説明

画像形成装置及び駆動装置

【課題】複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置及び該像担持体を駆動する駆動装置であって、前記各像担持体の回転ムラによる位相合わせを行う検知センサを可及的に少なくでき、これにより、装置構成の簡単化、かつ、低コスト化を実現できる画像形成装置及び駆動装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置D及び駆動装置100a,100bは、第1回転部材150の第1周方向α1の一部に設けられた第1カム部131による回転タイミングの第1検知情報を検知し、かつ、第2回転部材160の第2周方向α2の一部に設けられた第2カム部141による回転タイミングの第2検知情報を検知するように構成された単一の検知センサ170を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体を備えた画像形成装置及び駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、複数の画像(例えば、トナー像)を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の感光体等の像担持体を用いて、電子写真方式等の画像形成プロセスにより形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置、いわゆるタンデム型の画像形成装置が従来から知られている。例えば、フルカラー画像を形成する場合、互いに異なる複数色(通常、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色成分)のトナー像をそれらに対応する複数の像担持体にタイミングを合わせて形成し、各トナー像を中間転写体や記録材等の被転写体に重ね転写し、該被転写体が中間転写体のときはさらに記録材に転写する。
【0003】
かかる従来の画像形成装置では、複数の像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第1グループ像担持体と、残りの像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第2グループ像担持体とを独立して駆動することがある。
【0004】
具体的には、ブラックの画像は、通常、モノクロの画像形成時に他の色の画像が形成されることなく単独で形成される。この場合、ブラックに対応する像担持体及び該像担持体上に画像を形成するための像形成部材(ブラックの現像装置を含む部材)を、その他の画像(イエロー、マゼンタ、シアンの画像)にそれぞれ対応する複数の像担持体及び該像担持体上に画像を形成するための像形成部材(イエロー、マゼンタ、シアンの各現像装置を含む部材)とは異なるモータ等の駆動部で駆動する。
【0005】
一方、ブラック以外の画像(イエロー、マゼンタ、シアンの画像)用のものを駆動する必要があるが、駆動部品の点数を削減して画像形成装置の小型化を実現すべく、同時に駆動されるイエロー、マゼンタ、シアンの各像担持体及び該像担持体に対応する像形成部材を一つの駆動部で駆動するようにすれば、部品点数を削減できる。複数の像担持体及び像形成部材を駆動する駆動部としては、例えば、ステッピングモータが挙げられる。
【0006】
ところで、複数の画像が複数の像担持体にタイミングを合わせて形成されていても、各像担持体の画像を重ね合わせるときに画像がずれることがある。このような画像ずれの発生を防止するべく各像担持体の画像を精度よく重ねることは重要なことである。
【0007】
画像ずれ発生の要因としては、例えば、像担持体の偏芯、駆動部から像担持体への回転駆動を伝達する駆動ギヤ等の駆動伝達用回転部材の偏芯等に起因する回転ムラの位相ずれを例示できる。
【0008】
例えば、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体とを独立して駆動する場合、通常は、電源投入時等の初期駆動時や所定期間毎に、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相を回転ムラの位相ずれが可及的に少ない最適な回転位相である基準回転位相に調整するようになっている。しかし、たとえ第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相を基準回転位相となるように位相合わせを行っても、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体とのうち何れか一方のみを駆動して画像を形成すると、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相が基準回転位相とは全く異なってしまう場合がある。或いは、印刷動作に伴って、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相の基準回転位相からの狂いが生じ、画像ずれ(位相ずれ)が発生する場合もある。
【0009】
第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相を基準回転位相になるように補正するために、従来では、重ね合わされる複数の画像(すなわち複数の像担持体)の回転位相の位相合わせを行う検知センサを各像担持体毎に設け、この各検知センサにて回転位相を検出し、基準回転位相に対し、該検出した回転位相の回転位相差を検出し、これにより、第1グループ像担持体の回転タイミング及び第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相を補正することで、位相合わせを行っていた。こうすることで、偏芯等に起因する回転ムラの位相ずれの発生を軽減することが可能となる。
【0010】
具体的には、第1グループ像担持体(例えばブラックの像担持体が属するグループ担持体)への回転駆動を伝達する第1ギヤと、第2グループ像担持体(例えばイエロー、マゼンタ、シアンの像担持体が属するグループ担持体)への回転駆動を伝達する第2ギヤとのそれぞれに対して、その回転位相を検知する検知センサを設け、この各検知センサによって、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相を検出することで、位相合わせを行っていた。
【0011】
例えば、下記特許文献1には、感光体が、回転位相検知センサを備えたドラムギヤを介してホール素子付きのDCブラシレスモータで駆動され、ドラムギヤとモータで回転位相を検出するカラー画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−84669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、各像担持体の回転ムラによる位相合わせを行う検知センサは、駆動される像担持体毎に1個ずつ、例えば、第1グループ像担持体と第2グループ像担持体とを独立して駆動する場合には、最低でも2個のセンサが必要となるため、それだけ装置構成が複雑化し、コストが高くつく。
【0014】
そこで、本発明は、複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置及び該像担持体を駆動する駆動装置であって、前記各像担持体の回転ムラによる位相合わせを行う検知センサを可及的に少なくでき、これにより、装置構成の簡単化、かつ、低コスト化を実現できる画像形成装置及び駆動装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、前記課題を解決するために、次の画像形成装置及び駆動装置を提供する。
【0016】
(1)画像形成装置
複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置であって、前記複数の像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第1グループ像担持体と、残りの像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第2グループ像担持体と、前記第1グループ像担持体を回転駆動するための第1駆動部と、前記第2グループ像担持体を回転駆動するための第2駆動部と、前記第1駆動部による前記第1グループ像担持体の回転に伴って回転する第1回転部材と、前記第2駆動部による前記第2グループ像担持体の回転に伴って回転する第2回転部材と、前記第1グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第1検知情報を検知し、かつ、前記第2グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第2検知情報を検知する単一の検知センサとを備え、前記第1回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第1カム部(例えば、第1凸部又は第1凹部からなる第1カム部)が設けられており、前記第2回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第2カム部(例えば、第2凸部又は第2凹部からなる第2カム部)が設けられており、前記検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
(2)駆動装置
複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置に備えられる駆動装置であって、前記複数の像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第1グループ像担持体を回転駆動するための第1駆動部と、残りの像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第2グループ像担持体を回転駆動するための第2駆動部と、前記第1駆動部による前記第1グループ像担持体の回転に伴って回転する第1回転部材と、前記第2駆動部による前記第2グループ像担持体の回転に伴って回転する第2回転部材と、前記第1グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第1検知情報として前記第1回転部材の回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第2検知情報として前記第2回転部材の回転タイミングの検知情報を検知する単一の検知センサとを備え、前記第1回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第1カム部(例えば、第1凸部又は第1凹部からなる第1カム部)が設けられており、前記第2回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第2カム部(例えば、第2凸部又は第2凹部からなる第2カム部)が設けられており、前記検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されていることを特徴とする駆動装置。
【0018】
ここで、「第1グループ像担持体と第2グループ像担持体との回転位相」とは、前記第1グループ像担持体の回転位置と、前記第2グループ像担持体の回転位置との相対的な位置関係を示す概念であり、回転角度やそれに対応する時間及び距離等で表すことができる。
【0019】
本発明によれば、前記単一の検知センサによって、前記第1検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報を検知する。これにより、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転ムラによる位相合わせを行うセンサを可及的に少ない状態で、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を検出することができ、これにより、装置構成の簡単化、かつ、低コスト化を実現することが可能となる。
【0020】
さらに、前記検知センサによる検知対象物を前記第1回転部材及び第2回転部材とすることで、前記第1検知情報及び前記第2検知情報の検知構成を容易に実現することができる。
【0021】
しかも、前記単一の検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されているので、前記第1回転部材の前記第1検知情報として前記第1グループ像担持体の第1回転角度の情報を検知することができ、かつ、前記第2回転部材の前記第2検知情報として前記第2グループ像担持体の第2回転角度の情報を検知することができる。これにより、前記単一の検知センサにより前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を容易に検出することができる。
【0022】
ここで、「回転角度」とは、回転中心から検知する始点における位置へ引いた直線と、回転中心から検知する終点における位置へ引いた直線とのなす角度をいう。
【0023】
