説明

画像形成装置

【課題】CMYK等の基本の色材でカラー画像を形成する通常カラーモードと、これに特色色材を追加することでより広い色再現領域でカラー画像を形成可能なフルカラーモードとを有すると共に、いずれのモードを使用すべきかを適切に自動選択可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】入力画像の色分布に基づいて、該入力画像に係る画像形成動作をフルカラーモードと通常カラーモードのいずれで行うかを選択する。たとえば、フルカラーモードでのみ再現可能な色領域の色を持つ画像領域であってこれに隣接する画像領域との色差が閾値以下となる特定画像領域が入力画像中に所定量以上存在する場合はフルカラーモードを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙等にカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式やインクジェット方式などの画像形成装置では、一般に、カラー画像をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色材(インクやトナー等)を使用して形成するが、近年では、より高品位印刷のために6色や7色の色材を使用する画像形成装置がある。
【0003】
たとえば、C、M、Y、Kの4色に、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)を加えた7色の色材を使用するインクジェットプリンタがある(特許文献1、2参照)。
【0004】
また、高画質の印刷をする場合は濃度が薄いシアン色であるライトシアンLcと濃度が薄いマゼンタ色であるライトマゼンタLmとをC、M、Y、Kの4色に加えた6色モードで印刷し、それほど画質を必要としない場合はC、M、Y、Kの4色モードで印刷するように切り替える画像形成装置がある。この装置では、印刷対象の画像が、無彩色または文字の割合が一定以上の画像か否かを判断し、無彩色または文字の割合が一定以上の場合に4色モードを使用するようになっている(特許文献3参照)。
【0005】
また、ページ設定に応じて4色モードと6色モードとを切り替える画像形成装置がある(特許文献4参照)。詳細には、複数ページ(Nページ)分の画像を1枚の用紙に縮小合成するNin1の設定が成されている場合には、画像が縮小されるので高画質は不要と判定し、4色モードを自動選択するようになっている。
【0006】
このほか、使用する色材そのものは変更しないが、印刷対象の画像特性を検出して色再現処理(画像処理プログラム)を切り替える装置がある(特許文献5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−244254号公報
【特許文献2】特開平10−44473号公報
【特許文献3】特開2007−36793号公報
【特許文献4】特開2005−169685号公報
【特許文献5】特開2002−182634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の6色モードや7色モードは、C、M、Y、Kの4色に対して濃度の薄いライトシアンやライトマゼンタを追加したり、C、M、Yの混色によりR、G、Bを正確に再現することの困難性を回避するためにR、G、Bの色材を追加したりするものであり、4色の色材で再現可能な色領域(色再現領域)の外郭と、6色や7色の色材による色再現領域の外郭に殆ど差はなかった。すなわち、6色モードや7色モードの使用は、4色モードと同等の色再現領域の中で高精細な画質を提供するものであり、より広い色再現領域を提供するものではなかった。
【0009】
また、従来技術では、6色モードや7色モードを使用するか否かの判断基準は、無彩色や文字の割合、あるいは、Nin1の設定有無などであり、これらは高精細な画像形成の要否を判断するためのものであるため、色材の追加によって色再現領域が広がるような場合の判断基準としては適切でなかった。
【0010】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、色材の追加によってより広い色再現領域での画像形成を可能にすると共に、色材を追加したモードで画像形成すべきか否かをより適切に自動選択することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0012】
[1]複数の色の色材からなり第1の色領域を再現可能な基本色材セットと、前記基本色材セットとの併用により前記第1の色領域を含みかつ前記第1の色領域より広い第2の色領域を再現可能となる少なくとも1色の特色色材と、を使用するフルカラーモードと、前記特色色材は使用せずに前記基本色材セットを使用する通常カラーモードのいずれかでカラー画像を形成する画像形成部と、
入力画像の色分布に基づいて、該入力画像に係る画像形成動作を前記フルカラーモードと前記通常カラーモードのいずれで行うかを選択し、その選択したモードで、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部に行わせる制御部と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0013】
上記発明および下記[3]に係る発明では、基本色材セットと特色色材とを使用してカラー画像を形成するフルカラーモードと、特色色材は使用せずに基本色材セットを使用してカラー画像を形成する通常カラーモードとのいずれでカラー画像を形成するかを、入力画像の色分布に基づいて選択する。フルカラーモードで再現可能な第2の色領域は、通常カラーモードで再現可能な第1の色領域を内包するより広い色領域であり、この広い色領域でカラー画像を形成するべきか否かが入力画像の色分布に基づいて自動選択される。
【0014】
[2]前記制御部は、前記入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、該色変換後の画像を同一色または所定の近似色範囲にある画素が連続する画像領域毎に分割した場合に、前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画像領域であってその近傍の画像領域との色差が所定値以下となる特定画像領域が所定量以上存在する場合は、前記フルカラーモードを選択する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0015】
上記発明では、入力画像を、フルカラーモードで再現可能な色領域(第2の色領域)に対応させて色変換し、この色変換後の画像を、同一色または近似色範囲にある画素が連続する画像領域毎に分割する。そして、第1の色領域に入らずに第2の色領域に入る色を持ちその近傍の画像領域との色差が所定値以下となる画像領域(特色画像領域)を検出し、特色画像領域が所定量以上あれば、その入力画像に係る画像形成をフルカラーモードで行う。すなわち、特色色材を併用しなければ再現できない色の画像領域であってその近傍の画像領域との色差が僅かである画像領域が所定量以上存在するときは、特色色材を使用するフルカラーモードでカラー画像を形成する。
【0016】
[3]複数の色の色材からなり第1の色領域を再現可能な基本色材セットと、前記基本色材セットとの併用により前記第1の色領域を含みかつ前記第1の色領域より広い第2の色領域を再現可能となる少なくとも1色の特色色材と、を使用するフルカラーモードと、前記特色色材は使用せずに前記基本色材セットを使用する通常カラーモードのいずれかでカラー画像を形成する画像形成部を有し、
