説明

画像形成装置

【課題】通信機能を使用するにあたっての設定を容易に、且つ確実に行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】ネットワーク接続手段5、6と、前記ネットワーク接続手段5、6を介して外部機器と通信を行う通信制御手段73、74、75、76と、前記通信制御手段73、74、75、76の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する接続条件設定手段770を備えた画像形成装置1であって、前記接続条件設定手段770は、設定の必要な複数の接続条件に対する設定入力画面を所定順序で更新表示するように構成され、前記接続条件設定手段770を介して設定入力された接続条件の正否を自動検証する検証手段772を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク接続手段と、前記ネットワーク接続手段を介して外部機器と通信を行う通信制御手段と、前記通信制御手段の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する接続条件設定手段を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿を読み取り、読み取った原稿画像を複写して出力する複写機に、読み取った原稿画像を画像データとして出力するスキャナ機能や、読み取った原稿画像を格納するファイルサーバ機能や、読み取った原稿画像をファクシミリ送信し若しくは原稿画像をファクシミリ受信して出力するファクシミリ機能や、読み取った原稿画像をメールに添付して送信するメール送信機能等を付加した、いわゆる複合機が多く製品化されている。
【0003】
複合機が備えるこれら複数の機能を使用するためには、使用したい機能の初期設定を事前に行う必要があるが、多くの機能を備えた複合機では、多くの操作画面から使用したい機能の初期画面を探し出す必要があり、操作に不慣れなオペレータにとって使い勝手の悪いものであった。
【0004】
特許文献1では、制御手段に制御されて、複数の機能の初期設定項目を表示する表示手段と、前記初期設定項目を指定し、変更する入力操作手段とを有する画像形成装置で、前記初期設定項目が備える記憶手段に記憶された、前記各機能の責務に基づいて分類されたテーブルを取得した前記制御手段は、前記初期設定項目の有する前記表示手段への表示方法に係る画面表示設定に基づいて前記初期設定項目を前記表示手段に表示させることを特徴とする画像形成装置が提案されている。ここで、責務とは、装置に備えられた機能が果たす役割のことであり、その役割を達成する具体的な手段によらない概念のことである。例えば、FAX機能とE−mail機能とではデータを送る手段は異なるが、データを送信する役割においては共通するため、責務は同一である。
【特許文献1】特開2006−256235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された装置では、各機能に係る初期設定項目は、責務に基づき分類されて表示手段に表示されるため、大きな分類を表示する画面から小さな分類を表示する画面へ画面を遷移させることで、初期設定を行いたい機能の初期設定項目を容易に呼び出すことができるが、当該操作に慣れないオペレータの場合、使用したい機能の責務に基づき、大きな分類を選択することはできるが、小さな分類を選択することは困難であり、効率的に初期設定を進めることができない虞があった。特に、通信に係る機能においては、初期設定が複雑であることが多く、この傾向が強かった。
【0006】
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、通信機能を使用するにあたっての設定を容易に、且つ確実に行うことができる画像形成装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明による画像形成装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、ネットワーク接続手段と、前記ネットワーク接続手段を介して外部機器と通信を行う通信制御手段と、前記通信制御手段の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する接続条件設定手段を備えた画像形成装置であって、前記接続条件設定手段は、設定の必要な複数の接続条件に対する設定入力画面を所定順序で更新表示するように構成され、前記接続条件設定手段を介して設定入力された接続条件の正否を自動検証する検証手段を備えている点にある。
【0008】
上述の構成によれば、オペレータは使用したい通信手段に係る初期設定である接続条件を、所定順序で更新表示される設定入力画面に従い設定入力すればよいため、操作に不慣れなオペレータであっても容易、且つ確実に設定を進めることができ、また、設定入力した接続条件の正否が自動検証されるため、設定完了する前に入力間違いが検出され、これを修正することができる。
