説明

画像形成装置

【課題】装置を大型化させること無く、オゾンを排気できるダクト機構を設けることができ、装置内のスペース利用効率の良いダクト機構を有する画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体3は、本体側の背面フレーム151に設けられた感光体位置決め軸152と本体前面側の感光体位置決め部材160により位置決めされている。金属製の感光体位置決め部材160には、ダクト部材である樹脂製のカバー171とカバー172が一体化されている。カバー171,172の端部は底面に対して垂直に折り曲げられており、カバー171の端部とカバー172の端部が咬合して内側にダクト180が形成される。ダクト180は、感光体位置決め部材160とカバー171に設けられた開口部161を介して帯電器5に連通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等において感光体を所定の電位に帯電させる帯電器により発生するオゾンや窒素酸化物(NO)を排気するためのダクト機構を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の作像プロセスを利用した画像形成装置においては、帯電器を用いて感光体の表面を均一に所定の電位まで帯電させる。この帯電器はコロナ放電を利用して感光体を帯電させるため、放電生成物としてオゾンや窒素酸化物(NO)が発生してしまう。オゾンやNOが高濃度で画像形成装置内に滞留し、感光体の表面に酸化物が生成されると、感光体の表面抵抗が低下し、静電潜像の解像度の劣化、および“像流れ”と呼ばれる静電潜像の画像劣化を生じさせる。このような生成物は、高湿環境下では抵抗低下が顕著であり、画質劣化が激しくなる。また、他の部材の劣化も引き起し、寿命の低下を招く。
【0003】
また、NOについては、空気中の水分と反応して硝酸が生成され、また、金属と反応して金属硝酸塩が生成される。このような生成物は、低湿環境下では高抵抗であり、特にコロナ放電電極やグリッド電極等に付着すると帯電むらが生じやすくなる。
【0004】
そこで、排気機構を設けて放電生成物を強制的に排気する技術が考えられている。例えば、特許文献1には、感光体ドラムや帯電チャージャを含む作像部が支持されるベース部材と、用紙が排出される排紙部を形成する板状部材とにダクトを形成するダクト部分を一体に形成したものが開示されている。ベース部材に板状部材を取り付けることにより流路を形成される。ダクトには、感光体ドラム近傍の空気流を吸い込む開口設けられ、送風ファンによる空気流は感光体ドラムの近傍を通って開口部ダクト内に入り、排気される。
【特許文献1】特開2001−117472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、ダクトがベース部材に外装部材に一体に形成されているので、ダクトのための部材を別途設けずに済ますことができる。しかしながら、カラー画像形成装置のように、複数の感光体ドラムと帯電器を備えるものに対しては、個別にダクトを設けることになり、結局構造が複雑となって、装置の小型化もむずかしくなってしまう。
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、装置を大型化させること無く、オゾンを排気できるダクト機構を設けることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、複数の帯電器に対して共通のダクトにより排気ができるため、カラー画像形成装置において装置内のスペース利用効率の良いダクト機構を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像データに応じて静電潜像を形成してトナーにより顕像化する感光体と、静電潜像を形成させるために該感光体を所定の電位に帯電させる帯電器とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転軸の位置決めを行なう感光体位置決め部材と、前記感光体位置決め部材に一体的に設けられ、前記帯電器近傍の空気を排気するための空気流を導くダクトを形成するダクト部材と、前記空気流を発生させるファンと、を備え、
前記感光体位置決め部材と前記ダクト部材には前記帯電器に対向する位置に開口部が設けられ、該開口部から前記帯電器近傍の空気を前記ダクト内に流入させることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、画像データに応じて静電潜像を形成してトナーにより顕像化する感光体と、静電潜像を形成させるために該感光体を所定の電位に帯電させる帯電器とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転軸の位置決めを行なう感光体位置決め部材と、前記感光体位置決め部材に一体的に設けられ、空気流を導くダクトを形成する第1のダクト部材と、開閉自在な外部筐体に一体的に設けられ、空気流を導くダクトを形成する第2のダクト部材と、前記空気流を発生させるファンと、を備え、
前記外部筐体を閉じたときに、前記第1のダクト部材と前記第2のダクト部材が組み合わされてダクトを形成し、前記感光体位置決め部材と前記第1のダクト部材には前記帯電器に対向する位置に開口部が設けられ、該開口部から前記帯電器近傍の空気を前記ダクト内に流入させることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記画像形成装置において、複数の前記感光体と複数の前記帯電器を備え、前記感光体位置決め部材は複数の前記感光体の回転軸を位置決めする複数の位置決め部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記画像形成装置において、前記感光体位置決め部材は、前記感光体を着脱自在にするために、該回転軸を回転可能に支持する回転軸支持部と、感光体位置決め部材の位置決め部とを離接させる移動機構を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ダクト部材を感光体位置決め部材や外部筐体に一体化して設け、帯電器に対向する位置に開口部が設けられるので、装置を大型化させること無く、帯電器により発生するオゾンや窒素酸化物を排気する機構を設けることができる。
【0013】
また、カラー画像形成装置のように、複数の感光体と帯電器を有する場合にも、共通のダクトにより排気ができるため、スペース利用効率の良いダクト機構を提供することができる。
【0014】
また、感光体位置決め部材に感光体を着脱自在にするための移動機構を設けることにより、感光体位置決め部材とそれに一体化しているダクト部材を移動させて簡単に感光体の取り外しや装着が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1に、本発明に係る画像形成装置100の概要を示す。
【0017】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色及び単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有して構成されている。
【0018】
装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0019】
