説明

画像形成装置

【課題】
印刷前に印刷に必要な印刷コストを容易に把握することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】
入力された印刷データに基づいて複数の給紙部から給紙された記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、複数の給紙部の各々が収容する媒体の媒体単価を記憶する記憶部と、印刷データを解析して印刷属性情報を抽出する解析部と、記憶部に記憶された媒体単価と解析部により抽出された印刷属性情報とに基づき複数の印刷コストを算出するコスト算出部と、コスト算出部により算出された複数の印刷コストを表示する表示部と、を備えた画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の給紙部を備え、何れかの給紙部から給紙された媒体に画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、デジタルカメラ等の画像記録装置により記録されたデジタル写真画像データを写真紙等の媒体に印刷する写真画像印刷システムにおいては、例えば、媒体の媒体タイプ、媒体サイズ、媒体ウェイト等の設定項目をそれぞれ使用者が選択し、設定する必要があった。このような使用者による設定項目の選択・設定は、印刷機能が充実するにつれ、煩雑になり、また面倒なものであった。
【0003】
そこで、上記問題を解決するため、予め決定された設定項目を表示し、使用者による選択・設定の手間を軽減させる画像形成装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】WO99/48389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の画像形成装置では、印刷品質にかかる設定項目の選択・設定は容易に行うことができるが、印刷前に印刷に必要な印刷コストを把握することはできないといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、印刷前に印刷に必要な印刷コストを容易に把握することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像形成装置は、入力された印刷データに基づいて複数の給紙部から給紙された記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、複数の給紙部の各々が収容する媒体の媒体単価を記憶する記憶部と、印刷データを解析して印刷属性情報を抽出する解析部と、記憶部に記憶された媒体単価と解析部により抽出された印刷属性情報とに基づき複数の印刷コストを算出するコスト算出部と、コスト算出部により算出された複数の印刷コストを表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の画像形成装置は、使用者により入力された印刷データから抽出された印刷属性情報と複数の給紙部がそれぞれ収容する記録媒体の媒体単価とから、入力された印刷データの印刷にかかる印刷コストを複数算出する。算出された複数の印刷コストは表示部により使用者に表示される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、印刷前に印刷に必要な印刷コストを容易に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態にかかる画像形成装置としてのプリンタ10の構成を説明する機能ブロック図である。プリンタ10は、入力された印刷データに基づく画像を媒体に印刷することが可能な画像形成装置である。
【0012】
プリンタ10は、制御部11と、記憶部12と、給紙部13と、受信部14と、操作パネル部15と、解析部16と、印刷部17と、メモリ18とを備え、これらの各部はバス19を介して接続されている。
【0013】
制御部11は、ファームウェア制御の中心として機能するCPU(Central Processing Unit)を備え、プリンタ10における他の各部の動作や可動状況を統括的に管理する。
【0014】
記憶部12は、情報を格納し保存する記憶領域であり、印刷に使用される媒体の媒体単価(以降、単に単価と称することがある)を記憶する媒体単価記憶部121と、使用者が所望する目標印刷コストとしての目標コストを記憶する目標コスト記憶部122とを備える。なお、目標コストは、使用者の予算等の兼ね合いから任意に設定することができる。この記憶部12には、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置を使用することができる。
【0015】
図2は、記憶部12の媒体単価記憶部121を模式的に表した図である。媒体単価記憶部121は、媒体種別121と媒体1枚あたりの価格に相当する単価21の情報を記憶する。なお、第1の実施形態においては、媒体単価記憶部121は単価21の異なる媒体(1)201、媒体(2)202、媒体(3)203、媒体(4)204、媒体(5)205の5種類の単価21を一例として記憶するものとする。
【0016】
給紙部13は、単価21の異なる媒体(1)201、媒体(2)202、媒体(3)203、媒体(4)204、媒体(5)205の5種類の媒体を給紙する。図3は、給紙部13を模式的に表した図である。給紙部13は、媒体(1)201を収容する第1トレイ31、媒体(2)202を収容する第2トレイ32、媒体(3)203を収容する第3トレイ33、媒体(4)204を収容する第4トレイ34、媒体(5)205を収容する第5トレイ35の5つの給紙トレイから構成されている。これらの給紙トレイには、それぞれ、媒体種別20に基づいて単価21と、媒体サイズ、媒体タイプ、媒体ウェイトからなるトレイ媒体設定とが設定されている。
【0017】
受信部14は、使用者がプリンタ10に対して印刷を実行させる印刷データを受信する。図4は、受信部14が受信する印刷データ40を模式的に表した図である。なお、第1の実施形態においては、印刷データ40はアドビ社のポストスクリプト言語41で記述されるものとし、当該印刷データは、表紙ページとしての1ページ目42、通常ページとしての2ページ目43、同通常ページとしての3ページ目44、同通常ページとしての4ページ目45、同通常ページとしての5ページ目46の合計5ページから構成されるものとする。そして、各ページは、印刷属性情報としての媒体サイズコマンド421、媒体タイプコマンド422、媒体ウェイトコマンド423等の設定コマンド及び媒体に画像を形成させるためのページデータ424を備えるものとする。
【0018】
操作パネル部15は、オペレーションパネルであり、使用者の操作により指示や情報の入力を受付ける図示せぬタッチパネルやキーボードに相当する入力部151と、図示せぬ液晶ディスプレイ等の表示装置に相当する表示部152とを備える。
【0019】
解析部16は、受信部14を介して受信した印刷データを解析し、印刷属性情報としての設定コマンドから媒体サイズ、媒体タイプ、媒体ウェイト等の媒体の設定にかかる印刷データ媒体設定等を抽出するとともに、各ページの印刷にかかるドットカウントを取得するデータ解析部161と、印刷データ40の印刷にかかる印刷コストを算出するコスト算出部162とを備える。コスト算出部162による印刷コストの算出については、後ほど詳細に説明する。