【0009】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記検証手段は、所定の検証単位で前記接続条件を自動検証する点にある。
【0010】
上述の構成によれば、少なくとも検証単位で接続条件の正否が判別できるため、入力間違いを修正するとき、設定する必要のある接続条件の全てを見直す必要はなく、検証単位で修正を行うことができる。
【0011】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記検証手段により自動検証される検証単位を設定する検証単位設定手段を備えている点にある。
【0012】
効率的な設定入力を行うには、設定入力に自信のあるオペレータであれば、全ての接続条件の設定入力を終えた後に検証を行えばよく、設定入力に自信のないオペレータであれば、各接続条件で検証を行うほうがよい。上述の構成によれば、オペレータの力量や、管理者の運用方針などに基づき、効率的な設定入力を行うことができるように検証単位を設定することができる。
【0013】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、共通の接続条件を有した少なくとも2以上の通信制御手段を備え、前記通信制御手段の内、一の通信制御手段の接続条件の設定入力が完了しているとき、前記接続条件設定手段は、他の通信制御手段の接続条件の設定入力画面に、前記共通の接続条件の設定入力を自動反映させる点にある。
【0014】
上述の構成によれば、既に設定入力され、正否の確認された接続条件が反映されるため、前記接続条件に関して新たに設定入力する必要がなく、当該設定入力を改めて行うのに要する時間を短縮できると共に、当該設定入力のために入力間違いを起こすこともないため、当該入力間違いを修正する必要もない。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した通り、本発明によれば、通信機能を使用するにあたっての設定を容易に、且つ確実に行うことができる画像形成装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による画像形成装置の一例である複合機について説明する。
【0017】
複合機1は、図2に示すように、ネットワークLANを介して、複数の端末PCやファイルサーバFSVとメールサーバMSV等の各種サーバと接続され、画像データの送受信が可能に構成されている。また、公衆回線PSTNを介して、外部ファクシミリFAXとFAX送受信による画像データの送受信が可能に構成され、更に、前記ネットワークLANに接続されたゲートウェイ装置GWを介してネットワークWANと接続され、前記ネットワークWANを介してのメール送受信やFAX送受信による画像データの送受信が利用可能に構成されている。本実施例において、ネットワークWANは「インターネット」であり、ネットワークWANを介してのFAX送受信は、所謂、「インターネットFAX」と呼称されるものであり、以下において「インターネットFAX」と記載する。また、本実施例において、前記ネットワークLANはネットワークプロトコルに「TCP/IP」を採用する。但し、ネットワークプロトコルはこれに限定するものではなく、他のネットワークプロトコルを採用するものであってもよい。
【0018】
該複合機1は、図3に示すように、各種機能の使用条件を設定する複数のメニューキー等が表示され各メニューキーに対する操作を検出する液晶タッチパネル20と、使用する機能を設定する複数の機能設定キーや設定された機能の動作を起動するスタートキー等からなるハードウェアキー21が配置された操作部2と、原稿テーブル30にフェイスアップで載置されたシート状の一連の原稿を順次読込んで電子データに変換する画像読取部3と、前記画像読取部3から出力された原稿画像や、外部ファクシミリFAXから送信された画像データ等に基づき画像形成して、公知の技術により画像形成、出力を行う画像形成部4と、公衆回線PSTNと接続し、外部ファクシミリFAXと画像データの送受信を行うFAX部5と、ネットワークLANと接続するネットワークI/F部6と、からなる機能ブロックを備え、これらの機能ブロックは、CPUと、該CPUの動作プログラム等を格納したROMと、作業領域であるRAM等により構成されるシステム制御部7により制御される。ここで、前記FAX部5と前記ネットワークI/F部6とは、本発明におけるネットワーク接続手段である。
【0019】
前記システム制御部7は、図1に示すように、前記操作部2を制御する操作制御手段70と、前記画像読取部3を制御する画像読取制御手段71と、前記画像形成部4を制御する画像形成制御手段72と、FAX部5を制御するFAX制御手段73と、ネットワークI/F6を介して、ネットワークLANに接続された端末PCやファイルサーバFSVとファイル転送プロトコルに従いファイル転送を行うファイル転送制御手段74と、ゲートウェイ装置GWを介してメール送受信を行うメール送受信制御手段75と、ゲートウェイ装置GWを介してインターネットFAXを行うインターネットFAX制御手段76と、前記FAX制御手段73と前記ファイル転送制御手段74と前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76の接続条件の設定入力する設定入力画面を表示する接続条件設定手段770と、前記接続条件を記憶する接続条件記憶手段771と、前記接続条件設定手段770を介して設定入力された接続条件の正否を自動検証する検証手段772と、前記検証手段772により自動検証される検証単位を設定する検証単位設定手段773とを備えている。
