説明

画像形成装置

【課題】 本発明は、シートSに画像を形成する装置本体10と、装置本体10に対して装着されて画像形成後のシートの後処理を行う後処理ユニット20とを備え、装置本体10に、本体側換気対象Aを換気するためのファン30を備えた画像形成装置100に関し、ファンの追加を伴うことなく本体側換気対象A及びユニット側換気対象Bの両方を充分に換気して冷却することができる画像形成装置を提供する点にある。
【解決手段】 装置本体10に、ファン30に対して本体側換気対象Aと並列的に接続された本体側通風部41を備え、後処理ユニット20に、後処理ユニット装着状態において本体側通風部41に接続されるユニット側通風部43を備え、後処理ユニット20が、ユニット側通風部43を通過する空気によりユニット側換気対象Bを換気するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する装置本体と、前記装置本体に対して装着されて画像形成後のシートの後処理を行う後処理ユニットとを備え、
前記装置本体に、前記装置本体内の本体側換気対象を換気するためのファンを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置は、用紙等のシートに画像を形成する装置本体を備え、その装置本体内において、作像プロセスにおいてシートに転写したトナー画像を、定着プロセスにおいて加熱してシートに定着させるように構成されている。
【0003】
そして、このようなプロセスにより装置本体内に発生する熱は、トナーの再溶融による品質不良、シートのカールによる搬送不良、利用者が触れる可能性がある部位の過剰昇温による安全性不良等の問題を引き起こす要因となるため、装置本体には、熱が発生する部位を冷却するために、その部位を本体側換気対象として換気するファンが設けられている。
【0004】
また、装置本体の小型化を図るために、画像形成後のシートのソーティング、ステイプリング、或いはパンチング等の後処理を行う後処理ユニットについては、必要に応じて上記装置本体に対して着脱できるように構成される場合がある。
【0005】
このような後処理ユニットでも、定着プロセスが施された直後の比較的高温のシートが供給されるため、そのシートが保有する熱により上記装置本体と同様の問題が発生する恐れがあるので、後処理ユニット内の高温のシートが存在するユニット側換気対象も換気して冷却する必要がある。
【0006】
また、ユニット側換気対象の換気を行うために、後処理ユニットにも専用のファンを設けることが考えられるが、ファンの追加により装置の大型化及びコスト高を招くことになり問題である。
【0007】
そこで、装置の大型化及びコスト高を回避しつつユニット側換気対象の換気を行うことができる画像形成装置として、装置本体のファンが空気を排出する側を、後処理ユニットのユニット側換気対象に接続することで、ユニット側換気対象をファンに対して本体側換気対象と直列的に接続して、本体側換気対象から排出された空気をユニット側換気対象に通過させて、ユニット側換気対象の換気を行う画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開2002−241022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1に記載の画像形成装置は、ユニット側換気対象をファンに対して本体側換気対象と直列的に接続し、換気用の空気を本体側換気対象とユニット側換気対象との順に通過させるので、ユニット側換気対象には、本体側換気対象を通過した後の比較的高温の空気が供給されることになり、ユニット側換気対象を充分に冷却することができず、トナーの再溶融による品質不良、シートのカールによる搬送不良、利用者が触れる可能性がある部位の過剰昇温による安全性不良等の問題を防止できない場合があり、更に、本体側換気対象における飛散トナー等の塵を保有する空気がユニット側換気対象に供給され、ユニット側換気対象にあるシートが汚れるなどの問題が発生する恐れがある。
【0009】
逆に、換気用の空気をユニット側換気対象と本体側換気対象との順に通過させた場合でも、本体側換気対象に、ユニット側換気対象を通過した後の比較的高温の空気が供給されることになり、本体側換気対象を充分に冷却することができない場合がある。
【0010】