入力画像が、該入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、その色変換後の画像を同一色または所定の近似色範囲にある画素が連続する画像領域毎に分割した場合に、前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画像領域であってその近傍の画像領域との色差が所定値以下となる特定画像領域が所定量以上存在する画像である場合は、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部が前記フルカラーモードで行い、前記特定画像領域が前記所定量以上存在しない画像である場合は、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部が前記通常カラーモードで行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【0017】
[4]前記特定画像領域が所定量以上存在する場合とは、前記入力画像全体に対する前記特定画像領域の割合が基準値以上の場合である
ことを特徴とする[2]または[3]に記載の画像形成装置。
【0018】
上記発明では、入力画像全体に対する特定画像領域の割合が基準値以上の場合にフルカラーモードが選択される。
【0019】
[5]前記制御部は、前記入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、該色変換後の画像の中に前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画素が所定量以上存在する場合は、前記フルカラーモードを選択する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0020】
上記発明では、特色色材を併用しなければ再現できない色の画素が所定量以上存在する場合は、フルカラーモードが選択される。
【0021】
[6]前記特色色材は、前記基本色材セットを構成する色材と同じ色相であって彩度が高い色材である
ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0022】
上記発明では、基本色材セットを構成する色材と同じ色相であってその色材より彩度が高い色材を特色色材としている。高彩度の色領域を再現することが可能になる。
【0023】
[7]前記基本色材セットを構成する色材および前記特色色材はトナーであり、
前記基本色材セットは、シアン色のトナーと、マゼンタ色のトナーと、イエロ色のトナーとで、もしくはこれらと黒色のトナーとで構成される
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0024】
[8]前記画像形成部は、前記基本色材セットを構成する色材および前記特色色材の色毎に、その色のトナーを現像する現像器を有し、
前記フルカラーモードで画像形成する場合は、前記基本色材セットを構成する色材に対応する現像器および前記特色色材に対応する現像器を使用し、
前記通常カラーモードで画像形成する場合は、前記特色色材に対応する現像器は使用せずに前記基本色材セットを構成する色材に対応する現像器を使用する
ことを特徴とする[7]に記載の画像形成装置。
【0025】
上記発明では、通常カラーモードでは、特色色材に係る現像器は休止されるので、その現像器の劣化や現像器を駆動するためのエネルギー消費が低減される。
【0026】
[9]前記通常カラーモードで画像形成する場合に、前記画像形成部に対して、前記特色色材の色に対応する画像データとして、画像なしを示すデータを与える
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【0027】
上記発明では、通常カラーモードで画像形成する場合に、特色色材の色に対応する画像データとして画像なし(たとえば、「0」)のデータを画像形成部に対して与えることで、特色色材を使用しない画像形成動作が実現される。画像データに対する処理のみで通常カラーモードとフルカラーモードを切り替えることができるので、装置構成を簡略化することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の画像形成装置によれば、色材の追加によってより広い色再現領域での画像形成を可能にすると共に、色材を追加したモードで画像形成すべきか否かがより適切な基準で自動選択される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る画像形成装置の使用環境を示す説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置に対して印刷を依頼する端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置が有する印刷部の機械的な概略構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係る画像形成装置が有する印刷部の機械的な概略構成であって、特色作像ユニットを退避位置へ移動させた状態を例示した説明図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の印刷部が再現可能なカラー画像の色領域を示した説明図である。
【図7】PCプリントを行う場合にユーザが端末装置にて行う作業を示す流れ図である。
【図8】プリンタドライバ画面の一例を示す正面図である。
【図9】プリンタドライバのプロパティ画面の一例を示す正面図である。
【図10】端末装置にインストールされているプリンタドライバの動作を示す流れ図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置が行う動作全体の概略を示す流れ図である。
【図12】印刷CMYKデータへの変換処理(図11のステップS205)の詳細を示す流れ図である。
【図13】Lab値への変換処理(図11のステップS206)の詳細を示す流れ図である。
【図14】モード判定処理(図11のステップS207)の詳細を示す流れ図である。
【図15】色差ΔEとその色差に対する人間の感覚との関係を一覧で示す説明図である。
【図16】色差の算出処理を示す流れ図である。
【図17】印刷処理(図11のステップS209)の詳細を示す流れ図である。
【図18】現像器使用頻度カウント処理(図17のステップS309)の詳細を示す流れ図である。
【図19】画像形成装置の操作パネルに警告表示が行われた状態の一例を示す正面図である。
【図20】変形例における印刷処理(図11のステップS209)の詳細を示す流れ図である。
【図21】モード判定処理の他の例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る画像形成装置10の使用環境を示している。画像形成装置10は、オフィス内のLAN(Local Area Network)などのネットワーク2に接続されて使用される。またネットワーク2には文書の作成機能などを備えたパーソナルコンピュータなどの端末装置50が接続されている。
【0032】
画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピー機能、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部端末へ送信したりするスキャン機能、端末装置50などから受信したプリントファイルに基づいて文字や画像を記録紙上に印刷して出力するPCプリント機能などを備えた、一般にディジタル複合機(MFP)と称される装置である。PCプリント機能においては、画像形成装置10はプリントファイルを解釈してラスタライズするプリントコントローラとしての機能も果たす。
【0033】
画像形成装置10は、カラー画像を形成する動作モードとして、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色の色材を使用する通常カラーモードと、上記4色とこれら以外の特別な色の色材(特色色材)とを併用してカラー画像を形成するフルカラーモードを備えており、印刷対象の画像の色分布に基づいていずれのモードを使用するかを自動的に選択して切り替える機能を備えている。
【0034】