【0020】
前記FAX制御手段73と前記ファイル転送制御手段74と前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76とは本発明における通信制御手段であり、本発明における前記ネットワーク接続手段である、前記FAX部5と前記ネットワークI/F部6とを介して外部機器と通信を行う。ここで、前記通信には、FAX送受信とメール送受信とインターネットFAX送受信に加えて、ファイル転送を含んでいる。
【0021】
前記FAX制御手段73は、前記FAX部5に備えられ、外部ファクシミリFAXとの公衆回線PSTNの接続を制御するNCU(ネットワーク・コントロール・ユニット)等の動作制御が行うことで、外部ファクシミリとのFAX送受信を行う。
【0022】
前記ファイル転送制御手段74は、本実施例においては、外部端末PCやファイルサーバとの間で行うファイル転送のプロトコルとして「FTP(File Transfer Protocol)」を採用し、画像読取部2で読取った画像データやFAX部5やインターネットFAXで受信した画像データを外部端末PCやファイルサーバFSVに格納し、また、外部端末PCやファイルサーバFSVから読み出すことが可能に構成されている。但し、ファイル転送プロトコルは、FTPに限定するものではなく、ネットワークLANで採用されるネットワークプロトコルに対応するものであればよい。
【0023】
前記メール送受信制御手段75は、本実施例においては、メール送信を行う際のプロトコルとして、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を採用し、画像読取部2で読取った画像データやFAX部5やインターネットFAXで受信した画像データをメール送信し、メール受信を行う際のプロトコルとしてPOP(Post Office Protocol)を採用し、画像データをメール受信する。但し、メール送信または受信を行う際のプロトコルは、SMTPまたはPOPに限定するものではなく、ネットワークLANで採用されるネットワークプロトコルに対応するものであればよい。
【0024】
前記インターネットFAX制御手段76は、インターネットを介してFAX送受信する際のプロトコルにSMTPを採用し、公衆回線PSTNを介してのFAX番号により送信先を特定してFAX送受信を行うのではなく、メールアドレスによりインターネットFAXに対応した画像形成装置等の送信先を特定し、送信する画像データを電子メールに添付することでインターネットFAX送受信を行う。
【0025】
オペレータにより該複合機1の各通信機能が用いられるとき、各通信制御手段73、74、75、76は、前記接続条件記憶手段771に記憶された前記接続条件を取得して、前記接続条件に基づいて起動し、ネットワーク接続手段5、6を介して通信制御を行う。つまり、該複合機1で外部ファクシミリFAXや端末PC等の機器との間で画像データの通信を行うには、予め、各通信制御手段73、74、75、76の接続条件を設定する必要があり、オペレータが前記操作部2の液晶タッチパネル20に表示されたメニューキーやハードウェアキー21を操作して、該複合機1を通信機能を用いるモードに切替えるとき、前記通信機能に対応する通信制御手段73、74、75、76の接続条件の設定入力が完了していないときには、前記接続条件設定手段770が起動し、オペレータに前記接続条件の設定入力を要求する。
【0026】
前記接続条件設定手段770は、一の通信制御手段に対する設定の必要な接続条件が設定入力されていないときに、オペレータの操作を検出した操作制御手段70からの出力を受けて起動し、前記操作制御手段70を介して、自身に記憶した、前記通信制御手段に対応する設定入力画面を、前記操作部2の液晶タッチパネル20に表示し、前記設定入力画面を介してオペレータが入力設定した前記通信制御手段の接続条件を前記接続条件記憶手段771に記憶する。
【0027】
以下に、通信制御手段73、74、75、76の設定が必要な接続条件の入力設定について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0028】
オペレータが該複合機1の一の通信機能を用いようと、操作部2の液晶タッチパネル20やハードウェアキー21を操作して、前記通信機能を使用するモードに切替える操作を行ったとき(SA1)、前記通信機能に対応する通信制御手段の接続条件の設定が完了していると(SA2)、前記接続条件に基づき前記通信制御手段が起動して、該複合機1が前記通信機能を使用するモードに切り替わる(SA7)。
【0029】
