説明

画像形成装置

【課題】装置管理者に煩わしさを与えることなく、最適な操作パネルの点灯・消灯を制御できる画像形成装置を得る。
【解決手段】装置本体に人が接近したことを検知する人検知センサ12と、該センサ12による検知結果を所定の時間帯ごとに計数するカウンタ21と、操作パネル10の点灯・消灯を含めて装置を制御する制御回路部20と、を備えた画像形成装置。制御回路部20は、カウンタ21による計数結果に基づいて操作パネル10の点灯・消灯を切り換える。即ち、接近人数の多い時間帯では操作パネル10を継続して点灯させ、接近人数の少ない時間帯では操作パネル10を消灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、特に、顧客に対するプリントサービスのために店頭に設置される複写機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やプリンタなど電子写真方式による画像形成装置にあっては、何も操作されない状態が所定時間経過すると、電源をスリープモードに設定し、熱源(定着部など)を低消費状態にするとともに、操作パネルを消灯するようにしている。スリープモードに移行する時間は装置の管理者が設定している。装置管理者は今までの経験から推測してスリープモードに移行する最適な切換え時間を予測して設定しているが、これでは煩わしい。
【0003】
特許文献1には、人の接近、圧板の開閉、キー操作によりヒーターへの通電を制御することにより、蛍光灯の光量安定時間を保証しつつ消費電力を低下させることが記載されている。
【0004】
一方、プリントサービスのためにコンビニエンスストアなどの店頭に設置される複写機にあっては、操作パネルが消灯していると顧客に故障しているイメージを与えることから操作パネルを常時点灯状態にしていることが多い。しかし、実際上は店頭に客が少ない時間帯もあり、常時点灯では省電力化には対応していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−128752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、装置管理者に煩わしさを与えることなく、最適な操作パネルの点灯・消灯を制御できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の目的を達成するため、本発明の一形態である画像形成装置は、
装置本体に人が接近したことを検知する接近検知手段と、
前記接近検知手段による検知結果を所定の時間帯ごとに計数する計数手段と、
少なくとも操作パネルの点灯・消灯を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記計数手段による計数結果に基づいて、前記操作パネルの点灯・消灯を切り換えること、
を特徴とする。
【0008】
前記画像形成装置においては、接近検知手段が装置本体に接近した人数を所定の時間帯ごとに計数することにより、接近した人数の多い少ないが所定の時間帯ごとに集計される。制御手段はこの集計結果に基づいて、例えば、接近人数の多い時間帯では操作パネルを継続して点灯させ、接近人数の少ない時間帯では操作パネルを消灯させる。操作パネルの点灯・消灯とスリープモードのオン・オフとを連動させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置管理者がいちいち利用者の多い少ないを勘案して時間設定を行う煩わしさが解消され、かつ、接近人数の少ない時間帯には操作パネルが消灯されるので省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例である画像形成装置における操作パネルと制御系を示す説明図である。
【図2】人検知センサによる時間帯ごとの計数結果を示すチャート図である。
【図3】前記計数結果を項目ごとに集計したデータを示すチャート図である。
【図4】電源オン時の制御手順を示すフローチャート図である。
【図5】カウントモードの制御手順を示すフローチャート図である。
【図6】パネル点灯自動設定モードの制御手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施例について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
本発明の一実施例である画像形成装置は、プリントサービスを行うコンビニエンスストアなどの店頭に設置される電子写真方式による複写機であり、本体部分は従来周知の構成からなり、図示は省略する。その操作パネル10は、図1に示すように、液晶画面を有するタッチパネル11、人検知センサ12、スタートキー13などから構成されている。人検知センサ12は、赤外線センサであって、例えば、その周囲5m以内に接近した人を検知することができる。操作パネル10における他の構成は従来周知である。なお、人検知センサ12は操作パネル10ではなく、複写機本体部分の適宜位置に設置されていてもよい。
【0013】
操作パネル10は制御回路部20に接続されている。制御回路部20は、CPUを中心として構成されており、電源部25やトナーの定着部26などに接続されており、図示しない複写機本体部分におけるプリント動作のシーケンス制御や操作パネル10への入出力制御、操作パネル10の点灯・消灯制御やスリープモードのオン・オフ制御など、本複写機を全般的に制御する。
【0014】
人検知センサ12は複写機に人が接近すると検知し、その検知結果は時間単位で制御回路部20内のカウンタ21にて計数され、メモリ22に集計テーブルとして記憶される。例えば、図2に示すように、毎日1時間ごとに接近人数を計数する。そして、1月ごとにかつ1時間ごとに接近人数を集計し、記憶する。図2では4月分の集計結果を示している。また、集計は、図3にテーブルとして示すように、平日や週末(土曜、日曜)ごとにも行われ、月末/期末の集計も行われる。複写機が設置されている店舗に近在する学校の行事(試験前の特定の日)の集計が行われてもよい。また、天候による集計が行われてもよい。
【0015】
