説明

画像形成装置

【課題】 装置レイアウト等の関係で制約があっても、プロセス手段の回転部材に対して安定且つ円滑な駆動伝達がなし得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成の為のプロセス手段90は、回転部材9bを含んでユニット化され、画像形成装置本体1aに装着した時には、該本体1aの駆動部22に設けられた伝達ギヤ26に、上記回転部材9bの被伝達ギヤ9eが噛み合うよう構成される。前記本体側の伝達ギヤ26を支持するギヤシャフト26aが、平行な2枚のブラケット22b、22eに横架され、該ギヤシャフト26aの一端部が上記ブラケット22bの外側に突出し、その他端部が前記上記ブラケット22eに固着され、前記伝達ギヤ26はギヤシャフト26aに支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置、複写機或いはプリンタ(これらの複合機も含む)等に採用される主に電子写真方式の記録部を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電子写真方式の記録部を備える画像形成装置においては、感光体ドラムユニット、現像器ユニットあるいはこれらが一体となったユニット、更には定着器ユニットがプロセスユニットとして、画像形成装置本体に着脱自在に装着される。これらプロセスユニットは消耗品であるため、その交換時に、あるいは紙ジャム解除等のメンテナンス時にその着脱がなされる。そして、これらプロセスユニットは回転部材を備えており、画像形成装置本体に装着した時には、該本体に装備された駆動部の各伝達ギヤに、上記各ユニットにおける回転部材の被伝達ギヤが噛み合うよう構成される。
【0003】
上記回転部材の具体例としては、感光体ドラムユニットの場合、感光体ドラムの他に、帯電ローラ、トナー除去部材(ブラシ或いはローラ)、徐電部材等が挙げられ、一個の被伝達ギヤから当該ユニット筐体に設けられた伝達ギヤを介して、これら回転部材に駆動伝達される。また、現像器ユニットの場合、現像ローラ、トナー攪拌部材(羽根)、更にはトナー搬送部材(スクリュー、トナー供給ローラ等)が挙げられ、上記同様、一個の被伝達ギヤから当該ユニット筐体に設けられた伝達ギヤを介してこれら回転部材に駆動伝達される。また、定着器ユニットの場合は、加熱ローラ或いはプレスローラである。
【0004】
上記各被伝達ギヤに駆動を伝達する伝達ギヤは、一個のモータから分岐して駆動伝達する複数のギヤ列(ベルトを介する場合もある)の末端に位置し、モータ、複数のギヤ列及び末端の伝達ギヤは、モータブラケットに取付けられユニット化されて駆動ユニットとして構成され、画像形成装置本体内の適宜位置に設置される。そして、上記各プロセスユニットを画像形成装置の本体に装着設置した時には、上記各被伝達ギヤが、これら末端の伝達ギヤに噛み合うことになる。上記ギヤ列を構成するアイドラギヤおよび末端の伝達ギヤは、板金加工により形成された2枚の平行なブラケット間に横架されたギヤシャフトに軸回転可能に支持される。
【0005】
然るに、上記プロセスユニットの構造及び装置レイアウトの関係で、当該プロセスユニットの筐体と、駆動ユニットを構成するブラケットの一部とが干渉するような位置関係となることがある。このような場合、末端の伝達ギヤによっては、そのギヤシャフトを、干渉する側のブラケットでは支持できず、干渉しない側のブラケットに所謂片持状態で支持するよう構成せざるを得ない場合がある。特に現像器ユニットの場合、被伝達ギヤは当該ユニット筐体の側部に一部が露出するよう設けられ、本体側の伝達ギヤに対して被伝達ギヤを上方より噛み合わせるよう構成される例があり、このような場合には、現像器ユニット用の末端伝達ギヤには上記片持状態の支持機構が採用される。特許文献1には、給紙装置における駆動装置の駆動軸を2枚の平行なブラケットに軸回転可能に支持し、その先側を一方のブラケットより突出させ、この突出部分に給紙ローラ等に駆動伝達させる為のギヤを装着した例が開示されている。
