説明

画像形成装置

【課題】情報を記憶するための記憶部の使用量を抑えつつ、変更前の設定情報と変更後の設定情報をともに保存する。
【解決手段】HDD内の「BOX1」フォルダ61内に、「IMAGE1」という画像情報62、及び、画像情報62に基づいて画像形成する際の設定条件を示す「IMAGE1_TICKET」という設定情報63が予め格納されている状態で、HDDから設定情報63を読み出して、設定情報63を変更した場合に、元となる設定情報63と同じ階層に新たな「IMAGE1_NEW1」フォルダ64を生成し、「IMAGE1_NEW1」フォルダ64内に変更後の設定情報65を「IMAGE1_NEW1_TICKET」という名称で格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機等の画像形成装置において、HDD(Hard Disk Drive)に保存されているジョブを実行するにあたり、そのジョブに含まれる画像情報とその画像情報に基づいて画像形成する際の設定条件を示す設定情報のうち、設定情報を変更して画像形成することが行われている。設定情報には、部数設定、排紙位置設定、後処理設定等が含まれる。
【0003】
例えば、複数部数印刷を行う際に、印刷画像データをハードディスクに保存し、1部目の印刷結果を確認した後、ハードディスクから印刷画像データを読み出して2部目以降の印刷を行うプリンタにおいて、ステープル位置やステープル枚数を変更して再印刷する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−187998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、HDDに保存されているジョブを読み出して、ジョブに含まれる設定情報を変更して画像形成を行う際に、元のジョブの代わりに変更後の設定情報でジョブを保存(オーバーライト)する場合には、元のジョブが有していた設定情報が消えてしまうという問題があった。また、変更後の設定情報をHDDに保存するためには、ユーザが保存を指示する必要があった。一方、変更後の設定情報を別個のジョブとしてHDDに保存する場合には、画像情報については元のジョブと共通するにもかかわらず、新たに画像情報も保存しなければならず、HDDの記憶領域を無駄に消費していた。
【0005】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、情報を記憶するための記憶部の使用量を抑えつつ、変更前の設定情報と変更後の設定情報をともに保存することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像情報及び当該画像情報に基づいて画像形成する際の設定条件を示す設定情報が関連付けられて記憶されている記憶部と、画像形成部と、前記記憶部に記憶されている画像情報及び設定情報を読み出して、当該読み出した画像情報及び設定情報に基づいて前記画像形成部に画像形成させる制御部と、を備える画像形成装置であって、前記記憶部から読み出した設定情報の変更指示を受け付ける操作部を更に備え、前記制御部は、前記操作部からの変更指示に基づいて前記記憶部から読み出した設定情報を変更し、前記記憶部から読み出した画像情報及び前記変更後の設定情報に基づいて前記画像形成部に画像形成させる場合に、前記変更後の設定情報を前記記憶部に記憶されている画像情報と関連付けて前記記憶部に記憶させる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記記憶部は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像情報及び設定情報を記憶するものであり、前記制御部は、前記記憶部において前記記憶部に記憶されている変更前の設定情報と同じ階層レベルにフォルダを生成し、当該生成したフォルダに前記変更後の設定情報を記憶させる。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、変更後の設定情報のみを新たに記憶させるので、情報を記憶するための記憶部の使用量を抑えつつ、変更前の設定情報と変更後の設定情報をともに保存することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、変更後の設定情報がいずれの設定情報を変更したものであるかを容易に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
【0011】
図1に、本実施の形態における画像形成装置1の概略断面構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、原稿dから画像を読み取り、読み取った画像を用紙Pに画像形成したり、外部装置等からジョブ情報を受信し、受信したジョブ情報に基づいて画像を用紙P上に形成したりする本体部1aと、画像が形成された用紙Pに後処理を施す後処理部50等を備えたデジタル複合機である。本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、プリント部40等を備えて構成される。
【0012】
画像読取部20は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部21と読取部22とを備え、原稿dの画像を読み取る。自動原稿送り部21の原稿トレイT1に載置された原稿dはコンタクトガラスに搬送され、CCD(Charge Coupled Device)22aにより原稿dの片面又は両面の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真に限らず、文字や記号等も含む意である。
