説明

画像形成装置

【課題】現像器が寿命に達したか否かを精度よく判断することができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】残量算出部24により、現像筐体内の現像剤の残量が算出される。劣化度テーブル22には、現像筐体内の現像剤の残量と現像動作による現像剤の劣化度との関係が記憶されている。そして、残量算出部24により算出される残量および劣化度テーブル22に記憶されている関係に基づいて、寿命判断部27により、現像カートリッジが寿命に達したか否かが判断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光ドラムに対向して、現像ローラが設けられている。感光ドラムの表面には、用紙に形成すべき画像に応じた静電潜像が形成される。現像ローラは、トナーを収容した現像筐体に回転可能に保持されている。また、現像ローラには、現像バイアスが印加されている。感光ドラムの回転により、感光ドラムの表面の静電潜像が現像ローラに対向すると、感光ドラムと現像ローラとの間の電位差により、現像ローラから静電潜像にトナーが供給される。これにより、静電潜像がトナー像に現像され、感光ドラムにトナー像が形成される。トナー像は、感光ドラムの表面から直接または中間転写ベルトを介して用紙に転写される。
【0003】
トナー像の形成回数が増えるにつれて、現像ローラに担持されるトナーが劣化(帯電量の低下)する。その結果、現像ローラから感光ドラムの表面に転移するトナー量が変動し、用紙に形成される画像(トナー像)の濃度が適正な濃度からずれることがある。そのため、画像形成装置では、適当なタイミングで、適正な濃度のトナー像が形成されるように現像バイアスの値が補正される。
【0004】
トナーが著しく劣化した状態になるまでは、現像バイアスの値の補正により、用紙に形成される画像の濃度をある程度一定に維持することができる。しかしながら、トナーが著しく劣化した状態になると、もはや現像バイアスの調整では、記録媒体に適正な濃度の画像を形成することができない。それだけでなく、記録媒体の白地部分(画像が形成される部分ではない部分)にトナーが付着する、いわゆる印字かぶりを生じるおそれがある。また、トナーが著しく劣化した状態で現像動作が行われると、現像筐体からのトナーの漏れを生じるおそれがある。したがって、トナーが著しく劣化した状態になると、現像筐体および現像筐体からなる現像器は寿命に達しており、その現像器は新品のものと交換されるべきである。
【0005】
一方、画像形成装置には、現像筐体内のトナーの残量が所定量以下になると、トナーエンプティであると判断して、それ以後の記録媒体への画像の形成を禁止し、現像器を交換すべき旨を報知するものがある。トナーの残量と劣化量とが対応していれば、トナーが著しく劣化した状態になる前に記録媒体への画像の形成が禁止され、使用者に現像器の交換を促すことができる。
【0006】
しかしながら、現像筐体内のトナーの残量と劣化量とは必ずしも対応せず、現像筐体内にトナーが所定量よりも多く残っている状態であっても、そのトナーが著しく劣化し、現像器が寿命に達している場合がある。
【特許文献1】特開2004−177928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、現像器が寿命に達したか否かを精度よく判断することができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、現像剤像からなる画像を記録媒体に形成するための画像形成装置であって、静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像剤像に現像するための現像剤を収容し、当該現像剤を担持して前記像担持体に供給する現像剤担持体を保持する現像器と、前記現像筐体内の現像剤の残量を算出する残量算出手段と、前記現像筐体内の現像剤の残量と現像動作による現像剤の劣化度との関係を記憶する劣化度記憶手段と、前記残量算出手段により算出される残量および前記劣化度記憶手段に記憶されている前記関係に基づいて、前記現像器が寿命に達したか否かを判断する寿命判断手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、残量算出手段により、現像筐体内の現像剤の残量が算出される。劣化度記憶手段には、現像筐体内の現像剤の残量と現像動作による現像剤の劣化度との関係が記憶されている。そして、残量算出手段により算出される残量および劣化度記憶手段に記憶されている関係に基づいて、寿命判断手段により、現像器が寿命に達したか否かが判断される。
【0010】
1回の現像動作による現像剤の劣化度は、現像筐体内の現像剤の残量に依存する。すなわち、現像剤の劣化は、現像筐体内の現像剤の残量が相対的に多い状態で現像動作が行われたときよりも、残量が相対的に少ない状態で現像動作が行われたときの方が大きく進む。そのため、現像剤の新品状態からの劣化量は、現像剤の残量と正比例せず、現像剤の残量の減少に対して反比例的に増加する。
【0011】
図10は、印字枚数(画像形成枚数)と現像剤の帯電量との関係を示すグラフである。
【0012】
印字デューティ(印字可能領域の面積に対する印字部分(有色部分)の面積の比)が1%、4%、7%および10%で印字(画像形成)を行い、各印字時の現像剤(トナー)の帯電量を調べた。図10に示すグラフは、そのときの結果を表している。
【0013】
1%、4%、7%および10%のいずれの印字デューティで印字を行った場合にも、その初期時(0〜500枚程度まで)は、印字枚数の増加に伴って、現像剤の帯電量が約30μC/mmから約45μC/mmまでほぼ単調に増加する。その後は、印字デューティ1%で印字を行った場合には、印字枚数が増加しても、現像剤の帯電量は約45μC/mm前後でほぼ変わらない。これに対し、印字デューティ4%で印字を行った場合には、印字枚数の増加に伴って、現像剤の帯電量が徐々に低下し、8000枚目の印字時には、現像剤の帯電量が約27μC/mmまで低下する。また、印字デューティ7%で印字を行った場合には、印字枚数の増加に伴って、現像剤の帯電量が印字デューティ4%の場合よりも大きく低下し、6500枚目の印字時には、現像剤の帯電量が約16μC/mmにまで低下する。さらに、印字デューティ10%で印字を行った場合には、印字枚数の増加に伴って、現像剤の帯電量が印字デューティ7%の場合よりもさらに大きく低下し、5000枚目の印字時に、現像剤の帯電量が約20μC/mm以下に低下する。