前記通信機能に対応する通信制御手段の接続条件の設定が完了していないときには(SA2)、前記接続条件設定手段770が起動し(SA3)、前記通信制御手段の設定の必要な接続条件に対する設定入力画面が前記液晶タッチパネル20に表示される(SA4)。
【0030】
オペレータは表示された設定入力画面に表示された接続条件に関する入力を行い(SA5)、前記接続条件設定手段770はオペレータにより入力された接続条件を接続条件記憶手段771に記憶し(SA6)、前記接続条件に基づき前記通信制御手段が起動して、該複合機1が前記通信機能を使用するモードに切り替わる(SA7)。
【0031】
前記通信制御手段73、74、75、76で設定が必要な接続条件は複数あり、前記接続条件設定手段770は、設定が必要な接続条件に対する設定入力画面を所定順序で更新表示するように構成されている。以下に詳述する。
【0032】
FAX制御手段73では送信者名や送信者発信番号などの送信者情報に関するFAX制御第一接続条件と、送信する画像データの画質に関するFAX制御第二接続条件との入力設定が必要であり、図5(a)に示すフローチャートに基づき説明すると、前記接続条件設定手段770は、前記FAX制御手段73の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する際には(SB1)、前記FAX制御第一接続条件に対する設定入力画面を表示し(SB2)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記FAX制御第二接続条件に対する設定入力画面を表示する(SB3)。
【0033】
ファイル転送制御手段74では該複合機1に割り振るIPアドレスやDNSサーバDSVやゲートウェイ装置GWのIPアドレス等に関するファイル転送制御第一接続条件と、ファイル転送を許可するアドレスに関するファイル転送制御第二接続条件との入力設定が必要であり、図5(b)に示すフローチャートに基づき説明すると、前記接続条件設定手段770は、前記ファイル転送制御手段74の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する際には(SC1)、前記ファイル転送制御第一接続条件に対する設定入力画面を表示し(SC2)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記ファイル転送制御第二接続条件に対する設定入力画面を表示する(SC3)。
【0034】
メール送受信制御手段75では該複合機1に割り振るIPアドレスやDNSサーバDSVやゲートウェイ装置GWのIPアドレス等に関するメール送受信制御第一接続条件と、メール送信に関するメール送受信制御第二接続条件と、メール受信に関するメール送受信制御第三接続条件との入力設定が必要であり、図6(a)に示すフローチャートに基づき説明すると、前記接続条件設定手段770は、前記メール送受信制御手段75の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する際には(SD1)、前記メール送受信制御第一接続条件に対する設定入力画面を表示し(SD2)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記メール送受信制御第二接続条件に対する設定入力画面を表示し(SD3)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記メール送受信制御第三接続条件に対する設定入力画面を表示する(SD4)。
【0035】
インターネットFAX制御手段76では該複合機1に割り振るIPアドレスやDNSサーバDSVやゲートウェイ装置GWのIPアドレス等に関するインターネットFAX制御第一接続条件と、メール送信に関する接続条件と同様のインターネットFAX送信に関するインターネットFAX制御第二接続条件と、メール受信に関する接続条件と同様のインターネットFAX受信に関するインターネットFAX制御第三接続条件と、送信する画像データの画質に関するインターネットFAX制御第四接続条件との入力設定が必要であり、図6(b)に示すフローチャートに基づき説明すると、前記接続条件設定手段770は、前記インターネットFAX制御手段75の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する際には(SE1)、前記インターネットFAX制御第一接続条件に対する設定入力画面を表示し(SE2)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第二接続条件に対する設定入力画面を表示し(SE3)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第三接続条件に対する設定入力画面を表示し(SE4)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第四接続条件に対する設定入力画面を表示する(SE5)。
【0036】
