互いに接続された構成であり、複合機1と端末装置2との間で各種データ(例えば、原稿画像データ)の授受が可能である。
【0015】
複合機1は、本体部1a、スキャナー部1b、及び操作表示パネル1c等を備えており、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ送信/受信機能を併せ持っている。この複合機1は、ネットワークNを介して端末装置2との間で通信が可能であり、端末装置2から送信されてきた原稿画像データの印刷、スキャナー部1bで読み取った原稿画像データの端末装置2に向けた送信等が可能である。尚、詳細は後述するが、複合機1には、ブックレット印刷機能(小冊子印刷機能)が設けられている。
【0016】
端末装置2は、CPU(中央処理装置)、メモリ、ハードディスク、ディスプレイ等を備えるパーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータによって実現され、複合機1で印刷すべき原稿画像データの作成、複合機1に対する印刷指示、複合機1から送信されてくる原稿画像データの受信等が可能である。尚、詳細は後述するが、端末装置2は、複合機1に対する印刷指示として、上記のブックレット印刷機能を用いて印刷すべき旨を指示することが可能である。ネットワークNは、例えばインターネット或いはLAN(Local Area Network)等である。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による画像形成装置としての複合機の要部構成を示すブロック図である。図2に示す通り、複合機1は、制御部11、操作表示部12、通信I/F部13、画像読取部14、画像データ記憶部15、画像処理部16、用紙搬送部17、画像形成部18、及び各種センサー群19を備える。
【0018】
制御部11は、各種センサー群19から出力される各種検出信号を参照しつつ、操作表示部12から入力される操作指示、又は通信I/F部13から入力される各種指示に応じて複合機1の動作を制御する。例えば、画像読取部14による原稿画像データの読み取り制御、通信I/F部13における原稿画像データの受信制御、或いは、画像データ記憶部15に記憶されている原稿画像データの印刷制御等を行う。
【0019】
また、制御部11は、端末装置2から送信されてきた印刷指示、或いは、操作表示パネル1cから入力された印刷指示が、上述したブックレット印刷機能を用いて印刷すべき旨の印刷指示である場合には、画像処理部16、用紙搬送部17、及び画像形成部18を制御してブックレット印刷機能を実現させる。尚、かかる制御の詳細については後述する。
【0020】
操作表示部12は、図1に示す操作表示パネル1c及び各種操作キーを備えており、操作表示パネル1cや各種操作キーに対する操作内容を制御部11に出力するとともに、制御部11の制御の下で操作表示パネル1cに種々の情報を表示する。操作表示部12が備える各種操作キーは、例えばコピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、ファクシミリ機能切替キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)が挙げられる。
【0021】
尚、上記のコピー機能切替キー、プリント機能切替キー、スキャン機能切替キー、及びファクシミリ機能切替キーは、それぞれの機能をユーザーが使用する場合に、各機能の動作モードへ複合機1を切り替える為のキーである。また、前述したブックレット印刷機能を用いた印刷指示を行うためのキーは、例えばソフトキーによって用意されて操作表示パネル1cに表示される。
【0022】
通信I/F部13は、図1に示すネットワークNに接続されており、ネットワークNを介して端末装置2との間で各種信号の送受信を行う。画像読取部14は、ADF(自動原稿送り装置)及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等が設けられたスキャナー部1b(図1参照)を備えており、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサーに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。尚、画像読取部14から出力された原稿画像データは制御部11を介して画像データ記憶部15に記憶される。
【0023】
画像データ記憶部15は、例えばハードディスクドライブによって実現され、制御部11の制御の下で各種データを記憶する。例えば、通信I/F部13がネットワークNを介して端末装置2から受信する原稿画像データ等の画像データ、或いは画像処理部16で画像処理が行われた画像データを一時的に記憶する。画像処理部16は、制御部11の制御の下で画像データ記憶部15に記憶された画像データに対して各種の画像処理を行う。例えば、画像データの圧縮・伸張処理や画像データの印字率の算出処理等を行う。
【0024】
また、画像処理部16は、割付部16a(割付手段)及び印刷画像データ生成部16b(印刷画像生成手段)を備えており、前述したブックレット印刷機能を用いた印刷指示がなされた場合に、小冊子を生成し得る画像(印刷画像)を印刷するための印刷画像データを生成する。割付部16aは、印刷指示がなされた原稿画像データで示される原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、そのページを例外ページとして小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける。
【0025】