図2は、端末装置50の概略構成を示している。端末装置50は、CPU(Central Processing Unit)51に、メモリ52と、ハードディスク装置(HDD(Hard Disk Drive))53と、通信I/F(Interface)部54と、表示部55と、操作部56とを接続して備える。CPU51は、メモリ52に記憶されているプログラムに基づいて、当該端末装置50の動作を制御する。メモリ52は、CPU51によって実行されるプログラムや各種の固定データが記憶されるROM(Read Only Memory)と、CPU51がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや送受信に係るデータを一時的に保存する通信バッファなどとして使用されるRAM(Random Access Memory)とから構成される。
【0035】
ハードディスク装置53は、各種のデータを不揮発に記憶する装置である。通信I/F部54は、ネットワーク2を通じて画像形成装置10等と通信する機能を果たす。表示部55は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。操作部56は、キーボード、マウス(ポインティングデバイス)などの入力装置で構成される。
【0036】
端末装置50には、OS(Operating System)プログラム、文書や図面、イラスト、写真等を作成・編集・加工するためのアプリケーションプログラム、該アプリケーションプログラムによって作成された文書やイラスト等のデータを印刷データに変換して画像形成装置10へ送信するプリンタドライバプログラムなどがインストールされている。上記アプリケーションプログラムにおいては、文書やイラスト等をカラーで作成することができると共に、ユーザは文書やイラスト等の色を様々に指定することが可能になっている。
【0037】
図3は、画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、CPU11に、メモリ12と、ハードディスク装置(HDD)13と、通信I/F部14と、自動原稿搬送装置(ADF)21と、画像読み取り部22と、表示部23と、操作部24と、給紙部25と、印刷部26と、後処理部27とを接続して備えている。
【0038】
CPU11は、メモリ12に記憶されているプログラムに基づいて、当該画像形成装置10の動作を制御する。メモリ12は、CPU11によって実行される各種のプログラムや固定データが記憶されるROMと、CPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや送受信に係るデータを一時的に保存する通信バッファ、画像データを記憶するための画像メモリなどとして使用されるRAMとから構成される。
【0039】
ハードディスク装置13には、各種のデータが不揮発に記憶される。ハードディスク装置13には、色変換用のカラープロファイルなども記憶されている。
【0040】
表示部23は、液晶ディスプレイなどで構成され、操作画面、設定画面、確認画面、通知画面などの各種の画面を表示する。操作部24は、スタートキー、ストップキー、テンキーなどの各種のボタン類と、液晶ディスプレイの表面に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルなどで構成され、ユーザが画像形成装置10に対して行う各種の操作を受け付ける。
【0041】
自動原稿搬送装置21は、原稿載置トレイ21a(図1参照)に積載された原稿を1枚ずつ画像読み取り部22の原稿読取位置に送り込み、読み取りの済んだ原稿を原稿排紙トレイ21bに排出する機能を果たす。
【0042】
画像読み取り部22は、原稿をカラーもしくはモノクロで光学的に読み取って対応する画像データを取得する機能を果たす。画像読み取り部22は、原稿に光を照射する光源と、原稿からの反射光を受光しその光強度に応じた電気信号を色成分(たとえば、R、G、B)別に出力するカラーのラインイメージセンサと、原稿からの反射光をラインイメージセンサへ導く各種のミラーや集光レンズなどを備えている。画像形成装置10は、カラーのラインイメージセンサによるライン単位の読み取り位置を所定の原稿読取位置に固定させた状態で該原稿読取位置を通るように自動原稿搬送装置21によって原稿を搬送して読み取る、所謂、流し読み形式で原稿を読み取ることができる。また、原稿をプラテンガラス上に載置し、該原稿に沿って光源やミラーを移動させることで原稿を読み取ることも可能になっている。
【0043】
給紙部25は、記録紙を収容する複数の給紙カセット(図1参照)25aを備え、選択されたいずれかの給紙カセット25aから記録紙を繰り出して印刷部26へ送り込む機能を果たす。
【0044】
印刷部26は、給紙部25によって送り込まれた記録紙上にカラーもしくはモノクロの画像を形成する機能を果たす。印刷部26は、記録紙上に画像を形成するための色材として複数種類の色のトナーを使用する。印刷部26は、記録紙上にトナー像を形成する画像形成部30と、画像形成部30によって形成されたトナー像を記録紙に定着させる定着部28と、給紙部25によって送り込まれた記録紙を画像形成部30および定着部28を経て後段の後処理部27(図1参照)へ送り出す搬送部29とを備えている。
【0045】
後処理部27は、印刷部26から搬送されてきた記録紙を排紙トレイ27a(図1参照)へ排出する途中で、該記録紙に折り目をつけたり、複数の記録紙を束ねてステイプルで綴じたり、パンチで穴を開けたりするなどの後処理を施す機能を備えている。
【0046】
図4は、印刷部26の機械的な概略構成を示している。印刷部26の画像形成部30は、無端環状であって図中の矢印A方向に周回される中間転写ベルト31と、この中間転写ベルト31の周回経路に沿って配置された基本作像ユニット32と、特色作像ユニット33と、黒作像部34と、転写部35とを備えて構成される。
【0047】
基本作像ユニット32は、基本色材セットを構成する複数の色の色材(トナー)によってトナー像を中間転写ベルト31上に形成する。基本色材セットは、シアン(C)色のトナーと、マゼンタ(M)色のトナーと、イエロ(Y)色のトナー(色材)で構成される。基本作像ユニット32は、基本色材セットを構成する複数の色毎に、その色のトナー像を形成する作像部を備えている。詳細には、基本作像ユニット32は、シアン(C)色のトナーによってトナー像を形成する基本色C作像部32cと、マゼンタ(M)色のトナーによってトナー像を形成する基本色M作像部32mと、イエロ(Y)のトナーによってトナー像を形成する基本色Y作像部32yとを備えている。
【0048】
特色作像ユニット33は、中間転写ベルト31の周回方向において基本作像ユニット32の上流側に配置されている。特色作像ユニット33は、基本色材セットのシアン色より彩度が高いシアン(高彩度シアン(C´)と呼ぶ)色のトナー像を形成する特色C作像部33c´と、基本色材セットのマゼンタ色より彩度が高いマゼンタ(高彩度マゼンタ(M´)と呼ぶ)色のトナー像を形成する特色M作像部33m´と、基本色材セットのイエロ色より彩度が高いイエロ(高彩度イエロ(Y´)と呼ぶ)色のトナー像を形成する特色Y作像部33y´とを備えている。
【0049】
黒作像部34は、中間転写ベルト31の周回方向において基本作像ユニット32の下流側に配置されている。黒作像部34は、中間転写ベルト31上に黒(K)色のトナー像を形成する機能を果たす。
【0050】
各作像部32c、32m、32y、33c´、33m´、33y´、34はそれぞれ、表面に静電潜像が形成される円筒状の感光体ドラム41と、その周囲に配置された帯電装置と現像器42とクリーニング装置と、感光体ドラム41に対してレーザー光を照射する書き込み部43とを備えている。なお、帯電装置およびクリーニング装置は図示省略してある。
【0051】