本発明において、前記第1回転部材と前記第2回転部材とは、回転軸線が互いに平行とされており、前記検知センサは、前記第1回転部材の回転軸線方向と交差する方向に沿って移動可能な第1アクチュエータ部と、前記第1アクチュエータ部に設けられた第1被検知部と、前記第2回転部材の回転軸線方向と交差する方向に沿って移動可能な第2アクチュエータ部と、前記第2アクチュエータ部に設けられた第2被検知部と、前記第1被検知部及び前記第2被検知部を検知するセンサ部とを有しており、前記第1アクチュエータ部は、前記第1回転部材の外周面に対向する第1対向部が設けられており、前記第2アクチュエータ部は、前記第2回転部材の外周面に対向する第2対向部が設けられており、前記第1対向部及び前記第1カム部は、前記第1アクチュエータ部の移動に伴う前記第1被検知部の移動によって前記センサ部が前記第1検知情報を検知するように形成されており、前記第2対向部及び前記第2カム部は、前記第2アクチュエータ部の移動に伴う前記第2被検知部の移動によって前記センサ部が前記第2検知情報を検知するように形成されている態様を例示できる。
【0024】
この特定事項では、前記単一の検知センサにより前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を簡単な構成で検出することができる。
【0025】
この態様において、前記第1アクチュエータ部は、前記回転軸線方向に沿った第1枢支軸回りに揺動自在とされており、前記第1回転部材の回転に伴って前記第1カム部が周回移動して前記第1対向部が揺動することによって前記第1被検知部が揺動するようになっており、前記第2アクチュエータ部は、前記回転軸線方向に沿った第2枢支軸回りに揺動自在とされており、前記第2回転部材の回転に伴って前記第2カム部が周回移動して前記第2対向部が揺動することによって前記第2被検知部が揺動するようになっている態様を例示できる。
【0026】
この特定事項では、前記第1アクチュエータ部による検知及び前記第2アクチュエータ部による検知を簡単な構成で実現することができる。
【0027】
本発明において、前記第1アクチュエータ部を前記第1ギヤに向けて付勢する第1付勢部材を備えていることが好ましい。
【0028】
この特定事項では、前記第1付勢部材により前記第1対向部と前記第1カム部とを確実に摺接させることができ、それだけ安定して前記第1検知情報を前記検知センサにて検知することができる。
【0029】
本発明において、前記第2アクチュエータ部を前記第2ギヤに向けて付勢する第2付勢部材を備えていることが好ましい。
【0030】
この特定事項では、前記第2付勢部材により前記第2対向部と前記第2カム部とを確実に摺接させることができ、それだけ安定して前記第2検知情報を前記検知センサにて検知することができる。
【0031】
本発明において、前記センサ部としては、発光部及び受光部を備え、前記発光部から前記受光部に入射される入射光を前記第1アクチュエータ部の移動に伴う前記第1被検知部の移動によって該第1被検知部で遮断又は通過させ、かつ、前記発光部から前記受光部に入射される入射光を前記第2アクチュエータ部の移動に伴う前記第2被検知部の移動によって該第2被検知部で遮断又は通過させることで、該入射光の有無を前記受光部で検知する光センサを用いることができる。
【0032】
この特定事項では、前記センサ部として汎用の安価な光センサを使用することができる。
【0033】
本発明において、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが同じであってもよい。
【0034】
この特定事項では、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを容易に同一形状に(共通化)することができ、これにより、偏芯等に起因する回転ムラの位相ずれを可及的に少なくするべく、前記各グループ像担持体の回転ムラの周期を一致させやすくすることができる上、部品コストを低く抑えることができる。
【0035】
本発明において、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが互いに異なることが好ましい。
【0036】
この特定事項では、前記第1検知情報と前記第2検知情報との違いを容易に認識することができ、従って、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、何れのグループ像担持体の回転位置を変更すればよいのか(例えば何れのグループ像担持体のスピードを速めにすればよいのか、或いは、遅めにすればよいのか)を認識することができる。
【0037】
この場合、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部との周方向の長さが互いに異なるため、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を共通部品とすることができない。そこで、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部との周方向の長さが互いに異なる態様において、前記第1回転部材には、前記第1カム部に加えて、該第1回転部材を前記第2回転部材としたときに該第2回転部材に設けられる前記第2カム部が設けられており、前記第2回転部材には、前記第2カム部に加えて、該第2回転部材を前記第1回転部材としたときに該第1回転部材に設けられる前記第1カム部が設けられていることが好ましい。かかる態様により、前記第1回転部材及び前記第2回転部材を共通部品とすることができ、これにより、前記各グループ像担持体の回転ムラの周期を一致させやすくすることができる上、部品コストを低く抑えることができる。
【0038】
本発明において、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくとも一方は、対応するグループ像担持体における像担持体と同軸上に設けられた回転部材であることが好ましい。
【0039】
この特定事項では、対応するグループ像担持体において、前記像担持体と同軸上に設けた前記回転部材で検知することで、該像担持体と該回転部材との回転誤差を少なくでき、それだけ精度よく位相合わせを行うことができる。
【0040】
前記第1回転部材としては、前記第1駆動部から前記第1グループ像担持体への回転駆動を伝達するギヤやプーリ等の第1駆動伝達用回転部材を例示できる。前記第2回転部材としては、前記第2駆動部から前記第2グループ像担持体への回転駆動を伝達するギヤやプーリ等の第2駆動伝達用回転部材を例示できる。
【0041】
前記第1回転部材及び前記第2回転部材としては、この他、前記像担持体のフランジ、前記像担持体を前記駆動部から前記像担持体への駆動を伝達する駆動伝達系へ連結するカップリング部材等の既存部材や、前記駆動伝達系に別途設けた円板等の追加部材を例示できる。
【0042】
例えば、前記第1回転部材及び前記第2回転部材がギヤ或いはプーリである場合、既存のギヤ或いはプーリを用いることができ、これにより、別途回転部材を設けなくてもよい。
【0043】
本発明において、前記第1カム部及び前記第2カム部は、何れも登り傾斜部と下り傾斜部とを有していることが好ましい。
【0044】
この特定事項では、前記第1カム部及び前記第2カム部に対して、前記第1対向部及び前記第2対向部をスムーズに摺動させることができ、これにより、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体への衝撃を抑えることができ、それだけ良好な画像を得ることができる。
【0045】
本発明において、前記第1対向部及び前記第2対向部は、何れも球面を有していてもよい。この特定事項では、前記第1対向部及び前記第2対向部に対して、前記第1カム部及び前記第2カム部をスムーズに摺動させることができ、これにより、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体への衝撃を抑えることができ、それだけ良好な画像を得ることができる。
【0046】
本発明において、前記登り傾斜部と前記下り傾斜部との間は、前記外周面に沿った平面部とされていてもよい。
【0047】
この特定事項では、前記検知センサによる前記平面部での検知状態或いは非検知状態を確保でき、それだけ安定して前記第1検知情報及び前記第2検知情報を検知することができる。
【0048】
本発明において、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を基準となる基準回転位相に調整する位相調整手段と、前記検知センサによる前記第1検知情報と前記第2検知情報とに基づき前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を検出する位相検出手段と、前記位相調整手段にて調整した前記基準回転位相に対し、前記位相検出手段にて検出した回転位相の回転位相差を検出する位相差検出手段と、前記位相差検出手段による検出結果に基づき前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を補正する回転位相補正手段とを備えている態様を例示できる。
【0049】
この特定事項では、先ず、前記位相調整手段によって、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を前記基準回転位相に調整する。
【0050】
その後、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相が前記基準回転位相からずれることがあるため、前記位相検出手段によって、前記検知センサによる前記第1検知情報と前記第2検知情報とに基づき前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を検出し、前記位相差検出手段によって、前記位相調整手段にて調整した前記基準回転位相に対し、前記位相検出手段にて検出した回転位相の回転位相差を検出し、前記回転位相補正手段によって、前記位相差検出手段による検出結果に基づき前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を補正する。こうすることで、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を前記基準回転位相に合わせることができ、これにより、偏芯等に起因する回転ムラの位相ずれ(画像ずれ)を軽減することが可能となる。
【0051】
本発明において、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが同じ場合、すなわち、前記単一の検知センサによって検知される前記第1検知情報と前記第2検知情報が同じになるように構成とされている場合、前記第1回転部材と第2回転部材とを容易に共通化できるものの、前記単一の検知センサによって検知される前記第1検知情報と前記第2検知情報とが同じであるので、これらの情報だけでは、前記第1グループ像担持体の回転タイミングと、前記第2グループ像担持体の回転タイミングとの違いを認識することができない。換言すれば、前記第1検知情報及び前記第2検知情報だけでは、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、何れのグループ像担持体の回転位置を変更すればよいのか(例えば何れのグループ像担持体のスピードを速めにすればよいのか、或いは、遅めにすればよいのか)を認識できない。
【0052】
この場合、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、少なくとも一方のグループ像担持体の回転位置を変更し(例えば何れかのグループ像担持体のスピードを速めにし、或いは、遅めにし)、該回転位相が前記基準回転位相に対して離れているか否かを確かめる確認手段をさらに備えることができる。そして、前記位相調整手段及び前記回転位相補正手段は、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、少なくとも一方のグループ像担持体の回転位置を変更するときに、前記確認手段で前記回転位相が前記基準回転位相に対して離れているか否か確かめた後、前記回転位相が前記規準回転位相に対して離れている場合には、前記少なくとも一方のグループ像担持体の前記回転位置の変更を逆にする(例えば前記何れかのグループ像担持体のスピードを速めにした場合には遅めにする、或いは、遅めにした場合には速めにする)ことができる。なお、この場合には、回転位相の検出に時間がかかりやすく、制御構成の複雑化を招く。
【0053】
かかる観点から、既述のとおり、前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが互いに異なることが好ましい。
【0054】
こうすることで、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、何れのグループ像担持体の回転位置を変更すればよいのか(例えば何れのグループ像担持体のスピードを速めにすればよいのか、或いは、遅めにすればよいのか)を認識でき、これにより、前記回転位相が前記規準回転位相に対して離れているか否かを確かめるために要する時間をかけることなく、しかも制御構成の複雑化を招くことがない。
【0055】
本発明において、前記位相検出手段は、前記検知センサによる前記第1検知情報の検知開始と前記検知センサによる前記第2検知情報の検知開始との間の位相時間を測定するか、又は、前記検知センサによる前記第1検知情報の検知終了と前記検知センサによる前記第2検知情報の検知終了との間の位相時間を測定する態様を例示できる。
【0056】
この特定事項では、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を簡単な制御構成で検出することができる。
【0057】
