説明

画像形成装置

【課題】環境保全や資源の有効利用を図る。
【解決手段】画像形成装置の制御部は、ユーザの操作画面において回収トナー使用モードボタンが選択されたと判断したとき(ステップS40)、リサイクル用紙が収容された給紙トレイを選択するように給紙部を制御する(ステップS50)。制御部は、回収トナー使用モードボタンが選択された後に、リサイクル用紙以外の普通紙が収容される給紙トレイ選択ボタンがユーザにより選択されていないと判断した場合(ステップS60)には、回収トナーを用いてリサイクル用紙に画像を形成する(ステップS70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。詳しくは、像担持体上から回収した2色以上の回収トナーを再利用するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保全や資源の有効利用のために、感光体上に残留したトナーを回収し、回収したトナーを再利用する画像形成装置が開発されている。この画像形成装置は、感光体上に残留したトナーを除去するためのクリーニング部を各色の画像形成ユニット毎に備えており、これらのクリーニング部により各色の感光体上から残留トナーを除去して一箇所に収集する。そして、回収したトナーに攪拌処理等を施して再生トナーを生成し、生成した再生トナーをリサイクル用の画像形成ユニットに供給して再利用している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−35703号公報(第5頁 第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した再利用される再生トナーは、各色の感光体から除去して得られた残留トナーを混色して生成したものであるから、正確な色再現性を実現するのは困難である。そのため、再生トナーを用いて印刷を行う場合には、一般的に正確な色再現性が要求されない裏紙や再生紙等が用いられている。再生紙等を利用することで、同時に環境保全や資源の有効利用も図ることができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される画像形成装置では、回収したトナーを利用する回収トナー使用モードを選択した場合、再生紙等以外の給紙トレイ、例えばA4,B4サイズの普通紙が収容された給紙トレイも選択することが可能となっている。そのため、回収トナー使用モードにおいて裏紙や再生紙の使用が前提となっている場合でも、ユーザが意思に反して誤った操作をしてしまう場合があり、普通紙が収容された給紙トレイを選択してしまう場合がある。この場合には、折角普通紙を使用しても正確な色再現性に基づく画像を形成することができないため、再度印刷をやり直さなければならず、用紙やトナーを無駄にしてしまうという問題がある。これにより、余計なコストがかかってしまうというと共に、環境汚染にも影響を与えるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するものであり、環境保全や資源の有効利用を図った画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る画像形成装置は、像担持体上から回収した2色以上のトナーを用いて画像を形成する回収トナー使用モードを含む複数のカラーモードと、リサイクル用紙を収容する給紙トレイを含む複数の給紙トレイとを備える画像形成装置であって、画像形成部と、複数のカラーモードおよび複数の給紙トレイから何れかのカラーモードおよび給紙トレイを選択するための操作部と、操作部により選択された給紙トレイから用紙を取り出して画像形成部に搬送する給紙部と、操作部によりカラーモードのうち回収トナー使用モードが選択されたとき、リサイクル用紙が収容された給紙トレイを選択するように給紙部を制御する制御部とを備え、回収トナー使用モードにおいては、給紙部から搬送されたリサイクル用紙に回収トナーを有する画像形成部により画像を形成することを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、ユーザの操作部の操作によって回収トナー使用モードが選択されたとき、制御部はリサイクル用紙が収容される給紙トレイを選択するように給紙部を制御する。このように本発明の画像形成装置は、ユーザが回収トナー使用モードを選択すると、自動的にリサイクル用紙が収容される給紙トレイを選択するように構成されている。
【0009】
ここで、回収トナー使用モードでは、各色の像担持体上から回収した回収トナーを用いるので、正確な色再現性が要求されないリサイクル用紙が用いられる場合が多い。そのため、本発明によれば、回収トナー使用モードが選択されたときにリサイクル用紙が収容された給紙トレイが必ず選択されることになるので、ユーザが誤ってリサイクル用紙以外の、例えば普通紙が収容された給紙トレイを選択してしまうことを防止できる。
