説明

画像形成装置

【課題】シャッタの開閉動作及び中間転写ベルトの有無の検出等を共通の部品により行いながらも、構成及び処理の複雑化を招くことがない画像形成装置を提供する。
【解決手段】各カム75を回転駆動し、シャッタ部材74を開閉させると共に、光学センサ72の発光素子82を発光させる。このとき、制御部91は、光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が一定レベル幅以上で変動するか否かを判定し、一定レベル幅以上で変動したならば、シャッタ部材74の開閉動作が正常に行われ、中間転写ベルト7があり、かつ光学センサ72が正常に動作しているとみなす。また、制御部91は、シャッタ部材74の開閉動作に伴い、光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が一定レベル幅以上で変動しなければ、何等かの異常が発生しているとみなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上のトナー像を中間転写ベルトを介して記録媒体に転写する電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子写真方式の画像形成装置においては、静電潜像を感光体上に形成して、感光体上の静電潜像をトナーにより可視化し、中間転写ベルトを周回移動させつつ、感光体上の可視化されたトナー像を中間転写ベルトに転写して、中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体に転写している。
【0003】
また、中間転写ベルト上に測定用トナー像を形成し、この測定用トナー像の濃度を光学センサにより検出し、この光学センサにより検出された測定用トナー像の濃度に基づいてトナー像の濃度調整等を行っている。このような光学センサは、その感知部が汚れると、検出感度が変動し、これが検出誤差の原因となるので、その感知部前方にシャッタを配置することが多い。このシャッタは、通常時に閉成されて、光学センサの感知部の汚れを防止し、濃度検出を行うときにだけ開成される。
【0004】
例えば、特許文献1では、中間転写ベルトを用いずに、感光体上のトナー像を記録用紙に直接転写しているが、感光体上に形成された測定用トナー像の濃度を検出するための光学センサ、及び光学センサの感知部前方のシャッタを設けている。
【0005】
その概略は、図9に示すように感光体ドラム501と現像ローラ541を摺接させ、現像ローラ541から感光体ドラム501表面の静電潜像へとトナーを供給して、この静電潜像を現像し、感光体ドラム501表面にトナー像を形成し、感光体ドラム501と転写ローラ505間のニップ域に記録用紙を挟み込んで搬送しつつ、感光体ドラム501表面のトナー像を記録用紙に転写している。
【0006】
一方、感光体ドラム501表面近傍に光学センサ507を設け、感光体ドラム501と光学センサ507間にシャッタ517を配置している。このシャッタ517は、リンク機構516を介してソレノイド512のプランジャーに連結されており、ソレノイド512によりシャッタ517の開閉動作がなされる。
【0007】
また、転写ローラ505は、感光体ドラム501に対して接離可能に支持され、かつリンク機構516を介してソレノイド512のプランジャーに連結されており、ソレノイド512により転写ローラ505の接離動作がなされる。
【0008】
ここで、トナー像の形成及び転写が行われているときには、ソレノイド512が消勢され、シャッタ517が閉成し、転写ローラ505が感光体ドラム501表面に接触する。
【0009】
また、感光体ドラム501表面に測定用トナー像506が形成されたときには、ソレノイド512が付勢され、シャッタ517が開成し、二点鎖線で示すように転写ローラ505が感光体ドラム501表面から離間する。この状態では、感光体ドラム501の回転に伴い、感光体ドラム501表面の測定用トナー像506が転写ローラ505に接して乱されることなく光学センサ507の部位まで移動する。光学センサ507は、発光素子及び受光素子を有しており、発光素子の出射光を測定用トナー像506に照射し、測定用トナー像506で反射された反射光を受光素子で受光し、測定用トナー像506の濃度に対応する受光素子の検出信号を出力する。
【特許文献1】特開平7−234595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、中間転写ベルトを着脱して交換することが可能であるが、中間転写ベルトが取り外された状態では、画像形成処理を行うことが不可能であるため、中間転写ベルトの有無を検出して確認するのが望ましい。
【0011】
しかしながら、先に述べたような中間転写ベルト上の測定用トナー像の濃度を検出するための光学センサやシャッタ等を設けるだけではなく、そのような中間転写ベルトの有無を検出するためのセンサを追加すると、部品点数が益々増加する。また、シャッタ等の動作確認等を行うことが望ましいが、そのような動作確認の実現が構成の複雑化等の原因になる。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、シャッタの開閉動作及び中間転写ベルトの有無の検出等を共通の部品により行いながらも、構成及び処理の複雑化を招くことがない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、感光体ドラム上に形成されたトナー像が一次転写される転写ベルトと、転写ベルトに対して接離可能に支持され、転写ベルトとの間に記録媒体を挟みこんで、転写ベルト上のトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、転写ベルトもしくは該転写ベルト上に形成された測定用トナー像を検出する光学センサと、光学センサと転写ベルト間に設けられ、光学センサの感知部前方を開閉するシャッタと、転写ベルトに対する二次転写部材の接離動作とシャッタの開閉動作を連動させる連動手段と、光学センサによる検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定する判定手段とを備えている。