ところで、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体とのうち何れか一方のみを駆動して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相が前記基準回転位相とは全く異なってしまうといった場合のように、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体の回転位置によっては、前記第1グループ像担持体の第1検知時間及び前記第2グループ像担持体の第2検知時間の一部が重なる、或いは、前記第1検知時間及び前記第2検知時間のうち何れか一方の全体が他方の全体又は一部と重なることがある。そうすると、前記検知センサによる検知開始及び検知終了が一箇所しか存在しないことになる。
【0058】
かかる観点から、前記位相検出手段は、前記検知センサによる検知開始が一箇所しか存在しない場合には、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち少なくとも一方を前記検知センサによる検知開始が二箇所になるように回転させた後、前記位相時間を測定するか、又は、前記検知センサによる検知終了が一箇所しか存在しない場合には、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち少なくとも一方を前記検知センサによる検知終了が二箇所になるように回転させた後、前記位相時間を測定することが好ましい。
【0059】
この特定事項では、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を確実に検出することができる。
【0060】
本発明において、前記位相調整手段にて調整した前記基準回転位相を予め記憶手段に記憶しておき、前記位相差検出手段は、前記記憶手段に記憶した前記基準回転位相に対し、前記位相検出手段にて検出した回転位相の回転位相差を検出することが好ましい。
【0061】
この特定事項では、例えば、初期駆動時及び/又は所定期間毎に前記位相調整手段にて前記基準回転位相を調整し、そのときに前記記憶手段に記憶しておけば、無駄な前記位相調整手段による調整動作を省くことができ、それだけ動作制御時間を短縮することができる。
【0062】
本発明において、前記回転位相補正手段は、前記位相差検出手段による検出結果に基づき、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の少なくとも一方を駆動させることで、前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を補正する態様を例示できる。
【0063】
この特定事項では、前記第1駆動部及び前記第2駆動部により、それぞれ、前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングを直接的に変更できるので、それだけ精度よく回転位相を補正できる。
【0064】
本発明において、前記位相検出手段は、印刷動作中に前記回転位相を検出することが好ましい。
【0065】
この特定事項では、印刷動作中に前記回転位相を検出するので、前記回転位相の検出のために、別途、前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体とを駆動させる必要がなく、それだけ効率的に前記回転位相を検出することができる。
【0066】
本発明において、前記第1グループ像担持体は、モノクローム(モノクロ)の画像形成を行うためのものであり、前記第2グループ像担持体は、前記第1グループ像担持体と協働してカラーの画像形成を行うためのものである態様を例示できる。
【0067】
この特定事項では、本発明に係る画像形成装置をカラー画像形成装置とすることができる。また、本発明に係る駆動装置をカラー画像形成装置に適用できる駆動装置とすることができる。すなわち、モノクロの画像形成を行うための前記第1グループ像担持体と、前記第1グループ像担持体と協働してカラーの画像形成を行うための前記第2グループ像担持体との回転ムラによる位相合わせを前記単一の検知センサで行うことで、位相ずれによる色ずれを軽減させることができる上、コストダウンを実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0068】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置及び駆動装置によると、前記第1検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報を検知する前記単一の検知センサを備えていることで、前記各像担持体の回転ムラによる位相合わせを行う検知センサを可及的に少なくでき、これにより、装置構成の簡単化、かつ、低コスト化を実現できる。
【0069】
さらに、前記検知センサによる検知対象物を前記第1回転部材及び第2回転部材とすることで、前記第1検知情報及び前記第2検知情報の検知構成を容易に実現することができる。
【0070】
しかも、前記単一の検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されていることで、前記第1回転部材の前記第1検知情報として前記第1グループ像担持体の第1回転角度の情報を検知することができ、かつ、前記第2回転部材の前記第2検知情報として前記第2グループ像担持体の第2回転角度の情報を検知することができる。これにより、前記単一の検知センサにより前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る駆動装置の実施の形態を適用したカラー画像形成装置を概略的に示す側面図である。
【図2】図1に示すカラー画像形成装置における駆動装置を詳細に示す斜視図である。
【図3】図2に示す駆動装置の駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部から感光体ドラムへの回転駆動を伝達するギヤトレイン及び検知センサを示す図である。
【図4】第1実施形態における検知センサによる第1ギヤ及び第2ギヤの検知状態を説明するための図であって、図(a)は、その概略側面図であり、図(b)は、その概略底面図であり、図(c)は、図(a)中のA1−A1線に沿った概略断面図であり、図(d)は、図(a)中のA2−A2線に沿った概略断面図であり、図(e)は、第1ギヤの外周面に対向する第1対向部の部分を第1ギヤの回転軸線方向から視た概略断面図であり、図(f)は、第2ギヤの外周面に対向する第2対向部の部分を第2ギヤの回転軸線方向から視た概略断面図である。
【図5】第1検知情報及び第2検知情報を説明するための図であって、検知センサからの出力信号を示す図である。
【図6】第2実施形態を説明するための図であって、図(a)は、その概略側面図であり、図(b)は、その概略底面図であり、図(c)は、図(a)中のA1−A1線に沿った概略断面図であり、図(d)は、図(a)中のA2−A2線に沿った概略断面図である。
【図7】第1及び第2回転部材として、感光体と同軸上に設けられた円板の状態を示す図である。
【図8】第1及び第2実施形態の駆動装置を作動させるシステム構成を示す制御ブロック図である。
【図9】第1グループ感光体及び第2グループ感光体の回転ムラの位相ずれを説明するための図であって、図(a)は、第1グループ感光体にて発生した回転ムラの変位状態を示す周期と第2グループ感光体にて発生した回転ムラの変位状態を示す周期とがずれている状態を示すグラフであり、図(b)は、回転位相を基準回転位相に調整したときの検知センサからの出力信号を示す図であり、図(c)は、回転位相を基準回転位相に調整したときの周期を示すグラフである。
【図10】回転位相の動作制御を説明するための図であって、図(a)は、回転位相を基準回転位相に調整したときの検知センサからの出力信号を示す図であり、図(b)は、その検知状態を示す図であり、図(c)は、回転位相が基準回転位相からずれているときの検知センサからの出力信号を示す図であり、図(d)は、その検知状態を示す図である。
【図11】検知センサによる検知開始及び検知終了が一箇所しか存在しない状態を説明するための出力信号を示す図であって、図(a)は、第1検知時間及び第2検知時間の一部が重なっている状態を示す図であり、図(b)は、第2検知時間の全体が第1検知時間と重なっている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0073】
図1は、本発明に係る駆動装置の実施の形態を適用したカラー画像形成装置Dを概略的に示す側面図である。
【0074】
図1に示すカラー画像形成装置Dは、原稿の画像を読み取る原稿読取装置Bと、この原稿読取装置Bにより読み取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で普通紙等の記録材に記録形成する装置本体Aとを備えている。
【0075】
原稿読取装置Bでは、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿がトレイ41から引き出され、サバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
【0076】
この搬送経路47では、原稿の先端がレジストローラ49に当接して、レジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿がレジストローラ49により搬送されて原稿ガイド51と読取ガラス52間を通過する。このとき、第1走査部53の光源からの光が読取ガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取ガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1及び第2走査部53,54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿表面の画像を読み取り、その画像を示す画像データを出力する。さらに、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して原稿排紙トレイ59に排出される。
【0077】
また、原稿読取装置Bは、原稿台ガラス61上に載置された原稿を読み取ることができる。レジストローラ49、原稿ガイド51、原稿排紙トレイ59等とそれらよりも上側の部材とは、一体化されたカバー体となっており、原稿読取装置Bの背面側で原稿搬送方向に沿った軸線回りに開閉可能に枢支されている。この上側のカバー体が開かれると、原稿台ガラス61が開放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿台ガラス61上に載置された原稿はカバー体が閉じられることで該カバー体に保持される。そして、原稿読み取りの指示があると、第1及び第2走査部53,54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光される。原稿表面からの反射光は、第1及び第2走査部53,54によって結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によってCCD56上に結像され、ここで原稿画像が読み取られる。このとき、第1及び第2走査部53,54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1及び第2走査部53,54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部53,54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿表面の画像のピントが常に正確に維持される。
【0078】
こうして読み取られた原稿画像全体は、画像データとしてカラー画像形成装置Dの装置本体Aへと送受され、装置本体Aにおいて画像が記録材に記録される。
【0079】
一方、カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、複数の画像を該各画像にそれぞれ対応する複数の像担持体として作用する感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)を用いて形成し、それらの画像を重ね合わせるものである。装置本体Aは、露光装置1、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、記録材搬送方向に沿って並設された感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、転写部として作用する中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)を含む中間転写ベルト装置8、定着装置12、搬送装置18、給紙部として作用する給紙トレイ10及び排紙部として作用する排紙トレイ15を備えている。
【0080】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナ装置4(4a,4b,4c,4d)、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)は各色に応じた4種類の画像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれの末尾符号a〜dのうち、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。以下、末尾符号a〜dは省略して説明する。
【0081】
感光体ドラム3は、装置本体Aの上下方向のほぼ中央に配置されている。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャ型の帯電器が用いられる。
【0082】
露光装置1は、ここでは、レーザ光源及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0083】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K,C,M,Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0084】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ローラ6に加えて、中間転写体として作用する中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0085】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22、テンションローラ23等のローラ部材は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を所定の搬送方向(図中矢印C方向)に周回移動させる。
【0086】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7内側に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接されており、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスが印加される。
【0087】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3に接触するように設けられており、各感光体ドラム3表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルト7は、ここでは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0088】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7内側(裏面)に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。中間転写ローラ6は、ここでは、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われたローラである。この導電性の弾性材により、記録材に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0089】
カラー画像形成装置Dの装置本体Aは、転写部として作用する転写ローラ11aを含む2次転写装置11をさらに備えている。転写ローラ11aは、中間転写ベルト7の中間転写ベルト駆動ローラ21とは反対側(外側)に接触している。
【0090】
上述の様に各感光体ドラム3表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、2次転写装置11によって記録材上に転写される。
【0091】
中間転写ベルト7と2次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、2次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録材に転写させるための電圧(例えば、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、2次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラや発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0092】
また、2次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録材上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、このクリーニングブレードで残留トナーを除去及び回収することができる。従動ローラ22は、中間転写ベルト7を内側(裏側)から支持しており、クリーニングブレードは、外側から従動ローラ22に向けて押圧するように中間転写ベルト7に接触している。
【0093】
給紙トレイ10は、記録材を格納しておくためのトレイであり、装置本体Aの画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録材をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
【0094】
また、装置本体Aには、給紙トレイ10の記録材を2次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための搬送装置18が設けられている。この搬送装置18は、Sの字形状の搬送路Sを有し、この搬送路Sに沿って、ピックアップローラ16、各搬送ローラ13、レジスト前ローラ19、レジストローラ14、定着装置12及び排紙ローラ17等の搬送部材を配置したものである。
【0095】
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の記録材搬送方向下流側端部に設けられ、給紙トレイ10から記録材を1枚ずつ搬送路Sに供給する呼び込みローラである。各搬送ローラ13及びレジスト前ローラ19は、記録材の搬送を促進補助するための小型のローラである。各搬送ローラ13は、搬送路Sに沿って複数箇所に設けられている。レジスト前ローラ19は、レジストローラ14の搬送方向上流側の直近に設けられており、記録材をレジストローラ14へと搬送するようになっている。
【0096】
レジストローラ14は、レジスト前ローラ19にて搬送されてきた記録材を一旦停止させて、記録材の先端を揃え、中間転写ベルト7と2次転写装置11間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像が記録材に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録材をタイミングよく搬送する。
【0097】
例えば、レジストローラ14は、中間転写ベルト7と2次転写装置11との間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラートナー像の先端が記録材における画像形成範囲の先端に合うように、記録材を搬送する。
【0098】
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録材を挟み込んで搬送する。
【0099】
ヒートローラ31は、所定の定着温度となるように温度制御され、加圧ローラ32と共に記録材を熱圧着することにより、記録材に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録材に対して熱定着させる機能を有している。
【0100】
各色のトナー像の定着後での記録材は、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
【0101】
なお、4つの画像形成ステーションのうち少なくとも一つを用いて、モノクロ画像を形成し、モノクロ画像を中間転写ベルト装置8の中間転写ベルト7に転写することも可能である。このモノクロ画像も、カラー画像と同様に、中間転写ベルト7から記録材に転写され、記録材上定着される。
【0102】
また、記録材の表(オモテ)面だけではなく、両面の画像形成を行う場合は、記録材の表面の画像を定着装置12により定着した後に、記録材を材搬送路Sの排紙ローラ17により搬送する途中で、排紙ローラ17を停止させてから逆回転させ、記録材を表裏反転経路Srに通して、記録材の表裏を反転させてから、記録材を再びレジストローラ14へと導き、記録材の表面と同様に、記録材の裏面に画像を記録して定着し、記録材を排紙トレイ15に排出する。
【0103】
カラー画像形成装置Dは、さらに、感光体ドラム3を駆動する駆動装置100a(図1では図示せず、後述する図2及び図3参照)を備えている。
【0104】
[駆動装置の構成]
次に、駆動装置100aについて、図2及び図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、感光体ドラムの符号3の末尾符号及び現像装置の符号2の末尾符号は省略せずに感光体ドラム3a,3b,3c,3d及び現像装置(ここでは現像ユニット)2a,2b,2c,2dとする。
【0105】
図2は、図1に示すカラー画像形成装置Dにおける駆動装置100aを詳細に示す斜視図である。また、図3は、図2に示す駆動装置100aの駆動伝達系を概略的に示すシステム構成図であって、第1及び第2駆動部110,120から感光体ドラム3a,3b,3c,3dへの回転駆動を伝達するギヤトレイン及び検知センサ170を示す図である。なお、図2において、検知センサ170は図示を省略している。
【0106】
カラー画像形成装置Dは、感光体ドラム3a,3b,3c,3dのうち少なくとも一つの感光体ドラム(ここではブラック用感光体ドラム3a)が属する第1グループ感光体30a(第1グループ像担持体の一例)と、残りの感光体ドラム3b,3c,3d(ここではシアン用感光体ドラム3b、マゼンタ用感光体ドラム3c、イエロー用感光体ドラム3d)が属する第2グループ感光体30b(第2グループ像担持体の一例)とを備えている。つまり、ここでは、第1グループ感光体30aは、モノクロの画像形成(モノクロ印刷)を行うためのものであり、第2グループ感光体30bは、第1グループ感光体30aと協働してフルカラーの画像形成を行うためのものである。
【0107】
駆動装置100aは、第1駆動部110と、第2駆動部120と、第1回転部材(ここでは第1駆動伝達用回転部材)150と、第2回転部材(ここでは第2駆動伝達用回転部材)160とをさらに備えている。
【0108】
第1駆動部110は、第1グループ感光体30aを駆動するためのものである。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bを駆動するためのものである。ここでは、第1駆動部110及び第2駆動部120は、ステッピングモータとされている。
【0109】
第1駆動伝達用回転部材150は、第1駆動部110から第1グループ感光体30aへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第1軸ギヤ111と、第1中間ギヤ112と、ブラック用感光体駆動ギヤ130とからなっている。第2駆動伝達用回転部材160は、第2駆動部120から第2グループ感光体30bへの回転駆動を伝達するものであり、ここでは、第2軸ギヤ121と、第2から第4中間ギヤ122〜124と、カラー用(シアン用、マゼンタ用及びイエロー用)感光体駆動ギヤ140b〜140dとからなっている。なお、これらのギヤは、回転軸線が互いに平行となっている。
【0110】
具体的には、ブラック用感光体駆動ギヤ130は、ブラック用感光体ドラム3aの回転軸と同軸上に連結されており、第1中間ギヤ112に噛合している。第1駆動部110の回転軸に設けられた第1軸ギヤ111は、第1中間ギヤ112に噛合している。これにより、第1駆動部110が回転駆動することで、第1軸ギヤ111、第1中間ギヤ112及びブラック用感光体駆動ギヤ130を介して、ブラック用感光体駆動ギヤ130に連結されたブラック用感光体ドラム3aを回転させることができる。
【0111】
また、シアン用感光体駆動ギヤ140bは、シアン用感光体ドラム3bの回転軸と同軸上に連結されており、第3中間ギヤ123に噛合している。マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cは、マゼンタ用感光体ドラム3cの回転軸と同軸上に連結されており、第2中間ギヤ122、第3中間ギヤ123及び第4中間ギヤ124に噛合している。イエロー用感光体駆動ギヤ140dは、イエロー用感光体ドラム3dの回転軸と同軸上に連結されており、第4中間ギヤ124に噛合している。第2駆動部120の回転軸に設けられた第2軸ギヤ121は、第2中間ギヤ122に噛合している。これにより、第2駆動部120が回転駆動することで、第2軸ギヤ121、第2中間ギヤ122及びマゼンタ用感光体駆動ギヤ140cを介して、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140cに連結されたマゼンタ用感光体ドラム3cを、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第3中間ギヤ123及びシアン用感光体駆動ギヤ140bを介して、シアン用感光体駆動ギヤ140bに連結されたシアン用感光体ドラム3bを、また、マゼンタ用感光体駆動ギヤ140c、第4中間ギヤ124及びイエロー用感光体駆動ギヤ140dを介して、イエロー用感光体駆動ギヤ140dに連結されたイエロー用感光体ドラム3dを回転させることができる。
【0112】
これにより、カラー用の感光体ドラム3b、3c、3bの第2駆動部120を共通のものにすることができる。また、第1駆動部110によって感光体ドラム3aをモノクロ印刷時に単独で回転させることができる。
