説明

画像形成装置

【課題】 簡便な構成にて定着器の近傍に配設された駆動ローラを定着器の熱から保護する。
【解決手段】 排気ファン21が稼働すると、吸気口3Bから転写ベルト17の下方側に流入した空気が、駆動ローラ17Aと定着器11との間に設けられた隙間3Cを経由して第1空間15Aに至り、その後、像剤フィルタ19A及びオゾンフィルタ19Bを通過して排気口3Aに向かって流れて筐体3側に排出されるような構成とする。これにより、本実施形態では、駆動ローラ17Aが、吸気口3Bから排気口3Aに向かって流れる冷却風中に位置し、かつ、駆動ローラ17Aの軸方向が冷却風の主流方向に対して交差するように配設された構造となるので、簡便な構成で、駆動ローラ17Aを定着器11の熱から保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、ベルトユニットの駆動ローラを定着器から発せられる熱から保護するために、駆動ローラを中空構造として、軸方向一端側から他端側に向けて冷却風を流通させている。
【特許文献1】特開平10−48972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の発明では、駆動ローラの軸方向端部側に送風機や送風ダクト等の送風手段を配設する必要があり、画像形成装置を構成する機器の配置構造が複雑になるおそれが高いので、特許文献1に記載の発明を、そのまま市販製品に採用することは非常に困難を伴うと考えられる。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、簡便な構成にて定着器の近傍に配設された駆動ローラ等のローラを、定着器の熱から保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、現像剤像を記録シートに転写することにより、記録シートに画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、無端状のベルト(17)と、ベルト(17)を回転駆動する駆動ローラ(17A)と、駆動ローラ(17A)との間でベルト(17)が架け渡され、ベルト(17)の回転と共に従動回転する従動ローラ(17B)と、駆動ローラ(17A)又は従動ローラ(17B)の近傍に配設され、記録シートに転写された現像剤像を加熱して定着させる定着器(11)と、ベルト(17)を挟んで一方側に設けられ吸気口(3B)からベルト(17)を挟んで他方側に設けられた排気口(3A)に向かって流れる気流を発生させるファン(21)とを備え、駆動ローラ(17A)及び従動ローラ(17B)のうち定着器(11)側に位置する定着側ローラ(17A)は、吸気口(3B)から排気口(3A)に向かって流れる気流中に位置するとともに、その軸方向が気流の主流方向に対して交差するように配設されていることを特徴とする。
【0006】
これにより、請求項1に記載の発明では、定着側ローラ(17A)が、吸気口(3B)から排気口(3A)に向かって流れる気流(以下、この気流を冷却風という。)中に位置し、かつ、その軸方向が冷却風の主流方向に対して交差するように配設された構造となるので、簡便な構成で、定着側ローラ(17A)を定着器(11)の熱から保護することができる。
【0007】
なお、「駆動ローラ(17A)又は従動ローラ(17B)の近傍に配設され、記録シートに転写された現像剤像を加熱して定着させる定着器(11)」とは、「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の欄の記載から明らかなように、「駆動ローラ(17A)又は従動ローラ(17B)が定着器(11)からの熱の影響を受ける得る程度に近接している」ことを意味しており、具体的な寸法は、画像形成装置の仕様毎に異なる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、ベルト(17)の張架面(17C)に対向配置され、現像剤像を担持する感光ドラム(7A)を備え、吸気口(3B)は、ベルト(17)を挟んで感光ドラム(7A)と反対側に設けられていることを特徴とする。
【0009】
これにより、請求項2に記載の発明では、転写された現像剤像が冷却風に直接的に晒されることなく、転写中も定着側ローラ(17A)を冷却することができるので、定着前の現像剤像が乱れることを防止しながら、定着側ローラ(17A)を定着器(11)の熱から保護することができる
因みに、請求項1又は2に記載の発明は、ベルトに現像剤像を転写した後、その転写された現像剤像を記録シートに転写する中間転写方式、又はベルト(17)により記録シートを搬送しながら、記録シートに直接的に現像剤像を転写するダイレクト方式のうちいずれの方式にも適用できる。
【0010】
なお、請求項2に記載の発明をダイレクト方式の画像形成装置に適用した場合には、記録シートの裏面側、つまりベルト(17)側から冷却風が吹き付けられるので、記録シートがベルト(17)から剥離し易くなる。
【0011】
