説明

画像形成装置

【課題】 本発明の画像形成装置は、複数の印刷データを受信した場合、現在印刷中の印刷データの印刷条件を基準として、同じ印刷条件又は近似した印刷条件の印刷データを最適条件で選択することにより複数の印刷データの印刷順を決定することができる画像形成装置の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明の画像形成装置は、外部装置から受信した印刷データに基づいて前記印刷データ毎に設定された画像形成条件に従い画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成条件に基づいて複数の前記印刷データの印刷順を制御する制御手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置から入力された複数の印刷データに応じて、所定の画像形成条件を制御することにより、記録媒体に印刷して出力する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、及び電子写真カラー記録装置等の画像形成装置において、外部装置から入力された複数の印刷データを、受信された印刷データの順に記録媒体に印刷して出力するものがある。
【0003】
また、複数のユーザが印刷指示した複数の印刷データを印刷装置で仕分けて排出することにより、ユーザが自己が印刷指示した記録媒体を探す手間を省くことができる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2007-017493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の構成では、複数の印刷データの印刷条件が異なる場合、印刷データ毎に印刷装置内で印刷条件を変更する必要があり、複数の印刷データの全てを印刷するのに時間が掛かるという問題があった。すなわち、印刷条件を考慮せずに一律で受信順に印刷動作を行うことは、効率的でない場合があった。
【0006】
そこで、本発明は前述の技術的な課題に鑑み、複数の印刷データを受信した場合、現在印刷中の印刷データの印刷条件を基準として、同じ印刷条件又は近似した印刷条件の印刷データを最適条件で選択することにより複数の印刷データの印刷順を決定することができる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決すべく、本発明に係る画像形成装置は、外部装置から受信した印刷データに基づいて前記印刷データ毎に設定された画像形成条件に従い画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成条件に基づいて複数の前記印刷データの印刷順を制御する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像形成装置によれば、画像形成装置が外部装置から印刷条件が異なる複数の印刷データを受信した場合に、印刷データ間の印刷条件の切り替え回数を最小限に抑えることができ、且つ、印刷条件の切り替えに掛かる時間も短縮できることにより、印刷合計時間を短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の画像形成装置に係る好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の画像形成装置は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の画像形成装置1は、プリンタであり、エンジン部2及び制御ユニット80から構成され、制御ユニット80は画像データを送信する外部装置90と接続している。図1に、エンジン部2、制御ユニット80、及び外部装置90の構成図を示し、図2に、エンジン部2内に設けられた画像形成部40の構成図を示す。以下、まず、エンジン部2について説明し、次に、制御ユニット80及び外部装置90について説明する。
【0011】
エンジン部2は、標準の印刷トレイ11から記録媒体4を取り出し給紙部30に供給する標準給紙ユニット部10、オプションの印刷トレイ21から記録媒体4を取り出し給紙部30に記録媒体4を供給する拡張給紙ユニット部20、標準給紙ユニット部10又は拡張給紙ユニット部20から記録媒体4を受け取り転写部50内に設けられた転写ベルト51に記録媒体4を静電吸着させる給紙部30、外部装置90からの画像情報に基づきトナー画像を形成する画像形成部40、画像形成部40で形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する転写部50、転写部50で記録媒体4に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる定着部60、及び定着部60から排出された記録媒体4を排紙トレイ75に排出する排出部70から構成される。また、用紙搬送経路3は、標準給紙ユニット部10、拡張給紙ユニット部20、給紙部30、画像形成部40、転写部50、定着部60、及び排出部70内において記録媒体4が搬送される略S字状の経路である。以下、用紙搬送経路3に配設された各構成部材について図1及び図2を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
標準給紙ユニット部10は、標準の印刷トレイ11から記録媒体4を取り出し給紙部30に記録媒体4を供給する。また、標準給紙ユニット部10は、印刷トレイ11、ピックアップローラ12、リタードローラ13、及びフィードローラ14から構成される。以下、標準給紙ユニット部10を構成する各構成部材について説明する。印刷トレイ11は、複数枚の記録媒体4を収容しておき、印刷動作が開始されると記録媒体4を給紙部30に供給するためのものであり、画像形成装置1から脱着可能なように構成されている。また、印刷トレイ11に収容する記録媒体4は、モノクロ又はカラーの画像情報を印刷させるための所定寸法の記録用紙であり、一般的には、再生紙、光沢紙、及び上質紙のような紙、若しくはOHPフィルムを用いる。また、ピックアップローラ12は、印刷トレイ11に収納した記録媒体4に対して圧接させた状態で図示せぬ駆動モータによって回転させることにより、印刷トレイ11内から当接した記録媒体4を引き出し、フィードローラ14及びリタードローラ13に搬送する。また、給紙ローラであるフィードローラ14及び分離ローラであるリタードローラ13は、ピックアップローラ12から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設される。なお、フィードローラ14を回転させて、記録媒体4を1枚ずつ分離して給紙部30に供給する。
【0013】
拡張給紙ユニット部20は、オプションの印刷トレイ21から記録媒体4を取り出し給紙部30に記録媒体4を供給する。また、拡張給紙ユニット部20は、印刷トレイ21、ピックアップローラ22、リタードローラ23、及びフィードローラ24から構成される。なお、拡張給紙ユニット部20を構成する各構成部材の構造は、標準給紙ユニット部10を構成する各構成部材の構造と同様であるため、説明を省略する。
【0014】
給紙部30は、標準給紙ユニット部10又は拡張給紙ユニット部20から記録媒体4を受け取り転写部50に設けられた転写ベルト51に記録媒体4を静電吸着させる。また、給紙部30は、プレッシャローラ31、レジストローラ32、プレッシャローラ33、及びレジストローラ34から構成される。以下、給紙部30を構成する各構成部材について説明する。プレッシャローラ31及びレジストローラ32は、標準給紙ユニット部10又は拡張給紙ユニット部20から受け取った記録媒体4を挟むように対向して配設され、レジストローラ32で加圧したプレッシャローラ31を回転させることで、記録媒体4の斜行取り等を行いながらプレッシャローラ33及びレジストローラ34に搬送する。また、プレッシャローラ33及びレジストローラ34は、プレッシャローラ31及びレジストローラ32から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、レジストローラ34で加圧したプレッシャローラ33を回転させることで、記録媒体4の斜行取り等を行いながら転写部50内に設けられた転写ベルト51に記録媒体4を静電吸着させる
【0015】
画像形成部40は、外部装置90から受信したブラック色、イエロー色、マゼンタ色、及びシアン色の各色に対応する画像情報に基づいてトナー画像を形成する画像形成部40K、40Y、40M、及び40Cから構成される。また、画像形成部40K、40Y、40M、及び40Cは、用紙搬送経路3における記録媒体4の搬送方向の順にそれぞれ配設されている。なお、画像形成部40K、40Y、40M、及び40Cは、互いに略同一の構成であるため、画像形成部40と称す。画像形成部40は、画像情報に基づく静電潜像を担持する感光体ドラム41と、感光体ドラム41の表面に電荷を蓄えさせる帯電ローラ42と、画像情報に対応した光を感光体ドラム41の表面に照射するエンジン部2本体に設けられた露光源43と、現像剤であるトナー44を収容するトナーカートリッジ45と、トナー44を現像ローラ47に供給するトナー供給ローラ46と、感光体ドラム41表面の静電潜像をトナー44により現像する現像ローラ47と、現像ローラ47に担持されたトナー44の厚みが均一となるように規制する現像ブレード48と、感光体ドラム41に残留したトナー44を掻き落とすクリーニングブレード49から構成される。また、画像形成部40はエンジン部2に対して着脱可能に配設されている。以下、画像形成部40を構成する各構成部材について図1に加えて図2を参照しながら具体的に説明する。
