説明

画像形成装置及び画像形成装置の制御方法

【課題】測定用のセンサを有さない画像形成装置と測定用のセンサを有する画像形成装置とを任意に組み合わせて、センサを有さない画像形成装置に対するキャリブレーションを実現すること。
【解決手段】カラープリンタは、測定用のセンサを有する画像形成装置における色の測定に関する測定器情報を取得し、チャート画像を生成する。測定プリンタは、カラープリンタから送信されるチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を用いてチャート画像の測定をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は色を補正するための画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラープリンタ、カラー複写機等の電子写真方式やインクジェット方式等を採用したカラー画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。特に、濃度の階調と色の安定性は、画像品質の良し悪しの判断に大きな影響を与える。
【0003】
特に電子写真方式のカラー画像形成装置においては、わずかな環境変動でも濃度の変動が生じてしまうので、常に一定の濃度の階調性を保つための手段を持つ必要がある。
【0004】
そこで、従来のカラー画像形成装置においては電子写真方式の感光ドラム上もしくは1次転写ベルト上に濃度を検出するセンサを設け、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)各色の階調特性を測定している。そして各色に対する1次元の階調補正用のLUT(Look Up Table)を作成するキャリブレーション技術が搭載されている。LUTとは、特定の間隔で区切られた入力データに対応した出力データを示すテーブルであり、演算式では表せない非線形な特性を表現することが可能である。1次元の階調補正用のLUTはC、M、Y、Kの各入力信号値を表現可能な画像形成装置側の各出力信号値を表している。画像形成装置は、この出力信号値に対応したトナーを使って紙上に画像を形成する。
【0005】
1次元のLUTを作成する際にはC、M、Y、Kの各トナーに対応した階調の異なるデータのパッチで構成されたチャートを用意して画像形成装置で出力する。画像形成装置で出力されたチャートの値を、画像形成装置の前述のセンサやスキャナ、あるいは画像形成装置以外の色測定器(測色器)等を用いて読み取る。読み取った値を予め持っているターゲットデータと比較することでCMYK独立に補正用の1次元のLUTを作成するのである。
【0006】
しかし、1次元のLUTで単色の階調特性を補正してもレッド、グリーン、ブルー、CMYを使ったグレー等の複数のトナーを使用した「混色」は画像形成装置に応じて非線形な差分が発生するため色を保証することは難しい。そこで、画像形成装置が再現可能な範囲の混色で作成されたチャートを出力してスキャナや測色器で測定して目標値と比較し、補正値を作成する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば、ICCプロファイルが持つデスティネーションプロファイルに着目し、それを修正することで混色の色差を補正する混色キャリブレーション技術が提案されている。ICCプロファイルとは、ICC(International Color Consortium)が定めた色変換時に使用するデータのことである。この手法においては、まず、混色で作成されたチャートを画像形成装置で出力し、スキャナや測色器機で測定する。その測色結果と目標値を用いて差分を作成して、ICCプロファイルが持つデバイス非依存色空間(L*a*b*)をデバイス依存色空間(CMYK)に変換する3次元のLUT(デスティネーションプロファイル)を更新して混色の色を補正することが可能となる。L*a*b*とはデバイスに依存しない色空間の1つであり、L*は輝度、a*b*は色相及び彩度を表す。
【0007】
また、近年ではスキャナや外部に接続された測色器の代わりに電子写真方式の定着プロセス後(定着器後)の紙搬送部に濃度や色を検出するセンサを設けて、出力するチャートを読み込むシステムが提供されている。
【0008】
これらの技術により、定着器後センサを用いて混色キャリブレーションを行うことが可能となっている。
【0009】
さらに定着器後センサを搭載した画像形成装置自体が測定器となり、自機だけでなく、他機の印刷物の測定を行う技術も提案されている。(たとえば特許文献2)
特許文献2に記載の技術は、まず、他機の測定用画像データ印刷物を自機の印刷紙搬送路に給紙し、電子写真プロセス処理をオフにした状態で搬送する。そして定着器後センサで濃度や色を測定してリファレンスデータを得る。かかる後に、電子写真プロセスをオンにして、自機から同一の画像データを印刷する。この印刷過程において定着器後センサで同様の測定を行い、リファレンスデータとの差分を補正するテーブルを生成している。これを適用することにより、自機の階調性を他機の階調性に合わせるようにしている。また、このように生成した補正テーブルを用いることで、他機におけるキャリブレーションが行われることが想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−165864号公報
【特許文献2】特開2003−107833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、キャリブレーションを実現するための能力や設定は個々の機種に依存するので、予め各種の設定が最適化された機器の組み合わせでしかキャリブレーションを実現することができなかった。
【0012】
例えば、定着器後センサを搭載している画像形成装置の機種毎にそれぞれ搭載するセンサの性能が異なる可能性がある。これはセンサに用いられている半導体の製造プロセス技術や電子回路技術の多様性によって、コスト面や性能面で多様な種類の定着器後センサが存在することによる。例えば定着器後センサを多く搭載する機種や少数しか搭載できない機種が市場に混在していることが想定される。またセンサが読取ることのできるパッチデータ長さがセンサの性能により短くてよいものや長くなければならないものも市場に混在していることが想定される。
【0013】
さらにはCMYKの4つの入力信号から新たなCMYKの組み合わせを出力する4D−LUTにて混色キャリブレーション機能を実現する画像形成装置がある。しかしながらその4D−LUTのデータエントリー数やデータ保持時のbit深度などのフォーマットが異なる機種が市場に混在していることが想定される。
【0014】
これらは個々の機種において個別に最適されている。従って、ある機種用に最適化して印刷されたチャートを、定着器後センサを搭載した別の機種で測定するように機器を組み合わせた場合に不具合が生じてしまう場合がある。たとえばチャート上のパッチ位置とセンサ位置が一致しないなどの機器間不整合が生じてしまい、混色キャリブレーションが成り立たない場合がある。
【0015】
このように、任意の機器組み合わせに対して機器間連携による混色キャリブレーションができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、色を測定するセンサを少なくとも1つ有する他の画像形成装置と通信可能な画像形成装置であって、前記他の画像形成装置における色の測定に関する測定器情報を取得する取得手段と、前記取得手段にて取得した測定器情報を用いてチャート画像を生成するチャート画像生成手段と、前記生成手段にて生成されたチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を前記他の画像形成装置に送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された測定チャート情報を用いて前記他の画像形成装置にて前記チャート画像の測定結果から取得されるデータであり、前記他の画像形成装置から送信される、色再現特性を補正するためのデータを受信する受信手段と、前記受信手段にて受信したデータを用いて画像を形成する画像形成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、測定用のセンサを有さない画像形成装置と測定用のセンサを有する画像形成装置とを任意に組み合わせて、センサを有さない画像形成装置に対するキャリブレーションを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態にかかる定着器後センサを有さない画像形成装置のシステム構成の例を示す図である。