【0010】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、制御部が、回収トナー使用モードが選択された後に、リサイクル用紙を収容する給紙トレイ以外の給紙トレイが操作部により選択されたとき、当該選択された給紙トレイを選択するように給紙部を制御するものである。
【0011】
請求項3に係る画像形成装置は、請求項1の記載において、カラーモードに対応した複数の操作ボタンを表示する表示部をさらに備え、制御部は、回収トナー使用モードが選択されたときに、リサイクル用紙を収容する給紙トレイからリサイクル用紙を取り出すように選択するための給紙トレイ自動選択ボタンを表示部に表示するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、回収トナー使用モードが選択されたとき、制御部はリサイクル用紙が収容された給紙トレイを選択するように給紙部を制御する。この構成によって、ユーザが回収トナー使用モードを選択した場合にはリサイクル用紙が収容された給紙トレイを自動的に選択できる。これにより、印刷のやり直し等による普通紙やトナー等の無駄を削減でき、用紙やトナーの低コスト化を図ることができると共に環境保全も同時に図ることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、回収トナー使用モードを選択した場合であっても、リサイクル用紙以外の普通紙が収容された給紙トレイを自由に選択できるようになり、利用状況に応じた用紙の選択が可能になる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、給紙トレイ自動選択ボタンを選択した場合には、回収トナー使用モードが選択されたときにリサイクル用紙が収容された給紙トレイが選択されるので、ユーザの操作ミスによる無駄なやり直り印刷等を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について説明をする。
[第1の実施の形態]
<画像形成装置の構成>
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置100の外観構成を示す図である。画像形成装置100は、感光体(像担持体)等から回収された2色以上の回収トナーを再利用する回収トナー使用モードや、フルカラーモード、ブラックカラーモード等の複数のカラーモードを有し、これらのカラーモードのうち回収トナー使用モードがユーザにより選択された場合には、裏紙や再生紙等のリサイクル用紙が収容される給紙トレイを自動的に選択するように構成した装置である。
【0016】
この画像形成装置100は、画像形成装置本体8と複数の給紙トレイ28とを備えている。複数の給紙トレイ28は、画像形成装置本体8の下部に設けられており、本例では4段の給紙トレイ28a,28b,28c,28dが設置されている。上段に設置される給紙トレイ28aにはA4サイズの用紙が収容され、2段目に設置される給紙トレイ28bにはB4サイズの用紙が収容され、3段目に設置される給紙トレイ28cにはA3サイズの用紙が収容される。本例ではA4,B4,A3等の用紙を普通紙と称する。最下段に設置される給紙トレイ28dには裏紙や再生紙などが収容される。本例では裏紙や再生紙等をリサイクル用紙と称する。
【0017】
図2は、画像形成装置100の内部構成を示す図である。画像形成装置100は、画像読取部30と画像形成部10と給紙部50と定着装置60とを備えている。画像読取部30は、画像形成装置本体8の上部に設けられ、自動原稿送り装置32と走査露光装置34とを有する。自動原稿送り装置32は、原稿台上に載置された原稿Mを搬送機構により走査露光装置34に搬送する。
【0018】
走査露光装置34の光学系は搬送された原稿Mの片面または両面の画像を走査露光し、CCD(Charge Coupled Device)からなるラインイメージセンサ36により走査露光された原稿Mの画像を読み込む。ラインイメージセンサ36により光電変換された画像信号は、画像処理部(図3参照)において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等が行われた後、画像形成部10に供給される。
【0019】
画像形成部10は、タンデム型カラー画像形成部と称されるものであり、複数組の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K,10R、中間転写体40等で構成される。
【0020】
画像形成ユニット10Yは、イエロー(Y)色の画像を形成するユニットであり、表面に静電潜像が形成されるドラム状の感光体11Yと、その周囲に配置された、帯電部12Yと、露光部14Yと、現像部16Yと、1次転写部18Yと、クリーニング部20Yとを有する。
【0021】
画像形成ユニット10Mは、マゼンダ(M)色の画像を形成するユニットであり、表面に静電潜像が形成されるドラム状の感光体11Mと、その周囲に配置された帯電部12Mと、露光部14Mと、現像部16Mと、1次転写部18Mと、クリーニング部20Mとを有する。
【0022】