【0013】
画像読取部20により読み取られた画像の画像情報(アナログ画像信号)は、後述する画像制御基板100(図2参照)の読取処理部150(図2参照)に出力され、読取処理部150においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部40に出力される。
【0014】
操作表示部30は、LCD(Liquid Crystal Display)31、LCD31を覆うように設けられたタッチパネル32、その他図示しない操作キー群から構成され、ユーザからの指示を受け付け、その操作信号を後述する制御部110(図2参照)に出力する。また、操作表示部30は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する。設定情報とは、画像情報に基づいて画像形成する際の設定条件を示す情報をいい、例えば、画像位置のシフト幅設定、部数設定、用紙設定、排紙位置設定、後処理設定、集約設定等が挙げられる。
【0015】
LCD31は、各種操作指示を示すボタンを複数有する操作画面や設定画面等を表示する。タッチパネル32は、操作画面上の押下信号に基づいて操作画面上のボタンの選択指示を受け付け、受け付けられた指示を示す操作信号を制御部110に出力する。
【0016】
プリント部40は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部41、用紙搬送部42、画像形成部43、搬出部44等を備えて構成される。
【0017】
給紙部41は、複数の給紙トレイ41a、給紙手段41b、手差しトレイT2等を備える。給紙トレイ41aには、給紙トレイ41a毎に、同一又は異なる種類の用紙Pが収容されており、給紙手段41bによって用紙Pを最上部から一枚ずつ用紙搬送部42に向けて搬送する。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の用紙Pを積載可能となっており、給紙ローラによって積載された用紙Pを最上部から一枚ずつ用紙搬送部42に向けて搬送する。
【0018】
用紙搬送部42は、給紙トレイ41a又は手差しトレイT2から搬送された用紙Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ42a等を経て転写装置43aへと搬送する。
また、用紙搬送部42は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの用紙Pを両面搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ42aを経て転写装置43aへと搬送する。
【0019】
画像形成部43は、感光体ドラム、帯電装置、画像情報に基づくレーザ光を出力するレーザ出力部とレーザ光を主走査方向に走査させるポリゴンミラーとを有する露光装置、現像装置、転写装置43a、クリーニング部、定着装置43bを備え、後述するRAM130(図2参照)に記憶されているジョブ情報(画像情報及び設定情報)に基づいて用紙Pに画像を形成する。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置でレーザ光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置により感光体ドラム上に形成されたトナー像は、転写装置43aにおいて用紙Pに転写される。また、用紙Pにトナー像が転写された後、感光体ドラムの表面の残留トナー等は、クリーニング部により除去される。
【0020】
定着装置43bは、用紙搬送部42によって搬送された用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する。定着処理された用紙Pは、搬出部44の排紙ローラに挟持されて搬出口から後処理部50へ搬送される。
【0021】
後処理部50は、画像形成された用紙Pのソート処理を行うソートユニット、パンチ処理を行うパンチユニット、設定された綴じ位置にステープル処理を行うステープルユニット、折り処理を行う折りユニット、断裁処理を行う断裁ユニット等の各種後処理ユニット51(図2参照)、本体部1aにより画像形成された用紙Pや各種後処理が施された用紙Pが排紙され積載される排紙トレイT3等を備える。
【0022】
図2は、画像形成装置1の制御ブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、本体部1aとプリンタコントローラ1bと、本体部1aに接続された後処理部50から構成されている。画像形成装置1は、プリンタコントローラ1bのLAN IF(Local Area Network InterFace)14を介してネットワーク3上の外部装置2と相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0023】
本体部1aは、画像読取部20、操作表示部30、プリント部40、画像制御基板100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
画像制御基板100は、制御部110、不揮発メモリ120、RAM(Random Access Memory)130、HDD140、読取処理部150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、書込処理部180から構成される。