【0014】
印字枚数はトナー消費量にほぼ対応し、現像剤の帯電量は劣化量であるので、図10に示すグラフから、印字態様(印字デューティ)によって、現像剤の劣化量の変化が異なることが理解される。
【0015】
現像筐体内の現像剤の残量と現像動作による現像剤の劣化度との関係が劣化度記憶手段に記憶されているので、その関係に基づいて、各現像動作による現像剤の劣化度を精度よく求めることができる。そして、その求めた劣化度に基づいて、現像筐体内の現像剤の新品状態からの劣化量を求め、その劣化量から現像器が寿命に達したか否かを精度よく判断することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記残量算出手段は、所定のタイミングごとに残量を算出し、前記寿命判断手段は、前記残量算出手段により残量が算出されるごとに前記現像器が寿命に達したか否かを判断することを特徴としている。
【0017】
この構成によれば、所定のタイミングごとに、残量算出手段により、現像筐体内の現像剤の残量が算出される。そして、その残量が算出されるごとに、寿命判断手段により、現像器が寿命に達したか否かが判断される。すなわち、所定のタイミングごとに、現像器が寿命に達したか否かが判断される。よって、現像器が寿命に達すると即座に、現像器が寿命に達したと判断することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記残量算出手段は、1つの記録媒体に対する画像の形成のための現像動作ごとに残量を算出することを特徴としている。
【0019】
この構成によれば、現像動作ごとに、現像器が寿命に達したか否かが判断される。よって、現像器が寿命に達するとタイムラグを生じることなく、現像器が寿命に達したと判断することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、記録媒体に形成される画像のドット数を計数するドット計数手段をさらに備え、前記残量算出手段は、前記ドット計数手段の計数値に基づいて、前記現像筐体内の現像剤の残量を算出することを特徴としている。
【0021】
この構成によれば、画像形成装置には、記録媒体に形成される画像のドット数(像担持体に形成される静電潜像のドット数)を計数するドット計数手段が備えられている。記録媒体への画像の形成に使用される現像剤の量は、その画像のドット数にほぼ比例する。したがって、画像のドット数を計数することにより、その画像の形成に使用される現像剤の量を算出することができる。そして、その算出した現像剤の量を画像形成前における現像筐体内の現像剤の残量から減ずることにより、画像形成後における現像筐体内の現像剤の残量を算出することができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記残量算出手段により残量が算出されるごとに、前記劣化度記憶手段に記憶されている関係に基づいて劣化度を求め、その求めた劣化度を積算することにより、現像剤の劣化量を算出する劣化量算出手段をさらに備え、前記寿命判断手段は、前記劣化量算出手段により算出される劣化量が所定の閾値に達した時点で、前記現像器が寿命に達したと判断することを特徴としている。
【0023】
この構成によれば、現像筐体内の現像剤の残量が算出されるごとに、劣化量算出手段により、現像剤の劣化度(前回に現像剤の劣化度を求めた時からの現像剤の劣化量)が求められる。そして、現像剤の劣化度が積算されることにより、現像剤の新品状態からの劣化量が求められ、この劣化量が所定の閾値に達すると、現像器が寿命に達したと判断される。このように、現像剤の劣化量と閾値との比較により、現像器が寿命に達したか否かを容易に判断することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記寿命判断手段により前記現像器が寿命に達したと判断された場合、それ以後の現像動作を禁止する現像動作禁止手段をさらに備えることを特徴としている。
【0025】
この構成によれば、現像器が寿命に達すると、それ以後現像動作が禁止されるので、現像剤が著しく劣化した状態で、記録媒体に画像が形成されることを防止できる。その結果、印字かぶりの発生を防止することができる。また、現像器からの現像剤の漏れの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、各現像動作による現像剤の劣化度を精度よく求めることができる。そして、その求めた劣化度に基づいて、現像筐体内の現像剤の新品状態からの劣化量を求め、その劣化量から現像器が寿命に達したか否かを精度よく判断することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、現像器が寿命に達すると即座に、現像器が寿命に達したと判断することができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、現像器が寿命に達するとタイムラグを生じることなく、現像器が寿命に達したと判断することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、画像のドット数を計数することにより、その画像の形成に使用される現像剤の量を算出することができ、その算出した現像剤の量を画像形成前における現像筐体内の現像剤の残量から減ずることにより、画像形成後における現像筐体内の現像剤の残量を算出することができる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、現像器が寿命に達したか否かを容易に判断することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、印字かぶりの発生を防止することができる。また、現像器からの現像剤の漏れの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
1.プリンタの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの側断面図である。
【0033】
画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内の中央部には、プロセスカートリッジ3が着脱可能に装着される。本体ケーシング2内において、プロセスカートリッジ3の上方には、レーザなどを備える露光器4が配置されている。
