説明

画像形成装置

【課題】給電に用いられる配線の密集を生じにくくし、該配線の長さを短くすることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、感光体ドラム210と、感光体ドラム210よりも下輪に配置され、感光体ドラム210から現像剤像が転写される中間転写ベルト62と、感光体ドラム210よりも下方に配置された第1の電源ユニット410と、中間転写ベルト62よりも上方に配置された第2の電源ユニット420とを有する。また、画像形成装置10は、中間転写ベルト62よりも下方に位置する現像装置46と、感光体ドラム210よりも上方に位置する1次転写ロール80とを有し、現像装置46には第1の電源ユニット410から給電がなされ、1次転写ロール80には、第2の電源ユニット420から給電がなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、感光体を具備する複数の作像手段を備えた作像部、該作像部の感光体に光書き込みを行う光書き込み部、前記作像部で形成された画像が転写される中間転写ベルト、用紙に担持された未定着トナー像を定着する定着部、画像形成を終えた用紙を機外に排出する排出部、前記作像部の各作像手段に補給するトナーを収納したトナー収納部、及び複数の電装ユニットを備える電装部が設けられている画像形成部と、該画像形成部へ送り込む用紙を給紙する給紙部とを有するカラー画像形成装置において、前記作像部の作像手段が前記中間転写ベルトの下部側走行辺に沿って並列配置され、該中間転写ベルトの下部側の走行辺が、走行方向下流側へ向う程、前記作像手段の高さレベルが下方となる方向に傾斜されているカラー画像形成装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、制御基板を有する画像処理装置において、前記制御基板を第1の制御基板と第2の制御基板とに分けて、前記両制御基板のいずれか一方を画像処理装置筐体の底面に対して垂直に且つ他方を画像処理装置筐体の底面に対して水平に配置した画像処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−202728号公報
【0005】
【特許文献2】特開2006−154134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、給電に用いられる配線の密集を生じにくくし、該配線の長さを短くすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、それぞれ像を保持する複数の像保持体と、前記複数の像保持体にそれぞれ像を形成する複数の現像装置と、複数の支持部材に支持された中間転写体と、前記複数の像保持体にそれぞれ保持された像を、順次重ねて前記中間転写体にそれぞれ転写させる複数の1次転写装置と、前記中間転写体に転写された像を記録媒体に転写させる2次転写装置と、像が転写された記録媒体に熱と圧力とを加え、記録媒体に像を定着させる定着装置と、像が定着された記録媒体を画像形成装置本体外に排出する排出装置と、排出された記録媒体を積層した状態で保持する記録媒体保持部と、を有し、前記中間転写体の下部側の辺に沿って前記複数の像保持体を配置し、前記複数の像保持体の下方に配置された第1の電源ユニットと、前記中間転写体の上方に配置された第2の電源ユニットと、
をさらに有する画像形成装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記第1の電源ユニットは、少なくとも前記複数の現像装置にそれぞれ給電し、前記第2の電源ユニットは、少なくとも前記複数の1次転写装置にそれぞれ給電する請求項1記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記複数の像保持体の下方に配置され、前記複数の像保持体にそれぞれ潜像を形成する潜像形成装置をさらに有し、前記第1の電源ユニットは、前記潜像形成装置の下方に配置される請求項1又は2記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記第2の電源ユニットは、前記中間転写体と前記記録媒体保持部との間に配置される請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記第2の電源ユニットに向けて外気を供給する外気供給装置をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置である。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記中間転写体から現像剤を除去する現像剤除去装置をさらに有し、前記現像剤除去装置と前記定着装置とは、前記第2の電源ユニットを挟んで配置される請求項5記載の画像形成装置である。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記画像形成装置本体に対して開閉する開閉部をさらに有し、前記記録媒体排出部は前記開閉部に形成され、前記開閉部は、少なくとも前記第2の電源ユニット及び前記中間転写体を保持する請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
【0014】
請求項8に係る本発明は、前記中間転写体は、前記2次転写装置が設けられた側の端部が逆側の端部よりも下方に位置するように傾斜して配置される請求項1乃至7いずれか記載の画像形成装置である。
【0015】