画像形成ユニット10Cは、シアン(C)色の画像を形成するユニットであり、表面に静電潜像が形成されるドラム状の感光体11Cと、その周囲に配置された帯電部12Cと、露光部14C、現像部16Cと、1次転写部18Cと、クリーニング部20Cとを有する。
【0023】
画像形成ユニット10Kは、ブラック(K)色の画像を形成するユニットであり、表面に静電潜像が形成されるドラム状の感光体11Kと、その周囲に配置された帯電部12Kと、露光部14Kと、現像部16Kと、1次転写部18Kと、クリーニング部20Kとを有する。
【0024】
画像形成ユニット10Rは、回収された回収トナーに基づく色の画像を形成するユニットであり、画像形成ユニット10Kの感光体11Kの周囲に配置された回収部24と、センサ部26と、現像部16Rとを有する。画像形成ユニット10Rの感光体、帯電部および露光部は、画像形成ユニット10Kの感光体11K、帯電部12Kおよび露光部14Kを共有している。もちろん、画像形成ユニット10Rの感光体、帯電部および露光部を画像形成ユニット10Kと別構成としても良い。
【0025】
各ユニットのクリーニング部20Y,20M,20C,20Kは、例えば1次転写または後述する2次転写が終了したタイミングで、図示しないクリーニングブレードにより感光体11Y,11M,11C,11K上の残留トナーを除去する。各クリーニング部20Y,20M,20C,20Kには、画像形成ユニット10Rの回収部24に連通した搬送路22が設置されており、除去された残留トナーは搬送路22を経由して画像形成ユニット10Rの回収部24に搬送される。回収部24は、残留トナーを収容する回収容器から構成され、この内部には回収された回収トナーのトナー量を検出するセンサ部26と回収トナーを攪拌する図示しない攪拌部とが設けられている。
【0026】
回収部24では、一箇所に回収された各感光体11Y,11M,11C,11Kの残留トナーを攪拌部により均一に攪拌して再生トナーを生成する。センサ部26は、画像形成(印刷)に必要とされる再生トナーのトナー量が最低基準値を満たしているか否か、または容器内に回収トナーを収容できる上限値を超えていないか否かを検出する。生成された再生トナーは画像形成ユニット10Rにより再利用される。
【0027】
中間転写体40は、複数のローラにより張架されて支持され、複数のローラの回動により各転写位置に移動するように制御される。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K,10Rより形成された各色のトナー像は、移動する中間転写体40上に各ユニットの1次転写部18Y,18M,18C,18Kにより逐次転写され、中間転写体40上に各色のトナーが重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0028】
給紙部50は、後述する制御部(図3参照)からの制御信号(給紙トレイ選択情報)に基づいてユーザにより選択された給紙トレイ28を選択する。選択された給紙トレイ28内に収容された用紙Pは、給紙ローラ52により一枚の用紙Pに分離され、複数の給紙ローラ54を経由して停止状態にあるレジストローラ56に給紙される。給紙された用紙Pは、レジストローラ56で一旦停止され、用紙Pの先端と中間転写体のトナー像との位置が一致するタイミングで、レジストローラ56が回転を開始することにより2次転写部42に給紙され、用紙P上にカラートナー像が転写されて(2次転写)、定着装置60に搬送される。
【0029】
定着装置60は、定着ローラ62と加圧ローラ64とを有する。定着ローラ62および加圧ローラ64は、これらの間に形成されたニップ部により用紙に転写されたカラートナー像を加熱および加圧して用紙上にカラートナー像を定着させる。カラートナー像が定着された用紙は、排紙ローラ66に挟持されて機外の排紙トレイ68上に載置される。
【0030】
次に、画像形成装置100のブロック構成について説明する。図3は、画像形成装置100のブロック構成例を示す図である。画像形成装置100は、制御部80と、画像読取部30と、画像処理部38と、メモリ部88と、センサ部26と、操作表示部90と、画像形成部10と、給紙部50とを備えている。制御部80には、バス98を介して画像読取部30、画像処理部38、メモリ部88、センサ部26、操作表示部90、画像形成部10および給紙部50のそれぞれが接続されている。
【0031】
画像読取部30は、走査露光装置34(図1参照)により読み込んだアナログ信号からなる画像情報をデジタル画像信号に変換して制御部80および画像処理部38に出力する。
【0032】
画像処理部38は、制御部80から供給される制御信号に基づいて画像読取部30から取り込んだ画像データ等の圧縮処理を行い、圧縮処理した画像情報をメモリ部88に記憶する。また、制御部80からの制御信号に基づいてメモリ部88に記憶された画像データ等の伸張処理を行う。
【0033】
