説明

画像形成装置

【課題】リサイクルトナー吐出しモードの実行の要否を判断し、不要な場合にリサイクルトナー吐出しモードの実行を省略できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体12上に静電潜像を形成せずに、駆動手段25により、像担持体12、現像手段14、および、トナーリサイクル手段24を駆動させ、トナーリサイクル手段24内のトナーを現像手段14内に戻してからトナー濃度制御手段36による基準値設定を行うリサイクルトナー吐出しモードを実行する制御手段38を備え、制御手段38への入力指示があると、リサイクルトナー吐出しモードの実行の要否を判断する画像形成装置において、制御手段38は、計測手段37が計測した、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置では、現像装置から像担持体にトナーを供給して現像し、像担持体に形成されたトナー像を記録紙に転写する。この画像形成装置では、像担持体のトナーが記録紙に全て転写されずに一部が残留するため、残留したトナーを、像担持体に設けた清掃部材により掻き取るように構成している。そして、掻き取られたトナーをリサイクルするために現像装置へ戻すトナーリサイクル機構を設けた画像形成装置が知られている。
【0003】
一方、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を使用する電子写真方式の画像形成装置では、現像剤または現像装置を交換した後、現像剤の濃度をトナー濃度制御手段に正しく認識させるために、現像装置を駆動させて現像剤の攪拌を行いながら、トナー濃度制御の基準値を設定する濃度自動調整を行っている。
【0004】
トナーリサイクルを行うモノクロ画像形成装置で、特に低コスト機では、像担持体および現像装置の駆動とトナーリサイクル機構の駆動を1つのモータで行う場合が多い。そのような装置では、現像剤や現像装置の交換後のトナー濃度調整時に、像担持体および現像装置のみならず、トナーリサイクル機構も駆動される。そのため、現像装置に戻されるリサイクルトナーが現像装置内の現像剤に混入する。トナー濃度制御手段は、交換された現像装置の現像剤の濃度よりも高濃度になった現像剤をトナー濃度制御の基準値として設定してしまうため問題となる。
【0005】
特許文献1に示す画像形成装置では、この問題を排除するため、像担持体に静電潜像を形成することなく像担持体、現像装置、および、トナーリサイクル機構を駆動し、トナーリサイクル機構に新たにトナーを流入させずにトナーリサイクル機構のリサイクルトナー全てを現像装置内に戻すリサイクルトナー吐出しモードを設けている。そして、現像剤や現像装置の交換時に、リサイクルトナー吐出しモードを必ず実行するように設計している。
【0006】
吐出しモードを実行するには一定の時間が必要とされるが、使用者にとって、その時間の経過を待つのは苦痛である。したがって、トナーリサイクル機構に残留し、現像装置に戻されるリサイクルトナーの量が、トナー濃度制御の基準値の設定に大きな影響を与えない場合には、リサイクルトナー吐出しモードの実行を省略することが考えられる。しかしながら、リサイクルトナー吐出しモードを省略するモードは設けられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−242681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、リサイクルトナー吐出しモードの実行の要否を判断し、不要な場合にリサイクルトナー吐出しモードの実行を省略できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための手段として、本発明の画像形成装置は、像担持体上の静電潜像をトナーとキャリアからなる二成分現像剤で現像する現像手段と、前記現像手段内に設けられたトナー濃度検出手段による検出値に基づき、トナー濃度制御の基準値を設定するトナー濃度制御手段と、前記像担持体に設けられたクリーニング手段により除去された、転写材への転写後の前記像担持体上のトナーを、前記現像手段に搬送して戻すトナーリサイクル手段と、前記像担持体、前記現像手段、および、前記トナーリサイクル手段を駆動する駆動手段と、印字枚数および画像の平均カバレッジを計測する計測手段と、前記像担持体上に静電潜像を形成せずに、前記駆動手段により、前記像担持体、前記現像手段、および、前記トナーリサイクル手段を駆動させ、前記トナーリサイクル手段内のトナーを前記現像手段内に戻してから前記トナー濃度制御手段による基準値設定を行うリサイクルトナー吐出しモードを実行する制御手段とを備え、前記制御手段への入力指示があると、前記リサイクルトナー吐出しモードの実行の要否を判断する画像形成装置において、前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、前記リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断するようにした。
【0010】