【0025】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ120に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM130に展開し、RAM130に展開されたプログラムとの協働により、各種処理を実行し、画像形成装置1の各部を集中制御する。
例えば、操作表示部30や外部装置2から入力される指示信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、複写、プリント、画像読取等の制御を行う。
【0026】
不揮発メモリ120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態に係る設定情報変更処理プログラム、各種プログラムで処理されたデータや各部の初期データ等を記憶する。
【0027】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0028】
HDD140は、画像読取部20で画像を読み取って生成したジョブ情報やプリンタコントローラ1bを介して外部装置2から受信したジョブ情報を蓄積記憶・保存する。HDD140には、画像情報及び画像情報に基づいて画像形成する際の設定条件を示す設定情報が関連付けられて記憶されている。HDD140は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像情報及び設定情報を記憶する。具体的には、HDD140は、ユーザ毎の分類を示すユーザフォルダ、同一ユーザ内での分類を示すBOXフォルダにより構成され、同一BOX内には、一つの画像情報と、この画像情報に対応する一又は複数の設定情報とが格納される。設定情報が変更され、変更後の設定情報が新たに保存される場合には、いずれの設定情報を変更して生成されたものかを識別可能なように、元となる設定情報と同じ階層レベルに新たなフォルダが生成され、そのフォルダに変更後の設定情報が格納される。
【0029】
図3に、HDD140内の階層構造の一例を示す。図3に示すように、ユーザフォルダの一つとして、USER1に対応する「USER1」フォルダ60が存在し、「USER1」フォルダ60の下位階層にBOXフォルダの一つとして、BOX1に対応する「BOX1」フォルダ61が存在する。「BOX1」フォルダ61内には、「IMAGE1」という画像情報62、及び、画像情報62に基づいて画像形成する際の設定条件を示す「IMAGE1_TICKET」という設定情報63が格納されている。画像情報62及び設定情報63は、同一の「BOX1」フォルダ61内に格納されることによって関連付けられている。
【0030】
読取処理部150は、画像読取部20の画像読取制御部200から入力されるアナログ画像信号に、A/D変換処理、シェーディング補正処理等の各種処理を施し、デジタル画像情報を生成する。生成された画像情報は、DRAM制御IC160に出力される。
【0031】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、画像情報に圧縮/伸長処理を施すとともに、画像メモリ170への画像情報の入出力制御を行う。
例えば、DRAM制御IC160は、画像読取部20により読み取られた画像信号の保存が指示されると、読取処理部150から入力された画像情報に圧縮処理を施して、圧縮画像情報を画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、DRAM制御IC160は、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像情報のプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像情報を読み出し、伸長処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された画像情報のプリント出力が指示されると、ページメモリ172から画像情報を読み出して書込処理部180に出力する。
【0032】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とページメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像情報及びその圧縮画像情報に対応する設定情報を格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力用の画像情報(プリントデータ)を一時的に格納するためのメモリである。
【0033】
書込処理部180は、DRAM制御IC160から入力された画像情報に基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部40に出力する。
【0034】
画像読取部20は、CCD22a、画像読取制御部200、その他ここでは図示しないが図1に示した自動原稿送り部21、読取部22等から構成される。画像読取制御部200は、自動原稿送り部21、読取部22等を制御して、原稿面の露光走査を実行させ、光の反射光をCCD22aにより光電変換して画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号は読取処理部150に出力される。
【0035】