【0020】
印刷部17は、例えば、電子写真方式の印刷エンジンであり、解析部16により解析された印刷データ40のページデータ424に基づく画像を媒体に印刷する。
【0021】
メモリ18は、コスト算出部162により算出された印刷コストを一時的に記憶する揮発性記憶装置であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等を使用することができる。
【0022】
次に、コスト算出部162による印刷コストの算出方法について説明する。なお、印刷コスト81は、媒体のコスト50(Cost(S))、消費電力のコスト60(Cost(P))、消耗品のコスト70(Cost(D))から構成される。したがって、媒体のコスト50(Cost(S))を図5、消費電力のコスト60(Cost(P))を図6、消耗品のコスト70(Cost(D))を図7を使用してそれぞれ説明し、これらのコストから構成される印刷コスト81について図8を使用して説明する。
【0023】
図5は、媒体のコスト50(Cost(S))を算出する方法の一例を示した図である。媒体にはそれぞれ単価21が設定されており、媒体の印刷枚数が多いほど、媒体のコスト50(Cost(S))は高くなる。媒体のコスト50(Cost(S))を決定する要素は、表示ページ/通常ページのページ数、選択された媒体の単価21である。第1の実施形態における印刷データ40は、図4に示されるように、1ページ目42の表紙ページと、それに続く2ページ目43、3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の通常ページとから構成されている。表紙ページとしての1ページ目42の印刷データ媒体設定は、媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Gross、媒体ウェイト:Heavyである。この印刷データ媒体設定に対応する媒体が収容されているトレイ、すなわち、印刷データ媒体設定と各トレイのトレイ媒体設定とが一致するのは、媒体(1)201を収容する第1トレイ31又は媒体(2)202を収容する第2トレイ32であるため、表示ページ用の媒体が収容されているトレイとして選択可能なのは、第1トレイ31又は第2トレイ32のどちらかとなる。一方、通常ページとしての2ページ目43、3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の印刷データ媒体設定は、何れも、媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Plain、媒体ウェイト:Mediumである。この印刷データ媒体設定に対応する媒体が収容されているトレイは、媒体(3)203を収容する第3トレイ33、媒体(4)204を収容する第4トレイ34、媒体(5)205を収容する第5トレイ35であるため、通常ページ用の媒体が収容されているトレイとして選択可能なのは、第3トレイ33、第4トレイ34、第5トレイ35の何れかとなる。以上のことより、媒体のコスト50(Cost(S))は、印刷データ40のページ枚数と印刷データ媒体設定に基づいて選択されたトレイ、つまり選択された媒体の単価21との乗算した値として定義される。そして、この媒体のコスト50(Cost(S))は、トレイ毎に設定される。
【0024】
図6は、消費電力のコスト60(Cost(P))を算出する方法の一例を示した図である。トナー等の色材を媒体に定着させるためには電力を消費し、消費電力が大きいほどコストは高くなる。消費電力のコスト60(Cost(P))を決定する要素は、媒体サイズ、媒体ウェイト、ページ数である。第1の実施形態においては、媒体サイズ[S]と媒体ウェイト[W]を乗じた値が消費電力[P]と相関関係がある。そして、消費電力[P]の単位コストを[p]、ページ数を[N]とすると、消費電力のコスト60(Cost(P))は消費電力の単位コスト[p]とページ数[N]とを乗算した結果、Cost(P)=p×N×Pとして定義される。そして、この消費電力のコスト60(Cost(P))は、トレイ毎に設定される。
【0025】
図7は、消耗品のコスト70(Cost(D))を算出する方法の一例を示した図である。媒体に画像を描画するにはトナー等の色材を消費し、色材の消費量[D]が多いほどコストは高くなる。消耗品のコスト70(Cost(D))を決定する要素は、描画される画像を構成するドット数、つまりドットカウント[C]である。第1の実施形態においては、消費単位のコストを[d]とすると、消耗品のコスト70(Cost(D))は消耗品の単位コスト[d]とドットカウント[C]とを乗算した結果、Cost(D)=d×C(=D)として定義される。そして、この消耗品のコスト70(Cost(D))は、トレイ毎に設定される。
【0026】
ここで、600dpi×600dpi及びA4サイズ用紙に印刷する場合を例に挙げて、ドットカウント[C]について説明する。600dpi×600dpiの印刷解像度の場合、A4サイズ(8.27インチ×11.69インチ)のページ内の全ドットを塗りつぶす場合、34803468ドット((8.27インチ×600dpi)×(11.69インチ×600dpi)=4962ドット×7014ドット)になる。例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色カラープリンタの場合では、139213872ドット(34803468ドット×4面)が総数となる。そして、例えば、表紙ページのドット密度を20%と仮定すると、表紙ページのドットカウント[C]は、27842774ドット(139213872ドット×0.2)となる。また、例えば、通常ページのドット密度を10%と仮定すると、通常ページのドットカウント[C]は、1392138ドット(139213872ドット×0.1)となる。
【0027】
図8は、印刷コスト81を決定する方法の一例を示した図である。図8(a)に示されるように、媒体のコスト50(Cost(S))、消費電力のコスト60(Cost(P))、消耗品のコスト70(Cost(D))は各トレイのコスト80として算出される。すなわち、第1の実施形態においては、第1トレイ31又は第2トレイ32には表紙ページ用の媒体が収容され、印刷データ40に基づくページ数は1ページである。したがって、第1トレイ31の媒体のコスト50(Cost(S))は、媒体(1)201の単価21(300円)にページ数(1ページ)を乗算した値段(300円)となる。また、同様に、第2トレイ32の媒体(2)202のコスト50(Cost(S))は、媒体の単価21(200円)にページ数(1ページ)を乗算した値段(200円)となる。一方、第3トレイ33、第4トレイ34、第5トレイ35には通常ページ用の媒体が収容され、印刷データ40に基づくページ数は4ページである。したがって、第3トレイ33の媒体(3)203のコスト50(Cost(S))は、媒体(3)203の単価21(10円)にページ数(4ページ)を乗算した値段(40円)となる。また、同様に、第4トレイ34の媒体(4)204のコスト50(Cost(S))は、媒体(4)204の単価21(20円)にページ数(4ページ)を乗算した値段(80円)、第5トレイ35の媒体(5)205のコスト50(Cost(S))は、媒体(5)205の単価21(30円)にページ数(4ページ)を乗算した値段(120円)となる。そして、消費電力のコスト60(Cost(P))、消耗品のコスト70(Cost(D))は、第1トレイ31と第2トレイ32とで同額であり、第3トレイ33、第4トレイ34、及び第5トレイ35で同額である。したがって、各トレイのコスト80は図8(a)中の「小計」の欄に記述の値段となる。