感光体ドラム41は、図示省略の駆動部に駆動されて一定方向(図中の矢印B方向)に回転し、帯電装置はこの回転する感光体ドラム41を一様に帯電させる。書き込み部43はレーザーダイオードと、ポリゴンミラーと、各種レンズおよびミラー等で構成されており、当該作像部の現像器が使用するトナーの色に対応する画像データに応じてオン/オフされるレーザー光で感光体ドラム41を走査することにより、感光体ドラム41の表面に静電潜像を形成する。現像器42は、感光体ドラム41上の静電潜像をトナーによって顕像化する。感光体ドラム41の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31と接触する箇所で中間転写ベルト31に転写される。クリーニング装置は、転写後に感光体ドラム41の表面に残留するトナーをブレード等で擦って除去し回収する。
【0052】
各作像部32c、32m、32y、33c´、33m´、33y´、34によって各色のトナー像が中間転写ベルト31上で重ねあわせるように形成されることにより、多様な色のカラー画像(トナー像)が中間転写ベルト31上に形成される。
【0053】
転写部35は、基本作像ユニット32、特色作像ユニット33、黒作像部34によって中間転写ベルト31上に形成されたトナー像を記録紙に転写する機能を果たす。転写部35は、中間転写ベルト31の周回方向で黒作像部34の下流の所定位置において中間転写ベルト31に向けて押圧されたローラであり、搬送部29によって搬送されてきた記録紙がこのローラと中間転写ベルト31との間に挟持されながら通過する際に中間転写ベルト31上のトナー像が記録紙に転写されるようになっている。図中の破線は搬送部29が記録紙を搬送する経路Pであり、矢印Fの方向に記録紙は搬送される。
【0054】
定着部28はヒータによって加熱されるローラとこれに押圧された対向ローラとを備えている。転写部35によって中間転写ベルト31上のトナー像が転写された記録紙は搬送部29によってさらに搬送され、定着部28のローラ間を通る際に加圧加熱されてトナーが記録紙に固着される。定着部28を通過した記録紙はさらに搬送されて後処理部27へ送り出される。
【0055】
基本作像ユニット32、特色作像ユニット33はそれぞれ、中間転写ベルト31に感光体ドラム41を接触させた接触位置と中間転写ベルト31から感光体ドラム41が離隔した退避位置とに変位可能にされている。各ユニット32、33はそれぞれ、CPU11によって制御される図示省略のモータやソレノイド等の駆動部に駆動されて接触位置と退避位置とに個別に変位するようになっている。図5は、特色作像ユニット33を退避位置へ移動させた状態を例示している。基本作像ユニット32、特色作像ユニット33はそれぞれ退避位置に退避して休止させることができる。なお、黒作像部34は、上記のような変位は行わず、常に接触位置に配置される。
【0056】
画像形成装置10は、通常カラーモードでカラー画像を形成する場合は、基本作像ユニット32と黒作像部34を使用し、特色作像ユニット33は退避位置へ退避し休止させて使用しない。フルカラーモードでカラー画像を形成する場合は、特色作像ユニット33を接触位置に変位させ、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34とを使用する。なお、モノクロ画像を形成する場合は、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33の双方を退避位置に変位させ、黒作像部34のみを使用するようになっている。
【0057】
図6は、印刷部26が記録紙に形成可能なカラー画像の色領域を、一般的にガモット(Gamut)と呼ばれる表現方法によって示している。後述するLab値で表される色空間立体イメージを上方から見たものに相当する。ガモットは、プリンタやモニタなどの周辺機器が再現できる色の範囲を表す。エルエービー(Lab)は、3つの要素で色の数値や領域を表すカラーモデルであり、L軸=明るさ、a軸=緑〜赤、b軸=青〜黄、となっている。図6ではL軸は紙面に垂直方向となっている。
【0058】
破線で囲った第1の色領域61は基本色材セットを構成するシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)のトナー(通常トナー)によって再現可能な色領域(色再現領域)を示している。第1の色領域61は、特色作像ユニット33を使用せずに基本作像ユニット32と黒作像部34とを使用する通常カラーモードで画像形成した場合の色再現領域である。実線で囲った特色色領域62は、特色作像ユニット33が使用する高彩度シアン(C´)と高彩度マゼンタ(M´)と高彩度イエロ(Y´)のトナーによって再現可能な色領域(色再現領域)を示している。黒のトナーをさらに加えても色再現領域は同じである。
【0059】
なお、基本色材セットとの併用により第1の色領域61を含みかつ第1の色領域61より広い色領域を再現可能となる色材を特色色材とする。特色色材がトナーの場合、そのトナーを特色トナーと呼ぶものとする。また、基本色材セットと特色色材との併用によって表現可能となる色領域を第2の色領域、基本色材セットで再現可能なる第1の色領域に入らずに第2の色領域に含まれる領域を拡張色領域63とする。
【0060】
上記の高彩度シアン(C´)、高彩度マゼンタ(M´)、高彩度イエロ(Y´)はそれぞれ特色トナーであり、これら3種の特色トナーと基本色材セットとを併用すれば、図6に示す第1の色領域61と特色色領域62とを合わせた領域が第2の色領域となり、この色領域において色再現可能になる。第1の色領域61と特色色領域62を合わせた色領域(第2の色領域)は、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34とを使用するフルカラーモードで画像形成する場合の色再現領域となっている。なお、図6において斜線を施した領域は、上記3種の特色トナーを併用することで広がった拡張色領域63である。
【0061】
次に、端末装置50からPCプリントを行う場合の動作について説明する。
【0062】
まず、端末装置50側での動作を説明する。図7は、PCプリントを行う場合にユーザが端末装置50にて行う作業の流れを示している。ユーザは、文書、図面、写真、イラストなどを含む印刷対象の書類を端末装置50上でアプリケーションを使用して作成する。(ステップS101)。書類完成後、印刷のためにファイルメニューより“印刷“を選択すると(ステップS102)、図8に示すようなプリンタドライバ画面71が端末装置50の表示部55に表示される。さらにプリンタドライバ画面71にあるプロパティ釦72を選択操作すると、図9に示すようなプロパティ画面75が端末装置50の表示部55に表示され、該画面75を通じてユーザは、印刷に関する各種の設定、たとえば、原稿サイズ、出力サイズ、印刷方法(片面、両面、小冊子等)、仕上げ(ステイプル、パンチ)等の設定を行うことができる(ステップS103)。必要に応じて各種設定を行った後、ユーザはプリンタドライバ画面71のOK釦73を選択操作する(図7、ステップS104)。
【0063】
図10は、端末装置50にインストールされているプリンタドライバの動作を示している。プリンタドライバは、プロパティ画面75で選択された各種設定を解釈し、その設定内容を各種パラメータ値に変換する(ステップS121)。プリンタドライバは、プリンタドライバ画面71にてOK釦73の選択操作を受けると(ステップS122;Yes)、印刷対象の書類のデータをプリントファイルに変換する(ステップS123)。プリントファイルは、画像形成装置10のプリントコントローラが解釈可能な言語で印刷内容を記述したデータファイルである。たとえば、プリントファイルはPDL(Page Description Language)やPJL(Printer Job Language)を用いて記述される。さらにプリンタドライバは設定された各種パラメータとプリントファイルを印刷先の画像形成装置10へ通信I/F部54からネットワーク2を通じて送信して(ステップS124)、処理を終了する。
【0064】