【0016】
感光体ドラム41は、現像剤像が形成される像担持体であり、画像情報に基づく静電潜像を担持するために表面に電荷を蓄えることが可能なように構成されている。なお、感光体ドラム41は、円筒形状部から成り、回転可能なように設けられている。この様な感光体ドラム41は、アルミニウム等から成る導電性基層に光導電層と電荷輸送層からなる感光層を形成している。また、帯電ローラ42は、図示せぬ電源を用いて感光体ドラム41の表面に所定の正電圧又は負電圧を印加することにより、感光体ドラム41の表面に対して一様に電荷を蓄えさせるためのものである。帯電ローラ42は、一定の圧力で感光体ドラム41の表面に接触しながら回転可能なように設けられている。この様な帯電ローラ42は、導電性の金属シャフトにシリコーン等の半導電性ゴムを被覆することで構成されている。また、露光源43は、画像情報に対応した光を感光体ドラム41の表面に照射して感光ドラム11の表面に静電潜像を形成することが可能なように構成されており、感光体ドラム41の上方に位置するようにエンジン部2本体に設けられる。この様な露光源43は、例えば、複数のLED素子、レンズアレイ、及びLED駆動素子を組み合わせたものから構成されている。また、トナーカートリッジ45は、現像剤であるトナー44を収容する収容器であり、トナー供給ローラ46の上方に装着される。なお、トナーカートリッジ45は、例えば側面部が略円形状で記録媒体4の搬送方向と垂直方向に長い矩形状部から形成される。また、トナーカートリッジ45は、印刷動作によりトナー44が消耗した時に交換するために着脱自在に構成されている。
【0017】
トナー供給ローラ46は、回転しながら現像ローラ47に当接することで、現像ローラ47にトナー44を供給できるように設けられている。この様なトナー供給ローラ46は、例えば導電性を有する金属シャフトに発泡剤が添加されたゴムを被覆することで構成されている。また、現像ローラ47は、一定の圧力で感光体ドラム41の表面に接触しながら回転可能なように構成されている。現像ローラ47は、回転しながらトナー44を感光体ドラム41に搬送し、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像をトナー44によって現像する。この様な現像ローラ47は、円筒形状部から成り、導電性を有する金属シャフトに半導電ウレタンゴム材等を被覆することで構成されている。また、現像ブレード48は、その先端部が現像ローラ47の表面に当接するように設けられ、トナー供給ローラ46から現像ローラ47の表面に供給された内、一定量を越えたトナー44を掻き取ることで、現像ローラ47の表面に形成されるトナー44の厚みを常に均一となるように規制する。この様な現像ブレード48は、ステンレス等の板状弾性部材で形成されている。また、クリーニングブレード49は、ゴム材等から成る板状部から形成され、感光体ドラム41上に形成されたトナー画像を記録媒体4に転写した後に感光体ドラム41に残留したトナー44を掻き落とすために、クリーニングブレード49の先端部を感光体ドラム41の表面に当接させるように配設する。
【0018】
転写部50は、画像形成部40で形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する。また、転写部50は、転写ベルト51、ドライブローラ52、アイドルローラ53、及び転写ローラ54から構成される。以下、転写部50を構成する各構成部材について説明する。アイドルローラ53及びドライブローラ52は、無端状に形成された転写ベルト51の両端に設けられ、後述する転写ベルト51に一定の張力を与えている。なお、アイドルローラ53及びドライブローラ52は、高摩擦抵抗から成る部材で形成され、アイドルローラ53及びドライブローラ52を図示せぬ駆動系によって回転させると、転写ベルト51が従動して駆動する。また、転写ベルト51は、記録媒体4を画像形成部40に搬送して画像情報を転写するための搬送手段であり、転写ベルト51の周面上に記録媒体4を吸着できるようにした無端状のベルトである。また、転写ローラ54は、感光体ドラム41の下方に位置し、転写ローラ54と感光体ドラム41により記録媒体4を挟むように当接した状態で回転可能に設けられている。この様な転写ローラ54には、トナー44の帯電とは逆極性のバイアス電圧が供給され、感光体ドラム41の表面に形成されたトナー画像を記録媒体4に転写する。
【0019】
定着部60は、転写部50で記録媒体4に転写されたトナー画像を溶解及び加圧して定着させる。また、定着部60は、定着ローラ61、加圧ローラ62、及び定着温度センサ63から構成される。以下、定着部60を構成する各構成部材について説明する。定着ローラ61と加圧ローラ62は転写ベルト51によって搬送された記録媒体4を挟むように対向して配設され、転写部50で記録媒体4に転写されたトナー画像を記録媒体4に定着させる。具体的には、定着ローラ61内部に配設された例えばハロゲンランプから供給される熱を用いて、記録媒体4上に弱い静電気力だけで付着しているトナー画像を溶解した上で、加圧ローラ62の加圧力によりトナー画像を記録媒体4に定着させる。なお、加圧ローラ62は定着ローラ61の回転に従動して回転する。また、印刷動作において記録媒体4の種類等を変更する場合、定着温度センサ63で測定した定着ローラ61の表面温度に基づき、定着ローラ61の表面温度を印刷条件等に対応した定着温度に制御する。具体的には、印刷条件等に対応した定着ローラ61に係る定着温度の目標値を設定した上で、定着温度センサ63で測定する定着ローラ61の表面温度に基づき、定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプの駆動電流を制御することにより、ハロゲンランプの温度を上下させて定着ローラ61の表面温度を目標の定着温度に近似させる。
【0020】
排出部70は、定着部60から排出された記録媒体4を排紙トレイ75に排出する。また、排出部70は、搬送ローラ71、搬送コロ72、排出ローラ73、排出コロ74、及び排紙トレイ75から構成される。以下、排出部70を構成する各構成部材について説明する。搬送ローラ71及び搬送コロ72は、定着部60から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、搬送ローラ71の回転に従動させて搬送コロ72を回転させることにより記録媒体4を排出ローラ73及び排出コロ74に搬送する。また、排出ローラ73及び排出コロ74は、搬送ローラ71及び搬送コロ72から搬送されてきた記録媒体4を挟むように対向して配設され、排出ローラ73の回転に従動させて排出コロ74を回転させることにより記録媒体4を排紙トレイ75に排出する。また、排紙トレイ75は、画像情報が印刷された記録媒体4を積載して収容する収納スペースである。
【0021】
次に、制御ユニット80及び外部装置90について、図1を参照しながら説明する。制御ユニット80は、メモリ部81、制御部82、表示/操作部83、及びプリンタコントローラ部84から構成されている。また、プリンタコントローラ部84は、ホストPC91及びネットワーク92から構成される外部装置90と接続している。スタンドアロンで接続されたホストパーソナルコンピュータであるホストPC91A、又は、ネットワーク92に接続されたホストパーソナルコンピュータであるホストPC91Bの外部装置90から、印刷要求に係る印刷制御コマンドを含む印刷データが、プリンタコントローラ部84に送信される。当該印刷データを受信したプリンタコントローラ部84は、印刷データに含まれる描画データを変換することによりビットマップ形式の画像信号を形成した後、当該画像信号をメモリ部81に送信する。メモリ部81は、プリンタコントローラ部84から受信した画像信号を記憶し、印刷動作を行う時にエンジン部2に印字データとして出力する。なお、メモリ部81は、印刷中に受信した印刷データを含めて複数の画像信号を記憶する容量を備えている。制御部82は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート、インタフェース等の構成部材から構成され、ROMに書き込まれたプログラムであるソフトウェアに基づいてエンジン部2に係る印刷動作を実行する。なお、制御部82は、本発明に関連した制御として、メモリ部81が印刷中に受信した複数の印刷データの画像信号をエンジン部2に出力する時に、印刷データ中に含まれる印刷制御コマンドに基づき優先する印刷データを選択して出力を行う。さらに、制御部82は、各印刷データに設定された印刷条件に応じた印刷動作が行われるようにエンジン部2に指示する。表示/操作部83は、ユーザーインタフェースであり、画像形成装置1のユーザーが各種印刷条件の設定に係る入力操作を行うことができ、且つ、待機中、印刷中、及び印刷準備中等の画像形成装置1に係る状態の表示を行う。なお、標準給紙ユニット部10及び拡張給紙ユニット部20に備えられる記録媒体4に係るサイズ、タイプ、及び厚さ等の用紙情報は表示/操作部83に予め入力する。