【図2】実施形態にかかる定着器後センサを有する画像形成装置のシステム構成の例を示す図である。
【図3】実施形態にかかる定着器後センサを説明する図である。
【図4】実施形態にかかる定着器後センサと混色キャリブレーション用チャートとを説明する図である。
【図5】実施形態にかかる各画像形成装置の画像処理構成を説明する図である。
【図6】実施形態にかかる4D−LUTの内部データ例を示す図である。
【図7】実施形態にかかる1D−LUTと4D−LUTの概念図である。
【図8】実施形態にかかる定着器後センサを有さない画像形成装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図9】実施形態にかかる測定器情報の内部データ例を示す図である。
【図10】実施形態にかかる測定チャート情報の内部データ例を示す図である。
【図11】実施形態にかかる定着器後センサを有さない画像形成装置におけるUI表示例を示す図である。
【図12】実施形態にかかる定着器後センサを有する画像形成装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図13】実施形態にかかる定着器後センサを有する画像形成装置におけるUI表示例を示す図である。
【図14】実施形態にかかる4D−LUT生成の処理の流れの一例を示した図である。
【図15】実施形態にかかる4D−LUT生成時の3D−LUT補正処理の一例を示した図である。
【図16】4D−LUT生成時の4D−LUT補正処理を示した図
【図17】実施形態にかかる各機種の処理タイミングを示したタイムライン図である。
【図18】実施形態にかかる各機器がネットワーク接続されている一例を示す図である。
【図19】実施形態2における定着器後センサを有さない画像形成装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図20】実施形態2における定着器後センサを有する画像形成装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図21】実施形態2における定着器後センサを有さない画像形成装置におけるUI表示例を示す図である。
【図22】実施形態2における各機種の処理タイミングを示したタイムライン図である。
【図23】実施形態3におけるプリンタドライバの動作フローチャートの一例を示す図である。
【図24】実施形態3におけるプリンタドライバのUI表示例を示す図である。
【図25】実施形態3における各機種の処理タイミングを示したタイムライン図である。
【図26】実施形態4における定着器後センサを有する画像形成装置の動作フローチャートの一例を示す図である。
【図27】実施形態4における定着器後センサを有する画像形成装置のUI表示例を示す図である。
【図28】実施形態5における定着器後センサを有さないカラープリンタのシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0020】
<実施形態1>
本実施形態の概要について説明する。本実施形態では、まず、定着器後センサを搭載していないカラープリンタ(画像形成装置)が、定着器後センサを搭載しているカラープリンタ(画像形成装置)の測定器情報を取得する。以降では、特に明示しない限り、定着器後センサを搭載していないカラープリンタのことを、単にカラープリンタと称し、定着器後センサを搭載しているカラープリンタのことを、測定プリンタと称する。また、定着器後センサとは、画像形成装置の定着プロセス後(定着器後)の紙搬送部に設けられ、パッチデータの濃度、輝度、L**b*やXYZ等のデバイスに依存しない色空間の値、反射率等を検知する。
【0021】
次に、カラープリンタは、測定プリンタでの測定に最適なパッチ配置のチャートを印刷し、その際に用いた測定チャート情報を測定プリンタに送信する。そして測定プリンタはカラープリンタが出力したチャートを定着器後センサで測色し、色再現特性を補正した補正テーブルである4D−LUTを測定結果として生成する。最後にカラープリンタは前記4D−LUTを取得して出力色補正に使用する。
【0022】
[カラープリンタ構成]
図1は本実施形態におけるカラープリンタ101を示す図である。すなわち、定着器後センサを搭載していない画像形成装置の例を示す図である。カラープリンタ101はコントローラ部102とプリンタ部103から構成されている。
【0023】
コントローラ部102は図1に示すとおりCPU105などの各種モジュールがデータバス119を介して接続されて構成されている。RAM107はROM106に格納されているプログラムデータをロードし、一時記憶する。CPU105はRAM107にロードされたプログラムにしたがって各種モジュールに命令を出し、カラープリンタ101を動作させる。また、各モジュールが命令実行する際に生成されるデータなどもRAM107に一時記憶される。
【0024】
ネットワークI/F108は外部ネットワーク104とのインターフェイスモジュールである。例えばカラープリンタ101は、イーサネット(登録商標)などの通信プロトコルに基づきネットワーク104を介して他の機器から印刷データや後述する測定器情報の受信及び他の機器への測定チャート情報の送信といった双方向データ通信を行う。
【0025】
インタプリタ112は受信した印刷データのPDL(Page Description Language:ページ記述言語)部分を解釈して中間言語データを生成する。そしてCMS(Color Management System)113はROM106に格納されているプロファイル114を用いて中間言語データの色変換を行い、CMS後中間言語データを生成する。CMS113では以下のように色変換を行っている。
【0026】
プロファイル114は図示しないソースプロファイルとデスティネーションプロファイルから構成されている。ソースプロファイルとはRGBやCMYK等のPDLデータ入力機器デバイスに依存する色空間を、L*a*b*やXYZ等のデバイス非依存の色空間に変換するためのプロファイルである。XYZとはL*a*b*と同様にCIE(国際照明委員会)が制定したデバイス非依存の均等色空間の一つであり、3種類の刺激値で色を表現する。デスティネーションプロファイルとは、デバイス非依存の色空間を出力機器デバイス(本例の場合はカラープリンタ101)に依存したRGBもしくはCMYK色空間に変換するためのプロファイルである。ソースプロファイルとデスティネーションプロファイルでの色変換を実施することによって入力機器デバイスの色空間から出力機器デバイスの色空間へと変換するのである。
【0027】
レンダラ111はCMS後中間言語データからラスター画像を生成する。画像処理部115は前記ラスター画像に対して画像処理を行う。
【0028】
表示部110はユーザーへの指示やカラープリンタ101の状態を示すUI(User Interface:ユーザーインターフェイス)画面を表示するものである。入力部109はユーザーからの入力を受け付けるためのインターフェイスである。
【0029】
チャート生成部118は後述する測定器情報を元に混色キャリブレーションに使用する用紙サイズを決定し、パッチデータ画像(チャート画像)を生成する機能を有している。チャート生成部118の詳細な動作については後述する。
【0030】
コントローラ部102と接続されたプリンタ部103はC、M、Y、Kなどの有色トナーを用いて用紙上に画像データを形成するプリンタである。プリンタ部103は紙の給紙を行う給紙部116と印刷した用紙を排紙する排紙部117を持つ。
【0031】
[測定プリンタ構成]
図2は本実施形態における測定プリンタ201を示す図である。すなわち、定着器後センサを搭載している画像形成装置の例を示す図である。測定プリンタ201はコントローラ部202とプリンタ部203から構成されている。
【0032】
コントローラ部202は図2に示すとおりCPU205などの各種モジュールがデータバス219を介して接続されて構成されている。RAM207はROM206に格納されているプログラムデータをロードし、一時記憶する。CPU205はRAM207にロードされたプログラムにしたがって各種モジュールに命令を出し、測定プリンタ201を動作させる。また、各モジュールが命令実行する際に生成されるデータなどもRAM207に一時記憶される。
【0033】
ネットワークI/F208は外部ネットワーク104とのインターフェイスモジュールである。例えばイーサネット(登録商標)などの通信プロトコルに基づきネットワーク104を介して他の機器と、印刷データや後述する測定チャート情報の受信及び測定器情報の送信といった双方向データ通信を行う。
【0034】
