説明

画像形成装置

【課題】複数の画像形成ユニット、給紙部及び排紙部の位置関係を用紙の搬送経路ができるだけ単純になるように設定し、用紙の損傷やジャムを生じることなく、モノクロ画像形成処理時の高速化とカラー画像形成処理時の高画質化との両方を実現する。
【解決手段】画像形成装置1の第1の領域10にスキャナ部600、排紙部500、画像形成ユニット100及び給紙部300を上から下にこの順に配置し、第2の領域に排紙部400及び画像形成ユニット200を排紙部400を上にして配置した。給紙部300と画像形成ユニット100との間、画像形成ユニット100と排紙部400との間、給紙部300と画像形成ユニット200との間、画像形成ユニット200と排紙部400との間のそれぞれに搬送路701〜704を形成した。搬送路702を搬送路701に連結し、搬送路704を搬送路703に連結した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の画像形成ユニット、少なくとも1つの給紙部及び少なくとも1つの排紙部を備え、給紙部から第1又は第2の画像形成ユニットに用紙を供給し、第1又は第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙を排紙部に排出する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成を行う画像形成装置として、減法混色の三原色と黒色との4色のトナーを貯留した単一の画像形成ユニットでモノクロ画像形成処理とカラー画像形成処理との両方を行うカラー画像形成装置がある。カラー画像形成処理時には、最大4色のトナー像を互いの位置を一致させて用紙に転写するため、色ずれのない高画質のカラー画像を得るために画像形成処理の処理速度の高速化には限界がある。このため、単一の画像形成ユニットを備えたカラー画像形成装置では、モノクロ画像形成処理の高速化の要請に充分に応えることができない。
【0003】
従来の画像形成装置では、画像形成処理を実行中の第1の画像形成ユニットに故障を生じた際に、第2の画像形成ユニットによって画像形成処理を継続できるようにすべく、複数の画像形成ユニットを並設したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この構成において、第1の画像形成ユニットをモノクロ画像形成処理用とし、第2の画像形成ユニットをカラー画像形成処理用とすることが考えられる。
【特許文献1】特開平10−86455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成装置では、複数の画像形成ユニット、複数の画像形成ユニットに用紙を供給する給紙部、及び、画像が形成された用紙を排紙する排紙部のそれぞれの位置関係を用紙の搬送経路が最短になるように設定したものがなかった。
【0006】
例えば、第1の画像形成ユニットと第2の画像形成ユニットとを並設した特許文献1の構成では、排紙部に近接した第1の画像形成ユニット内を迂回して、第2の画像形成ユニットから排紙部に至る用紙搬送路が形成されている。第2の画像形成ユニットが画像が形成された用紙の搬送経路が屈曲し、用紙の損傷やジャムが生じ易くなる。
【0007】
このため、従来の画像形成装置では、モノクロ画像形成処理時の高速化とカラー画像形成処理時の高画質化との両方を実現することができない問題がある。このような問題は、インクジェット方式等の電子写真方式以外の画像形成処理を行う画像形成ユニットを複数備えた画像形成装置においても同様に生じる。
【0008】
この発明の目的は、複数の画像形成ユニット、給紙部及び排紙部の位置関係を用紙の搬送経路をできるだけ単純になるように設定することにより、用紙の損傷やジャムを生じることなく、モノクロ画像形成処理時の高速化とカラー画像形成処理時の高画質化との両方を実現することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の画像形成装置は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えたものである。
【0010】
(1)画像形成装置は、第1及び第2の画像形成ユニット、第1の給紙部、第1の排紙部を備えている。第1及び第2の画像形成ユニットは、それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う。第1の給紙部は、第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する。第1の排紙部には、第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される。画像形成装置を左右に2分割した場合の第1の領域には、第1の給紙部が第1の画像形成ユニットの下方に配置される。第2の領域には、第2の画像形成ユニットが第1の排紙部の下方に配置される。
【0011】
この構成では、画像形成装置を左右に分割した第1及び第2の領域のそれぞれに、個別に用紙に対する画像形成を行う画像形成ユニットが配置される。第1の領域では給紙部が画像形成ユニットの下方に配置され、第2の領域では排紙部が画像形成ユニットの上方に配置される。
【0012】
したがって、給紙部から第1の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、給紙部から第2の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、が、互いに交差することなく、かつ、第2又は第1の画像形成ユニットを迂回することなく構成される。第1及び第2の画像形成ユニットのそれぞれを上向に通過する2つの単純な搬送経路が、画像形成装置内に構成される。
【0013】
(2)上記(1)の画像形成装置における第1の画像形成ユニット及び第2の画像形成ユニットは、電子写真方式の画像形成を行う画像形成ユニットであり、転写位置及び定着位置が第1の領域と第2の領域との境界に近接して配置されているものとすることができる。
【0014】
この構成では、第1の画像形成ユニット及び第2の画像形成ユニットのそれぞれの転写位置及び定着位置が、画像形成装置を左右に分割した第1の領域と第2の領域との境界に近接して配置される。
【0015】
したがって、第1の画像形成ユニット及び第2の画像形成ユニットのそれぞれの転写位置と定着位置とを通過する用紙の搬送経路が、画像形成装置の中央部に形成される。