【0022】
次に、本実施形態の画像形成装置1の印刷動作について説明する。図3乃至図8に画像形成装置1の印刷動作に係るフローチャートを分割して示す。
【0023】
図3に示すように、ユーザが画像形成装置1の電源を投入すると、印刷データに係る受信待ちの待機状態となり、スタンドアロンで接続されたホストPC91A、又は、ネットワーク92に接続されたホストPC91Bから印刷データが送信されて、印刷データを受信した場合(Yes)には手順2に進み、印刷データを受信していない場合(No)には手順3に進み、画像形成装置1の印刷動作に係るシーケンスを開始する(S1)。次に、手順2に進んだ場合、プリンタコントローラ部84で印刷データの受信、変換、及び格納を行う(S2)。次に、プリンタコントローラ部84からメモリ部81に格納された印刷データが有る場合(Yes)には手順4に進み、格納された印刷データが無い場合(No)には手順7に進む(S3)。次に、手順4に進んだ場合、画像形成装置1が印刷動作中か否かを判断し、印刷中の印刷データが無い場合(No)には手順6に進み、印刷中の印刷データが有る場合(Yes)には手順5に進む(S4)。次に、手順5に進んだ場合、エンジン部2に次の印刷を指示できるタイミングか否かを判断し、次の印刷を指示できるタイミングで有る場合(Yes)には手順6に進み、次の印刷を指示できるタイミングでは無い場合(No)には手順7に進む。なお、次の印刷を指示できるタイミングであるか否かは、エンジン部2における印刷中の全ての描画データが記録媒体4に転写された時点で判断する(S5)。次に、手順6に進んだ場合、印刷指示対象の印刷データを選択し、エンジン部2に印刷を指示する(S6)。次に、最終の印刷データが排出されたか否かを判断し、最終の印刷データが排出されていない場合(No)には手順1に戻り、最終の印刷データが排出されている場合(Yes)には画像形成装置1の印刷動作に係るシーケンスを終了し、画像形成装置1は受信待ち待機状態に戻る(S7)。なお、プリンタコントローラ部84に係る印刷データの受信、変換、及び格納処理動作については、図4を参照しながら後述する。同様に、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作については、 図5乃至図8を参照しながら後述する。
【0024】
次に、本実施形態の画像形成装置1の印刷動作における、プリンタコントローラ部84に係る印刷データの受信、変換、及び格納処理動作について説明する。図4にプリンタコントローラ部84に係る印刷データの受信、変換、及び格納処理動作の動作手順に関するフローチャートを示す。
【0025】
画像形成装置1内のプリンタコントローラ部84が、ホストPC91A又はホストPC91Bから送信された印刷データを受信すると、印刷データの受信、変換、及び格納処理動作に係るシーケンスを開始する(S11)。次に、プリンタコントローラ部84は、受信したデータを印字データに変換する。具体的には、受信したデータに基づきエンジン部2で描画可能な形式のデータを作成する(S12)。次に、プリンタコントローラ部84で作成したエンジン部2において描画可能な形式のデータをメモリ部81に格納する(S13)。次に、全ての印刷データの受信を完了し、且つ、エンジン部2で描画可能な形式のデータを作成するようにデータ変換し、変換したデータをメモリ部81へ格納した場合(Yes)には手順15に進み、未だ格納していない場合(No)には手順12に進む。なお、印刷データの受信中、印刷データの変換中、又は、メモリ部81へのデータ格納中は、手順12乃至手順14を繰り返し実行する(S14)。次に、手順15に進んだ場合、制御部82に保留中の印刷データが有ることを通知して、印刷データの受信、変換、及び格納処理動作に係るシーケンスを終了する(S15)。
【0026】
次に、本実施形態の画像形成装置1の印刷動作における、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作について説明する。図5乃至図8に、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作手順に関するフローチャートを示す。
【0027】
まず、図5を参照しながら、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作手順について説明する。画像形成装置1内の制御部82は、プリンタコントローラ部84から"保留中印刷データ有"が通知されると、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度の印刷データの存在を確認し、同じ定着目標温度の印刷データが存在した場合(Yes)には手順22に進み、同じ定着目標温度の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順29に進み、制御部82に係る動作手順のシーケンスを開始する。なお、手順29に進んだ場合の動作手順は図6を参照しながら後述する(S21)。次に、手順22に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ目標温度の印刷データの内、 現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの存在を確認し、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在した場合(Yes)には手順23に進み、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順26に進む(S22)。
【0028】
手順23に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順24に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順25に進む(S23)。次に、手順24に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順24においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度、データ形式(2値か多値か)、及び選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S24)。次に、手順25に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順25においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度、及びデータ形式(2値か多値か)が同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S25)。
【0029】
手順22から手順26に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順27に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順28に進む(S26)。次に、手順27に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順27においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度、及び選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S27)。次に、手順28に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度と同じ定着目標温度の印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順28においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S28)。
【0030】