インタプリタ212は受信した印刷データのPDL部分を解釈して中間言語データを生成する。そしてCMS213はROM206に格納されているプロファイル214を用いて色変換を行い、CMS後中間言語データを生成する。CMS213では以下のように色変換を行っている。
【0035】
プロファイル214は図示しないソースプロファイルとデスティネーションプロファイルから構成されている。ソースプロファイルとデスティネーションプロファイルでの色変換を実施することによって入力機器デバイスの色空間から出力機器デバイス(測定プリンタ201)の色空間へと変換するのである。
【0036】
レンダラ211はCMS後中間言語データからラスター画像を生成する。画像処理部215は前記ラスター画像に対して画像処理を行う。
【0037】
表示部210はユーザーへの指示や測定プリンタ201の状態を示すUI画面を表示するものである。入力部209はユーザーからの入力を受け付けるためのインターフェイスである。
【0038】
スキャナ204はオートドキュメントフィーダーを含むスキャナである。スキャナ204は束状のあるいは一枚の原稿画像を図示しない光源で照射し、原稿反射像をレンズでCCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子上に結像する。そして、固体撮像素子からラスター状の画像読み取り信号を画像データとして得る。
【0039】
プリンタ部203の図示しない紙搬送路上の定着器後にはL*a*b*やXYZ等のデバイスに依存しない色空間の値を取得できるセンサ220を持つ。プリンタ203で紙上に出力されたデータをセンサ220で読み取り、読み取った数値情報をコントローラ部202へ送信する。コントローラ部202の4D−LUT生成部218はセンサ220で読み取られた数値情報を用いて演算を行い、単色や混色の補正テーブルを生成する。なお、本実施形態では4D−LUTを生成する場合を説明するが、3D−LUTや1D−LUTを生成できるようにしてもよい。
【0040】
[センサの説明]
図3はセンサ301〜303を含むセンサ220の配置について測定プリンタ201の紙搬送路との関係も含めて説明する図である。センサは紙搬送路上に固定して配置する必要があるため、チャートの読み取りデータを増やす場合は紙の搬送方向306に向かって増やす必要がある。それだけでは1枚の紙で読み取れるデータ数が不十分となるため、さらにチャートの読み取りデータを増やす場合は紙の搬送方向306と垂直方向にセンサの個数を増やす必要がある。図3では3つのセンサを使用した例を示しており、チャート304上には、センサ301、センサ302、センサ303が固定されている位置に合わせてパッチデータ305を配置している。紙が搬送されてチャート304上の異なる色のパッチデータ305が各センサを通過する際に測定値を取得してプリンタ部203からコントローラ部202に送信する。
【0041】
[システム図]
図18はネットワーク104を介してカラープリンタ101と測定プリンタ201が接続されている図である。ここには情報処理装置であるPC1801も接続されており、PC1801上において、各プリンタに送信する印刷データを作成するプリンタドライバ1802が実行されている。各装置はネットワーク104を介して通信可能な状態となっている。また、ネットワーク104には図示する以外の多種のカラープリンタや測定プリンタ、PCが接続されているものとする。
【0042】
[測定チャートの説明]
図4はセンサ220が測定できるチャート304の各情報について説明する図である。本説明における単位は例えばミリメートル、インチなどの長さを示すものでも良いし、デジタル画像データの解像度における画素座標などでも良い。ただし、この場合は1画素あたりの大きさがわかるように物理解像度情報を付け加えておく必要がある。本説明では600dpi(dot per inch)の物理解像度における画素座標を元に説明する。
【0043】
紙の搬送方向306と垂直な方向を主走査方向、水平な方向を副走査方向とし、原点404を座標系の0pixとする。例えば、測定プリンタ201がプリント動作時に紙搬送路に通紙できるサイズがA3サイズである場合、その主走査方向のサイズは約297mmなので約7015pixとなり、副走査方向のサイズは約420mmなので約9921pixとなる。よって、パッチデータをチャート上に配置する場合、主走査方向の配置可能範囲の開始座標と終端座標はそれぞれXstart=0pix、Xend=7015pixとすることができる。
【0044】
そしてセンサ301、302、303が配置されている座標(すなわち、主走査方向の座標)をX1、X2、X3で表すことができる。本実施形態ではX1=700pix、X2=3500pix、X3=6300pixとする。
【0045】
各センサはパッチが配置されたチャートが通過する際に所定のサンプリング時間で測定を行う。これにより、センサの性能や測定プリンタの紙搬送速度に依存して、測定できるパッチ長さ403が決まる。また、パッチ幅402はセンサの主走査方向の開口サイズ、すなわちアパーチャーサイズよりも大きい必要がある。よって測定に十分なパッチ幅も、搭載しているセンサの性能により決定される。
【0046】
これらセンサが測定可能な範囲については、副走査方向の測定可能範囲座標をYstartと、Yendと、Yendからの余白量を示すY1とで表すことができる。センサ301〜303の測定位置にチャート304端部が搬送されてきてから実際に測定サンプリングするまでに搬送方向先端に余白を設ける場合がある。また、終端部も同様である。本実施形態ではYstart=100pix、Y1=100pix、Yend=9921pixとして説明する。また、測定可能パッチサイズ、すなわち、パッチ幅402は200pix、パッチ長403は600pixとして説明する。
【0047】
これらXstart、Xend、Ystart、Yendで囲まれた部分が測定プリンタ201の測定可能範囲401を示している。
【0048】
[画像処理部の説明]
図5はカラープリンタ101の画像処理部115を説明する図である。先述したとおり印刷データが入力されると、インタプリタ112、CMS113、レンダラ111での各処理後にラスター画像が画像処理部115に入力される。
【0049】
画像処理部115は少なくとも色変換部501、4D−LUT補正部502、1D−LUT補正部503、ハーフトーニング部504から構成されている。色変換部501はCMS113がデバイス依存のRGB色空間のデータを出力した際にRGB→CMYKに色空間変換するものである。CMS113がデバイス依存のCMYK色空間のデータを出力した際は本色変換部501がスキップされる。4D−LUT補正部502はCMYKの4次元の入力信号に対してC2、M2、Y2、K2の組み合わせの出力信号に変換する4D−LUTを用いて混色キャリブレーションを実施する。例えば4D−LUTが8×8×8×8の離散的な格子点で構成されている場合、その格子点数は4096個になる。データのbit深度が8bit(0〜255)で表現される場合は、格子点の間隔は約36となる。
【0050】
この4D−LUTの入出力関係の例を示したのが図6である。図6は、各格子点の入力CMYK値に対して、それぞれ出力C2、M2、Y2、K2値が対応付けられているLUTである。実際に画像データのCMYK値が入力された場合は、入力値の周辺の4D−LUT格子点を複数選択し、選択された複数の出力信号から線形補間演算により、出力C2、M2、Y2、K2値が決定されるものである。
【0051】
4D−LUT補正部502で混色の色を補正した後、1D−LUT補正部503にてC2、M2、Y2、K2の各単色の階調補正を行い、それぞれC3、M3、Y3、K3に変換する。例えば1D−LUTの入力信号が8bitデータである場合はLUTのエントリー数は0〜255の256個であることが好ましい。すなわち、全ての入力値に対してそれぞれ1個の出力値が格納されていることが好ましい。
【0052】
図7(a)は4D−LUTの入出力関係の模式図を、図7(b)は1D−LUTの入出力関係の模式図を、それぞれ示すものである。4D−LUTの模式図 701によるとCMYKの組み合わせである混色の入力に対して、1種類の4D−LUTで、C2、M2、Y2、K2の混色された色の組み合わせが出力されていることがわかる。
【0053】
1D−LUTの模式図 702によると1つの入力に対して1つの出力がされていることがわかる。すなわち、C2入力C3出力用、M2入力M3出力用、Y2入力Y3出力用、K2入力K3出力用の4つの1D−LUTが独立しているのである。
【0054】
最後にハーフトーニング部504でC3、M3、Y3、K3のデータが、ディザスクリーンなどの画像形成処理を施され、プリンタ103で用紙上に印刷される。
【0055】
