説明

画像形成装置

【課題】 装置の小型化を図りつつ転写体に順バイアス及び逆バイアスを印加することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 逆転写動作時における逆転写バイアス電圧Va2は、帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧を利用している。また、順転写動作時に順転写バイアス印加回路62を定電流制御するにあたり、検出抵抗84aに流れる電流i4と、補助巻線75cの発生電圧Veに基づき正確に転写ローラ30に流れる電流i3を検知する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、転写手段に順バイアス電圧及び逆バイアス電圧を印加するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置は、通常、感光ドラムの回転方向に沿って、帯電器、スキャナ装置、現像ローラ及び転写ローラが順に設けられた構成になっている。
感光ドラムの表面は、その回転に伴ってまず帯電器により一様に帯電された後、スキャナ装置によるレーザ走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。次いで、現像ローラとの対向位置でこの現像ローラ上に担持されたトナーが上記静電潜像に供給されることでトナー像(可視像)が形成される。その後、転写ローラとの対向位置でこの転写ローラに順バイアス(転写用バイアス)電圧が印加され、感光ドラムの表面上に担持されたトナー像が、感光ドラムと転写ローラとの間を通る用紙に転写される。
【0003】
また、この種の画像形成装置は、例えば下記特許文献1に示すように、上記転写動作(用紙への画像形成動作)の前後において、転写ローラに対し上記順バイアス電圧と逆極性の逆バイアス(回収用バイアス)電圧を印加して転写ローラに付着したトナーを感光ドラム側に回収するトナー回収機能を備えたものがある。
【特許文献1】特開2003−209972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の画像形成装置では、上記構成を実現するために、帯電器に帯電用バイアス電圧を印加する帯電用トランス回路と、転写ローラに順バイアス電圧を印加する順バイアス用トランス回路と、転写ローラに逆バイアス電圧を印加する逆バイアス用トランス回路とをそれぞれ別個に設けた構成になっていた。つまり、帯電器及び転写ローラにバイアス電圧を印加するための構成として、少なくとも3つのトランス回路が必要であり、その結果、画像形成装置全体の小型化や回路設計の自由度の弊害になっていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、装置の小型化を図りつつ転写体に順バイアス及び逆バイアスを印加することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る画像形成装置は、帯電器と、像担持体に担持されたトナー像を被記録媒体に転写するための転写体と、前記転写体に転写用バイアス電圧を印加する転写バイアス印加手段と、前記帯電器に前記転写用バイアス電圧とは逆極性を有する帯電用バイアス電圧を印加する帯電バイアス印加手段と、前記帯電バイアス印加手段の帯電用バイアス電圧を分圧する分圧手段と、前記トナー像の前記被記録媒体への転写動作時には前記転写バイアス印加手段からの前記転写用バイアス電圧を前記転写体に印加し、前記転写体に付着したトナーを前記像担持体へ戻す動作時には前記分圧手段からの分圧電圧を前記転写体に印加する制御手段と、を備えることを特徴とする。
なお、「像担持体」には、感光ドラム(感光体)だけでなく、中間転写体も含まれる。また、「被記録媒体」には、用紙以外にOHPシートなどが含まれる。「画像形成装置」にはプリンタ(レーザプリンタ)だけでなく、ファクシミリ装置や、プリンタ機能及びスキャナ機能等を備えた複合機についても含まれる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記像担持体の表面を清掃するためのクリーニング手段を備え、前記分圧手段は更に前記クリーニング手段用の分圧電圧を生成しその分圧電圧が当該クリーニング手段に印加されることを特徴とする。
なお、上記「クリーニング手段」には、専用のクリーニングブラシ又はクリーニングローラだけでなく、現像ローラを利用して像担持体の表面を清掃するものも含まれる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記転写用バイアス電圧は負極性電圧であり、前記帯電用バイアス電圧は正極性電圧であり、前記クリーニング手段は、前記像担持体に付着した紙粉を除去する紙粉除去用のクリーニング手段であることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記転写バイアス印加手段と前記分圧手段とを前記転写体に対して直列接続した構成とされ、前記制御手段は、前記転写動作時には、前記帯電バイアス印加手段を駆動させつつ前記分圧手段での分圧電圧よりも絶対レベルが大きい転写バイアス電圧を出力するよう前記転写バイアス印加手段を駆動させる一方で、前記トナーを前記像担持体へ戻す動作時には、前記帯電バイアス印加手段を駆動させつつ前記転写バイアス印加手段を停止させることで前記分圧手段での分圧電圧を前記転写体に印加させることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記転写バイアス印加手段からの前記転写用バイアス電圧を、前記分圧手段からの分圧電圧を相殺する値に制御可能になっていることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置において、前記転写バイアス印加手段及び前記帯電バイアス印加手段を、定電流制御によって各バイアス電圧を印加する構成とされ、前記転写バイアス印加手段及び前記分圧手段の直列接続線に流れる電流量を検出する電流検出手段を備え、前記制御手段は、前記転写動作時において、前記電流検出手段での検出値と、前記帯電バイアス印加手段からの帯電用バイアス電圧値とに基づき前記転写バイアス印加手段からの転写用バイアス電流量を検知し、この検知量に基づき前記転写バイアス印加手段を定電流制御することを特徴とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
<請求項1の発明>
本構成によれば、転写体に付着したトナーを像担持体に戻す動作時に転写体に印加するためのバイアス電圧(逆バイアス)は、帯電器に印加する帯電用バイアス電圧を分圧した電圧が利用される。従って、帯電器及び転写体にバイアス電圧を印加するための構成として、2つの印加回路(トランス回路)だけで済み、これにより画像形成装置の小型化を図ることができるとともに回路設計の自由度が増す。
【0013】
<請求項2の発明>
像担持体の表面を清掃するためのクリーニング手段に印加する印加電圧を、分圧手段での分圧電圧で賄う構成であるから、回路構成を簡略化できコストの低減を図ることができる。
【0014】
<請求項3の発明>
本構成は、帯電用バイアス電圧が正極性電圧である、いわゆる正帯電システムである。このようなものでは、紙粉除去用のクリーニング手段に、上記帯電用バイアス電圧を分圧した同極性の電圧を印加することで負極性の紙粉を像担持体から除去できるのである。
【0015】
<請求項4の発明>
本構成によれば、共通の出力端子を介して転写体に順バイアス電圧及び逆バイアス電圧を印加できる。このような構成に対しても本発明を適用することで、画像形成装置の小型化を図ることができるとともに回路設計の自由度が増す。
【0016】
<請求項5の発明>
本構成によれば、前記転写バイアス印加手段からの出力電圧レベルを調整するという比較的に簡単な構成で、転写体に対し、転写動作時に順バイアス電圧、トナーを戻す動作時に逆バイアス電圧、例えば上記転写動作やトナーを像担持体へ戻す動作時以外のときに0V の電圧を印加できる。
【0017】
<請求項6の発明>
本構成によれば、電流検出手段での検出値と、帯電バイアス印加手段からの帯電用バイアス電圧値とに基づき、転写体等の負荷抵抗の変化によって変動し得る転写バイアス印加手段からの転写用バイアス電流量を正確に検知することができ、これにより、転写バイアス印加手段に対して安定した定電流制御を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図3を参照しつつ説明する。
1.画像形成装置の全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの実施形態1を示す要部側断面図である。図1において、レーザプリンタ1は、画像形成装置の装置本体としての本体フレーム2内に、用紙3(本発明の「被記録媒体」に相当)を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0019】
(1)フィーダ部
フィーダ部4は、本体フレーム2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端側(以下、一端側(図1で紙面右側)を前側、その反対側(図1で紙面左側)を後側とする。)端部の上方に設けられる給紙ローラ8および分離パッド9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる紙粉取りローラ10,11と、紙粉取りローラ10,11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0020】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部(後端部)において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部(前端部)が上下方向に移動可能とされている。また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して後端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ローラ8および分離パッド9は、互いに対向状に配設され、分離パッド9の裏側に設けられるばね13によって、分離パッド9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。
【0021】
用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と分離パッド9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