【0113】
なお、第1駆動部110は、ブラック用現像ユニット2aも駆動するようになっており、第2駆動部120は、シアン用現像ユニット2b、マゼンタ用現像ユニット2c及びイエロー用現像ユニット2dも駆動するようになっている。
【0114】
ここでは、ブラック用感光体駆動ギヤ130が第1回転部材150として作用する第1ギヤとされており、カラー用感光体駆動ギヤ140(140b,140c,140d)のうちのシアン用感光体駆動ギヤ140bが第2回転部材160として作用する第2ギヤとされている。
【0115】
(第1実施形態)
図1に示す画像形成装置Dにおいて、図2及び図3に示す駆動装置100aは、第1グループ感光体30aの回転タイミングを認識するための第1検知情報を検知し、かつ、第2グループ感光体30bの回転タイミングを認識するための第2検知情報を検知する単一の検知センサ170(図3参照)をさらに備えている。なお、第1検知情報及び第2検知情報は、後述する駆動制御部200が認識するようになっている。
【0116】
図4は、第1実施形態における検知センサ170による第1ギヤ130及び第2ギヤ140の検知状態を説明するための図である。図4(a)は、その概略側面図を示している。図4(b)は、その概略底面図を示している。図4(c)は、図4(a)中のA1−A1線に沿った概略断面図を示している。図4(d)は、図4(a)中のA2−A2線に沿った概略断面図を示している。図4(e)は、第1ギヤ130の外周面(以下、第1外周面という)α1に対向する第1対向部174の部分を第1ギヤ130の回転軸線方向から視た概略断面図である。また、図4(f)は、第2ギヤ140の外周面(以下、第2外周面という)α2に対向する第2対向部175の部分を第2ギヤ140の回転軸線方向から視た概略断面図である。
【0117】
また、図5は、第1検知情報及び第2検知情報を説明するための図であって、検知センサ170からの出力信号を示している。
【0118】
図4に示すように、第1ギヤ130の第1外周面α1において、回転軸線方向(図4中矢印X方向)の少なくとも一部(ここでは回転軸線方向Xのギヤ歯部分を除く一部)にかつ周方向(図4(a)中Y1方向)の一部に第1カム部131が設けられている。第1カム部131は、該周方向Y1に沿った第1凸部又は第1凹部(ここでは第1凸部)からなっている。また、第2ギヤ140の第2外周面α2において、回転軸線方向Xの少なくとも一部(ここでは回転軸線方向Xのギヤ歯部分を除く一部)にかつ周方向(図4(a)中Y2方向)の一部に第2カム部141が設けられている。第2カム部141は、該周方向Y2に沿った第2凸部又は第2凹部(ここでは第2凸部)からなっている。なお、第1カム部131は、周方向Y1において第1外周面α1の任意の位置に設けることができる。また、第2カム部141は、周方向Y2において第2外周面α2の任意の位置に設けることができる。
【0119】
そして、検知センサ170は、第1検知情報として第1ギヤ130の第1カム部131による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、第2検知情報として第2ギヤ140の第2カム部141による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されている。
【0120】
本第1実施形態によれば、単一の検知センサ170によって、第1検知情報を検知し、かつ、第2検知情報を検知する。これにより、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転ムラによる位相合わせを行うセンサを可及的に少ない状態で、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相を検出することができ、これにより、装置構成の簡単化、かつ、低コスト化を実現することが可能となる。ここでは、モノクロームの画像形成を行うための第1グループ感光体30aと、第1グループ感光体30aと協働してフルカラーの画像形成を行うための第2グループ感光体30bとの回転ムラによる位相合わせを単一の検知センサ170で行うことで、位相ずれによる色ずれを軽減させることができる上、コストダウンを実現することが可能となる。
【0121】
本第1実施形態では、単一の検知センサ170によって、第1グループ感光体30aの回転タイミングと、第2グループ感光体30bの回転タイミングとの違いを認識できるように第1検知情報と第2検知情報とを互いに異ならせる構成とされている。つまり、第1検知情報は、第2検知情報に対して第1グループ感光体30aの情報であることを認識できる情報とされており、かつ、第2検知情報は、第1検知情報に対して第2グループ感光体30aの情報であることを認識できる情報とされている。具体的には、第1ギヤ130の第1カム部131と第2ギヤ140の第2カム部141とは、周方向の長さが互いに異なっている。
【0122】
このように、単一の検知センサ170によって、第1グループ感光体30aの回転タイミングと、第2グループ感光体30bの回転タイミングとの違いを認識できるように第1検知情報と第2検知情報とを互いに異ならせる構成とされていることで、第1検知情報と第2検知情報との違いを容易に認識することができ、従って、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bのうち、何れのグループ感光体の回転位置をどちらの方向に変更すればよいのか(例えば何れのグループ感光体のスピードを速めにすればよいのか、或いは、遅めにすればよいのか)を認識することができる。
【0123】
ここでは、検知センサ170は、第1アクチュエータ部171と、第1被検知部172と、第2アクチュエータ部176と、第2被検知部177と、センサ部173とを有している。
【0124】
第1アクチュエータ部171は、第1ギヤ130の回転軸線方向Xと交差する方向に沿って移動自在とされている。第1被検知部172は、第1アクチュエータ部171に設けられている。第2アクチュエータ部176は、第2ギヤ140の回転軸線方向Xと交差する方向に沿って移動自在とされている。第2被検知部177は、第2アクチュエータ部176に設けられている。センサ部173は、第1被検知部172及び第2被検知部177を検知するものである。
【0125】
第1アクチュエータ部171には、第1ギヤ130の第1外周面α1に対して対向する第1対向部174が設けられている。第2アクチュエータ部176には、第2ギヤ140の第2外周面α2に対して対向する第2対向部175とが設けられている。
【0126】
なお、本第1実施形態では、第1ギヤ130と近接しているという観点から、検知センサ170による第2ギヤ140の検出対象をシアン用感光体駆動ギヤ140bとしている。また、第1ギヤ130は、中間ギヤ112であってもよい。また、第2ギヤ140は、駆動ギヤ140c,140d、中間ギヤ121〜123の何れかであってもよい。
【0127】
そして、本第1実施形態では、第1検知情報が第1グループ感光体30aの第1回転角度θ1の情報を含んでいる。第2検知情報は、第2グループ感光体30bの第2回転角度θ2の情報を含んでいる。これにより、検知センサ170により第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相を比較的簡単な構成で検出することが可能となる。
【0128】
また、第1回転角度θ1と第2回転角度θ2とが異なっている。なお、ここでは、第1ギヤ130及び第2ギヤ140の周速度は等しくなっている。これにより、第1検知情報と第2検知情報との違いを容易に認識することができる。
【0129】
詳しくは、図5に示すように、第1検知情報は、第1グループ感光体30aの第1回転角度θ1を検知した第1検知時間t1を含んでおり、第2検知情報は、第2グループ感光体30bの第2回転角度θ2(ここではθ1>θ2)を検知した第1検知時間t1とは異なる第2検知時間t2(ここではt1>t2)を含んでいる。なお、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相は、第1グループ感光体30aの第1検知時間t1の検知開始stと第2グループ感光体30bの第2検知時間t2の検知開始stとの差異Tr(Tr1)を求めることで検出するか、又は、第1グループ感光体30aの第1検知時間t1の検知終了edと第2グループ感光体30bの第2検知時間t2の検知終了edとの差異Tr(Tr2)を求めることで検出することができる。
【0130】
本第1実施形態では、第1アクチュエータ部171における第1対向部174及び第1ギヤ130における第1カム部131は、第1アクチュエータ部171の揺動に伴う第1被検知部172の移動によってセンサ部173が検知状態及び非検知状態となることで第1検知時間t1を検知するように形成されている。また、第2アクチュエータ部176における第2対向部175及び第2ギヤ140における第2カム部141は、第2アクチュエータ部176の揺動に伴う第2被検知部177の移動によってセンサ部173が検知状態及び非検知状態となることで第2検知時間t2を検知するように形成されている。
【0131】
本実施の形態では、第1アクチュエータ部171は、回転軸線方向Xに沿った第1枢支軸Q1回りに揺動自在とされている。第1アクチュエータ部171は、第1ギヤ130の回転に伴って第1カム部131が周回移動して第1対向部174が揺動することによって第1被検知部172が揺動するようになっている。
【0132】
また、第2アクチュエータ部176は、回転軸線方向Xに沿った第2枢支軸Q2回りに揺動自在とされている。第2アクチュエータ部176は、第2ギヤ140の回転に伴って第2カム部141が周回移動して第2対向部175が揺動することによって第2被検知部177が揺動するようになっている。
【0133】
なお、第1対向部174は、第1カム部131に接触していない状態において、第1枢支軸Q1の中心と第1ギヤ130の回転中心とを通る仮想直線φ1よりも外側(第1ギヤ130の回転方向Y3上流側)に配置されている。これにより、第1アクチュエータ部171において、回転する第1ギヤ130の第1カム部131により第1対向部174を第1枢支軸Q1回りの図4中B1方向(時計方向)に移動させることができる。また、第2対向部175は、第1カム部131に接触していない状態において、第2枢支軸Q2の中心と第2ギヤ140の回転中心とを通る仮想直線φ2よりも外側(第2ギヤ140の回転方向Y3下流側)に配置されている。これにより、第2アクチュエータ部176において、回転する第2ギヤ140の第2カム部141により第2対向部175を第2枢支軸Q2回りの図4中B2方向(反時計方向)に移動させることができる。
【0134】
この駆動装置100aでは、第1検知時間t1及び第2検知時間t2を検知するにあたり、第1ギヤ130及び第2ギヤ140が回転する。
【0135】
第1ギヤ130では、第1カム部131が第1対向部174に移行すると、第1対向部174が第1カム部131の一端部で押し上げられる。そうすると、第1アクチュエータ部171を介して第1被検知部172が下がり、第1カム部131の第1検知位置β1(図4(e)参照)でセンサ部173が非検知状態(第1被検知部172を遮光している状態)から検知状態(第1被検知部172を遮光していない状態)又は検知状態から非検知状態(ここでは検知状態から非検知状態)となる。このときが検知センサ170による第1検知時間t1の検知開始stとなる(図5参照)。第1ギヤ130がさらに回転すると、第1対向部174が第1カム部131の他端部で下降する。そうすると、第1アクチュエータ部171を介して第1被検知部172が上がり、第1カム部131の第1検知位置β1でセンサ部173が検知状態から非検知状態又は非検知状態から検知状態(ここでは非検知状態から検知状態)となる。このときが検知センサ170による第1検知時間t1の検知終了edとなる(図5参照)。
【0136】
同様に、第2ギヤ140では、第2カム部141が第2対向部175に移行すると、第2対向部175が第2カム部141の一端部で押し上げられる。そうすると、第2アクチュエータ部176を介して第2被検知部177が下がり、第2カム部141の第2検知位置β2(図4(f)参照)でセンサ部173が非検知状態から検知状態又は検知状態から非検知状態(ここでは検知状態から非検知状態)となる。このときが検知センサ170による第2検知時間t2の検知開始stとなる(図5参照)。第2ギヤ140がさらに回転すると、第2対向部175が第2カム部141の他端部で下降する。そうすると、第2アクチュエータ部171を介して第2被検知部177が上がり、第2カム部141の第2検知位置β2でセンサ部173が検知状態から非検知状態又は非検知状態から検知状態(ここでは非検知状態から検知状態)となる。このときが検知センサ170による第2検知時間t2の検知終了edとなる(図5参照)。
【0137】
このように、第1グループ感光体30aの第1回転角度θ1を検知することで、第1ギヤ130の第1検知時間t1を検知することができ、かつ、第2グループ感光体30bの第1回転角度θ1とは異なる第2回転角度θ2を検知することで、第2ギヤ140の第1検知時間t1とは異なる第2検知時間t2を検知することができる。これにより、単一の検知センサ170により第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相を容易に検出することができる。
【0138】
