説明

画像形成装置

【課題】画像読取部と画像形成部との間の排出用空間に引き出し自在に配置された排紙部の不用意な引き出しによる排紙トラブルを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、画像読取部21、画像形成部22、排紙トレイ24、ロック部50、及び制御部70を備える。画像形成部22は、画像読取部21との間に用紙を排出するための排出用空間25を形成するように画像読取部21の下方に配置される。排紙トレイ24は、収納位置と引き出し位置との間で変位自在に配置される。ロック部50は、排紙トレイ24を収納位置にロックするロック状態と排紙トレイ24のロックを解除する解除状態とに変位自在である。制御部70は、画像形成部22の動作状態に基づいてロック部50を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取部と画像形成部との間に記録媒体を排出するための排出用空間を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ装置のように画像読取部を備えた画像形成装置の中には、画像読取部と画像読取部の下方に配置された画像形成部との間に記録媒体を排出するための排出用空間を備え、排出用空間に排紙部が配置された所謂胴内排紙型のものがある。排紙部を装置側面から突出するように備えるのではなく、排出用空間に備えることで、画像形成装置の占有面積が抑制される。
【0003】
ところが、排紙部が画像読取部と画像形成部との間の排出用空間に配置されると、排紙部から記録媒体を取り出しにくいという問題があった。
【0004】
そこで、排紙部からの記録媒体の取り出しを容易にするために、排紙部が排出用空間から引き出し自在にされた画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−339105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、排紙部が排出用空間に引き出し自在に配置されると、記録媒体が排紙部へ排出される様子を使用者が視認しづらいので、記録媒体の排出中にも関らず使用者が不用意に排紙部を引き出してしまう虞がある。記録媒体の排出中に排紙部が引き出されると、記録媒体の損傷や散乱といった排紙トラブルが発生する虞がある。
【0007】
この発明の目的は、画像読取部と画像形成部との間の排出用空間に引き出し自在に配置された排紙部の不用意な引き出しによる排紙トラブルを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、画像読取部、画像形成部、排紙部、ロック部、及び制御部を備える。画像読取部は、原稿の画像情報を読み取って画像データを生成する。画像形成部は、画像読取部との間に記録媒体を排出するための排出用空間を形成するように画像読取部の下方に配置され、画像読取部又は外部から供給される画像データに基づいて記録媒体に画像形成処理を行う。排紙部は、排出用空間内に収納される収納位置と排出用空間から引き出される引き出し位置との間で変位自在に配置され、画像形成部から排出される記録媒体を収容する。ロック部は、排紙部を収納位置にロックするロック状態と排紙部のロックを解除する解除状態とに変位自在である。制御部は、画像形成部の動作状態に基づいてロック部を制御する。
【0009】
この構成では、画像形成部の動作状態に基づいて排紙部が収納位置にロックされるので、1又は複数の画像形成処理を行う印刷ジョブの実行中に使用者が不用意に排紙部を引き出そうとしても、排紙部が引き出されないようにすることができる。また、排紙部は画像読取部と画像形成部との間の排出用空間に配置されるので視認性が悪いが、使用者が排紙部を引っ張ることで、ロックされていれば印刷ジョブの実行中であると認識することができる。このため、印刷ジョブの実行中であるために排紙部を引き出すべきでないことを、排紙部を目視することなく認識することができる。したがって、視力が弱い人でも排紙部を引き出すべきでないことを容易に認識することができ、バリアフリーに貢献することができる。
【0010】
上述の構成において、制御部は、画像形成部が1又は複数の画像形成処理を行う印刷ジョブの実行中である場合はロック部をロック状態にし、画像形成部が印刷ジョブの実行中でない場合はロック部を前記解除状態にするように構成することができる。印刷ジョブの実行中はロック部がロック状態になるので、排紙部の不用意な引き出しを防止することができる。一方、印刷ジョブの実行中でない場合はロック部が解除状態になるので、排紙部を引き出すことができ、排紙部から記録媒体を容易に取り出すことができる。
【0011】