【0022】
給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10,11によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラからなり、用紙3をレジスト後に、画像形成位置に送るようにしている。なお、画像形成位置は、用紙3に感光ドラム27上のトナー像を転写する転写位置であって、本実施形態では、感光ドラム27と転写ローラ30との接触位置とされる。
【0023】
なお、このフィーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側分離パッド25とを備えている。マルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側分離パッド25は、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側分離パッド25の裏側に設けられるばね25aによって、マルチパーパス側分離パッド25がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧されている。
【0024】
マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側分離パッド25とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
【0025】
(2)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部16、プロセスカートリッジ17および定着部18を備えている。
(a)スキャナ部
スキャナ部16は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20,21、反射鏡22,23,24を備えている。レーザ発光部からの発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22,23、レンズ21、反射鏡24の順に通過あるいは反射して、プロセスカートリッジ17の感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
【0026】
(b)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ17は、スキャナ部16の下方に設けられる。このプロセスカートリッジ17は、本体フレーム2に対して着脱自在に装着される感光体カートリッジとしてのドラムカートリッジ26と、ドラムカートリッジ26に収容される現像剤カートリッジとしての現像カートリッジ28とを備えている。なお、本体フレーム2の前面には、図1に示すように、下端部側を中心軸として開閉可能な前面カバー2aが設けられており、プロセスカートリッジ17はこの前面カバー2aを開けて本体フレーム2内に着脱可能に収容される。
【0027】
現像カートリッジ28は、ドラムカートリッジ26に対して着脱自在に収容されており、現像剤担持体としての現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33、トナーホッパ34を備えている。
【0028】
トナーホッパ34内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーが使用されている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0029】
そして、トナーホッパ34内のトナーは、トナーホッパ34の中心に設けられる回転軸35に支持されるアジテータ36により攪拌されて、トナーホッパ34の後側部に開口されたトナー供給口37から放出される。また、このアジテータ36は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。なお、トナーホッパ34の両側壁(図1で紙面奥行き方向における両側壁)には、トナーの残量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持されたワイパ39によって清掃される。
【0030】
トナー供給口37の後方位置には、供給ローラ33が回転可能に設けられており、また、この供給ローラ33に対向して、現像ローラ31が回転可能に設けられている。これら供給ローラ33と現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状態で互いに当接されている。
【0031】
供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。この供給ローラ33は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
【0032】
また、現像ローラ31は、金属製のローラ軸31aに、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的には、現像ローラ31のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。なお、後述するように、現像ローラ31には、現像時に、高電圧電源回路基板52に実装されたバイアス印加回路60により現像バイアス電圧Vcが印加される。また、この現像ローラ31は、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。