本画像形成装置において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0020】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0021】
露光ユニット1は、本発明に関わる画像書込み装置に該当するものであり、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1を構成する光走査装置の構成は、後述して具体的に説明する。また露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0022】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0023】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。上記中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0024】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0025】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている、そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0026】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0027】
上述の様に各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、後述の用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0028】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは前記中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が用いられる。
【0029】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0030】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。また、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0031】
また装置本体110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7等が配されている。
【0032】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。またピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にまたピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0033】
また、レジストローラ13は、用紙搬送路Sを搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、感光体ドラム3上のトナー像の先端とシートの先端を合わせるタイミングでシートを転写ローラ10に搬送する機能を有している。
【0034】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。またヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0035】
次にシート搬送経路を詳細に説明する。上述のように、画像形成装置には予めシートを収納する給紙カセット81、及び手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつ搬送路Sに導くようになっている。
【0036】
各給紙カセット81,82から搬送されるシートは用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上の画像情報の先端を整合するタイミングで転写ローラ10に搬送され、シート上に画像情報が書き込まれる。その後、シートは定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着され、その後に配された搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91上に排出される。
【0037】
上記の搬送経路は、シートに対する片面印字要求のときのものであるが、これに対して両面印字要求の時は、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が最終の搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dに導く。そしてその後レジストローラ13を経てシート裏面に印字が行われた後にシートが排紙トレイ91に排出される。
【0038】
以下に、前記画像形成装置におけるオゾンや窒素酸化物の排気機構について説明する。
【0039】
<第1実施形態>
図2は、第1実施形態における画像形成装置の排気機構を示す断面図である。図3、図4及び図5は第1実施形態における画像形成装置の排気機構を示す斜視図である。図3はカバー全てを取り外した状態を示す斜視図である。図4はカバー171を取り付けた状態を示す図である。図5は、画像形成装置の全てのカバーを取り付けた状態を示す図である。
【0040】
感光体3は、本体側の背面フレーム151に設けられた感光体位置決め軸152と本体前面側の感光体位置決め部材160により位置決めされている。感光体3の背面側端部には、位置決め穴31が設けられており、感光体位置決め軸152を挿入して位置決めする。また、感光体3の前面側端部には回転軸32とその周囲に設けられたベアリング33が設けられており、回転軸32はベアリング33により回転可能に支持されている。回転軸32とベアリング33を、感光体位置決め部材160とカバー171(詳しくは後述する)に設けた位置決め穴163に挿入し、感光体3は、ベアリング33の外径を介して感光体位置決め部材160より位置決めされている。
ここで、ベアリング33は、感光体3、帯電器5、クリーナユニット4を一体化したプロセスユニットの筐体に固定されていても良い。また、ベアリング33の代わりに滑り軸受けを設けても良い。
【0041】
金属製の感光体位置決め部材160には、ダクト部材である樹脂製のカバー171とカバー172が一体化されている。カバー171,172の端部は底面に対して垂直に折り曲げられており、カバー171の端部とカバー172の端部が咬合して内側にダクト180が形成される。この感光体位置決め部材160、カバー171、カバー172が感光体位置決めユニット170を形成している。カバー171とカバー172の内側がダクト180となっており、該ダクト180は、感光体位置決め部材160とカバー171に設けられた開口部161を介して帯電器5に連通する。感光体位置決めユニット170には回動軸162が設けられ、回動軸162は本体前面フレーム153に回動可能に支持されている。本体前面フレーム153に設けられた凸状の位置決め部材154,155が、感光体位置決め部材160に設けられた位置決め穴164に嵌合して、感光体位置決め部材160を本体前面フレーム153に固定する。この状態でダクト180の一端にファン200を設置して、空気流を形成するように送風もしくは排気する。