【0028】
そして、印刷コスト81は、図8(b)に示されるように、表示ページ用の印刷に選択されるトレイと通常ページ用の印刷に選択されるトレイとの組み合わせ82により定義される。すなわち、例えば、組み合わせ82として、表紙ページ用の印刷に第1トレイ31が選択され、通常ページ用の印刷に第3トレイ33が選択された場合、印刷コスト81は、第1トレイ31のコスト80である390円と、第3トレイ33のコスト80である100円との合計である490円となる。
【0029】
図9は、使用者に対して上記で説明したトレイの組み合わせ82と印刷コスト81とを表示する操作画面90の一例を説明する図である。操作画面90は、使用者が所望する目標コストを入力する目標コスト入力ボックスと、トレイの組み合わせ82の検索実行を指示する検索実行ボタンとを備えたブロック91と、目標コストに基づく検索結果を表示し、どのトレイの組み合わせ82で印刷データ40にかかる印刷を実行させるかの選択を受付けるブロック92とを備える。そして、使用者は表示されたトレイの組み合わせ82の中で、入力した目標コストに近いトレイの組み合わせ82を選択し、印刷実行ボタンを押すことで、印刷データ40にかかる印刷を実行させることができる。
【0030】
このような構成を備えたプリンタ10によれば、印刷前に印刷に必要な印刷コストを容易に把握することが可能となる。
【0031】
次に、プリンタ10の処理動作について図10、図11、図12、図13のフローチャートを使用して説明する。まず、図10のフローチャートを使用してプリンタ10の全体にかかる処理動作について説明し、次いで、図11で媒体のコスト50の算出にかかる処理、図12で消費電力のコスト60の算出にかかる処理、図13で消耗品のコスト70の決定にかかる処理について説明する。
【0032】
図10は、使用者が所望する目標コストを入力し、当該目標コストに基づいてトレイの組み合わせ82を表示する処理を説明するフローチャートである。
【0033】
まず、ステップS1において、使用者は入力部151の操作画面90の目標コスト入力ボックスに所望の目標コストを入力する。すると、制御部11は、入力された目標コストを目標コスト記憶部122に記憶させる。
【0034】
次に、使用者はプリンタ10に印刷を実行させる印刷データ40を入力する(ステップS2)。受信部14を介して印刷データ40を受信した制御部11は、解析部16に対して印刷データ40を解析するよう指示を与える。
【0035】
制御部11により印刷データ40の解析指示を受けた解析部16は、データ解析部161に対して印刷データ40の印刷属性情報としての設定コマンドから媒体の設定にかかる印刷データ媒体設定を抽出するよう指示を与える。指示を受けたデータ解析部161は設定コマンドから媒体の設定にかかる印刷データ媒体設定を抽出する(ステップS3)。そして、解析部16は、印刷データ媒体設定に基づき媒体のコスト50を算出するよう、コスト算出部162に指示を与える。
【0036】
解析部16により媒体のコスト50を算出するよう指示を受けたコスト算出部162は、媒体のコスト50を算出する(ステップS4)。なお、ステップS4におけるコスト算出部162による媒体のコスト50の算出処理については図11のフローチャートで説明する。
【0037】
ステップS4において、媒体のコスト50の算出が終了すると、解析部16は当該算出結果をメモリ18に一時的に記憶させるとともに、同コスト算出部162に対して消費電力のコスト60を算出するよう指示を与える。
【0038】
解析部16により消費電力のコスト60を算出するよう指示を受けたコスト算出部162は、消費電力のコスト60を算出する(ステップS5)。なお、ステップS5におけるコスト算出部162による消費電力のコスト60の算出処理については図12のフローチャートで説明する。
【0039】
ステップS5において、消費電力のコスト60の算出が終了すると、解析部16は当該算出結果をメモリ18に一次的に記憶させるとともに、同コスト算出部162に対して消耗品のコスト70を算出するよう指示を与える。
【0040】
解析部16により消耗品のコスト70を算出するよう指示を受けたコスト算出部162は、消耗品のコスト70を算出する(ステップS6)。なお、ステップS6におけるコスト算出部162による消耗品のコスト70の算出処理については図13のフローチャートで説明する。
【0041】
ステップS6において、消耗品のコスト70の算出が終了すると、解析部16はメモリ18に一次的に記憶させた媒体のコスト50にかかる算出結果及び消費電力のコスト60にかかる算出結果を読み出すとともに、媒体のコスト50、消費電力のコスト60、消耗品のコスト70の合計値を求め、印刷コスト81を算出するようコスト算出部162に指示を与える。
【0042】
解析部16により印刷コスト81を算出するよう指示を受けたコスト算出部162は、媒体のコスト50、消費電力のコスト60、消耗品のコスト70の合計値を求め、印刷コスト81を算出する(ステップS7)。
【0043】
そして、解析部16は、目標コスト記憶部122に記憶された目標コストと、ステップS7において算出された印刷コスト81とを制御部11に通知する。通知を受けた制御部11は、目標コストと印刷コスト81とを比較するとともに、目標コストよりも安く、目標コストに最も近い順番でトレイの組み合わせ82を表示するよう表示部152に指示を与える。
【0044】
制御部11によりトレイの組み合わせ82の表示指示を受けた表示部152は、当該トレイの組み合わせ82を表示する(ステップS8)。
【0045】
次に、図11のフローチャートを使用して、媒体のコスト50を算出する処理について説明する。なお、ここでの説明においては、トレイ数をN個として説明する(Nは0を除いた自然数)。
【0046】
まず、ステップS11において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、表紙ページの印刷データ媒体設定を取得するとともに、ページ数を取得する。
【0047】
次に、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS12)。
【0048】
そして、ステップS13において、解析部16は、第Nトレイのトレイ媒体設定を取得する。
【0049】
次に、解析部16は、データ解析部161が取得した印刷データ媒体設定と、第Nトレイのトレイ媒体設定とが一致するか否かを判断し、一致する場合(ステップS14 Yes)、解析部16による処理はステップS15に移行する。一方、一致しない場合(ステップS14 No)、解析部16による処理はステップS16に移行する。
【0050】
ステップS15において、解析部16はコスト算出部162に対して表紙ページのページ数と媒体の単価21との積を求めるよう指示を与えるとともに、当該算出結果を第Nトレイの媒体コスト50としてメモリ18に一次的に記憶させる。
