説明

画像形成装置

【課題】多色画像の色ずれを低減させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、単色の画像の形成時及び多色の画像の形成時に回転する感光体ドラム54Kと、感光体ドラム54Kを駆動する第1のモータ152と、多色の画像の形成時に回転する感光体ドラム54Y、54M、54Cと、感光体ドラム54Y、54M、54Cを駆動する第2のモータ162とを有し、第1のモータ152と第2のモータ162とは、それぞれの回転位相が一致するように組みつけられる。また、画像形成装置10は、前記第1のモータ152の回転を減速して感光体ドラム54Kに伝達する第1の駆動伝達機構154と、第2のモータ162の回転を減速して感光体ドラム54Y、52M、52Cに伝達する第2の駆動伝達機構164と有し、これら2つの駆動伝達系は、それぞれの回転位相が一致するように保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、目標速度に基づき、駆動部の速度制御を行う駆動制御装置であって、複数の駆動部を共通目標速度に基づき速度制御したときの駆動部毎の速度変動を検出する検出手段と、前記速度変動に基づき作成された速度変動プロファイルを駆動部毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段から振幅が最大である速度変動プロファイルを抽出する抽出手段と、抽出した速度変動プロファイルと駆動部毎の速度変動プロファイルとの差分プロファイルを駆動部毎に算出する算出手段と、前記差分プロファイルを新たな目標速度として駆動部毎に設定する設定手段と、新たな目標速度に基づき、前記駆動部の速度制御を行う駆動制御手段とを備えた駆動制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−65069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、多色画像の色ずれを低減させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る本発明は、単色の画像の形成時及び多色の画像の形成時に回転する第1の像保持体と、前記第1の像保持体を駆動する第1の駆動源と、多色の画像の形成時に回転する単数又は複数の第2の像保持体と、前記単数又は複数の第2の像保持体を駆動する第2の駆動源と、を有し、前記第1の駆動源及び前記第2の駆動源は、それぞれの回転位相が一致するように組みつけられた画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、前記第1の駆動源の回転を減速して前記第1の像保持体に伝達する第1の駆動伝達機構と、前記第2の駆動源の回転を減速して前記第2の像保持体に伝達する第2の駆動伝達機構と、をさらに有し、単色の画像の形成から多色の画像の形成に切り換える場合に、前記第1の駆動源の始動時から加算された回転数と、前記第2の駆動源の始動時から加算された回転数との差が、前記第1の駆動伝達機構及び前記第2の駆動伝達機構の減速比の整数倍となった状態で、多色画像の形成を開始する画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記第1の駆動源の回転を減速して前記第1の像保持体に伝達する駆動伝達機構をさらに有し、単色の画像を形成から多色の画像の形成に切り換える場合に、前記第1の駆動源の始動時から加算された回転数が、前記駆動伝達機構の減速比の整数倍となったタイミングで前記第2の駆動源の駆動を開始させる請求項1記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記第1の像保持体が保持する像が転写され、前記単数又は複数の像保持体が保持する像が転写される転写体と、多色の画像の形成時は前記単数又は複数の第2の像保持体と前記転写体とを接触させ、単色の画像の形成時は前記単数又は複数の第2の像保持体と前記転写体とを離間させる接離機構と、をさらに有する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る本発明によれば、多色画像の色ずれを低減させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0010】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果に加えて、駆動伝達機構間の位相のずれを低減させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0011】
請求項3に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明が奏する効果に加えて、駆動伝達機構間の位相のずれを低減させることができる画像形成装置を提供することができる。