【0033】
また、現像ローラ31の近傍には、層厚規制ブレード32が設けられている。この層厚規制ブレード32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部40を備えている。層厚規制ブレード32は、現像ローラ31の近くにおいて現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブレード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接されている。
【0034】
そして、トナー供給口37から放出されるトナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。さらに、現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32の押圧部40と現像ローラ31との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0035】
ドラムカートリッジ26は、感光ドラム27(本発明の「像担持体」に相当)、スコロトロン型帯電器29(本発明の「帯電器」に相当)、転写ローラ30(本発明の「転写体」に相当)およびクリーニングブラシ64(本発明の「クリーニング手段」に相当)を備えている。
【0036】
このうち、感光ドラム27は、現像ローラ31の後方において、その現像ローラ31と対向配置され、ドラムカートリッジ26において、矢印方向(時計方向)に回転可能に支持されている。この感光ドラム27は、筒状のドラム本体と、ドラム本体を支持し、そのドラム本体の軸心に設けられる金属製のドラム軸27aとを備えている。ドラム本体は、アルミニウム製の素管からなり、その表面には、ポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層が形成されている。また、ドラム軸27aは後述する接続ライン92に接続されている。
【0037】
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム27の上方に、感光ドラム27に接触しないように所定間隔を隔てて対向配置され、ドラムカートリッジ26に支持されている。このスコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの帯電ワイヤ29aからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、その帯電ワイヤ29a及び感光ドラム27間にグリッド29bを備え、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。また、後述するように、帯電ワイヤ29aにはバイアス印加回路60から帯電バイアス電圧Vb(帯電用バイアス電圧)が印加される。
【0038】
そして、感光ドラム27の表面は、その感光ドラム27の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部16からのレーザビームの高速走査により露光され、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0039】
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31の表面上に担持されかつ正極性に帯電されているトナーが、感光ドラム27に対向して接触するときに、感光ドラム27の表面上に形成された上記静電潜像に供給され、選択的に担持されることで可視化され現像が達成される。
【0040】
転写ローラ30は、感光ドラム27の下方において、この感光ドラム27に対向配置され、ドラムカートリッジ26に、矢印方向(反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸30aに、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されている。
【0041】
この転写ローラ30のローラ軸30aには、バイアス印加回路60が接続されており、転写動作時には、このバイアス印加回路60から順転写バイアス電圧Va1(転写用バイアス電圧)が印加される。また、本実施形態では、画像形成動作の前後や、画像形成動作中における各用紙3への転写動作の間などにおいては、転写ローラ30には上記順転写バイアス電圧Va1とは逆極性の逆転写バイアス電圧Va2がバイアス印加回路60から印加される。これにより、転写ローラ30に付着したトナーを、感光ドラム27上に電気的に吐出させて(この動作が、本発明の「トナーを像担持体へ戻す動作」に相当。以下、「逆転写動作」という)、感光ドラム27の表面上に残存する残存トナーとともに現像ローラ31によって回収するようになっている。
【0042】