例えば、原稿画像データで示される原稿画像が7ページからなるものであり、7ページの内の6ページの大きさがA5サイズであり、残りの1ページの大きさがA4サイズである場合には、割付部16aは、A4サイズのページを例外ページとして小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける。尚、例外ページを小冊子の最外側面と最内側面との何れに割り付けるかは、例えばユーザーの指示によって設定される。
【0026】
印刷画像データ生成部16bは、割付部16aによって割り付けられた例外ページを含めて原稿画像データで示される原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて印刷画像データを生成する。ここで、印刷画像データ生成部16bは、原稿画像の入れ替えに際し、上述した例外ページを除いて原稿画像の複数ページを印刷用紙に集約させる処理を行う。また、上述した例外ページについては、そのページ数を印刷用紙に集約されるページ数(例えば、2ページ)として計数して原稿画像の入れ替えを行う。
【0027】
また、印刷画像データ生成部16bは、印刷画像データで示される印刷画像が印刷された印刷用紙を小冊子に製本した場合に、少なくとも例外ページ以外のページが原稿画像のページ順となるように原稿画像の入れ替えを行う。尚、原稿画像によっては、例外ページを含めた全てのページが原稿画像のページ順となるように原稿画像の入れ替えが行われる場合もある。
【0028】
用紙搬送部17は、搬送ローラー、搬送ローラー駆動用のモーター等を備えており、給紙カセットに収納されている印刷用紙を画像形成部18に搬送するとともに、画像形成部18で画像形成処理が行われた印刷用紙を排紙トレイに搬送する。画像形成部18は、制御部11の制御の下で、画像データ記憶部15に記憶されている原稿画像データや印刷画像データ等の画像データを用いて画像形成処理を行う。具体的には、上記の各種画像データに応じたトナー像を形成し、形成したトナー像を用紙搬送部17から搬送される印刷用紙に転写し、印刷用紙に転写したトナー像を定着する。
【0029】
各種センサー群19は、用紙切れ検出センサー、用紙詰まり検出センサー、用紙位置検出センサー、温度センサー等の画像形成動作に必要な各種センサーであり、それぞれのセンサーで検出した各種の情報を検出信号として制御部11に出力する。
【0030】
次に、上記構成における複合機1の動作について詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態における複合機で印刷されるべき原稿画像の一例を示す図である。尚、図3において、各ページに付されている白抜きの番号は、原稿画像のページ番号を示している。図3に示す原稿画像は、全7ページからなるものであり、第1〜第3ページ及び第5〜第7ページがA5サイズであり、第4ページのみがA4サイズである。つまり、図3に示す原稿画像は、第4ページが小冊子の見開きとなるように作成されたものである。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態における複合機の動作を示すフローチャートである。図4に示す処理は、端末装置2からの印刷指示がネットワークNを介して送信されてくる度に開始される。或いは、操作表示部12に設けられたコピー機能切替キーが操作されてコピー機能が有効になっている状態で、ユーザーが画像読取部14に設けられたADFに原稿をセットし、操作表示部12に設けられたスタートキーを操作してコピー開始の指示を行うことにより開始される。尚、以下では、図3に示す原稿画像を印刷すべき旨を示す印刷指示が端末装置2から送信されてきた場合を例に挙げて説明する。
【0032】
ここで、端末装置2を操作するユーザーが、複合機1に対して印刷指示を行う前に、図5に示す設定画面G1を端末装置2に表示させることにより、複合機1で行われるブックレット印刷の設定が可能である。図5は、本発明の一実施形態における複合機に対する印刷設定画面の一例を示す図である。図5に示す設定画面G1には、ブックレット印刷を行うか否かを指示するチェックボックスB1、ブックレット印刷を行う場合の綴じ方向(左綴じ又は右綴じ)を択一的に選択するラジオボタンB2、及び例外ページに対する設定領域R1が表示されている。尚、設定領域R1は、チェックボックスB1に対するチェックがなされ、且つ、印刷すべき原稿画像について大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合にのみ表示される。
【0033】
設定領域R1には、例外ページの割り付け設定を行うか否かを指示するチェックボックスB10と、例外ページに対する給紙元(印刷用紙の給紙元)の設定を行うか否かを指示するチェックボックスB20とが設けられている。また、チェックボックスB10に付随して、チェックボックスB10に対するチェックがなされた場合(例外ページの設定を行う旨が指示された場合)に、例外ページを最外側面と最内側面との何れに割り付けるのかを指示するチェックボックスB11が設けられている。
【0034】
また、チェックボックスB20に付随して、チェックボックスB20に対するチェックがなされた場合(例外ページに対する給紙元の設定を行う旨が指示された場合)に、給紙元を「カセット1」,「カセット2」,「手差し」の何れにするのかを択一的に選択するラジオボタンB21が設けられている。尚、ここでは、ユーザーによって、チェックボックスB1にチェックがなされてラジオボタンB2により左綴じが選択され、設定領域R1のチェックボックスB10にチェックがなされてチェックボックスB11により例外ページを最内側面に割り付ける指示がなされたとする。
【0035】