【特許文献1】特開平5−4733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、伝達ギヤのギヤシャフトを片持状態で支持する場合、駆動伝達の際に振動が生じ易く、特に現像器ユニットの場合、この振動が現像ローラに伝播し、感光体ドラムとの間のクリアランスが変化して、感光体ドラム間でのバイアス電圧の変化を来たすことになる。このようなバイアス電圧の変化は、静電潜像のトナー現像にバラつきが生じ、画像品質の低下の原因となることがある。特許文献1には、上記の通り、駆動軸をその先側が突出るよう2枚のブラケットで支持し、この突出部分に給紙ローラ等に駆動伝達させる為のギヤを装着した例が開示されている。この例の駆動伝達機構は、駆動軸自体に回転駆動力が付加され、ギヤを軸回転可能に支持するものではないから、ギヤシャフトとしての機能が上記とは異なり、また、駆動伝達の対象がピックアップローラ、フィードローラを含む給紙装置であって、画像形成品質に直接関わる部分ではない。
【0007】
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたものであり、装置レイアウト等の関係で制約があっても、プロセス手段の回転部材に対して安定且つ円滑な駆動伝達がなし得る画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、画像形成の為のプロセス手段を着脱自在に備え、このプロセス手段は、回転部材を含んでユニット化され、画像形成装置本体に装着した時には、該本体の駆動部に設けられた伝達ギヤに、上記回転部材の被伝達ギヤが噛み合うよう構成される画像形成装置であって、上記本体側の伝達ギヤを軸回転可能に支持するギヤシャフトが、平行な2枚のブラケットに横架され、該ギヤシャフトの一端部が上記ブラケット対の一方の外側に突出し、その他端部が前記上記ブラケット対の他方に固着され、前記伝達ギヤはこの突出するギヤシャフトに回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0009】
そして、本発明は、請求項2の発明のように、前記プロセス手段が現像器であり、前記回転部材の被伝達ギヤが現像器筐体の側部に一部露出し、この露出部分が前記本体側の伝達ギヤと噛み合うようになされている場合に好ましく適用され、更に、請求項3の発明のように、この回転部材が、現像ローラ、トナー供給ローラ及びトナー攪拌部材の内の、少なくとも現像ローラであるものとすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置によれば、プロセス手段の回転部材に駆動伝達させる為の本体側伝達ギヤのギヤシャフトが、平行な2枚のブラケットに横架されて所謂両持ち状態で支持され、前記ギヤシャフトの一端部が上記ブラケット対の一方の外側に突出し、その他端部が前記上記ブラケット対の他方に固着され、前記伝達ギヤはこの突出するギヤシャフトに軸回転可能に支持されているから、ギヤシャフトの剛性がアップし、また、駆動伝達時の振動(ジッター)発生が抑制され、被伝達ギヤに対して安定、かつ円滑な駆動伝達がなされる。したがって、プロセス手段が現像器であって、回転部材が現像ローラである場合には、静電潜像のトナー現像が的確になされ、画像形成装置としての画像品質の向上に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の画像形成装置の一例を示す概略的縦断面図、図2は本発明のプロセス手段を駆動させる為の駆動ユニットの要部を示す正面図、図3は同平面図、図4は図2におけるX−X線矢視図、図5は図4におけるY−Y線拡大断面図である。
【実施例】
【0012】