クリーニングブラシ64は、感光ドラム27のドラム本体と対向接触するように設けられている。クリーニングブラシ64は、導電性部材から構成されており、バイアス印加回路60からクリーニングバイアス電圧Vd(より具体的には、帯電バイアス電圧Vdを分圧した電圧)が印加され、感光ドラム27に付着する負極性に帯電した紙粉を電気的に吸引して除去する役割を果たす。この際、正極性に帯電したトナーはクリーニングブラシ64によって回収されず、負極性に帯電している紙粉を選択的に回収することになる。そして、トナー自身は現像ローラ31によって回収されることになる。
【0043】
(c)定着部
定着部18は、図1に示すように、プロセスカートリッジ17の後方下流側に設けられ、加熱ローラ41、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、および、これら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。加熱ローラ41は、金属製で加熱のためのハロゲンランプを備えており、図示しないモータからの動力の入力により、矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、押圧ローラ42は、この加熱ローラ41を押圧した状態で、この加熱ローラ41に従動して矢印方向(反時計方向)に回転される。そして、定着部18では、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送するようにしている。排紙パス44に送られた用紙3は、排紙ローラ45に送られて、その排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
【0044】
なお、このレーザプリンタ1には、用紙3の両面に画像を形成するために、反転搬送部47が設けられている。この反転搬送部47は、排紙ローラ45と、反転搬送パス48と、フラッパ49と、複数の反転搬送ローラ50とを備えている。
【0045】
2.バイアス印加回路
さて、図2には、バイアス印加回路60の要部構成のブロック図が示されている。前述したように、転写ローラ30、現像ローラ31、スコロトロン型帯電器29の帯電ワイヤ29a及びクリーニングブラシ64には、このバイアス印加回路60から各バイアス電圧Va,Vb,Vc,Vdがぞれぞれ印加される構成になっている。
【0046】
このバイアス印加回路60は、CPU61(本発明の「制御手段」に相当)と、順転写バイアス印加回路62(本発明の「転写バイアス印加手段」に相当)と、帯電バイアス印加回路63(本発明の「帯電バイアス印加手段」に相当)とを備えている。各バイアス印加回路62,63は、転写ローラ30のローラ軸30aに接続される接続ライン91に、順転写バイアス印加回路62及び帯電バイアス印加回路63の順序で直列に接続されている。また、各バイアス印加回路62,63は、CPU61のPWM(Pulse Width Modulation。パルス幅変調)制御によってそれぞれ定電流制御されるようになっている。
【0047】
(a)帯電バイアス印加回路
まず、先に帯電バイアス印加回路63について説明する。この帯電バイアス印加回路63は、帯電PWM信号平滑回路70、帯電トランスドライブ回路71、帯電昇圧・平滑整流回路72、帯電出力電圧検出回路73及び帯電出力電流検出回路74を備えている。
このうち、帯電PWM信号平滑回路70は、CPU61のPWMポート61aからのPWM信号S1を受けて平滑し帯電トランスドライブ回路71に与える役割を果たす。帯電トランスドライブ回路71は、受けたPWM信号S1に基づき、帯電昇圧・平滑整流回路72の1次側巻線75bに発振電流を流すよう構成されている。
【0048】
帯電昇圧・平滑整流回路72は、トランス75、ダイオード76、平滑コンデンサ77などを備えている。トランス75は、2次側巻線75a,1次側巻線75b及び補助巻線75cを備えている。2次側巻線75aの一端は、ダイオード76を介して帯電ワイヤ29aに接続される接続ライン90に接続されている。更に、2次側巻線75aの一端と接続ライン92との間には、分圧抵抗78、1対のバリスタ100,101(variable resistor。定電圧素子。)、後述する順転写出力電流検出回路84の検出抵抗84aが直列接続されている。本実施形態では、これらの分圧抵抗78及び1対のバリスタ100,101が本発明の「分圧手段」を構成している。一方、2次側巻線75aの他端は、感光ドラム27のドラム軸27aに連なる接続ライン92に接続されている。また、平滑コンデンサ77は2次側巻線75aに並列に接続されている。
【0049】
このような構成により、1次側巻線75bの発振電流は、帯電昇圧・平滑整流回路72において昇圧及び整流され、帯電ワイヤ29aに帯電バイアス電圧Vbとして印加される。このとき、帯電昇圧・平滑整流回路72からの出力電流は、帯電ワイヤ29aに流れる電流i1と分圧抵抗78側に流れる電流i2とに分流される。
【0050】
帯電出力電圧検出回路73は、帯電昇圧・平滑整流回路72のトランス75の補助巻線75cと、CPU61とに接続されている。CPU61は、次述する順転写バイアス印加回路62による定電流制御時(転写動作時)において、補助巻線75cの間で発生する発生電圧Veを検出して、その検出信号S2をCPU61のA/Dポート61bに入力するように構成されている。
【0051】