このため、請求項2に記載の発明をダイレクト方式の画像形成装置に適用した場合には、現像剤像の転写が終了した記録シートをベルト(17)から剥離して確実に定着器(11)に搬送することができるので、シート詰まり等のジャムの発生を抑制できる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明では、吸気口(3B)又は排気口(3A)は、現像剤像が転写される前の記録シートが載置されるシート載置部(13)側の空間に連通していることを特徴とする。
【0013】
これにより、請求項3に記載の発明では、シート載置部(13)側の空間に気流を発生させることができるので、シート載置部(13)内を除湿することができ、記録シートの搬送性や記録シートに形成される画像の品質を向上させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明では、定着側ローラ(17A)と定着器(11)との間には、気流が流通可能な隙間(3C)が設けられており、さらに、定着側ローラ(17A)のうち定着器(11)と面する側は、隙間(3C)を流通する気流の流通の向きと逆向きに回転することを特徴とする。
【0015】
これにより、請求項4に記載の発明では、定着側ローラ(17A)周囲のうち定着器(11)と面する側が乱流状態となり、熱伝達率が大きくなるので、定着側ローラ(17A)の冷却効率が向上する。
【0016】
なお、請求項5に記載の発明では、ベルト(17)によって搬送される記録シートに現像剤像を転写させる転写ローラ(14)を備えることを特徴としている。つまり、請求項5に記載の発明は、記録シートに直接的に現像剤像を転写するダイレクト方式の画像形成装置に、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の発明を適用したものである。
【0017】
ところで、駆動ローラ(17A)はベルト(17)を回転駆動するものであるので、この駆動ローラ(17A)が熱膨張して外周直径が変動すると、ベルト(17)の回転速度が大きく変動してしまうおそれがある。
【0018】
これに対して、請求項6に記載の発明では、定着側ローラは、駆動ローラ(17A)であることを特徴としているので、駆動ローラ(17A)を十分に冷却することができ、ベルト(17)の回転速度が大きく変動してしまうことを抑制できる。
【0019】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す中央断面図であり、図2は本実施形態に係る画像形成装置1の要部を示す拡大図であり、図3は吸気口3Bを下方側から見た図である。
【0021】
2.画像形成装置の構成
2.1.画像形成装置の概略構造
画像形成装置1の筐体3内には、図1に示すように、記録用紙やOHPシート等の記録シート(以下、用紙という。)に現像剤像を転写することにより、用紙に画像を形成する電子写真方式の画像形成部5が収納されており、この画像形成部5は、周知のごとく、プロセスカートリッジ7、露光器9及び定着器11等から構成されている。
【0022】
また、給紙カセット13は、画像形成部5に搬送される用紙、つまり現像剤像が転写される前の用紙が載置されるシート載置部であり、この給紙カセット13は、装置本体に対して着脱可能に装着されている。
【0023】
なお、給紙カセット13に載置されている用紙は、ピックアップローラ13Aにより画像形成部5に向けて搬出された後、分離ローラ13B及び分離パッド13Cにより1枚づつ分離されて画像形成部5に搬送される。
【0024】
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、ダイレクトタンデム方式のカラーレーザプリンタであるため、用紙の搬送方向に沿って直列に複数個(本実施形態では、4個)のプロセスカートリッジ7が配設されている。
【0025】
具体的には、用紙の搬送方向上流側から順に、ブラック用のプロセスカートリッジ7K、イエロー用のプロセスカートリッジ7Y、マゼンタ用のプロセスカートリッジ7M、シアン用のプロセスカートリッジ7Cである。
【0026】
また、各プロセスカートリッジ7K〜7Cは、収納されている現像剤の色が異なるのみで、その構造等は殆ど同じであり、具体的には、各プロセスカートリッジ7K〜7Cは、現像剤像が担持される感光ドラム7A、感光ドラム7Aを帯電させる帯電器7B、及び転写が終わった感光ドラム7Aの表面をクリーニングするクリーナ7D等から構成されている。
【0027】
また、露光器9は、各プロセスカートリッジ7K〜7Cに対応した4つの露光器9K〜9Cから構成されており、具体的には、プロセスカートリッジ7K用の露光器9K、プロセスカートリッジ7Y用の露光器9Y、プロセスカートリッジ7M用の露光器9M、及びプロセスカートリッジ7C用の露光器9Cである。
【0028】
なお、各露光器9K〜9Cは、多数個のLEDを感光ドラム7Aの軸方向と平行な方向に並べ、これらのLEDの点滅制御を行うことにより感光ドラム7Aを露光する露光手段である。
【0029】
また、定着器11は、用紙の印刷面側に配設されて現像剤を加熱しながら用紙に搬送力を付与する加熱ローラ11A、及び用紙を挟んで加熱ローラ11Aと反対側に配設されて用紙を加熱ローラ11A側に押圧する加圧ローラ11B等を有して構成されている。