【0012】
請求項4に係る本発明によれば、請求項1乃至3いずれか記載の本発明が奏する効果に加えて、摩擦等を原因とする像保持体の劣化を低減させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置が有する像形成ユニットを示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置が有する接離機構の動作を説明し、図3(a)は、中間転写ベルトと全ての感光体ドラムとが接触した状態を説明する説明図であり、図3(b)は、中間転写ベルトと黒画像形成用の感光体とが接触し、中間転写ベルトと、イエロー画像形成用の感光体、マゼンタ画像形成用の感光体、及びシアン画像形成用の感光体とが離間した状態を説明する説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられる駆動系を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられるモータが装着される状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、画像形成装置本体12内に転写体として用いられる中間転写ベルト14が装着されている。また、画像形成装置本体12内には、画像形成に用いられる画像形成部50が装着されている。
【0015】
中間転写ベルト14は、複数の支持ロール16に回転することができるように支持されている。複数の支持ロール16のうちの少なくとも1つが、中間転写ベルト14に駆動を伝達する駆動伝達ロールとして用いられている。
【0016】
画像形成部50は、像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kを有し、像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kが、中間転写ベルト14に対して並列に配置されていて、画像形成装置10は、所謂タンデム方式となっている。画像形成装置10は、用紙に対して、黒単色の画像と、黒、イエロー、マゼンタ、シアンからなる画像が重ねられて形成される多色画像とを選択して形成することができるようになっている。
【0017】
像形成ユニット52Kは、第1の像保持体として用いられる感光体ドラム54Kを有する。像形成ユニット52Y、52M、52Cは、第2の像保持体として用いられる感光体ドラム54Y、54M、54Cをそれぞれ有する。
【0018】
また、画像形成部50は、中間転写ベルト14の裏面に設けられ、1次転写装置として用いられる1次転写ロール56Y、56M、56C、56Kを有する。
【0019】
画像形成装置本体12の下部には用紙供給装置18が設けられている。
用紙供給装置18は、用紙が積載された状態で収納される用紙収納部20と、用紙収納部20に積載された用紙をピックするピックアップロール22と、用紙を捌きながら送り出すフィードロール24と、リタードロール26とを有する。また、用紙収納部20は、図中手前方向に引き出すことができるように画像形成装置本体12に対して着脱可能に設けられており、普通紙、OHP用紙等の用紙が収納されている。
【0020】
画像形成装置本体12の一端付近(図中左端付近)には、用紙搬送路28が略鉛直方向に形成されていて、用紙搬送路28に沿って、用紙搬送方向における上流側から順に、搬送ロール29、レジストロール30、2次転写ロール32、定着装置34及び排出ロール36が設けられている。レジストロール30は、用紙搬送路28へ送り出された用紙を一時停止させ、タイミングをとって2次転写ロール32と中間転写ベルト14との接触部に供給する。定着装置34は、熱と圧力によって、用紙にトナー像を定着する。
【0021】
画像形成装置本体12の上部は、排出部38として用いられている。排出部38には、排出ロール36によってトナー像が定着された用紙が排出される。
【0022】
また、画像形成装置本体12内には、接離機構100が装着されている。
【0023】
図2には、像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kが示されている。
像形成ユニット52Y、52M、52C、52Kは、用いる現像剤(トナー)の色が異なるものの、構成が同一であるため、以下、像形成ユニット52として総称して説明する。
【0024】