この構成によれば、制御手段への入力指示を行うと、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断する。リサイクルトナー吐出しモードを実行するように判断した場合には、像担持体上に静電潜像を形成せずに、駆動手段により、像担持体、現像手段、および、トナーリサイクル手段を駆動させる。そして、トナーリサイクル手段内のトナーを現像手段内に戻してからトナー濃度制御手段による基準値設定を行う。このようにすれば、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、不要な場合にリサイクルトナー吐出しモードの実行を省略できる。
【0011】
前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジが予め設定した閾値以上の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行し、予め設定した閾値未満の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行しないように制御することが好ましい。
【0012】
前記制御手段は、前記リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかの判断を、現像剤交換直前に行うことが好ましい。
【0013】
前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジと、前記トナー濃度制御手段による基準値設定を行うための設定時間とにより、前記トナーリサイクル手段内から前記現像手段内へのトナー戻り量を推定し、前記トナー戻り量が、予め設定した閾値以上の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行し、予め設定した閾値未満の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行しないように制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断することにより、不要な場合にリサイクルトナー吐出しモードの実行を省略できる。トナー濃度自動調整への影響が少ない範囲で、メンテナンス時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の全体構成を示す概略図。
【図2】画像形成装置のイメージングユニットを示す図。
【図3】イメージングユニットのトナーの流れを示す図。
【図4】平均カバレッジ毎の、印字枚数と、トナーリサイクル部の経路内に滞留したリサイクルトナー量との関係を示す図。
【図5】リサイクルトナー吐出しモードを実行しない状態における平均カバレッジ毎の、攪拌時間に対する新品現像剤へのリサイクルトナーの戻り量を示す図。
【図6】画像形成装置の現像剤交換直前に行う制御のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組合せ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0017】
図1は、本発明にかかる画像形成装置10の全体構成を示す概略図である。画像形成装置10には、イメージングユニット11が設けられている。
【0018】
図2に示すように、イメージングユニット11には、感光ドラム(像担持体)12の周囲に帯電チャージャ13、現像装置(現像手段)14及びクリーニング部材(クリーニング手段)15、リサイクルトナー収容部16、リサイクルトナー搬送スクリュー17が設けられている。現像装置14は、現像部スクリュー18,19,20、および、現像ローラ21を備えている。リサイクルトナー収容部16のリサイクルトナー搬送スクリュー17の下流には、リサイクルトナー搬送スクリュー22が設けられている。リサイクルトナー収容部16のリサイクルトナー搬送スクリュー22の下流には、リサイクルダクト23が設けられている。クリーニング部材15、リサイクルトナー収容部16、リサイクルトナー搬送スクリュー17,22、および、リサイクルダクト23は、トナーリサイクル部(トナーリサイクル手段)24を構成している。イメージングユニット11には、モータ(駆動手段)25が設けられている。感光ドラム12、現像ローラ21、リサイクルトナー搬送スクリュー17,22、および、現像部スクリュー18,19,20は、全てが1つのモータ25により駆動されるようになっている。
【0019】
イメージングユニット11には、現像装置14のリサイクルダクト23に向けてトナーを供給するトナー供給部26が連結されている。トナー供給部26には、トナーボトル27が装着されている。
【0020】
画像形成装置10には、イメージングユニット11の感光ドラム12に対して、レーザ光を照射し、図示しないスキャナ等の画像入力装置やパソコンから送付される画像データに対応する静電潜像を形成する像露光装置28が設けられている。
【0021】
画像形成装置10には、イメージングユニット11の下方に給紙ユニット29が設けられている。給紙ユニット29には、感光ドラム12と後述する転写ローラ32の間へ搬送される記録紙(転写材)Sが収容されている。
【0022】
画像形成装置10には、記録紙Sが給紙ユニット29からイメージングユニット11の感光ドラム12と転写ローラ32の間を通り、外部へと搬送される転写材搬送路30が設けられている。
【0023】