【0051】
次に、解析部16は、全てのトレイのトレイ媒体設定を確認したか否かを判断する。全てのトレイのトレイ媒体設定を確認した場合(ステップS16 Yes)、解析部16による処理はステップS18に移行する。一方、全てのトレイのトレイ設定情報を確認していない場合(ステップS16 No)、解析部16による処理はステップS17に移行する。なお、ステップS17においては、トレイ数Nをインクリメントし、ステップS13からの処理が繰り返される。
【0052】
次に、ステップS18において、データ解析部161は印刷データを解析し、通常ページの印刷データ媒体設定を取得するとともに、通常ページのページ数を取得する。
【0053】
次に、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS19)。
【0054】
そして、ステップS20において、解析部16は、第Nトレイの媒体設定を取得する。
【0055】
次に、解析部16は、データ解析部161が取得した印刷データ媒体設定と、第Nトレイのトレイ媒体設定とが一致するか否かを判断し、一致する場合(ステップS21 Yes)、解析部16による処理はステップS22に移行する。一方、一致しない場合(ステップS21 No)、解析部16による処理はステップS23に移行する。
【0056】
ステップS22において、解析部16はコスト算出部162に対して通常ページのページ数と媒体の単価21との積を求めるよう指示を与えるとともに、当該算出結果を第Nトレイの媒体コスト50としてメモリ18に一次的に記憶させる。
【0057】
次に、解析部16は、全てのトレイのトレイ媒体設定を確認したか否かを判断する。全てのトレイのトレイ媒体設定を確認した場合(ステップS23 Yes)、解析部16による処理は終了する。一方、全てのトレイのトレイ設定情報を確認していない場合(ステップS23 No)、解析部16による処理はステップS24に移行する。なお、ステップS24においては、トレイ数Nがインクリメントされ、ステップS20からの処理が繰り返される。
【0058】
次に、図12のフローチャートを使用して、消費電力のコスト60を算出する処理について説明する。なお、ここでの説明においても、トレイ数をN個として説明する(Nは0を除いた自然数)。
【0059】
まず、ステップS31において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、印刷属性情報としての設定コマンドから表紙ページの媒体サイズ、媒体ウェイトを取得するとともに、表紙ページのページ数を取得する。
【0060】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから表紙ページの消費電力のコスト60を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから表紙ページの消費電力のコスト60を算出する(ステップS32)。
【0061】
ステップS33において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、印刷属性情報としての設定コマンドから通常ページの媒体サイズ、媒体ウェイトを取得するとともに、表紙ページのページ数を取得する。
【0062】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから通常ページの消費電力のコスト60を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから通常ページの消費電力のコスト60を算出する(ステップS34)。
【0063】
そして、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS35)。
【0064】
次に、解析部16は、第Nトレイが表紙ページで使用されるか否かを判断する。ここで、第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS36 Yes)、解析部16による処理は、ステップS37に移行する。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS36 No)、解析部16による処理は、ステップS38に移行する。
【0065】
第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS36 Yes)、解析部16は、表紙ページの消費電力のコスト60をメモリ18に一時的に記憶させる(ステップS37)。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS36 No)、解析部16は、通常ページの消費電力のコスト60をメモリ18に記憶させる(ステップS38)。
【0066】
そして、解析部16は、全てのトレイの消費電力のコスト60を確認したか否かを判断する。全てのトレイの消費電力のコスト60を確認した場合(ステップS39 Yes)、解析部16による処理は終了する。一方、全てのトレイの消費電力のコスト60を確認していない場合(ステップS39 No)、解析部16による処理はステップS40に移行する。なお、ステップS40においては、トレイ数Nがインクリメントされ、ステップS36からの処理が繰り返される。
【0067】
次に、図13のフローチャートを使用して、消耗品のコスト70を算出する処理について説明する。なお、ここでの説明においても、トレイ数をN個として説明する(Nは0を除いた自然数)。
【0068】
まず、ステップS41において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、ページデータ424から表紙ページのドットカウントを取得する。
【0069】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから表紙ページの消耗品のコスト70を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから表紙ページの消耗品のコスト70を算出する(ステップS42)。
【0070】
ステップS43において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、ページデータ424から通常ページのドットカウントを取得する。
【0071】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから通常ページの消耗品のコスト70を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから通常ページの消耗品のコスト70を算出する(ステップS44)。
【0072】
そして、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS45)。
【0073】
次に、解析部16は、第Nトレイが表紙ページで使用されるか否かを判断する。ここで、第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS46 Yes)、解析部16による処理は、ステップS47に移行する。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS46 No)、解析部16による処理はステップS48に移行する。