【0016】
(3)上記(2)の画像形成装置における第1の画像形成ユニットをモノクロ画像形成ユニットとし、第2の画像形成ユニットをカラー画像形成ユニットとすることができる。
【0017】
この構成では、単一の画像形成装置内に、個別に画像形成を行うモノクロ画像形成ユニットとカラー画像形成ユニットとが配置される。したがって、モノクロ画像形成処理とカラー画像形成処理とが、それぞれに最適な条件下で実行される。
【0018】
(4)上記(3)の画像形成装置における第2の画像形成ユニットは、複数の色相のそれぞれの画像形成を行う複数の感光体ドラムをそれぞれの軸方向を平行にして水平に配置したタンデム方式のカラー画像形成ユニットとすることができる。
【0019】
この構成では、画像形成装置内に、複数の感光体ドラムをそれぞれの軸方向を平行にして水平に配置したタンデム方式のカラー画像形成ユニットが、第2の画像形成ユニットとして配置される。したがって、第2の画像形成ユニットが上下方向に小型に形成され、第2の画像形成ユニットの上方に配置される第1の給紙部又は第1の排紙部のために充分に大きな空間が確保される。
【0020】
(5)上記(4)の画像形成装置における第1の排紙部は、上下方向に複数の排紙トレイを備えた多段排紙部とすることができる。
【0021】
この構成では、タンデム方式のカラー画像形成ユニットで上下方向に小型に形成された第2の画像形成ユニットの上方に確保された空間に多段排紙部が配置される。したがって、第2の画像形成ユニットの上方の大きな空間が有効に活用される。
【0022】
(6)上記(4)の画像形成装置における第2の画像形成ユニットの下方に第2の給紙部を備えることができる。
【0023】
この構成では、タンデム方式のカラー画像形成ユニットで上下方向に小型に形成された第2の画像形成ユニットの下方に第2の給紙部が配置される。したがって、第2の画像形成ユニットの下方の空間が有効に活用される。
【0024】
(7)上記(1)〜(6)の何れかの画像形成装置における第1の画像形成ユニットの下方に、第1の画像形成ユニットに専用の第3の給紙部を備えることができる。
【0025】
この構成では、第1の画像形成ユニットの下方には、第1の画像形成ユニットにのみ用紙を供給する第3の給紙部が配置される。したがって、第1の画像形成ユニットと第1の給紙部又は第1の排紙部との間に空間が存在する場合に、この空間が有効に活用される。
【0026】
(8)上記(1)〜(7)の何れかの画像形成装置における第1の画像形成ユニットの上方に第2の排紙部を備えることができる。
【0027】
この構成では、第1の画像形成ユニットの上方に、第1の排紙部とは別の第2の排紙部が配置される。したがって、第1の画像形成ユニットの上方に空間が存在する場合に、この空間が有効に活用される。
【0028】
(9)画像形成装置は、第1及び第2の画像形成ユニット、第1の給紙部、第1の排紙部を備えている。第1及び第2の画像形成ユニットは、それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う。第1の給紙部は、第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する。第1の排紙部には、第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される。画像形成装置を左右に2分割した場合の第1の領域には、第1の画像形成ユニットが第1の給紙部の下方に配置される。第2の領域には、第1の排紙部が第2の画像形成ユニットの下方に配置される。
【0029】
この構成では、画像形成装置を左右に分割した第1及び第2の領域のそれぞれに、個別に用紙に対する画像形成を行う画像形成ユニットが配置される。第1の領域では給紙部が画像形成ユニットの上方に配置され、第2の領域では排紙部が画像形成ユニットの下方に配置される。
【0030】
したがって、給紙部から第1の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、給紙部から第2の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、が、互いに交差することなく、かつ、第2又は第1の画像形成ユニットを迂回することなく構成される。第1及び第2の画像形成ユニットのそれぞれを下向に通過する2つの単純な搬送経路が、画像形成装置内に構成される。
【0031】
(10)画像形成装置は、第1及び第2の画像形成ユニット、第1の給紙部、第1の排紙部を備えている。第1及び第2の画像形成ユニットは、それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う。第1の給紙部は、第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する。第1の排紙部には、第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される。第1の給紙部は、一方の水平面が第1の画像形成ユニットの一方の水平面に接するとともに、一方の垂直面が第2の画像形成ユニットの一方の垂直面に接している。第1の排紙部は、一方の水平面が第2の画像形成ユニットの一方の水平面に接するとともに、一方の垂直面が第1の画像形成ユニットの一方の垂直面に接している。
【0032】
この構成では、画像形成装置の縦断面内で、第1の画像形成ユニットの対角位置に第2の画像形成ユニットが配置され、給紙部の対角位置に排紙部が配置される。画像形成装置の縦断面内で、第1の画像形成ユニットと第2の画像形成ユニットとが上下方向にずらせて左右に配置され、第1の画像形成ユニットの下方に給紙部又は排紙部の何れか一方が位置し、第2の画像形成ユニットの上方に排紙部又は給紙部の残る他方が位置する。
【0033】
したがって、給紙部から第1の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、給紙部から第2の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、が、互いに交差することなく、かつ、第2又は第1の画像形成ユニットを迂回することなく構成される。第1及び第2の画像形成ユニットのそれぞれを上向又は下向に通過する2つの単純な搬送経路が、画像形成装置内に構成される。
【0034】