【0014】
また、前記連動手段は、二次転写部材及びシャッタに係合するカムを含み、このカムの回転により、転写ベルトに対する二次転写部材の接離動作及びシャッタの開閉動作が共になされる。
【0015】
更に、前記連動手段は、シャッタに係合しかつカムに摺接する移動体を含み、このカムの回転により移動体が移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされる。
【0016】
また、前記連動手段は、二次転写部材及びシャッタに係合する移動体と、移動体を付勢するバネとを含み、二次転写部材が転写ベルトから離間して移動されると、移動体がバネの付勢力により二次転写部材に追従移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされる。
【0017】
更に、前記光学センサの受光光量を調整制御する制御手段を備え、光学センサは、発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサであり、制御手段は、シャッタが閉成された状態で、光学センサの発光素子の出射光がシャッタ裏面で反射されて受光素子で受光されたときの該受光素子の受光出力に基づいて、光学センサの光量調整を行っている。
【0018】
また、前記シャッタは、光学センサと転写ベルト間で、光学センサよりも転写ベルトに近い位置に配置されている。
【0019】
更に、前記光学センサは、発光素子と、発光素子の出射光が正反射されたときの反射光を受光する正反射光受光素子と、発光素子の出射光が乱反射されたときの反射光を受光する乱反射光受光素子とを有する反射型の光学センサであり、前記判定手段は、光学センサの正反射光受光素子による検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定している。
【発明の効果】
【0020】
このような本発明の画像形成装置では、転写ベルトの交換を可能にするために、二次転写部材を転写ベルトに対して接離可能に支持している。また、転写ベルトもしくは該転写ベルト上の測定用トナー像を検出する光学センサを設け、光学センサの感知部前方を開閉するシャッタを配置している。そして、二次転写部材の接離動作とシャッタの開閉動作を連動させる連動手段を設け、光学センサによる検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定している。光学センサは、転写ベルト上の測定用トナー像を検出するためのものであるが、シャッタ裏面で反射された反射光を受光したときと、転写ベルトで反射された反射光を受光したときとでは、光学センサの受光出力が変化するので、この受光出力に基づいてシャッタの開閉動作を確認することができる。更に、シャッタが開かれた状態では、転写ベルトが有るときと無いときとで、光学センサの受光出力が変化するので、この受光出力に基づいて転写ベルトの有無を判定することができる。
【0021】
例えば、二次転写部材及びシャッタに係合するカムを設け、このカムの回転により、転写ベルトに対する二次転写部材の接離動作及びシャッタの開閉動作が連動するようにする。更に、シャッタに係合しかつカムに摺接する移動体を設け、このカムの回転により移動体が移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされるようにする。
【0022】
あるいは、二次転写部材及びシャッタに係合する移動体と、移動体を付勢するバネとを設け、二次転写部材が転写ベルトから離間して移動されると、移動体がバネの付勢力により二次転写部材に追従移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされるようにする。
【0023】
また、シャッタが閉成された状態で、光学センサの発光素子の出射光がシャッタ裏面で反射されて受光素子で受光されたときの該受光素子の受光出力に基づいて、光学センサの光量調整を行うようにしてもよい。この場合は、シャッタが光学センサよりも転写ベルトに近い位置に配置されているのが望ましい。これにより、シャッタ裏面で反射されて受光素子で受光される反射光の受光量が転写ベルト表面で反射されて受光素子で受光される反射光の受光量に近くなり、光学センサにより転写ベルトを検出するときと略同じ状態で、光学センサの光量調整を行うことができる。
【0024】
更に、光学センサは、発光素子と、発光素子の出射光が正反射されたときの反射光を受光する正反射光受光素子と、発光素子の出射光が乱反射されたときの反射光を受光する乱反射光受光素子とを有するものであってもよい。この場合は、光学センサの正反射光受光素子による検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定することができる。また、シャッタ裏面で反射されて乱反射光受光素子で受光されたときの該受光素子の受光出力に基づいて、光学センサの光量調整を行うことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。この画像形成装置は、原稿の画像を読取る原稿読取り装置Bと、原稿読取り装置Bにより読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成する装置本体Aとを備えている。