【0034】
プロセスカートリッジ3は、像担持体の一例としての感光ドラム5、帯電器6および現像器の一例としての現像カートリッジ7を備えている。感光ドラム5および帯電器6は、ドラムフレーム8に保持されている。現像カートリッジ7は、現像剤を収容する現像筐体9と、現像筐体9に保持された現像剤担持体の一例としての現像ローラ10とを備えている。現像ローラ10は、その周面の一部が現像筐体9から露出している。そして、現像カートリッジ7は、現像ローラ10の周面の一部が感光ドラム5の周面と接触するように、ドラムフレーム8に対して着脱可能に装着される。
【0035】
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、帯電器6によって一様に帯電される。その後、プリンタ1に接続されたパーソナルコンピュータなどから受信する画像データに基づいて、露光器4からのレーザビームにより、感光ドラム5の表面が選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。現像ローラ10には、現像バイアスが印加されている。静電潜像が現像ローラ10に対向すると、静電潜像と現像ローラ10との間の電位差により、現像ローラ10から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される(現像動作)。
【0036】
本体ケーシング2の底部には、記録媒体の一例としての用紙Pを収容する給紙カセット11が配置されている。用紙Pは、1枚ずつ、給紙カセット11から送り出され、感光ドラム5とこれに対向配置される転写ローラ12との間に供給される。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、転写ローラ12と対向したときに、感光ドラム5と転写ローラ12との間に進入した用紙Pに転写される。
【0037】
プロセスカートリッジ3に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器13が配置されている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器13に搬送される。定着器13では、加熱および加圧により、トナー像が画像となって用紙Pに定着される。こうして画像が形成された用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ14に排出される。
2.プリンタの電気的構成
図2は、プリンタの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【0038】
プリンタ1は、各部を制御するための制御部21を備えている。制御部21は、ハードウェア構成として、CPU、RAM、ROMおよびEEPROMなどを備えている。ROMには、現像筐体9内のトナーの残量と現像動作によるトナーの劣化度との関係を記憶する劣化度記憶手段の一例としての劣化度テーブル22が格納されている。
【0039】
また、プリンタ1には、CPUによるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される構成として、ドット計数手段の一例としてのドットカウンタ23、残量算出手段の一例としての残量算出部24、劣化量算出手段の一例としての劣化量算出部25、現像バイアス設定部26、寿命判断手段の一例としての寿命判断部27および現像動作禁止手段の一例としての動作禁止部28を実質的に備えている。
【0040】
ドットカウンタ23は、1枚の用紙Pに形成される画像を構成するドット数を計数する。具体的には、プリンタ1が外部から画像データを受信すると、その画像データがRAMからなるビットマップメモリに展開される。ドットカウンタ23は、ビットマップメモリに展開された画像データから有色のドットの数を計数する。
【0041】
1枚の用紙Pへの画像の形成に使用されるトナーの量(消費量)は、その画像のドット数にほぼ比例する。残量算出部24は、ドットカウンタ23により計数されるドット数に基づいて、1枚の用紙Pへの画像の形成に使用されるトナーの消費量を算出する。そして、残量算出部24は、その算出した消費量を画像形成前における現像筐体9内のトナー量から減ずることにより、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量を算出する。現像筐体9内のトナーの残量は、制御部21に備えられているEEPROMに記憶される。
【0042】
劣化量算出部25は、残量算出部24によりトナーの残量が算出されるごとに、劣化度テーブル22を参照して、1枚の用紙Pへの画像の形成のための現像動作(現像ローラ10の1回転)によるトナーの劣化度を求める。そして、EEPROMを使用し、その求めた劣化度を積算することにより、現像筐体9に収容されているトナーの新品状態からの劣化量(劣化度の積算値)を算出する。
【0043】
現像バイアス設定部26は、現像ローラ10に供給される現像バイアスを劣化量算出部25により算出される劣化量に応じた値に設定する。
【0044】
寿命判断部27は、劣化量算出部25により算出される劣化量と所定の閾値とを比較し、劣化量が閾値に達した時点で、現像カートリッジ7が寿命に達したと判断する。
【0045】
動作禁止部28は、寿命判断部27により現像カートリッジ7が寿命に達したと判断されると、それ以後の現像動作を含む画像の形成のための動作を禁止する。
【0046】
また、プリンタ1には、現像ローラ10に現像バイアスを供給する現像バイアス供給手段の一例としての現像バイアス回路29が備えられている。現像バイアス回路29は、現像バイアス設定部26により設定される現像バイアスの値に基づいて制御される。この制御により、現像バイアス回路29から現像ローラ10に現像バイアス設定部26により設定された値の現像バイアスが供給される。
3.劣化度テーブル
図3は、劣化度テーブルの一例を示す図である。
【0047】
劣化度テーブル22は、現像筐体9内のトナーの残量と各残量の状態で1回の現像動作が行われたときのトナーの劣化度との関係を記憶している。このトナーの残量と劣化度との関係は、プリンタ1の製品出荷前に行われる各種の試験の結果から予め求められている。
【0048】