更に、本体側換気対象及びユニット側換気対処を充分に冷却するために、例えば、ユニット側換気対象をファンに対して本体側換気対象と直列的に接続した構成において、上記ファンの出力を増加させると、本体側換気対象及びユニット側換気対象における風速が大きくなるので、その風によりシートがばたついて搬送不良等を招くことが考えられる。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファンの追加を伴うことなく本体側換気対象及びユニット側換気対象の両方を充分に換気して冷却することができる画像形成装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する装置本体と、前記装置本体に対して装着されて画像形成後のシートの後処理を行う後処理ユニットとを備え、前記装置本体に、前記装置本体内の本体側換気対象を換気するためのファンを備えた画像形成装置であって、その第1特長構成は、前記装置本体に、外部の新鮮な空気を吸入する本体側吸入部と、前記ファンに対して前記本体側換気対象とダクトで隔てた状態で並列的に接続された本体側通風部を備え、前記後処理ユニットに、外部の新鮮な空気を吸入するユニット側吸入部と、前記後処理ユニットが前記装置本体に対して装着された後処理ユニット装着状態において前記本体側通風部に接続されるユニット側通風部を備え、前記装置本体が、前記本体側吸入部から吸入する空気により前記装置本体内の本体側換気対象を換気するように構成され、前記後処理ユニットが、前記ユニット側吸入部から吸入し前記ユニット側通風部を通過する空気により前記後処理ユニット内のユニット側換気対象を換気するように構成されている点にある。
【0013】
上記第1特徴構成によれば、装置本体に設けられた上記本体側通風部に、後処理ユニットに設けられた上記ユニット側通風部を接続することで、後処理ユニット内のユニット側換気対象が、装置本体に設けられたファンに対して、装置本体内の本体側換気対象とダクトで隔てた状態で並列的に接続されることになるので、本体側換気対象及びユニット側換気対象の両方を、両換気対象における風速を増加させることなく、新鮮な低温の空気により換気して充分に冷却することができる。
【0014】
従って、上記第1特徴構成により、後処理ユニット専用のファンの追加を伴うことなく、本体側換気対象及びユニット側換気対象の両方を充分に換気して冷却することができる画像形成装置を実現することができる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記後処理ユニットが、前記装置本体に対して着脱自在に構成され、
前記後処理ユニットが前記装置本体に対して脱離された後処理ユニット脱離状態において、前記本体側通風部を閉鎖自在な閉鎖部材を備えた点にある。
【0016】
上記第2特徴構成によれば、上記後処理ユニット脱離状態においては、装置本体に設けられたファンが本体側通風部に空気を通過させる必要がなくなるので、上記閉鎖部材により本体側通風部を閉鎖して、本体側通風部における通風を阻止することで、ファンによる本体側換気対象に対する換気効率を向上することができる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置の第3特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、前記閉鎖部材が、前記本体側通風部に揺動自在に設けられ、前記後処理ユニット脱離状態において前記本体側通風部を閉鎖するように付勢されているダンパ部材であり、
前記後処理ユニット装着状態において前記後処理ユニットの押圧部が前記ダンパ部材の被押圧部を押圧して前記本体側通風部を開放する開放手段を備えた点にある。
【0018】
上記第3特徴構成によれば、後処理ユニット脱離状態においては、ダンパ部材を付勢して本体側通風部を閉鎖することができ、一方、後処理ユニット装着状態においては、上記開放手段により、後処理ユニットに設けられた凸部等の押圧部がそのダンパ部材の被押圧部を押圧してダンパ部材を上記付勢力に反して揺動させることにより、本体側通風部を自動的に開放して、後処理ユニットの装着作業を行う作業者のミス等によりダンパ部材が本体通風部を閉鎖したままとなって後処理ユニット内のユニット側換気対象の換気が行えないという問題を回避することができる。
【0019】
尚、本発明に係る画像形成装置の第6特徴構成及びその作用効果は、上記第3特徴構成及びその作用効果と同様である。
【0020】
本発明に係る画像形成装置の第4特徴構成は、上記第2特徴構成に加えて、前記閉鎖部材が、前記本体側通風部に着脱自在に設けられ、前記本体側通風部に装着されて前記本体側通風部を閉鎖する栓部材であり、
前記栓部材が、前記本体側通風部に装着された状態で、前記後処理ユニット装着状態となることを禁止するように形成されている点にある。
【0021】