【0027】
原稿読取り装置Bでは、原稿が原稿セットトレイ41にセットされると、ピックアップローラ44が原稿表面に押し付けられて回転され、原稿がトレイ41から引き出され、原稿がサバキローラ45と分離パッド46間を通過して1枚ずつに分離されてから搬送経路47へと搬送される。
【0028】
この搬送経路47では、原稿の先端がレジストローラ49に当接して、原稿の先端がレジストローラ49と平行に揃えられ、この後に原稿がレジストローラ49により搬送されて読取りガイド51と読取りガラス52間を通過する。このとき、第1走査部53の光源の光が読取りガラス52を介して原稿表面に照射され、その反射光が読取りガラス52を介して第1走査部53に入射し、この反射光が第1及び第2走査部53、54のミラーで反射されて結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD(Charge Coupled Device)56上に結像される。CCD56は、原稿表面の画像を読取り、原稿表面の画像を示す画像データを出力する。更に、原稿は、搬送ローラ57により搬送され、排紙ローラ58を介して排紙トレイ59に排出される。
【0029】
また、原稿台ガラス61上に載置された原稿を読取ることができる。レジストローラ49、読取りガイド51、排紙トレイ59等とそれらよりも上側の部材とは、一体化されて、原稿読取り装置Bの背面側で開閉可能に枢支されたカバー体となっており、この上側のカバー体を開くと、原稿台ガラス61が解放されて、原稿台ガラス61上に原稿を載置することができる。原稿が載置されて、カバー体が閉じられると、第1及び第2走査部53、54が副走査方向に移動されつつ、第1走査部53によって原稿台ガラス61上の原稿表面が露光され、第1及び第2走査部53、54によって原稿表面からの反射光が結像レンズ55へと導かれ、結像レンズ55によって原稿表面の画像がCCD56上に結像される。このとき、第1及び第2走査部53、54が相互に所定の速度関係を維持しつつ移動されて、原稿表面→第1及び第2走査部53、54→結像レンズ55→CCD56という反射光の光路の長さが変化しないように第1及び第2走査部53、54の位置関係が常に維持され、これによりCCD56上での原稿表面の画像のピントが常に正確に維持される。
【0030】
こうして読取られた原稿の画像は、画像データとして画像形成装置の装置本体Aへと送受され、装置本体Aにおいて画像が記録用紙に記録される。
【0031】
一方、画像形成装置の装置本体Aは、レーザ露光装置1、現像装置2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナ装置4、中間転写ベルト装置8、定着装置12、用紙搬送経路S、給紙トレイ10、及び排紙トレイ15等により構成されている。
【0032】
画像形成装置の装置本体Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。従って、現像装置2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム3(3a、3b、3c、3d)、帯電器5(5a、5b、5c、5d)、クリーナ装置4(4a、4b、4c、4d)は各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれaがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションが構成されている。
【0033】
感光体ドラム3は、装置本体Aのほぼ中央に配置されている。
【0034】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0035】
レーザ露光装置1は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された感光体ドラム3表面を画像データに応じて露光して、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0036】
現像装置2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を(K、C、M、Y)のトナーにより現像する。クリーナ装置4は、現像及び画像転写後に感光体ドラム3表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0037】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルト装置8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ21、従動ローラ22、中間転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、及び中間転写ベルトクリーニング装置9を備えている。
【0038】
中間転写ベルト駆動ローラ21、中間転写ローラ6、従動ローラ22等は、中間転写ベルト7を張架して支持し、中間転写ベルト7を矢印C方向に周回移動させる。
【0039】
中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト7を介して感光体ドラム3に圧接され、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト7に転写するための転写バイアスを印加されている。
【0040】