この実施形態では、図3に示すように、トナーの残量が20gから1gまでの範囲で1gごとに、各残量の状態で1回の現像動作が行われたときのトナーの劣化度が求められている。図3に示す劣化度テーブル22によれば、たとえば、現像筐体9内に17gのトナーが残っている状態で、1枚の用紙Pに画像が形成されたときには、現像筐体9内のトナーが「4」だけ劣化する。
4.現像バイアス設定処理
以下では、現像筐体9内に20gのトナーが充填されている状態から6枚の用紙PにAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合を想定して、現像バイアスを設定するための処理(現像バイアス設定処理)について説明する。なお、1ドットの画像の形成により、1gのトナーを消費するものとする。
【0049】
図4は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙に形成される画像のドット数を示す図である。
【0050】
図4に示すように、Aパターンでは、1〜3枚目の各用紙Pには、1ドットの画像が形成され、4〜6枚目の各用紙Pには、5ドットの画像が形成される。
【0051】
Bパターンでは、1〜3枚目の各用紙Pには、5ドットの画像が形成され、4〜6枚目の各用紙Pには、1ドットの画像が形成される。
【0052】
図5は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成の前後のトナーの残量を示す図である。図6は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成によるトナーの劣化度を示す図である。図7は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成後のトナーの劣化量を示す図である。図8は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成時における現像バイアスを示す図である。
4−1.Aパターン
まず、6枚の用紙PにAパターンで画像を形成した場合について説明する。
【0053】
(1) 1枚目の用紙Pへの画像の形成時には、現像バイアス設定部26により、EEPROMに記憶されている劣化量が参照されて、現像バイアスがその劣化量に応じた値に設定される。このとき、劣化量は零であるので、図8に示すように、現像バイアスの値が400Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である20gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である19gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、1枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、20gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「1」と求められる。この劣化度「1」は、図7に示すように、劣化量としてEEPROMに記憶される。
【0054】
(2) 2枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「1」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が399Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である19gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である18gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、2枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、19gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「2」と求められる。この劣化度「2」は、EEPROMに記憶されている劣化量「1」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「3」となる。
【0055】
(3) 3枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「3」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が397Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である18gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である17gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、3枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、18gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「3」と求められる。この劣化度「3」は、EEPROMに記憶されている劣化量「3」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「6」となる。
【0056】
(4) 4枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「6」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が394Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である17gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である12gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、4枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、17gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「4」と求められる。この劣化度「4」は、EEPROMに記憶されている劣化量「6」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「10」となる。