次に、端末装置50からプリントファイルを受信した画像形成装置10の動作を説明する。図11は、画像形成装置10が行う動作全体の概略の流れを示している。画像形成装置10の通信I/F部14は端末装置50のプリンタドライバから送信されたプリントファイルおよびパラメータを受信する(ステップS201)。画像形成装置10のCPU11は、上記受信が完了すると(ステップS202;Yes)その受信したプリントファイルに基づいてラスタライズ処理を行ってビットマップ形式のイメージデータを作成し(ステップS203)、これをメモリ12に保存する(ステップS204)。
【0065】
次に、メモリ12に保存した画像データをビット(画素)毎に印刷CMYKデータに変換する(ステップS205)。印刷CMYKデータは、各画素をC色の濃度を示すデータと、M色の濃度を示すデータと、Y色の濃度を示すデータと、K色の濃度を示すデータとで表したデータである。
【0066】
CPU11はさらに印刷CMYKデータをLab値に変換する(ステップS206)。これは、元画像データではなく、当該画像形成装置10の再現できる色で色差を算出するための作業である。変換された各データはそれぞれメモリ12の予め決められた記憶領域に格納される。
【0067】
その後、当該画像データに係る印刷をフルカラーモードと通常カラーモードのいずれで印刷すべきかを判定するモード判定処理を行う(ステップS207)。モード判定の後、ユーザがプリンタドライバで設定した各種パラメータを解析し(ステップS208)、その解析結果を印刷部26に通知し、印刷部26にて印刷処理が実行される(ステップS209)。
【0068】
図12は、印刷CMYKデータへの変換処理(図11のステップS205)の詳細を示している。まず、変換対象となる画像データを入力する(ステップS221)。入力される画像データは各画素をR色とG色とB色の色成分で表したRGB形式や各画素をC色とM色とY色とK色の色成分で表したCMYK形式などである。この画像データに対して必要に応じて画像処理を施す(ステップS222)。たとえば、拡大縮小、解像度変換などが行われる。
【0069】
その後、当該画像形成装置10の出力装置情報を用いてトナーを用いた場合の印刷CMYKデータに色変換し(ステップS223)、該色変換後のデータを出力して(ステップS224)処理を終了する。この色変換は、出力装置に対応するICC(International Color Consortium)プロファイルを使用して行う。ここでは、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34を併用した場合に、すなわち、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロ(Y)と高彩度シアン(C´)と高彩度マゼンタ(M´)と高彩度イエロ(Y´)と黒(K)の各トナーを使用して、再現可能な色空間を出力装置の色空間として色変換を行う。
【0070】
図13は、Lab値への変換処理(図11のステップS206)の詳細を示している。変換対象となる印刷CMYKデータを入力し(ステップS241)、さらに当該画像形成装置10の出力装置情報を入力し(ステップS242)、印刷部26の特性を反映した色変換テーブルを用いて、印刷CMYKデータを、各画素をLab値で表したLabデータに変換して(ステップS243)出力する(ステップS244)。すなわち、入力された印刷CMYKデータが、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34とを併用して再現可能な色空間(図6の第1の色領域61と特色色領域62とを合わせた色空間)を色再現領域としたデータであると認識して、該印刷CMYKデータをLabデータに変換する。
【0071】
図14は、モード判定処理(図11のステップS207)の詳細を示している。この処理は図13の処理で得たLabデータに対して行われる。
【0072】
本処理では、画像全体を、同一色もしくは近似色が連続する領域(同色領域)毎に分割(領域分け)し、規定面積以上の同色領域のみを抽出し、その抽出した同色領域の中から拡張色領域63の色を有する同色領域をさらに抽出し、該同色領域とその近傍の同色領域との色差ΔEを求めて閾値と比較し、その比較結果からフルカラーモードとするか通常カラーモードとするかを判定している。
【0073】
詳細には、注目画素の色とその周辺画素の色とを比較し、色差が所定値以下の場合は、その注目画素とその周辺画素とを同じ色の画像領域(同色領域)と判断する(ステップS261)。具体的には、注目画素との色差が所定値以下の条件を満たす範囲で注目画素から周辺へ最大限に拡張できた領域を同色領域とする。このようにして求めた同色領域の面積が規定面積以上か否かを判断し(ステップS262)、規定面積以上でなければ(ステップS263;No)、ステップS265へ移行する。規定面積以上であれば(ステップS263;Yes)、該同色領域の色と位置と面積を領域情報として保存して(ステップS264)、ステップS265へ移行する。
【0074】
規定面積は、たとえば、1cmなど任意の値に設定すればよい。また、ステップS262、S263では面積を基準にする代わりに、同色領域の周囲長、あるいは、同色領域とこれに隣接する1つの同色領域とが接している部分の長さを基準にしてもよいし、この長さと面積とを併用した基準としてもよい。
【0075】
ステップS265では、全画素について上記の処理(ステップS261〜S264)が終了したか否かを調べ、全画素終了でなければ(ステップS265;No)、未チェックの画素を新たな注目画素としてステップS261へ移行し、処理を継続する。全画素終了の場合は(ステップS265;Yes)、ステップS266へ移行する。全画素終了した時点で、判定対象の画像は複数の同色領域に分割され、規定面積以上の同色画像領域についてその領域情報が保存された状態となる。
【0076】
ステップS266では、保存されている領域情報を参照し、拡張色領域63の色を有する同色領域のそれぞれについて、これに隣接する他の同色領域との色差を算出する。そして、拡張色領域63の色を有する同色領域であって隣接する同色領域との色差が閾値以下の同色領域(これを特定画像領域とする)が存在する場合は(ステップS267;Yes)、判定結果をフルカラーモードとして(ステップS268)処理を終了する。特定画像領域が存在しない場合は(ステップS267;No)、判定結果を通常カラーモードとして(ステップS269)処理を終了する。
【0077】
拡張色領域63の色を有する同色領域(注目同色領域)とこれに隣接する同色領域(隣接同色領域)との色差が閾値より大きい場合、たとえば、図6において注目同色領域の色をQ1、隣接同色領域の色をQ2とする場合にはフルカラーモードで印刷しても通常カラーモードで印刷しても、注目同色領域と隣接同色領域との間の色差に大きな違いは生じない。すなわち、フルカラーモードでは注目同色領域の色Q1と隣接同色領域の色Q2との色差はQ1-Q2間の距離となる。これを通常カラーモードで印刷すると、隣接同色領域の色Q2は元々第1の色領域61にあるのでそのまま変化せず、拡張色領域63にあった注目同色領域の色Q1は第1の色領域61内で再現された色Q1´になり、注目同色領域と隣接同色領域との色差はQ1´-Q2となる。このようにフルカラーモードでの色差(Q1-Q2)が大きい場合には、フルカラーモードでの色差(Q1-Q2)から通常カラーモードでの色差(Q1´-Q2)への変化率が比較的小さいので、その違いを人はほとんど知覚できない。したがって、通常カラーモードを使用する場合とフルカラーモードを使用する場合とで実質的に画質に差がなく、フルカラーモードを使用する必要性は低い。
【0078】