図例の画像形成装置1は、ファクシミリ機能、複写機能及びプリンタ機能を備えた所謂複合機に適用されたものであることを示し、上部より自動原稿送り装置(以下、「ADF」と言う)2、画像読取部3、記録部4及び記録紙の給紙部5が積層状態で構成されている。ADF2は、原稿トレイ2a上に堆積載置された原稿を、ピックアップローラ2b及び分離手段(分離ローラとリタードローラの対)2cにより1枚ずつ繰出し分離し、各搬送ローラ対2d、2e、2fにより湾曲搬送路2gを搬送させながら、途中ADF原稿の読取ポイントpにおいて、静止した読取走査装置(後記する)3aによってその画像を読取り、排出ローラ対2hによって原稿排出トレイ2i上に順次排出させるべく機能するものである。尚、分離手段2cとしては、分離ローラと分離パッドからなるものも多く採用されている。
【0013】
画像読取部3は、ADF読取部3bと平板式読取走査部(以下、「FBS」と言う)3cとにより構成され、図1は、上記読取走査装置3aがADF読取ポイントpの直下のADF読取部3bに静止し、ADF2によって順次自動給送される原稿の画像を読取る状態を示している。FBS3cにおいて画像読取を行う場合は、読取走査装置3aがFBS3cに移動し、プラテンガラス3dの下を図1に示す左右方向に往復移動しながら、プラテンガラス3dの上に下向きに置かれた原稿の画像を読取る。上記ADF2を構成する一連の機構は、プラテンカバー(原稿押圧板)も兼ね、紙面奥側のヒンジ部(不図示)を回動中心として上下に開閉可能とされている。
【0014】
図例の記録部4は、電子写真式記録装置からなることを示し、感光体ドラム6、帯電器7、光(LED或いはレーザ)書込みユニット8、現像器9、転写器10及び定着器11により構成される。そして、定着器11の下流側には、排出ローラ対12及び排出トレイ12aが連設されている。この電子写真式記録装置においては、上記画像読取部3で読取られた画情報、或いはファクシミリやパソコン等の外部端末から送信された画情報が、帯電器7によって一様に帯電された感光体ドラム6の表面に、光書込みユニット8によって光情報として書き込まれ、感光体ドラム6の表面には光情報に基づく静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器9によって現像され、転写器10において、後記する湾曲搬送路13を搬送され搬送ローラ対14によって導入された記録紙にトナー画像として逐次転写される。記録紙に転写されたトナー画像は、定着器11によって永久画像として定着され、永久画像が形成された記録紙は、排出ローラ対12によって排出トレイ12aに排出・堆積される。尚、図例のような電子写真式記録装置は、カラー電子写真式記録装置であっても良いことは言うまでもない。
【0015】
感光体ドラム6は、帯電器7及びその他不図示のトナー除去部材等と共にドラムユニット筐体6aに組込まれて感光体ドラムユニット(プロセス手段)60を構成し、前記感光体ドラムユニット60は、画像形成装置本体1a内の所定位置に着脱自在に装着設置される。また、現像器9は、トナー容器を兼ねる現像器ユニット筐体9a内に、現像ローラ9b、トナー供給ローラ9c及びトナー攪拌器9d等を組込んで現像器ユニット(プロセス手段)90としてユニット化されている。この現像器ユニット90も、画像形成装置本体1a内の所定位置に着脱自在に装着されるが、両プロセスユニット60、90は夫々別体であっても、また、一体であっても良い。定着器11は、加熱ローラ11aと、プレスローラ11bとを対合した状態でユニット(プロセス手段)として構成されている。
【0016】
給紙部5は、記録紙Pの搬送方向に垂直な方向(紙面垂直方向)に、出し入れ可能な記録紙カセット15を備え、これら記録紙カセット15の前端部上には給紙ローラ16が配設されている。この給紙ローラ16には摩擦分離パッド18が弾接され、給紙ローラ16の回転に伴い、記録紙カセット15に収容された記録紙Pが、最上層部より繰出され、摩擦分離パッド18の作用を受けて1枚ずつ分離され給送されて行く。記録紙カセット15内には、枢支ピン15aを支点として上下揺動可能とされた押上板15b及び記録紙Pの後端を規制する位置調整可能な規制板15cが設けられている。押上板15bは圧縮ばね15dにより上向き付勢状態とされる。その他、図示及び説明を割愛するが、記録紙カセット15として必要な付帯部材も装備されるものであることは言うまでもない。尚、記録紙カセット15の下に、更にオプションカセット(不図示)を配設し、2段以上のマルチカセットシステムを構成することも可能である。