上記第4特徴構成によれば、後処理ユニット脱離状態においては、本体側通風部に栓部材を装着することにより本体側通風部を閉鎖することができ、一方、後処理ユニット装着状態においては、その栓部材の形状が本体側通風部に装着された状態で後処理ユニット装着状態となることを禁止するものであることから、後処理ユニットの装着作業を行う作業者は、忘れることなく、本体側通風部から栓部材を取り外して、体側通風部を開放した状態で、後処理ユニットを装置本体に装着するようになり、栓部材が本体通風部を閉鎖したままとなって後処理ユニット内のユニット側換気対象の換気が行えないという問題を回避することができる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置の第5特徴構成は、上記第2から第4の何れかの特徴構成に加えて、前記後処理ユニットの前記装置本体に対する着脱状態を検出する着脱状態検出手段と、
前記着脱状態検出手段で前記後処理ユニット装着状態を検出したときの前記ファンの出力を、前記着脱状態検出手段で前記後処理ユニット脱離状態を検出したときの前記ファンの出力よりも大きく設定するファン出力設定手段とを備えた点にある。
【0023】
上記第5特徴構成によれば、本体側通風部が開放される後処理ユニット装着状態におけるファンの出力を、本体側通風部が閉鎖される後処理ユニット脱離状態におけるファンの出力よりも大きく設定することで、後処理ユニット装着状態においてはファンにより本体側換気対象及びユニット側換気対象の両方を充分に換気して冷却しながら、後処理ユニット脱離状態においては、ファンの出力をできるだけ小さくして、省エネルギ化を図ることができる。
【0024】
尚、本発明に係る画像形成装置の第7特徴構成及びその作用効果は、上記第5特徴構成及びその作用効果と同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
図1〜3に示すように、画像形成装置100は、用紙等のシートSに画像を形成する装置本体10と、装置本体10に対して装着されて画像形成後のシートSの後処理を行うフィニッシャと呼ばれる後処理ユニット20とを備えた複写機として構成されている。
【0027】
尚、図1は、画像形成装置の概略構成及び換気状態を示す側断面図であり、図2は、画像形成装置の換気状態を示す平断面図であり、図3は、画像形成装置の換気状態を示す部分斜視図である。
【0028】
装置本体10には、給紙カセット11から取り出したシートSにトナー画像を転写する作像プロセスを行う作像部12と、その作像部12から排出されたシートSを加熱してそのトナー画像を定着させる定着プロセスを行う定着部13などが設けられおり、定着部13を通過した画像形成後のシートSが装置本体10のシート排出部14から排出される。尚、このような装置本体10の構成は、通常の画像形成装置で採用される構成と変わることがなく、適宜改変することができる。
【0029】
一方、後処理ユニット20は、連結機構5により装置本体10に対して脱着自在に構成され、上記装置本体10のシート排出部14から排出された画像形成後のシートSをシート受入部21に受け入れるように構成されている。
【0030】
尚、上記連結機構5は、後処理ユニット20に設けられたブラケットを装置本体10側に螺子等により固定することで、後処理ユニット20が装置本体10に対して所定の位置に位置決めされた状態で装着されるように構成されている。
【0031】
この後処理ユニット20には、シートSに穴を開ける所謂パンチングを行うパンチ部22、シートSを位置決めして積み重ねるスタック部23、スタック部23に積み重ねたシートSを綴じる所謂ステイプリングを行うステイプル部24、ステイプリング時に次のシートSを退避させておく退避ローラ25などが設けられており、装置本体10側の制御部(図示せず)により作動制御されて、シート受入部21に受け入れたシートSに対して、適宜上記パンチングや上記ステイプリング等の後処理を施して、そのシートSを排出トレイ26に排出するように構成されている。尚、このような後処理ユニット20の構成は、通常の画像形成装置で採用される構成と変わることがなく、適宜改変することができる。
【0032】
更に、画像形成装置100は、装置本体10及び後処理ユニット20における換気構造に特徴を有しており、その換気構造について説明を加える。
【0033】
装置本体10には、装置本体10内の本体側換気対象Aを換気するためのファン30が設けられている。
【0034】
尚、本実施形態では、熱が発生し冷却を要する部位である、作像部12及び定着部13を上記本体側換気対象Aとし、その本体側換気対象Aを集中して換気するように構成しているが、当然、他の部位や装置本体10の内部全体を本体側換気対象Aとしても構わない。
【0035】
ファン30は、装置本体10の背面側に設置され、上記本体側換気対象Aの空気を吸引し、その吸引した空気を排気ダクト31側に排出するように構成されている。
【0036】
詳しくは、装置本体10の前面には、外部から本体側換気対象Aに空気が流入するための本体側吸入部47が設けられている。