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム3a、3b、3c、3dに接触するように設けられており、各感光体ドラム3a、3b、3c、3d表面のトナー像を中間転写ベルト7に順次重ねて転写することによって、カラーのトナー像(各色のトナー像)を形成する。この転写ベルトは、厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端ベルト状に形成されている。
【0041】
感光体ドラム3から中間転写ベルト7へのトナー像の転写は、中間転写ベルト7裏面に圧接されている中間転写ローラ6によって行われる。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面は、導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、記録用紙に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0042】
上述の様に各感光体ドラム3a、3b、3c、3d表面のトナー像は、中間転写ベルト7で積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このように積層された各色のトナー像は、中間転写ベルト7と共に搬送され、中間転写ベルト7と接触する二次転写装置11によって記録用紙上に転写される。
【0043】
中間転写ベルト7と二次転写装置11の転写ローラ11aとは、相互に圧接されてニップ域を形成する。また、二次転写装置11の転写ローラ11aには、中間転写ベルト7上の各色のトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加される。さらに、そのニップ域を定常的に得るために、二次転写装置11の転写ローラ11aもしくは中間転写ベルト駆動ローラ21の何れか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)としている。
【0044】
また、二次転写装置11によって中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト7上にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、中間転写ベルトクリーニング装置9によって残留トナーを除去及び回収する。中間転写ベルトクリーニング装置9には、例えばクリーニング部材として中間転写ベルト7に接触するクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する部位で、従動ローラ22により中間転写ベルト7裏側が支持されている。
【0045】
給紙トレイ10は、記録用紙を格納しておくためのトレイであり、装置本体Aの画像形成部の下側に設けられている。また、画像形成部の上側に設けられている排紙トレイ15は、印刷済みの記録用紙をフェイスダウンで載置するためのトレイである。
【0046】
また、装置本体Aには、給紙トレイ10の記録用紙を二次転写装置11や定着装置12を経由させて排紙トレイ15に送るための、Sの字形状の用紙搬送経路Sが設けられている。この用紙搬送経路Sに沿って、ピックアップローラ16、レジストローラ14、定着装置12、各搬送ローラ13、及び排紙ローラ17等が配置されている。
【0047】
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に設けられ、給紙トレイ10から記録用紙を1枚ずつ用紙搬送経路Sに供給する呼び込みローラである。各搬送ローラ13は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、用紙搬送経路Sに沿って複数箇所に設けられている。
【0048】
レジストローラ14は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト7と二次転写装置11間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、感光体ドラム3及び中間転写ベルト7の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0049】
例えば、レジストローラ14は、レジストローラ14直前の図示しない用紙検知センサによる記録用紙の先端の検出タイミングに基づいて、中間転写ベルト7と二次転写装置11間のニップ域で中間転写ベルト7上のカラーのトナー像の先端が記録用紙における画像形成範囲の先端に合うように、記録用紙を搬送する。
【0050】
定着装置12は、ヒートローラ31及び加圧ローラ32等を備えている。ヒートローラ31及び加圧ローラ32は、記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0051】
また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づき、制御部によって所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ32と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる機能を有している。
【0052】
各色のトナー像の定着後の記録用紙は、排紙ローラ17によって排紙トレイ15上に排出される。
【0053】
ところで、装置本体Aにおいては、中間転写ベルト7上に測定用トナー像を形成し、この測定用トナー像の濃度を検出して、トナー像の濃度調整等を行うことから、この測定用トナー像の濃度を検出するための光学センサを設けている。また、記録用紙の紙粉や飛散トナーによる光学センサの感知部の汚れを防止するために、光学センサの感知部前方にシャッタ部材を設けている。更に、中間転写ベルト7上の測定用トナー像を通過させたり、中間転写ベルト7の交換を可能にするべく、中間転写ベルト7に対して二次転写装置11の転写ローラ11aを接離可能に設けている。