次に、帯電出力電流検出回路74は、電源電圧Vccと上記接続ライン92との間に直列接続された検出抵抗74aを備え、この検出抵抗74aに流れる電流i1に応じた検出信号S3を電流バッファ79を介してCPU61のA/Dポート61cにフィードバックさせる構成になっている。この検出信号S3は、帯電ワイヤ29aに流れる電流i1に応じた値を示すため、CPU61は、この検出信号S3に基づきこの電流i1が所定の定電流値になるように、即ち、帯電ワイヤ29aに定電流が流れるように、デューティ比を適宜変更したPWM信号S1を帯電PWM信号平滑回路70に出力する定電流制御を実行する。
【0052】
(b)順転写バイアス印加回路
次に、順転写バイアス印加回路62について説明する。この順転写バイアス印加回路62は、順転写PWM信号平滑回路80、順転写トランスドライブ回路81、順転写昇圧・平滑整流回路82、順転写出力電圧検出回路83及び順転写出力電流検出回路84を備えている。
このうち、順転写PWM信号平滑回路80は、CPU61のPWMポート61dからのPWM信号S4を受けて平滑し順転写トランスドライブ回路81に与える役割を果たす。順転写トランスドライブ回路81は、受けたPWM信号S4に基づき、順転写昇圧・平滑整流回路82の1次側巻線85bに発振電流を流すよう構成されている。
【0053】
順転写昇圧・平滑整流回路82は、トランス85、ダイオード86、平滑コンデンサ87などを備えている。トランス85は、2次側巻線85a,1次側巻線85b及び補助巻線85cを備えている。2次側巻線85aの一端は、ダイオード86を介して転写ローラ30のローラ軸30aに接続される接続ライン91に接続されている。一方、2次側巻線85aの他端は、上記分圧抵抗78及びバリスタ100の接続点に共通接続されている。また、平滑コンデンサ87及び放電抵抗88がそれぞれ2次側巻線85aに並列に接続されている。
【0054】
このような構成により、1次側巻線85bの発振電流は、帯電昇圧・平滑整流回路82において昇圧及び整流され、転写ローラ30のローラ軸30aに順転写バイアス電圧Va1として印加される。このとき、転写ローラ30に流れる電流i3は、上記分圧抵抗78及びバリスタ100の接続点において帯電昇圧・平滑整流回路72からの電流i2と合流して順転写出力電流検出回路84の検出抵抗84aに流れることになる。そして、この順転写出力電流検出回路84の検出抵抗84aに流れる電流i4(=i2+i3)に応じた検出信号S5を電流バッファ89を介してCPU61のA/Dポート61eにフィードバックさせる構成になっている。
【0055】
順転写出力電圧検出回路83は、順転写昇圧・平滑整流回路82のトランス85の補助巻線85cと、CPU61とに接続されている。CPU61は、順転写バイアス印加回路62による定電圧制御時(逆転写動作時)において、補助巻線85cの間で発生する出力電圧Vfを検出して、その検出信号S6をCPU61のA/Dポート61fに入力するように構成されている。
【0056】
(c)現像ローラ及びクリーニングブラシへのバイアス電圧印加のための構成
図2に示すように、放電抵抗88及びバリスタ100の接続点Xと、接続ライン92との間には定電圧回路102が接続され、この出力電圧が、図3に示すように、クリーニングバイアス電圧Vdとしてクリーニングブラシ64に印加される。また、バリスタ100,101の接続点Yと接続ライン92との間には、やはり定電圧回路103が接続されており、この出力電圧が、現像バイアス電圧Vcとして現像ローラ31のローラ軸31aに印加されるようになっている。なお、この定電圧回路103は、CPU61のオンオフポート61gからの制御信号S7に基づきオンオフ動作する。また、定電圧回路102,103で消費される電流は、トランス75の2次側巻線75aに流れる構成になっている。
【0057】
3.本実施形態の動作
(a)順転写動作時
レーザプリンタ1を起動させると、CPU61は、帯電バイアス印加回路63を駆動させる。具体的には、PWM信号S1を帯電PWM信号平滑回路70に与えるとともに、帯電出力電流検出回路74からの検出信号S3を受けて帯電ワイヤ29aに流れる電流i1の電流値を随時検出する。そして、CPU61は、この電流i1が所定の設定電流値(例えば300μA)になるようにPWM信号S1のデューティ比を適宜変更しつつ出力する。これにより、図3に示すように、接続ライン90の出力端Bに接続された帯電ワイヤ29aに対して定電流制御による電力供給がされ、例えば5.5〜8kV(平均7kV)の帯電バイアス電圧Vbが印加されることになる。そして、この帯電ワイヤ29aによって感光ドラム27の表面が一様に帯電される。なお、このとき、図2において放電抵抗88とバリスタ100との接続点Xの電位は、約1600V になっている。
【0058】
また、CPU61は、制御信号S7を出力して定電圧回路103を駆動させる。これにより、この定電圧回路103の出力側Cに接続された現像ローラ31のローラ軸31aに対して一定の現像バイアス電圧Vc(例えば300〜500V )が印加される(図3参照)。なお、この現像バイアス電圧Vcは、上記帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧である。そして、この現像ローラ31によって感光ドラム27の表面上に担持された静電潜像にトナーが供給されて可視化される。
【0059】