一方、フルカラーモードの色再現領域において注目同色領域と隣接同色領域との色差が小さい場合、たとえば、図6において注目同色領域の色がQ1、隣接同色領域の色がQ3の場合には、フルカラーモードでは再現される微妙な色の違いが、通常カラーモードではさらに小さくなって(場合によって潰れてしまい)人が視認できなくなってしまう。すなわち、フルカラーモードでは注目同色領域の色Q1と隣接同色領域の色Q3との色差はQ1-Q3に対して、これを通常カラーモードで印刷すると、隣接同色領域の色Q3は元々第1の色領域61にあるのでそのまま変化せず、拡張色領域63にあった注目同色領域の色Q1は第1の色領域61内で再現された色Q1´になり、注目同色領域と隣接同色領域との色差はQ1´-Q3となる。このようにフルカラーモードでの色差(Q1-Q3)が元々人がわずかに感じる程度の小さい色差である場合には、通常カラーモードにするとその色差(Q1´-Q3)は人が認識できない程になってしまう。すなわち、フルカラーモードでは視認可能に再現された微妙な色差が通常カラーモードでは再現されなくなるので、フルカラーモードを使用することで、通常カラーモードを使用する場合に比べて画質が向上し、フルカラーモードを使用する利益が現れる。
【0079】
このように、本実施の形態では、再現可能な色領域が拡張されるフルカラーモードで画像形成すべきか否かを、印刷対象の画像の色分布に基づいて判断するので、通常カラーモードとフルカラーモードのいずれを使用すべきかを適切に自動選択することができる。
【0080】
図15は、色差ΔEとその色差に対する人間の感覚との関係を示している。図14のステップS267での閾値は、たとえば、「わずかに感じられる」程度の色差に設定するとよい。また、ステップS261において同色領域を判定する際の所定値は、0または「かすかに感じられる」程度の色差に設定するとよい。
【0081】
図16は、色差の算出処理を示している。Lab値の各成分(a、b、L)について注目画素とその周辺画素との差(Δa、Δb、ΔL)を求め(ステップS281)、色差ΔE=(Δa×Δb×ΔL)×1/2、により求める(ステップS282)。なお、上記の演算は2つの色の差(色空間内での距離)を簡易的に求めるものであるが、(Δa×Δb×ΔL)の平方根の絶対値をΔEとして求めてもかまわない。
【0082】
図17は、印刷処理(図11のステップS209)の詳細を示している。印刷処理では、CPU11は、モード判定処理において決定した動作モードがフルカラーモードの場合は(ステップS301;Yes)、元の画像データ(図12のステップS221で入力した画像データ)を、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34とを使用して再現可能な色空間に対応させた印刷データに変換する(ステップS302)。たとえば、基本作像ユニット32と黒作像部34とで再現可能な色領域(第1の色領域61)にある画素についてはC色とM色とY色とK色のデータで表すように変換し、拡張色領域63にある画素については高彩度シアン(C´)と高彩度マゼンタ(M´)と高彩度イエロ(Y´)とK色のデータで表すように変換する。このようにすれば、高彩度トナーの使用量を少なく抑えることができる。
【0083】
続いて印刷部26をフルカラーモードに設定し(ステップS303)、変換後の印刷データにかかわる印刷を印刷部26に行わせる。該印刷は、印刷データと共に送られた各種パラメータ(用紙サイズや印刷方法(片面、両面など)、後処理等に関する設定)に沿って行われる。また、フルカラーモードに設定された場合、印刷部26は、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34とを使用して印刷を行う(ステップS304)。
【0084】
詳細には、図4に示すように基本作像ユニット32、特色作像ユニット33、黒作像部34をそれぞれ、感光体ドラム41が中間転写ベルト31に接触する接触位置にセットし、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34を駆動して印刷を行う。この際、CPU11は、基本作像ユニット32の基本色C作像部32cの書き込み部43にC色用の印刷データを与え、基本色M作像部32mの書き込み部43にM色用の印刷データを与え、基本色Y作像部32yの書き込み部43にY色用の印刷データを与える。また、特色作像ユニット33の特色C作像部33c´の書き込み部43に高彩度シアン(C´)色用の印刷データを与え、特色M作像部33m´の書き込み部43に高彩度マゼンタ(M´)色用の印刷データを与え、特色Y作像部33y´の書き込み部43に高彩度イエロ(Y´)色用の印刷データを与える。また、黒作像部34の書き込み部43にK色用の印刷データを与えて印刷を行わせる。
【0085】
その後、現像器使用限度カウント処理を行い(ステップS309)処理を終了する。現像器使用限度カウント処理の詳細は後述する。
【0086】
モード判定処理において決定したモードが通常カラーモードの場合は(ステップS301;No)、元の画像データ(図12のステップS221で入力した画像データ)を、基本作像ユニット32と黒作像部34とを使用して再現可能な色空間(第1の色領域61)に対応させた印刷データに変換する(ステップS305)。ここでは、C色とM色とY色とK色のデータで表すように変換する。
【0087】
続いて印刷部26を通常カラーモードに設定し(ステップS306)、変換後の印刷データにかかわる印刷を印刷部26に行わせる。該印刷は、印刷データと共に送られた各種パラメータ(用紙サイズや印刷方法(片面、両面など)、後処理等に関する設定)に沿って行われる。また、通常カラーモードに設定された場合、印刷部26は、特色作像ユニット33は使用せず、基本作像ユニット32と黒作像部34とを使用して印刷を行う。すなわち、図5に示すように特色作像ユニット33を退避位置へ退避させて休止させ(ステップS307)、基本作像ユニット32と黒作像部34をそれぞれ、感光体ドラム41が中間転写ベルト31に接触する接触位置にセットし、基本作像ユニット32と黒作像部34を駆動して印刷を行う(ステップS308)。
【0088】
この際、CPU11は、基本作像ユニット32の基本色C作像部32cの書き込み部43にC色用の印刷データを与え、基本色M作像部32mの書き込み部43にM色用の印刷データを与え、基本色Y作像部32yの書き込み部43にY色用の印刷データを与える。また、黒作像部34の書き込み部43にK色用の印刷データを与えて印刷を行わせる。
【0089】
その後、現像器使用限度カウント処理を行い(ステップS309)処理を終了する。
【0090】
このように、通常カラーモードでは、特色作像ユニット33を使用せずにカラー印刷を行うので、特色作像ユニット33の保守サイクルを延ばすことが可能になると共に、無駄やエネルギーおよび高彩度トナーの消費を抑制することができる。また、通常カラーモードでは特色作像ユニット33を退避位置へ退避させるので、中間転写ベルト31に無用なトナーが付着することを防止することができる。
【0091】
図18は、現像器使用頻度カウント処理(図17のステップS309)の詳細を示している。基本作像ユニット32、特色作像ユニット33、黒作像部34はそれぞれ使用回数に限度があるので、それぞれの動作回数をカウントし、予め定められた使用限度回数に達した場合は、その旨を表示部23に表示して、交換保守をユーザに促すようになっている。
【0092】
詳細には、CPU11は、印刷時に使用した作像ユニット32、33および黒作像部34に対応する現像器使用頻度カウンタの値を更新する(ステップS321)。詳細には、フルカラーモードで印刷が行われた場合は、基本作像ユニット32と特色作像ユニット33と黒作像部34に対応する現像器使用頻度カウンタの値をそれぞれ+1する。通常カラーモードで印刷が行われた場合は、基本作像ユニット32と黒作像部34に対応する現像器使用頻度カウンタの値をそれぞれ+1する。
【0093】
特色作像ユニット33に対応する現像器使用頻度カウンタの値が所定の使用限度回数以上か否かを調べ、使用限度回数以上の場合は(ステップS322;Yes)、表示部23に、特色作像ユニット33が使用限度回数に達したことを警告表示する(ステップS323)。その後、特色作像ユニット33がメンテナンス(たとえば、交換)されて対応する現像器使用頻度カウンタの値がリセットされると(ステップS324;Yes)、先の警告表示を消去する(ステップS331)。
