説明

画像形成装置

【課題】操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザが容易に把握することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】状態検知部にて、装置が情報を報知すべき状態になったことが検知されると、タッチパネル制御部は、タッチパネル4cに、装置が情報を報知すべき状態になったことを示す状態アイコン102を表示させ、状態アイコン102が操作されると、状態アイコン102が表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウ201を追加表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー、ファックス、プリンタ等の複数の画像データを記録材に記録する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置においては、コピー、ファックス、プリンタ等の複数の処理機能(処理モード)を有し、1台で複数種類の処理を行える、デジタル複合機が開発されている。このようなデジタル複合機では、動作状況をモード別にユーザに案内表示する表示画面や、ユーザの指示を受け付けるための入力装置を備えた操作パネルが使用されている。
【0003】
このような操作パネルは、装置にトラブルが発生した場合などにも、異常状態をユーザに認識させるために使用される。
【0004】
このような従来技術として、例えば、特許文献1がある。これによれば、装置の異常を報知すると、異常状態を利用者に認識させるために、トラブルアイコンを操作パネルの画面における、表示された基本画面の他の表示キーと重ならない位置に表示し、トラブルアイコンが操作されると、画面の中央に、トラブルの内容が認識できる報知ウインドウを優先的に表示させるようになっている。
【特許文献1】特開2002−344682号公報(2002年11月29日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の構成は、トラブルアイコンが基本画面に表示されるため、慣れないユーザは、トラブルアイコンに対する操作を行わず、依然として基本画面に表示されているキーにて指示を入力し続けて、ジョブの予約を行おうとすることがある。しかしながら、マシーンは既にトラブルを起こしているので、ユーザがいくらジョブ予約を達成させようとしても、ジョブを達成できないトラブルであれば装置はジョブの予約を受け付けず、ユーザは理由がわからず困惑してしまうといった事態が発生する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザが容易に把握することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、画像データに基づく画像を記録材に形成する画像形成装置であって、当該画像形成装置が、情報を報知すべき状態になったことを検知する状態検知部と、画面に情報を表示すると共に該画面を操作することで指示を入力できる表示入力部と、上記表示入力部に、上記状態検知部にて状態が検知されたことを示す状態アイコンを表示させると共に、上記状態アイコンを表示している状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させる表示制御部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
上記表示入力部は、例えばタッチパネル等にて構成され、画面に情報を表示すると共に画面からの指示入力が可能なものである。
【0009】
これによれば、状態検知部が、当該画像形成装置が情報を報知すべき状態になったことを検知する。報知すべき状態とは、例えば、トナー残量が少なくなった状態やトナー切れの状態、記録材カセット内の記録材が少なくなった状態や完全に無くなってしまった状態、或いは記録材のジャムが発生した状態、故障が発生した状態等がある。また、アドバイスやヘルプの情報を知らせるべき状態等がある。
【0010】
状態検知部にて情報を報知すべき状態になったことが検知されると、表示制御部は、状態検知部にて状態が検知されたことを示す状態アイコンを表示させると共に、上記状態アイコンを表示している状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させる。
【0011】
したがって、このような状態アイコンの表示画面を、例えば待機画面やジョブ処理実行時の画面とすることで、ユーザは、まず、表示された状態アイコンにて、装置がユーザに対して何らかの情報を与えようとしていることがわかる。例えば、トラブルの発生やメンテナンスを要求する必要がある、或いは何か装置側よりアドバイスをもらえるような場合である。
【0012】
そして、状態アイコンを操作することで、情報ウインドウを表示させて、状態アイコンが示す状態に関するメッセージ等の役立つ情報を得ることができる。このような情報ウインドウは、追加表示であり、他の画面に遷移することもないので、情報ウインドウが表示されたとしても、ユーザが戸惑うことなく操作を続けることができる。
【0013】
さらに、このような状態アイコンを表示する画面には、基本画面等は表示されないので、ユーザが、トラブル等の発生に気つかず、無駄な操作を行ってしまうようなことはない。
【0014】
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザは容易に把握することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置においては、上記状態アイコンは、報知すべき情報に応じて設定されていることが好ましい。
【0016】
報知すべき情報としては、上述したように、例えば、トラブルが発生したことを知らせる場合や、メンテナンスを要求する必要があることを知らせる場合、或いは、何か装置側よりアドバイスを与えることができるような場合があるが、これによれば、状態アイコンにて、報知される情報をある程度、特定することができる。