像形成ユニット52は、像形成ユニット本体58を有する。像形成ユニット本体58には、先述の感光体ドラム54が回転することができるように装着されている。また、像形成ユニット本体58内には、感光体ドラム54を帯電させる例えばロールから構成された帯電装置62と、例えばLEDアレイ(light emitting diode:発光ダイオード)から構成され、感光体ドラム54上に潜像を形成する(書き込む)露光装置64と、露光装置64により形成された感光体ドラム54上の潜像をトナーにより現像する現像装置66と、転写後に感光体ドラム54上に残ったトナーを清掃する清掃装置68とが収納されている。
【0025】
現像装置66は、例えば2成分方式であり、トナーとキャリアからなる現像剤が用いられ、現像ロール70を有する。現像ロール70には、キャリアによる磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシによりキャリアに付着したトナーを搬送し、感光体ドラム54上の潜像をトナーにより現像する。
【0026】
清掃装置68は、例えばブレードからなるトナー掻き落とし部を有し、このトナー掻き落とし部が感光体ドラム54の表面からトナーを掻き落とすようになっている。
【0027】
図3には、接離機構100の動作が説明されている。
図3に示されるように、接離機構100は、2つの支持ロール16、16のうち、像形成ユニット52Y側の支持ロール16に連結されていて、支持ロール16を図3(a)に示す位置と、図3(b)に示す位置との間で移動させることができるようになっている。接離機構100によって、像形成ユニット52Y側の支持ロール16が図3(a)に示される位置に移動した状態においては、感光体ドラム54Y、54M、54C、54Kの全てが中間転写ベルト14に接触した状態となる。一方、像形成ユニット52Y側の支持ロール16が図3(b)に示される位置に移動した状態においては、感光体ドラム54Kだけが中間転写ベルト14に接触し、感光体ドラム54Y、54M、54Cは、中間転写ベルト14から離れた状態となる。
【0028】
以上のように構成された画像形成装置10においては、多色の画像を形成する場合は、接離機構100によって、中間転写ベルト14と、感光体54Y、54M、54C、54Kの全てとが接触した状態とされる。そして、中間転写ベルト14と感光体ドラム54とが同期して互いに反対方向に回転し、帯電装置62により感光体ドラム54の表面が帯電され、露光装置64により潜像が形成される。露光装置64により形成された感光体ドラム54上の潜像は現像装置66により現像される。現像装置66により現像されたトナー像は1次転写ロール56により中間転写ベルト14に転写される。各感光体ドラム54の表面に形成されたトナー像は、1次転写ロール56によって中間転写ベルト14に転写されて、中間転写ベルト14に重ねられる。
【0029】
用紙供給装置18の用紙収納部20に積層された用紙は、ピックアップロール22、フィードロール24、リタードロール26等により一枚ずつ用紙搬送路28へ送り出される。この用紙搬送路28に送り出された用紙はレジストロール30に当接し、一時停止され、タイミングをとって2次転写ロール32へ送られる。そして、2次転写ロール32により中間転写ベルト14のトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙はさらに定着装置34に送られ、熱と圧力により用紙にトナー像が定着される。この定着装置34によりトナー像が定着された用紙は、排出ロール36により排出部38に排出される。
【0030】
また、画像形成装置10において、黒単色の画像が形成される場合は、接離機構100によって、中間転写ベルト14と感光体ドラム54Kとが接触し、中間転写ベルト14と感光体54Y、54M、54Cは、中間転写ベルト14から離れた状態とされる。そして、感光体ドラム54Kの表面に黒のトナー像が形成され、この黒のトナー像が中間転写ベルト14に、1次転写ロール56Kによって転写される。中間転写ベルト14に転写された黒のトナー像は、2次転写ロール32によって、中間転写ベルト14から用紙に転写され、定着装置34によって用紙に定着される。
【0031】
図4には、画像形成装置10の、感光体ドラム54Y、54M、54C、54Kを駆動する駆動系150が示されている。
駆動系150は、第1の駆動源として用いられる第1のモータ152と、第1の駆動伝達機構154とを有する。第1の駆動伝達機構154は、第1のモータ152の回転を減速して黒用の感光体ドラム54Kに伝達する。第1の駆動伝達機構154は、例えば複数のギアを有するギア列からなる。また、駆動系150は、第2の駆動源として用いられる第2のモータ162と、第2の駆動伝達機構164とを有する。第2の駆動伝達機構164は、第2のモータ162の回転を減速して、イエロー用の感光体ドラム54Y、マゼンタ用の感光体ドラム54M、シアン用の感光体ドラム54Cに伝達する。第2の駆動伝達機構164は、例えば複数のギアを有するギア列からなり、減速比は、第1の駆動伝達機構154と同じとなっている。
【0032】