請求項9に係る本発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体よりも上方に配置され、前記像保持体から現像剤像が転写される中間転写体と、前記像保持体よりも下方に配置された第1の電源ユニットと、前記中間転写体よりも上方に配置された第2の電源ユニットと、を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、電源ユニットを単一のユニットにより構成する場合に比べて、給電に用いられる配線の密集を生じにくくし、該配線の長さを短くすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、複数の配線が互いに交差しない画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、潜像形成装置の下方の空間を活用することができる画像形成装置を提供することができる。
【0019】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれかに係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、記録媒体保持部と中間転写体との間の空間を活用することができる画像形成装置を提供することができる。
【0020】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1乃至4いずれかに係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、第2の電源を冷却することができる画像形成装置を提供することができる。
【0021】
請求項6に係る本発明によれば、請求項5に係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、本構成を有しない場合と比較して定着装置から生じた熱を現像剤除去装置に伝わりにくくすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0022】
請求項7に係る本発明によれば、請求項1乃至5いずれかに係る本発明が奏する効果を奏することに加えて、第2の電源ユニット及び中間転写体のメンテナンスを容易に行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0023】
請求項8に係る本発明によれば、本構成を有しない場合と比較して画像形成装置の高さを低くすることができる画像形成装置を提供することができる。
【0024】
請求項9に係る本発明によれば、電源ユニットを単一のユニットにより構成する場合に比べて、給電に用いられる配線の密集を生じにくくし、該配線の長さを短くすることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置を示す断面図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の本体に対して主開閉部が開閉される様子と、該本体内に感光体ユニットが着脱される様子とを示す側面図である。
【図4】図1に示す画像形成装置に用いられる感光体ユニットを示す断面図である。
【図5】図4に示す感光体ユニットが有するシャッタ部材の動作を説明し、図5(a)はシャッタ部材が第2の位置にある状態を示す断面図であり、図5(b)はシャッタ部材が第1の位置にある状態を示す断面図である。
【図6】図1に示す画像形成装置に用いられる現像剤除去装置を示す断面図である。
【図7】図1に示す画像形成装置に用いられるベルトユニットを示す斜視図である。
【図8】図1に示す画像形成装置に用いられる第2の電源ユニットを示す断面図である。
【図9】図1に示す画像形成装置における給電を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は画像形成装置本体12を有する。
【0027】
画像形成装置本体12には、前方側開閉部18がヒンジ20を用いて画像形成装置本体12に対して開閉することができるように取り付けられている。また、画像形成装置本体12には、主開閉部26がヒンジ28を用いて画像形成装置本体12に対して開閉することができるように装着されている。また、画像形成装置本体12の前側には、操作部32が取り付けられている。
【0028】
画像形成装置10の上向きの面にあたる例えば主開閉部26の上向きの面は、画像形成がなされた用紙が排出される排出部14として用いられている。
【0029】
前方側開閉部18には、供給用開閉部22が開閉できるように取り付けられている。供給用開閉部22は、通常は図1及び図2に示すように前方側開閉部18に対して閉じられている。後述するシート供給装置510に収納されたシートとは異なるシートを用いる際に、供給用開閉部22は前方側開閉部18に対して開かれる。
【0030】
主開閉部26は、通常は画像形成装置本体12に対して閉じられている。後述する感光体ユニット200Y、200M、200C、200Bを画像形成装置本体12内に着脱する際に主開閉部26は開かれる。主開閉部26に装着され、後述する支持ロール70、中間転写ベルト62等が前方側開閉部18と干渉することを防止するため、主開閉部26を開くことに先立ち、前方側開閉部18が画像形成装置本体12に対して開かれる。
【0031】
前方側開閉部18を画像形成装置本体12に対して閉じる際には、前方側開閉部18を閉じることに先立って、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して閉じられる。主開閉部26は、上側の面が画像の形成されたシートが排出される排出部として用いられる。