メモリ部88は、例えばHDDや半導体メモリにより構成される。メモリ部88には、例えば、画像読取部30から読み込まれた画像データや画像形成装置100に接続される図示しないコンピュータから送信される文書・画像データ、操作表示部90に表示される操作画面データ等が記憶される。また、メモリ部88には、後述する操作画面200Aに表示される給紙トレイ選択ボタン224(図4参照)のそれぞれと画像形成装置100の給紙トレイ28a〜28dのそれぞれの識別番号とが対応付けられて記憶される。例えば、A4トレイボタン214には給紙トレイ28aの識別番号「1」(図1参照)が対応付けられて記憶され、リサイクル用紙トレイボタン220には給紙トレイ28dの識別番号「4」が対応付けられて記憶される。
【0034】
操作表示部90は、表示部92と操作部94とを有する。本例では、表示部92と操作部94とが一体に組み合わされたタッチパネルが用いられる。表示部92は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイから構成される。操作部94としての入力検出装置は、例えば静電容量方式や抵抗膜方式、表面弾性波(SAW)方式などの方式が採用される。
【0035】
表示部92は、制御部80によりメモリ部88から読み出されて画像処理部38により伸張処理された画像信号に基づく画像を表示する。例えば、各種の操作画面(図4参照)や状態表示等の画像を表示する。操作部94は、表示部92に表示された操作画面においてユーザにより入力された入力情報を検出し、検出した入力情報に基づく操作信号を生成して制御部80に供給する。
【0036】
センサ部26は、回収部24(図2参照)に回収された再生トナーが最低基準量を満たさない場合にはエンプティ検出信号を生成して制御部80に供給する。一方、再生トナーが収容可能な上限値を超えている場合にはフル検出信号を生成して制御部80に供給する。
【0037】
制御部80は、画像形成装置100全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)82と、ROM(Read Only Memory)84、RAM(Random Access Memory)86とを有する。ROM84は、画像形成装置100を動作させるためのプログラムを保持する。RAM86は、ROM84から読み出したプログラムや操作表示部90等からの入力情報等の一時的な格納領域として用いられる。CPU82は、ROM84に保持されているプログラムを読み出してプログラムに応じた処理を実行することにより、ユーザの操作に応じた画像形成装置100の動作が行われるように各構成部を制御する。
【0038】
制御部80は、表示部92に表示される操作画面において所定のカラーモードが選択された場合には、選択されたカラーモードに対応する画像形成ユニット10Y〜10Rのトナーを用いて画像を形成するように画像形成部10を制御する。また、制御部80は、後述する操作画面(図4参照)において所定の給紙トレイ選択ボタン224が選択された場合には、選択された給紙トレイ選択ボタン224に対応した給紙トレイ選択情報をメモリ部88から読み出し、読み出した給紙トレイ選択情報(に基づく制御信号)を給紙部50に供給する。すなわち、制御部80は、回収トナー使用モードが選択されたとき、リサイクル用紙が収容された給紙トレイ28dを選択するように給紙部50を制御する。
【0039】
また制御部80は、センサ部26からエンプティ検出信号が供給されたときには、回収トナー使用モードが実行されないように、回収トナー使用モードボタンの選択を不可能とする制御を行う(図6(A)参照)。一方、センサ部26からフル検出信号が検出されたときには、回収部24に回収される回収トナーのトナー量を調整する。
【0040】
給紙部50は、制御部80から供給される給紙トレイ選択情報(制御信号)に基づいてユーザにより選択された給紙トレイ28(28a〜28d)を選択し、選択した給紙トレイ28に制御を切り替える。そして、給紙部50は、選択した給紙トレイ28から用紙Pを分離して順次取り出して図示しない搬送部を介して画像形成部10に供給する。
【0041】
画像形成部10は、制御部80から供給される制御信号に基づいて感光体11Y,11M,11C,11Kの表面を帯電器12により帯電させ、画像情報に基づいて生成されたPWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいて感光体11Y,11M,11C,11Kの表面に静電潜像を形成する。このとき、画像形成部10は、操作画面により選択されたカラーモードに対応した画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K,10Rにより感光体11Y,11M,11C,11Kに静電潜像を形成する。そして、給紙部50から供給された用紙Pに、静電潜像に付着したトナーを転写させて画像を形成する(図2参照)。
【0042】
次に、表示部92に表示される操作画面(初期画面)200Aの構成の一例について説明する。図4は、表示部92に表示される操作画面200Aの構成の一例を示す図である。操作画面200Aの左側には、用紙Pに形成される画像のカラーを選択するためのカラーモードボタン210が表示される。カラーモードボタン210は、フルカラーモードボタン202と、ブラックカラーモードボタン204と、単色カラーモードボタン206と、回収トナー使用モードボタン208とから構成される。