次に、図6を参照しながら、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作手順について説明する。図5に記載した手順21において同じ定着目標温度の印刷データが存在せず図6に記載した手順29に進むと、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データの存在を確認し、規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データが存在した場合(Yes)には手順30に進み、規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順37に進む。なお、規定の温度範囲は、現在印刷中の印刷データの定着目標温度を中点としたプラス5℃からマイナス5℃の範囲である。また、手順37に進んだ場合の動作手順は図7を参照しながら後述する(S29)。次に、手順30に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの存在を確認し、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在した場合(Yes)には手順31に進み、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順34に進む(S30)。
【0031】
手順31に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順32に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順33に進む(S31)。次に、手順32に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順32においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定温度範囲内で、データ形式(2値か多値か)と選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S32)。次に、手順33に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順33においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲以内で、データ形式(2値か多値か)が同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S33)。
【0032】
手順30から手順34に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データの内、 現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順35に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順36に進む(S34)。次に、手順35に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイが同じ選択印刷トレイの印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順35においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲以内で、選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S35)。次に、手順36に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データの内、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順36においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲内で、データ形式(2値か多値か)と選択印刷トレイが異なる印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S36)。
【0033】
次に、図7を参照しながら、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作手順について説明する。図6に記載した手順29において規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データが存在せず図7に記載した手順37に進むと、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの存在を確認し、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在した場合(Yes)には手順38に進み、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順41に進む(S37)。
【0034】
手順38に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順39に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順40に進む(S38)。次に、手順39に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、定着温度差が一番小さく、且つ、同じ印刷データが複数あった場合には、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順39においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲外であるが、当該温度差が最小で、データ形式(2値か多値か)と選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S39)。次に、手順40に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、定着温度差が一番小さく、且つ、同じ印刷データが複数あった場合には、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順40においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲外であるが、当該温度差が最小で、データ形式(2値か多値か)が同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S40)。
【0035】
手順37から手順41に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順42に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順43に進む(S41)。次に、手順42に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、 定着温度差が一番小さく、且つ、同じ印刷データが複数あった場合には、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順42においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲外であるが、当該温度差が最小で、選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する(S42)。次に、手順43に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲外にある定着目標温度の印刷データの内、 定着温度差が一番小さく、且つ、同じ印刷データが複数あった場合には、最も早く印刷指示された印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順43においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が規定範囲であるが、当該温度差が最小で、データ形式(2値か多値か)も選択印刷トレイも異なる印刷データに係る指示となる。また、次の動作手順である手順44に進んだ場合の動作は、図8を参照しながら後述する。なお、画像形成装置1が待機状態であり印刷を実行していない場合は、現在の印刷条件が未設定で有ることから、手順43に基づいて印刷が指示される(S43)。
【0036】