(11)画像形成装置は、第1及び第2の画像形成ユニット、第1の給紙部、第1の排紙部、第1〜第4の搬送路を備えている。第1及び第2の画像形成ユニットは、それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う。第1の給紙部は、第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する。第1の排紙部には、第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される。第1の搬送路は、給紙部から第1の画像形成ユニットに用紙を搬送する。第2の搬送路は、給紙部から第2の画像形成ユニットに用紙を搬送する。第3の搬送路は、第1の搬送部に連結して第1の画像形成ユニットから排紙部に用紙を搬送する。第4の搬送路は、第2の搬送部に連結して第2の画像形成ユニットから排紙部に用紙を搬送する。
【0035】
この構成では、2つの画像形成ユニット、少なくとも1つの給紙部及び少なくとも1つの排紙部を備えた画像形成装置内に、給紙部から第1の画像形成ユニットに用紙を搬送する第1の搬送路、給紙部から第2の画像形成ユニットに用紙を搬送する第2の搬送路、第1の搬送部に連結して第1の画像形成ユニットから排紙部に用紙を搬送する第3の搬送路、第2の搬送部に連結して第2の画像形成ユニットから排紙部に用紙を搬送する第4の搬送路が形成される。
【0036】
したがって、給紙部から第1の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る第1及び第3の搬送路と、給紙部から第2の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る第2及び第4の搬送路と、が、互いに交差することなく、かつ、第2又は第1の画像形成ユニットを迂回することなく構成される。第1及び第2の画像形成ユニットのそれぞれを通過する2つの単純な搬送経路が、画像形成装置内に構成される。
【0037】
(12)上記(11)の画像形成装置における第1の画像形成ユニット又は第2の画像形成ユニットの少なくとも一方は、第1の搬送路と第3の搬送路との間、又は、第2の搬送路と第4の搬送路との間の何れかに二次転写位置を配置した中間転写方式のカラー画像形成ユニットとすることができる。
【0038】
この構成では、2つの画像形成ユニットのうちの少なくとも一方が、搬送路側に二次転写位置を配置した中間転写方式のカラー画像形成ユニットで構成される。したがって、一方の画像形成ユニットが上下方向に薄型に形成されるとともに、第1の搬送路と第3の搬送路との間、又は、第2の搬送路と第4の搬送路との間の何れかを搬送される用紙にカラー画像が転写される。
【0039】
(13)上記(11)又は(12)の画像形成装置は、第3の搬送路が排紙部の上部に上方から用紙を搬送し、第4の搬送路が排紙部の上部に下方から用紙を搬送するものとすることができる。
【0040】
この構成では、第1の画像形成ユニットを通過した用紙が第3の搬送路内を通って排紙部の上部に下向きに搬送され、第2の画像形成ユニットを通過した用紙が第4の搬送路内を通って排紙部の上部に上向きに搬送される。したがって、第1の画像形成ユニットを通過した用紙と第2の画像形成ユニットを通過した用紙とが、個別の経路で排紙部の上部に搬送される。
【0041】
(14)上記(13)の画像形成装置は、排紙部を上下方向に複数の排紙トレイを備えた多段排紙部とし、第4の搬送路が第3の搬送路を通過した用紙を下向きに搬送するものとすることができる。
【0042】
この構成では、第1の画像形成ユニットを通過した用紙が、第3の搬送路を経由した後に第4の搬送路の一部を通って多段排紙部の複数の排紙トレイのそれぞれに排出される。したがって、第4の搬送路が第1の画像形成ユニットを通過した用紙の搬送と第2の画像形成ユニットを通過した用紙の搬送とに共用される。
【発明の効果】
【0043】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0044】
(1)画像形成装置の縦断面内で、第1の画像形成ユニットと第2の画像形成ユニットとを上下方向にずらせて左右に配置し、第1の画像形成ユニットの下方に給紙部又は排紙部の何れか一方を位置させ、第2の画像形成ユニットの上方に排紙部又は給紙部の残る他方を位置させることができる。給紙部から第1の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、給紙部から第2の画像形成ユニットを経由して排紙部に至る用紙の搬送路と、を、互いに交差することなく、かつ、第2又は第1の画像形成ユニットを迂回することなく構成できる。第1及び第2の画像形成ユニットのそれぞれを上向又は下向に通過する2つの単純な搬送経路を画像形成装置内に形成でき、用紙の損傷やジャムを生じることなく、モノクロ画像形成処理時の高速化とカラー画像形成処理時の高画質化との両方を実現することができる。
【0045】
(2)第1の画像形成ユニット及び第2の画像形成ユニットのそれぞれの転写位置と定着位置とを通過する用紙の搬送路を、画像形成装置の中央部に単純な形状で形成することができる。
【0046】
(3)単一の画像形成装置内に、個別に画像形成を行うモノクロ画像形成ユニットとカラー画像形成ユニットとを配置することで、モノクロ画像形成処理とカラー画像形成処理とを、それぞれに最適な条件下で実行することができる。
【0047】
(4)画像形成装置内にタンデム方式のカラー画像形成ユニットを第2の画像形成ユニットとして配置することで、第2の画像形成ユニットの上方に位置する第1の給紙部又は第1の排紙部のために充分に大きな空間を確保できる。
【0048】
(5)タンデム方式のカラー画像形成ユニットの上方に確保された空間に多段排紙部を配置することで、第2の画像形成ユニットの上方の大きな空間を有効に活用できる。
【0049】
(6)タンデム方式のカラー画像形成ユニットの下方に第2の給紙部を配置することで、第2の画像形成ユニットの下方の空間を有効に活用できる。
【0050】
(7)第1の画像形成ユニットの下方に第1の画像形成ユニットにのみ用紙を供給する第3の給紙部を配置することで、第1の画像形成ユニットと第1の給紙部又は第1の排紙部との間に存在する空間を有効に活用できる。
【0051】
(8)第1の画像形成ユニットの上方に第1の排紙部とは別の第2の排紙部を配置することで、第1の画像形成ユニットの上方に存在する空間を有効に活用できる。