本第1実施形態では、第1カム部131及び第2カム部141は、図4(e)及び4(f)に示すように、何れも登り傾斜部131a,141aと下り傾斜部131b,141bとを有している。こうすることで、第1カム部131及び第2カム部141に対して、第1対向部174及び第2対向部175をスムーズに摺動させることができ、これにより、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bへの前記摺動による衝撃を抑えることができ、それだけ良好な画像を得ることができる。
【0139】
なお、第1検知位置β1は、ここでは、第1凸部の登り傾斜部131aの途中位置及び下り傾斜部131bの途中位置とされている。第2検知位置β2は、ここでは、第2凸部の登り傾斜部141aの途中位置及び下り傾斜部141bの途中位置とされている。
【0140】
また、図4(e)に示すように、第1対向部174は、曲面形状(例えばローラ部材)又は球形状とされている。また、図4(f)に示すように、第2対向部175は、曲面形状(例えばローラ部材)又は球形状とされている。こうすることで、第1対向部174及び第2対向部175に対して、第1カム部131及び第2カム部141をスムーズに摺動させることができ、これにより、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bへの衝撃を抑えることができ、それだけ良好な画像を得ることができる。
【0141】
また、登り傾斜部131aと下り傾斜部131bとの間が第1ギヤ130の第1外周面α1に沿った平面部131cとされている。登り傾斜部141aと下り傾斜部141bとの間が第2ギヤ140の第2外周面α2に沿った平面部141cとされている。こうすることで、検知センサ170による平面部131c、141cでの検知状態或いは非検知状態を確保でき、それだけ安定して第1検知時間t1及び第2検知時間t2を検知することが可能となる。
【0142】
センサ部173は、ここでは、発光部173a及び受光部173bを備えた透過型の光センサとされている。このセンサ部173は、発光部173aから受光部173bに入射される入射光を第1アクチュエータ部171の揺動に伴う第1被検知部172の移動によって該第1被検知部172で遮断又は通過させ、かつ、発光部173aから受光部173bに入射される入射光を第2アクチュエータ部176の揺動に伴う第2被検知部177の移動によって該第2被検知部177で遮断又は通過させることで、該入射光の有無を受光部173bで検知するようになっている。なお、センサ部173は、反射型の光センサであってもよい。
【0143】
そして、第1カム部131の回転角度が第1回転角度θ1とされており、第2カム部141の回転角度が第2回転角度θ2とされている。また、第1アクチュエータ部171における第1対向部174と、第2アクチュエータ部176における第2対向部175とが同一形状となっている。
【0144】
本第1実施形態では、図4(a)に示すように、第1付勢部材180aによって、第1アクチュエータ部171を第1ギヤ130に向けて付勢するようになっている。また、第2付勢部材180bによって、第2アクチュエータ部176を第2ギヤ140に向けて付勢するようになっている。こうすることで、第1及び第2付勢部材180a,180bにより第1対向部174及び第2対向部175と第1カム部131及び第2カム部141とを確実に摺接させることができ、それだけ安定して第1検知時間t1及び第2検知時間t2を検知センサ170にて検知することが可能となる。なお、第1アクチュエータ部171が第1ギヤ130の上方に設けられる場合には、第1付勢部材180aを設けることなく、第1アクチュエータ部171が自重により第1ギヤ130に向けて付勢されるように構成されてもよい。また、第2アクチュエータ部176が第2ギヤ140の上方に設けられる場合には、第2付勢部材180bを設けることなく、第2アクチュエータ部176が自重により第2ギヤ140に向けて付勢されてもよい。
【0145】
具体的には、第1アクチュエータ部171は、側面から視て鈍角に開いた略L字状に形成されており(図4(a)参照)、屈曲部171aが軸支されている。第1アクチュエータ部171は、屈曲部171aを中心として一方側が第1カム部側171bとされ、かつ、他方側が第1センサ部側171cとされている。第1カム部側171bの先端に第1対向部174が設けられており、第1センサ部側171cの先端に第1被検知部172が設けられている。また、第2アクチュエータ部176も同様に、側面から視て鈍角に開いた略L字状に形成されており(図4(a)参照)、屈曲部176aが軸支されている。第2アクチュエータ部176は、屈曲部176aを中心として一方側が第2カム部側176bとされ、かつ、他方側が第2センサ部側176cとされている。第2カム部側176bの先端に第2対向部175が設けられており、第2センサ部側176cの先端に第2被検知部177が設けられている。ここでは、第1アクチュエータ部171及び第2アクチュエータ部176は共通部品とされている。
【0146】
また、第1及び第2付勢部材180a,180bは、ここでは、巻きバネとされている。第1付勢部材180aは、一端181aが駆動装置100aの側板101に、他端182aが第1センサ部側171cに第1アクチュエータ部171を第1ギヤ130に向けて付勢するように連結されている。第2付勢部材180bは、一端181bが駆動装置100aの側板101に、他端182bがセンサ部側176cに第2アクチュエータ部176を第2ギヤ140に向けて付勢するように連結されている。
【0147】
なお、本第1実施形態では、第1及び第2カム部131,141は、第1及び第2凸部となっているが、第1及び第2凹部となっていてもよい。この場合、検知センサ170は第1アクチュエータ部171及び第2アクチュエータ部176を置いて反対側(ここでは上側)に配置することができる。
【0148】
また、本第1実施形態では、第1回転角度θ1が第2回転角度θ2よりも大きくなっており、第1検知時間t1が第2検知時間t2よりも長くなっているが、第1回転角度θ1が第2回転角度θ2よりも小さくなっており、第1検知時間t1が第2検知時間t2よりも短くなっていてもよい。
【0149】
また、本第1実施形態では、第1ギヤ130は第1グループ感光体30aにおける感光体3aと同軸上に設けられている。また、第2ギヤ140は第2グループ感光体30bにおける感光体3bと同軸上に設けられている。このように感光体3a,3bと同軸上に設けられたギヤ130,140で検知する方が、感光体3a,3bとギヤ130,140との回転誤差を少なくすることができ、それだけ精度よく位相合わせを行うことができる。
【0150】
(第2実施形態)
次に、図4に示す第1実施形態の他の実施形態(第2実施形態)の駆動装置100bについて説明する。図6は、第2実施形態を説明するための図である。図6(a)は、その概略側面図を示している。図6(b)は、その概略底面図を示している。図6(c)は、図6(a)中のA1−A1線に沿った概略断面図を示している。図6(d)は、図6(a)中のA2−A2線に沿った概略断面図を示している。なお、図6において、前記第1実施形態と実質的に同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0151】
この第2実施形態では、前記第1実施形態の第1ギヤ130及び第2ギヤ140に代えて第1ギヤ130a及び第2ギヤ140aが設けられている。
【0152】
第1ギヤ130aにおける第1カム131の回転軸線方向Xの位置と、第2ギヤ140aにおける第2カム141の回転軸線方向Xの位置とが異なっている。詳しくは、第1ギヤ130aには、第1カム部131が回転軸線方向Xの一方側(ここでは外側)に設けられており、第2ギヤ140aには、第2カム部141が回転軸線方向Xの他方側(ここでは内側)に設けられている。また、第1ギヤ130aには、第1カム部131に加えて、該第1ギヤ130aを第2ギヤ140aとしたときに該第2ギヤ140aに設けられる第2カム部141が回転軸線方向Xの他方側(ここでは内側)に設けられている。第2ギヤ140aには、第2カム部141に加えて、該第2ギヤ140aを第1ギヤ130aとしたときに該第1ギヤ130aに設けられる第1カム部131が回転軸線方向Xの一方側(ここでは外側)に設けられている。
【0153】
そして、第1アクチュエータ部171は、第1対向部174が第1ギヤ130の第1カム部131に対向するように設けられており、第2アクチュエータ部176は、第2対向部175が第2ギヤ140の第2カム部141に対向するように設けられている。
【0154】
こうすることで、第1ギヤ130a及び第2ギヤ140aの部品共通化を実現することができ、これにより、各グループ感光体30a,30bの回転ムラの周期を一致させやすくすることができる上、部品コストを低く抑えることができる。
【0155】
なお、第1実施形態及び第2実施形態では、第1及び第2回転部材150,160として、ギヤを用いたが、感光体3a,3bのフランジ、カップリング部材やプーリ等の既存部材としてもよい。また、円板を別途設け、これを第1及び第2回転部材150,160としてもよい。図7は、第1及び第2回転部材150,160として、感光体3a,3bと同軸上に設けられた円板の状態を示している。
【0156】
(回転位相の動作制御)
次に、第1及び第2実施形態の駆動装置100a,100bにおける第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Trを検知して基準回転位相に調整するための動作例について説明する。
【0157】
図8は、第1及び第2実施形態の駆動装置100a,100bを作動させるシステム構成を示す制御ブロック図である。
【0158】
図8に示すように、駆動装置100a,100bは、駆動制御部200及び駆動制御部200からの情報を記憶する記憶手段300をさらに備えている。
【0159】
検知センサ170は、駆動制御部200の入力系に接続されている。第1駆動部110及び第2駆動部120は、駆動制御部200の出力系に接続されている。
【0160】
既述したように、第1駆動部110は、第1グループ感光体30aのブラック用感光体3a及びブラック用現像ユニット2aを駆動するモータとされている。第2駆動部120は、第2グループ感光体30bのカラー用感光体3b,3b,3d及びカラー用現像ユニット2b,2c,2dを駆動するモータとされている。
【0161】
駆動制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部と含むマイクロコンピュータからなっている。詳しくは、この駆動制御部200は、前記処理部が前記記憶部のROMに予め格納された制御プログラムを前記記憶部のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素の駆動制御を行うようになっている。なお、駆動制御部200は、画像形成装置Dに設けられた画像形成動作全体を制御する主制御部にて指示されるようになっている。
【0162】
具体的には、駆動装置100a,100bは、さらに、第1駆動部駆動制御回路210及び第2駆動部駆動制御回路220を備えている。
【0163】
第1駆動部駆動制御回路210は、駆動制御部200と第1駆動部110との間に接続されている。第2駆動部駆動制御回路220は、駆動制御部200と第2駆動部120との間に接続されている。
【0164】
駆動制御部200は、第1駆動部駆動制御回路210に対し、第1駆動部110の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第1駆動部駆動制御回路210は、駆動制御部200の指示の下、第1駆動部110の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御部200から指令される目標速度に第1駆動部110の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。そして、駆動制御部200は、画像形成時に第1駆動部110を予め定められたプロセス速度(画像形成用の駆動速度)で駆動するように第1駆動部駆動制御回路210に指令するようになっている。
【0165】
また、駆動制御部200は、第2駆動部駆動制御回路220に対し、第2駆動部120の起動及び停止の指令を与えるようになっている。第2駆動部駆動制御回路220は、駆動制御部200の指示の下、第2駆動部120の起動、停止及び駆動速度を制御する回路であり、ここでは、駆動制御部200から指令される目標速度に第2駆動部120の駆動速度を一致させるように制御するサーボ制御回路とされている。そして、駆動制御部200は、画像形成時に第2駆動部120を前記プロセス速度で駆動するように第2駆動部駆動制御回路220に指令するようになっている。
【0166】
記憶手段300は、後述する基準回転位相を記憶するものであり、ここでは、データ書き換え可能な不揮発性メモリとされている。
【0167】
なお、画像形成装置Dが駆動制御部200、記憶手段300、第1及び第2駆動部駆動制御回路210,220を備えていてもよい。また、記憶手段300は、駆動制御部200に設けられていてもよい。
【0168】
ところで、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bでは、感光体ドラム3a〜3dの偏芯、第1駆動部110や第2駆動部120から感光体ドラム3a〜3dへの回転駆動を伝達する駆動伝達用回転部材(例えば、第1ギヤ130,130aや第2ギヤ140,140a)の偏芯等によって回転ムラが発生することがある。そうすると、第1グループ感光体30aで形成される黒画像と、第2グループ感光体30bで形成されるカラー画像との偏芯等に起因する回転ムラの位相ずれ(色ずれ)が発生することがある。