【0017】
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザは、より一層、容易に把握することができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置においては、さらに、上記表示制御部は、複数の状態アイコンを表示させる場合、アイコン同士が重なり合わないように表示させることを特徴とすることもできる。
【0019】
これにより、ユーザは、状態アイコンの表示画面を見るだけで、装置からの情報があることを、一目瞭然に把握することができる。また、状態アイコンを操作するような場合にも、確実に操作すべき状態アイコンを操作することができる
また、本発明の画像形成装置においては、上記表示制御部は、複数の状態アイコンを表示させる場合、画面の対角線上に並ぶように表示させる構成とすることもでき、これにより、ユーザは、表示されている状態アイコンを視認しやすい。
【0020】
また、本発明の画像形成装置においては、上記表示制御部は、新たに表示する状態アイコンについては、表示済みの状態アイコンとは異なる表示形態にて表示させる構成とすることもできる。
【0021】
これにより、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、装置が報知すべき状態になったことが新たに検知されたことが、一目瞭然に把握することができる。
【0022】
また、この場合、予め定める期間が経過すると、新たに表示した状態アイコンについても、表示済みの状態アイコンと同じ表示形態にて表示させることが好ましい。
【0023】
これにより、この状態アイコンが示す状態は、あまり時間がたっていない新しい状態であることを、ユーザに正確に知らせることができる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置においては、上記表示制御部は、上記画面に表示させている上記状態アイコンが操作されると、操作された状態アイコンが表している状態に関する情報ウインドウを表示させる構成とすることもできる。
【0025】
これによれば、上記状態アイコンを操作することで、操作された状態アイコンのジョブに関する情報を開示する情報ウインドウが、他の画面に切り替わることなく追加表示される。したがって、ユーザは、装置の状態の詳細な情報を、他画面への遷移を伴うことなく状態アイコンが表示されている画面にて確認することができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置においては、上記表示制御部は、操作された上記状態アイコンの近傍に上記情報ウインドウを表示させる構成とすることもできる。
【0027】
これにより、操作された状態アイコンより離れて情報ウインドウが表示される構成に比して、ユーザは、状態アイコンと情報ウインドウとの関係を容易に把握することができる。
【0028】
また、この場合、操作された状態アイコンと同じ形状のアイコンを表示させると共に、これら2つのアイコン間の領域に上記情報ウインドウを表示させることで、状態アイコンと情報ウインドウとの関係の把握をより一層容易にできる。その場合には、上記画面に情報ウインドウを表示している状態で、当該情報ウインドウの両サイドに表示されている何れかのアイコンがタッチ操作されると、情報ウインドウを消去させる構成とすることもできる。
【0029】
或いは、上記状態アイコンがスライド操作されると、スライド操作に追随して操作された状態アイコンと同じ形状のアイコンを表示すると共に、これら2つのアイコン間に形成される広さの変わる領域に、広さに応じた情報ウインドウを表示させる構成とすることもできる。そして、その場合には、情報ウインドウの全体サイズは変化せず、2つのアイコン間の広さに応じて、情報ウインドウの見える大きさが変化するように表示することが好ましい。
【0030】
これにより、ユーザは、状態アイコンをスライド操作して、情報ウインドウの一部を視認するだけで、情報ウインドウで開示される情報の内容を理解できることもあり、このような場合に便利である。
【0031】
また、本発明の画像形成装置においては、上記表示制御部は、上記情報ウインドウを表示させてから予め定める期間が経過すると、情報ウインドウを消去させる構成とすることが好ましい。
【0032】
ところで、上記画像形成処理装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、表示制御部としてコンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
【0033】
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記画像形成装置として動作する。したがって、上記画像形成装置と同様の作用効果を奏することがきる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の画像形成装置は、画像データに基づく画像を記録材に形成する画像形成装置であって、当該画像形成装置が、情報を報知すべき状態になったことを検知する状態検知部と、画面に情報を表示すると共に該画面を操作することで指示を入力できる表示入力部と、上記表示入力部に、上記状態検知部にて状態が検知されたことを示す状態アイコンを表示させると共に、上記状態アイコンを表示している状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させる表示制御部とを備えたことを特徴としている。
【0035】
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザは容易に把握することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
[第1の実施形態]