【0052】
(9)2つの画像形成ユニットのうちの少なくとも一方を、搬送路側に二次転写位置を配置した中間転写方式のカラー画像形成ユニットで構成することで、一方の画像形成ユニットを上下方向に小型に形成できる。第1の搬送路と第3の搬送路との間、又は、第2の搬送路と第4の搬送路との間の何れかを搬送される用紙にカラー画像を確実に転写できる。
【0053】
(10)第1の画像形成ユニットを通過した用紙を第3の搬送路内を経て排紙部の上部に下向きに搬送し、第2の画像形成ユニットを通過した用紙を第4の搬送路内を経て排紙部の上部に上向きに搬送することで、第1の画像形成ユニットを通過した用紙と第2の画像形成ユニットを通過した用紙とを、個別の経路で排紙部の上部に搬送できる。
【0054】
(11)第1の画像形成ユニットを通過した用紙を、第3の搬送路から第4の搬送路の一部を経て多段排紙部の複数の排紙トレイのそれぞれに排出することで、第4の搬送路を第1の画像形成ユニットを通過した用紙の搬送と第2の画像形成ユニットを通過した用紙の搬送とに共用できる。搬送路の構成がさらに簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下に、この発明の最良の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成を示す縦断面図である。画像形成装置1は、第1の画像形成ユニット100、第2の画像形成ユニット200、第1の給紙部300、第1の排紙部400、第2の排紙部500、スキャナ部600及び後処理部800を備えている。また、画像形成装置1内には、第1〜第6の搬送路701〜706が形成されている。
【0056】
搬送路701は、給紙部300と画像形成ユニット100との間に形成されている。搬送路702は、搬送路702に連結し、画像形成ユニット100と排紙部400との間に形成されている。搬送路703は、給紙部300と画像形成ユニット200との間に形成されている。搬送路704は、搬送路703に連結し、画像形成ユニット200と排紙部400との間に形成されている。搬送路705は、搬送路702の一部と排紙部500との間に形成されている。搬送路706は、搬送路704の一部と後処理部800との間に形成されている。
【0057】
画像形成装置1は、第1の領域10と第2の領域20とに左右に2分割できる。第1の領域10には、スキャナ部600、排紙部500、画像形成ユニット100及び給紙部300が、上から下にこの順に配置されている。第2の領域には、排紙部400及び画像形成ユニット200が、排紙部400を上にして配置されている。
【0058】
スキャナ部600は、プラテンガラス601、自動原稿送り装置602、光源604、反射ミラー605〜607、光学レンズ608及びCCD(Charge Coupled Device)609を備えている。光源604は、プラテンガラス601の上面に載置された原稿又は自動原稿送り装置602がプラテンガラス601の上面を経由して搬送する原稿に光を照射する。反射ミラー605〜607は、原稿からの反射光を反射させて光学レンズ608に導く。光学レンズ608は、反射ミラー605〜607によって導かれた反射光をCCD609に結像する。CCD609は、反射光に応じた電気信号を出力する。
【0059】
給紙部20は、装置本体の下部に配置され、給紙トレイ21及びピックアップローラ22を備えている。給紙トレイ21は、画像形成時に用紙搬送路S1に給紙すべき用紙を収納する。ピックアップローラ22は、回転して給紙トレイ21に載置された用紙を用紙搬送路S1に給紙する。
【0060】
画像形成ユニット100は、モノクロ画像を用紙に形成する。画像形成ユニット100は、感光体ドラム101、帯電器102、レーザスキャンユニット103、現像器104、転写器105、クリーナ106及び定着装置107を備えている。感光体ドラム101は、矢印方向に所定の速度で回転する。帯電器102、現像器104、転写器105及びクリーナ106は、感光体ドラム101の周囲に、感光体ドラム101の回転方向に沿ってこの順に配置されている。
【0061】
帯電器102は、感光体ドラム101の表面を所定の電位に均一に帯電させる。レーザスキャンユニット103は、所定の電位に帯電した感光体ドラム101の表面に画像データによって変調されたレーザ光を照射する。感光体ドラム101の表面には、静電潜像が形成される。現像器104は、ブラックのトナーを収納しており、感光体ドラム101の表面にトナーを供給する。感光体ドラム101の表面に形成された静電潜像が、ブラックのトナー像に顕像化される。転写器105は、搬送路701内の転写位置で感光体ドラム101に対向し、感光体ドラム101の表面のトナー像を用紙の表面に転写する。クリーナ106は、トナー像を転写した後の感光体ドラム101の表面に残留しているトナー等を除去する。定着装置107は、搬送路701内の定着位置に配置されており、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧する。ブラックのトナー像は、モノクロ画像として用紙の表面に堅牢に定着する。
【0062】
画像形成ユニット200は、カラー画像を用紙に形成する。画像形成ユニット200は、プロセス部201〜204、レーザスキャンユニット205、中間転写ベルト206、トナーホッパ207〜211、二次転写器212、定着装置213を備えている。
【0063】
レーザスキャンユニット205は、カラー画像を色分解したイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色相の画像データに基づいて変調したレーザ光のそれぞれをプロセス部201〜204のそれぞれに向けて照射する。
【0064】
中間転写ベルト206は、ローラ214,215等に張架された無端ベルトであり、プロセス部201〜204を順に通過する経路を循環して移動する。トナーホッパ207〜209は、それぞれイエロー、マゼンタ及びシアンの各色相のトナーを収納している。トナーホッパ210,211は、ブラックのトナーを収納している。
【0065】
プロセス部201〜204は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像を形成する。プロセス部201は、感光体ドラム221、帯電器222、現像器223、転写器224を備えている。感光体ドラム221は、矢印方向に所定の速度で回転する。帯電器221、現像器223及び転写器224は、感光体ドラム221の周囲に、感光体ドラム221の回転方向に沿ってこの順に配置されている。