【0169】
図9は、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bの回転ムラの位相ずれを説明するための図である。図9(a)は、第1グループ感光体30aにて発生した回転ムラの変位状態を示す周期γ1と第2グループ感光体30bにて発生した回転ムラの変位状態を示す周期γ2とがずれている状態を示すグラフである。図9(b)は、回転位相Trを基準回転位相Tsに調整したときの検知センサからの出力信号を示す図である。図9(c)は、回転位相Trを基準回転位相Tsに調整したときの周期を示すグラフである。
【0170】
図9(a)に示すように、第1グループ感光体30aでの周期γ1と、第2グループ感光体30bでの周期γ2とでずれγ3が生じると、第1グループ感光体30aで形成される黒画像と、第2グループ感光体30bで形成されるカラー画像との画像ずれ(色ずれ)が発生しやすい。
【0171】
このため、駆動制御部200は、位相調整手段P1と、位相検出手段P2と、位相差検出手段P3と、回転位相補正手段P4とを含む手段として機能するようになっている。
【0172】
位相調整手段P1では、図9(b)に示すように、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)を基準となる基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)に調整する。
【0173】
こうすることで、図9(c)に示すように、第1グループ感光体30aでの周期γ1と、第2グループ感光体30bでの周期γ2とで可及的にずれないようにすることができ、これにより、偏芯等に起因する回転ムラ、ひいては、画像ずれ(色ずれ)を抑制することができる。
【0174】
具体的には、位相調整手段P1では、第1グループ感光体30aによって中間転写ベルト7に第1位相調整用(ここではブラック調整用)トナー像を形成し、また第2グループ感光体30bによって中間転写ベルト7に第2位相調整用(ここではカラー調整用)トナー像を形成し、これらの位相調整用トナー像に基づき、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)が最適な回転位相である基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)を求め、得られた基準回転位相Tsになるように第1駆動部110及び第2駆動部120のうち少なくとも一方を制御して第1グループ感光体30aの回転タイミングと第2グループ感光体30bの回転タイミングとの少なくとも一方を調整する。
【0175】
なお、位相調整手段P1は、例えば、電源投入時等の初期駆動時及び/又は所定期間毎に実行することができる。
【0176】
しかし、このように、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Trを基準回転位相Tsに位相合わせしても、回転位相Trがずれてしまうことがある。
【0177】
図10は、回転位相の動作制御を説明するための図である。図10(a)は、回転位相Trを基準回転位相Tsに調整したときの検知センサ170からの出力信号を示しており、図10(b)は、その検知状態を示している。図10(c)は、回転位相Trが基準回転位相Tsからずれているときの検知センサ170からの出力信号を示しており、図10(d)は、その検知状態を示している。なお、図10は第1実施形態での構成を示している。
【0178】
図10(a)及び図10(b)に示すように、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Trを基準回転位相Tsに位相合わせしても、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとのうち何れか一方のみを駆動して画像を形成すると、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)が基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)とは全く異なってしまったり或いは印刷動作に伴って第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)の基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)との狂いが生じてしまったりする(図10(c)及び図10(d)参照)。そうすると、偏芯等に起因する回転ムラの画像ずれ(色ずれ)が発生する場合がある。
【0179】
そこで、位相検出手段P2では、検知センサ170による第1検知時間t1と第2検知時間t2とに基づき第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)を検出する。
【0180】
位相検出手段P2では、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr1を検出する場合は、第1グループ感光体30aの第1検知時間t1の検知開始st(ここでは、第1対向部174の第1カム部131との摺動による検知センサ170からの出力信号の立ち上がり)から、第2グループ感光体30bの第2検知時間t2の検知開始st(ここでは、第2対向部175の第2カム部141との摺動による検知センサ170からの出力信号の立ち上がり)までの位相時間を求めることで検出する。
【0181】
また、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr2を検出する場合は、第1グループ感光体30aの第1検知時間t1の検知終了ed(ここでは、第1対向部174の第1カム部131との摺動による検知センサ170からの出力信号の立ち下がり)から、第2グループ感光体30bの第2検知時間t2の検知終了ed(ここでは、第2対向部175の第2カム部141との摺動による検知センサ170からの出力信号の立ち下がり)までの位相時間を求めることで検出する。
【0182】
こうすることで、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)を比較的簡単な制御構成で検出することができる。
【0183】
位相検出手段P2は、印刷動作中に回転位相Trを検出することが好ましい。こうすることで、回転位相Trの検出のために、別途、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとを駆動させる必要がなく、それだけ効率的に回転位相Trを検出することができる。
【0184】
また、位相差検出手段P3では、位相調整手段P1にて調整した基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)に対し、位相検出手段P2にて検出した回転位相Tr(Tr1又はTr2)の回転位相差(ずれ量)Td(図10(c)参照)を検出する。
【0185】
具体的には、回転位相差(ずれ量)Tdは、位相調整手段P1にて調整した基準回転位相Tsと位相検出手段P2にて検出した回転位相Trとの差異を求めることで検出する。
【0186】
そして、回転位相補正手段P4では、位相差検出手段P3による検出結果に基づき第1グループ感光体30aの回転タイミング及び第2グループ感光体30bの回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)が基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)になるように回転位相Tr(Tr1又はTr2)を補正する。
【0187】
具体的には、基準回転位相Tsと回転位相Trとの差異によって、第1ギヤ130,130aに対して第2ギヤ140,140aの回転タイミングが早い(又は遅い)と判断した場合には、第1ギヤ130,130aに対して第2ギヤ140,140aの回転タイミングを遅らせて(又は速くして)基準回転位相Tsと回転位相Trとが一致するように第1駆動部110及び第2駆動部120のうち少なくとも一方を制御する。
【0188】
こうすることで、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)を基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)に合わせることができ、これにより、偏芯等に起因する回転ムラの画像ずれ(色ずれ)を軽減することが可能となる。
【0189】
ところで、第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとのうち何れか一方のみを駆動して第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Trが基準回転位相Tsとは全く異なってしまうといった場合のように、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bの回転位置Trによっては、例えば、第2検知時間t2が第1検知時間t1よりも大きい場合には、第1検知時間t1の全体又は一部が第2検知時間t2と重なることがある。また、第1検知時間t1が第2検知時間t2よりも大きい場合、第2検知時間t2の全体又は一部が第1検知時間t1と重なることがある。そうすると、検知センサ170による検知開始st及び検知終了edが一箇所しか存在しないことになる。
【0190】
図11は、検知センサ170による検知開始st及び検知終了edが一箇所しか存在しない状態を説明するための出力信号を示している。図11(a)は、第1検知時間t1及び第2検知時間t2の一部が重なっている状態を示しており、図11(b)は、第2検知時間t2の全体が第1検知時間t1と重なっている状態を示している。なお、図11において、実線は第1検知時間t1を示しており、破線は第2検知時間t2を示している。
【0191】
検知センサ170による検知開始st及び検知終了edは、図11(a)及び図11(b)に示すように、一箇所しか存在していない。
【0192】
かかる観点から、位相検出手段P2は、検知センサ170による検知開始stが一箇所しか存在しないと判断した場合には、第1駆動部110及び第2駆動部120のうち少なくとも一方を制御して第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bのうち少なくとも一方を検知センサ170による検知開始stが二箇所になるように回転させた後、位相時間trを測定するか、又は、検知センサ170による検知終了edが一箇所しか存在しないと判断した場合には、第1駆動部110及び第2駆動部120のうち少なくとも一方を制御して第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bのうち少なくとも一方を検知センサ170による検知終了edが二箇所になるように回転させた後、位相時間trを測定する。こうすることで、前記第1グループ感光体30aと第2グループ感光体30bとの回転位相Tr(Tr1又はTr2)を確実に検出することができる。
【0193】
また、位相調整手段P1にて調整した基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)を予め記憶手段300に記憶しておくことが好ましい。この場合、位相差検出手段P3は、記憶手段300に記憶した基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)に対し、位相検出手段P2にて検出した回転位相Tr(Tr1又はTr2)の回転位相差を検出する。こうすることで、例えば、初期駆動時及び/又は所定期間毎に位相調整手段P1にて基準回転位相Ts(Ts1又はTs2)を調整し、そのときに記憶手段300に記憶しておけば、無駄な位相調整手段による調整動作を省くことができ、それだけ動作制御時間を短縮することが可能となる。
【0194】
なお、本実施の形態では、単一の検知センサ170によって、第1グループ感光体30aの回転タイミングと、第2グループ感光体30bの回転タイミングとの違いを認識できるように第1検知情報と第2検知情報とを互いに異ならせる構成とされているが、単一の検知センサ170によって検知される第1検知情報と第2検知情報が同じになるように構成とされていてもよい。
【0195】
この場合、第1グループ感光体30a及び第2グループ感光体30bのうち、少なくとも一方のグループ感光体の回転位置Trを変更するとき(例えば何れかのグループ感光体のスピードを速めにする、或いは、遅めにするとき)、この回転位相Trが規準回転位相Tsに対して離れているか否かを確かめた後、回転位相Trが規準回転位相Tsに対して離れている場合には、少なくとも一方のグループ感光体の回転位置Trの変更を逆にする(例えば何れかのグループ感光体のスピードを速めにした場合には遅めにする、或いは、遅めにした場合には速めにする)ことが好ましい。
【符号の説明】
【0196】
3a〜3d 感光体ドラム(像担持体の一例)
30a 第1グループ感光体(第1グループ像担持体の一例)
30b 第2グループ感光体(第2グループ像担持体の一例)
110 第1駆動部
120 第2駆動部
130,130a 第1ギヤ(第1回転部材の一例)
131 第1カム部
131a 登り傾斜部
131b 下り傾斜部
140,140a 第2ギヤ(第2回転部材の一例)
141 第2カム部
141a 登り傾斜部