本発明の実施の一形態について、図1〜図5を参照して以下に説明する。
【0037】
先ず、図2を用いて、本実施の施態であるデジタル複合機(画像形成装置)1の全体構成を説明する。図2は、本複合機1の全体構成を示すブロック図である。
【0038】
複合機1は、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードおよびファクシミリモードを有する。複合機1は、原稿を読み取って画像データを入力する画像読取部2と、ユーザの入力を受け付ける操作部4と、画像データの印刷を行う画像形成部6と、画像データを保存するハードディスク装置12と、外部機器との通信を行う通信部10と、ファクシミリ装置と通信するためのFAXモデム5と、USBメモリと通信する通信インターフェース7と、装置全体の制御情報や設定情報等を記憶している管理部14と、装置全体の制御を司る機器制御部8とを備えている。
【0039】
画像読取部2は、画像データを生成する画像データ生成部であり、CCD2aといった撮像素子と、原稿台や自動原稿送り装置(ADF)にセットされた原稿を検知する原稿検知センサ2bとを有する。CCD2aによって読み取られた画像データは画像形成部6に出力される。
【0040】
操作部4は、入力部4aと表示部4bとを有し、装置全体の操作や各種設定の入力を可能にし、入力内容や装置全体の動作状況を表示する。図3に、操作部4の平面図を示す。図3に示すように、入力部4aは、表示部4bの近傍に配置されたキー群と、表示部4b上に配置されたタッチスクリーンとを有している。このタッチスクリーンと表示部4bとで、画面にユーザが触れることで指示を入力できるタッチパネル4cが構成されている。表示部4bは、例えば液晶パネル等よりなり、本複合機1では、図3に示すように、操作部4に対峙するユーザの左右方向に細長い矩形形状をなしている。
【0041】
画像形成部6は、画像データを記憶するローカルメモリ6aと、レーザ走査ユニット等を備えた印字部6bとを有する。印字部6bは、ローカルメモリ6aに記憶された画像データに基づいて、図示しない給紙部から供給される記録シートに画像を印刷する。ローカルメモリ6aに記憶された画像データに対しては、画像処理部9により、圧縮や伸張、加工等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、ローカルメモリ6aより、印字部6b、ハードディスク装置12、或いは機器制御部8に出力される。
【0042】
通信部10は、ネットワーク内の情報処理装置54,55、及びインターネットを通じて外部の情報処理装置52やインターネットファクシミリ装置51と、データの送受信を行う。送受信されるデータにジョブデータが含まれる。通信部10は、LANケーブルを介して図示しないルータやスイッチングハブ等に接続され、パソコン、サーバ等の情報処理装置54,55によって形成されたネットワークと接続される。そして、ネットワークは、電話回線網や光ファイバ等の通信回線を介してインターネットに接続される。
【0043】
FAXモデム5は、電話線を介して電話回線網と接続され、外部のファクシミリ装置53とファクシミリ通信を行って、データの送受信を行う。送受信されるデータにジョブデータが含まれる。
【0044】
通信インターフェース7は、外部コネクタ45(図10参照)にUSBメモリ50が接続されることで、USBメモリ50と通信を行って、USBメモリ50とデータの送受信を行う。送受信されるデータにジョブデータが含まれる。本複合機1は、パソコン等を介することなく、直接的にUSBメモリ50と通信を行ってジョブを受け付け、USBメモリ50内の画像データを印刷処理したり、USBメモリ内にジョブデータを格納させたりすることができる。
【0045】
機器制御部8は、操作部4からの入力や外部機器からのデータ入力があると、管理部14に記憶されている情報に基づいて各部を制御して、コピーモード、プリンタモード、スキャナモード、ファクシミリモードのいずれかを実行する。
【0046】
具体的には、機器制御部8は、プリンタモード及びファクシミリモードの受信モードにおいて、外部機器より入力された画像データを画像形成部6のローカルメモリ6aに送る。画像データは、ここで画像処理部9による画像処理を施される。コピーモード時は、画像読取部2より、画像データが画像形成部6のローカルメモリ6aに送られる。
【0047】
画像処理が施された画像データは、出力される画像データとしてページ単位に展開され、一旦ハードディスク装置12に記憶された後、ハードディスク装置12から適切なタイミングで順次読み出されて再びローカルメモリ6aに送られる。ローカルメモリ6aの画像データは、印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
【0048】
画像データを複数枚印刷する場合も同様であり、画像データがページ単位でハードディスク装置12へ記憶され、出力するモードに合わせてハードディスク装置12からローカルメモリ6aに送られる。ローカルメモリ6aの画像データは、出力枚数の分だけ繰り返し、印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
【0049】
また、機器制御部8は、ファクシミリモードの送信モード及びスキャナモードにおいては、画像読取部2より画像形成部6のローカルメモリ6aへと送られた画像データを、画像処理部9による画像処理を施した後、通信部10、FAXモデム5、或いは通信インターフェース7に出力し、装置外部へと送信させる。
【0050】
次に、本複合機1の注目すべき構成である情報表示機能について説明する。本複合機1は、装置の状態を自身で検出しておき、ユーザに報知すべき状態にあること検出した場合には、その状態に応じたアイコンをまずタッチパネル4cに表示する。そして、状態アイコンを表示している状態でタッチパネル4cが操作されると、検出した状態に関する情報ウインドウを追加表示する。
【0051】