次いで、用紙3が上記画像形成位置に到達しこの用紙3に感光ドラム27上のトナー像を転写する転写動作時には、CPU61は、順転写バイアス印加回路62を駆動させる。具体的には、PWM信号S4を順転写PWM信号平滑回路80に与えて駆動し、この順転写バイアス印加回路62の出力端Aに接続された転写ローラ30のローラ軸30aに順転写バイアス電圧Va1を印加する。
【0060】
ここで、この電力供給は定電流制御で行う必要があり、転写ローラ30のローラ軸30aに流れる電流i3をフィードバック値として検知する必要がある。そこで、本実施形態では、CPU61は、検出信号S5(順転写出力電流検出回路84の検出抵抗84aに流れる電流i4)と、検出信号S2(帯電写昇圧・平滑整流回路72の補助巻線75cの発生電圧Ve)とを随時取り込む。そして、次の演算式によって転写ローラ30のローラ軸30aに流れる電流i3を算出する。
【0061】
[演算式]
i3=i4−(nVe−Vx)/R
なお、n:補助巻線75cと2次側巻線75aとの電圧比
R:分圧抵抗78、検出抵抗84aの合成抵抗値
Vx:定電圧素子(バリスタ100,101)によって定まる電圧
【0062】
これにより、CPU61は算出される電流i3の電流値が設定電流値(例えば−10〜−30μA)になるようにPWM信号S4のデューティ比を適宜変更しつつ出力して定電流制御が達成される。なお、このとき、順転写バイアス電圧Va1はおおよそ−1k〜−7kVになっている。
【0063】
更に、定電圧回路102の出力端Dに接続されたクリーニングブラシ64に対して一定のクリーニングバイアス電圧Vd(例えば400V )が印加される(図3参照)。なお、このクリーニングバイアス電圧Vdは、やはり上記帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧である。そして、このクリーニングブラシ64によって感光ドラム27に付着した紙粉が除去される。
【0064】
(b)逆転写動作時
上記転写動作後、逆転写動作に入ると、CPU61は、PWM信号S4の出力を止めて順転写バイアス印加回路62を停止する。これにより、転写ローラ30のローラ軸30aには、帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbの分担電圧(約+1600V )としての逆転写バイアス電圧Va2が印加される。
【0065】
また、このとき、CPU61は、オンオフ信号S7の出力を止め、定電圧回路103の駆動を停止させる。つまり、現像ローラ31への現像バイアス電圧Vcが印加されなくなりローラ軸31aの電位が略0V になりトナー供給が停止する。これにより、転写ローラ30に付着したトナーが、感光ドラム27上に電気的に吐出され、感光ドラム27の表面上に残存する残存トナーとともに現像ローラ31によって回収されるようになる。
【0066】
(c)待機時
一方、上記転写動作時でも逆転写動作時でもない待機状態に入ると、CPU61は、順転写バイアス印加回路62に対して2次側巻線85aの出力電圧Vgを所定の値(例えば−1600V)にする定電圧制御に切り替わる。具体的には、CPU61は、検出信号S6(順転写昇圧・平滑整流回路82の補助巻線85cの発生電圧Vf)を随時取り込む。発生電圧Vfは上記2次側巻線85aの出力電圧Vgと比例関係にあるため、この発生電圧Vfが一定になるようにPWM信号S4のデューティ比を適宜変更することで出力電圧Vgを所定の値にする定電圧制御が達成される。これにより、待機状態において、出力電圧Vgと帯電バイアス電圧Vbの分圧電圧(+1600V )とが相殺され、転写ローラ30に対する印加電圧を0V に維持することができる。
【0067】
4.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、逆転写動作時における逆転写バイアス電圧Va2は、帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧を利用している。従って、スコロトロン型帯電器29及び転写ローラ30にバイアス電圧を印加するための構成として、2つの印加回路だけで済み、これによりレーザプリンタ1の小型化を図ることができるとともに回路設計の自由度が増す。
(2)また、現像ローラ31及びクリーニングブラシ64への印加電圧Vc,Vdも帯電バイアス印加回路63からの帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧を利用する構成とした。従って、更なる回路構成の簡略化、コストの低減化を図ることができる。本実施形態では、帯電バイアス印加回路63によって感光ドラム27を正帯電させる、いわゆる正帯電システムである。従って、紙粉除去用のクリーニングブラシ64に、帯電バイアス電圧Vbを分圧した分圧電圧を印加することで負極性の紙粉を感光ドラム27から除去できるのである。
【0068】
(3)共通の出力端Aを介して転写ローラ30のローラ軸30aに順転写バイアス電圧Va1及び逆転写バイアス電圧Va2を印加できる。このような構成に対しても本発明を適用することで、レーザプリンタ1の小型化を図ることができるとともに回路設計の自由度が増す。
(4)また、順転写バイアス印加回路62からの出力電圧Vgレベルを調整するという比較的に簡単な構成で、転写ローラ30に対し、順転写動作時に順転写バイアス電圧Va1、逆転写動作時に逆転写バイアス電圧Va2、それらの動作以外の待機状態に0V の電圧を印加できる。これにより、待機状態から順転写動作に移行する際、立ち上がりよく順転写バイアス電圧Va1を転写ローラ30に印加できる。