【0032】
主開閉部26には、副開閉部30が主開閉部26に対して開閉することができるように取り付けられている。副開閉部30は主開閉部26とは独立して開閉することができ、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して閉じられた状態で、主開閉部26に対して開いた状態とすることができる。副開閉部30は、後述する現像剤除去装置350の全部又は一部を画像形成装置本体12内に着脱する際に開かれる。
【0033】
操作部32は、例えば、画像形成するシートの枚数を入力するテンキーや、画像形成を開始する際に操作される開始ボタン等を有する。
【0034】
画像形成装置本体12内には、シートに画像を形成する画像形成部40が設けられている。画像形成部40は、例えば4個の感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kを有する。
【0035】
感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、それぞれが像形成構造体として用いられていて、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kをそれぞれが有し、それぞれが画像形成装置本体12内に着脱することができる。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kは、画像形成装置本体12の後側(図2における右側)から順に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの順に並べられている。感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kの詳細は後述する。
【0036】
感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kは、それぞれが像を保持する像保持体として用いられている。
【0037】
また、画像形成部40は、潜像形成装置として用いられる光書き込み装置44を有する。光書き込み装置44は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのそれぞれに対して光を照射して、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kのぞれぞれの表面に潜像を形成する。
【0038】
また、画像形成部40は、現像装置46Y、46M、46C、46Kを有する。現像装置46Yは、収納するイエローのトナーを用いて感光体ドラム210Yに形成された潜像を現像する。現像装置46Mは、収納するマゼンタのトナーを用いて感光体ドラム210Mに形成された潜像を現像する。現像装置46Cは、収納するシアンのトナーを用いて感光体ドラム210Cに形成された潜像を現像する。現像装置46Kは、収納する黒のトナーを用いて感光体ドラム210Kに形成された潜像を現像する。
【0039】
また、画像形成部40は転写装置58を有し、転写装置58は、中間転写ベルトユニット60及び2次転写装置84を有し、中間転写ベルトユニット60は中間転写ベルト62を有する。
【0040】
中間転写ベルト62は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kから像(トナー像)が転写される中間転写体として用いられている。また、中間転写ベルト62は、無端状であって、支持ロール64、66、68、70、72に、図2に矢印で示す方向に回転することができるように掛けわたされている。支持ロール70には、後述するギア92(図7参照)を介して後述するモータ90(図7参照)からの駆動が伝達され、モータ90からの駆動の伝達を受けて回転することで、支持ロール70は中間転写ベルト62に駆動を伝達する。
【0041】
また、中間転写ベルトユニット60は、1次転写装置として用いられる1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kを有する。1次転写ロール80Y、80M、80C、80Kは、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kの表面にそれぞれが形成されたイエロートナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、黒のトナー像を中間転写ベルト62転写する。中間転写ベルトユニット60については、後に説明を加える。
【0042】
2次転写装置84は、2次転写ロール86を有する。2次転写ロール86は、中間転写ベルト62に転写されたイエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像を、シートに対してさらに転写する。
【0043】
また、転写装置58は、現像剤除去装置350を有し、現像剤除去装置350は掻き落とし部材354を有する。現像剤除去装置350の一部分は、副開閉部30を開くことによって形成される開口部を介して画像形成装置本体12内に着脱することができるようになっている。現像剤除去装置350の詳細は後述する。
【0044】
転写装置58を構成する部材のうち、中間転写ベルトユニット60と、現像剤除去装置350とは主開閉部26に装着されている。転写装置58のうち、2次転写ロール86は画像形成装置本体12に装着されている。また、中間転写ベルト62は、2次転写装置84が設けられた側の端部である支持ロール70に接触している部分が、逆側の端部である支持ロール64に接触している部分よりも重力方向において下方に位置するように傾斜して配置されている。