【0066】
帯電器222は、感光体ドラム221の表面を所定の電位に均一に帯電させる。レーザスキャンユニット205は、所定の電位に帯電した感光体ドラム221の表面にイエローの画像データによって変調されたレーザ光を照射する。感光体ドラム221の表面には、静電潜像が形成される。現像器223は、トナーホッパ207から補給されるイエローのトナーを貯留しており、感光体ドラム221の表面にイエローのトナーを供給する。感光体ドラム221の表面に形成された静電潜像がイエローのトナー像に顕像化される。転写器224は、中間転写ベルト206を挟んで感光体ドラム221に対向しており、感光体ドラム221の表面のトナー像を中間転写ベルト206の表面に転写する。
【0067】
プロセス部202〜204のそれぞれはプロセス部201と略同様に構成されている。現像器233はトナーホッパ208から補給されるマゼンタのトナーを貯留しており、現像器243はトナーホッパ209から補給されるシアンのトナーを貯留しており、現像器253はトナーホッパ210又は211から補給されるブラックのトナーを貯留している。また、レーザスキャンユニット205は、感光体ドラム231にマゼンタの画像データで変調されたレーザ光を照射し、感光体ドラム241にシアンの画像データで変調されたレーザ光を照射し、感光体ドラム251にブラックの画像データで変調されたレーザ光を照射する。
【0068】
中間転写ベルト206の表面には、プロセス部201〜204のそれぞれで、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像及びブラックのトナー像が順次位置を合せて転写される。プロセス部201〜204を通過した中間転写ベルト206の表面には、減法混色によるフルカラーのトナー像が形成される。
【0069】
二次転写器212は、搬送路703内の転写位置でローラ214との間に中間転写ベルト206を挟んでいる。二次転写器212と中間転写ベルト206との間には用紙が通過する。二次転写器212は、中間転写ベルト206の表面のフルカラーのトナー像を用紙の表面に転写する。定着装置213は、搬送路703内の定着位置に配置されており、フルカラーのトナー像が転写された用紙を加熱及び加圧する。フルカラーのトナー像は、カラー画像として用紙の表面に堅牢に定着する。
【0070】
第1の給紙部300は、給紙カセット301〜303、ピックアップローラ311,321,331、給紙ローラ312,322,332及び摩擦ローラ313,323,333を備えている。給紙カセット301〜303は、それぞれ単一のサイズの複数枚の用紙を収納している。
【0071】
ピックアップローラ311、給紙ローラ312及び摩擦ローラ313の回転により、給紙カセット301に収納されている用紙のうち、最上部に位置する1枚の用紙が搬送路701内に給紙される。ピックアップローラ321、給紙ローラ322及び摩擦ローラ323の回転により、給紙カセット302に収納されている用紙のうち、最上部に位置する1枚の用紙が搬送路701内に給紙される。ピックアップローラ331、給紙ローラ332及び摩擦ローラ333の回転により、給紙カセット303に収納されている用紙のうち、最上部に位置する1枚の用紙が搬送路701内に給紙される。
【0072】
搬送路701内には、搬送ローラ711〜714、レジストレーションローラ715、搬送ベルト716、フラッパ717が配置されている。搬送ローラ711〜714は、給紙カセット301〜303から給紙された用紙を画像形成ユニット100に搬送する。レジストレーションローラ715は、感光体ドラム101の回転に同期したタイミングで用紙を感光体ドラム101と転写器105との間に導く。搬送ベルト716は、感光体ドラム101と転写器105との間を通過した用紙を定着装置107に導く。フラッパ717は、搬送路701内の搬送路703との分岐位置718で、搬送路701又は搬送路703の何れかを選択的に開放する。
【0073】
搬送路702内には、搬送ローラ721〜723、フラッパ724,725が配置されている。搬送ローラ721は、定着装置107を通過した用紙を搬送路702内に導く。搬送ローラ722,723は、用紙を排紙部400内に搬送する。フラッパ724は、搬送路702内の搬送路705との分岐位置726で、搬送路702又は搬送路705の何れかを選択的に開放する。フラッパ725は、搬送路702内の搬送路704との分岐位置727で、搬送路702又は搬送路704の何れかを選択的に開放する。
【0074】
搬送路705は、搬送路702の一部と排紙部500との間に形成されている。排紙部500は、排紙ローラ501、排紙トレイ502を備えている。排紙ローラ501は、搬送路705に導かれた用紙を排紙トレイ502に排出する。排紙トレイ502は図示しない昇降機構により、排出された用紙の枚数に応じて排紙部500内を昇降する。
【0075】
搬送路703内には、搬送ローラ731、レジストレーションローラ732が配置されている。搬送ローラ731は、分岐位置718を通過した用紙を画像形成ユニット200内に搬送する。レジストレーションローラ732は、中間転写ベルト206の回転に同期して用紙を中間転写ベルト206と二次転写器212との間に導く。
【0076】
搬送路704は、排紙部400内で排紙部400の上下方向に沿って形成されている。排紙部400は、排紙トレイ401〜403及び排紙ローラ411〜413を備えた多段排紙部である。搬送路704内には、搬送ローラ741〜744、フラッパ745〜747が配置されている。搬送ローラ741〜744は、定着装置213を通過した用紙を搬送路704内において搬送する。フラッパ746,747のそれぞれは、搬送路704内の用紙を排紙ローラ413,412に導く。排紙ローラ412,413のそれぞれは、用紙を排紙トレイ402,403に排出する。排紙ローラ411は、フラッパ725によって分岐位置727から搬送路702に導かれた用紙を、排紙ローラ411に導く。排紙ローラ411は、用紙を排紙トレイ401に排出する。
【0077】