また、ユーザーがチェックボックスB20にチェックをし、ラジオボタンB21により給紙元を選択する操作を行えば、例外ページの印刷に用いる印刷用紙を、他のページの印刷に用いる印刷用紙とは異なるものにすることが可能である。例えば、例外ページ以外の他のページを印刷するための印刷用紙は通常の印刷用紙(白色の印刷用紙)であるが、例外ページを印刷するための印刷用紙のみを色紙にするといったことが可能である。尚、ここでは説明を簡単にするために、チェックボックスB20へのチェックはなされないものとする。
【0036】
端末装置2からネットワークNを介して送信されてきた印刷指示が複合機1で受信されると、印刷指示に含まれる原稿画像データが画像データ記憶部15に一時的に記憶されて、図4に示す処理が開始される。処理が開始されると、画像データ記憶部15に記憶された原稿画像データが制御部11に読み出されて画像処理部16に出力される。すると、画像処理部16の割付部16aによって原稿画像データで示される原稿画像の大きさがページ毎に判別され(ステップS11)、大きさが他のページよりも大きなページが存在するか否かが判断される(ステップS12)。
【0037】
ここでは、図3に示す原稿画像を印刷すべき旨を示す印刷指示が端末装置2から送信されてきており、図3に示す原稿画像は、他のページ(第1〜第3ページ及び第5〜第7ページ)のサイズ(A5サイズ)よりも大きなA4サイズの第4ページが存在するため、ステップS12の判断結果は「YES」になる。すると、割付部16aは、その第4ページを例外ページとして最側面(最内側面)に割り付ける処理を行う(ステップS13:第1ステップ)。尚、ステップS12の判断結果が「NO」の場合には、ステップS13の処理は省略される。
【0038】
ステップS13の処理が行われた場合、或いは、ステップS12の判断結果が「NO」である場合には、ブックレット印刷用にページの入れ替えを行って印刷画像データを作成する処理が画像処理部16の印刷画像データ生成部16bで行われる(ステップS14:第2ステップ)。作成された印刷画像データは、制御部11によって読み出されて画像データ記憶部15に一時的に記憶された後、再び制御部11に読み出されて画像形成部18に送られる。尚、画像データ記憶部15に記憶させる必要が無い場合には、画像処理部16で作成された印刷画像データを直接画像形成部18に送るようにしても良い。印刷画像データが画像形成部18に入力されると、印刷用紙に対する印刷が行われる(ステップS15:第3ステップ)。
【0039】
具体的には、用紙搬送部17によって印刷用紙の搬送が開始されるとともに、印刷画像データに応じたトナー像の形成が画像形成部18によって開始される。画像形成部18でトナー像が形成されると、用紙搬送部17で搬送される印刷用紙に転写されて定着される。トナー像が定着された印刷用紙は用紙搬送部17によって排紙トレイに搬送される。このようにして、印刷画像データの印刷が行われる。
【0040】
ここで、原稿画像のページ数をPとし、ブックレット印刷によって印刷される印刷用紙の枚数をNとすると、以下の関係がある。
・Pが「4」で割り切れる場合
N=P/4
・Pが「4」で割り切れない場合
N=(P/4の商)+1
【0041】
仮に、原稿画像データの全てのページが同じサイズである場合には、ステップS12の判断結果が「NO」になり、ステップS14の処理によって、n枚目(1≦n≦N)の印刷用紙に原稿画像の表側及び裏側に以下のページを印刷する印刷画像データが作成される。
・表側:第(2n−1)ページ,第(4N−2n+2)ページ
・裏側:第(4N−2n+1)ページ,第(2n)ページ
【0042】
例えば、原稿画像が8ページからなるものであり、全てのページがA5サイズであって、左綴じのブックレット印刷が指示されている場合には、以下に示す通り、2枚の印刷用紙に対する印刷が行われる。
・1枚目の印刷用紙
表側左:第8ページ/表側右:第1ページ
裏側左:第2ページ/裏側右:第7ページ
・2枚目の印刷用紙
表側左:第6ページ/表側右:第3ページ
裏側左:第4ページ/裏側右:第5ページ
【0043】
ここで、上記例の2枚の印刷用紙を小冊子に製本した場合に、最内側面になるのは2枚目の印刷用紙の裏側(第4,5ページが印刷される側)である。本実施形態では、図3に示す原稿画像の第4ページのように、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合(ステップS12の判断結果が「YES」の場合)には、ステップS13においてそのページを例外ページとして最内側面に割り付け、その例外ページを2ページとして計数する処理が行われる。その後、ステップS14においてページの入れ替えを行って印刷画像データを作成し、ステップS15において印刷画像データに応じた印刷画像を印刷用紙に印刷する処理が行われる。
【0044】
以上の処理が行われることによって、図6に示す印刷画像が印刷された印刷用紙が複合機1から排出される。図6は、本発明の一実施形態における複合機の印刷結果を示す図であって、(a)は複合機から排出される印刷用紙を示す図であり、(b)は小冊子に製本される様子を示す図である。図6(a)に示す通り、図3に示す原稿画像は、2枚の印刷用紙に対してそれぞれ以下の通り印刷される。
【0045】
・1枚目の印刷用紙
表側左:第7ページ/表側右:第1ページ
裏側左:第2ページ/裏側右:第6ページ
・2枚目の印刷用紙
表側左:第5ページ/表側右:第3ページ
裏側:第4ページ(2ページ分)
【0046】
図6(a)に示す1,2枚目の印刷用紙を裏側が内側に配置されるようにそれぞれ折り曲げ、折り曲げた2枚目の印刷用紙を折り曲げた1枚目の印刷用紙の内側に配置することで図6(b)に示す小冊子が製本される。尚、図6(b)においては、紙面表側に現れるページのページ番号を実線の番号で表し、紙面裏側に現れるページのページ番号を破線の番号で表している。図6(b)を参照すると、小冊子のページ番号が「1」〜「7」まで連続して順に配列されるとともに、図3に示す原稿画像の第4ページが最内側面の2ページに跨って印刷されていることが分かる。