【0043】
操作画面200Aの中央部には、画像を形成する用紙、つまり給紙トレイ28を選択するための給紙トレイ選択ボタン224が表示される。給紙トレイ選択ボタン224は、画像読取部30により読み取られた用紙Pのサイズから自動的に給紙トレイ28を選択する自動ボタン212と、給紙トレイ28aに対応したA4トレイボタン214と、給紙トレイ28bに対応したB4トレイボタン216と、給紙トレイ28cに対応したA3トレイボタン218と、給紙トレイ28dに対応したリサイクル用紙トレイボタン220と、手差しトレイボタン222とから構成される。
【0044】
操作画面200Aの右側には画像の倍率を選択するための倍率選択ボタン240が表示される。カラーモードボタン210の下方には、各色のトナーの残量を示すトナー残量アイコン250が表示される。
【0045】
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置100の回収トナーモード時の動作の一例について説明する。図5は、画像形成装置100の動作の一例を示すフローチャートである。図6(A),(B)および図7(A),(B)は操作画面200Aの表示動作の一例を示す図である。
【0046】
ステップS5で制御部80は、回収部24に取り付けられたセンサ部26で生成された再生(回収)トナーに基づくエンプティ検出信号を検出する。
【0047】
ステップS10で制御部80は、回収部24の再生トナーが最低基準値以上か否かを判断する。制御部80は、センサ部26からのエンプティ検出信号を検出したときには再生トナーが最低基準値未満であると判断してステップS30に進む。一方、制御部80は、エンプティ検出信号を検出しないときには再生トナーが最低基準値以上であるとしてステップS20に進む。
【0048】
ステップS20で制御部80は、表示部92の操作画面200Aに表示されるカラーモードボタン210の全てのボタンをユーザにより選択可能となるように制御する。これにより、ユーザは、図4に示したフルカラーモードボタン202、ブラックカラーモードボタン204、単色カラーモードボタン206、回収トナー使用モードボタン208の全てのモードボタンが選択可能になる。
【0049】
一方、ステップS30で制御部80は、表示部92の操作画面200Aに表示されるカラーモードボタン210のうち回収トナー使用モードボタン208のみをユーザにより選択できないように表示部92を制御する。例えば制御部80は、ユーザが視覚的に容易に認識できるように、選択できない回収トナー使用モードボタン208を網掛け表示し、その他のカラーモードボタンを通常表示するように制御する(図6(A))。
【0050】
ステップS40で制御部80は、表示部92の操作画面200Aにおいてユーザにより回収トナー使用モードボタン208が選択されたか否かを判断する。回収トナー使用モードボタン208がユーザにより選択されたときには、操作画面200Aの回収トナー使用モードボタン208を例えば強調(反転)表示させる(図6(B))。制御部80は、ユーザにより回収トナー使用モードボタン208が選択されたと判断したときにはステップS50に進み、回収トナー使用モードボタン208が選択されていないと判断したときにはステップS55に進む。
【0051】
ステップS50で制御部80は、ユーザにより回収トナー使用モードボタン208が選択された場合にはリサイクル用紙を収容する給紙トレイ28dを選択するように給紙部50を制御する。具体的には、操作部94から供給されるリサイクル用紙トレイボタン220に対応した操作信号に基づいて、リサイクル用紙トレイボタン220に対応付けられた給紙トレイ選択情報(給紙トレイ28d)をメモリ部88から読み出して給紙部50に供給する。また制御部80は、表示部92の操作画面200Aに表示される給紙トレイ選択ボタン224のうち、リサイクル用紙トレイボタン220を強調表示するように表示部92を制御する(図7(A))。
【0052】
一方、ステップS55で制御部80は、回収トナー使用モードボタン208以外のカラーモードボタン210が選択されたか否かを判断する。例えば、制御部80は、回収トナー使用モードボタン208以外のA4トレイボタン214がユーザにより選択されたと判断した場合にはA4トレイボタン214を強調表示させる(図7(B))。また制御部80は、操作部94から供給されるA4トレイボタン214に対応した操作信号に基づいて、A4トレイボタン214に対応付けられた給紙トレイ選択情報(給紙トレイ28a)をメモリ部88から読み出して給紙部50に供給する。そしてステップS80に進む。一方、回収トナー使用モードボタン208以外のカラーモードボタン210が選択されていないと判断したときにはユーザによる操作が行われるまで待機状態となる。
【0053】
ステップS60で制御部80は、リサイクル用紙トレイボタン220以外の他の給紙トレイ選択ボタン224が選択されたか否かを判断する。これは、再生トナーを用いる場合でも、普通紙に画像を形成する場合があるからである。制御部80は、他の給紙トレイ選択ボタン224が選択されていないと判断したときにはステップS70に進み、他の給紙トレイ選択ボタン224が選択されたと判断したときにはステップS80に進む。