第1の駆動伝達機構154と第2の駆動伝達機構164とは、それぞれの回転位相が互いに一致するように画像形成装置本体12に組み付けられている。
【0033】
以下の説明においては、第1の駆動伝達機構154は、第1のモータ154の回転を500分の1に減速して黒用の感光体ドラム54Kに伝達するものとし、第2の駆動伝達機構164は、第2のモータ162の回転を500分の1にして、イエロー用の感光体ドラム54Y、マゼンタ用の感光体ドラム54M、シアン用の感光体ドラム54Cに伝達するものとして説明をする。
【0034】
図5には、第1のモータ152、第2のモータ162が示されている。
図5に示されるように第1のモータ152は、アウターロータ型のブラシレスモータであり、1回転で1パルスを発し、回転部として用いられるアウターロータ155及び回転軸156が回転する。回転軸156には、第1の駆動伝達機構154を構成するギアの1つであるピニオンギア157が装着されている。
【0035】
また、第1のモータ152は、基板158に装着され、基板158が画像形成装置本体12に装着されることで、画像形成装置本体12に装着されている。この際、アウターロータ155に付されたロータマーキング155aと、基板158に付された基板マーキング158aとが、アウターロータ155の回転方向において合致するように、第1のモータ152が基板158に装着される。ロータマーキング155aは、モータ152におけるアウターロータ155及び回転軸156の偏心成分のピークとなる位置に付されている。
【0036】
また、図5に示されるように、第2のモータ162は、第1のモータ152と同様に、アウターロータ型のブラシレスモータであり、1回転で1パルスを発し、回転部として用いられるアウターロータ165と回転軸166とが回転する。回転軸166には、第2の駆動伝達機構164を構成するギアの1つであるピニオンギア167が装着されている。また、第2のモータ162は、基板168に装着され、基板168が画像形成装置本体12に装着されることで、画像形成装置本体12に装着されている。この際、アウターロータ165に付されたロータマーキング165aと、基板168に付された基板マーキング168aとが、アウターロータ165の回転方向において合致するように、第2のモータ162が基板168に装着される。ロータマーキング165aは、モータ162におけるアウターロータ165及び回転軸166の偏心成分のピークとなる位置に付されている。
【0037】
ここで、基板158及び基板168は、基板マーキング158a及び基板マーキング168aの向きが同じとなるように画像形成装置本体12に対して装着される。このため、第1のモータ152及び第2のモータ162は、回転部分(アウターロータ及び回転軸)の、それぞれの回転位相が一致するように画像形成装置本体12に組みつけられる。
【0038】
図6には、画像形成装置10が有する制御系200が示されている。
制御系200は、制御部として用いられるCPU202を有し、CPU202に通信インターフェイス204を介して画像信号が入力される。CPU202には、第1のモータ152、第2のモータ162、画像形成部50、及び接離機構100が連結されていて、CPUからの出力によって第1のモータ152、第2のモータ162、画像形成部50、及び接離機構100が制御される。
【0039】
また、制御系200は、第1のモータ152から発せられるパルスをカウントする第1のカウンタ220と、第2のモータから発せられるパルスをカウントする第2のカウンタ222と、第1のカウンタ220からの出力と第2のカウンタ222からの出力が入力され、これらの入力に基づいて演算を行う演算部230とを有する。演算部230からの出力は、CPU202に入力される。
【0040】
図7には、画像形成装置10の動作が示されていて、特に黒単色の画像形成を行った後に、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像が重ねられて形成させる多色画像を形成する場合の動作が示されている。
【0041】
図7に示すように、一連の動作がスタートすると、ステップS10において、CPU202は、第1のモータ152を起動させ(回転を開始させ)、次のステップS12で第1のカウンタ220に、第1のモータ152から発せられるパルスのカウントを開始させる。
【0042】
次のステップS14において、CPU202は、画像形成部50を制御して、画像形成部50に黒単色の画像形成を開始させる。
【0043】
次のステップS16において、黒単色の画像形成が終了したことを確認した後、通信インターフェイス204から入力される画像信号に基づいて、CPU202は、続いて多色の画像を形成するか否かを判別し、続いて多色の画像を形成するとの判別がなされた場合はステップS30に進み、続いて多色の画像形成を行わないとの判別がなされた場合は、ステップS54に進む。