【0057】
(5) 5枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「10」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が390Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である12gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である7gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、5枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、12gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「9」と求められる。この劣化度「9」は、EEPROMに記憶されている劣化量「10」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「19」となる。
【0058】
(6) 6枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「19」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が381Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である7gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である2gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、6枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、7gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「14」と求められる。この劣化度「9」は、EEPROMに記憶されている劣化量「19」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「33」となる。
【0059】
なお、7枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「33」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が367Vに設定される。
4−2.Bパターン
次に、6枚の用紙PにBパターンで画像を形成した場合について説明する。
【0060】
(1) 1枚目の用紙Pへの画像の形成時には、EEPROMに記憶されている劣化量は零であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が400Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である20gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である15gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、1枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、20gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「1」と求められる。この劣化度「1」は、図7に示すように、劣化量としてEEPROMに記憶される。
【0061】
(2) 2枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「1」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が399Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である15gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である10gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、2枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、15gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「6」と求められる。この劣化度「6」は、EEPROMに記憶されている劣化量「1」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「7」となる。
【0062】
(3) 3枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「7」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が393Vに設定される。そして、図4に示すように、5ドットの画像が用紙Pに形成される。5ドットの画像の形成により、5gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である10gから5gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である5gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、3枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、10gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「11」と求められる。この劣化度「11」は、EEPROMに記憶されている劣化量「7」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「18」となる。
【0063】