【0094】
特色作像ユニット33に対応する現像器使用頻度カウンタの値が使用限度回数以上でない場合は(ステップS322;No)、続いて基本作像ユニット32に対応する現像器使用頻度カウンタの値が所定の使用限度回数以上か否かを調べ、使用限度回数以上の場合は(ステップS325;Yes)、表示部23に、基本作像ユニット32が使用限度回数に達したことを警告表示する(ステップS326)。その後、特色作像ユニット33がメンテナンス(たとえば、交換)されて対応する現像器使用頻度カウンタの値がリセットされると(ステップS327;Yes)、先の警告表示を消去する(ステップS331)。
【0095】
基本作像ユニット32に対応する現像器使用頻度カウンタの値が使用限度回数以上でない場合は(ステップS325;No)、続いて黒作像部34に対応する現像器使用頻度カウンタの値が所定の使用限度回数以上か否かを調べ、使用限度回数以上の場合は(ステップS328;Yes)、表示部23に、黒作像部34が使用限度回数に達したことを警告表示する(ステップS329)。その後、特色作像ユニット33がメンテナンス(たとえば、交換)されて対応する現像器使用頻度カウンタの値がリセットされると(ステップS330;Yes)、先の警告表示を消去する(ステップS331)。
【0096】
なお、基本作像ユニット32、特色作像ユニット33、黒作像部34に対応する各現像器使用頻度カウンタの値が使用限度回数に達しているか否かを並列に調べ、使用限度回数に達している全てのユニット等に対する警告を同時並列に表示部23に表示するように構成されてもよい。
【0097】
図19は、画像形成装置10の操作パネルの表示部23に上記の警告表示が行われた状態の一例を示している。
【0098】
次に、印刷処理に係る変形例について説明する。
【0099】
図20は、変形例における印刷処理の流れを示している。図17と同一処理には同一のステップ番号を付してある。変形例では、通常カラーモードで印刷する場合に、特色作像ユニット33に対して、画像なしを示すデータ(ここでは「0」のデータ)を与えるようになっている。このようにすれば、特色作像ユニット33を駆動させても特色作像ユニット33による画像形成は行われない。したがって、特色作像ユニット33を接触位置で駆動する状態(通常カラーモードと同じ動作状態)とし、退避位置への退避や休止を行わなくても済む。もちろん、退避位置へ退避させてもかまわない。
【0100】
フルカラーモードの場合の動作は図17の場合と同様である。通常カラーモードの場合は(ステップS301;No)、元の画像データ(図12のステップS221で入力した画像データ)を、基本作像ユニット32と黒作像部34とを使用して再現可能な色空間に対応させた印刷データに変換すると共に、特色作像ユニット33に与える印刷データ(高彩度シアン(C´)色用の印刷データ、高彩度マゼンタ(M´)色用の印刷データ、高彩度イエロ(Y´)色用の印刷データ)をすべて「0」にする(ステップS341)。その後は、ステップS303へ移行し、フルカラーモードの場合と同様の動作を行う。これにより、特色作像ユニット33の各作像ユニット33m´、33c´、33y´には「0」のデータが与えられるので、特色作像ユニット33を接触位置のまま駆動しても特色作像ユニット33によって画像が形成されることはない。
【0101】
次に、図14とは異なる方法でのモード判定処理について説明する。この処理は図13の処理で得たLabデータに対して行われる。
【0102】
図14では同色領域を単位として判定したが本処理では画素単位に判定を行うようになっている。すなわち、拡張色領域63内の色を有する各画素について、周囲画素(たとえば、注目画素の周囲4画素など)との色差を算出し、その色差が0または予め定めた閾値より大となった画素の数と、0以上かつ閾値以下となった画素の数とをそれぞれカウントし、前者の画素の割合が予め定めた基準値を超える場合は判定結果をフルカラーモードとし、基準値以下の場合は判定結果を通常カラーモードとするようになっている。
【0103】
詳細には、処理対象の画像から未チェックの1画素を取り出し(ステップS401)、その画素の色が拡張色領域63内の色か否かを調べる(ステップS402)。拡張色領域63内の色でない場合は(ステップS402;No)、ステップS407へ移行する。拡張色領域63内の色であれば(ステップS402;Yes)、周囲の画素との色差を算出する(ステップS403)。算出した色差が0より大きくかつ所定の閾値以下の場合は(ステップS404;Yes)、色差微小カウント値を+1して(ステップS406)ステップS407へ移行する。算出した色差が0もしくは閾値を超える場合は(ステップS404;No)、色差大カウント値を+1して(ステップS405)ステップS407へ移行する。
【0104】
ステップS407では、全画素について上記の処理が終了したか否かを調べ、全画素終了でなければ(ステップS407;No)、ステップS401に戻って処理を継続する。全画素終了であれば(ステップS407;Yes)、色差大カウント値と色差微小カウント値の合計値(全カウント値)に対する色差大カウント値の割合を算出する(ステップS408)。この割合が予め定めた基準値(たとえば、99%)を超える場合は(ステップS409;Yes)、判定結果を通常カラーモードとし(ステップS411)、算出した割合が基準値以下の場合は(ステップS409;No)、判定結果をフルカラーモードとして(ステップS410)処理を終了する。
【0105】
すなわち、拡張色領域63内の色を持つ画素であってその周囲の画素との色差がわずかにある(0ではない)画素が、拡張色領域63内の色を持つ画素の中で所定の割合以上存在する場合は、そのような拡張色領域63内の色を持つ画素とその隣接画素との間の微妙な色の違いを視認可能に再現する必要があると判断し、フルカラーモードを選択する。なお、第1の色領域61内の色を持つ画素については、周囲画素との色差の大小に係らず基本作像ユニット32によって色を再現することができるので、拡張色領域63内の色を有する画素のみ(ステップS402でYesとなる画素のみ)を判定対象の画素としている。
【0106】
上記のような方法においても、通常カラーモードとするかフルカラーモードとするかを適切に判定することができる。
【0107】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0108】
たとえば、図14では色差が閾値以下の同色領域(特定画像領域)が1つでも存在する場合にフルカラーモードを選択するようにしたが、特定画像領域が所定量以上存在する場合にフルカラーモードを選択するようにしてもよい。所定量以上とは、特定画像領域が1つでも存在する場合のほか、たとえば、入力画像全体に対する特定画像領域の割合(面積比)が所定の基準値以上の場合としてもよいし、拡張色領域63内の色を有する画像領域全体に対する特定画像領域の割合が基準値以上の場合としてもよい。
【0109】
また、図14の処理では、拡張色領域63の色を有する同色領域とこれに隣接する同色領域との色差を求めるようにしたが、たとえば、数画素程度離れた近傍の同色領域についても色差を求めるようにしてもよい。
【0110】
また、図21の方法でモード判定する場合においても別の判定基準を採用してもよい。たとえば、ステップS409での判定に代えて、色差微小カウント値が入力画像の全画素数に占める割合が基準値を超える場合はフルカラーモードを選択する、あるいは、拡張色領域63内の色を持つ画素数に対する色差微小カウント値の割合が基準値を超える場合はフルカラーモードを選択する、などとしてもよい。
【0111】