次に、図8を参照しながら、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示する動作手順について説明する。図5に記載した手順24、25、27、及び28、同様に図6に記載した手順32、33、35、及び36、同様に図7に記載した手順39、40、42、及び43から、図8に記載した手順44に進むと、保留中の印刷データが存在するか否かの判断を行い、保留中の印刷データが存在する場合(Yes)にはシーケンスを終了し、保留中の印刷データが存在しない場合(No)には手順45に進む(S44)。次に、画像形成部40に保留中の印刷データが無いことをプリンタコントローラ部84に通知したか否かの判断を行い、プリンタコントローラ部84に通知していない場合(No)には手順46に進み、プリンタコントローラ部84に通知している場合(Yes)には手順47に進む(S45)。次に、手順46に進んだ場合、保留中の印刷データが無い旨をプリンタコントローラ部84に通知する(S46)。次に、最終ページの印刷データの排出が完了したか否かの判断を行い、最終ページの印刷データの排出が完了していない場合(No)にはシーケンスを終了し、最終ページの印刷データの排出が完了している場合(Yes)には手順48に進む(S47)。次に、最終ページの印刷データの排出が完了した旨をプリンタコントローラ部84に通知したか否かの判断を行い、プリンタコントローラ部84に通知していない場合(No)には手順49に進み、プリンタコントローラ部84に通知している場合(Yes)にはシーケンスを終了する(S48)。次に、最終の印刷データ排出完了の旨をプリンタコントローラ部84に通知して、制御部82に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部2へ印刷指示するシーケンスを終了する
(S49)。
【0037】
次に、本発明の画像形成装置1における図3乃至図8を参照しながら説明した印刷動作に係る効果に関し、記録媒体4に対する定着目標温度が異なる印刷データが混在する場合について、具体例を用いて説明する。図9に、従来の画像形成装置における印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在する例を示す。また、図10に、本発明の画像形成装置1における印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在する例を示す。また、表1に、図9及び図10に記載した印刷動作の印刷データの条件を示す。
【0038】
【表1】

【0039】
まず、従来の画像形成装置における印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在する場合について、図9を参照しながら説明する。プリンタコントローラ部84が、外部装置90から送信された1番目の印刷データ(JOB#1)を受信すると、制御部82を経てエンジン部2に指令を出すことにより、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに駆動電流を印加し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61が定着目標温度に到達するまで待機する。当該待機時間は[1]=25秒である。定着ローラ61の温度が定着目標温度に到達したら、1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷を開始する。当該印刷時間は5秒である。なお、上記の待機時間及び印刷時間に、2番目の印刷データ(JOB#2)及び3番目の印刷データ(JOB#3)の受信が行われる。なお、印刷データの条件は、表1に示す通り、1番目の印刷データ(JOB#1)と3番目の印刷データ(JOB#3)は同一であり、2番目の印刷データ(JOB#2)のみメディアが異なることから、定着目標温度が1番目の印刷データ(JOB#1)及び3番目の印刷データ(JOB#3)と異なっている。次に、1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を175℃から185℃に上げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃上げるのに必要な時間は印刷トレイ11又は印刷トレイ21を切り替える時間も含めて[2]=10秒である。
【0040】
2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するが、当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷に要した時間と同じ5秒である。2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷した後、3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を185℃から175℃に下げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃上げるのに必要な時間は[3]=20秒である。次に、次に、3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷するが、当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)及び2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷に要した時間と同じ5秒である。上述した通り、外部装置90からプリンタコントローラ部84が受信した印刷データに基づき、エンジン部2が印刷データを受信した順番通りに印刷動作を実行した場合、1番目の印刷データ(JOB#1) を受信してから3番目の印刷データ(JOB#3)の印刷が完了するまでに、合計70秒の時間を必要とする。
【0041】
次に、本発明の画像形成装置1における印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在する場合について、図10を参照しながら説明する。プリンタコントローラ部84が、外部装置90から送信された1番目の印刷データ(JOB#1)を受信すると、制御部82を経てエンジン部2に指令を出すことにより、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに駆動電流を印加し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61が定着目標温度に到達するまで待機する。当該待機時間は従来例と同一の[1]=25秒である。定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷を開始する。当該印刷時間は従来例と同一の5秒である。なお、上記の待機時間及び印刷時間に、2番目の印刷データ(JOB#2)及び3番目の印刷データ(JOB#3)の受信が行われる。なお、印刷データの条件は、表1に示す通り、1番目の印刷データ(JOB#1)と3番目の印刷データ(JOB#3)は同一であり、2番目の印刷データ(JOB#2)のみメディアが異なることから、定着目標温度が1番目の印刷データ(JOB#1)及び3番目の印刷データ(JOB#3)と異なっている。次に、1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、受信済みのJOBの中から、1番目の印刷データ(JOB#1)と同じ条件の3番目の印刷データ(JOB#3)を選択して、3番目の印刷データ(JOB#3)の印刷を開始する。当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷に要した時間と同じ5秒である。次に、3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷した後、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を175℃から185℃に上げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃上げるのに必要な時間は[2]=10秒である。次に、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するが、当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)及び3番目の印刷データ(JOB#3)の印刷に要した時間と同じ5秒である。
【0042】
すなわち、本発明における画像形成装置1に係る印刷動作によれば、1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、1番目の印刷データ(JOB#1)と印刷条件の異なる2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷を保留し、1番目の印刷データ(JOB#1)と印刷条件の同じ3番目の印刷データ(JOB#3)を先に印刷した後に、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷する。従って、印刷開始時の定着ローラ61の定着温度を変更する回数を減らすことで定着温度を変更するための時間を省くことができる。上述した通り、外部装置90からプリンタコントローラ部84が受信した印刷データに基づき、エンジン部2が印刷データを1番目の印刷データ(JOB#1)、3番目の印刷データ(JOB#3)、及び2番目の印刷データ(JOB#2)の順番で印刷した場合、1番目の印刷データ(JOB#1) を受信してから2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷が完了するまでに必要な時間は合計50秒であり、従来例と比較して20秒短縮することができた。