つまり、前記通信制御手段73、74、75、76には夫々、複数の接続条件の設定入力が必要である。ここで、一の接続条件は、少なくとも1以上の入力項目から構成されるものであるため、換言すれば、夫々の接続条件の設定入力画面は少なくとも1以上の入力項目を備えて構成される。
【0037】
即ち、一の通信制御手段の設定の必要な複数の接続条件に対する複数の設定入力画面は、所定順序で更新表示されるように構成され、オペレータは、ある設定入力画面での入力が完了すると、次画面を呼び出して入力を行い、これを繰り返して一の通信制御手段に対する全ての入力項目の入力を行うのである。
【0038】
例えば、メール送受信制御手段75に対する接続条件の設定入力における設定入力画面の具体的な推移について、図7に示すフローチャートを用いて説明すると、メール送受信制御第一接続条件の設定入力画面としてDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバの利用を確認する第一設定入力画面が表示され(SF1)、DHCPサーバを利用しないが選択されて(SF2)、前記第一設定入力画面に配置された次画面を呼び出すボタンが押圧されると(SF3)、該複合機1のIPアドレスとホスト名と、DNSサーバのIPアドレスと、ゲートウェイ装置GWのIPアドレスとの入力項目への入力を求める第二設定入力画面が表示され(SF4)、オペレータにより各入力項目への入力が行われる(SF5)。
【0039】
DHCPサーバを利用するが選択されて(SF2)、前記第一設定入力画面に配置された次画面を呼び出すボタンが押圧されると(SF6)、DHCPサーバDSVにより自動入力されるため、配置された入力項目が入力不能状態となった前記第二設定入力画面画が表示される(SF7)。尚、本実施例では、1台のサーバDSVによりDNSサーバとDHCPサーバが兼用される構成としたが、これらを別々に設置する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0040】
前記第二設定入力画面に配置された次画面を呼び出すボタンが押圧されると(SF8)、メール送信に関するメール送受信制御第二接続条件の設定入力画面として、送信メールサーバ名の入力を求める第三設定入力画面が表示され(SF9)、オペレータにより前記送信メールサーバMSV名が入力された後(SF10)、前記第三設定入力画面に配置された次画面を呼び出すボタンが押圧されると(SF11)、メール受信に関するメール送受信制御第三接続条件の設定入力画面として、受信メールサーバMSV名の入力を求める第四設定入力画面が表示される(SF12)。
【0041】
オペレータにより前記受信メールサーバMSV名が入力された後(SF13)、前記第四設定入力画面に配置された次画面を呼び出すボタンが押圧されると(SF14)、受信メールサーバSMVにアクセスするアカウント名とパスワードを入力する第五設定入力画面が表示され(SF15)、オペレータにより前記アカウント名とパスワードが入力された後(SF16)、前記第五設定入力画面に配置された設定終了ボタンが押圧されると(SF17)、前記メール送受信制御手段75に対する設定が必要な複数の接続条件の入力が完了する(SF18)。尚、本実施例では、1台のサーバMSVにより送信メールサーバと受信メールサーバが兼用される構成としたが、これらを別々に設置する構成であってもよいことは言うまでもない。
【0042】
ここで、前記ファイル転送制御第一接続条件と前記メール送受信制御第一接続条件と前記インターネットFAX制御第一接続条件とは、該複合機1に割り振るIPアドレスやDNSサーバやゲートウェイのIPアドレス等に関するもの、つまり、共通の接続条件であり、同様に、前記メール送受信制御第二接続条件と前記インターネットFAX制御第二接続条件とは共通の接続条件であり、前記メール送受信制御第三接続条件と前記インターネットFAX制御第三接続条件とは共通の接続条件である。
【0043】
換言すると、前記ファイル転送制御手段74と前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76とは、共通の接続条件を有し、前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76とは、更に多くの共通の接続条件を有している。
【0044】
そこで、前記接続条件設定手段770は、前記ファイル転送制御手段74と前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76の内、一の通信制御手段の接続条件の設定が完了しているとき、接続条件の設定が未完了の他の通信制御手段の接続条件の設定入力画面に、共通の接続条件の設定入力を自動反映させるように構成されている。
【0045】