【0054】
また、光学センサは、本来、中間転写ベルト7上の測定用トナー像の濃度を検出するためのものであるが、この光学センサによりシャッタ部材の開閉動作や中間転写ベルト7の有無も検出し、これにより多機能化を図りながらも、構成や処理の複雑化を招かないようにしている。図2及び図3は、そのような多機能化を実現するための中間転写ベルト7と二次転写装置11の構成を示す側面図及び平面図である。
【0055】
図2及び図3に示すように装置本体Aにおいて、二次転写装置11のフレーム11bは、軸71により軸支されており、このフレーム11bが図示しないバネにより軸71周りで反時計周り方向に付勢され、このフレーム11bで支持されている転写ローラ11aが中間転写ベルト7の駆動ローラ21側に押し付けられ、転写ローラ11aが中間転写ベルト7に圧接されて、中間転写ベルト7と転写ローラ11a間にニップ域が形成されている。
【0056】
また、二次転写装置11のフレーム11bは、装置本体A側で水平方向に移動自在に支持されており、図2及び図3に示すようにフレーム11bを位置決めしたり、また図4に示すようにフレーム11bを矢印D方向に水平移動させて中間転写ベルト7から離間させることが可能である。
【0057】
図2及び図3に示すように転写ローラ11aよりも中間転写ベルト7の周回方向下流側で、2個の光学センサ72、73が中間転写ベルト7表面に対向配置され、中間転写ベルト7と各光学センサ72、73間にシャッタ部材74が設けられている。シャッタ部材74は、各光学センサ72、73よりも中間転写ベルト7に近接配置されている。
【0058】
シャッタ部材74の両端近傍にはそれぞれの支持部材74aが突設され、各支持部材74aの上端部に2個のカム75の共通支軸75aが挿通されて、シャッタ部材74が共通支軸75a周りで回転自在に支持されている。
【0059】
各支持部材74aの中央付近にはそれぞれのアーム74bが固定されており、これらのアーム74bの先端が中間転写ベルト7両側に設けられたそれぞれの移動体76のスリット76aに挿入されている。
【0060】
各カム75の共通支軸75aは、該各カム75の中心から外れた偏芯位置を貫いており、その両端が装置本体A側で回転自在に支持されている。各カム75の周面には、各移動体76の端部76bが摺接している。
【0061】
各移動体76は、中間転写ベルト7両側に配置され、水平方向に移動自在に支持されている。図3に示すように平面視すると、各移動体76はL字型であり、各移動体76のL字型に屈曲した部位がそれぞれのコイルバネ81を介して装置本体A側に連結され、各コイルバネ81により各移動体76が矢印D方向に付勢され、各移動体76の端部76cが二次転写装置11のフレーム11bに当接している。従って、二次転写装置11のフレーム11bは、各移動体76を介して、各コイルバネ81により矢印D方向に、つまり中間転写ベルト7から離間する方向に付勢されている。
【0062】
ただし、先に述べたように二次転写装置11のフレーム11bが図示しないバネにより軸71周りで反時計周り方向に付勢されているので、このフレーム11bの反時計周り方向の付勢力が各コイルバネ81の弾性力に打ち勝って、転写ローラ11aが中間転写ベルト7に圧接されるように、フレーム11bを付勢するバネの弾性力及び各コイルバネ81の弾性力を調節する必要がある。
【0063】
図2及び図3の状態では、二次転写装置11の転写ローラ11aが中間転写ベルト7の駆動ローラ21側に押し付けられ、中間転写ベルト7と転写ローラ11a間にニップ域が形成されている。このニップ域に記録用紙が搬送されて来ると、このニップ域で記録用紙が挟み込まれて、中間転写ベルト7上のトナー像が記録用紙に転写され、引き続いて記録用紙が図1の定着装置12へと搬送されて行く。
【0064】
また、中間転写ベルト7と各光学センサ72、73間にシャッタ部材74が介在し、各光学センサ72、73の感知部がシャッタ部材74により覆われているので、各光学センサ72、73の感知部が汚れることはない。勿論、各光学センサ72、73による中間転写ベルト7もしくは中間転写ベルト7上の測定用トナー像の検出はできない。
【0065】
次に、先に述べたように中間転写ベルト7上に測定用トナー像を形成し、この測定用トナー像の濃度を検出して、トナー像の濃度調整等を行うときには、図5に示すように各カム75の共通支軸75aを回転駆動して、各カム75を180度回転させる。これにより、各カム75の周面に摺接している各移動体76が二次転写装置11側に移動して、各移動体76の端部76cに当接している二次転写装置11のフレーム11aが転写ローラ11aから離間する方向に押し出され、二次転写装置11のフレーム11aが軸71周りで時計回り方向に回転して、転写ローラ11aが中間転写ベルト7から離間する。
【0066】
また、各移動体76が二次転写装置11側に移動すると、各移動体76のスリット76aに挿入されているシャッタ部材74の各アーム74bの先端も二次転写装置11側に移動して、シャッタ部材74の各支持部材74aが各カム75の共通支軸75a周りで反時計回り方向に回転し、シャッタ部材74が反時計回り方向に回転して各光学センサ72、73の前方から退避し、各光学センサ72、73の前方が開かれ、各光学センサ72、73による間転写ベルト7もしくは中間転写ベルト7上の測定用トナー像の検出が可能になる。
【0067】