測定プリンタ201の画像処理部215、レンダラ211、インタプリタ212、CMS213も上記カラープリンタ101と同様の動作をするので説明を省略する。
【0056】
[カラープリンタ動作の説明]
前述したカラープリンタ101の動作について図8のフローチャートを用いて説明する。なお、本説明では表示部110はタッチパネル方式のLCD(Liquid Crystal Display)とし、入力部109の一部も担っているとする。入力部109は他にハードキーを有していてもよい。なお、以下で示すフローチャートは、カラープリンタ101のRAM107にロードされたプログラムをCPU105が実行することによって実行される。
【0057】
測定プリンタ201がネットワーク104を介して混色キャリブレーションのための通信ネゴシエーションをカラープリンタ101との間で行った後で、カラープリンタ101の動作が始まる。
【0058】
カラープリンタ101は、測定プリンタ201からネットワーク104を介して図9に示す測定器情報を取得してRAM107に格納する(ステップS801)。
【0059】
この測定器情報には、例えばセンサ数、センサ位置座標、測定可能範囲、パッチ長さ、パッチ幅の情報が含まれている。また、前記センサ位置や測定可能範囲のそれぞれの単位、機体固有の番号についてなどの付帯情報が含まれてもよい。
【0060】
次に、感光ドラム上もしくは1次転写ベルト上の、濃度を検出する図示しないセンサにて、C、M、Y、K各色の階調特性を測定し、1D−LUTを作成する(ステップS802)。1D−LUTの作成方法は公知の技術であるので詳細な説明を省略する。
【0061】
チャート生成部118はステップS801で取得した測定器情報をRAM107からロードして、該測定器情報を元に混色キャリブレーションに使用するチャートの用紙サイズ、パッチデータの配置を算出して決定し、RAM107に格納する(ステップS803)。
【0062】
図4のチャート304と図9の測定器情報を例に挙げてステップS803の動作を説明する。なお、図9に示す測定器情報は、図4のチャート304を説明した箇所にて例示した数値が含まれている。
【0063】
チャート生成部118は、測定可能範囲を示す情報に基づいて印刷用紙サイズを算出して決定する。例えば、チャート生成部118は、XstartとXendの情報及び単位を示す情報から、測定プリンタの主走査方向の用紙最大幅が約297mmであることを算出することができる。また、YstartとYendの情報より測定プリンタの搬送方向に9921pixまでの用紙上に9821pixの位置までパッチデータを印刷できることを算出することができる。
【0064】
まず主走査方向について説明する。図4よりセンサ301と303が測定できるパッチデータの端部距離は5800pixであることが算出できる。具体的には、まず、センサ位置X1=700pixとX3=6300との間隔が5600pixとなる。そして、さらにパッチ幅が200pixであり、それぞれセンサのアパーチャー中心から100pixずつ必要であるので、総計5800pix=約245mmと算出でき、これ以上の主走査方向長さかつ用紙最大幅約297mm以内の辺を持つ用紙が必要となる。例えばA系、B系の定型用紙であるとA3の短辺(約297mm)、A4の長辺(約297mm)、B4の短辺(約257mm)、B5の長辺(約257mm)がこの用紙に該当する。
【0065】
副走査方向についてはYstartとYendより算出される長さは、上記のA3、A4、B4、B5のどれもがその範囲内であることがわかる。最終的にA3、A4、B4、B5が用紙候補として決定される。カラープリンタ101に積載されている用紙のうち、前記用紙候補の中から一番副走査方向に長い用紙を選択することが好ましい。これは図4のチャート304の副走査方向になるべく多くのパッチデータを印刷したほうが混色キャリブレーションに使用する用紙の枚数を減らすことができるためである。
【0066】
本実施形態ではカラープリンタ101には上記の用紙候補のうちA4が積載されている場合について説明を続ける。
【0067】
A4用紙の長辺を図4のチャート304の主走査方向にすると副走査方向には約210mm=約4960pixの用紙領域がある。後端部にY1=100pixの余白が必要なので、すなわち用紙先端のYstartと後端のY1の余白を除くと4760pixのパッチデータ領域があることが算出される。
【0068】
図9の測定器情報よりパッチ長=600pixなので副走査方向には7パッチ配置することが可能であることが算出される。
【0069】
以上より、A4用紙1枚には7パッチ×3センサ=21パッチ配置できることが算出される。例えば混色キャリブレーションに必要なパッチデータが100個だとするとA4用紙が5枚必要であることが導き出せるのである。
【0070】
なお、混色キャリブレーションに必要なパッチデータ数はカラープリンタの機種によって異なってもよい。
【0071】
また、上記の例では、測定範囲可能サイズを包含する用紙サイズを用いる例を説明したが、測定範囲可能サイズよりも小さい用紙を用いても良い。用紙最大幅よりも小さい用紙を選択した場合であるが、主走査方向のセンター中心に用紙が搬送されるので、パッチデータを配置する際は選択した用紙幅と最大用紙幅の差分の1/2だけ座標系にオフセットをかければよい。
【0072】
チャート生成部118はステップS803で導き出した印字用紙サイズとステップS801で取得したパッチサイズとROM106に格納されているパッチデータ値とを読みだす。そしてこれらを元に混色キャリブレーション用のチャート画像データを生成し、ページ毎にRAM107に格納する(ステップS804:チャート画像生成処理)。
【0073】
CPU105はRAM107に格納されたキャリブレーション用のチャート画像データを呼び出し、画像処理部115に入力する。そして画像処理部115は図5の色変換部501と4D−LUT補正部502をスキップし、1D−LUT補正部503とハーフトーニング部504の処理を実行し、処理後のチャート画像データをプリンタ103にて印刷する。このとき1D−LUT補正部ではステップS802で生成したLUTを用いる(ステップS805)。
【0074】
ステップS805での印刷動作中は、他の処理が実行されないように、表示部110には図11(a)のようにチャート印刷中の情報が表示されている。
【0075】
ステップS805での印刷が終了したら、CPU105はステップS803で決定してRAMに格納されているチャートの用紙サイズを読み出す。またROM106に格納されている4D−LUT情報、補正ターゲット情報、CMY→L*a*bの3D−LUT、L*a*b*→CMYの3D−LUTを読み出す。CPU105は、これら読み出したデータなどを測定チャート情報としてネットワークI/F108、ネットワーク104を介して測定プリンタ201に送信する(ステップS806)。
【0076】
図10は測定チャート情報の一例を示している。この測定チャート情報には少なくともチャートの用紙サイズ、チャート枚数、1枚あたりのパッチデータ数、4D−LUTの格子点数、LUTデータのデータビット深度、各パッチデータに対する補正ターゲット色値、最大色材載り量が含まれている。
【0077】
なお、パッチデータの数によっては端数が出てしまい、前記1枚あたりのパッチデータ数分だけ印刷しないページがある場合がある。この場合は該当するパッチデータに対して、例えば補正ターゲット色値をブランクにしておくか、ブランクであることを特定できる文字もしくは文字列を記載しておけばよい。
【0078】
なお、複数の4D−LUTを1回の混色キャリブレーションで作成してもよく、その場合は測定チャート情報に少なくとも4D−LUT数とそれに対応する補正ターゲットデータを追記すればよい。複数の4D−LUTを作成する際は、測定チャート情報に記載の用紙の枚数とパッチ数により、作成される4D−LUTの数がわかる。
【0079】
この後、CPU105は測定プリンタ201からの4D−LUT受信待ちをする(ステップS807)。このとき表示部110には図11(b)のように4D−LUT受信中である情報が表示されている。
【0080】
このときステップS805で印刷されたチャートはユーザーによって測定プリンタ201まで搬送され、測定プリンタ201にて測定されている。
【0081】
CPU105は測定プリンタ201から受信した4D−LUTをRAM107に格納し(ステップS808)、測定プリンタ201との通信を終了する(ステップS809)。このとき表示部110には図11(c)のように4D−LUTの受信が完了していることがわかる情報が表示されている。
【0082】
以降、画像処理部115はRAM107に格納された4D−LUTを用いて、印刷時の画像処理を実施する。