このような情報表示機能は、図1に示す、操作部4と、状態検知部61と、情報表示制御部(表示制御部)30とで実現される。図1は、本複合機1における情報表示機能を実現する要部の機能ブロック図である。
【0052】
状態検知部61は、複合機1の状態が、ユーザに情報を知らせるべき状態になったことを検出するものである。
【0053】
ユーザに知らせるべき状態とは、例えば、トナー残量が少なくなった状態やトナー切れの状態、記録材カセット内の記録材が少なくなった状態や完全に無くなってしまった状態、或いは記録材のジャムが発生した状態、故障が発生した状態等がある。これらは、複合機1が、ユーザに対して注意や警告の情報を知らせるべき状態になったことを検出している。
【0054】
また、状態検知部61は、アドバイスやヘルプの情報を知らせるべき状態になったことも検出するようになっている。例えば、ジャムが発生してから、所定時間内でカバーが開放されない、またはジャムが解除されない場合などである。また、通常の操作時にユーザがキー操作しているときに、所定時間が経過しても、スタートキーが押下されない場合である。
【0055】
情報表示制御部30は、状態検知部61にて装置がこのような状態になったことが検出されると、状態検知部61にて状態が検知されたことを示す状態アイコンをタッチパネル4cに表示させ、かつ、状態アイコンを表示させている状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している装置の状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させるものである。このような情報表示制御部30は、図1に示す管理部14と機器制御部8にて構成される。
【0056】
上記情報表示制御部30は、タッチパネル制御部36、状態アイコンデータ格納部35、及び操作検出部38を備えている。
【0057】
タッチパネル制御部36は、表示部4bを制御して、状態検知部61が、装置が知らせるべき状態になったことを検知したことを示す状態アイコンを表示させる。タッチパネル制御部36は、検知された状態に応じて、表示すべき状態アイコンを、状態アイコンデータ格納部35より抽出してタッチパネル4cに表示させる。状態アイコンデータ格納部35には、タッチパネル4cに表示される種々の状態アイコンの形状データが格納されている。
【0058】
図3(a)〜(c)に、状態アイコンの表示例を示す。図3(a)において、参照符号101にて示す、○に「!」(!:エクスクラメーションマーク)の形状を有する状態アイコンは、ユーザに注意を促す注意アイコンである。注意アイコンは、例えば、特定色のトナー残量が少ない場合や、特定の給紙カセットの記録紙が無くなった場合に表示され、利用者が容易に対応可能な状態を示す。
【0059】
また、図3(b)において、参照符号102にて示す、○の中に三角を表示し、その三角の中に「!」を白抜きした形状を有する状態アイコンは、ユーザに警告を促す警告アイコンである。警告アイコンは、例えばトナー切れや、記録紙のジャム、サービスマンコールなど管理者や装置を把握したものが対応する必要がある装置の状態を示す。
【0060】
図3(c)において、参照符号103にて示す、○に「?」(?:クエスチョンマーク)の形状を有する状態アイコンは、ユーザにアドバイスやヘルプ情報を与える状態にあることを示すヘルプアイコンである。ヘルプアイコンは、例えば、ジャムが発生してから、所定時間内でカバーが開放されない、またはジャムが解除されない場合に、ユーザに操作手順を提供する用意がある装置の状態を示す。また、通常の操作時にユーザが操作キーを操作しているときに所定時間が経過しても、スタートキーが押下されない場合には操作に不慣れなユーザであり、操作に手間取っていることを予測し、操作されたキーから利用者が操作しようとしている操作内容を推測しヘルプ機能として表示可能である装置の状態を示す。
【0061】
図3(a)〜(c)においては、状態アイコンが画面に1つのみ示されているものを例示したが、状態アイコンは、状態検知部61が検知した状態の数だけ表示される。
【0062】
図4(a)(b)に複数の状態アイコンが表示されている例を示す。図4(a)は、図3(a)の画面を表示している状態で、警告アイコンを表示すべき状態が状態検知部61にて検知され、警告アイコン102が追加表示された状態を示している。図4(b)は、図3(a)の画面を表示している状態で、ヘルプアイコンを表示すべき状態が状態検知部61にて検知され、ヘルプアイコン103が追加表示された状態を示している。
【0063】
また、状態アイコン101〜103には、アイコン本体より画面の上下方向に延びるライン部Lが表示される。このようなライン部Lは、各アイコンの並びが強調され、ユーザの視認を助ける効果がある。
【0064】
タッチパネル制御部36は、画面に複数の状態アイコンを表示させる場合、図4(a)(b)に示すように、画面の対角線に沿って、互いに重なり合うことのないようにずらして表示させる。これにより、ユーザは、容易に、複合機1が今どのような状態にあるのかを把握することができると共に、状態アイコンを操作する際に不要な他のアイコンまでをも操作するといった不具合をなくすることができる。
【0065】
また、タッチパネル制御部36は、タッチパネル4cに状態アイコンを表示させている状態で画面が操作されると、表示させている状態アイコンの表している状態に関する情報ウインドウを追加して表示させる。情報ウインドウにて表示される情報の内容は、状態に応じて異なる。例えば、トナー切れであれば、図5(a)に示す情報ウインドウ201のような、トナーの補給を促すメッセージが表示される。また、記録材切れであれば、図5(c)に示す情報ウインドウ202のような、記録材の補給を促すメッセージが表示される。
【0066】
本複合機1では、タッチパネル制御部36は、状態アイコンが操作されることで、操作された状態アイコンの表している状態に関する情報ウインドウを、操作された状態アイコンの近傍に表示させる。なお、以下においては、情報ウインドウを表示することを開く、表示した情報ウインドウを非表示とすることを閉じると表現することがある。