【0030】
そして、帯電した感光ドラム7Aを露光器9にて露光して感光ドラム7Aの外周面に静電潜像を形成した後、電荷を帯びた現像剤を感光ドラム7Aに供給すると、感光ドラム7Aの外周面に現像剤像が担持(形成)される。
【0031】
また、用紙を搬送する転写ベルト17の張架面17Cを挟んで感光ドラム7Aと対向する位置には、感光ドラム7Aに担持された現像剤を用紙に転写させる転写ローラ14が設けられており、この転写ローラ14には、現像剤が帯びている電荷と逆極性の電位が印加されている。
【0032】
このため、感光ドラム7Aに担持されていた現像剤像は、転写ベルト17により搬送される用紙に転写される。そして、現像剤像が転写された用紙は、定着器11に搬送されて加熱され、用紙に転写された現像剤像が用紙に溶着(定着)する。
【0033】
また、駆動ローラ17Aは、無端状に形成された転写ベルト17を回転駆動するものであり、従動ローラ17Bは、駆動ローラ17Aとの間で転写ベルト17が架け渡され、転写ベルト17の回転と共に従動回転するものである。
【0034】
なお、本実施形態では、転写ベルト17、駆動ローラ17A及び従動ローラ17Bはベルトユニットとして一体化されており、このベルトユニットは、装置本体に対して着脱可能に装着されている。
【0035】
そして、現像剤像が転写された用紙は、前述したように、転写ベルト17から定着器11に搬出されるが、定着器11にて加熱される前の現像剤は用紙から剥離し易いため、本実施形態では、定着器11側に配設された駆動ローラ17Aを定着器11の近傍に配設することにより、画像形成部5(駆動ローラ17A)から定着器11まで距離を小さくして、定着前の現像剤が剥離してしまうことを防止している。
【0036】
なお、「駆動ローラ17Aを定着器11の近傍に配設する」とは、駆動ローラ17Aが定着器11からの熱の影響を受ける得る程度に近接している」ことを意味しており、具体的には、本実施形態では「駆動ローラ17Aの軸心O1が、定着器11に最も近接した感光ドラム7A又は転写ローラ14より定着器11側に位置する」ことをいう。
【0037】
2.2.筐体内の熱気の排出構造及び駆動ローラの冷却
筐体3の上部側面には、図1に示すように、筐体3の内側と外側とを連通させて筐体3内の空気(熱気)を筐体3外に排出する排気口3Aが設けられており、この排気口3Aは、転写ベルト17は配設された位置(ラインL1)より上方側に設けられている。
【0038】
また、定着器11に最も近接したプロセスカートリッジ7Cと定着器11との間には、図2にしめすように、定着器11に搬送される用紙が通過する第1空間15A側と帯電器7B側の第2空間15B側とを仕切る仕切壁15が設けられており、仕切壁15は、内部に空隙部15Cが設けられた二重壁構造となっている。
【0039】
また、第1空間15Aの上方側には、現像剤(トナー)を除去する現像剤フィルタ(トナーフィルタ)19Aが設けられており、第1空間15A内の空気は、仕切壁15に導かれて現像剤フィルタ19Aに流入する。
【0040】
また、現像剤フィルタ19Aの空気流れ下流側、つまり現像剤フィルタ19Aの上方側には、筐体3内の空気中の含まれるオゾンを減少させるオゾンフィルタ19Bが配設されており、このオゾンフィルタ19Bには、現像剤フィルタ19Aを通過した空気の殆ど全てが流入する。
【0041】
また、現像剤フィルタ19Aからオゾンフィルタ19Bに至る略直線状の気流の通路15Dには、第2空間15Bと通路15Dとを連通させる連通口15Eが設けられており、第2空間15B内の空気は、連通口15Eから通路15Dに進入してオゾンフィルタ19Bに流入する。このため、本実施形態では、オゾンフィルタ19Bには、現像剤フィルタ19Aを通過した空気及び連通口15Eから進入した第2空間15B内の空気が流入する。
【0042】
そして、オゾンフィルタ19Bの空気流れ下流側には、オゾンフィルタ19Bを通過した空気を排気口3Aに導く排気ダクト19が設けられており、この排気ダクト19は、画像形成装置1の左右方向、つまり感光ドラム7Aの軸方向と略平行に延びる管状の気流通路を構成している。
【0043】
また、排気ダクト19の長手方向一端側(本実施形態では、画像形成装置1に向かって右側)には、第1空間15A及び第2空間15Bから排気口3Aに向かって流れる気流を発生させる排気ファン21が設けられており、この排気ファン21の排気側が排気口3Aに面している。なお、本実施形態では、排気ファン21は、空気が回転軸方向を通り抜ける軸流ファン(JIS B 0132番号1012等参照)にて構成されている。
【0044】
また、転写ベルト17が配設された位置(ラインL1)より下方側には、給紙カセット13に載置された用紙に面するように、給紙カセット13が装着された空間13Dに連通する吸気口3Bが設けられている。
【0045】
このため、排気ファン21により筐体3内の空気が筐体3外に排出されると、図2の矢印A1に示すように、空間13Dから吸気口3Bを通過して転写ベルト17の下方側に流入した空気は、駆動ローラ17Aと定着器11との間に設けられた隙間3Cを経由して第1空間15Aに至る。