【0017】
上記摩擦分離パッド18は、記録紙カセット15の記録紙排出側端部に用紙幅全域に亘り形成された用紙ガイド部材19の略中央部に上向き付勢状態で設置されている。用紙ガイド部材19の背後には下段カセットからの記録紙が通過し得る間隔を隔てて、ジャムアクセスカバー(メンテナンス用開閉カバー)20が取付けられており、このジャムアクセスカバー20は、画像形成装置1における箱型筐体(本体)1aの右側壁部に、ヒンジピン20aを支点として開閉可能に取付けられている。ジャムアクセスカバー20の内面上方部分は記録紙カセット15側に湾曲して、湾曲搬送路13の一部を形成する。
【0018】
ジャムアクセスカバー20の内側には、上記箱型筐体1a内に設置された搬送ローラ21と対合するプレスローラ21aが取付けられており、ジャムアクセスカバー20を、ヒンジピン20aを支点として開ければ、搬送ローラ21とプレスローラ21aとの対合が解除され、この付近にジャムした記録紙の取出しが可能とされる。湾曲搬送路13は、記録紙カセット15から繰出された記録紙を、略180度方向転換して、Uターン状に搬送し記録部4に向かわせるものである。この湾曲搬送路13における記録部4の上流側近傍には、搬送ローラ対14が配設され、記録紙が搬送され、上記感光体ドラム6と転写器(転写ローラ)10との間に導入される。搬送ローラ21、湾曲搬送路13及び搬送ローラ対14により、記録紙カセット15から繰出された記録紙を記録部に給送させる為の記録紙搬送手段が構成される。
【0019】
次に、上記各プロセスユニット60、90、11の回転部材を回転駆動させる為の駆動ユニットについて説明する。図2は、プロセス手段を駆動させる為の駆動ユニット22のギヤ列を示す図であり、図3はその平面図である。図において、板金加工によって形成された2枚のベースブラケット22a及びモータブラケット22bが互いに平行関係で結合され、モータブラケット22bには駆動源としてのモータ23が固設されている。モータ23の出力軸23aには、2個のアイドルギヤ24、25が噛合する。
【0020】
上記一方のアイドルギヤ24には、小径同軸ギヤ24aを介し、アイドルギヤ24b、24cが順次噛合連結され、末端の現像器ユニット用伝達ギヤ26に至る駆動伝達ギヤ列Aが構成されている。また、前記アイドルギヤ25には、小径同軸ギヤ25aを介し、アイドルギヤ25b、25cが順次噛合連結され、末端の感光体ドラムユニット用伝達ギヤ27に至る駆動伝達ギヤ列Bが構成されている。更に、現像器ユニット用駆動伝達ギヤ列Aを構成するアイドルギヤ24aには、アイドルギヤ24d、24e、24f、24gが順次噛合連結され、定着器ユニット用伝達ギヤ28に至る駆動伝達ギヤ列Cが構成されている。そして、現像器ユニット用駆動伝達ギヤ列Aを構成するアイドルギヤ24bには、アイドルギヤ24h、24iが順次噛合連結され、前記搬送ローラ14に駆動伝達する為の伝達ギヤ29に至る駆動伝達ギヤ列Dが構成されている。
【0021】
上記ギヤ列A、B、Cにおける末端の伝達ギヤ26、27、28には、前記プロセスユニット(プロセス手段)90、60、11が画像形成装置本体1a内の所定位置に装着設置された時に、夫々の回転部材に回転動力を伝達する為の被伝達ギヤが噛合する。図2の二点鎖線で示す現像器ユニット90、感光体ドラムユニット60及び定着器ユニット11は、所定の位置に装着設置された状態を示す。現像器ユニット90と感光体ドラムユニット60とは、互いに離反可能な連結手段(不図示)によって連結した上で、各ユニットの側部に設けられた位置決めピン90a、60aをモータブラケット22bに(反対側は装置の機枠に)設けられた位置決めスリット22c、22dに嵌挿することによって位置決め設置される。