【0043】
次に、本発明の画像形成装置1における図3乃至図8を参照しながら説明した印刷動作に係る効果に関し、記録媒体4に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体4を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在する場合について、具体例を用いて説明する。図11に、従来の画像形成装置における印刷動作に係るタイムチャートで、記録媒体4に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体4を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在する例を示す。また、図12に、本発明の画像形成装置1における印刷動作に係るタイムチャートで、記録媒体4に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体4を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在する例を示す。また、表2に、図11及び図12に記載した印刷動作の印刷データの条件を示す。
【0044】
【表2】

【0045】
まず、従来の画像形成装置における印刷動作に係るタイムチャートで、記録媒体4に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体4を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在する場合について、図11を参照しながら説明する。プリンタコントローラ部84が、外部装置90から送信された1番目の印刷データ(JOB#1)を受信すると、制御部82を経てエンジン部2に指令を出すことにより、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに駆動電流を印加し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61が定着目標温度に到達するまで待機する。当該待機時間は[1]=25秒である。次に、定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷を開始する。当該印刷時間は5秒である。なお、上記の待機時間及び印刷時間に、2番目以降の印刷データの受信が行われる。なお、印刷データの条件は、表2に示す通り、1番目の印刷データ(JOB#1)と4番目の印刷データ(JOB#4)は同一である。同様に、3番目の印刷データ(JOB#3)は、印刷トレイ選択に関して、1番目の印刷データ(JOB#1)、2番目の印刷データ(JOB#2)、及び4番目の印刷データ(JOB#4)と異なる。同様に、2番目の印刷データ(JOB#2)は、データ形式が異なることから、印刷速度及び定着目標温度が1番目の印刷データ(JOB#1)、3番目の印刷データ(JOB#3)、及び4番目の印刷データ(JOB#4)と異なる。なお、階調印刷である多値データの場合、2値データと比較して、プリンタコントローラ部84からエンジン部2に送信されるデータの容量は数十倍である。従って、プリンタコントローラ部84における処理時間も比例して長くなる。このため、印刷データに係るアンダーランが発生する可能性があるため、印刷速度を下げる制御を行う。上述した構造であるため、多値データから成る印刷データに係る印刷を連続して行うことが好ましく、同様に、2値データから成る印刷データに係る印刷を連続して行うことが好ましい。
【0046】
1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を175℃から165℃に下げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃下げるのに必要な時間は[2]=20秒である。定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷を開始する。当該印刷時間は印刷速度が1番目の印刷データ(JOB#1)と異なるため7秒である。2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷した後、3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を165℃から175℃に上げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃上げるのに必要な時間は印刷トレイ11又は印刷トレイ21を切り替える時間も含めて[3]=10秒である。次に、定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、3番目の印刷データ(JOB#3) の印刷を開始する。当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)と同じ5秒である。次に、4番目の印刷データ( JOB#4)を印刷するために、印刷トレイ11又は印刷トレイ21へ切り替えが行われる。当該切り替え時間は[4]=1秒である。次に、4番目の印刷データ(JOB#4)を印刷するが、当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷に要した時間と同じ5秒である。上述した通り、外部装置90からプリンタコントローラ部84が受信した印刷データに基づき、エンジン部2が印刷データを受信した順番通りに印刷動作を実行した場合、1番目の印刷データ(JOB#1) を受信してから最後の4番目の印刷データ(JOB#4)の印刷が完了するまでに、合計78秒の時間を必要とする。
【0047】
次に、本発明の画像形成装置1における印刷動作に係るタイムチャートで、記録媒体4に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体4を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在する場合について、図12を参照しながら説明する。プリンタコントローラ部84が、外部装置90から送信された1番目の印刷データ(JOB#1)を受信すると、制御部82を経てエンジン部2に指令を出すことにより、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに駆動電流を印加し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61が定着目標温度に到達するまで待機する。当該待機時間は従来例と同一の[1]=25秒である。定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷を開始する。当該印刷時間は従来例と同一の5秒である。なお、上記の待機時間及び印刷時間に、2番目以降の印刷データの受信が行われる。なお、印刷データの条件は、表2に示す通り、1番目の印刷データ(JOB#1)と4番目の印刷データ(JOB#4)は同一である。同様に、3番目の印刷データ(JOB#3)は、印刷トレイ選択に関して、1番目の印刷データ(JOB#1)、2番目の印刷データ(JOB#2)、及び4番目の印刷データ(JOB#4)と異なる。同様に、2番目の印刷データ(JOB#2)は、データ形式が異なることから、印刷速度及び定着目標温度が1番目の印刷データ(JOB#1)、3番目の印刷データ(JOB#3)、及び4番目の印刷データ(JOB#4)と異なる。1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、受信済みの印刷データの中から、1番目の印刷データ(JOB#1)と同じ条件の4番目の印刷データ(JOB#4)を選択して、4番目の印刷データ(JOB#4)の印刷を開始する。 当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)の印刷に要した時間と同じ5秒である。
【0048】
3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷するために、印刷トレイ11又は印刷トレイ21へ切り替えが行われる。当該切り替え時間は[4]=1秒である。次に、3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷するが、当該印刷時間は1番目の印刷データ(JOB#1)及び4番目の印刷データ(JOB#4)の印刷に要した時間と同じ5秒である。3番目の印刷データ(JOB#3)を印刷した後、2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷するために、定着部60における定着ローラ61内部に配設されたハロゲンランプに対する駆動電流を調整し、定着温度センサ63で現在温度をモニターしながら、定着ローラ61の定着温度を175℃から165℃に下げる。なお、定着ローラ61の定着温度を10℃下げるのに必要な時間は印刷トレイ11及び印刷トレイ21を切り替える時間も含めて[2]=20秒である。定着ローラ61が定着目標温度に到達したら、2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷を開始する。当該印刷時間は印刷速度が1番目の印刷データ(JOB#1)と異なるため7秒である。