(4) 4枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「18」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が382Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である5gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である4gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、4枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、5gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「16」と求められる。この劣化度「16」は、EEPROMに記憶されている劣化量「18」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「34」となる。
【0064】
(5) 5枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「34」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が366Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である4gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である3gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、5枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、4gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「17」と求められる。この劣化度「9」は、EEPROMに記憶されている劣化量「34」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「51」となる。
【0065】
(6) 6枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「51」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が349Vに設定される。そして、図4に示すように、1ドットの画像が用紙Pに形成される。1ドットの画像の形成により、1gのトナーが消費される。残量算出部24では、図5に示すように、画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量である3gから1gが減算され、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量である2gが算出される。その後、劣化量算出部25により、劣化度テーブル22が参照されて、6枚目の用紙Pへの画像の形成によるトナーの劣化度が求められる。すなわち、3gのトナーが残っている状態で画像が形成されたので、図6に示すように、このときのトナーの劣化度は「18」と求められる。この劣化度「9」は、EEPROMに記憶されている劣化量「51」に加算される。その結果、図7に示すように、トナーの劣化量は「69」となる。
【0066】
なお、7枚目の用紙Pへの画像の形成時には、劣化量が「69」であるので、現像バイアス設定部26により、図8に示すように、現像バイアスの値が331Vに設定される。
4−3.作用効果
6枚の用紙PにAパターンで画像を形成した場合と、6枚の用紙PにBパターンで画像を形成した場合とを比較して判るように、6枚の用紙Pに画像を形成した後のトナーの残量が同じであっても、6枚の用紙Pに画像を形成した後のトナーの劣化量は同じとは限らない。したがって、画像形成枚数(現像ローラ10の回転数)の増加に伴って、現像バイアスの値を単調に減少させたのでは、現像バイアスを最適値に設定することはできず、用紙Pに適正な濃度のトナー像を形成することはできない。
【0067】
プリンタ1では、現像筐体9内のトナーの残量と現像動作によるトナーの劣化度との関係が劣化度テーブル22に記憶されているので、その関係に基づいて、各現像動作によるトナーの劣化度を精度よく求めることができる。そして、その求めた劣化度に基づいて、現像筐体9内のトナーの新品状態からの劣化量を求めることにより、パッチを利用せずに、現像バイアスをトナーの劣化量に応じた最適値に設定することができる。
【0068】
具体的には、ドットカウンタ23により、用紙Pに形成される画像のドット数が計数される。そして、残量算出部24により、ドット数から画像の形成に使用されるトナーの量が算出され、その算出したトナーの量を画像形成前における現像筐体9内のトナーの残量から減ずることにより、画像形成後における現像筐体9内のトナーの残量が算出される。現像筐体9内のトナーの残量が算出されるごとに、劣化量算出部25により、トナーの劣化度(前回にトナーの劣化度を求めた時からのトナーの劣化量)が求められる。こうして求められるトナーの劣化度が積算されることにより、トナーの新品状態からの劣化量が求められる。そして、現像バイアス設定部26により、現像バイアスがトナーの劣化量に応じた最適値に設定される。
【0069】
その結果、トナーの劣化量にかかわらず、適正な濃度の画像(トナー像)を用紙Pに形成することができる。
【0070】
また、プリンタ1では、1枚の用紙Pに画像が形成されるごと、つまり1回の現像動作ごとに、現像バイアスがトナーの劣化量に応じた最適値に設定される。よって、用紙Pに形成される画像の濃度を適正な濃度に精度よく維持し続けることができる。
【0071】
なお、現像バイアスの値は、所定枚数(複数枚)の用紙Pに画像が形成されるごとに設定されてもよい。この場合、制御部21(CPU)の負荷を軽減することができる。
5.寿命判断処理
図9は、寿命判断処理のフローチャートである。
【0072】
寿命判断処理は、図2に示す劣化量算出部25によりトナーの劣化量が算出されたことに応答して、図2に示す寿命判断部27および動作禁止部28により実行される。
【0073】
寿命判断処理では、寿命判断部27により、トナーの劣化量が所定の閾値以上であるか否かが判断される(S1)。
【0074】
劣化量が閾値以上であれば(S1:YES)、現像カートリッジ7が寿命に達したと判断される(S2)。この場合、動作禁止部28により、それ以後の現像動作を含む画像の形成のための一切の動作が禁止される(S3)。