【0054】
ステップS70で制御部80は、ユーザにより例えば画像形成装置本体8に設けられた図示しないスタートボタンが押されたとき、回収トナー使用モードにおいてリサイクル用紙を用いた印刷を開始する。具体的には、給紙部50は、制御部80からの給紙トレイ選択情報に基づいてリサイクル用紙が収容された給紙トレイ28dから用紙Pを取り出して画像形成部10に供給する。画像形成部10は、回収カラー使用モードに対応した画像形成ユニット10Rにより、供給されたリサイクル用紙Pに画像を形成する。
【0055】
一方、ステップS80で制御部80は、ユーザにより例えば画像形成装置本体8に設けられた図示しないスタートボタンが押されたとき、回収トナー使用モードまたはこのモード以外のカラーモードにおいてリサイクル用紙以外の普通紙を用いた印刷を開始する。具体的には、例えばA4トレイボタン214が選択されている場合には、給紙部50は制御部80から供給される給紙トレイ選択情報に基づいて給紙トレイ28aを選択してA4サイズの普通紙を取り出して、この普通紙に画像を形成する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置100は、ユーザが回収トナー使用モードを選択すると、自動的にリサイクル用紙が収容される給紙トレイ28dを選択するように構成されている。これにより、回収トナー使用モードが選択されたときには必ずリサイクル用紙が収容された給紙トレイ28dが選択されるので、ユーザが誤ってリサイクル用紙以外の、例えば普通紙が収容された給紙トレイ28a〜28cを選択してしまうことを防止できる。その結果、印刷のやり直し等による普通紙やトナー等の無駄を削減でき、用紙やトナーの低コスト化を図ることができると共に環境保全も同時に図ることができる。
【0057】
また本実施の形態によれば、回収トナー使用モードを選択した場合であっても、リサイクル用紙トレイボタン220以外の給紙トレイ選択ボタン224を選択することでリサイクル用紙以外の普通紙を用いることができる。これにより、使用状況に応じて用紙を自由に選択できる。例えば回収トナー使用モードを実行する際にリサイクル用紙が不足してしまった場合でも、普通紙により代用することが可能となる。
【0058】
[第2の実施の形態]
以下、図面を参照しながら、この発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置100について説明をする。本実施の形態は、リサイクル用紙が収容された給紙トレイ28dを自動的に選択する方法が第1の実施の形態と異なっている。なお、上述した第1の実施の形態で説明した画像形成装置100と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0059】
図8(A)および図8(B)は、この発明の第2の実施の形態に係る操作画面200Bの構成および動作の一例を示す図である。制御部80は、回収トナー使用モードが選択されたときにリサイクル用紙を収容する給紙トレイ28dからリサイクル用紙を取り出すように給紙部50を制御するためのリサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260を表示部92の操作画面200Bに表示させる(図8(A)参照)。
【0060】
ユーザによりカラーモードの選択に先立ってリサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260が選択されると、図8(A)に示すように、制御部80は操作画面200Bのリサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260を強調表示させる。続けて、操作画面200Bにおいて回収トナー使用モードボタン208が選択されると(図8(B))、制御部80はリサイクル用紙を収容する給紙トレイ28dを選択するように給紙部50を制御する。このとき、制御部80は、図8(B)に示すように、リサイクル用紙トレイボタン220を強調表示させる。
【0061】
本例では、リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260がユーザにより選択された後に、回収トナー使用モードが選択された場合、他の給紙トレイ選択ボタン224が選択できないように制御される。そのため、リサイクル用紙トレイボタン220以外の他の給紙トレイ選択ボタン224を選択したい場合には、再度リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260を押して選択を解除する必要がある。
【0062】