【0049】
すなわち、本発明における画像形成装置1に係る印刷動作によれば、1番目の印刷データ(JOB#1)を印刷した後、1番目の印刷データ(JOB#1)と印刷条件の異なる2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷を保留し、1番目の印刷データ(JOB#1)と印刷条件の同じ4番目の印刷データ(JOB#4)を先に印刷した後、3番目の印刷データ(JOB#3)及び2番目の印刷データ(JOB#2)を印刷する。従って、データ形式の違いによる定着ローラ61の定着温度を変更するための時間を省くことができる。上述した通り、外部装置90からプリンタコントローラ部84が受信した印刷データに基づき、エンジン部2が印刷データを1番目の印刷データ(JOB#1)、4番目の印刷データ(JOB#4)、3番目の印刷データ(JOB#3)、及び2番目の印刷データ(JOB#2)の順で印刷した場合、1番目の印刷データ(JOB#1)を受信してから2番目の印刷データ(JOB#2)の印刷が完了するまでに必要な時間は合計68秒であり、従来例と比較して10秒短縮することができた。
【0050】
以上、第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、画像形成装置1がホストPC91A又はホストPC91Bから印刷条件が異なる複数の印刷データを受信した場合において、現在印刷中の印刷データの印刷条件を基準として、同じ印刷条件又は近似した印刷条件の印刷データを最適条件で選択することにより複数の印刷データの印刷順を決定する。したがって、印刷データ間の印刷条件の切り替え回数を最小限に抑えることができ、且つ、印刷条件の切り替えに掛かる時間も短縮できることにより、印刷合計時間を短縮させることができる。
【0051】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。なお、本実施形態においては、印刷データの印刷順位の決定に係る構造に特徴を有し、それ以外の画像形成装置1に係る構成は、第1の実施形態で述べた画像形成装置1の構成と同様である。そこで、本実施形態では、簡単のため重複した説明は省略し、第1の実施形態と異なる構成に関してのみ説明する。
【0052】
本実施形態の画像形成装置1の印刷動作について説明する。図13乃至図18に画像形成装置1の印刷動作に係るフローチャートを分割して示す。
【0053】
図13に示すように、ユーザが画像形成装置1の電源を投入すると、印刷データに係る受信待ちの待機状態となり、画像形成装置1の印刷動作に係るシーケンスを開始する(S51)。なお、第2の実施形態における手順51乃至57は、第1の実施形態における手順1乃至7とそれぞれ同様である。また、第2の実施形態における手順61乃至65は、第1の実施形態における手順11乃至15とそれぞれ同様である。また、第2の実施形態における手順71乃至78は、第1の実施形態における手順21乃至28とそれぞれ同様である。また、第2の実施形態における手順88乃至94は、第1の実施形態における手順37乃至43とそれぞれ同様である。また、第2の実施形態における手順95乃至100は、第1の実施形態における手順44乃至49とそれぞれ同様である。以下、第1の実施形態に係る印刷動作における印刷動作と異なる部位について説明する。
【0054】
第2の実施形態における手順79乃至87は、第1の実施形態における手順29乃至36とそれぞれ異なる。図15に記載した手順71において同じ定着目標温度の印刷データが存在せず図16に記載した手順79に進むと、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データの存在を確認し、規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データが存在した場合(Yes)には手順80に進み、規定の温度範囲内にある定着目標温度の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順88に進む。なお、規定の温度範囲は、現在印刷中の印刷データの定着目標温度を中点としたプラス5℃からマイナス5℃の範囲である(S79)。次に、手順80に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度を中点とし、当該中点からプラス5℃の温度範囲内を定着目標温度とする保留中の印刷データの数と、当該中点からマイナス5℃の温度範囲内を定着目標温度とする保留中の印刷データの数を集計して比較し、 保留中の印刷データの数が多い方の範囲にある印刷データを選択対象として設定する(S80)。次に、手順81に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、且つ、手順80で決定された範囲の印刷データの内、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの存在を確認し、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在した場合(Yes)には手順82に進み、同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データが存在しなかった場合(No)には手順85に進む(S81)。
【0055】
手順82に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、且つ、手順80により決定された範囲にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、 現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順83に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順84に進む(S82)。次に、手順83に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内、且つ、手順80により決定された範囲内にある定着目標温度、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの内、手順80で決定された範囲で中点から一番遠い温度である最大値の定着目標温度を有する印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順83においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度が異なり、データ形式(2値か多値か)と選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる(S83)。次に、手順84に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内にある定着目標温度、且つ、手順80で決定された範囲内にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データのデータ形式(2値か多値か)と同じデータ形式(2値か多値か)の印刷データの内、手順80で決定された範囲で中点から一番遠い温度である最大値の定着目標温度を有する印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順84においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度と選択印刷トレイが異なり、データ形式(2値か多値か)が同じ印刷データに係る指示となる(S84)。
【0056】