また、拡張色領域63内の色を持つ画素が所定量以上存在する場合はフルカラーモードを選択し、所定量未満の場合は通常カラーモードを選択するように構成されてもよい。すなわち、特色作像ユニット33を併用しなければ再現できない色領域の画素が所定量以上存在するか否かを基準にモード判定を行ってもよい。所定量以上存在する場合とは、たとえば、拡張色領域63内の色を持つ画素の入力画像全体に対する割合が基準値以上の場合とすればよい。
【0112】
実施の形態では、特色作像ユニット33で使用する色材を、基本作像ユニット32で使用する色材と色相が同一であって彩度が異なるものとしたが、色相が相違してもよいし、色相と彩度の双方が相違してもかまわない。いずれにしても基本作像ユニット32と併用することで再現可能な色領域が併用しない場合に比べて拡張される色材であればよい。
【0113】
実施の形態では、Lab値に変換したデータに基づいて色差を求めるようにしたが、他の表色系に変換して色差を求めてもかまわない。
【0114】
また、実施の形態では、基本色C作像部32cと基本色M作像部32mと基本色Y作像部32yを1つの基本作像ユニット32に収め、特色C作像部33c´と特色M作像部33m´と特色Y作像部33y´を1つの特色作像ユニット33に収めるようにしたが、ユニット化せずに各作像部を個別に中間転写ベルト31に沿って配置するように構成されてもよい。この場合は、接触位置と退避位置への変位は作像部毎に行い得るように構成するとよい。
【0115】
PCプリント機能による印刷に限定されず、カラーコピーなどにも本発明は適用される。カラーコピーでは画像読み取り部@22で原稿をで読み取って得たカラーの画像データ(たとえば、RGB形式)を図11のステップS204の画像データとして保存すればよい。ステップS205以降の動作はPCプリントの場合と同様である。
【0116】
画像形成装置10は、ディジタル複合機に限定されず、印刷の有する装置であれば、複写機、プリンタなどでもかまわない。また、色材はトナーに限定されるものではなく、インクなどでもかまわない。
【符号の説明】
【0117】
2…ネットワーク
10…画像形成装置
11…CPU
12…メモリ
13…ハードディスク装置
14…通信I/F部
21…自動原稿搬送装置
21a…原稿載置トレイ
21b…原稿排紙トレイ
22…画像読み取り部
23…表示部
24…操作部
25…給紙部
25a…給紙カセット
26…印刷部
27…後処理部
27a…排紙トレイ
28…定着部
29…搬送部
30…画像形成部
31…中間転写ベルト
32…基本作像ユニット
32c…基本色C作像部
32m…基本色M作像部
32y…基本色Y作像部
33…特色作像ユニット
33c´…特色C作像部
33m´…特色M作像部
33y´…特色Y作像部
34…黒作像部
35…転写部
41…感光体ドラム
42…現像器
43…書き込み部
50…端末装置
51…CPU
52…メモリ
53…ハードディスク装置
54…通信I/F部
55…表示部
56…操作部
61…第1の色領域
62…特色色領域
63…拡張色領域
71…プリンタドライバ画面
72…プロパティ釦
73…OK釦
75…プロパティ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の色の色材からなり第1の色領域を再現可能な基本色材セットと、前記基本色材セットとの併用により前記第1の色領域を含みかつ前記第1の色領域より広い第2の色領域を再現可能となる少なくとも1色の特色色材と、を使用するフルカラーモードと、前記特色色材は使用せずに前記基本色材セットを使用する通常カラーモードのいずれかでカラー画像を形成する画像形成部と、
入力画像の色分布に基づいて、該入力画像に係る画像形成動作を前記フルカラーモードと前記通常カラーモードのいずれで行うかを選択し、その選択したモードで、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部に行わせる制御部と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、該色変換後の画像を同一色または所定の近似色範囲にある画素が連続する画像領域毎に分割した場合に、前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画像領域であってその近傍の画像領域との色差が所定値以下となる特定画像領域が所定量以上存在する場合は、前記フルカラーモードを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の色の色材からなり第1の色領域を再現可能な基本色材セットと、前記基本色材セットとの併用により前記第1の色領域を含みかつ前記第1の色領域より広い第2の色領域を再現可能となる少なくとも1色の特色色材と、を使用するフルカラーモードと、前記特色色材は使用せずに前記基本色材セットを使用する通常カラーモードのいずれかでカラー画像を形成する画像形成部を有し、
入力画像が、該入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、その色変換後の画像を同一色または所定の近似色範囲にある画素が連続する画像領域毎に分割した場合に、前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画像領域であってその近傍の画像領域との色差が所定値以下となる特定画像領域が所定量以上存在する画像である場合は、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部が前記フルカラーモードで行い、前記特定画像領域が前記所定量以上存在しない画像である場合は、前記入力画像に係る画像形成動作を前記画像形成部が前記通常カラーモードで行う
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記特定画像領域が所定量以上存在する場合とは、前記入力画像全体に対する前記特定画像領域の割合が基準値以上の場合である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記入力画像を前記第2の色領域に対応させて色変換し、該色変換後の画像の中に前記第1の色領域に入らずに前記第2の色領域に入る色の画素が所定量以上存在する場合は、前記フルカラーモードを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特色色材は、前記基本色材セットを構成する色材と同じ色相であって彩度が高い色材である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記基本色材セットを構成する色材および前記特色色材はトナーであり、
前記基本色材セットは、シアン色のトナーと、マゼンタ色のトナーと、イエロ色のトナーとで、もしくはこれらと黒色のトナーとで構成される
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、前記基本色材セットを構成する色材および前記特色色材の色毎に、その色のトナーを現像する現像器を有し、
前記フルカラーモードで画像形成する場合は、前記基本色材セットを構成する色材に対応する現像器および前記特色色材に対応する現像器を使用し、
前記通常カラーモードで画像形成する場合は、前記特色色材に対応する現像器は使用せずに前記基本色材セットを構成する色材に対応する現像器を使用する
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記通常カラーモードで画像形成する場合に、前記画像形成部に対して、前記特色色材の色に対応する画像データとして、画像なしを示すデータを与える
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−120109(P2011−120109A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276884(P2009−276884)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】