【0046】
そして、第1空間15Aに流入した空気は、現像剤フィルタ19A及びオゾンフィルタ19Bを通過して排気口3Aに向かって流れて筐体3側に排出される。因みに、空間13D内の空気が隙間3C側に流れると、空間13D内の気圧が低下するため、給紙カセット13と筐体3との隙間等から外部の空気が空間13D内に流入する。
【0047】
また、吸気口3Bは、図3に示すように、画像形成装置1の前後方向に長径方向が一致するような長穴状に形成されているともに、画像形成装置1の幅方向全域ではなく、幅方向略中央部より幅方向一端側(本実施形態では、排気ファン21と同じ側)に設けられている。
【0048】
なお、吸気口3Bは、排気ファン21と反対側に設けてもよいし、幅方向全域に設けてもよく、画像形成装置1内部のエアの流れに応じて適宜設定することができる。
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、前述したように、排気ファン21が稼働すると、吸気口3Bから転写ベルト17の下方側に流入した空気(図2の矢印A1に示す気流)は、駆動ローラ17Aと定着器11との間に設けられた隙間3Cを経由して第1空間15Aに至り、その後、像剤フィルタ19A及びオゾンフィルタ19Bを通過して排気口3Aに向かって流れて筐体3側に排出される。
【0049】
これにより、本実施形態では、駆動ローラ17Aが、吸気口3Bから排気口3Aに向かって流れる冷却風中に位置し、かつ、駆動ローラ17Aの軸方向が冷却風の主流方向に対して交差するように配設された構造となるので、簡便な構成で、駆動ローラ17Aを定着器11の熱から保護することができる。
【0050】
また、本実施形態では、吸気口3Bは、転写ベルト17を挟んで感光ドラム7Aと反対側、つまり転写ベルト17の下方側に設けられているので、転写中の用紙又は転写ベルト17から定着器11に用紙が搬送される際に、転写された現像剤像が直接的に冷却風に晒されることない。
【0051】
したがって、用紙に画像を形成しながら駆動ローラ17Aを冷却することができるので、定着前の現像剤像が乱れることを防止しながら、駆動ローラ17Aを定着器11の熱から保護することができる
また、用紙の裏面側、つまり転写ベルト17側から冷却風が吹き付けられるので、冷却風の風圧により用紙が転写ベルト17から剥離し易くなる。このため、本実施形態では、現像剤像の転写が終了した用紙を転写ベルト17から剥離して確実に定着器11に搬送することができるので、紙詰まり等のジャムの発生を抑制できる。
【0052】
また、本実施形態では、吸気口3Bは、給紙カセット13が装着されている空間13Dに連通しているので、空間13Dに気流を発生させることができる。したがって、給紙カセット13内を除湿することができるので、用紙の搬送性や用紙に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、駆動ローラ17Aのうち定着器11と面する側は、図2のB部に示すように、隙間3Cを流通する気流の流通の向きと逆向きに回転するので、駆動ローラ17A周囲のうち定着器11と面する側が乱流状態となる。このため、駆動ローラ17A周囲の熱伝達率が大きくなるので、駆動ローラ17Aの冷却効率が向上する。
【0054】
ところで、駆動ローラ17Aは転写ベルト17を回転駆動するものであるので、この駆動ローラ17Aが熱膨張して外周直径が変動すると、転写ベルト17の回転速度が大きく変動してしまうおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、駆動ローラ17Aが冷却風により十分に冷却されるので、転写ベルト17の回転速度が大きく変動してしまうことを抑制できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、駆動ローラ17Aが定着器11側に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、従動ローラ17Bを定着器11側に配設してもよい。
【0056】
また、上述の実施形態では、転写ベルト17を挟んで下方側に吸気口3Bが設けられ、転写ベルト17を挟んで上方側に排気口3Aが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、転写ベルト17を挟んで上方側に吸気口3Bを設け、転写ベルト17を挟んで下方側に排気口3Aを設けてもよい。
【0057】
また、上述の実施形態では、2つのフィルタ19A、19Bが水平に配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば2つのフィルタ19A、19Bを鉛直に配設してもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、現像剤フィルタ19Aの下流側にオゾンフィルタ19Bが配設されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、現像剤フィルタ19Aの上流側にオゾンフィルタ19Bを配設してもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、吸気口3Bは、給紙カセット13が装着されている空間13Dに連通していが、本発明はこれに限定されるものではなく、排気口3Aを空間13Dに連通させる構成、又は吸気口3B及び排気口3Aのいずれも空間13Dに連通させない構成としてもよい。