操作表示部30は、LCD31、タッチパネル32、操作表示制御部300、その他テンキー等の操作キー群から構成される。操作表示制御部300は、制御部110から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等をLCD31に表示させる。また、操作表示制御部300は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル32等から入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0036】
プリント部40は、画像形成部43等のプリント出力に係る各部やプリント制御部400を備えて構成される。プリント制御部400は、制御部110からの指示に従って画像形成部43等のプリント部40の各部の動作を制御し、書込処理部180から入力されたプリントデータに基づいて用紙Pに画像形成を行わせるとともに、制御部110からの指示に従って後処理部50の各部を動作させる指示信号を後処理制御部500に出力する。
【0037】
後処理部50は、各種後処理ユニット51、各種後処理ユニット51へ用紙Pを搬送する搬送ローラ等の搬送手段、各種後処理ユニット51から搬送された用紙Pが排紙される排紙トレイT3等が設けられており、各種後処理ユニット51は後処理制御部500により統括的に制御されている。後処理制御部500は、制御部110からプリント制御部400を介して入力される後処理の指示信号に応じて、用紙Pを搬送経路に沿って所定の後処理ユニット51に搬送し、各部を駆動制御して用紙Pに所定の後処理を行わせ、排紙トレイT3に排紙させる制御を行う。
【0038】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。プリンタコントローラ1bは、画像形成装置1をネットワークプリンタとして使用する場合に、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成装置1に入力されるジョブの管理及び制御を行うものであり、外部装置2からデータを受信し、当該データを本体部1aへ送信する。
【0039】
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11、DRAM制御IC12、画像メモリ13、LAN IF14から構成される。
【0040】
コントローラ制御部11は、プリンタコントローラ1bの各部の動作を統括的に制御し、LAN IF14を介して、外部装置2から入力されるデータをジョブとして本体部1aへ送信する。
【0041】
DRAM制御IC12は、LAN IF14により受信されたデータの画像メモリ13への格納や、画像メモリ13からのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12は、画像制御基板100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11からの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13から読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0042】
画像メモリ13は、DRAMから構成され、入力された出力データを一時的に格納する。
【0043】
LAN IF14は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12に出力される。
【0044】
制御部110は、HDD140に記憶されている画像情報及び設定情報のうち、操作表示部30を介してユーザにより選択された画像情報及び設定情報を読み出して、読み出した画像情報及び設定情報に基づいて画像形成部43に画像形成させる。
【0045】
また、制御部110は、操作表示部30からの設定情報の変更指示に基づいてHDD140から読み出した設定情報を変更する。そして、制御部110は、HDD140から読み出した画像情報及び変更後の設定情報に基づいて画像形成部43に画像形成させる場合に、変更後の設定情報をHDD140に記憶されている画像情報と関連付けてHDD140に記憶させる。この際、制御部110は、HDD140に記憶されている画像情報及び変更前の設定情報についてはそのまま残し、画像情報に対して変更前の設定情報及び変更後の設定情報の両方が関連付けられるように、変更後の設定情報をHDD140に記憶させる。具体的には、制御部110は、HDD140において、HDD140に記憶されている変更前の設定情報と同じ階層レベルに新たなフォルダを生成し、生成したフォルダに変更後の設定情報を記憶させる。
【0046】
次に、画像形成装置1における動作を説明する。
図4は、設定情報変更処理を示すフローチャートである。この処理は、操作表示部30を介してユーザにより設定情報の編集の実行指示が入力された場合に行われる処理であって、制御部110のCPUと不揮発メモリ120に記憶されている設定情報変更処理プログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0047】
まず、制御部110により、HDD140又は圧縮メモリ171に記憶されている設定情報がRAM130に読み出され、操作表示部30のLCD31に設定情報編集画面が表示される。そして、操作表示部30を介して設定情報の編集指示が受け付けられ、制御部110により、操作表示部30からの編集指示に基づいて設定情報の編集が行われる(ステップS1)。例えば、画像位置のシフト幅設定、部数設定、用紙設定、排紙位置設定、後処理設定、集約設定等の設定情報が変更される。編集された設定情報は、制御部110により、RAM130内に格納される。