【0075】
劣化量が閾値未満であれば(S1:NO)、現像カートリッジ7は寿命に達していないと判断され(S4)、この寿命判断処理が終了される。
5−1.作用効果
トナーの劣化量が所定の閾値を超えるまでは、現像バイアスをトナーの劣化量に応じた最適値に設定することにより、用紙Pに形成される画像の濃度を適正にすることができる。しかしながら、トナーの劣化量が所定の閾値を超え、トナーが著しく劣化した状態になると、もはや現像バイアスの調整では、用紙Pに適正な濃度の画像を形成することができない。それだけでなく、用紙Pの白地部分(画像が形成される部分ではない部分)にトナーが付着する、いわゆる印字かぶりを生じるおそれがある。また、トナーが著しく劣化した状態で現像動作が行われると、現像筐体9からのトナーの漏れを生じるおそれがある。
【0076】
プリンタ1では、劣化量算出部25によりトナーの劣化量が精度よく算出されるので、その劣化量から現像カートリッジ7が寿命に達したか否かを精度よく判断することができる。
【0077】
そして、トナーの劣化量が所定の閾値を超えると、その後の現像動作が禁止されるので、トナーが著しく劣化した状態で、用紙Pに画像が形成されることを防止できる。その結果、印字かぶりの発生を防止することができる。また、現像筐体9からのトナーの漏れの発生を防止することができる。
6.他の実施形態
本発明は、モノクロプリンタに限らず、カラープリンタに適用することもできる。カラープリンタでは、ブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの各色ごとに、感光ドラム5および現像ローラ10が備えられる。したがって、各色ごとに、劣化度テーブル22が設けられ、これに基づいて、トナーの劣化度および劣化量が算出されて、現像バイアスがその算出された劣化量に応じた値に設定されるとよい。その場合、各色の劣化度テーブルは、同一であってもよいし、各色のトナーの性質に応じて異なるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの側断面図である。
【図2】図2は、プリンタの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【図3】図3は、劣化度テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙に形成される画像のドット数を示す図である。
【図5】図5は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成の前後のトナーの残量を示す図である。
【図6】図6は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成によるトナーの劣化度を示す図である。
【図7】図7は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成後のトナーの劣化量を示す図である。
【図8】図8は、6枚の用紙にAパターンおよびBパターンで画像を形成した場合に、各用紙への画像の形成時における現像バイアスを示す図である。
【図9】図9は、寿命判断処理のフローチャートである。
【図10】図10は、印字枚数(画像形成枚数)と現像剤の帯電量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0079】
1 プリンタ
5 感光ドラム
7 現像カートリッジ
9 現像筐体
10 現像ローラ
21 制御部
22 劣化度テーブル
23 ドットカウンタ
24 残量算出部
25 劣化量算出部
27 寿命判断部
28 動作禁止部
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像からなる画像を記録媒体に形成するための画像形成装置であって、
静電潜像が形成される像担持体と、
前記静電潜像を現像剤像に現像するための現像剤を収容し、当該現像剤を担持して前記像担持体に供給する現像剤担持体を保持する現像器と、
前記現像筐体内の現像剤の残量を算出する残量算出手段と、
前記現像筐体内の現像剤の残量と現像動作による現像剤の劣化度との関係を記憶する劣化度記憶手段と、
前記残量算出手段により算出される残量および前記劣化度記憶手段に記憶されている前記関係に基づいて、前記現像器が寿命に達したか否かを判断する寿命判断手段とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記残量算出手段は、所定のタイミングごとに残量を算出し、
前記寿命判断手段は、前記残量算出手段により残量が算出されるごとに前記現像器が寿命に達したか否かを判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記残量算出手段は、1つの記録媒体に対する画像の形成のための現像動作ごとに残量を算出する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体に形成される画像のドット数を計数するドット計数手段をさらに備え、
前記残量算出手段は、前記ドット計数手段の計数値に基づいて、前記現像筐体内の現像剤の残量を算出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記残量算出手段により残量が算出されるごとに、前記劣化度記憶手段に記憶されている関係に基づいて劣化度を求め、その求めた劣化度を積算することにより、現像剤の劣化量を算出する劣化量算出手段をさらに備え、
前記寿命判断手段は、前記劣化量算出手段により算出される劣化量が所定の閾値に達した時点で、前記現像器が寿命に達したと判断する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記寿命判断手段により前記現像器が寿命に達したと判断された場合、それ以後の現像動作を禁止する現像動作禁止手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−156792(P2010−156792A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334381(P2008−334381)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】