この図5の状態で、感光体ドラム3の両端近傍に測定用トナー像を形成し、この測定用トナー像を感光体ドラム3から中間転写ベルト7の両縁近傍に転写し、中間転写ベルト7を周回移動させて、中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像を転写ローラ11aに接触させることなく通過させ、更に中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像を各光学センサ72、73直下に到達させ、各光学センサ72、73により中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像の濃度を検出する。
【0068】
また、この図5の状態で、各光学センサ72、73により中間転写ベルト7の有無を検出することができる。本実施形態では、中間転写ベルト7の交換が可能であるが、中間転写ベルト7が取り外されたときには、画像形成処理を行うことが不可能であるため、各光学センサ72、73により中間転写ベルト7の有無を検出して確認するのが望ましい。
【0069】
次に、中間転写ベルト7を交換するときには、図4に示すように二次転写装置11を矢印D方向に水平移動させて中間転写ベルト7から離す。
【0070】
二次転写装置11が矢印D方向に水平移動されると、各コイルバネ81の弾性力により各移動体76が矢印D方向に水平移動され、各移動体76のスリット76aに挿入されているシャッタ部材74の各アーム74bの先端も二次転写装置11側に移動して、シャッタ部材74の各支持部材74aが各カム75の共通支軸75a周りで反時計回り方向に回転し、シャッタ部材74が反時計回り方向に回転して各光学センサ72、73の前方から退避する。そして、シャッタ部材74が各光学センサ72、73の前方から最も遠くに退避し切ったところで、各移動体76が停止する。
【0071】
この図4の状態では、二次転写装置11が中間転写ベルト7から矢印D方向に大きく離間し、シャッタ部材74が中間転写ベルト7から上方向に大きく離間するため、中間転写ベルト7の交換に必要なスペースが確保され、新たな中間転写ベルト7を装着するときに、中間転写ベルト7が二次転写装置11やシャッタ部材74に引っ掛かって傷つくという事態を避けることができる。
【0072】
尚、中間転写ベルト7の交換は、中間転写ベルト7の駆動ローラ21や従動ローラ22を外すことによりなされる。
【0073】
図6(a)、(b)、(c)は、各光学センサ72、73による各種の検出状態を示している。
【0074】
各光学センサ72、73は、発光素子82、正反射光受光素子83、及び乱反射光受光素子84を備えている。発光素子82が光ビームを一方向に照射し、かつ各光学センサ72、73と中間転写ベルト7間の離間距離が一定であるため、中間転写ベルト7で正反射された反射光の方向が定まり、この反射光を正反射光受光素子83だけに入射させ、この反射光を乱反射光受光素子84に入射させないようにすることができる。ここでは、図6(c)に示すようにシャッタ部材74を退避させ、発光素子82から中間転写ベルト7へと光を出射させた状態で、中間転写ベルト7で正反射された反射光が入射する位置に正反射光受光素子83を配置し、この反射光の入射位置から外れた位置に乱反射光受光素子84を配置している。
【0075】
従って、図6(c)に示すようにシャッタ部材74を退避させ、発光素子82を発光させたときに、中間転写ベルト7があれば、中間転写ベルト7で正反射された反射光が正反射光受光素子83に入射する。また、中間転写ベルト7がなければ、中間転写ベルト7で正反射された反射光が正反射光受光素子83に入射することはない。このため、正反射光受光素子83の受光出力に基づいて中間転写ベルト7の有無を判定することが可能である。
【0076】
更に、図6(b)に示すようにシャッタ部材74を退避させ、発光素子82を発光させたときに、発光素子82の出射光が中間転写ベルト7上の測定用トナー像85で乱反射されると、この乱反射光が乱反射受光素子84に入射する。この乱反射された光のレベルは、測定用トナー像の濃度に応じて変化する。従って、乱反射受光素子84の受光出力に基づいて、測定用トナー像の濃度を判定することが可能である。
【0077】
また、図6(a)に示すようにシャッタ部材74を閉成して、発光素子82を発光させたときには、シャッタ部材74裏面で乱反射された反射光が乱反射光受光素子84に入射する。このシャッタ部材74裏面の乱反射率が一定であることから、乱反射受光素子84の受光出力に基づいて、発光素子82の発光光量及び乱反射受光素子84の受光光量を調節することが可能である。シャッタ部材74が中間転写ベルト7に近接配置されているため、シャッタ部材74裏面で乱反射されて乱反射光受光素子84に入射する光量と中間転写ベルト7表面で乱反射されて乱反射光受光素子84に入射する光量とが略等しく、中間転写ベルト7上の測定用トナー像85を検出するときと略同じ状態で、発光素子82及び乱反射受光素子84を調節することができる。
【0078】
このような調節は、主に、発光素子82の特性のバラツキや発光素子82の経年劣化等を補償するために行われる。
【0079】
図7は、中間転写ベルト7の有無、シャッタ部材74の開閉、及び各光学センサ72、73の異常等を判定するための制御系を示すブロック図である。
【0080】
図7において、各光学センサ72、73は、同一構成であり、発光素子82、正反射光受光素子83、及び乱反射光受光素子84を備えている。制御部91は、各光学センサ72、73別に、それぞれのD/A変換器92、93を通じて、発光駆動信号を発光素子82に印加し、発光素子82を発光させる。また、制御部91は、各光学センサ72、73別に、それぞれのA/D変換器94、95を通じて、正反射光受光素子83の受光出力及び乱反射光受光素子84の受光出力を入力し、各受光素子83、84の受光出力レベルを判定する。
【0081】