搬送路706は、搬送路704の一部と後処理部800との間に形成されている。後処理部800は、この発明の第3の排紙部であり、スイッチバックローラ801を備えている。フラッパ745は、搬送路704と搬送路706との分岐位置728で搬送路704又は搬送路705の何れかを開放する。スイッチバックローラ801は、用紙の後端部を挟持した状態で正逆両方向に回転し、分岐位置から搬送路706に導かれた用紙の前後を反転して搬送路704に戻す。
【0078】
画像形成ユニット100のプロセス速度は画像形成ユニット200のプロセス速度よりも高速である。多量の枚数の用紙にモノクロ画像を形成する場合には、画像形成ユニット100が使用される。画像形成ユニット100によりモノクロ画像形成処理を行う場合、フラッパ717は分岐位置718で搬送路701を開放している。給紙部300の給紙カセット301〜303に収納されている用紙は、搬送路701を通って画像形成ユニット100に搬送される。
【0079】
画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は、搬送路702を通って排紙部400の上方に搬入される。通常は、フラッパ725は、分岐位置727で排紙ローラ411へ向かう搬送路702を開放している。画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は、排紙部400の排紙トレイ401に画像面を上向きにして排出される。
【0080】
排紙部400は、3段の排紙トレイ401〜403を備えているため、画像モノクロ画像が形成された複数枚の用紙を仕分することができる。この場合には、フラッパ725は、分岐位置727で搬送路704への経路を適宜開放し、用紙が搬送路702から搬送路704に導かれる。搬送路704では、フラッパ747,746が適宜排紙ローラ412,413ヘ向かう経路を適宜開放する。画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は搬送路704を下向きに搬送され、排紙トレイ401〜403に選択的に排出される。
【0081】
プリンタモードでの画像処理時のように、画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙を画像面を下向きにして排出する場合には、フラッパ724が分岐位置726で搬送路705を開放する。画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は、搬送路702から搬送路705に導かれ、排紙ローラ501によって排紙トレイ502に画像面を下向きにして排出される。
【0082】
画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙を画像面を下向きにして仕分する必要がある場合には、フラッパ724によって分岐位置726で搬送路705を開放しておく。画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は搬送路702から搬送路705に導かれる。排紙ローラ501を用紙の後端部を挟持した状態で逆転させることにより、用紙の前後を反転して搬送路702に戻す。用紙は、表裏面を反転した状態で搬送路702を通って排紙部400に搬送される。フラッパ725,747,746が排紙ローラ411,412,413ヘ向かう経路を順次開放することで、画像形成ユニット100でモノクロ画像が形成された用紙は、画像面を下向きにして排紙トレイ401〜403に順に排出される。
【0083】
画像形成ユニット200でカラー画像形成処理を行う場合、フラッパ717は分岐位置718で搬送路703を開放する。給紙部300の給紙トレイ301〜303の何れかに収納された用紙は、搬送路701から搬送路703を通って画像形成ユニット200内に導かれ、カラー画像が形成される。画像形成ユニット200でカラー画像が形成された用紙は、搬送路704を上向きに搬送され、排紙トレイ401に画像面を下向きにして排出される。カラー画像が形成された用紙を仕分して排出する場合には、フラッパ725,747,746が排紙ローラ411,412,413ヘ向かう経路を順次開放し、画像形成ユニット200でカラー画像が形成された用紙は、画像面を下向きにして排紙トレイ401〜403に順に排出される。
【0084】
カラー画像が形成された用紙を画像面を上向きにして排出する場合には、フラッパ745によって分岐位置748で搬送路706を開放しておく。画像形成ユニット200でカラー画像が形成された用紙は、搬送路704から搬送路706を通ってスイッチバック部800に導かれる。用紙は、スイッチバックローラ801によって前後を反転されることで表裏面を反転された後、搬送路704を上向きに搬送される。フラッパ725,747,746が排紙ローラ411,412,413ヘ向かう経路を選択的に開放することで、画像形成ユニット200でカラー画像が形成された用紙は、画像面を上向きにして排紙トレイ401〜403の何れかに排出される。
【0085】
なお、画像形成ユニット200でカラー画像が形成された用紙を搬送路704から搬送路702及び搬送路705を経由して排紙部500に搬送することでも、カラー画像が形成された用紙を画像面を上向きにして排出することができる。
【0086】
また、画像形成ユニット200は、プロセス部201〜203での画像形成動作を休止し、プロセス部204のみで画像形成動作を実行することにより、モノクロ画像を形成することができる。画像形成ユニット100に故障を生じている場合にも、画像形成ユニット200でモノクロ画像を用紙に形成することができる。但し、画像形成速度は、画像形成ユニット100を使用した場合よりも遅い。
【0087】
さらに、スイッチバック部800には、ステープル処理やパンチ処理を行う後処理ユニットを配置することもできる。この場合に、後処理された用紙は、スイッチバック部800に排出される。
【0088】
以上のように、画像形成装置1は、右側の領域10内で画像形成ユニット100と給紙部300とを上下に配置し、左側の領域20内で排紙部400と画像形成ユニット200とを上下に配置している。このため、給紙部300から給紙した用紙を画像形成ユニット100又は画像形成ユニット200の何れかで画像形成した後に排紙部400に排出するための搬送経路が、搬送路701〜704によって交差部分や迂回部分を含むことなく簡潔に構成される。用紙の損傷やジャムを生じることなく、モノクロ画像形成処理時の高速化とカラー画像形成処理時の高画質化との両方を実現することができる。
【0089】