【0067】
操作検出部38は、タッチパネル4cから入力される信号に基づいて、操作された状態アイコンを特定し、また、その操作方法を検出してタッチパネル制御部36に送るものである。本複合機1において、情報ウインドウを表示させる状態アイコンの操作方法として、タッチ操作とスライド操作との2種類がある。このような情報ウインドウの表示データは、情報ウインドウデータ格納部62に格納されている。
【0068】
タッチ操作とは、図5(a)に示す状態アイコン(警告アイコン)102に対する操作のように、状態アイコン102を押圧した後、直ぐに押圧を解除する操作である。また、スライド操作とは、図5(c)に示す状態アイコン(注意アイコン)101に対する操作のように、状態アイコン101を押圧した状態で平行移動させる操作である。スライド操作である場合は、操作の奇跡もタッチパネル制御部36に送られる。
【0069】
さらに、本実施の形態では、新規に表示する状態アイコンの表示形態を、既に表示済みのジョブに関する状態アイコンとは、異ならせて表示するようになっている。これにより、ユーザは、新規に表示された状態アイコンであることを容易に認識できる。
【0070】
新規に検知されたことを示す表示形態は、所定の期間が経過すると、表示済みの通常の表示形態に戻るようにする構成が好ましい。これにより、いつまでも新規の表示形態で表示され続けるといった不都合を回避することができる。
【0071】
表示形態の異ならせ方としては、アイコンの形状を異ならせたり、状態アイコンを点滅表示させたり、反転表示させたり、或いは、状態アイコンを回転させたりしてもいい。また、タッチパネル4cの表示部4bがカラー表示可能なものであれば、状態アイコンの色を異ならせたり、状態アイコンそのもの、或いは状態アイコンの周囲、或いはライン部、或いはそれら全てを発光表示させたりしてもよい。
【0072】
ここで、図5(a)〜(c)を用いて、情報表示制御部30による情報ウインドウの表示のさせ方について説明する。
【0073】
上述したように、本複合機1においては、画面に表示されている状態アイコンをタッチ操作或いはスライド操作することで、操作された状態アイコンの表している状態に関する情報ウインドウが表示される。
【0074】
図5(c)に示すように、状態アイコン(注意アイコン)101をスライド操作すると、スライド操作に追随するように情報ウインドウ202が表示される。より詳細には、スライド操作に追随して、状態アイコン101と同じ形状を有するサテライトアイコン101’が、状態アイコン101と対を成すように並行に表示され、これら2つのアイコン101・101’の間に、情報ウインドウ202が表示される。
【0075】
このとき、状態アイコン101のさらに左側にある状態アイコン102は、画面左側位置へと水平に移動する。
【0076】
このようなスライド操作では、情報ウインドウ202の表示領域となる対をなす2つのアイコン101・101’間の大きさは、その操作量に応じて変化する。したがって、情報ウインドウ202の表示サイズも、該領域の広さに見合うように調整される。
【0077】
この場合、情報ウインドウ201の表示サイズを拡大したり縮小したりすることもできるが、本複合機1では、図5(b)に示すように、情報ウインドウ201の全体の表示サイズは変化させず、2つのアイコン102・102’間の広さ(左右方向の間隔)に応じて、情報ウインドウ201の見える部分を変化させるようになっている。
【0078】
これにより、ユーザは、状態アイコン102をスライド操作して、情報ウインドウ201の一部を視認するだけで、情報ウインドウ201で開示される情報の内容を理解できる場合があり、このような場合に便利である。
【0079】
ここで、サテライトアイコン102’の移動量は、例えば、情報ウインドウ201の最大サイズを設定しておき、最大サイズによる表示が可能となった位置にて、規制されるようにすることが好ましい。
【0080】
また、図5(a)に示すように、状態アイコン102をタッチ操作した場合は、情報ウインドウ201は、タッチ操作と同時に、最大サイズで表示される。この場合も、操作された状態アイコン102と同じ形状のサテライトアイコン102’の間に、情報ウインドウ201が表示される。
【0081】
このような情報ウインドウは、両サイドにある2つのアイコンのうちの何れかをタッチ操作することで消去することができる。例えば、図5(a)に示す、アイコン102・102’間に表示された情報ウインドウ201であれば、両サイドにあるアイコン102・アイコン102’のうちの何れかをタッチ操作することで消去できる。
【0082】
また、サテライトアイコン102’を、元の状態アイコン102に重ね合わせるようにスライド操作することでも、消去できる。スライド操作の場合は、スライド操作の量に応じて、情報ウインドウ201の見える部分が徐々に欠けていき、やがて消えることとなる。
【0083】
さらに、情報ウインドウ201・202を消去させる操作を行わなくても、情報ウインドウ201・202は、表示されてから予め定める時間が経過すると消去されるようになっている。また、表示している情報ウインドウに関する装置状態が改善された場合も自動的に消去されるようになっている。
【0084】
そして、例えば図5(c)の状態アイコン102のように、情報ウインドウ202の表示領域を確保するために、画面右側位置に表示されていたアイコンは、情報ウインドウ202の消去と同時、或いは追随するように、元の位置に表示される。
【0085】
以上のように、本実施の形態の複合機1においては、タッチパネル4cの画面に、装置の状態を状態検知部61にて検知しておき、装置が知らせるべき状態であることが検知されると、情報表示制御部30が、状態検知部61にて状態が検知されたことを示す状態アイコンを表示させると共に、上記状態アイコンを表示している状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させるようになっている。