【0044】
ステップS30では、CPU202は、第2のモータを起動させ(回転を開始させ)、次のステップS32で、第2のカウンタ222に、第2のモータから発せられるパルスのカウントを開始させる。
【0045】
次のステップS34では、CPU202は、演算部230に、第1のカウンタ220で加算された第1のモータ152のからのパルス、すなわち、加算された第1のモータ152の回転数と、第2のモータ162からのパルス、すなわち、加算された第2のモータ162の回転数との差が、第1の駆動伝達機構154及び第2の駆動伝達機構164の減速比の整数倍となるように、第1のモータ152と第2のモータ162とを制御する。すなわち、加算された第1のモータ152の回転数と、加算された第2のモータ162の回転数との差が、第1の駆動伝達機構154及び第2の駆動伝達機構164の減速比である500の整数倍となるように、第1のモータ152及び第2のモータ162を制御する。
【0046】
次のステップS36で、加算された第1のモータ152の回転数と、加算された第2のモータ162の回転数との差が、第1の駆動伝達機構154及び第2の駆動伝達機構164の減速比である500の整数倍となったことを確認した後、次のステップS50で、CPU202は、画像形成部50を制御して画像形成部50に多色画像を形成させる。
【0047】
ステップS50における多色画像の形成が終了した後、CPU202は、ステップS52で第2のモータ162を停止させるとともに、第2のカウンタ222の値をクリアする。
【0048】
次のステップS52では、CPU202は、第1のモータ152を停止させるとともに、第1のカウンタ220の値をクリアし、一連の動作が終了する。
【0049】
以上のように、画像形成装置10においては、加算された第1のモータ152の回転数と、加算された第2のモータ162の回転数との差が、第1の駆動伝達機構154及び第2の駆動伝達機構164の減速比である500の整数倍となった後、画像形成部50で多色の画像が形成される。このため、初期状態において、偏心成分周期が互いに合致するように組みつけられた第1の駆動伝達機構154と第2の駆動伝達機構164とは、第1の駆動伝達機構154だけが駆動した後に、第2の駆動伝達機構164が駆動を開始した場合であっても、それぞれの回転位相が一致した状態に保たれる。
【0050】
図8には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10が有する制御系200が示されている。
先述の第1の実施形態に係る画像形成装置10が有する制御系200は、第1のモータ152から発せられるパルスをカウントする第1のカウンタ220と、第2のモータから発せられるパルスをカウントする第2のカウンタ222とを有し、第1のカウンタ220からの出力と、第2のカウンタ222からの出力とが演算部230に入力された。これに対して、この第2の実施形態に係る画像形成装置10は、第2のカウンタ222を有せず、第1のカウンタ220の出力だけが演算部230に入力される。
【0051】
上述の制御系200の構成の差を除いて、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10の構成は、先述の第1の実施形態と同一であるため、他の部分の説明は省略する。
【0052】
図9には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10の動作が示されていて、特に黒単色の画像形成を行った後に、イエローのトナー像、マゼンタのトナー像、シアンのトナー像、及び黒のトナー像が重ねられて形成させる多色画像を形成する場合の動作が示されている。
【0053】
図9に示すように、一連の動作がスタートすると、CPU202は、ステップS10において、第1のモータ152を起動させ(回転を開始させ)、次のステップS12で第1のカウンタ220に、第1のモータ152から発せられるパルスのカウントを開始させる。
【0054】
次のステップS14において、CPU202は、画像形成部50を制御して、画像形成部50に黒単色の画像の形成を開始させる。
【0055】
次のステップS16において、黒単色の画像形成が終了したことを確認した後、通信インターフェイス204から入力される画像信号に基づいて、CPU202は、続いて多色の画像を形成するか否かを判別し、続いて多色の画像を形成するとの判別がなされた場合はステップS30に進み、続いて多色の画像形成を行わないとの判別がなされた場合は、ステップS54に進む。
【0056】
以上の動作は、先述の第1の実施形態に係る画像形成装置10の動作と同様である。
【0057】