【0037】
また、装置本体10の背面の上方には、本体側換気対象Aから外部に空気が排出される開口部35,36が設けられており、この開口部35,36は、ダクト33及びダクト32を介してファン30に接続されている。
【0038】
従って、本体側吸入部47から本体側換気対象Aに流入した空気が、本体側換気対象Aを通過することで、本体側換気対象Aが換気されて充分に冷却されることになり、そして、本体側換気対象Aを通過した後の比較的高温の空気は、ダクト33及びダクト32を順に通過して、ファン30に到達し、排気ダクト31を介して外部に排出されることになる。
【0039】
更に、装置本体10には、ファン30に対して本体側換気対象Aと並列的に接続された本体側通風部41が設けられている。
【0040】
詳しくは、装置本体10の後処理ユニット20が装着される側面(以下、本体側装着面と呼ぶ。)の上方には、2つの開口として形成された本体側通風部41が設けられており、この本体側通風部41は、ダクト39により、装置本体10の背面の上方に設けられた開口部37に接続され、更にこの開口部37は、前述の開口部35,36と同様に、ダクト33及びダクト32を介してファン30に接続されている。
【0041】
即ち、本体側通風部41から装置本体10内に流入した空気は、本体側換気対象Aを通過することなく、ダクト39、ダクト33及びダクト32を順に通過して、ファン30に到達し、排気ダクト31を介して外部に排出されることになる。
【0042】
一方、後処理ユニット20には、後処理ユニット20が装置本体10に対して装着された後処理ユニット装着状態において、本体側通風部41に接続されるユニット側通風部43が設けられている。詳しくは、後処理ユニット20の装置本体10に対して装着される側面(以下、ユニット側装着面と呼ぶ。)の上方には、2つの開口として形成されたユニット側通風部43が設けられており、このユニット側通風部43は、上記後処理ユニット装着状態において、本体側通風部41に対向する位置となり、例えばその周辺がシール体45などにより封鎖されることで、本体側通風部41に連通することになる。
【0043】
後処理ユニット20のユニット側装着面の反対側の側面下方には、外部から後処理ユニット20内のユニット側換気対象Bに空気が流入するためのユニット側吸入部49が設けられている。
【0044】
従って、ユニット側吸入部49からユニット側換気対象Bに流入した空気が、ユニット側換気対象Bを通過することで、ユニット側換気対象Bが換気されて充分に冷却されることになり、そして、ユニット側換気対象Bを通過した後の比較的高温の空気は、後処理ユニット20内の上部、ユニット側通風部43及び本体側通風部41を介して効率良く装置本体10内に流入し、本体側換気対象Aを通過することなく、ダクト39、ダクト33及びダクト32を順に通過して、ファン30に到達し、排気ダクト31を介して、装置本体10内部を暖めることなく、外部に排出されることになる。
【0045】
尚、本実施形態では、冷却を要する部位である、後処理ユニット20の内部全体を上記ユニット側換気対象Bとして換気するように構成しているが、当然、シートSが搬送される部位などのように特定の部位をユニット側換気対象Bとして、そのユニット側換気対象Bを集中して換気するように構成しても構わない。
【0046】
更に、画像形成装置100は、後処理ユニット20の装置本体10に対する着脱状態を検出する着脱状態検出手段57を備える。
【0047】
詳しくは、この着脱状態検出手段57は、装置本体10に設けられ後処理ユニット20側に突出する作動部を有するスイッチ素子で構成され、後処理ユニット装着状態においてこのスイッチが操作されることにより、後処理ユニット20の装置本体10に対する着脱状態を検出することができる。
【0048】
尚、この着脱状態検出手段57は、上記のようなスイッチ素子ではなく、例えば、後処理ユニット20と装置本体10との信号線の接続状態を検出したり、装置本体10の制御部において後処理ユニット20の作動制御を行うように設定されたことを認識することでも、後処理ユニット20の装置本体10に対する着脱状態を検出することができる。
【0049】
更に、画像形成装置100には、着脱状態検出手段57で後処理ユニット装着状態を検出したときのファン30の出力(即ち送風量)を、着脱状態検出手段57で後処理ユニット脱離状態を検出したときのファン30の出力よりも大きく設定するファン出力設定手段58が設けられており、このファン出力設定手段58により、処理ユニット装着状態においてはファン30により本体側換気対象A及びユニット側換気対象Bの両方を充分に換気して冷却しながら、後処理ユニット脱離状態においては、ファン30の出力をできるだけ小さくして、省エネルギ化を図ることができる。