【0074】
第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS46 Yes)、解析部16は、表紙ページの消耗品のコスト70をメモリ18に一次的に記憶させる(ステップS47)。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS46 No)、解析部16は、通常ページの消耗品のコスト70をメモリ18に記憶させる(ステップS48)。
【0075】
そして、解析部16は全てのトレイの消耗品のコスト70を確認したか否かを判断する。全てのトレイの消耗品のコスト70を確認した場合(ステップS49 Yes)、解析部16による処理は終了する。一方、全てのトレイの消耗品のコスト70を確認していない場合(ステップS49 No)、解析部16による処理はステップS50に移行する。なお、ステップS50においては、トレイ数Nがインクリメントされ、ステップS46からの処理が繰り返される。
【0076】
ここで、図9に示されるように、例えば、目標コストを550円とした場合のプリンタ10の具体的態様について図11〜図13のフローチャートを使用して説明する。なお、ここでの説明においては、図10のステップS1において、使用者により目標コスト550円が入力されており、さらに、ステップS2において、使用者により印刷データ40がプリンタ10に対して入力されているものとする。
【0077】
まず、図11のステップS11において、データ解析部161は入力された印刷データ40を解析し、表紙ページの印刷データ媒体設定を取得するとともに、表紙ページのページ数を取得する。印刷データ40は、図4に示されるように、1ページ目42の表紙ページと、それに続く2ページ目43、3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の通常ページとから構成されている。したがって、データ解析部16は、1ページ目42の表紙ページの印刷データ媒体設定を取得する。ここでの印刷データ媒体設定は、媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Gross、媒体ウェイト:Heavyである。
【0078】
次に、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS12)。
【0079】
そして、ステップS13において、解析部16は、第1トレイ31のトレイ媒体設定を取得する。第1トレイ31のトレイ媒体設定は、図3に示されるように、媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Gross、媒体ウェイト:Heavyである。
【0080】
次に、解析部16は、データ解析部161が取得した印刷データ媒体設定と、第1トレイ31のトレイ媒体設定とが一致するか否かを判断する。印刷データ媒体設定とトレイ媒体設定とは、一致するため(ステップS14 Yes)、データ解析部16による処理はステップS15に移行する。
【0081】
ステップS15において、解析部16はコスト算出部162に対して表紙ページのページ数と媒体の単価21との積を求めるよう指示を与える。ここでは、表紙のページ数は1ページであり、媒体(1)201の単価21は300円であるので、媒体(1)201のコスト50は300円となる。この算出結果である300円は第1トレイ31の媒体コスト50としてメモリ18に一次的に記憶される。
【0082】
次に、解析部16は、全てのトレイのトレイ媒体設定を確認したか否かを判断する。この段階では、まだ、第2トレイ32〜第5トレイ35全てのトレイ媒体設定は確認されていないので、引き続き、トレイ数Nをインクリメントし、ステップS13からの処理が繰り返される。
【0083】
同様な処理により、第2トレイ32の媒体コスト50として200円がメモリ18に一次的に記憶される。なお、第3トレイ33から以降のトレイに関しては、印刷データ媒体設定とトレイ媒体設定とが一致しないため、解析部16による処理はステップS18に移行する。
【0084】
次に、ステップS18において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、通常ページの印刷データ媒体設定を取得するとともに、通常ページのページ数を取得する。印刷データ40における3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の通常ページの印刷データ媒体設定は、何れも媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Plain、媒体ウェイト:Mediumであり、合計のページ数は4ページである。
【0085】
次に、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS19)。
【0086】
そして、ステップS20において、解析部16は、第1トレイ31のトレイ媒体設定を取得する。前述したように、第1トレイ31のトレイ媒体設定は、媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Gross、媒体ウェイト:Heavyである。
【0087】
次に、解析部16は、データ解析部161が取得した印刷データ媒体設定と、第1トレイ31のトレイ媒体設定とが一致するか否かを判断する。ここでは、第3トレイ33となった段階で、印刷データ媒体設定とトレイ媒体設定とが一致する(ステップS21 Yes)。
【0088】
ステップS22において、解析部16はコスト算出部162に対して通常ページのページ数と媒体の単価21との積を求めるよう指示を与える。ここでは、通常ページは4ページであり、第3トレイ33の媒体(3)203の単価21は10円であるので、媒体(3)203のコスト50は40円となる。この算出結果である40円は第3トレイ33の媒体コスト50としてメモリ18に一次的に記憶される。
【0089】
次に、解析部16は、全てのトレイのトレイ媒体設定を確認したか否かを判断する。この段階では、まだ、第4トレイ34及び第5トレイ35のトレイ媒体設定は確認されていないので、引き続き、トレイ数Nをインクリメントし、ステップS20からの処理が繰り返される。
【0090】
同様な処理により、第4トレイ34の媒体コスト50として80円がメモリ18に一次的に記憶される。また、第5トレイ35の媒体コスト50として120円がメモリ18に一次的に記憶される。
【0091】
次に、図12中、ステップS31において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、印刷属性情報としての設定コマンドから表紙ページの媒体サイズ、媒体ウェイトを取得するとともに、表紙ページのページ数を取得する。印刷データ40は、図4に示されるように、1ページ目42の表紙ページと、それに続く2ページ目43、3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の通常ページとから構成されている。したがって、データ解析部16が取得する表紙ページの媒体サイズ、媒体ウェイトは、媒体サイズ:A4、媒体ウェイト:Heavyである。