【0083】
[測定プリンタ動作の説明]
前述した測定プリンタ201の動作について図12のフローチャートを用いて説明する。なお、本説明では表示部210はタッチパネル方式のLCDとし、入力部209の一部も担っているとする。入力部209は他にハードキーを有していてもよい。
【0084】
測定プリンタ201の表示部210中の入力部209から図13(a)のような混色キャリブレーションの動作1310を選択すると、図13(b)のような他機種の混色キャリブレーション動作1320を選択できる画面に遷移する。図13(b)で他機種の混色キャリブレーション実行1321の入力があると図13(c)のようなカラープリンタ101を選択する画面に遷移する。
【0085】
図13(c)では測定プリンタ201に予め登録されている、もしくは過去に他機種の混色キャリブレーションを実行したことがある、ネットワーク104を介して接続可能なカラープリンタの一覧が表示されている。ここでは各プリンタにつけられている固有な名称、例えばIPアドレスなどのカラープリンタを特定できるアドレス情報、その他カラープリンタの設置場所情報などが含まれている。
【0086】
図13(c)の画面上でユーザーがカラープリンタ101に相当する機種選択し、決定ボタン1330を押下してカラープリンタ101の混色キャリブレーションの実行を確定する(ステップS1201)。
【0087】
CPU205はネットワークI/F208、ネットワーク104を介してステップS1201で選択したカラープリンタ101と通信を開始し、表示部210は図13(d)に示すようにチャートの印刷開始を入力するための印刷開始キー1340を表示する。印刷開始キー1340が押下されるとその命令をカラープリンタ101に送信する(ステップS1202)。
【0088】
CPU205はROM206から図9で説明した測定器情報を読み出し、カラープリンタ101に送信する(ステップS1203:測定器情報送信処理)。
【0089】
CPU205はカラープリンタ101から測定チャート情報を受信するよう待機する。測定チャート情報を受信したら、CPU205はRAM207に格納する(ステップS1204:測定チャート情報受信処理)。
【0090】
そして表示部210は図13(e)に示すように給紙部216からチャート読み込みの入力待ち画面を表示し、CPU205はチャート読み込み待機をする(ステップS1205)。
【0091】
カラープリンタ101で印刷されたチャートがユーザーによって給紙部216に積載される。そしてステップS1205にて読み込み開始キー1350が押下されたら、CPU205はプリンタ部203の給紙部216から前記チャートを1枚ずつ給紙するようプリンタ部203を制御する。
【0092】
そしてプリンタ部203は前記チャートを給紙し、印刷時に通紙する紙搬送路にて前記チャートを搬送する。このとき電子写真プロセスは全て無効になるよう設定しておく。前記チャートがセンサ220に到達するのと同期してチャート上に印刷されているパッチデータをセンサ220にて測定して色値を取得する。このときセンサ220はRAM207に格納されている測定チャート情報中の用紙サイズ情報、1枚あたりのパッチデータ数を元にパッチデータの測定を行う。このようにして測定された色値はRAM207に格納される。この動作はRAM207に格納されている測定チャート情報のチャート枚数情報の分だけ繰り返される。そして表示部210は図13(d)に示すように4D−LUT作成中の画面を表示する。ここで、複数枚のチャートを読み込む際に、プリンタ部203は電子写真プロセスの印刷枚数と同じ速度でチャートを給紙しても良いし、1枚ずつ測定が完了してから給紙しても良い(ステップS1206)。
【0093】
ステップS1206で全てのチャートの読み込みと測定が終了したら、4D−LUT生成部218はRAM207に格納されている測定値と測定チャート情報とを読み出して補正テーブルである4D−LUTを生成する。そして生成した4D−LUTをRAM207に格納する(ステップS1207:補正テーブル生成処理)。すなわち、カラープリンタの色再現特性を補正するためのデータを生成するデータ生成処理を行う。なお4D−LUTの生成方法については後述する。
【0094】
CPU205はRAM207からステップS1207で生成された4D−LUTを読み出し、ネットワークI/F208、ネットワーク104を介してカラープリンタ101に前記4D−LUTを送信する(ステップS1208:データ送信処理)。
【0095】
CPU205は4D−LUTの送信が完了するとRAM207に格納されている測定チャート情報及び4D−LUTを削除してからカラープリンタ101との通信を終了し、表示部210は図13(e)に示す動作終了の画面を表示する(ステップS1209)。
【0096】
[4D−LUTの作成方法]
次に図12のステップS1207での4D−LUTの作成方法について図14〜図16を用いて説明する。以下の処理はコントローラ部202のCPU205の指示により行う。
【0097】
図14は4D−LUTを作成する処理の流れを示したものである。ステップS1401にてコントローラ部202はセンサ220に指示を出し、センサ220を用いてチャート304の測定を行い、L*a*b*値を得る。次にステップS1402にてコントローラ部202は測定したパッチデータを受け取り、有彩色と無彩色に分類して測色値1403を得てRAM207に格納する。ここでの分類方法はチャート304に予め有彩色か無彩色かの情報を付加してもよいし、パッチデータの数値あるいは測定したパッチデータを分析することによって判断してもよい。
【0098】
次にコントローラ部202はRAM207から測色値1403、補正ターゲット1405及びL*a*b*→CMYの3D−LUT1406を読み出す。補正ターゲット1405及びL*a*b*→CMYの3D−LUT1406は、測定チャート情報に含まれてカラープリンタ101から送られてきたものである。そして、ステップS1404にて3D−LUT補正処理を行い、L*a*b*→CMYの3D−LUT1407(補正後)を出力する。ステップS1404の3D−LUTの補正処理については後述する。補正ターゲット1405とは目標値となるL*a*b*値のことであり、有彩色と無彩色のそれぞれで定められている。L*a*b*→CMYの3D−LUT1406は既知の手法を用いて作成した色変換用のLUTであり、格子状に一定の間隔で定めたL*a*b*値に対応したデバイス固有のCMY値を記述したデータである。任意のL*a*b*値に対して補間演算を行い、CMY値を出力する。最後に、コントローラ部202はステップS1408にてCMY→L*a*b*の3D−LUT1409と、L*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)1407と、デバイス情報1410とを用いてCMYK→CMYKの4D−LUT1411を作成する。CMY→L*a*b*の3D−LUT1409及びデバイス情報1410は、測定チャート情報に含まれてカラープリンタ101から送られてきたものである。ステップS1408の4D−LUTの作成処理についても後述する。CMY→L*a*b*の3D−LUT1409は既知の手法を用いて作成した色変換用のLUTであり、格子状に一定の間隔で定めたCMY値に対応したL*a*b*値を記述したデータである。任意のCMY値に対して補間演算を行い、L*a*b*値を出力する。
【0099】
次にステップS1404で示す3D−LUT補正処理の詳細について、図15を用いて説明する。まず、ステップS1501にてコントローラ部202はRAM207から測色値1403と補正ターゲット1405を用いて有彩色のデータと無彩色のデータのそれぞれに対して差分データ1510を算出する。差分データ1510はパッチデータのデータの個数分算出され、有彩色と無彩色で分類されている。次にステップS1502にてコントローラ部202はRAM207からL*a*b*→CMYの3D−LUT1406を読み出し、格子点データ(L*a*b*)の1つを抽出し、有彩色か無彩色かを判定する。判定方法の例を説明する。a*及びb*の値は色相/彩度を示すデータであるため、両方のデータが0に近いものを無彩色として判定する。例えば閾値を定めるなど、ここでの判定方法はどのようなものでもよい。この判定したデータが格子点データ(L*a*b*及び有彩無彩情報)1503となる。ここで、L*a*b*のデータはL*が0〜100、a*とb*がそれぞれ−128〜128の範囲で、格子点の数が33×33×33の場合、L*が約3ずつ、a*とb*が8ずつ均等に増加したデータとなる。つまり、ここで抽出した格子点データは(L*、a*、b*)=(0、−128、−128)から、(L*、a*、b*)=(100、128、128)の範囲で構成された33×33×33=35937個のデータの1つとなる。さらに、有彩色であるか無彩色であるかの情報が付加されている。