【0045】
また、画像形成装置本体12内には、2次転写ロール86によってシートに転写されたトナー像をシートに定着する定着装置50が設けられている。定着装置50は、ヒータ51を有する。定着装置50は、現像剤像を用紙に加圧することにより、又ヒータ51が発する熱を加えることによって、現像剤像をシートに定着する。
【0046】
また、画像形成装置本体12内には、回収容器300が設けられている。回収容器300には、現像装置46Y、46M、46C、46Kから排出された余剰現像剤が回収される。回収容器300は、例えば感光体ユニット200Kと一体となっている。
【0047】
また、画像形成装置本体12内には、画像形成部40にシートを供給するシート供給装置510が装着されている。シート供給装置510は、画像形成装置本体12の前側(図2における左側)に引き出すことができるようになっていて、シート供給装置510を画像形成装置本体12から引き出した状態でシートが補充される。
【0048】
シート供給装置510は、例えば普通紙等のシートを積層した状態で収納するシート収納容器512を有する。また、シート供給装置510は、シート収納容器512に収納された最上位のシートを抽出し、抽出したシートを画像形成部40へ向けて搬送する搬送ロール514を有する。また、シート供給装置510は、シートを捌き、画像形成部40に複数枚のシートが重なった状態で搬送されることを防止するために用いられるリタードロール516を有する。
【0049】
また、画像形成装置本体12内には、シートの搬送に用いられる搬送路530が形成されている。搬送路530は、主搬送路532と、反転搬送路534と、副搬送路536とを有する。
【0050】
主搬送路532は、シート供給装置510から供給されたシートを画像形成部40に搬送し、画像が形成されたシートを画像形成装置本体12外に排出するために用いられる。主搬送路532に沿って、シートが搬送される方向における上流側から順に、先述の搬送ロール514及びリタードロール516と、レジストロール542と、先述の2次転写ロール86と、先述の定着装置50と、排出ロール544とが配置されている。
【0051】
レジストロール542は、シート供給装置510側から搬送されてきたシートの先端部を一時的に停止させ、中間転写ベルト62に各色のトナー像が転写されるタイミングと合致するようにシートを2次転写ロール86に向けて送り出す。
【0052】
排出ロール544は、定着装置50によって各色のトナーが定着されたシートを画像形成装置本体12外に排出する。
【0053】
反転搬送路534は、一方の面にトナー像が定着されたシートを反転させつつ再び画像形成部40に向けて供給するために用いられる搬送路である。反転搬送路534に沿って、例えば2つの反転搬送ロール548、548が配置されている。反転搬送路534には、シートの後端部を挟みこんだ状態で排出ロール544が逆回転することでシートが後端部側から供給され、供給されたシートが反転搬送ロール548、548によって、レジストロール542の上流の位置へと搬送される。
【0054】
副搬送路536は、シート供給装置510に収納されたシートとは異なるシートを画像形成部40に供給するための搬送路である。副搬送路536には、供給用開閉部22を開いた状態で画像形成装置本体12の前側からシートが供給される。副搬送路536に沿って、搬送ロール552とリタードロール554とが設けられている。搬送ロール552は、副搬送路536に供給されシートを画像形成部40に向けて搬送する。リタードロール554は、副搬送路536に供給されたシートを捌き、複数枚のシートが重なった状態でシートが画像形成部40に搬送されることを防止するために用いられる。
【0055】
また、画像形成装置本体12内には、第1の電源ユニット410が設けられている。
第1の電源ユニット410は、高圧電源回路を有し、例えば現像装置46Y、46M、46C、46Kに給電する。
【0056】
また、画像形成装置10においては、第2の電源ユニット420が、中間転写ベルト62の上方に配置されている。第2の電源ユニット420は、主開閉部26に装着されていて、例えば1次転写ロール80Y、80M、80C、80K等に電力を供給する。
【0057】
図2に示されるように、画像形成装置10においては、中間転写ベルト62は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kよりも上方に配置されている。また、画像形成装置10においては、第1の電源ユニット410は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kよりも下方に配置されている。また、画像形成装置10においては、第2の電源ユニット420は、中間転写ベルト62よりも上方に配置されている。
【0058】
また、画像形成装置10においては、光書き込み装置44は、感光体ドラム210Y、210M、210C、210Kよりも下方に配置されていて、第1の電源ユニット410は、光書き込み装置44よりも下方に配置されている。また、画像形成装置10では、中間転写ベルト62よりも上方に排出部14が配置されていて、第2の電源ユニット420は、中間転写ベルト62と排出部14との間に形成される空間に配置されている。
【0059】
また、画像形成装置10では、現像剤除去装置350と定着装置50とは、第2の電源ユニット420を挟んで互いに逆側に配置されている。
【0060】