【0086】
したがって、このような状態アイコンの表示画面を、例えば待機画面やジョブ処理実行時の画面とすることで、ユーザは、まず、表示された状態アイコンにて、トラブルの発生やメンテナンスを要求する必要がある、或いは何か装置側よりアドバイスをもらえる状態にあることがわかる。
【0087】
そして、ここでは、状態アイコンの形状(表示形態)が、注意や警告、或いはアドバイスといった状態の内容に応じて設定されているので、状態アイコンを見るだけで、状態アイコンが伝えようとする状態の重要度或いは内容を把握することができる。
【0088】
さらに、必要に応じて、状態アイコンを操作することで、情報ウインドウを表示させて、状態アイコンが示す状態に関するメッセージ等の役立つ情報を得ることができる。このような情報ウインドウは、追加表示であり、他の画面に遷移することもないので、情報ウインドウが表示されたとしても、ユーザが戸惑うことなく操作を続けることができる。
【0089】
また、待機画面や処理時の画面とせずとも、装置が状態アイコンを表示すべき状態となった場合に、このような状態アイコンが表示される画面に遷移してもよい。
【0090】
何れにしろ、このような状態アイコンを表示する画面には、基本画面等は表示されないので、ユーザが、トラブル等の発生に気つかず、無駄な操作を行ってしまうようなことはない。
【0091】
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、トラブルや、メンテナンスの要求、アドバイスの表示といった装置の状況を、その内容も含めてユーザが容易に把握することが可能となる。
【0092】
[第2の実施形態]
本発明のその他の実施の一形態について、図6〜図8を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0093】
本実施の形態の複合機20においては、状態アイコンの画面から、コピーモード及び送信モードのジョブを発生させ得る各指示ウインドウを追加表示させることができる。
【0094】
つまり、本複合機20では、タッチパネル4cにおける状態アイコンの表示画面に、画像読取部2を起動させるための起動アイコンがさらに表示されると共に、表示している起動アイコンが操作されることで、起動アイコンの指示ウインドウが表示される。
【0095】
このような表示機能は、図6に示す、操作部4と、情報表示制御部63とで実現される。図6は、本複合機における表示機能を実現する要部の機能ブロック図である。
【0096】
図6において、ジョブ受付部31は、装置外部より送信されてくるジョブデータを受信してジョブを受け付けるものである。ジョブ受付部31は、図2に示す通信部10、FAXモデム5、通信インターフェース7、及びこれらを制御する機器制御部8、管理部14にて構成されている。
【0097】
画像記録部(ジョブ処理部)39は、画像データに基づく画像を記録材に形成するものであり、図2に示す画像形成部6、及びこれらを制御する機器制御部8、管理部14にて構成されている。
【0098】
画像データ送信部(ジョブ処理部)41は、ファクシミリモードの送信モード及びスキャナモードの送信モードにおいて、画像データを送信するものである。画像データ送信部41は、図2に示す通信部10、FAXモデム5、及び通信インターフェース7にて構成されている。
【0099】
画像データ生成部40は、画像データを装置内部で生成すものであり、図2に示す画像読取部2、及びこれらを制御する機器制御部8、管理部14にて構成されている。
【0100】
制御データ生成部42は、操作部4からの指示入力にて、画像データ生成部40が読み取った画像データをジョブ処理するための制御データを生成するものである。コピーモードであれば、画像データを印刷処理する制御データを生成し、ファクシミリモードの送信モード及びスキャナモードの送信モードであれば、画像データを送信処理する制御データを生成する。
【0101】
このような制御データ生成部42は、図2に示す機器制御部8及び管理部14にて構成されている。なお、図6においては、タッチパネル制御部64からの信号入力ラインは、タッチパネル4cに表示された後述する指示ウインドウの表示情報を伝えるためのものである。制御データは、指示ウインドウの内容に基づいて生成される。また、入力部4aからの入力信号ラインは、図7に示すスタートキーや全解除キー等の、タッチパネル4c以外の指示を入力するためのものである。図7は、操作パネル4の平面図である。
【0102】
そして、表示制御部63は、タッチパネル4cを制御して、前記した状態アイコンとその情報ウインドウに加えて、起動アイコンとその指示ウインドウを表示させるものである。
【0103】
上記情報表示制御部63は、図1に示す情報表示制御部30とは、指示ウインドウデータ格納部33及びジョブ管理部32を新たに備えると共に、タッチパネル制御部36に換えてタッチパネル制御部64を備え、状態アイコンデータ格納部35に換えて、アイコンデータ格納部65を備えている。
【0104】
ジョブ管理部32は、ジョブ受付部31が受け付けた外部から依頼されたジョブ、及び複合機20内部で発生したジョブの処理状況を管理するものである。ジョブ受付部31からは、外部より受け付けたジョブのジョブデータと共に、受け付け日時や、入力経路を示す情報等が入力される。また、画像読取部2にて読み取られた画像データと、制御データ生成部42にて生成された制御データとが、内部で発生したジョブのジョブデータとして、受け付け日時(発生日時)や、入力経路を示す情報等が入力される。
【0105】
ジョブ管理部32は、外部より受け付けたジョブ及び内部で発生させたジョブが、ジョブ管理部に入力された順に処理されるように、処理状況を管理する。
【0106】
また、操作検出部38は、ここでは、後述する指示ウインドウを表示している状態で、指示ウインドウに対して操作が行われると、操作内容に応じて指示ウインドウの表示情報を切り換える。なお、このような指示ウインドウに対する操作は、従来と同じ機能を利用できる。