【0100】
次に、ステップS1504にてコントローラ部202は格子点データ(L*a*b*及び有彩無彩情報)1503と補正ターゲット1405との距離を算出する。そしてステップS1505にてコントローラ部202は距離が一定の閾値以内の差分データを抽出し、その差分データから格子点データ(L*a*b*及び有彩無彩情報)1503の補正量を決定する。その際に格子点データの有彩無彩情報を参照して、有彩色の時は有彩色の差分データを、無彩色の時は無彩色の差分データを用いて抽出処理を行う。ここで、抽出された差分データは複数個ある可能性があり、その中でも格子点データ(L*a*b*及び有彩無彩情報)1503に対して距離が近いデータ、遠いデータが存在する。距離が近い差分データの影響を強く、距離が遠い差分データの影響を弱くするため、差分データに対して計算した距離を使って重みつき加算を行い、格子点補正量を決定することができる。ここで、一定の閾値以内に差分データが存在しない場合の補正量は0とすることができる。
【0101】
次にステップS1506にてコントローラ部202は格子点補正量を格子点データ(L*a*b*及び有彩無彩情報)1503に反映し、補正後格子点データ(L*a*b*)1507として格納する。そして、ステップ1508にてコントローラ部202は全ての格子点データに対して処理を行ったか判定を行い、処理を行っていない場合は新しい格子点データをステップS1502にて抽出して処理を繰り返す。全ての格子点を処理した場合はステップS1509にてコントローラ部102は補間演算処理を行う。全ての格子点データを処理している場合、格子点の数の分だけ補正後格子点データ(L*a*b*)1507が作成されている。このデータに対してL*a*b*→CMYの3D−LUT1406を使って補間演算を行って新しいCMY値を算出する。このCMY値を元々の格子点データに対する出力値として格納し、L*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)1407を作成する。以上のように格子点から一定の距離内にある差分データを参照して格子点の補正量を決定することで、少ないデータ数で多くの格子点データの補正量を決定することが可能となる。本実施形態の例に限らず、L*a*b*→CMYの3D−LUT1406を補正する手法であればどのようなものであってもよい。
【0102】
次にステップS1408の4D−LUTを作成する処理について、図16を用いて説明する。まず、ステップS1401にてコントローラ部202はCMYK均等データ1602からCMY値を抽出する。ここでCMYK均等データの数は、CMYK→CMYKの4D−LUT1411の格子点と同じ数であり、データの間隔も同じである。例えばCMYK→CMYKの4D−LUT1411の格子点数が8×8×8×8=4096個の場合は、CMYK均等データ1602の数は4096個となる。データが8ビット(0〜255)で表現される場合は、データの間隔は約36となる。次にステップS1603にてコントローラ部202はCMY→L*a*b*の3D−LUT1409とL*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)1407とを用いて補間演算を行い、CMY値を決定する。まず、S1601で抽出されたCMY値からCMY→L*a*b*の3D−LUT1409を用いて補間演算を実行してL*a*b*値を求める。次に先ほど算出したL*a*b*値からL*a*b*→CMYの3D−LUT(補正後)1407を用いて補間演算を実行してCMY値を算出する。次に、ステップS1604にてコントローラ部202はCMYK均等データ1602のKの値を抽出し、先ほど決定されたCMY値を組み合わせてCMYK値1605を作成する。ここで抽出したK値はステップS1601にて抽出されたCMY値に対応するものである。そしてステップS1606にてコントローラ部202はデバイス情報1410を用いて載り量制限処理を行う。ここでデバイス情報1410とはカラープリンタ101が適用可能なトナー量を数値で表現したものであり、本実施形態では「載り量」と定義する。例えばCMYKの場合、単色の最大値を100%とすると最大で400%の信号値が設定できる。しかし、適用可能なトナーの総数が300%の場合の載り量は300%となる。
【0103】
CMYK値1605はその組み合わせによっては規定の載り量を超える可能性があるため、既知のUCR処理等を行って載り量制限処理を行う。ここで、UCR(Under Color Removable)処理とはCMYのトナーをKのトナーに置き換える処理のことである。一般に黒を表現する場合、CMYを等量用いて表現する手法とK単独で表現する手法が存在する。K単独で表現した場合、CMYで表現する場合に比べて濃度が低くなってしまうが載り量を少なくできるというメリットがある。そしてステップS1607にてコントローラ部202は純色化処理を行ってCMYK値(補正後)1608を作成する。CMYK→CMYKの4D−LUT1411で補正する際に、例えばC単色のデータはC単色で出力されることが理想である。それを実現するため、元となったCMYK均等データ1602を参照して、純色データであった場合CMYK値を純色データに修正する。例えばCMYK均等データ1602がC単色であるのにCMYK値(補正後)1608にMの値が入っている場合はMの値を0にする。そしてステップS1609にてコントローラ部202はCMYK値(補正後)1608をCMYK→CMYKの4D−LUT1411に格納する。最後にステップS1610にてコントローラ部202はCMYK均等データ1602を全て処理したかの判定を行い、全てのデータを処理していない場合は残りのCMYK均等データ1602からCMY値を抽出して処理を繰り返す。全てのデータをした場合は処理を終了し、CMYK→CMYKの4D−LUT1411が完成する。
【0104】
ここで、LUTの格子点の数については、本実施形態の例に限らずどのようなものであってもよい。さらに、格子点数は例えばCMYK→CMYKの4D−LUT1411でCとMの格子点数が異なるなど、特殊な構成のLUTでもよい。
【0105】
[カラープリンタと測定プリンタの通信]
図17はこれまで説明してきたカラープリンタ101と測定プリンタ201との相互の通信ならびに動作を示した図である。カラープリンタ101と測定プリンタ201の各種動作は図8と図12の各ステップと対応付けて表記してある。
【0106】
以上説明した本実施形態により、定着器後センサを有する測定プリンタの定着器後センサの数や測定できるパッチデータ条件、用紙条件に対して、定着器後センサを有さないカラープリンタが柔軟に対応して測定チャートを印刷することが可能になる。また、カラープリンタが要求する4D−LUTなどの補正テーブルに対して、測定プリンタの4D−LUT生成部は柔軟に対応して4D−LUTを作成することができ、カラープリンタはこの4D−LUTを利用することが可能になる。よって、本実施形態で示した構成を搭載したカラープリンタや測定プリンタはお互いの機種を選ばずに混色キャリブレーションの効果を提供することが可能となる。
【0107】
なお、本実施形態ではカラープリンタの補正に関して述べたが単色キャリブレーション機能を有していないモノクロプリンタの1D−LUTを作成するために測定プリンタを利用してもよい。この場合、補正ターゲット1405を濃度値にすればよい。また4D−LUT生成部218は単色キャリブレーションと同様の手法で1D−LUTを作成すればよい。
【0108】
<実施形態2>
本実施形態ではカラープリンタ101から混色キャリブレーションの実行指示を発行し、測定プリンタ201を用いて混色キャリブレーションを実行する例を説明する。
【0109】
カラープリンタ101の表示部110に用いるLCDが大型化してきている。これはユーザーに対して表示するコンテンツをリッチにできるので多くの情報をユーザーに提供することが可能となる。よって、複雑な動作指示も入力しやすくなるという利点がある。
【0110】
図19は本実施形態におけるカラープリンタ101の動作の一例を示すフローチャートである。
【0111】
カラープリンタ101の表示部110中の入力部109から図21(a)のような混色キャリブレーションの動作2101を選択すると、図21(b)のような測定プリンタ201を選択する画面に遷移する。図21(b)ではカラープリンタ101に予め登録されている、もしくは過去に混色キャリブレーションを実行したことがある、ネットワーク104を介して接続可能な測定プリンタの一覧が表示されている。この画面では各測定プリンタにつけられている固有な名称、例えばIPアドレスなどの測定プリンタを特定できるアドレス情報、その他測定プリンタの設置場所情報などが含まれている。