また、排紙部400とは別に排紙部500を備えることにより、空間を有効に活用することができるだけでなく、排紙部400と排紙部500とで画像面の向きを反対にして用紙を排出することができる。
【0090】
図2は、この発明の第2の実施形態に係る画像形成装置11の構成を示す縦断面図である。画像形成装置11は、画像形成装置1の構成に加えて第2の給紙部900を備えている。給紙部900は、左側の領域20において、画像形成ユニット200の下方に配置されている。
【0091】
画像形成ユニット200は、4個の感光体ドラム221,231,241,251を水平方向に並設したタンデム方式のカラー画像形成ユニットであり、上下方向に薄い。このため、領域20には画像形成ユニット200の下方に充分な空間が形成される。この空間に給紙部900が配置される。画像形成装置11では、給紙部900を配置するとともに、搬送路703を下方に延長し、搬送ローラ733〜735を配置している。
【0092】
給紙部900は、上下3段の給紙カセット901〜903、ピックアップローラ911,921,931、給紙ローラ912,922,932、摩擦ローラ913,923,933を備えている。給紙カセット901〜903には、それぞれ同一サイズの用紙が収納されている。
【0093】
給紙カセット901に収納されている用紙のうち最上部に位置する1枚の用紙が、ピックアップローラ911,給紙ローラ912、摩擦ローラ913によって搬送路703に給紙される。給紙カセット902に収納されている用紙のうち最上部に位置する1枚の用紙が、ピックアップローラ921,給紙ローラ922、摩擦ローラ923によって搬送路703に給紙される。給紙カセット903に収納されている用紙のうち最上部に位置する1枚の用紙が、ピックアップローラ931,給紙ローラ932、摩擦ローラ933によって搬送路703に給紙される。
【0094】
搬送路703から給紙された用紙は、搬送ローラ733〜735により、搬送路703内を画像形成ユニット200に向かって上方に搬送される。画像形成装置11では、給紙部900に収納された用紙は、専ら画像形成ユニット200で画像形成処理を受ける。但し、例えば分岐位置718の下方に搬送路703から搬送路701に連結する経路を形成することで、給紙部900に収納された用紙に画像形成ユニット100で画像形成処理を行うこともできる。
【0095】
図3は、この発明の第3の実施形態に係る画像形成装置21の構成を示す縦断面図である。画像形成装置21は、画像形成装置11の排紙部500を上下方向に小型化したものである。排紙部500の収納量は減少するが、画像形成ユニット200から搬送路702,704,706を経由する排紙部400及び後処理ユニット800までの搬送距離が短縮される。
【0096】
図4は、この発明の第4の実施形態に係る画像形成装置31の構成を示す縦断面図である。画像形成装置31は、画像形成装置21の構成に加えて第3の給紙部1000を備えている。給紙部1000は、領域10内の画像形成ユニット100の下方で給紙部300の上方に配置されている。また、画像形成装置31は、給紙部300に、大容量カセット304を備えている。
【0097】
給紙部1000は、給紙カセット1001、ピックアップローラ1011、給紙ローラ1012、摩擦ローラ1013を備えている。給紙カセット1001に収納されている用紙のうち最上部の1枚の用紙が、給紙カセット1001、ピックアップローラ1011、給紙ローラ1012、摩擦ローラ1013の回転によって搬送路701に給紙される。
【0098】
給紙カセット1001から給紙された用紙は、搬送路701の分岐位置718よりも上方に導かれるため、搬送路703を経由して画像形成ユニット200に搬送することはできない。したがって、給紙部1000から給紙された用紙は、専ら画像形成ユニット100で画像形成処理を受ける。
【0099】
図5は、この発明の第5の実施形態に係る画像形成装置41の構成を示す縦断面図である。画像形成装置41の領域10にはスキャナ部600、画像形成ユニット100及び排紙部400が上から下にこの順に配置され、領域20には給紙部300及び画像形成ユニット200が給紙部300を上にして配置されている。
【0100】
画像形成装置41内には、給紙部300から画像形成ユニット100に至る搬送路701、画像形成ユニット100から排紙部400に至る搬送路702、給紙部300から画像形成ユニット200に至る搬送路703、画像形成ユニット200から排紙部400に至る搬送路704が形成されている。
【0101】
画像形成装置41に示す構成によっても、画像形成ユニット100の対角位置に画像形成ユニット200が配置され、給紙部300の対角位置に排紙部400が配置される。給紙部300から画像形成ユニット100を経由して排紙部400に至る搬送路701,702と、給紙部300から画像形成ユニット200を経由して排紙部400に至る搬送路703,704と、が、互いに交差することなく、かつ、画像形成ユニット100,200を迂回することなく構成される。画像形成ユニット100,200のそれぞれを通過する2つの単純な搬送経路が、画像形成装置41内に構成される。
【0102】
但し、給紙部300から画像形成ユニット100への用紙の搬送方向と画像形成ユニット200への用紙の搬送方向とが逆向きであり、給紙部300内での搬送路701及び703の構成が複雑になる。
【0103】
領域10内で排紙部400の配置位置を下方に移動させ、画像形成ユニット100と排紙部400との間に第2の排紙部を設けることもできる。
【0104】
領域10内で画像形成ユニット100及び排紙部400の配置位置を下方に移動させ、スキャナ部600と画像形成ユニット100との間に第2の給紙部を設けることもできる。
【0105】
領域20内で画像形成ユニット200を下方に移動させ、給紙部300と画像形成ユニット200との間に第3の給紙部を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す縦断図である。
【図2】この発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す縦断図である。
【図3】この発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す縦断図である。
【図4】この発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す縦断図である。