また、ロック部を解除状態にする旨の入力操作を受け付ける操作部をさらに備え、制御部は、画像形成部が印刷ジョブの実行中に、ロック部を解除状態にする旨の入力操作を操作部が受け付けた場合は、画像形成部の印刷ジョブを停止させた後、ロック部を解除状態にするように構成することができる。印刷ジョブの実行中であっても印刷ジョブを停止させて排紙部を引き出すことができるので、排紙部から記録媒体を早く取り出したい場合に印刷ジョブの終了を待たず即座に記録媒体を取り出すことができる。また、排紙部のロックを解除する前に印刷ジョブを停止させるので、記録媒体を早く取り出したい場合でも排紙トラブルを防止することができる。
【0012】
さらに、排紙部は、ロック用凹部を有し、ロック部は、ロック用凹部に係合自在な係合部、係合部をロック用凹部に係合する係合位置とロック用凹部との係合が解除される係合解除位置とに揺動自在に支持する揺動軸、及び、係合部を係合位置と係合解除位置とに揺動させる駆動部を有するように構成することができる。ロック部の係合部と排紙部のロック用凹部とが係合することで排紙部がロックされ、係合部とロック用凹部との係合が解除されることで排紙部のロックが解除される。係合部を揺動させるという簡単な構成で、ロック部をロック状態と解除状態とに容易に切り換えることができる。
【0013】
また、揺動軸は、排紙部の引き出し方向に対して平行に配置することができる。揺動軸が排紙部の引き出し方向に対して平行であれば、排紙部の引き出し方向と係合部の揺動方向とが直交し、係合部は排紙部の引き出し方向に沿って揺動することはできない。このため、係合部が係合位置にある状態で排紙部が強い力で引っ張られても、排紙部を引き出すことができない。したがって、ロック部のロック状態を確実に維持することができる。また、係合部が係合位置にある状態において揺動軸の回転を強固に固定する必要がないので、ロック部の構成を簡易化することができる。
【0014】
さらに、制御部は、排紙部が所定時間継続して引き出し位置に配置された場合、警告を発するように構成することができる。警告を発することで、排紙部を引き出し位置から収納位置へ収納するように促すことができる。排紙部を収納位置へ収納することで、排紙部が引き出し位置にあることで停止されていた印刷ジョブの実行が可能になる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、画像読取部と画像形成部との間の排出用空間に引き出し自在に配置された排紙部の不用意な引き出しによる排紙トラブルを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施形態に係る画像形成装置の正面図である。
【図2】画像形成装置の排紙トレイ近傍を示す部分斜視図である。
【図3】解除状態のロック部の斜視図である。
【図4】ロック状態のロック部の斜視図である。
【図5】解除ボタンを示す平面図である。
【図6】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図7】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】他の実施形態に係る解除ボタンを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、画像形成装置10は、本体部20、自動原稿搬送装置(ADF:AutomaticDocument Feeder)30、及び給紙装置40を備えている。
【0019】
本体部20は、画像読取部21、画像形成部22、給紙部23、及び排紙トレイ24を備えている。
【0020】
画像読取部21は、図示しない原稿台、及び原稿台の下に配置されたスキャナユニットを有している。画像読取部21は、原稿台上に載置された原稿の画像情報を、スキャナユニットで読み取ることで、画像データを生成する。
【0021】
給紙部23は、画像読取部21から距離をおいて下方に配置されている。給紙部23は、2段の給紙カセット231,232を有しており、画像形成部22へ記録媒体の一例である用紙を供給する。給紙カセット231,232は、画像形成装置10の正面側へ引き出して用紙を補給するフロントローディングタイプである。
【0022】
画像形成部22は、画像読取部21と給紙部23との間に配置されている。画像形成部22は、画像読取部21との間に用紙を排出するための排出用空間25を形成するように配置されている。画像形成部22は、平面断面の面積が画像読取部21及び給紙部23と略同じである下体部221、並びに排出用空間25を残すように平面断面の面積が画像読取部21及び給紙部23より小さく、下体部221の上に配置された上体部222を有している。上体部222の平面断面は、略U字形である。上体部222は、画像読取部21を支持している。
【0023】
画像形成部22は、図示しない感光体ドラム、帯電装置、レーザ書き込み装置、現像装置、転写装置、定着装置、搬送ローラ等を内蔵しており、画像読取部21又は外部から供給される画像データに基づいて、用紙に電子写真方式の画像形成処理を行う。