【0022】
現像器ユニット90の筐体9aは、横長箱型であり、その内部はトナー収容部とされると共に、その長手方向に沿って回転部材としての現像ローラ9b、トナー供給ローラ9c及びトナー攪拌器9dが平行に配設されている(図1参照)。そして、現像器ユニット筐体9aの一側部には、これら回転部材9b、9c、9dに回転伝達させる為の被伝達ギヤ9eが、現像器ユニット筐体9aに一部が覆われる状態で取付けられ、上記装着設置時にはこの被伝達ギヤ9eの露出部分が、伝達ギヤ26に噛み合うよう構成される(図4も参照)。この被伝達ギヤ9eから、現像器ユニット筐体9aの側部に設けられた伝達機構(不図示)を介して、現像ローラ9b、トナー供給ローラ9c及びトナー攪拌器9dに回転駆動伝達がなされる。
【0023】
また、感光体ドラムユニット60内には、その長手方向に沿って、回転部材としての感光体ドラム6が配設され(図1参照)、その一端には同軸的に被伝達ギヤ6bが装着されている。上記のように感光体ドラムユニット60が所定位置に装着設置された時には、この被伝達ギヤ6bが上記伝達ギヤ27に噛み合うよう構成される。被伝達ギヤ6bからは感光体ドラム6に回転駆動伝達がなされると共に、不図示の伝達機構を介して帯電ローラ7にも回転駆動伝達がなされる。更には、この装着設置時に、被伝達ギヤ6bが画像形成装置本体1aに設けられた伝達ギヤ(不図示)に噛合い、転写ローラ10に回転駆動力を伝達するようにも構成される。
【0024】
更に、定着器ユニット11内には、回転部材としての互いに対合する加熱ローラ11a及びプレスローラ11bが配設され(図1参照)、加熱ローラ11aの一端には被伝達ギヤ11cが装着されている。従って、上記同様所定位置に装着設置された時には、この被伝達ギヤ11cが伝達ギヤ28に噛み合い、加熱ローラ11aへの回転駆動伝達がなされる。プレスローラ11bは、加熱ローラ11aとの対合により従動回転するようになされるが、独自に駆動力を付与したい場合には、被伝達ギヤ11cから更にアイドルギヤ(不図示)を介して、回転駆動伝達するように構成することも可能である。このように、1個のモータ23の回転駆動力が、ギヤ列A、B及びCを介して末端の伝達ギヤ26、27、28に伝達され、各プロセスユニットの被伝達ギヤ9e、6b及び11cに伝達されて、夫々の回転部材の回転駆動がなされる。
【0025】
上記現像器ユニット用伝達ギヤ26を除く全てのアイドルギヤ及び末端伝達ギヤは、ベースブラケット22a及びモータブラケット22bの間に横架されたギヤシャフトに、両ブラケット22a、22b間に位置するよう軸回転可能に支持される(例えば、図4におけるアイドルギヤ24c参照)。而して、プロセスユニットの形状的特性等から、このような支持構造を採用できない場合がある。特に、現像器9はそのトナー容量をできるだけ大きく確保したい等の理由で、筐体90の長手方向長さが可能な限り大きく設計される。従って、その側部にギヤの取付けスペースを確保した上でこのような条件を充足させんとすると、筐体90がベースブラケット22aと干渉するような位置関係となり、その為、従来は、現像器ユニット用伝達ギヤ26を、モータブラケット22bに片持ち状態で取付けられたギヤシャフトに支持させるように構成せざるを得ず、前記のような振動等の問題点が指摘されていた。
【0026】
そこで、本発明では、図2〜図5に示すように、モータブラケット22bの一部を反ベースブラケット22a側に平面視コの字形に屈曲してサブブラケット22eを形成し、現像器ユニット用伝達ギヤ26のギヤシャフト26aをこのサブブラケット22eとモータブラケット22bとの間に横架させ、モータブラケット22bから現像器9側に突出する部分に、伝達ギヤ26を軸回転可能に支持するようにしている。従って、ギヤシャフト26aは、2枚のブラケットに横架された状態で支持されるから、その剛性がアップすると共に、回転駆動伝達時の振動発生も抑制され、現像ローラ9b等の回転が極めて安定且つ円滑になされ、画像形成の品質向上に大きく寄与する。