【図5】この発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す縦断図である。
【符号の説明】
【0107】
1,11,21,31,41 画像形成装置
10 第1の領域
20 第2の領域
100 第1の画像形成ユニット
200 第2の画像形成ユニット
300 給紙部
400 排紙部
701〜704 搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う第1及び第2の画像形成ユニット、前記第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する第1の給紙部、並びに、前記第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される第1の排紙部を備えた画像形成装置であって、
左右に分割された第1の領域と第2の領域とのうち、前記第1の領域で前記第1の給紙部を前記第1の画像形成ユニットの下方に配置し、前記第2の領域で前記第2の画像形成ユニットを前記第1の排紙部の下方に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の画像形成ユニットは、電子写真方式の画像形成を行う画像形成ユニットであって、転写位置及び定着位置を前記第1の領域と前記第2の領域との境界に近接して配置したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の画像形成ユニットがモノクロ画像形成ユニットであり、前記第2の画像形成ユニットがカラー画像形成ユニットであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の画像形成ユニットが、複数の色相のそれぞれの画像形成を行う複数の感光体ドラムをそれぞれの軸方向を平行にして水平に配置したタンデム方式のカラー画像形成ユニットであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の排紙部が、上下方向に複数の排紙トレイを備えた多段排紙部であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2の画像形成ユニットの下方に第2の給紙部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の画像形成ユニットの下方には、前記第1の画像形成ユニットに専用の第3の給紙部を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の画像形成ユニットの上方に第2の排紙部を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う第1及び第2の画像形成ユニット、前記第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する第1の給紙部、並びに、前記第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される第2の排紙部を備えた画像形成装置であって、
左右に分割された第1の領域と第2の領域とのうち、前記第1の領域で前記第1の画像形成ユニットを前記第1の給紙部の下方に配置し、前記第2の領域で前記第1の排紙部を前記第2の画像形成ユニットの下方に配置したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
それぞれが個別に用紙に対する画像形成を行う第1及び第2の画像形成ユニット、前記第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する第1の給紙部、並びに、前記第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される第1の排紙部を備えた画像形成装置であって、
前記第1の給紙部は、一方の水平面が前記第1の画像形成ユニットの一方の水平面に接するとともに、一方の垂直面が前記第2の画像形成ユニットの一方の垂直面に接し、
前記第1の排紙部は、一方の水平面が前記第2の画像形成ユニットの一方の水平面に接するとともに、一方の垂直面が前記第1の画像形成ユニットの一方の垂直面に接することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
それぞれが用紙に対して個別の画像形成を行う第1及び第2の画像形成ユニット、前記第1及び第2の画像形成ユニットに用紙を供給する給紙部、並びに、前記第1及び第2の画像形成ユニットで画像が形成された用紙が排出される排紙部を備えた画像形成装置であって、
前記給紙部から前記第1の画像形成ユニットに用紙を搬送する第1の搬送路と、前記給紙部から前記第2の画像形成ユニットに用紙を搬送する第2の搬送路と、前記第1の搬送部に連続して前記第1の画像形成ユニットから前記排紙部に用紙を搬送する第3の搬送路と、前記第2の搬送部に連続して前記第2の画像形成ユニットから前記排紙部に用紙を搬送する第4の搬送路と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記第1の画像形成ユニット又は第2の画像形成ユニットの少なくとも一方は、前記第1の搬送路と前記第3の搬送路との間、又は、前記第2の搬送路と前記第4の搬送路との間の何れかに二次転写位置を配置した中間転写方式のカラー画像形成ユニットであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第3の搬送路は前記排紙部の上部に上方から用紙を搬送し、前記第4の搬送路は前記排紙部の上部に下方から用紙を搬送することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記排紙部が上下方向に複数の排紙トレイを備えた多段排紙部であり、前記第4の搬送路は前記第3の搬送路を通過した用紙を下向きに搬送することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−256823(P2007−256823A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83645(P2006−83645)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】