【0112】
図21(b)に表示されている中から測定プリンタ201に相当する機種を選択し、図示しない入力部109の決定ボタンを押下してカラープリンタ101の混色キャリブレーションの実行を確定する(ステップS1901)。
【0113】
CPU105はネットワークI/F108、ネットワーク104を介してステップS1901で選択した測定プリンタ201と通信を開始する。表示部110は図21(c)に示すようにチャートの印刷開始を入力するための印刷開始キー2102を表示して入力待ち状態になる。また測定プリンタへ測定器情報を要求するコマンドを送信する(ステップS1902)。ステップS1902で印刷開始の入力があった場合、図8のステップS801へ移行する。
【0114】
図20は本実施形態における測定プリンタ201の動作を示すフローチャートである。CPU205はカラープリンタ101と通信を開始したあと測定器情報の要求を待つ(ステップS2001)。ステップS2001で測定器情報の要求を受信した場合、図12のステップS1203へ移行する。
【0115】
図22は本実施形態におけるカラープリンタ101と測定プリンタ201との相互の通信ならびに動作を示した図である。カラープリンタ101と測定プリンタ201の各動作は図8、図12、図19及び図20の各ステップと対応付けて表記してある。
【0116】
なお、本実施形態においては、例えば過去に混色キャリブレーションを実行したことがある測定プリンタ201の測定器情報をカラープリンタ101においてRAM107に記憶しておいてもよい。この場合、測定プリンタ一覧から過去に混色キャリブレーションを実行したことがある測定プリンタ201を指定した場合には、記憶しておいた測定器情報を用いて上記の処理を行っても良い。すなわち、カラープリンタ101は、測定器情報を測定プリンタ201から受信することで取得してもよいし、RAM107から記憶しておいた測定器情報を取得してもよい。
【0117】
以上説明した本実施形態により、カラープリンタ側から混色キャリブレーションの実行指示が行えるようになり、実施形態1と同様の効果を提供することが可能となる。混色キャリブレーションを実行したい機器上でこのような指示をすることが可能となるので、必要に応じてその場で直ちに補正実行指示を入力することが可能となる。
【0118】
<実施形態3>
本実施形態では図18のPC1801上のプリンタドライバ1802から混色キャリブレーションの実行指示を発行し、カラープリンタ101と測定プリンタ201を用いて混色キャリブレーションを実行する例を説明する。
【0119】
カラープリンタ101を使用するユーザーはPC1801からカラープリンタ101や測定プリンタ201に印刷指示を出していることもある。よって、PC1801からカラープリンタ101や測定プリンタ201に混色キャリブレーションの実行を指示することもユーザビリティの観点で有効である。
【0120】
図23は本実施形態におけるプリンタドライバ1802の動作を示すフローチャートである。
【0121】
PC1801の図示しないディスプレイ画面上に図24(a)のようなプリンタドライバ画面2401が表示されている。このプリンタドライバ画面中の混色キャリブレーション動作2402を選択すると、図24(b)のような測定プリンタ201を選択する画面に遷移する。図24(b)では予め登録されている、もしくは過去にプリンタドライバ1802が制御するカラープリンタ101の混色キャリブレーションを実行したことがある、ネットワーク104を介して接続可能な即定プリンタの一覧が表示されている。この画面では各測定プリンタにつけられている固有な名称、例えばIPアドレスなどの測定プリンタを特定できるアドレス情報、その他測定プリンタの設置場所情報などが含まれている。
【0122】
図24(b)の画面上で測定プリンタ201に相当する機種を選択し、決定ボタン2403を押下してカラープリンタ101の混色キャリブレーションの実行を確定する(ステップS2301)。
【0123】
次にPC1801上のプリンタドライバ1802は図24(c)に示すようにチャートの印刷開始を入力するための印刷開始キー2404を表示して入力待ち状態になる(ステップS2302)。
【0124】
ステップS2302で印刷開始の入力があると、プリンタドライバ1802はカラープリンタ101に混色キャリブレーションに用いるチャートの印刷指示を送信し、終了する。
【0125】
プリンタドライバ1802からのチャート印刷指示を受信したカラープリンタ101のCPU105は図19のステップS1902からの動作を実行する。また測定プリンタ201は図20のステップS2001からの動作を実行する。
【0126】
図25は前述した本実施形態におけるPC1801上のプリンタドライバ1802とカラープリンタ101と測定プリンタ201の相互の通信ならびに動作を示した図である。それぞれの動作は図8、図12、図19、図20及び図23の各ステップと対応付けて表記してある。
【0127】
以上説明した本実施形態により、プリンタドライバ1802から混色キャリブレーションの実行指示が行えるようになり、実施形態1ならびに実施形態2と同様の効果を提供することが可能となる。
【0128】
<実施形態4>
これまで説明した実施形態においては、図12のステップS1205では測定チャートが積載されて、チャート読み込みが待機されている状態が続く。このときに測定プリンタを他のユーザーが操作できない状態になってしまう。すなわちカラープリンタ101の混色キャリブレーション動作が測定プリンタ201を占有してしまうのである。このようなときでも測定プリンタ201が即座に使用できるようにするとともに、混色キャリブレーションにも即座に復帰できる実施形態を説明する。
【0129】
測定プリンタは基本的には図12のフローチャートに従って動作している。図26は図12のステップS1204とステップS1206の間のステップについて説明している。すなわちステップS1205を図26のフローチャートで置き換えるのである。
【0130】
表示部210は図27(a)に示すように給紙部216からチャート読み込みの入力画面を表示し、CPU205はチャート読み込みを待機する(ステップS2601)。
【0131】
CPU205はチャート読み込みを待機しつつ図27(a)の一時中止キー2701が押下されるか否かも監視する(S3802)。すなわち、ユーザーから、センサを用いた測定の中断指示入力を受け付けたか否かを監視する。ステップS2601及びステップS2602で入力がない限り、CPU205は両ステップを繰り返す。
【0132】
ステップS2602で図27(a)の一時中止キー2701が押下された場合は、表示部210は図27(b)に示すように混色キャリブレーション再開キー2702を伴う通常画面を表示する。ここで通常画面とは測定プリンタ201のトップ画面を含む、混色キャリブレーション以外の動作時に表示する画面を指す(ステップS2603)。
【0133】
CPU205は通常の動作を制御しながら、混色キャリブレーション再開キー2702が押下されるまで待機し、押下された場合はステップS2601に戻る(ステップS2604)。すなわち、ユーザーから、中断した処理の再開指示入力を受け付けた場合には、ステップS2601に戻る処理が行われる。
【0134】
以上説明した本実施形態により測定プリンタ201を混色キャリブレーションだけに占有することなく、実施形態1〜3で説明した各動作を提供することが可能になる。
【0135】
<実施形態5>
図28は本実施形態で説明するカラープリンタ101の構成を示している。ここでカラープリンタ101は4D−LUT生成部2801を有している。
【0136】
CPU105は前述した測定プリンタ201で測定した測定データを、ネットワーク104を介して受信し、RAM107に格納する。4D−LUT生成部2801は4D−LUT生成部218と同様の動作によりカラープリンタ101の混色を補正する4D−LUTを生成する。
【0137】
なお、この場合、測定チャート情報には少なくとも図10に示す項目のうちチャート枚数、用紙サイズ、1枚あたりの用紙数の情報が含まれていればよい。
【0138】
以上説明した本実施形態により測定プリンタ201の4D−LUT生成部218の演算リソースを使わずにプリンタ101の混色を補正する4D−LUTを生成することが可能になる。
【0139】
<その他の実施形態>