【0107】
タッチパネル制御部64は、状態アイコンを表示させる機能はタッチパネル制御部36と同じである。新しい機能として、タッチパネル制御部64は、アイコンデータ格納部65及び指示ウインドウデータ格納部33を参照して、タッチパネル4cに、画像データ生成部40(画像読取部2)を起動させるための起動アイコン及びその指示ウインドウを表示させる。なお、アイコンデータ格納部65には、状態アイコンの形状データだけでなく、起動アイコンの形状データも格納されている。
【0108】
図7に、起動アイコンの表示例を示す。図7において、参照符号301・302にて示すアイコンが起動アイコンであり、参照符号101にて示すアイコンは状態アイコンである。起動アイコン301・302は画面の左端に表示され、状態アイコンは画面の右端に表示される。
【0109】
ここで、多角形に「コピー」と記された形状の起動アイコン301は、本複合機20が、コピー機能を有していることを示している。また、四角形に「送信」と記された起動アイコン302は、本複合機20が、画像データを読み取って送信する送信機能を有していることを示している。
【0110】
このような起動アイコン301・302は、複合機20がコピー機能、送信機能を実施可能な状態である限り常時表示されるようになっている。つまり、複合機20は、ジョブを一つも受け付けていない待機状態においては、タッチパネル4cの画面は、起動アイコン301・302のみが表示された状態となる。
【0111】
このような画面において、ユーザが「コピー」と記された起動アイコン301をタッチ操作し、操作検出部38がこれを検出すると、タッチパネル制御部64は、指示ウインドウデータ格納部33より表示データを抽出し、図8(a)に示すように、コピーモードの指示ウインドウ401を追加表示させる。指示ウインドウデータ格納部33には、上記コピーモードの指示ウインドウ401と、後述する送信モードの指示ウインドウ402の各表示データが格納されている。
【0112】
コピーモードの指示ウインドウ401は、コピー動作を行わせるための詳細な指示をユーザが入力するためのものであり、従来装置では通常、メインモードにコピーモードを選択している場合の基本画面において表示されている。本実施の形態では、操作された起動アイコン301と同じ形状を有するサテライトアイコン301’が起動アイコン301と対を成すように並行に表示され、これら2つのアイコン301・301’の間に指示ウインドウ401が表示される。このとき、起動アイコン301のさらに右側にある、起動アイコン302は、指示ウインドウ401が開いた方向に、アイコンの配置位置を保持した状態で水平に移動する。
【0113】
コピーモードの指示ウインドウ401が表示されている状態で、図7に示す操作部4のスタートキーが押圧されると、画像データ生成部40が画像データを読み取り、制御データ生成部42が制御データを生成して、コピーモードの印刷ジョブが発生する。発生した印刷ジョブはジョブ管理部32へと送られ、新たに管理される。
【0114】
ジョブ管理部32に新たなジョブが格納されることで、タッチパネル制御部36は、図6に示すように、指示ウインドウ401とサテライトアイコン301’を消去させる。
【0115】
なお、図8(b)、図8(c)は、起動アイコン301・302と、コピーモードの指示ウインドウ401と、状態アイコン102・103の組み合わせを示している。
【0116】
一方、図7に示す画面において、ユーザが「送信」と記された起動アイコン302をタッチ操作すると、タッチパネル制御部64は、図9に示すように、送信モードの指示ウインドウ402を追加表示させる。
【0117】
送信モードの指示ウインドウ402は、送信動作を行わせるための詳細な指示をユーザが入力するためのものであり、従来装置では通常、メインモードに送信モードを選択している場合の基本画面において表示されている。例えば、指示ウインドウ402におけるモード切替キーを操作することで、通信部10より送信するiFAX、FAXモデム5より送信するFAX、或いは通信インターフェース7より、接続されているUSBへと送信するモードというように、送信モードを選択できる。
【0118】
なお、サテライトアイコン302’を表示して、起動アイコン302とサテライトアイコン302’との間に指示ウインドウ402を表示するなど、表示のさせ方は、指示ウインドウ401と同じである。
【0119】
このような送信モードの指示ウインドウ402が表示されている状態で、スタートキーが押圧されると、画像読取部2が画像データを読み取り、制御データ生成部42が制御データを生成して、ファクシミリモード、スキャナモード、或いはUSBモード等の送信ジョブが発生する。発生した送信ジョブはジョブ管理部32へと送られ、新たに管理される。そして、指示ウインドウ402は画面より消去される。
【0120】
また、これら指示ウインドウ401・402は、図7に示す操作部4の全解除キーが操作される、或いは指示ウインドウ401・402を表示してから一定時間経過すると、自動的に消去される。
【0121】
なお、情報ウインドウに開示される情報や、情報ウインドウや指示ウインドウを表示してから自動的に消去させるまでの時間、新規受付の表示形態から通常の処理待ちの表示形態へと戻すまでの時間などは、ユーザに要望に応じて変更できる構成とすることもできる。
【0122】
最後に、画像形成装置である複合機1,20の各ブロック、特に情報表示制御部30,63は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0123】
すなわち、複合機1,20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機1,20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記複合機1,20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0124】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0125】