【0092】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから表紙ページの消費電力のコスト60を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから表紙ページの消費電力のコスト60を算出する(ステップS32)。ここでは、消費電力のコスト60は50円である。
【0093】
ステップS33において、データ解析部161は印刷データ40を解析し、印刷属性情報としての設定コマンドから通常ページの媒体サイズ、媒体ウェイトを取得するとともに、通常ページのページ数を取得する。印刷データ40における3ページ目44、4ページ目45、5ページ目46の媒体サイズ、媒体ウェイトは、何れも媒体サイズ:A4、媒体タイプ:Plain、媒体ウェイト:Mediumであり、合計のページ数は4ページである。
【0094】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから通常ページの消費電力のコスト60を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから通常ページの消費電力のコスト60を算出する(ステップS34)。ここでは、消費電力のコスト60は40円である。
【0095】
そして、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS35)。
【0096】
次に、解析部16は、第Nトレイが表紙ページで使用されるか否かを判断する。ここで、第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS36 Yes)、解析部16による処理は、ステップS37に移行する。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS36 No)、解析部16による処理は、ステップS38に移行する。
【0097】
第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS36 Yes)、解析部16は、表紙ページの消費電力のコスト60をメモリ18に一時的に記憶させる(ステップS37)。ここでは、第1トレイ31及び第2トレイ32が表紙ページの媒体として使用される。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS36 No)、つまり、第3トレイ33以降のトレイに関しては、解析部16は、通常ページの消費電力のコスト60をメモリ18に記憶させる(ステップS38)。
【0098】
そして、解析部16は、全てのトレイの消費電力のコスト60を確認したか否かを判断する。全てのトレイの消費電力のコスト60を確認した場合(ステップS39 Yes)、解析部16による処理は終了する。一方、全てのトレイの消費電力のコスト60を確認していない場合(ステップS39 No)、解析部16による処理はステップS40に移行する。なお、ステップS40においては、トレイ数Nがインクリメントされ、ステップS36からの処理が繰り返される。
【0099】
次に、図13中、ステップS41において、データ解析部161は表示ページのドットカウントを取得する。すなわち、図7で説明したように、例えば、表紙ページのドット密度が20%である場合、表紙ページのドットカウント[C]は、27842774ドット(139213872ドット×0.2)となる。
【0100】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから表紙ページの消耗品のコスト70を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから表紙ページの消耗品のコスト70を算出する(ステップS42)。具体的には、コスト算出部162は、データ解析部161が取得した表紙ページのドットカウント[C]に基づき消耗品のコスト70を算出する。図7で説明したように、色材の消費量[D]はドットカウント[C]と比例関係にある。したがって、仮に消耗品の単位コスト[d]を0.000001436円とすると、表紙ページの消耗品のコスト70は、27842774(ドットカウント[C])×0.000001436円(消耗品の単位コスト[d])=約40円となる。
【0101】
そして、ステップS43において、データ解析部161は通常ページのドットカウントを取得する。ステップS41と同様に、例えば、通常ページのドット密度が10%である場合、通常ページのドットカウント[C]は、1392138ドット(139213872ドット×0.1)となる。
【0102】
次に、解析部16は、コスト算出部162に対して消費単位あたりのコストから通常ページの消耗品のコスト70を算出するよう指示を与える。指示を受けたコスト算出部162は、消費単位あたりのコストから通常ページの消耗品のコスト70を算出する(ステップS44)。具体的には、コスト算出部162は、データ解析部161が取得した通常ページのドットカウント[C]に基づき消耗品のコスト70を算出する。図7で説明したように、色材の消費量[D]はドットカウント[C]と比例関係にある。したがって、仮に消耗品の単位コスト[d]を0.000001436円とすると、通常ページの消耗品のコスト70は、1392138(ドットカウント[C]×0.000001436円(消耗品の単位コスト[d])=約20円となる。
【0103】
そして、解析部16は、Nに1をセットする(ステップS45)。
【0104】
次に、解析部16は、第Nトレイが表紙ページで使用されるか否かを判断する。ここで、第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS46 Yes)、解析部16による処理は、ステップS47に移行する。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS46 No)、解析部16による処理はステップS48に移行する。
【0105】
第Nトレイが表紙ページで使用される場合(ステップS46 Yes)、解析部16は、表紙ページの消耗品のコスト70をメモリ18に一次的に記憶させる(ステップS47)。一方、第Nトレイが表紙ページで使用されない場合(ステップS46 No)、解析部16は、通常ページの消耗品のコスト70をメモリ18に一次的に記憶させる(ステップS48)。
【0106】
解析部16は全てのトレイの消耗品のコスト70を確認したか否かを判断する。全てのトレイの消耗品のコスト70を確認した場合(ステップS49 Yes)、解析部16による処理は終了する。一方、全てのトレイの消耗品のコスト70を確認していない場合(ステップS49 No)、解析部16による処理はステップS50に移行する。なお、ステップS50においては、トレイ数Nがインクリメントされ、ステップS46からの処理が繰り返される。
【0107】
このような処理によって算出した各トレイのコスト80は、前述したように、図8(a)中の「小計」の欄に記述の値段となる。
【0108】
そして、制御部11が図10のステップS7以降にかかる処理を実行することによって、図9に示されるように、目標コストよりも安く、目標コストに最も近い順番でトレイの組み合わせ82が表示される。