次のステップS40では、CPU202は、演算部230に、第1のカウンタ220で加算された第1のモータ152のからのパルス、すなわち、加算された第1のモータ152の回転数が、第1の駆動伝達機構154の減速比の整数倍となったかどうかを判別させ、加算された第1のモータ152の回転数が、第1の駆動伝達機構154の減速比の整数倍となったタイミングで、第2モータ162を、第1のモータ152と等速で起動(回転を開始)させる。
【0058】
次のステップS50で、CPU202は、画像形成部50を制御して画像形成部50に多色画像を形成させる。
【0059】
ステップS50における多色画像の形成が終了した後、CPU202は、ステップS52で第2のモータ162を停止させるとともに、第2のカウンタ222の値をクリアする。
【0060】
次のステップS52では、CPU202は、第1のモータ152を停止させるとともに、第1のカウンタ220の値をクリアし、一連の動作が終了する。
【0061】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置10においては、加算された第1のモータ152の回転数が、第1の駆動伝達機構154の減速比の整数倍となったタイミングで、第2モータ162を、第1のモータ152と等速で起動(回転を開始)させる。このため、初期状態において、偏心成分周期が互いに合致するように組みつけられた第1の駆動伝達機構154と第2の駆動伝達機構164とは、第1の駆動伝達機構154だけが駆動した後に、第2の駆動伝達機構164が駆動を開始した場合であっても、それぞれの回転位相が一致した状態に保たれる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上で述べたように、本発明は、多色画像を形成する画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10・・・画像形成装置
14・・・中間転写ベルト
54Y、54M、54C、54K・・・感光体ドラム
100・・・接離機構
152・・・第1のモータ
154・・・第1の駆動伝達機構
155a・・・ロータマーキング
158a・・・基板マーキング
162・・・第2のモータ
164・・・第2の駆動伝達機構
165・・・アウターロータ
165a・・・ロータマーキング
168a・・・基板マーキング
202・・・CPU
220・・・第1のカウンタ
222・・・第2のカウンタ
230・・・演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単色の画像の形成時及び多色の画像の形成時に回転する第1の像保持体と、
前記第1の像保持体を駆動する第1の駆動源と、
多色の画像の形成時に回転する単数又は複数の第2の像保持体と、
前記単数又は複数の第2の像保持体を駆動する第2の駆動源と、
を有し、
前記第1の駆動源及び前記第2の駆動源は、それぞれの回転位相が一致するように組みつけられた画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の駆動源の回転を減速して前記第1の像保持体に伝達する第1の駆動伝達機構と、
前記第2の駆動源の回転を減速して前記第2の像保持体に伝達する第2の駆動伝達機構と、
をさらに有し、
単色の画像の形成から多色の画像の形成に切り換える場合に、前記第1の駆動源の始動時から加算された回転数と、前記第2の駆動源の始動時から加算された回転数との差が、前記第1の駆動伝達機構及び前記第2の駆動伝達機構の減速比の整数倍となった状態で、多色画像の形成を開始する画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の駆動源の回転を減速して前記第1の像保持体に伝達する駆動伝達機構をさらに有し、
単色の画像を形成から多色の画像の形成に切り換える場合に、前記第1の駆動源の始動時から加算された回転数が、前記駆動伝達機構の減速比の整数倍となったタイミングで前記第2の駆動源の駆動を開始させる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の像保持体が保持する像が転写され、前記単数又は複数の像保持体が保持する像が転写される転写体と、
多色の画像の形成時は前記単数又は複数の第2の像保持体と前記転写体とを接触させ、単色の画像の形成時は前記単数又は複数の第2の像保持体と前記転写体とを離間させる接離機構と、
をさらに有する請求項1乃至3いずれか記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−230739(P2010−230739A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75343(P2009−75343)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】