図3には、主開閉部26が画像形成装置本体12に対して開閉される様子と、画像形成装置本体12内に感光体ユニット200が着脱される様子とが示されている。
図3に示されるように、画像形成装置本体12に対して主開閉部26を開くと、転写装置58の中間転写ベルトユニット60及び現像剤除去装置350と、第2の電源ユニット420とが主開閉部26とともに移動する。すなわち、中間転写ベルトユニット60、現像剤除去装置350、及び第2の電源ユニット420は、画像形成装置本体12に対して主開閉部26と一体として開閉する。
【0061】
主開閉部26、中間転写ベルトユニット60、現像剤除去装置350、及び第2の電源ユニット420が画像形成装置本体12に対して開かれると、画像形成装置本体12に開口部36が形成される。そして、開口部36を介して、画像形成装置本体12内に、感光体ユニット200Y、200M、200C、200Kがそれぞれ着脱される。回収容器300は、先述のように感光体ユニット200Kと一体とされている。このため、回収容器300は、感光体ユニット200Kと一体として画像形成装置本体12内に着脱される。
【0062】
図4には、感光体ユニット200Yが示されている。感光体ユニット200M、200C、200Kは、用いる現像剤の色が異なるものの感光体ユニット200Yと構成が同一であるため説明を省略する。
【0063】
図4に示されるように、感光体ユニット200Yは感光体ユニット本体202Yを有し、感光体ユニット本体202Yに先述の感光体ドラム210Yが装着されている。感光体ドラム210Yの一部分は、露出部分212Yとして感光体ユニット本体202Yの外部に露出している。感光体ユニット本体202Yは、感光体ドラム210Yの一部分が露出するよう装着された筐体として用いられている。
【0064】
感光体ユニット本体202Y内には、感光体ドラム210Yの表面を均一に帯電する帯電装置220Yが装着されている。帯電装置220Yは、感光体ドラム210Yに接触する帯電ロール222Yを有する。帯電装置220Yによって均一に帯電された感光体ドラム210Yの表面に、光書き込み装置44(図1参照)によって潜像が書き込まれる。
【0065】
また、感光体ユニット本体202Y内には、クリーニング装置として用いられる掻き落とし部材224Yが装着されている。掻き落とし部材224Yは、1次転写ロール80Y(図1参照)によってイエローのトナー像が中間転写ベルト62に転写された後に感光体ドラム210Yの表面に残留したイエローのトナーを掻き落とす。
【0066】
また、感光体ユニット本体202Y内には、掻き落とし部材224Yによって感光体ドラム210Yの表面から掻き落とされたイエローのトナーを回収する回収室226Yが設けられている。
【0067】
また、感光体ユニット本体202Yには、例えば支持部材232Yを介して、シャッタ部材230Yが取り付けられている。シャッタ部材230Yは、移動部材として用いられている。また、シャッタ部材230Yは、リンク機構480に連結されていて、リンク機構480を介して、シャッタ部材230Yは先述の中間転写ベルトユニット60に連結されている。
【0068】
図5には、シャッタ部材230Yの動作が説明されている。シャッタ部材230Yは、第2の位置として用いられる図5(a)に示される位置と、第1の位置として用いられる図5(b)に示される位置との間で移動する。
図5(a)に示される位置である第2の位置は、シャッタ部材230Yが感光体ドラム210Yの露出部分212Yを覆う位置(以下、覆う位置とする)である。また、図5(b)に示される位置である第1の位置は、シャッタ部材230Yが露出部分212Yを感光体ユニット本体202から露出させる位置(以下、露出させる位置とする)である。
【0069】
シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12から取り外された状態においては、図5(a)に示される覆う位置にある。また、シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12内に装着され、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して開いた状態にあると、図5(a)に示される覆う位置にある。一方、シャッタ部材230Yは、感光体ユニット200Yが画像形成装置本体12内に装着され、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して閉じられた状態にあっては、図5(b)に示される露出させる位置にある。
【0070】
シャッタ部材230Yは、先述のリンク機構480によって中間転写ベルトユニット60に連結されていて、リンク機構480の作用によって、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して開かれる動作に連係して露出させる位置から覆う位置に移動するようになっている。また、シャッタ部材230Yは、リンク機構480の作用によって、中間転写ベルトユニット60が画像形成装置本体12に対して閉じられる動作に連係して覆う位置から露出させる位置へと移動するようになっている。
【0071】
図6には、現像剤除去装置350が示されている。
現像剤除去装置350は、主開閉部26(図1参照)に固定された現像剤除去装置本体352と、現像剤除去装置本体352に対して着脱することができる収納容器370とを有する。現像剤除去装置本体352には、先述の掻き落とし部材354が装着されている。また、現像剤除去装置本体352には、現像剤が通過する通過孔356が形成されている。また、現像剤除去容器本体352内には、搬送部材358が装着されている。