例えば、図8に示すフローチャートに基づき説明すると、ファイル転送制御手段74の接続条件の設定入力が完了しているとき(SG1)、接続条件設定手段770は、インターネットFAX制御手段76の接続条件の設定入力画面を表示する際に(SG2)、ファイル転送制御第一接続条件の設定入力画面の設定入力を反映させたインターネットFAX制御第一接続条件の設定入力画面を表示し(SG3)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第二接続条件に対する設定入力画面を表示し(SG4)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第三接続条件に対する設定入力画面を表示し(SG5)、オペレータからの次画面表示要求を受けて、前記インターネットFAX制御第四接続条件に対する設定入力画面を表示する(SG6)。
【0046】
ところで、前記接続条件設定手段770を介して設定入力された接続条件について、入力間違いがあると、対応する通信制御手段は通信を行うことができない。つまり、該複合機1で対応する通信機能を使用することができず、オペレータは再度接続条件の設定入力を行うことになる。
【0047】
そこで、前記検証手段772は、前記接続条件設定手段770を介してオペレータにより行われる前記通信制御手段の接続条件の入力時において、入力された接続条件に基づき、前記通信制御手段を起動させ、前記検証単位設定手段773により設定された所定の検証単位で前記接続条件の正否を自動検証する。前記検証手段772は、検証結果が「否」であるときには、前記接続条件設定手段770に前記操作制御手段70を介して、「否」と検証された検証単位の接続条件に対応する設定入力画面を前記液晶タッチパネル20に表示させてオペレータの再入力を促し、検証結果が「正」であるときには、入力された接続条件の前記接続条件記憶手段771への記憶を許可する。
【0048】
前記検証手段772が行う接続条件の正否の自動検証について詳述すると、例えば、図7に示すフローチャートにおける第一設定画面でDHCPサーバを利用すると選択した場合、前記検証手段772は、インターネットFAX制御手段76に「DHCP Discover」コマンドをネットワークI/F6からブロードキャストで出力させ、DHCPサーバDSVからの「Offer」応答がなければ、DHCPサーバDSVが設置されていない可能性があると判断して、「否」と検証するのである。この他、各種サーバのIPアドレスが入力されたとき等には、pingコマンドによるサーバの有無の判断や、サービスポートへのアクセスなどを行って検証を行うのである。
【0049】
前記検証手段772が検証を行う所定の検証単位は、前記検証単位設定手段773により設定され、前記検証単位設定手段773は、オペレータの操作を検出した操作制御手段70から出力を受けて起動し、前記操作制御手段70を介して、前記検証手段772が接続条件の自動検証を行う所定の検証単位を設定する入力画面を前記操作部2の液晶タッチパネル20に表示し、前記入力画面を介してオペレータが入力した前記所定の検証単位を記憶する。
【0050】
前記検証単位設定手段773が設定する所定の検証単位としては、予めデフォルト値が設定されるものであるが、オペレータの操作により、一の通信制御手段に対する設定の必要な接続条件全ての入力が行われた後や、一の接続条件を構成する一の設定入力画面の入力項目全ての入力が行われた後や、一の設定入力画面の入力項目の入力が行われる度、等として設定可能である。
【0051】
例えば、図7に示すフローチャートにおいて、所定の検証単位を、一の接続条件を構成する一の設定入力画面の入力項目全ての入力が行われた後とすると、ステップSF3、SF8、SF11、SF14、SF17における各ボタンが押圧された時に、所定の検証単位の入力が行われたと判断して、前記検証手段772による自動検証が行われるのである。
【0052】
検証手段772による通信制御手段の接続条件の検証について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
一の設定入力画面が表示され(SH1)、オペレータにより接続条件に対する入力設定が行われ(SH2)、行われた入力設定が所定の検証単位となると(SH3)、検証手段772は、入力された接続条件の内、未検証の接続条件の正否を検証し(SH4)、検証結果が「正」であるときには(SH5)、接続条件設定手段770による、検証を行った接続条件の接続条件記憶手段771への記憶を許可し(SH6)、検証結果が「否」であるときには(SH5)、接続条件設定手段770に対し、検証を行った接続条件の再度の入力設定を行う設定入力画面を再度表示させる(SH7)。
【0054】
検証を行った接続条件の接続条件記憶手段771への記憶を許可した後(SH6)、未入力の接続条件があるときには(SH7)、接続条件設定手段770に接続条件の入力の続きを許可し(SH8)、未入力の接続条件がなければ(SH7)、検証を終了する(SH9)。
【0055】
以下に、別実施形態について説明する。
【0056】