141b 下り傾斜部
150 第1回転部材
160 第2回転部材
170 検知センサ
171 第1アクチュエータ部
172 第1被検知部
173 センサ部
173a 発光部
173b 受光部
174 第1対向部
175 第2対向部
176 第2アクチュエータ部
177 第2被検知部
180a 第1付勢部材
180b 第2付勢部材
300 記憶手段
t1 第1検知時間(第1検知情報の一例)
t2 第2検知時間(第2検知情報の一例)
D 画像形成装置
P1 位相調整手段
P2 位相検出手段
P3 位相差検出手段
P4 回転位相補正手段
Q1 第1枢支軸
Q2 第2枢支軸
Td 回転位相差
Tr 回転位相
Ts 基準回転位相
X 回転軸線方向
α1 外周面(第1外周面)
α2 外周面(第2外周面)
β1 第1検知位置
β2 第2検知位置
θ1 第1回転角度
θ2 第2回転角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置であって、
前記複数の像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第1グループ像担持体と、
残りの像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第2グループ像担持体と、
前記第1グループ像担持体を回転駆動するための第1駆動部と、
前記第2グループ像担持体を回転駆動するための第2駆動部と、
前記第1駆動部による前記第1グループ像担持体の回転に伴って回転する第1回転部材と、
前記第2駆動部による前記第2グループ像担持体の回転に伴って回転する第2回転部材と、
前記第1グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第1検知情報を検知し、かつ、前記第2グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第2検知情報を検知する単一の検知センサと
を備え、
前記第1回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第1カム部が設けられており、
前記第2回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第2カム部が設けられており、
前記検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材と前記第2回転部材とは、回転軸線が互いに平行とされており、
前記検知センサは、前記第1回転部材の回転軸線方向と交差する方向に沿って移動可能な第1アクチュエータ部と、前記第1アクチュエータ部に設けられた第1被検知部と、前記第2回転部材の回転軸線方向と交差する方向に沿って移動可能な第2アクチュエータ部と、前記第2アクチュエータ部に設けられた第2被検知部と、前記第1被検知部及び前記第2被検知部を検知するセンサ部とを有しており、
前記第1アクチュエータ部は、前記第1回転部材の外周面に対向する第1対向部が設けられており、
前記第2アクチュエータ部は、前記第2回転部材の外周面に対向する第2対向部が設けられており、
前記第1対向部及び前記第1カム部は、前記第1アクチュエータ部の移動に伴う前記第1被検知部の移動によって前記センサ部が前記第1検知情報を検知するように形成されており、
前記第2対向部及び前記第2カム部は、前記第2アクチュエータ部の移動に伴う前記第2被検知部の移動によって前記センサ部が前記第2検知情報を検知するように形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第1アクチュエータ部は、前記回転軸線方向に沿った第1枢支軸回りに揺動自在とされており、前記第1回転部材の回転に伴って前記第1カム部が周回移動して前記第1対向部が揺動することによって前記第1被検知部が揺動するようになっており、
前記第2アクチュエータ部は、前記回転軸線方向に沿った第2枢支軸回りに揺動自在とされており、前記第2回転部材の回転に伴って前記第2カム部が周回移動して前記第2対向部が揺動することによって前記第2被検知部が揺動するようになっていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記第1アクチュエータ部を前記第1ギヤに向けて付勢する第1付勢部材と、前記第2アクチュエータ部を前記第2ギヤに向けて付勢する第2付勢部材とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記センサ部は、発光部及び受光部を備え、前記発光部から前記受光部に入射される入射光を前記第1アクチュエータ部の移動に伴う前記第1被検知部の移動によって該第1被検知部で遮断又は通過させ、かつ、前記発光部から前記受光部に入射される入射光を前記第2アクチュエータ部の移動に伴う前記第2被検知部の移動によって該第2被検知部で遮断又は通過させることで、該入射光の有無を前記受光部で検知する光センサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが同じであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材の前記第1カム部と前記第2回転部材の前記第2カム部とは、周方向の長さが互いに異なることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材には、前記第1カム部に加えて、該第1回転部材を前記第2回転部材としたときに該第2回転部材に設けられる前記第2カム部が設けられており、前記第2回転部材には、前記第2カム部に加えて、該第2回転部材を前記第1回転部材としたときに該第1回転部材に設けられる前記第1カム部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材及び前記第2回転部材の少なくとも一方は、対応するグループ像担持体における像担持体と同軸上に設けた回転部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1回転部材は、ギヤ或いはプーリであり、前記第2回転部材は、ギヤ或いはプーリであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1カム部及び前記第2カム部は、何れも登り傾斜部と下り傾斜部とを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置であって、
前記登り傾斜部と前記下り傾斜部との間が前記外周面に沿った平面部とされていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を基準となる基準回転位相に調整する位相調整手段と、
前記検知センサによる前記第1検知情報と前記第2検知情報とに基づき前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を検出する位相検出手段と、
前記位相調整手段にて調整した前記基準回転位相に対し、前記位相検出手段にて検出した回転位相の回転位相差を検出する位相差検出手段と、
前記位相差検出手段による検出結果に基づき前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を補正する回転位相補正手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項13に記載の画像形成装置であって、
前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、少なくとも一方のグループ像担持体の回転位置を変更し、該回転位相が前記基準回転位相に対して離れているか否かを確かめる確認手段を備え、
前記位相調整手段及び前記回転位相補正手段は、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち、少なくとも一方のグループ像担持体の回転位置を変更するときに、前記確認手段で前記回転位相が前記基準回転位相に対して離れているか否か確かめた後、前記回転位相が前記規準回転位相に対して離れている場合には、前記少なくとも一方のグループ像担持体の前記回転位置の変更を逆にすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の画像形成装置であって、
前記位相検出手段は、前記検知センサによる前記第1検知情報の検知開始と前記検知センサによる前記第2検知情報の検知開始との間の位相時間を測定するか、又は、前記検知センサによる前記第1検知情報の検知終了と前記検知センサによる前記第2検知情報の検知終了との間の位相時間を測定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項15に記載の画像形成装置であって、
前記位相検出手段は、前記検知センサによる検知開始が一箇所しか存在しない場合には、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち少なくとも一方を前記検知センサによる検知開始が二箇所になるように回転させた後、前記位相時間を測定するか、又は、前記検知センサによる検知終了が一箇所しか存在しない場合には、前記第1グループ像担持体及び前記第2グループ像担持体のうち少なくとも一方を前記検知センサによる検知終了が二箇所になるように回転させた後、前記位相時間を測定することを特徴とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項13から請求項16までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記位相調整手段にて調整した前記基準回転位相を予め記憶手段に記憶しておき、
前記位相差検出手段は、前記記憶手段に記憶した前記基準回転位相に対し、前記位相検出手段にて検出した回転位相の回転位相差を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項13から請求項17までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記回転位相補正手段は、前記位相差検出手段による検出結果に基づき、前記第1駆動部及び前記第2駆動部の少なくとも一方を駆動させることで、前記第1グループ像担持体の回転タイミング及び前記第2グループ像担持体の回転タイミングのうち少なくとも一方を変更して前記第1グループ像担持体と前記第2グループ像担持体との回転位相を補正することを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項13から請求項18までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記位相検出手段は、印刷動作中に前記回転位相を検出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項1から請求項19までの何れか一つに記載の画像形成装置であって、
前記第1グループ像担持体は、モノクロームの画像形成を行うためのものであり、
前記第2グループ像担持体は、前記第1グループ像担持体と協働してカラーの画像形成を行うためのものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
複数の画像を該複数の画像にそれぞれ対応する複数の像担持体を用いて形成し、前記複数の画像を重ね合わせる画像形成装置に備えられる駆動装置であって、
前記複数の像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第1グループ像担持体を回転駆動するための第1駆動部と、
残りの像担持体のうち少なくとも一つの像担持体が属する第2グループ像担持体を回転駆動するための第2駆動部と、
前記第1駆動部による前記第1グループ像担持体の回転に伴って回転する第1回転部材と、
前記第2駆動部による前記第2グループ像担持体の回転に伴って回転する第2回転部材と、
前記第1グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第1検知情報として前記第1回転部材の回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2グループ像担持体の回転タイミングを認識するための第2検知情報として前記第2回転部材の回転タイミングの検知情報を検知する単一の検知センサと
を備え、
前記第1回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第1カム部が設けられており、
前記第2回転部材の外周面において、回転軸線方向の少なくとも一部にかつ周方向の一部に第2カム部が設けられており、
前記検知センサは、前記第1検知情報として前記第1回転部材の前記第1カム部による回転タイミングの検知情報を検知し、かつ、前記第2検知情報として前記第2回転部材の前記第2カム部による回転タイミングの検知情報を検知するように構成されていることを特徴とする駆動装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2011−33927(P2011−33927A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181528(P2009−181528)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】