【0072】
搬送部材358は、図6に矢印で示されるように時計回り方向に回転し、掻き落とし部材354によって中間転写ベルト62の表面から掻き落とされた現像剤を、通過孔356を介して収納容器370へと搬送する。また、現像剤除去装置本体352には、収納容器370が満杯であるか否かを検知する満杯検知センサ360が取り付けられている。
【0073】
収納容器370には、掻き落とし部材354によって中間転写ベルト62から除去され、搬送部材358によって搬送された現像剤が収納される。収納容器370には、搬送部材358によって搬送されてきた現像剤が通過する通過孔372が通過孔356と重なるように形成されている。また、収納容器370内には、現像剤搬送部材372が装着されている。現像剤搬送部材372は、図6に示されるように時計回り方向に回転することで、現像剤を満杯検知センサ360の側に搬送する。
【0074】
収納容器370は、現像剤で満杯になると交換される。すなわち、収納容器370が満杯となると、収納容器370が現像剤除去装置本体352から取り外され、副開閉部30(図2参照)を開くことによって形成される開口部から取り外されて、現像剤除去装置本体352に別の収納容器370が装着される。
【0075】
収納容器370に収納された現像剤は、例えば定着装置50(図1参照)から発せられる熱等の影響で溶融する虞がある。収納容器370で現像剤が溶融すると、現像剤搬送部材372が溶融後に固まった現像剤によって固定されて回転しなくなる虞がある。現像剤搬送部材372が固まると、例え収納容器370に収納用の空間が残っていても現像剤を回収することができなくなる。
【0076】
図7には中間転写ベルトユニット60が示されている。
図7に示されるように、中間転写ベルトユニット60は、右側板102と、左側板104と、右側板102及び左側板104を連結する連結部材106とを有する。右側板102、左側板104、及び連結部材106は、中間転写体として用いられる中間転写ベルト62を支持する中間転写体支持部として用いられている。すなわち、右側板102及び左側板104には、先述の支持ロール64、66、68、70、72(図1参照)が装着されていて、支持ロール64、66、68、70、72を介して、右側板102及び左側板104が中間転写ベルト62を支持している。
【0077】
また、右側板102及び左側板104は、先述の1次転写ロール80Y、80M、80C、80K(図1参照)を支持している。
【0078】
また、中間転写ベルトユニット60は、支持ロール70(図1参照)の軸に装着されたギア92を有する。ギア92には駆動源として用いられるモータ90から駆動が伝達され、ギア92に駆動が伝達されることで、支持ロール70が回転し、中間転写ベルト62に駆動が伝達される。
【0079】
また、中間転写ベルトユニット60は、先述のリンク機構480(図4参照)に連結されている。すなわち、リンク機構480を介して中間転写ベルトユニット60とシャッタ部材230Y、230M、230C、230Kとは連結されている。このため、先述のように、画像形成装置本体12に対して中間転写ベルトユニット60が開閉されることに連係して、シャッタ部材230Y、230M,230C、230Kが開閉する。
【0080】
右側板102及び左側板104には、第2の電源ユニット420が装着されている。すなわち、第2の電源ユニット420が有する電源基板422が右側板102と左側板104とに装着されている。
【0081】
また、中間転写ベルトユニット60は、外気供給装置460を有する。
外気供給装置460は、第2の電源ユニット420に向けて外気を供給する供給装置として用いられていて、吸気ダクト462と、送風ファン464と、排気ダクト466とを有する。吸気ダクト462及び送風ファン464は左側板104に装着されていて、排気ダクト466は右側板102に装着されている。外気供給装置460においては、送風ファン464が回転することで、吸気ダクト462を介して画像形成装置本体12(図1参照)へ外気が吸引され、排気ダクト466を介して画像形成装置本体12外へ排気される。
【0082】
図8には、第2の電源ユニット420が示されている。
第2の電源ユニット420は、先述のように電源基板422を有する。また、電源ユニット420は、電源基板422よりも下方に位置する下側板424と、前側位置する前側板426と、後側に後側板428とを有する。そして、下側板424、前側板426、及び後側板428と、画像形成装置本体12とによって、電源基板422を取り囲むように空間Sが形成される。このように、電源基板422を取り囲む空間Sを形成することで、使用者が電源基板422に触れることができないようにして、感電等の事故を防止している。
【0083】
空間S内に吸気ダクト462(図7参照)から吸気がなされ、空間S内の空気が排気ダクト466(図7参照)によって排気され、空間S内には図8における奥側から手前側に向けての気流が発生している。このように、空間Sが空気の流れるダクトとして用いられている。
【0084】
空間S内を空気が流れることで、電源基板422が冷却され、空間Sの下方を移動する中間転写ベルト62が冷却される。また、空間S内に気流が生じることで気流の一方の側から他方の側へ熱が伝わりにくくなる。このため、第2の電源ユニット420よりも前側に位置する定着装置50(図2参照)から生じた熱が、第2の電源ユニット420よりも後側に位置する現像剤除去装置350に伝わりにくくなる。このため、現像剤除去装置350内に回収された現像剤の熱による溶融が生じにくくなる。