【0050】
尚、このファン出力設定手段58は、装置本体10の制御部を構成するコンピュータが所定のプログラムを実行することにより機能する手段である。
【0051】
更に、画像形成装置100は、後処理ユニット20が装置本体10に対して脱離された後処理ユニット脱離状態において、本体側通風部41を閉鎖し、更に、後処理ユニット20が装置本体10に対して装着された後処理ユニット装着状態において、本体側通風部41を開放する開閉機構50を備えており、図4〜6を参照して、その開閉機構50の詳細構成について説明を加える。
【0052】
尚、図4は、開閉機構50の概略構成を示す部分斜視図であり、図5は、開閉機構50が本体側通風部41を閉鎖した状態を示す立面図(a)及び側面図(b)であり、図6は、開閉機構50が本体側通風部41を開放した状態を示す立面図(a)及び側面図(b)である。
【0053】
開閉機構50は、後処理ユニット脱離状態において本体側通風部41を閉鎖自在な閉鎖部材として、本体側通風部41に揺動自在に設けられ、且つ、後処理ユニット脱離状態において本体側通風部41を閉鎖するように付勢されている複数の羽板からなるダンパ部材51を並設して、所謂ルーバ構造に構成されている。
【0054】
更に、ダンパ部材51を構成する羽板の揺動軸を基端とした先端部は、本体側通風部41を構成する2つの開口の中央部の装置本体10の内側に設けられたブラケット52に回動自在に接続されており、このブラケット52が装置本体10の壁部16の内面に対して接する状態と離間する状態とに変位することで、ダンパ部材51は本体側通風部を閉鎖する状態と開放する状態とに変位するように構成されている。
【0055】
更に、図5に示すように、このブラケット52は、下方に設けられたばね部材53により、ブラケット52が壁部16の内面に対して接する状態に付勢されており、これにより、ダンパ部材51は本体側通風部41を閉鎖する状態に付勢されることになる。
【0056】
更に、装置本体10の壁部16の上記ブラケット52が設けられている位置には、円形の挿入口54が穿設されており、一方、後処理ユニット20には、後処理ユニット装着状態において、上記挿入口54に挿入される挿入棒56が設けられている。
【0057】
そして、図6に示すように、後処理ユニット装着状態において、挿入口54に挿入棒56が挿入されることで、ブラケット52が、上記ばね部材53による付勢力に反して、装置本体10の内面に対して離間する状態に変位し、ダンパ部材51が本体側通風部41を開放する状態に変位することになる。
【0058】
即ち、このようなブラケット52、及び、挿入棒56が、後処理ユニット装着状態において後処理ユニット20の押圧部としての挿入棒56がダンパ部材51の被押圧部としてのブラケット52を押圧して本体側通風部41を開放する開放手段といえる。
【0059】
尚、開放手段の構成は、上記挿入棒56及び上記ブラケット52の構成以外に、例えば、ブラケット52に後処理ユニット20側に突出する押し棒を被押圧部として設け、後処理ユニット20の外壁等の押圧部により、その被押圧部を押圧する構成などのように、他の構成を採用しても構わない。
【0060】
従って、このような開閉機構50により、後処理ユニット脱離状態においては、ばね部材53によりダンパ部材51を付勢して本体側通風部41を閉鎖することができ、一方、後処理ユニット装着状態においては、挿入棒56及びブラケット52からなる開放手段により、本体側通風部41を自動的に開放して、ユニット側換気対象Bの換気が行える状態とすることができる。
【0061】
尚、上記開閉機構50は、自動的に本体側通風部41を開閉する構成としたが、別に、手動で本体側通風部41を開閉する構成としても構わない。
【0062】
更に、図7を参照して、画像形成装置100は、上記開閉機構50を設けることなく、後処理ユニット脱離状態において本体側通風部41を閉鎖自在な閉鎖部材として、本体側通風部41に着脱自在に設けられ、本体側通風部41に装着されて本体側通風部41を閉鎖する栓部材55を設けても構わず、この栓部材55の詳細構成について説明を加える。
【0063】
尚、図7は、本体側通風部41に栓部材55を装着した状態を示す部分斜視図である。
【0064】
上記栓部材55は、後処理ユニット脱離状態において、装置本体10の外側から本体側通風部41に装着され、本体側通風部41を閉鎖するように構成されている。
【0065】
更に、この栓部材55の幅Tは、後処理ユニット装着状態における後処理ユニット20と装置本体10との間の隙間の幅よりも大きく設定されており、このことにより、栓部材55が本体側通風部41に装着された状態で、後処理ユニット装着状態となることが禁止されている。