【0109】
なお、トレイの組み合わせ82の表示は、図9に示されるような目標コストに最も近い順番に限定される訳ではない。例えば、印刷コストから安いトレイの組み合わせから印刷コストの高い組み合わせとなるように表示してもかまわない。
【0110】
以上のように、第1の実施形態によれば、目標コストを上限とし、媒体種別と印刷コストに基づいたトレイの組み合わせを表示するようにしたので、容易に印刷コストを把握することができる。
【0111】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかるプリンタ20の構成は、第1の実施形態にかかるプリンタ10と略同一である。したがって、第2の実施形態にかかるプリンタ20の説明においては、第1の実施形態にかかるプリンタ10と同一な箇所には同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
【0112】
図14は、第2の実施形態にかかるプリンタ20の構成を説明するための構成を説明する機能ブロック図である。プリンタ20は、プリンタ10の構成に加えて、使用者による利用料金の投入を受付ける料金投入部1000と、料金投入部1000に投入された利用料金の合計金額値を算出する料金計算部1001と、料金計算部1001が算出した利用料金の合計金額値に基づいて目標コストに設定する目標コスト設定部1002とを備える。
【0113】
図15は、使用者に対してトレイの組み合わせ82と印刷コスト81とを表示する操作画面95の一例を説明する図である。操作画面95は、使用者が投入した利用料金の合計金額値が表示されるブロック1010と、目標コストに基づく検索結果を表示し、どのトレイの組み合わせ82で印刷データ40にかかる印刷を実行させるかの選択を受付けるブロック92とを備える。そして、使用者は表示されたトレイの組み合わせ82の中で、入力した目標コストに近いトレイの組み合わせ82を選択し、印刷実行ボタンを押すことで、印刷データ40にかかる印刷を実行させることができる。
【0114】
次に、プリンタ20の処理動作について図16のフローチャートを使用して説明する。プリンタ20の全体にかかる処理動作は、図10のフローチャートで説明した処理動作に、使用者が利用料金を投入するステップS51、利用者が投入した利用料金の合計金額値を算出し、その合計金額値を目標コストに設定するステップS52が追加されたものである。したがって、ステップS51、ステップS52についてのみ説明するが、他の処理動作については図10のフローチャートで示した処理動作と同様に行うことができる。また、媒体のコスト50の算出にかかる処理、消費電力のコスト60の算出にかかる処理、消耗品のコスト70の算出にかかる処理については、図11〜図13で説明したフローチャートの処理に準じて行うことができる。
【0115】
まず、図16中、ステップS51において、使用者は料金投入部1000に利用料金を投入する。
【0116】
すると、制御部11は、料金計算部1001に対して投入された利用料金の合計金額値を算出するよう指示を与える。利用料金の合計金額値の算出の指示を受けた料金計算部1001は、投入された利用料金の合計金額値を算出し、当該合計金額値を制御部11に通知する。合計金額値の通知を受けた制御部11は、当該合計金額値を目標コストに設定するよう目標コスト設定部1002に指示を与える。目標コスト設定部1002は、当該合計金額値を目標コスト記憶部122に記憶させることで、目標コストが設定される(ステップS52)。
【0117】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、使用者が投入した利用料金の合計金額値を目標コストに設定し、当該目標コストを上限とし、媒体種別と印刷コストに基づいたトレイの組み合わせを表示するようにしたので、使用者が操作パネルを介して目標コストを入力する手間を省くことができる。
【0118】
[第3の実施形態]
第3の実施形態にかかるプリンタ30の構成は、第2の実施形態にかかるプリンタ20と略同一である。したがって、第3の実施形態にかかるプリンタ30の説明においては、第2の実施形態にかかるプリンタ20と同一な箇所には同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所についてのみ説明する。
【0119】
図17は、第3の実施形態にかかるプリンタ30の構成を説明するための構成を説明する機能ブロック図である。プリンタ30は、プリンタ20の構成に加えて、使用者が投入した利用料金の合計金額値である目標コストとトレイの組み合わせ82ごとの印刷コスト81との差分を算出するコスト差分算出部2000を備える。
【0120】
図18は、使用者に対してトレイの組み合わせ82と印刷コスト81とを表示する操作画面96の一例を説明する図である。操作画面96は、使用者が投入した利用料金の合計金額値が表示されるブロック1010と、目標コストに基づく検索結果と目標コストよりも高い組み合わせを表示した上で、目標コストとトレイの組み合わせ82との印刷コスト81の差分である節約金額を表示する節約金額表示ボックス2010とを表示するとともに、どのトレイの組み合わせ82で印刷データ40にかかる印刷を実行させるかの選択を受付けるブロック97とを備える。そして、使用者は表示されたトレイの組み合わせ82の中で、入力した目標コストに近いトレイの組み合わせ82を選択し、印刷実行ボタンを押すことで、印刷データ40にかかる印刷を実行させることができる。
【0121】
次に、プリンタ30の処理動作について図19のフローチャートを使用して説明する。プリンタ30の全体にかかる処理動作は、図16のフローチャートで説明した処理動作に、目標コストと印刷コスト81とを比較し、目標コストよりも高く、目標コストに最も近い順番でトレイの組み合わせ82を表示するステップS61と、コスト差分算出部2000で算出された目標コストとトレイの組み合わせ82ごとの印刷コスト81との差分を節約料金として表示するステップS62と、追加料金の有無を判断するステップS63と、追加料金がある場合、使用者が追加料金を投入するステップS64と、目標コストに追加料金の加算を行い、目標コストを更新するステップS65が追加されたものである。したがって、ステップS61〜ステップS65についてのみ説明するが、他の処理動作については図16のフローチャートで示した処理動作と同様に行うことができる。また、媒体のコスト50の算出にかかる処理、消費電力のコスト60の算出にかかる処理、消耗品のコスト70の算出にかかる処理については、図11〜図13で説明したフローチャートの処理に準じて行うことができる。
【0122】
図19中、ステップS61において、制御部11は、使用者が投入した利用料金の合計金額である目標コストと印刷コスト81とを比較し、目標コストよりも高く、目標コストに最も近い順番でトレイの組み合わせ82を表示するよう表示部152に指示を与える。制御部11によりトレイの組み合わせ82の表示指示を受けた表示部152は、当該トレイの組み合わせ82を表示する(ステップS61)。
【0123】