【0024】
排出用空間25は、正面を除く三方の側面即ち図1における左右両側の面と奥側の面とが上体部222によって囲まれ、上下を画像読取部21と下体部221とによって囲まれている。
【0025】
上体部222は図示しない用紙搬送路を内蔵し、上体部222の排出用空間25側の側面には、画像形成処理によって画像を形成された用紙が排出される排出口26が設けられている。排出口26は、上体部222の高さ方向の中央部より若干下の位置に設けられている。
【0026】
排出用空間25の底部には、排紙トレイ24が配置されている。排紙トレイ24は、排出用空間25内に収納される収納位置と、排出用空間25から引き出される引き出し位置との間で変位自在に構成されている。排紙トレイ24は、画像形成部22の排出口26から排出される用紙を収容する。
【0027】
排紙トレイ24が収納位置と引き出し位置とに変位自在なので、排出用空間25が上体部222、画像読取部21、及び下体部221によって囲まれているにも関わらず、排紙トレイ24からの用紙の取り出しが容易である。
【0028】
ADF30は、奥側に設けられた図示しないヒンジによって画像読取部21の上に装着されており、原稿台を開閉自在に覆うことができる。ADF30は、原稿載置トレイ31に載置された1枚又は複数枚の原稿を1枚ずつ原稿台上へ搬送し、画像読取部21によって画像情報を読み取られた原稿を原稿排出トレイ32へ排出する。
【0029】
ADF30を用いずに原稿の画像情報を読み取る場合は、原稿は使用者によって原稿台上に載置され、ADF30は押圧板として用いられる。
【0030】
給紙装置40は、2段の給紙カセット41,42を有しており、給紙カセット41,42のそれぞれに収容された用紙を画像形成部22へ供給する。
【0031】
図2に示すように、排紙トレイ24は、収納位置と引き出し位置とに変位自在である。排紙トレイ24は、引き出し方向91に直交する幅方向92の両端部の下側に図示しないベアリングを有している。また、上体部222の左右両方の内側側壁面に、図示しないレール状突起が設けられている。排紙トレイ24は、レール状突起の上をベアリングによってスライドできるように構成されている。
【0032】
排紙トレイ24は、待機時、及び1又は複数の画像形成処理を行う印刷ジョブの実行中は収納位置に配置され、排紙トレイ24に収容された用紙を取り出す際に取り出し位置へ引き出される。
【0033】
図3及び図4に示すように、画像形成装置10は、ロック部50をさらに備えている。ロック部50は、排紙トレイ24を収納位置にロックするロック状態と、排紙トレイ24のロックを解除する解除状態とに変位自在に構成されている。
【0034】
排紙トレイ24は、外側底面にロック用凹部241を有している。ロック用凹部241は、排紙トレイ24の引き出し方向91の寸法に比べて引き出し方向91に直交する幅方向92に長く延びている。
【0035】
ロック部50は、ロックレバー51、揺動軸52、及びソレノイド53を有している。ロックレバー51は、ロック用凹部241に係合自在な係合部を構成している。揺動軸52は、ロックレバー51を、ロック用凹部241に係合する係合位置と、ロック用凹部241との係合が解除される係合解除位置とに、揺動自在に支持している。ロックレバー51は、一方の端部がロック用凹部241内に入り込むことで、ロック用凹部241に係合する。
【0036】
揺動軸52は、排紙トレイ24の引き出し方向91に対して平行に配置されている。このため、ロックレバー51は、引き出し方向91に対して直交する幅方向92に沿って揺動し、引き出し方向91に沿う方向には変位することができない。これによって、ロックレバー51が係合位置にある状態で排紙トレイ24が強い力で引っ張られても、排紙トレイ24を引き出すことができない。したがって、ロック部50のロック状態を確実に維持することができる。また、ロックレバー51が係合位置にある状態において揺動軸52の回転を強固に固定する必要がないので、ロック部50の構成を簡易化することができる。
【0037】
ソレノイド53は、鉄芯531を有している。鉄芯531は、非通電時は図3に示すように本体532からの露出部分が多くなるように外側へ延びた第1の位置に配置され、通電時に図4に示すように本体532からの露出部分が小さい第2の位置へ変位する。ソレノイド53の本体532は、画像形成部22のフレームの所定位置に固定された固定金具54に固定されている。
【0038】
ソレノイド53は、ロックレバー51を係合位置と係合解除位置とに揺動させる駆動部を構成している。ソレノイド53の鉄芯531は、ロックレバー51の両端部のうちロック用凹部241に係合する方の端部である第1端部511に対して揺動軸52を挟んで反対側の第2端部512に固定されている。