【0066】
従って、後処理ユニット20を装置本体10に装着する場合には、必ずこの栓部材55が本体側通風部41から取り外されることになり、後処理ユニット装着状態において、栓部材55が本体通風部41を閉鎖したままとなって後処理ユニット20内のユニット側換気対象Bの換気が行えないという問題が回避されている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】画像形成装置の概略構成及び換気状態を示す側断面図
【図2】画像形成装置の換気状態を示す平断面図
【図3】画像形成装置の換気状態を示す部分斜視図
【図4】開閉機構の概略構成を示す部分斜視図
【図5】開閉機構が本体側通風部を閉鎖した状態を示す立面図(a)及び側面図(b)
【図6】開閉機構が本体側通風部を開放した状態を示す立面図(a)及び側面図(b)
【図7】本体側通風部に栓部材を装着した状態を示す部分斜視図
【符号の説明】
【0068】
5:連結機構
10:装置本体
20:後処理ユニット
30:ファン
31:排気ダクト
32,33,39:ダクト
35,36,37:開口部
41:本体側通風部
43:ユニット側通風部
47:本体側吸入部
49:ユニット側吸入部
50:開閉機構
51:ダンパ部材
53:ばね部材
54:挿入口
55:栓部材
56:挿入棒
57:着脱状態検出手段
58:ファン出力設定手段
100:画像形成装置
A:本体側換気対象
B:ユニット側換気対象
S:シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する装置本体と、前記装置本体に対して装着されて画像形成後のシートの後処理を行う後処理ユニットとを備え、
前記装置本体に、前記装置本体内の本体側換気対象を換気するためのファンを備えた画像形成装置であって、
前記装置本体に、外部の新鮮な空気を吸入する本体側吸入部と、前記ファンに対して前記本体側換気対象とダクトで隔てた状態で並列的に接続された本体側通風部を備え、
前記後処理ユニットに、外部の新鮮な空気を吸入するユニット側吸入部と、前記後処理ユニットが前記装置本体に対して装着された後処理ユニット装着状態において前記本体側通風部に接続されるユニット側通風部を備え、
前記装置本体が、前記本体側吸入部から吸入する空気により前記装置本体内の本体側換気対象を換気するように構成され、
前記後処理ユニットが、前記ユニット側吸入部から吸入し前記ユニット側通風部を通過する空気により前記後処理ユニット内のユニット側換気対象を換気するように構成されている画像形成装置。
【請求項2】
前記後処理ユニットが、前記装置本体に対して着脱自在に構成され、
前記後処理ユニットが前記装置本体に対して脱離された後処理ユニット脱離状態において、前記本体側通風部を閉鎖自在な閉鎖部材を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記閉鎖部材が、前記本体側通風部に揺動自在に設けられ、前記後処理ユニット脱離状態において前記本体側通風部を閉鎖するように付勢されているダンパ部材であり、
前記後処理ユニット装着状態において前記後処理ユニットの押圧部が前記ダンパ部材の被押圧部を押圧して前記本体側通風部を開放する開放手段を備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記閉鎖部材が、前記本体側通風部に着脱自在に設けられ、前記本体側通風部に装着されて前記本体側通風部を閉鎖する栓部材であり、
前記栓部材が、前記本体側通風部に装着された状態で、前記後処理ユニット装着状態となることを禁止するように形成されている請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記後処理ユニットの前記装置本体に対する着脱状態を検出する着脱状態検出手段と、
前記着脱状態検出手段で前記後処理ユニット装着状態を検出したときの前記ファンの出力を、前記着脱状態検出手段で前記後処理ユニット脱離状態を検出したときの前記ファンの出力よりも大きく設定するファン出力設定手段とを備えた請求項2から4の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−304929(P2008−304929A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183417(P2008−183417)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【分割の表示】特願2003−366121(P2003−366121)の分割
【原出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】