一方、リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260が選択されていない場合には、制御部80は回収トナー使用モードが選択されたときでもリサイクル用紙が収容された給紙トレイ28dを選択しないように通常の制御を行う。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260を選択した場合には、回収トナー使用モードが選択されたときにリサイクル用紙を収容する給紙トレイ28dが必ず選択されることになるので、ユーザの操作ミスによる無駄なやり直し印刷等を回避することができる。一方、リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン260を再度押して解除することで、他の給紙トレイ選択ボタン224の選択が可能となるので、使用状況に応じて用紙を自由に選択することができる。
【0064】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0065】
例えば、上記実施の形態では、ユーザは画像形成装置100に設けられた操作表示部90から入力操作を行っていたが、これに限定されることはなく、例えば、画像形成装置100にLAN(Local Area Network)等を介して接続されたコンピュータの画面上から上述したカラーモード等の選択操作を行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
この発明は、回収トナーやリサイクル用紙を用いる画像形成装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置の内部構成例を示す図である。
【図3】画像形成装置のブロック構成例を示す図である。
【図4】表示部に表示される操作画面の構成例を示す図である。
【図5】画像形成装置の回収トナー使用モード時の動作例を示すフローチャートである。
【図6】表示部に表示される操作画面(その1)の構成例を示す図である。
【図7】表示部に表示される操作画面(その2)の構成例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る表示部に表示される操作画面の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
11Y,11M,11C,11K,11R…感光体
28・・・給紙トレイ
50・・・給紙部
80・・・制御部
90・・・操作表示部
92・・・表示部
94・・・操作部
100・・・画像形成装置
200A,200B・・・操作画面
202・・・フルカラーモードボタン
204・・・ブラックカラーモードボタン
206・・・単色カラーモードボタン
208・・・回収トナー使用モードボタン
210・・・カラーモードボタン
212・・・トレイ自動選択ボタン
214・・・A4トレイボタン
216・・・B4トレイボタン
218・・・A3トレイボタン
220・・・リサイクル用紙トレイボタン
222・・・手差しトレイボタン
224・・・給紙トレイ選択ボタン
260・・・リサイクル用紙トレイ自動選択ボタン
P・・・用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上から回収した2色以上のトナーを用いて画像を形成する回収トナー使用モードを含む複数のカラーモードと、リサイクル用紙を収容する給紙トレイを含む複数の給紙トレイとを備える画像形成装置であって、
画像形成部と、
前記複数のカラーモードおよび前記複数の給紙トレイから何れかのカラーモードおよび給紙トレイを選択するための操作部と、
前記操作部により選択された前記給紙トレイから用紙を取り出して前記画像形成部に搬送する給紙部と、
前記操作部により前記カラーモードのうち前記回収トナー使用モードが選択されたとき、前記リサイクル用紙が収容された前記給紙トレイを選択するように前記給紙部を制御する制御部とを備え、
前記回収トナー使用モードにおいては、前記給紙部から搬送された前記リサイクル用紙に前記回収トナーを有する前記画像形成部により画像を形成する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記回収トナー使用モードが選択された後に、前記リサイクル用紙を収容する前記給紙トレイ以外の前記給紙トレイが前記操作部により選択されたとき、当該選択された前記給紙トレイを選択するように前記給紙部を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カラーモードに対応した複数の操作ボタンを表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、
前記回収トナー使用モードが選択されたときに、前記リサイクル用紙を収容する前記給紙トレイから前記リサイクル用紙を取り出すように選択するための給紙トレイ自動選択ボタンを前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−282336(P2009−282336A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134769(P2008−134769)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】