【0048】
ここで、制御部110により、設定情報の編集が完了したか否かが判断される(ステップS2)。設定情報の編集が完了していない場合には(ステップS2;NO)、ステップS1に戻る。
【0049】
設定情報の編集が完了した場合には(ステップS2;YES)、制御部110の制御に従って、HDD140又は圧縮メモリ171から読み出した画像情報及び編集後の設定情報に基づいて、画像形成部43により画像形成が行われる(ステップS3)。
【0050】
次に、制御部110により、編集対象とされた設定情報がHDD140から読み出されたジョブのものであるか否かが判断される(ステップS4)。具体的には、設定情報の中に、HDD140から読み出されたジョブであるか、プリンタジョブであるか、複写ジョブであるかを示す情報が埋め込まれており、制御部110により、設定情報中の情報に基づいて、編集対象とされた設定情報がHDD140から読み出されたジョブのものであるか否かが判断される。
【0051】
編集対象とされた設定情報がHDD140から読み出されたジョブのものである場合には(ステップS4;YES)、制御部110により、RAM130に記憶されている編集後の設定情報と元の設定情報とが比較され、元の設定情報から変更があるか否かが判断される(ステップS5)。なお、編集後の設定情報と元の設定情報との比較において、全ての項目について一致している場合に変更がないと判断してもよいし、予め定められた特定の項目について一致している場合に変更がないと判断してもよい。
【0052】
元の設定情報から変更がある場合には(ステップS5;YES)、制御部110により、変更後の設定情報が画像情報と関連付けられてHDD140へ格納される(ステップS6)。具体的には、制御部110により、HDD140において、HDD140に記憶されている元の設定情報と同じ階層レベルに新たなフォルダが生成され、生成したフォルダに変更後の設定情報が記憶される。変更後の設定情報とそれに対応する画像情報を、同一のBOXフォルダの下位階層に保存することにより、両者を関連付けることができる。
【0053】
ステップS4において編集対象とされた設定情報がHDD140から読み出されたジョブのものでない場合(ステップS4;NO)、ステップS5において元の設定情報から変更がない場合には(ステップS5;NO)、そのまま処理が終了する。
以上で、設定情報変更処理が終了する。
【0054】
図5〜図7を参照して、変更後の設定情報の保存方法について説明する。
図3に示したように、HDD140内の「USER1」フォルダ60の下位階層の「BOX1」フォルダ61に「IMAGE1」という画像情報62及び「IMAGE1_TICKET」という設定情報63が格納されている場合に、HDD140から設定情報63を読み出して、変更した場合について説明する。この場合、図5に示すように、制御部110は、元となる設定情報63と同じ階層に新たな「IMAGE1_NEW1」フォルダ64を生成し、「IMAGE1_NEW1」フォルダ64内に変更後の設定情報65を「IMAGE1_NEW1_TICKET」という名称で格納する。設定情報63と同じ階層に「IMAGE1_NEW1」フォルダ64を生成することにより、「IMAGE1_NEW1」フォルダ64内の設定情報65が設定情報63から派生したものであることが明らかとなる。
【0055】
図5に示す状態において、更に、HDD140から設定情報63を読み出して、変更した場合には、図6に示すように、制御部110は、元となる設定情報63と同じ階層に新たな「IMAGE1_NEW2」フォルダ66を生成し、「IMAGE1_NEW2」フォルダ66内に変更後の設定情報67を「IMAGE1_NEW2_TICKET」という名称で格納する。設定情報63と同じ階層に「IMAGE1_NEW2」フォルダ66を生成することにより、「IMAGE1_NEW2」フォルダ66内の設定情報67が設定情報63から派生したものであることが明らかとなる。
【0056】
図6に示す状態において、更に、HDD140から設定情報67を読み出して、変更した場合には、図7に示すように、制御部110は、元となる設定情報67と同じ階層に新たな「IMAGE1_NEW2_NEW1」フォルダ68を生成し、「IMAGE1_NEW2_NEW1」フォルダ68内に変更後の設定情報69を「IMAGE1_NEW2_NEW1_TICKET」という名称で格納する。設定情報67と同じ階層に「IMAGE1_NEW2_NEW1」フォルダ68を生成することにより、「IMAGE1_NEW2_NEW1」フォルダ68内の設定情報69が設定情報67から派生したものであることが明らかとなる。
【0057】
このように、設定情報を変更することにより、HDD140に保存される設定情報が増えた場合であっても、画像情報については、/USER1/BOX1の下位階層の「IMAGE1」という画像情報62を使用することになるので、余分な画像情報を記憶する必要はなく、また、過去に設定した設定情報も使用可能となる。また、HDD140内の階層構造やファイル名称で、設定情報がどのような経緯で生成されたものかを把握することができる。
【0058】