また、複合機1,20を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、複合機における情報表示機能を実現する要部の機能ブロック図である。
【図2】上記複合機の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図3】(a)〜(c)共に、上記複合機の表示制御部による情報表示機能を説明する図面である。
【図4】(a)(b)共に、上記複合機の表示制御部による情報表示機能を説明する図面である。
【図5】(a)〜(c)共に、上記複合機の表示制御部による情報表示機能を説明する図面である。
【図6】本発明のその他の実施形態を示すものであり、複合機における情報表示機能を実現する要部の機能ブロック図である。
【図7】上記複合機に備えられた操作パネルの図面である。
【図8】(a)〜(c)共に、上記複合機の表示制御部による情報表示機能を説明する図面である。
【図9】上記複合機の表示制御部による情報表示機能を説明する図面である。
【符号の説明】
【0127】
1 複合機(画像形成装置)
4 操作部(表示入力部)
4a タッチパネル
5 FAXモデム
7 通信インターフェース
8 機器制御部
10 通信部
14 管理部
30 情報表示制御部
63 情報表示制御部
64 タッチパネル制御部
35 状態アイコンデータ格納部
36 タッチパネル制御部
38 操作検出部
61 状態検知部
65 アイコンデータ格納部
64 タッチパネル制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づく画像を記録材に形成する画像形成装置であって、
当該画像形成装置が、情報を報知すべき状態になったことを検知する状態検知部と、
画面に情報を表示すると共に該画面を操作することで指示を入力できる表示入力部と、
上記表示入力部に、上記状態検知部にて状態が検知されたことを示す状態アイコンを表示させると共に、上記状態アイコンを表示している状態で画面が操作されると、表示している状態アイコンが表している状態に関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させる表示制御部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
上記状態アイコンは、報知すべき情報に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、複数の状態アイコンを表示させる場合、アイコン同士が重なり合わないように表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
上記表示制御部は、複数のアイコンを表示させる場合、画面の対角線上に並ぶように表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
上記表示制御部は、新たに表示する状態アイコンについては、表示済みの状態アイコンとは異なる表示形態にて表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
上記表示制御部は、予め定める期間が経過すると、新たに表示した状態アイコンについても、表示済みの状態アイコンと同じ表示形態にて表示させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
上記表示制御部は、上記画面に表示させている上記状態アイコンが操作されると、操作された状態アイコンが表している状態に関する情報ウインドウを表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
上記表示制御部は、操作された上記状態アイコンの近傍に上記情報ウインドウを表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
上記表示制御部は、操作された状態アイコンと同じ形状のアイコンを表示させると共に、これら2つのアイコン間の領域に上記情報ウインドウを表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
上記表示制御部は、上記画面に情報ウインドウを表示している状態で、当該情報ウインドウの両サイドに表示されている何れかの上記アイコンがタッチ操作されると、情報ウインドウを消去させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
上記表示制御部は、上記画面に表示させている上記状態アイコンがスライド操作されると、スライド操作に追随して操作された状態アイコンと同じ形状のアイコンを表示すると共に、これら2つのアイコン間に形成される広さの変わる領域に、広さに応じた情報ウインドウを表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項12】
情報ウインドウの全体サイズは変化せず、2つのアイコン間の広さに応じて、情報ウインドウの見える大きさが変化することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
上記表示制御部は、上記情報ウインドウを表示させてから予め定める期間が経過すると、情報ウインドウを消去させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の画形成装置の表示制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−227771(P2008−227771A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61080(P2007−61080)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】