【0039】
また、ロックレバー51の第1端部511には、バネ55の一端部が固定され、バネ55の他端部は固定金具54に固定されている。バネ55は、ロックレバー51の第1端部511を、係合位置から係合解除位置へ変位させる方向に付勢している。
【0040】
ソレノイド53の非通電時には、図3に示すように、鉄芯531が第1の位置に配置され、ロックレバー51がロック用凹部241と係合しない係合解除位置に配置される。ソレノイド53に通電されると、図4に示すように、鉄芯531が第2の位置へ変位することで、ロックレバー51がロック用凹部241と係合する係合位置に変位する。ソレノイド53が再び非通電状態になると、バネ55の付勢力によってロックレバー51が図3に示す係合解除位置へ変位する。
【0041】
ロック部50は、ロックレバー51が係合位置に配置されたロック状態に変位することで排紙トレイ24を収納位置にロックし、ロックレバー51が係合解除位置に配置された解除状態に変位することで排紙トレイ24のロックを解除することができる。排紙トレイ24のロックが解除されることで、排紙トレイ24が引き出し自在となる。
【0042】
図5に示すように、画像形成装置10は、操作パネル60をさらに備えている。操作パネル60は、画像読取部21の正面側上面に配置されている。操作パネル60は、タッチパネル61、テンキー62、スタートキー63、及び解除ボタン64を含む種々の入力部及び表示部を有している。
【0043】
解除ボタン64は、ロック部50を解除状態にする旨の入力操作を受け付ける操作部を構成している。この実施形態では、解除ボタン64は、操作パネル60のうちタッチパネル61以外の部分の所定位置に配置されている。解除ボタン64は、タッチパネル61以外の部分に配置されているので、タッチパネル61の表示画面に関わらず常時押下可能である。
【0044】
図6に示すように、画像形成装置10は、制御部70、引き出し検出センサ71、タイマ72、及びスピーカ73をさらに備えている。制御部70は、画像形成装置10を統括的に制御している。
【0045】
制御部70は、画像読取部21が生成した画像データを、所定の画像処理を施した後に画像形成部22へ出力する。画像形成部22は、画像データに基づく画像を用紙に形成する。
【0046】
引き出し検出センサ71は、排紙トレイ24が収納位置又は引き出し位置のいずれに配置されているのかを検出し、検出結果を制御部70へ出力する。
【0047】
タイマ72は、時間情報を制御部70へ供給する。制御部70は、排紙トレイ24が所定時間以上継続して引き出し位置にある場合、スピーカ73へ警告用駆動データを出力する。スピーカ73は、警告用駆動データに基づいて、例えばアラームの鳴動を行う。これによって、排紙トレイ24を収納位置へ戻すように使用者を促すことができる。なお、アラームの鳴動に代えて、警告メッセージの音声出力を行うこともできる。また、警告ランプを備え、アラームの鳴動に代えて警告ランプを点灯又は点滅させるように構成することもできる。
【0048】
制御部70は、画像形成部22の動作状態に基づいてロック部50のソレノイド53を制御する。
【0049】
図7に示すように、制御部70は、1又は複数の画像形成処理を行う印刷ジョブの実行中である場合は(S1)、ソレノイド53に通電してソレノイド53を図4に示す第2の位置に配置することで、ロック部50をロック状態にする(S2)。
【0050】
制御部70は、待機時及び印刷ジョブの終了時といった画像形成部22が印刷ジョブの実行中でない場合は(S1)、ソレノイド53に通電せずにソレノイド53を図3に示す第1の位置に配置することで、ロック部50を解除状態にする(S3)。
【0051】
印刷ジョブの実行中は排紙トレイ24が収納位置にロックされるので、印刷ジョブの実行中に使用者が不用意に排紙トレイ24を引き出そうとしても、排紙トレイ24が引き出されない。このため、画像読取部21と画像形成部22との間の排出用空間25に引き出し自在に配置された排紙トレイ24の不用意な引き出しによる排紙トラブルを防止することができる。
【0052】
また、排紙トレイ24は画像読取部21と画像形成部22との間の排出用空間25に配置されるので視認性が悪いが、使用者が排紙トレイ24を引っ張ることで、ロックされていれば印刷ジョブの実行中であると認識することができる。このため、印刷ジョブの実行中であるために排紙トレイ24を引き出すべきでないことを、排紙トレイ24を目視することなく認識することができる。したがって、視力が弱い人でも排紙トレイ24を引き出すべきでないことを容易に認識することができ、バリアフリーに貢献することができる。
【0053】