そして、制御回路部20では、このような集計結果に基づいて、過去の履歴(1年前の同月同日の集計結果)を参照し、例えば、接近人数の多い時間帯では操作パネル10を継続して点灯させ、接近人数の極めて少ない時間帯では操作パネル10を消灯させる。操作パネル10の点灯・消灯とスリープモードのオン・オフとは連動される。スリープモードとは、電源部25を複写機本体が起動可能な必要最小限の出力に設定し、定着部の予熱などをオフする省電力モードである。
【0016】
ここで、制御回路部20におけるこのような制御に関してより具体的に図4〜図6を参照して説明する
【0017】
図4に示すように、電源がオンされると、パネル点灯自動設定を選択するか否かを判定する(ステップS1)。管理者が自動設定を選択すると、カウントモード(ステップS2)とパネル点灯自動設定モード(ステップS3)を並行して処理する。
【0018】
自動設定を選択しない場合は、スリープモードに設定するか否かを判定する(ステップS4)。管理者がスリープモードに設定することを選択した場合は、マニュアルにてスリープモードを設定する(ステップS5)。即ち、操作パネル10が所定時間に継続して操作されないとスリープモードに入る時間をマニュアル設定する。スリープモードに設定しないのであれば、スリープモードが常時オフされる(ステップS6)。この場合は、操作パネル10が常時点灯状態を維持することになる。
【0019】
図5に示すように、カウントモードにおいては、現在時刻が図2に示した時間帯の開始時間になると(ステップS11でYES)、カウンタ21のカウント値Nをクリアする(ステップS12)。そして、人検知センサ12が人の接近を検知するごとに(ステップS13でYES)、カウンタ21に「1」を加算していく(ステップS14)。これにて、時間帯ごとの接近人数が計数されることになり、特定項目ごとの集計が行われ、その結果がメモリ22に格納される。
【0020】
図6に示すように、パネル点灯自動設定モードにおいては、まず、操作パネル10を常時点灯させる基準値Lを設定する(ステップS21)。ここでは、管理者が任意の数値、例えば「5」を設定する。この場合は、現在時刻での時間帯で5人以上が本複写機に接近した過去の履歴があれば、操作パネル10の点灯を継続することになる。
【0021】
次に、平日の現在時刻の集計テーブルを参照して1年前の同日同時間帯の人数データを得、この値を参照データMとする。平日でなければ(ステップS23でNO)、週末の現在時刻の集計テーブルを参照して1年前の同日同時間帯の人数データM1を得(ステップS24)、このデータM1を参照データMとする(ステップS25)。
【0022】
次に、既に入力されている基準値Lと参照データMとを比較する(ステップS26)。参照データMが基準値L以上であれば、操作パネル10を点灯させ、定着部25の予熱などもオンさせる(ステップS27)。一方、参照データMが基準値L未満であれば、操作パネル10を消灯させ、定着部25の予熱などもオフする(ステップS28)。即ち、スリープモードとする。
【0023】
なお、ステップS27,28でのスリープモードのオン・オフは複写機が実際にプリント動作を行っていない場合に処理される。また、スリープモードがオンされている場合であっても、人検知センサ12が人の接近を検知すると、スリープモードをオフし、操作パネル10を点灯させる。あるいは、人が操作パネル10のタッチパネル11やスタートキー13に触れると、スリープモードをオフし、操作パネル10を点灯させてもよい。
【0024】
なお、本発明に係る画像形成装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できる。
【0025】
特に、前記実施例において、スリープモードでは、操作パネル10の点灯・消灯を含めて定着部25の予熱のオン・オフなど一括して制御しているが、操作パネル10の点灯・消灯を他の省電力制御と独立して設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明は、画像形成装置に有用であり、特に、装置管理者に煩わしさを与えることなく、最適な操作パネルの点灯・消灯を制御できる点で優れている。
【符号の説明】
【0027】
10…操作パネル
11…タッチパネル
12…人検知センサ
13…スタートキー
20…制御回路部
21…カウンタ
22…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に人が接近したことを検知する接近検知手段と、
前記接近検知手段による検知結果を所定の時間帯ごとに計数する計数手段と、
少なくとも操作パネルの点灯・消灯を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記計数手段による計数結果に基づいて、前記操作パネルの点灯・消灯を切り換えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記計数手段による計数結果と所定の基準値とを比較し、計数結果が基準値よりも小さい場合は、前記操作パネルを消灯させること、を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記計数手段による計数結果に基づいて、操作パネルの点灯・消灯の切換えとともにスリープモードのオン・オフを切り換えること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、所定時間ごとに計数された検知結果を、月ごとに、平日ごとに、又は週末ごとに集計すること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、スリープモード時に前記接近検知手段が人の接近を検知すると、スリープモードをオフし、前記操作パネルを点灯させること、特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−197433(P2010−197433A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38915(P2009−38915)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】