発光素子82は、例えば赤外線光を出射するLEDであり、そのカソードが接地され、そのアノードが抵抗R1を介してD/A変換器92(又は93)に接続される。また、正反射光受光素子83及び乱反射光受光素子84は、例えば赤外線光を受光可能なフォトトランジスタであり、そのエミッタが接地され、そのコレクタがA/D変換器94(又は95)に直接接続されかつ抵抗R2(又はR3)を通じて電源電圧Vccに接続されている。
【0082】
また、制御部91は、各カム75の共通支軸75aの回転駆動力源であるモータ96を駆動制御して、各カム75を回転駆動しつつその回転角度を制御する。
【0083】
更に、制御部91は、種々のメッセージ等を画像形成装置の装置本体Aの表示部97に表示する。
【0084】
次に、図8のフローチャートを参照しつつ、中間転写ベルト7の有無、シャッタ部材74の開閉、及び各光学センサ72、73の異常等の判定手順を説明する。
【0085】
まず、制御部91は、モータ96を駆動制御して、各カム75を回転駆動し、図2の状態と図5の状態を交互に繰り返して、シャッタ部材74を開閉させると共に、一方の光学センサ72の発光素子82を発光させる。このとき、シャッタ部材74の開閉動作が正常に行われ、かつ光学センサ72が正常に動作したならば、シャッタ部材74が閉成されたときに、光学センサ72の発光素子82の出射光がシャッタ部材74裏面で反射されても、この反射光が正反射光受光素子83で受光されず、またシャッタ部材74が開成されたときに、光学センサ72の発光素子82の出射光が中間転写ベルト7で反射されて、この反射光が正反射光受光素子83で受光される。従って、シャッタ部材74の開閉動作に伴い、正反射光受光素子83の受光出力が上昇したり下降する。
【0086】
このため、制御部91は、シャッタ部材74の開閉動作に伴い、一方の光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が一定レベル幅以上で変動するか否かを判定し(ステップS101)、一定レベル幅以上で変動したならば(ステップS101で「有り」)、シャッタ部材74の開閉動作が正常に行われ、中間転写ベルト7があり、かつ一方の光学センサ72が正常に動作しているとみなす。
【0087】
この場合、制御部91は、図2及び図6(a)に示すようにシャッタ部材74を閉成して、発光素子82を発光させ、シャッタ部材74裏面で乱反射された反射光を乱反射光受光素子84で受光させ、この乱反射受光素子84の受光出力に基づいて、発光素子82の発光光量及び乱反射受光素子84の受光光量を調節することが可能である(ステップS102)。
【0088】
あるいは、制御部91は、図5に示すように転写ローラ11aを中間転写ベルト7から離間させた状態で、感光体ドラム3の両端近傍に測定用トナー像を形成し、この測定用トナー像を感光体ドラム3から中間転写ベルト7両縁近傍に転写し、中間転写ベルト7を周回移動させて、中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像を転写ローラ11aに接触させることなく通過させ、更に中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像を光学センサ72直下に到達させ、光学センサ72により中間転写ベルト7両縁近傍の測定用トナー像の濃度を検出させることが可能である(ステップS102)。
【0089】
次に、シャッタ部材74の開閉動作に伴い、一方の光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が一定レベル幅以上で変動しなければ(ステップS101で「無し」)、何等かの異常が発生しているので、制御部91は、ステップS103に移行して、正反射光受光素子83の受光出力が閾値以上に維持されているか否かを判定する。
【0090】
例えば、シャッタ部材74の開閉動作が行われているにもかかわらず、常に、一方の光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が閾値以上に維持されていれば(ステップS103で「Yes」)、図2と図5に示すようなシャッタ部材74の開閉動作、及び転写ローラ11aと中間転写ベルト7間の接離動作が正常に行われていないので、制御部91は、二次転写検知異常とみなして、この旨を表示部97に表示する(ステップS104)。
【0091】
また、シャッタ部材74の開閉動作が行われているにもかかわらず、常に、一方の光学センサ72の正反射光受光素子83の受光出力が閾値未満に維持されていれば(ステップS103で「No」、制御部91は、他方の光学センサ73の発光素子82を発光させて、他方の光学センサ73の正反射光受光素子83の受光出力を求め(ステップS105)、この他方の光学センサ73の正反射光受光素子83の受光出力が閾値以上に維持されているか否かを判定する(ステップS106)。
【0092】
例えば、シャッタ部材74の開閉動作が行われているにもかかわらず、常に、他方の光学センサ73の正反射光受光素子83の受光出力が閾値以上に維持されていれば(ステップS106で「Yes」)、他方の光学センサ73による検出結果が一方の光学センサ72による検出結果と正反対になるので、制御部91は、各光学センサ72、73のいずれかが異常であるとみなして、この旨を表示部97に表示する(ステップS107)。
【0093】
また、制御部91は、シャッタ部材74の開閉動作が行われているにもかかわらず、常に、他方の光学センサ73の正反射光受光素子83の受光出力が閾値未満であれば(ステップS106で「No」)、2つの光学センサ72、73のいずれにも中間転写ベルト7からの反射光が入射していないことになるので、中間転写ベルト7が無く、一次転写検知異常とみなして、この旨を表示部97に表示する。同時に、制御部91は、中間転写ベルト7が無く、画像形成処理が不可能であることから、画像形成処理を禁止する(ステップS108)。