HDD140において、図7に示す階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像情報62及び設定情報63,65,67,69が記憶されている場合に、HDD140から読み出すジョブを選択する際にLCD31に表示されるファイル選択画面311を図8に示す。図8に示すように、ファイル選択画面311には、「IMAGE1」という画像情報62、「IMAGE1_TICKET」という設定情報63、「IMAGE1_NEW1_TICKET」という設定情報65、「IMAGE1_NEW2_TICKET」という設定情報67、「IMAGE1_NEW2_NEW1_TICKET」という設定情報69が表示される。設定情報65,67を設定情報63の右側に表示することで、設定情報65,67が設定情報63から派生したものであることがわかる。また、設定情報69を設定情報67の右側に表示することで、設定情報69が設定情報67から派生したものであることがわかる。図8は、画像情報62及び設定情報65が選択されている場合の例である。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置1によれば、設定情報を変更した場合に、変更後の設定情報のみを新たにHDD140に記憶させるので、HDD140の使用量を抑えつつ、変更前の設定情報と変更後の設定情報をともに保存することができる。
【0060】
また、HDD140において、HDD140に記憶されている変更前の設定情報と同じ階層レベルに新たなフォルダを生成し、生成したフォルダに変更後の設定情報を記憶させるので、変更後の設定情報がいずれの設定情報を変更したものであるかを容易に把握することが可能となる。
【0061】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置の一例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施の形態における画像形成装置の概略断面構成図である。
【図2】画像形成装置の制御ブロック図である。
【図3】HDD内の階層構造の一例を示す図である。
【図4】設定情報変更処理を示すフローチャートである。
【図5】設定情報を変更した場合のHDD内のデータ格納例である。
【図6】設定情報を変更した場合のHDD内のデータ格納例である。
【図7】設定情報を変更した場合のHDD内のデータ格納例である。
【図8】ファイル選択画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
1a 本体部
1b プリンタコントローラ
2 外部装置
3 ネットワーク
11 コントローラ制御部
12 DRAM制御IC
13 画像メモリ
14 LAN IF
20 画像読取部
21 自動原稿送り部
22 読取部
22a CCD
30 操作表示部
31 LCD
32 タッチパネル
40 プリント部
41 給紙部
41a 給紙トレイ
41b 給紙手段
42 用紙搬送部
42a レジストローラ
43 画像形成部
43a 転写装置
43b 定着装置
44 搬出部
50 後処理部
51 後処理ユニット
60 「USER1」フォルダ
61 「BOX1」フォルダ
62 画像情報
63 設定情報
64 「IMAGE1_NEW1」フォルダ
65 設定情報
66 「IMAGE1_NEW2」フォルダ
67 設定情報
68 「IMAGE1_NEW2_NEW1」フォルダ
69 設定情報
100 画像制御基板
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 RAM
140 HDD
150 読取処理部
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 書込処理部
200 画像読取制御部
300 操作表示制御部
311 ファイル選択画面
400 プリント制御部
500 後処理制御部
d 原稿
P 用紙
T1 原稿トレイ
T2 手差しトレイ
T3 排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報及び当該画像情報に基づいて画像形成する際の設定条件を示す設定情報が関連付けられて記憶されている記憶部と、画像形成部と、前記記憶部に記憶されている画像情報及び設定情報を読み出して、当該読み出した画像情報及び設定情報に基づいて前記画像形成部に画像形成させる制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記記憶部から読み出した設定情報の変更指示を受け付ける操作部を更に備え、
前記制御部は、前記操作部からの変更指示に基づいて前記記憶部から読み出した設定情報を変更し、前記記憶部から読み出した画像情報及び前記変更後の設定情報に基づいて前記画像形成部に画像形成させる場合に、前記変更後の設定情報を前記記憶部に記憶されている画像情報と関連付けて前記記憶部に記憶させる画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像情報及び設定情報を記憶するものであり、
前記制御部は、前記記憶部において前記記憶部に記憶されている変更前の設定情報と同じ階層レベルにフォルダを生成し、当該生成したフォルダに前記変更後の設定情報を記憶させる、
請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−278299(P2009−278299A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126582(P2008−126582)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】