手順81から手順85に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内、且つ、手順80で決定された範囲内にある定着目標温度の印刷データの内、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイと同じ選択印刷トレイの印刷データの存在を確認し、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在した場合(Yes)には手順86に進み、同じ選択印刷トレイの印刷データが存在しなかった場合(No)には手順87に進む(S85)。次に、手順86に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内、且つ、手順80で決定された範囲内にある定着目標温度、及び、現在印刷中の印刷データの選択印刷トレイが同じ選択印刷トレイの印刷データの内、手順80で決定された範囲で中点から一番遠い温度である最大値の定着目標温度を有する印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順86においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度とデータ形式(2値か多値か)が異なり、選択印刷トレイが同じ印刷データに係る指示となる(S86)。次に、手順87に進んだ場合、現在印刷中の印刷データの定着目標温度との温度差が規定の温度範囲内、且つ、手順80で決定された範囲内にある定着目標温度の印刷データの内、手順80で決定された範囲で中点から一番遠い温度である最大値の定着目標温度を有する印刷データを選択し、当該印刷データの印刷をエンジン部2に指示する。すなわち、手順87においては、現在印刷中の印刷データの印刷条件の内、定着目標温度、データ形式(2値か多値か)、及び選択印刷トレイが異なる印刷データに係る指示となる(S87)。
【0057】
以上、第2の実施形態に係る画像形成装置1によれば、第1の実施形態に係る画像形成装置1の効果に加え、現在の印刷データに係る定着目標温度に近似した定着目標温度を有する印刷保留中の印刷データが複数有る場合に、他の印刷データと孤立しているが定着目標温度は近似している印刷データが選択され、次の印刷データの選択に影響を与えないように、同様の定着目標温度が多く存在している範囲から印刷データを選択する手段を用いているため、第1の実施形態より更に印刷合計時間を短縮させることができる。
【0058】
なお、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態においては、画像形成装置1をプリンタとして説明したが、本実施形態の画像形成装置1を記録媒体4の種類、選択する印刷トレイ、及び画像データ形式等に応じて画像形成条件を変更して画像形成を行う機能を備えた複写機、ファクシミリ装置、MFP装置などに設けても良い。また、本願発明では、外部装置90として図1に示したホストPC91A及びホストPC91Bを用いて説明したが、該外部装置90が例えばファクシミリ装置のような送信装置であっても良い。また、本発明に係る画像形成部40は、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、及びブラック色の4色に対応する画像情報を現像する4つの画像形成部40C、40M、40Y、及び40Kから構成されるが、ブラック色を除いた3色に対応する3つの画像形成部40C、40M、及び40Yから構成しても良い。同様に、それぞれブラック色に対応する画像情報を現像する2つの画像形成部40Kから構成しても良い。この様に、画像形成部40の色の組み合わせ、及び、画像形成部40の個数等についても限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置に係るエンジン部、制御ユニット、及び外部装置を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の画像形成装置に係るエンジン部内に設けられた画像形成部を示す構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の画像形成装置に係る印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の画像形成装置内に設けられたプリンタコントローラ部に係る印刷データの受信、変換、及び格納処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】従来の画像形成装置に係る印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在した例を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の画像形成装置に係る印刷動作に係るタイムチャートで、定着目標温度が異なる印刷データが混在した例を示す模式図である。
【図11】従来の画像形成装置に係る印刷動作に係るタイムチャートで、記録媒体に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在した例を示す模式図である。
【図12】本発明の第1の実施形態の画像形成装置に係る印刷動作に係るタイムチャートで、 記録媒体に印刷する画像のデータ形式、及び、記録媒体を収容する印刷トレイが異なる印刷データが混在した例を示す模式図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の画像形成装置に係る印刷動作の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の第2の実施形態の画像形成装置内に設けられたプリンタコントローラ部に係る印刷データの受信、変換、及び格納処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図17】本発明の第2の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部に係る印刷指示対象の印刷データを選択、及びエンジン部へ印刷指示する動作の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1 画像形成装置
2 エンジン部
3 用紙搬送経路
4 記録媒体
10 標準給紙ユニット部
11 印刷トレイ
12 ピックアップローラ
13 リタードローラ
14 フィードローラ
20 拡張給紙ユニット部
21 印刷トレイ
22 ピックアップローラ
23 リタードローラ
24 フィードローラ
30 給紙部
31 プレッシャローラ
32 レジストローラ
33 プレッシャローラ
34 レジストローラ
40,40K,40Y,40M,40C 画像形成部
41 感光体ドラム
42 帯電ローラ
43 露光源
44 トナー
45 トナーカートリッジ
46 トナー供給ローラ
47 現像ローラ
48 現像ブレード
49 クリーニングブレード
50 転写部
51 転写ベルト
52 ドライブローラ
53 アイドルローラ
54 転写ローラ
60 定着部
61 定着ローラ
62 加圧ローラ
63 定着温度センサ
70 排出部
71 搬送ローラ
72 搬送コロ
73 排出ローラ
74 排出コロ
75 排紙トレイ
80 制御ユニット
81 メモリ部
82 制御部
83 表示/操作部
84 プリンタコントローラ部
90 外部装置
91,91A,91B ホストPC
92 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から受信した印刷データに基づいて前記印刷データ毎に設定された画像形成条件に従い画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成条件に基づいて複数の前記印刷データの印刷順を制御する制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前制御手段は、印刷中に保留されている前記印刷データの実行順を印刷中の前記画像形成条件の内容に応じて制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成条件は、前記印刷データのデータ形式が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成条件は、定着温度、又は印刷トレイ、又はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記画像形成条件を変更する回数に基づいて、印刷中に保留されている前記印刷データの印刷順を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記画像形成条件を変更する回数が最も少なくなるように、印刷中に保留されている前記印刷データの印刷順を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記画像形成条件の変更に必要とする時間に基づいて、印刷中に保留されている前記印刷データの印刷順を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記画像形成条件の変更に必要とする時間が最も短くなるように、印刷中に保留されている前記印刷データの印刷順を制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−18013(P2010−18013A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183179(P2008−183179)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】