制御部70は、画像形成部22が印刷ジョブの実行中に、ロック部50を解除状態にする旨の入力操作を解除ボタン64が受け付けた場合は(S4)、印刷ジョブに含まれる1又は複数の画像形成処理のうち現に実行中の画像形成処理が終了した後に画像形成部22の印刷ジョブを停止させた後、ソレノイド53への通電を停止してソレノイド53を図3に示す第1の位置に配置することで、ロック部50を解除状態にする(S3)。
【0054】
印刷ジョブの実行中であっても印刷ジョブを停止させて排紙トレイ24を引き出すことができるので、排紙トレイ24から用紙を早く取り出したい場合に印刷ジョブに含まれる全ての画像形成処理の終了を待たず即座に用紙を取り出すことができる。また、排紙トレイ24のロックを解除する前に印刷ジョブを停止させるので、用紙を早く取り出したい場合でも排紙トラブルを防止することができる。
【0055】
制御部70は、画像形成部22の待機時や印刷ジョブの一時停止時などのロック部50が解除状態である場合、タッチパネル61に「排紙トレイを引き出せます。」という旨の表示を行う。一方、制御部70は、画像形成部22が印刷ジョブの実行中であり、ロック部50がロック状態である場合、タッチパネル61に「排紙トレイを引き出せません。」という旨の表示を行う。
【0056】
制御部70は、排紙トレイ24が引き出し位置にある状態で印刷ジョブが入力した場合、排紙トレイ24が収納位置に配置されるまで印刷ジョブを実行しないとともに、スピーカ73へ警告用駆動データを出力する。
【0057】
なお、図7に示すように、解除ボタン64Aを、操作パネル60のタッチパネル61に配置することもできる。
【0058】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
10 画像形成装置
20 本体部
21 画像読取部
22 画像形成部
23 給紙部
24 排紙トレイ
25 排出用空間
50 ロック部
51 ロックレバー(係合部)
52 揺動軸
53 ソレノイド(駆動部)
55 バネ
64 解除ボタン(操作部)
70 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像情報を読み取って画像データを生成する画像読取部と、
前記画像読取部との間に記録媒体を排出するための排出用空間を形成するように前記画像読取部の下方に配置され、前記画像読取部又は外部から供給される画像データに基づいて記録媒体に画像形成処理を行う画像形成部と、
前記排出用空間内に収納される収納位置と前記排出用空間から引き出される引き出し位置との間で変位自在に配置され、前記画像形成部から排出される記録媒体を収容する排紙部と、
前記排紙部を前記収納位置にロックするロック状態と前記排紙部のロックを解除する解除状態とに変位自在なロック部と、
前記画像形成部の動作状態に基づいて前記ロック部を制御する制御部と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像形成部が1又は複数の画像形成処理を行う印刷ジョブの実行中である場合は前記ロック部を前記ロック状態にし、前記画像形成部が印刷ジョブの実行中でない場合は前記ロック部を前記解除状態にする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記ロック部を解除状態にする旨の入力操作を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記画像形成部が印刷ジョブの実行中に、前記ロック部を解除状態にする旨の入力操作を前記操作部が受け付けた場合は、前記画像形成部の印刷ジョブを停止させた後、前記ロック部を解除状態にする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排紙部は、ロック用凹部を有し、
前記ロック部は、前記ロック用凹部に係合自在な係合部、前記係合部を前記ロック用凹部に係合する係合位置と前記ロック用凹部との係合が解除される係合解除位置とに揺動自在に支持する揺動軸、及び、前記係合部を前記係合位置と前記係合解除位置とに揺動させる駆動部を有する請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記揺動軸は、前記排紙部の引き出し方向に対して平行に配置される請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記排紙部が所定時間継続して前記引き出し位置に配置された場合、警告を発する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−286747(P2010−286747A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141759(P2009−141759)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】