【0069】
(5)また、本実施形態では、順転写動作時に順転写バイアス印加回路62を定電流制御するにあたり、検出抵抗84aに流れる電流i4と、補助巻線75cの発生電圧Veに基づき正確に転写ローラ30に流れる電流i3を検知する構成とした。これにより、順転写バイアス印加回路62に対して安定した定電流制御を実現できる。
【0070】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記各実施形態では、パルス列状のPWM信号に基づくPWM制御によって定電流及び定電圧制御を行う構成としたが、これに限らず、アナログ制御信号の振幅レベルに応じて定電流及び定電圧制御を行う構成であっても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態1に係るレーザプリンタの内部構成を示す側断面図
【図2】バイアス印加回路の要部構成のブロック図
【図3】各電気的負荷と印加電圧との関係を示す模式図
【符号の説明】
【0072】
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
3…用紙(被記録媒体)
27…感光ドラム(像担持体)
29…スコロトロン型帯電器(帯電器)
29a…帯電ワイヤ
30…転写ローラ(転写体)
61…CPU(制御手段)
62…順転写バイアス印加回路(転写バイアス印加手段)
63…帯電バイアス印加回路(帯電バイアス印加手段)
64…クリーニングブラシ(クリーニング手段)
78…分圧抵抗(分圧手段)
84…順転写出力電流検出回路(電流検出手段)
91…接続ライン(直列接続線)
100,101…バリスタ(分圧手段)
Va1…順転写バイアス電圧(転写用バイアス電圧)
Va2…逆転写バイアス電圧(分圧電圧)
Vb…帯電バイアス電圧(帯電用バイアス電圧)
Vd…クリーニングバイアス電圧(クリーニング用の分圧電圧)
i3…電流(転写用バイアス電流量)
i4…電流(電流検出手段での検出値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電器と、
像担持体に担持されたトナー像を被記録媒体に転写するための転写体と、
前記転写体に転写用バイアス電圧を印加する転写バイアス印加手段と、
前記帯電器に前記転写用バイアス電圧とは逆極性を有する帯電用バイアス電圧を印加する帯電バイアス印加手段と、
前記帯電バイアス印加手段の帯電用バイアス電圧を分圧する分圧手段と、
前記トナー像の前記被記録媒体への転写動作時には前記転写バイアス印加手段からの前記転写用バイアス電圧を前記転写体に印加し、前記転写体に付着したトナーを前記像担持体へ戻す動作時には前記分圧手段からの分圧電圧を前記転写体に印加する制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持体の表面を清掃するためのクリーニング手段を備え、
前記分圧手段は更に前記クリーニング手段用の分圧電圧を生成しその分圧電圧が当該クリーニング手段に印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記転写用バイアス電圧は負極性電圧であり、前記帯電用バイアス電圧は正極性電圧であり、
前記クリーニング手段は、前記像担持体に付着した紙粉を除去する紙粉除去用のクリーニング手段であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写バイアス印加手段と前記分圧手段とを前記転写体に対して直列接続した構成とされ、
前記制御手段は、前記転写動作時には、前記帯電バイアス印加手段を駆動させつつ前記分圧手段での分圧電圧よりも絶対レベルが大きい転写バイアス電圧を出力するよう前記転写バイアス印加手段を駆動させる一方で、前記トナーを前記像担持体へ戻す動作時には、前記帯電バイアス印加手段を駆動させつつ前記転写バイアス印加手段を停止させることで前記分圧手段での分圧電圧を前記転写体に印加させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記転写バイアス印加手段からの前記転写用バイアス電圧を、前記分圧手段からの分圧電圧を相殺する値に制御可能になっていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写バイアス印加手段及び前記帯電バイアス印加手段を、定電流制御によって各バイアス電圧を印加する構成とされ、
前記転写バイアス印加手段及び前記分圧手段の直列接続線に流れる電流量を検出する電流検出手段を備え、
前記制御手段は、前記転写動作時において、前記電流検出手段での検出値と、前記帯電バイアス印加手段からの帯電用バイアス電圧値とに基づき前記転写バイアス印加手段からの転写用バイアス電流量を検知し、この検知量に基づき前記転写バイアス印加手段を定電流制御することを特徴とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−30554(P2006−30554A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−208811(P2004−208811)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】