上述の実施形態では、前記ファイル転送制御手段74と前記メール送受信制御手段75と前記インターネットFAX制御手段76の内、一の通信制御手段の接続条件の設定が完了しているとき、接続条件設定手段770は、接続条件の設定が未完了の他の通信制御手段の接続条件の設定入力画面に、共通の接続条件の設定入力を自動反映させ、当該設定入力画面を表示するように構成したが、これに限定するものではなく、共通の接続条件の設定入力を自動反映させた後、当該設定入力画面を表示せず、次の設定入力画面を表示するように構成するものであってもよい。この場合、オペレータは、あたかも当該設定入力画面がないものとして入力を進めることができ、操作に不慣れなオペレータが、設定入力画面が表示されているのに入力ができないと困惑するような事態を防止することができる。
【0057】
上述の実施形態では、接続条件の入力設定に関して、ネットワークプロトコルとして「TCP/IP」を採用しているため、IPアドレス等を入力して各種サーバを設定する構成としたが、採用したネットワークプロトコルに合わせて。各種サーバを設定すればよい。
【0058】
上述の実施形態では、本発明の適用した画像形成装置として、複数の通信制御手段を備えた複合機1について説明したが、これに限定するものではなく、一の通信制御手段のみを備えた画像形成装置に本発明を適用しても良い。この場合、設定入力が完了した通信制御手段の接続条件を反映させることができないことは言うまでもない。
【0059】
上述の実施形態では、複合機1は検証単位設定手段を備え、所定の検証単位を設定することができる構成としたが、前記検証単位設定手段を備えず、前記所定の検証単位は予め固定されたものとする構成としてもよい。この場合、前記検証単位設定手段を実行するためのソフトウェアの開発に係るコストを低減することができる。
【0060】
上述した実施形態は共に単独で構成されるものばかりではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜組み合わせるも可能である。
【0061】
上述した実施形態は何れも本発明の一実施例に過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】システム制御部の機能ブロック構成図
【図2】複合機が持つ通信機能による画像データの送受信の説明に用いるネットワーク図
【図3】複合機の説明図
【図4】通信制御手段の接続条件の入力設定の説明に用いるフローチャート
【図5】(a)FAX制御手段の接続条件の入力設定の説明に用いるフローチャート、(b)ファイル転送制御手段の接続条件の入力設定の説明に用いるフローチャート
【図6】(a)メール送受信制御手段の接続条件の入力設定の説明に用いるフローチャート、(b)インターネットFAX制御手段の接続条件の入力設定の説明に用いるフローチャート
【図7】メール送受信制御手段に対する接続条件の設定入力における設定入力画面の説明に用いるフローチャート
【図8】ファイル転送制御手段の接続条件の設定入力完了後におけるインターネットFAX制御手段の接続条件の設定入力の説明に用いるフローチャート
【図9】検証手段による通信制御手段の接続条件の検証の説明に用いるフローチャート
【符号の説明】
【0063】
5:ネットワーク接続手段(FAX部)
6:ネットワーク接続手段(ネットワークI/F部)
70:操作制御手段
73:通信制御手段(FAX制御手段)
74:通信制御手段(ファイル転送制御手段)
75:通信制御手段(メール送受信制御手段)
76:通信制御手段(インターネットFAX制御手段)
770:接続条件設定手段
771:接続条件記憶手段
772:検証手段
773:検証単位設定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続手段と、前記ネットワーク接続手段を介して外部機器と通信を行う通信制御手段と、前記通信制御手段の接続条件を設定入力する設定入力画面を表示する接続条件設定手段を備えた画像形成装置であって、
前記接続条件設定手段は、設定の必要な複数の接続条件に対する設定入力画面を所定順序で更新表示するように構成され、前記接続条件設定手段を介して設定入力された接続条件の正否を自動検証する検証手段を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記検証手段は、所定の検証単位で前記接続条件を自動検証する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検証手段により自動検証される検証単位を設定する検証単位設定手段を備える請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
共通の接続条件を有した少なくとも2以上の通信制御手段を備え、前記通信制御手段の内、一の通信制御手段の接続条件の設定入力が完了しているとき、
前記接続条件設定手段は、他の通信制御手段の接続条件の設定入力画面に、前記共通の接続条件の設定入力を自動反映させる請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−102598(P2008−102598A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282546(P2006−282546)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】