以上説明した各実施形態においては、測定を行う画像形成装置が定着器後センサを有する画像形成装置である例を用いて説明した。定着器後センサを使用することで、定着までに生じ得る環境変動の影響を少なくすることができる。しかしながら、感光ドラム上もしくは1次転写ベルト上に濃度を検出するセンサを有する画像形成装置が測定を行っても良い。すなわち、任意の種類のセンサを有する画像形成装置においても上記の各実施形態の処理を適用することが可能である。この場合、例えば測定プリンタ201からの測定器情報として、センサの種類を識別する情報を含めることによって、どの種類のセンサを利用できるかをカラープリンタ101にて把握することができる。また、例えば測定プリンタ201に複数の利用可能な種類のセンサが搭載されている場合には、どの種類のセンサでの測定を要求するかを示す情報がカラープリンタ101からの測定チャート情報に含めることも可能である。
【0140】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色を測定するセンサを少なくとも1つ有する他の画像形成装置と通信可能な画像形成装置であって、
前記他の画像形成装置における色の測定に関する測定器情報を取得する取得手段と、
前記取得手段にて取得した測定器情報を用いてチャート画像を生成するチャート画像生成手段と、
前記生成手段にて生成されたチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を前記他の画像形成装置に送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された測定チャート情報を用いて前記他の画像形成装置にて前記チャート画像の測定結果から取得されるデータであり、前記他の画像形成装置から送信される、色再現特性を補正するためのデータを受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信したデータを用いて画像を形成する画像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記受信手段は、前記データとして、前記測定チャート情報に基づいて色再現特性が補正された補正テーブルを受信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記データとして、前記測定チャート情報を用いて測定された測定データを受信し、
前記受信手段にて受信した測定データを用いて色再現特性を補正する補正テーブルを生成する補正テーブル生成手段をさらに備え、
前記画像形成装置は、前記補正テーブル生成手段にて生成した補正テーブルを用いて画像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
補正実行指示の入力を受け付ける入力手段と、
前記補正実行指示の入力に応じて前記他の画像形成装置に測定器情報を要求する要求手段とをさらに備え、
前記取得手段は、前記要求手段による要求に対して前記他の画像形成装置から送信された測定器情報を取得することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入力手段は、前記画像形成装置と通信可能な情報処理装置からの補正実行指示の入力を受け付けることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
他の画像形成装置と通信可能な、色を測定するセンサを少なくとも1つ有する画像形成装置であって、
前記色の測定に関する測定器情報を前記他の画像形成装置に送信する測定器情報送信手段と、
前記測定器情報の送信に対して前記他の画像形成装置から送信される、当該測定器情報を用いて前記他の画像形成装置で生成されたチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を前記他の画像形成装置から受信する測定チャート情報受信手段と、
前記他の画像形成装置で生成されたチャート画像を、前記センサと前記測定チャート情報受信手段にて受信した前記測定チャート情報とを用いて測定して前記他の画像形成装置の色再現特性を補正するためのデータを生成するデータ生成手段と、
前記データ生成手段にて生成したデータを前記他の画像形成装置に送信するデータ送信手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記データ生成手段は、前記データとして、前記測定チャート情報に基づいて色再現特性を補正した補正テーブルを生成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記データ生成手段は、前記データとして、前記測定チャート情報を用いて測定された測定データを生成することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
補正実行指示の入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記測定器情報送信手段は、前記補正実行指示の入力を受けると前記他の画像形成装置に測定器情報を送信することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記センサを用いた測定の中断指示の入力を受け付ける中断指示入力手段と、
前記中断指示の入力された場合に、前記中断した処理の再開指示の入力を受け付ける再開指示入力手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記測定器情報は、少なくともセンサの数とセンサの位置と測定可能範囲と測定可能パッチサイズとを含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記測定チャート情報は、少なくとも補正テーブルの格子点数、データビット深度、補正ターゲット情報とを含むことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記測定するセンサは、他の画像処理装置の紙搬送部であり、該紙搬送部にある定着器よりも後ろに設けられていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
色を測定するセンサを少なくとも1つ有する他の画像形成装置と通信可能な画像形成装置の制御方法であって、
前記他の画像形成装置における色の測定に関する測定器情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにて取得した測定器情報を用いてチャート画像を生成するチャート画像生成ステップと、
前記生成ステップにて生成されたチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を前記他の画像形成装置に送信する送信ステップと、
前記送信ステップによって送信された測定チャート情報を用いて前記他の画像形成装置にて前記チャート画像の測定結果から取得されるデータであり、前記他の画像形成装置から送信される、色再現特性を補正するためのデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信したデータを用いて画像を形成する画像形成ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項15】
他の画像形成装置と通信可能な、色を測定するセンサを少なくとも1つ有する画像形成装置の制御方法であって、
前記色の測定に関する測定器情報を前記他の画像形成装置に送信する測定器情報送信ステップと、
前記測定器情報の送信に対して前記他の画像形成装置から送信される、当該測定器情報を用いて前記他の画像形成装置で生成されたチャート画像を測定するための条件を含む測定チャート情報を前記他の画像形成装置から受信する測定チャート情報受信ステップと、
前記他の画像形成装置で生成されたチャート画像を、前記センサと前記測定チャート情報受信ステップにて受信した前記測定チャート情報とを用いて測定して前記他の画像形成装置の色再現特性を補正するためのデータを生成するデータ生成ステップと、
前記データ生成ステップにて生成したデータを前記他の画像形成装置に送信するデータ送信ステップと
を備えることを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から13のいずれかに記載の画像形成装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−12828(P2013−12828A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142868(P2011−142868)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】