【0027】
図例の伝達ギヤ26は、小径同軸ギヤ26bを一体とした2段ギヤからなり、被伝達ギヤ9eとは、この小径同軸ギヤ26bが噛合い、減速されて回転駆動伝達がなされる。また、ギヤシャフト26aの一端部は、モータブラケット22bに設けられたギヤシャフトの軸径よりもやや大きな直径の孔2fに挿通され、その挿通された端部は、サブブラケット22eにカシメ或いはその他治具を用いて固着され、伝達ギヤ26は先端の抜止め用円板26cによって抜け止めがなされた状態で、ギヤシャフト26aに対して軸回転可能に支持されている。
【0028】
尚、上記実施例では、現像器ユニット用伝達ギヤ26の支持構造に本発明を適用した例を述べたが、感光体ドラムユニット用伝達ギヤ27或いは定着器ユニット用伝達ギヤ28の支持構造にも適用され得ることは言うまでもない。また、伝達ギヤ26を支持する対象としてのブラケット対を、図例のようなモータブラケット22b及びこれを屈曲して形成したサブブラケット22eの対としたが、これに限定されず、その他のブラケットにより構成することも除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す概略的縦断面図である。
【図2】本発明のプロセス手段を駆動させる為の駆動ユニットの要部を示す正面図である。
【図3】同平面図である。
【図4】図2におけるX−X線矢視図である。
【図5】図4におけるY−Y線拡大断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 画像形成装置、 1a 画像形成装置本体、 6 感光体ドラム、
60 感光体ドラムユニット(プロセス手段)、 9 現像器、
11 定着器(プロセス手段)、 9a 現像器ユニット筐体、
9b 現像ローラ(回転部材)、 9c トナー供給ローラ(回転部材)、
9d トナー攪拌部材(回転部材)、 9e 被伝達ギヤ、
90 現像器ユニット(プロセス手段)、 22 駆動ユニット(駆動部)、
22b モータブラケット(平行な2枚のブラケットの一方)、
22e サブブラケット(同他方)、 26 現像器ユニット用伝達ギヤ、
26a ギヤシャフト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成の為のプロセス手段を着脱自在に備え、このプロセス手段は、回転部材を含んでユニット化され、画像形成装置本体に装着した時には、該本体の駆動部に設けられた伝達ギヤに、上記回転部材の被伝達ギヤが噛み合うよう構成される画像形成装置であって、 上記本体側の伝達ギヤを軸回転可能に支持するギヤシャフトが、平行な2枚のブラケットに横架され、該ギヤシャフトの一端部が上記ブラケット対の一方の外側に突出し、その他端部が前記上記ブラケット対の他方に固着され、前記伝達ギヤはこの突出するギヤシャフトに軸回転可能に支持されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセス手段が現像器であり、前記回転部材の被伝達ギヤが現像器筐体の側部に一部露出し、この露出部分が前記本体側の伝達ギヤと噛み合うようになされていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記回転部材が、現像ローラ、トナー供給ローラ及びトナー攪拌部材の内少なくとも現像ローラであることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−163213(P2006−163213A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357473(P2004−357473)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】