そして、制御部11は、コスト差分算出部2000に対して目標コストとトレイの組み合わせ82ごとの印刷コスト81との差分を算出するよう指示を与える。制御部11により差分の算出指示を受けたコスト差分算出部2000は、目標コストとトレイの組み合わせ82ごとの印刷コスト81との差分を算出し、当該算出結果を制御部11に通知する。通知を受けた制御部11は、当該算出結果を節約料金として表示するよう表示部152に指示を与える。制御部11により節約料金の表示指示を受けた表示部152は、当該節約料金を表示する(ステップS62)。
【0124】
次に、制御部11は追加料金が発生したか否かを確認する。ここで、追加料金が発生した場合(ステップS63 Yes)、使用者による追加料金が投入されるまで待機する。一方、追加料金が発生しない場合(ステップS63 No)、一連の処理は終了する。
【0125】
表示された節約料金に基づいて使用者が追加料金を料金投入部1000を介して投入すると(ステップS64)、制御部11は、料金計算部1001に対して投入された追加料金の合計金額値を算出するよう指示を与える。追加料金の合計金額値の算出の指示を受けた料金計算部1001は、投入された追加料金の合計金額値を算出し、当該合計金額値を制御部11に通知する。合計金額値の通知を受けた制御部11は、当該合計金額値を現在の目標コストに加算して設定するよう目標コスト設定部1002に指示を与える。目標コスト設定部1002は、当該加算金額値を目標コスト記憶部122に記憶させることで、目標コストが更新される(ステップS65)。
【0126】
以上のように、第3の実施形態によれば、第2の実施形態の効果に加え、使用者が投入した利用料金の合計金額値を目標コストに設定し、当該目標コストを上限とし、媒体種別と印刷コストに基づいたトレイの組み合わせ及び目標コストと印刷コストとの金額差分を表示するようにしたので、目標コストを満たす選択肢について、目標コストに対して、どのくらいの金額が節約できるのかを明確にすることができる。また、目標コストを超える選択肢について、目標コストに対して、どのくらい金額を追加すればプリンタを利用できるのかを明確にすることができる。
【0127】
本実施形態の説明においては、画像形成装置としてプリンタを例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。プリンタ以外にも、スキャナ等の画像読取装置を備える複合機、ファクシミリ装置、複写機等においても、本発明を適用することができる。また、印刷部の説明において、電子写真方式の印刷エンジンを一例として挙げたが、他にも、例えば、インクジェット式、熱転写式等のいかなる種類の方式の印刷エンジンを用いてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】プリンタの構成を説明する機能ブロック図である。
【図2】媒体単価記憶部を模式的に表した図である。
【図3】給紙部を模式的に表した図である。
【図4】受信データを模式的に表した図である。
【図5】媒体のコストを算出する方法の一例を示した図である。
【図6】消費電力のコストを算出する方法の一例を示した図である。
【図7】消耗品のコストを算出する方法の一例を示した図である。
【図8】印刷コストを決定する方法の一例を示した図である。
【図9】操作画面の一例を説明する図である。
【図10】目標コストに基づいてトレイの組み合わせを表示する処理を説明するフローチャートである。
【図11】媒体のコストを算出する処理を説明する図である。
【図12】消費電力のコストを算出する処理を説明する図である。
【図13】消耗品のコストを算出する処理を説明する図である。
【図14】プリンタの構成を説明する機能ブロック図である。
【図15】操作画面の一例を説明する図である。
【図16】目標コストに基づいてトレイの組み合わせを表示する処理を説明するフローチャートである。
【図17】プリンタの構成を説明する機能ブロック図である。
【図18】操作画面の一例を説明する図である。
【図19】目標コストに基づいてトレイの組み合わせを表示する処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0129】
10 プリンタ
11 制御部
12 記憶部
121 媒体単価記憶部
122 目標コスト記憶部
13 給紙部
14 受信部
15 操作パネル
151 入力部
152 表示部
16 解析部
161 データ解析部
162 コスト算出部
17 印刷部
18 メモリ
19 バス
20 プリンタ
30 プリンタ
1000料金投入部
1001料金計算部
1002目標コスト設定部
2000 コスト差分算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された印刷データに基づいて複数の給紙部から給紙された媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記複数の給紙部の各々が収容する前記媒体の媒体単価を記憶する記憶部と、
前記印刷データを解析して印刷属性情報を抽出する解析部と、
前記記憶部に記憶された前記媒体単価と前記解析部により抽出された前記印刷属性情報とに基づき複数の印刷コストを算出するコスト算出部と、
前記コスト算出部により算出された前記複数の印刷コストを表示する表示部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
目標コストの入力を受付ける入力部と、
前記入力部により受付けられた前記目標コストを記憶する目標コスト記憶部とを備え、
前記目標コスト記憶部に記憶された前記目標コストと前記印刷コストとに基づき前記目標コストに近い順番で前記印刷コストを表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷属性情報は表紙ページ又は通常ページの識別情報、ページ数、媒体サイズ、媒体タイプ、媒体ウェイト、ドットカウントの何れかであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
投入された料金の合計金額を目標コストに設定する目標コスト設定部を備えることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示部は前記目標コストと前記印刷コストとの差分を表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷コストは、媒体のコスト情報、消費電力コスト情報、及び消耗品コスト情報から算出されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記媒体情報は表紙ページ/通常ページ識別情報とページ数と媒体単価とに基づいて算出され、前記消費電力コスト情報は表紙ページ/通常ページ識別情報と媒体サイズと媒体ウェイトとページ数とに基づいて算出され、前記消耗品コスト情報は表紙ページ/通常ページ識別情報とドットカウントとに基づいて算出されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−46828(P2010−46828A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211053(P2008−211053)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】