【0085】
図9は、画像形成装置10における給電を説明するブロック図である。
図9に示されるように、画像形成装置10は制御回路600を有し、制御回路600によって第1の電源ユニット410及び第2の電源ユニット420が制御される。
【0086】
第1の電源ユニット410は、現像装置46Y、46M、46C、46K、及び2次転写装置84に高圧の給電をしている。このように、画像形成装置本体12側に装着された第1の電源ユニット410は、同じく画像形成装置本体12側に装着されている装置である現像装置46Y、46M、46C,46K、及び2次転写装置84に給電している。
【0087】
第2の電源ユニット420は、1次転写装置80Y、80M、80C、80Kに高圧の給電をしている。このように、主開閉部26の側に装着された第2の電源ユニット420は、同じく主開閉部26の側に装着された1次転写装置80Y、80M、80C、80Kに給電している。以上のように給電をすることにより、例えば、第1の電源ユニット410から1次転写装置80Y、80M、80C、80Kへと画像形成装置本体12を縦方向に貫くように配線をして配電する場合と比較して、給電に用いられる配線の密集が生じにくくなり、該配線の長さが短くなる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上で説明をしたように、本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
10・・・画像形成装置
12・・・画像形成装置本体
14・・・排出部
26・・・主開閉部
44・・・光書き込み装置
46・・・現像装置
50・・・定着装置
60・・・中間転写ベルトユニット
62・・・中間転写ベルト
80・・・1次転写ロール
84・・・2次転写装置
200・・・感光体ユニット
210・・・感光体ドラム
350・・・現像剤除去装置
410・・・第1の電源ユニット
420・・・第2の電源ユニット
422・・・電源基板
460・・・外気供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ像を保持する複数の像保持体と、
前記複数の像保持体にそれぞれ像を形成する複数の現像装置と、
複数の支持部材に支持された中間転写体と、
前記複数の像保持体にそれぞれ保持された像を、順次重ねて前記中間転写体にそれぞれ転写させる複数の1次転写装置と、
前記中間転写体に転写された像を記録媒体に転写させる2次転写装置と、
像が転写された記録媒体に熱と圧力とを加え、記録媒体に像を定着させる定着装置と、
像が定着された記録媒体を画像形成装置本体外に排出する排出装置と、
排出された記録媒体を積層した状態で保持する記録媒体保持部と、
を有し、
前記中間転写体の下部側の辺に沿って前記複数の像保持体を配置し、
前記複数の像保持体の下方に配置された第1の電源ユニットと、
前記中間転写体の上方に配置された第2の電源ユニットと、
をさらに有する画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の電源ユニットは、少なくとも前記複数の現像装置にそれぞれ給電し、前記第2の電源ユニットは、少なくとも前記複数の1次転写装置にそれぞれ給電する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数の像保持体の下方に配置され、前記複数の像保持体にそれぞれ潜像を形成する潜像形成装置をさらに有し、
前記第1の電源ユニットは、前記潜像形成装置の下方に配置される請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の電源ユニットは、前記中間転写体と前記記録媒体保持部との間に配置される請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2の電源ユニットに向けて外気を供給する外気供給装置をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記中間転写体から現像剤を除去する現像剤除去装置をさらに有し、
前記現像剤除去装置と前記定着装置とは、前記第2の電源ユニットを挟んで配置される請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置本体に対して開閉する開閉部をさらに有し、
前記記録媒体排出部は前記開閉部に形成され、前記開閉部は、少なくとも前記第2の電源ユニット及び前記中間転写体を保持する請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記中間転写体は、前記2次転写装置が設けられた側の端部が逆側の端部よりも下方に位置するように傾斜して配置される請求項1乃至6いずれか記載の画像形成装置。
【請求項9】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体よりも上方に配置され、前記像保持体から現像剤像が転写される中間転写体と、
前記像保持体よりも下方に配置された第1の電源ユニットと、
前記中間転写体よりも上方に配置された第2の電源ユニットと、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−197701(P2010−197701A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42286(P2009−42286)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】