【0047】
図7は、本発明の一実施形態における複合機の他の印刷結果を示す図であって、(a)は複合機から排出される印刷用紙を示す図であり、(b)は小冊子に製本される様子を示す図である。尚、図7は、例外ページを最外側面に割り付けた印刷結果を示す図である。例外ページを最外側面に割り付けた場合には、図7(a)に示す通り、図3に示す原稿画像が2枚の印刷用紙に対してそれぞれ以下の通り印刷される。
【0048】
・1枚目の印刷用紙
表側:第4ページ(2ページ分)
裏側左:第1ページ/裏側右:第7ページ
・2枚目の印刷用紙
表側左:第6ページ/表側右:第2ページ
裏側左:第3ページ/裏側右:第5ページ
【0049】
図7(a)に示す1,2枚目の印刷用紙を裏側が内側に配置されるようにそれぞれ折り曲げ、折り曲げた2枚目の印刷用紙を折り曲げた1枚目の印刷用紙の内側に配置することで図7(b)に示す小冊子が製本される。尚、図7(b)においては、図6(b)と同様に、紙面表側に現れるページのページ番号を実線の番号で表し、紙面裏側に現れるページのページ番号を破線の番号で表している。図7(b)を参照すると、表紙及び裏表紙の2ページに跨って原稿画像の第4ページが印刷されているとともに、それ以外のページは第4ページを除くページの番号が「1」〜「3」,「5」〜「7」の順で配列されていることが分かる。
【0050】
以上の通り、本実施形態では、原稿画像データで示される原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、そのページを例外ページとして小冊子の最外側面又は最内側面に割り付け、割り付けられた例外ページを含めて原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて印刷画像データを生成している。このため、小冊子の最外側面及び最内側面を従来よりも自由なレイアウトで印刷することが可能である。
【0051】
以上、本発明の一実施形態による画像形成装置及び画像形成方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置が複合機である場合を例に挙げて説明したが、本発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 複合機
16a 割付部
16b 印刷画像データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像に基づいて小冊子を作成し得る印刷画像を生成して印刷用紙に印刷可能な画像形成装置において、
前記原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、該ページを例外ページとして前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける割付手段と、
前記割付手段によって割り付けられた前記例外ページを含めて前記原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて前記印刷画像を生成する印刷画像生成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記印刷画像生成手段は、前記原稿画像の入れ替えに際し、前記原稿画像の前記例外ページ以外の複数ページを前記印刷用紙に集約させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷画像生成手段は、前記例外ページのページ数を前記印刷用紙に集約されるページ数として計数して前記原稿画像の入れ替えを行うことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷画像生成手段は、前記印刷画像が印刷された印刷用紙を小冊子に製本した場合に、少なくとも前記例外ページ以外のページが前記原稿画像のページ順となるように前記原稿画像の入れ替えを行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記割付手段によって前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付けられた前記例外ページの印刷に用いる印刷用紙を、他のページの印刷に用いる印刷用紙とは異なるものに指定可能であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
原稿画像に基づいて小冊子を作成し得る印刷画像を生成して印刷用紙に印刷可能な画像形成方法において、
前記原稿画像の大きさをページ毎に判別し、大きさが他のページよりも大きなページが存在する場合には、該ページを例外ページとして前記小冊子の最外側面又は最内側面に割り付ける第1ステップと、
前記第1ステップで割り付けられた前記例外ページを含めて前記原稿画像を予め規定されたページ順に入れ替えて前記印刷画像を生成する第2ステップと、
前記第2ステップで生成された前記印刷画像を前記印刷用紙に印刷する第3ステップと
を含むことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−29648(P2013−29648A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165301(P2011−165301)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】