【0094】
このように本実施形態では、各光学センサ72、73により中間転写ベルト7上の濃度測定用トナー像を検出するだけではなく、各光学センサ72、73を中間転写ベルト7の有無及びシャッタ部材74の開閉を判定するためにも用いているので、装置構成及び処理が複雑化せずに済む。
【0095】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の装置における中間転写ベルトと二次転写装置の構成を詳しく示す側面図である。
【図3】中間転写ベルトと二次転写装置の構成を詳しく示す平面図である。
【図4】中間転写ベルトから二次転写装置を遠く離間させた状態を示す側面図である。
【図5】カムの回転により、中間転写ベルトから二次転写装置を離間させた状態を示す側面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)は、光学センサの検出動作とシャッタ部材の開閉動作を説明するために用いた図である。
【図7】中間転写ベルトの有無、シャッタ部材の開閉、及び各光学センサの異常等を判定するための制御系を示すブロック図である。
【図8】中間転写ベルトの有無、シャッタ部材の開閉、及び各光学センサの異常等の判定手順を示すフローチャートである。
【図9】従来の画像形成装置の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
【0097】
A 画像形成装置
B 原稿用見取り装置
S 用紙搬送経路
1(1a、1b、1c、1d) レーザ露光装置
2(2a、2b、2c、2d) 現像装置
3(3a、3b、3c、3d) 感光体ドラム
4(4a、4b、4c、4d) クリーナ装置
5(5a、5b、5c、5d) 帯電器
7 中間転写ベルト
8 中間転写ベルト装置
10 給紙トレイ
11 2次転写装置
12 定着装置
15 排紙トレイ
41 原稿セットトレイ
44 ピックアップローラ
53 第1走査部
54 第2走査部
55 結像レンズ
56 CCD
72、73 光学センサ
74 シャッタ部材
75 カム
76 移動体
81 コイルバネ
82 発光素子
83 正反射光受光素子
84 乱反射光受光素子
91 制御部
92、93 D/A変換器
94、95 A/D変換器
96 モータ
97 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラム上に形成されたトナー像が一次転写される転写ベルトと、
転写ベルトに対して接離可能に支持され、転写ベルトとの間に記録媒体を挟みこんで、転写ベルト上のトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写部材と、
転写ベルトもしくは該転写ベルト上に形成された測定用トナー像を検出する光学センサと、
光学センサと転写ベルト間に設けられ、光学センサの感知部前方を開閉するシャッタと、
転写ベルトに対する二次転写部材の接離動作とシャッタの開閉動作を連動させる連動手段と、
光学センサによる検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定する判定手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記連動手段は、二次転写部材及びシャッタに係合するカムを含み、このカムの回転により、転写ベルトに対する二次転写部材の接離動作及びシャッタの開閉動作が共になされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記連動手段は、シャッタに係合しかつカムに摺接する移動体を含み、このカムの回転により移動体が移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記連動手段は、二次転写部材及びシャッタに係合する移動体と、移動体を付勢するバネとを含み、二次転写部材が転写ベルトから離間して移動されると、移動体がバネの付勢力により二次転写部材に追従移動し、この移動体の移動によりシャッタの開閉動作がなされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記光学センサの受光光量を調整制御する制御手段を備え、
光学センサは、発光素子と受光素子を有する反射型の光学センサであり、
制御手段は、シャッタが閉成された状態で、光学センサの発光素子の出射光がシャッタ裏面で反射されて受光素子で受光されたときの該受光素子の受光出力に基づいて、光学センサの光量調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記シャッタは、光学センサと転写ベルト間で、光学センサよりも転写ベルトに近い位置に配置されたことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記光学センサは、発光素子と、発光素子の出射光が正反射されたときの反射光を受光する正反射光受光素子と、発光素子の出射光が乱反射されたときの反射光を受光する乱反射光受光素子とを有する反射型の光学センサであり、
前記判定手段は、光学センサの正反射光受光素子による検出結果に基づいて、シャッタの開閉及び転写ベルトの有無を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−204831(P2009−204831A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46283(P2008−46283)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】