【0042】
ファン200は一方のダクト端部から他方のダクト端部へ空気流を発生させ、ダクト180の内部を流れる空気流により、感光体位置決め部材160とカバー171に形成した開口部161からも空気がダクト180内に流入する。こうして、帯電器5の近傍で発生するオゾンや窒素酸化物は、開口部161より、ダクト180内に流入し、排出される。
【0043】
図6に感光体位置決めユニットを回動させたときの状態を示す。感光体3の交換時には感光体位置決めユニット170を回動軸162を中心として回動し、感光体3の回転軸32を位置決め穴163から外す。同時に位置決め部材154,155も感光体位置決め部材160の位置決め穴164から外れる。この状態にすることにより、感光体3は着脱可能にできる。感光体3は帯電器5と一体化されたプロセスユニットとして構成されており、一体的に着脱できる。
【0044】
このようにダクト部材であるカバー171,172が一体となって感光体位置決め部材160に形成され、帯電器5に対向する位置に開口部161が設けられるので、装置を大型化させること無く、帯電器5により発生するオゾンや窒素酸化物を排気するダクト180を設けることができる。また、カラー画像形成装置のように、複数の感光体と帯電器を有する場合にも、一つの共通のダクトに複数の帯電器5に対向する位置に開口部161を設けて、排気ができるため、スペース利用効率の良いダクト機構を提供することができる。
【0045】
また、感光体位置決め部材160に感光体3を着脱自在にするための移動機構を設けることにより、感光体位置決め部材160とそれに一体化しているダクト部材171,172を同時に移動させることができるので、簡単に感光体の取り外しや装着が可能となる。
【0046】
<第2実施形態>
ダクト部材であるカバー173を装置本体の外部筐体前面カバーと一体的に形成してもよい。図7、図8は、第2実施形態における画像形成装置の排気機構を示す断面図である。図7にカバー173を装置本体の前面カバー190と一体的に形成した例を示す。このように構成することで、部品点数を減らすことができる。図8にカバー173を装置本体の前面カバー190と一体的に形成した例において、前面カバー190を開放した状態を示す。
【0047】
装置本体の外部筐体である前面カバー190にダクト部材であるカバー173が一体的に形成されている。カバー173は底面に対して端部が垂直に折り曲げられている。前面カバー190には回動軸191が設けられ、回動軸191は本体前面フレーム153に回動可能に支持されている。
【0048】
前面カバー190が閉じられている場合、図7に示すように、カバー171の端部とカバー173の端部が咬合して、内側にダクト181が形成される。前面カバー190が開かれた場合は、図8に示すように、カバー171とカバー173が離間する。
【0049】
このように、回動自在な感光体位置決め部材160にダクト部材171を設け、外部筐体である開閉自在な前面カバー190にダクト部材173を設けて、画像形成装置を動作できるように、全ての部材を所定の位置に配置した場合には、ダクト181が形成されるので、装置を大型化することなく、排気機構を形成できる。
【0050】
また、感光体3を交換する場合には、前面カバー190を開き、感光体位置決め部材160を移動させると、これに伴ってダクト部材であるカバー171,173もそれぞれ移動するので、感光体3を簡単に交換することができる。
【0051】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す図である。
【図2】第1実施形態における画像形成装置の排気機構を示す断面図である。
【図3】第1実施形態においてカバー全てを取り外した状態を示す図である。
【図4】第1実施形態においてカバー171を取り付けた状態を示す図である。
【図5】第1実施形態において画像形成装置の全てのカバーを取り付けた状態を示す図である。
【図6】第1実施形態において感光体位置決めユニットを回動させたときの状態を示す図である。
【図7】第2実施形態における画像形成装置の排気機構を示す断面図である。
【図8】第2実施形態において前面カバーを開放した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
3 感光体ドラム
5 帯電器
32 回転軸
33 ベアリング
151 背面フレーム
152 感光体位置決め軸
153 本体前面フレーム
154,155 位置決め部材
160 感光体位置決め部材
161 開口部
162 回動軸
163,164 位置決め穴
170 感光体位置決めユニット
171,172,173 カバー
180,181 ダクト
190 前面カバー
191 回動軸
200 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じて静電潜像を形成してトナーにより顕像化する感光体と、静電潜像を形成させるために該感光体を所定の電位に帯電させる帯電器とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転軸の位置決めを行なう感光体位置決め部材と、
前記感光体位置決め部材に一体的に設けられ、前記帯電器近傍の空気を排気するための空気流を導くダクトを形成するダクト部材と、
前記空気流を発生させるファンと、
を備え、
前記感光体位置決め部材と前記ダクト部材には前記帯電器に対向する位置に開口部が設けられ、該開口部から前記帯電器近傍の空気を前記ダクト内に流入させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像データに応じて静電潜像を形成してトナーにより顕像化する感光体と、静電潜像を形成させるために該感光体を所定の電位に帯電させる帯電器とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転軸の位置決めを行なう感光体位置決め部材と、
前記感光体位置決め部材に一体的に設けられ、空気流を導くダクトを形成する第1のダクト部材と、
開閉自在な外部筐体に一体的に設けられ、空気流を導くダクトを形成する第2のダクト部材と、
前記空気流を発生させるファンと、
を備え、
前記外部筐体を閉じたときに、前記第1のダクト部材と前記第2のダクト部材が組み合わされてダクトを形成し、
前記感光体位置決め部材と前記第1のダクト部材には前記帯電器に対向する位置に開口部が設けられ、該開口部から前記帯電器近傍の空気を前記ダクト内に流入させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
複数の前記感光体と複数の前記帯電器を備え、前記感光体位置決め部材は複数の前記感光体の回転軸を位置決めする複数の位置決め部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記感光体位置決め部材は、前記感光体を着脱自在にするために、該回転軸を回転可能に支持する回転軸支持部と、感光体位置決め部材の位置決め部とを離接させる移動機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−122221(P2009−122221A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294026(P2007−294026)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】