【0060】
また、上述の実施形態に係る露光器9は、LEDにて構成されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光を走査しながら感光ドラム7Aを露光する露光器であってもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、排気ファン21として軸流ファンを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遠心ファン等の他の形式のファンを用いてもよい。
また、上述の実施形態では、仕切壁15を二重壁構造としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
また、上述の実施形態では、ダイレクトタンデム式のレーザプリンタに本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、モノクロ方式の電子写真方式の画像形成装置、又は中間転写方式のカラーレーザプリンタ等にも適用することができる。
【0063】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す中央断面図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置1の要部を示す拡大図である。
【図3】吸気口3Bを下方側から見た図である。
【符号の説明】
【0065】
1…画像形成装置、3…筐体、3A…排気口、3B…吸気口、3C…隙間、
5…画像形成部、7…プロセスカートリッジ、7A…感光ドラム、7B…帯電器、
9…露光器、11…定着器、11A…加熱ローラ、13…給紙カセット、
13A…ピックアップローラ、13B…分離ローラ、13C…分離パッド、
14…転写ローラ、15…仕切壁、15A…第1空間、15B…第2空間、
15C…空隙部、15D…通路、15E…連通口、17…転写ベルト、
17A…駆動ローラ、17B…従動ローラ、17C…張架面、19…排気ダクト、
19A…現像剤フィルタ、19B…オゾンフィルタ、21…排気ファン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤像を記録シートに転写することにより、記録シートに画像を形成する電子写真方式の画像形成装置であって、
無端状のベルトと、
前記ベルトを回転駆動する駆動ローラと、
前記駆動ローラとの間で前記ベルトが架け渡され、前記ベルトの回転と共に従動回転する従動ローラと、
前記駆動ローラ又は前記従動ローラの近傍に配設され、記録シートに転写された現像剤像を加熱して定着させる定着器と、
前記ベルトを挟んで一方側に設けられ吸気口から前記ベルトを挟んで他方側に設けられた排気口に向かって流れる気流を発生させるファンとを備え、
前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち前記定着器側に位置する定着側ローラは、前記吸気口から前記排気口に向かって流れる気流中に位置するとともに、その軸方向が前記気流の主流方向に対して交差するように配設されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ベルトの張架面に対向配置され、現像剤像を担持する感光ドラムを備え、
前記吸気口は、前記ベルトを挟んで前記感光ドラムと反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記吸気口又は前記排気口は、現像剤像が転写される前の記録シートが載置されるシート載置部側の空間に連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記定着側ローラと前記定着器との間には、前記気流が流通可能な隙間が設けられており、
さらに、前記定着側ローラのうち前記定着器と面する側は、前記隙間を流通する前記気流の流通の向きと逆向きに回転することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ベルトによって搬送される記録シートに現像剤像を転写させる転写ローラを備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記定着側ローラは、前記駆動ローラであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−79048(P2010−79048A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248599(P2008−248599)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】