転写材搬送路30の給紙ユニット29側には、記録紙Sを転写ローラ32に搬送する搬送ローラ31が設けられている。
【0024】
画像形成装置10には、イメージングユニット11の感光ドラム12と対向する位置に、感光ドラム12で形成されたトナー像を記録紙Sに転写する転写ローラ32が設けられている。
【0025】
転写材搬送路30の転写ローラ32の下流側には、転写ローラ32で転写されたトナーを記録紙Sに定着する定着ユニット33が設けられている。
【0026】
転写材搬送路30の定着ユニット33の下流側には、記録紙Sを外部に排出する排出ローラ34が設けられている。
【0027】
現像部スクリュー19には、現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出センサ(トナー濃度検出手段)35が設けられている。トナー濃度検出センサ35は、トナー濃度制御装置(トナー濃度制御手段)36と接続されている。トナー濃度制御装置36は、トナー濃度検出センサ35による検出値に基づき、トナー濃度制御の基準値を設定する。
【0028】
画像形成装置10には、印字枚数および画像の平均カバレッジを計測する計測装置(計測手段)37が設けられている。
【0029】
また、画像形成装置10には、感光ドラム12、現像装置14、および、トナーリサイクル部24の駆動を制御する制御装置(制御手段)38が設けられている。制御装置38には、後述するトナー自動調整時間に応じた画像のカバレッジ毎の、トナーリサイクル部24の経路内に滞留するリサイクルトナー量、および、リサイクルトナーの戻り量のデータが入力され保持されている。制御装置38は、入力指示直前の計測装置37が計測した予め設定した印字枚数および画像の平均カバレッジに応じて、感光ドラム12上に静電潜像を形成せずに、モータ25により、感光ドラム12、現像装置14、および、トナーリサイクル部24を駆動させ、トナーリサイクル部24内のトナーを現像装置14内に戻してからトナー濃度制御装置36による基準値設定を行うリサイクルトナー吐出しモードを実行する。なお、リサイクルトナー吐出しモードでは、リサイクルトナー収容部16のトナーを現像装置14の古い現像剤内に戻すことなく、トナーリサイクル部24の途中に設けた吐き出しボックスに吐き出してもよい。
【0030】
イメージングユニット11は、感光ドラム12を帯電チャージャ13により帯電し、像露光装置28により潜像を形成する。感光ドラム12は、現像バイアス電圧を印加した現像ローラ21により、潜像電位と現像バイアス電圧の電位ギャップに、帯電したトナーが供給されることによって顕像化される。顕像化されたトナー像は、給紙ユニット29から転写材搬送路30上を搬送ローラ31により搬送された記録紙Sに転写ローラ32によって転写された後、定着ユニット33で定着され、排出ローラ34により電子写真画像として画像形成装置10から排紙される。感光ドラム12から記録紙Sに転写できずに感光ドラム12に残留したトナーは、感光ドラム12に圧接されるクリーニング部材15で掻き落とされリサイクルトナー収容部16に収容された後、図3に示すように、リサイクルトナー搬送スクリュー17,22により、リサイクルダクト23に搬送され、トナーボトル27からのトナーとともに現像装置14内に送られる。
【0031】
現像装置14では、リサイクルダクト23からのトナーとトナーボトル27からのトナーとがリサイクルダクト23の下方で合流し、合流したトナーは2つの現像部スクリュー18,19により一端から他端へ搬送される。現像部スクリュー18,19により搬送されたトナーは、前記他端で現像部スクリュー20へ搬送され、現像部スクリュー20により現像ローラ21へ供給される。
【0032】
次に、本発明にかかる画像形成装置10の制御について説明する。
【0033】
画像形成装置10は、印字枚数や現像駆動時間等に基づき設定された所定の交換時期に到達すると、現像剤の交換を促すメッセージを表示して使用者やサービスマンに知らせる。使用者やサービスマンがそのメッセージに従って現像剤を交換すると、画像形成装置10は、その交換後の現像剤のトナー濃度を正しく認識するように作動する。具体的には、モータ25により、現像部スクリュー18,19,20を駆動させて一定時間、現像剤の攪拌が行われる。一定時間経過後、トナー濃度検出センサ35により現像剤のトナー濃度を検出する。トナー濃度制御装置36は、トナー濃度検出センサ35により検出されたトナー濃度の値をトナー濃度制御の基準値として設定するトナー濃度自動調整を行う。攪拌時間は、トナー濃度制御装置36による基準値設定を行うための設定時間と等しく、この設定時間がトナー濃度自動調整時間となる。
【0034】
トナー濃度自動調整中、モータ25により、現像部スクリュー18,19,20が駆動されるとともに、トナーリサイクル部24のリサイクルトナー搬送スクリュー17,22も駆動される。これにより、トナー濃度自動調整中の一定時間経過後にトナーリサイクル部24から現像装置14に戻されるリサイクルトナーが発生するため、トナー濃度自動調整への影響について検討する。
【0035】
図4は、平均カバレッジ毎の、印字枚数と、トナーリサイクル部24の経路内に滞留したリサイクルトナー量との関係を測定した結果を示す。ここで、カバレッジとは、画像形成可能領域に占めるトナーが付着した領域の割合をいう。
【0036】
平均カバレッジ5%で印字すると、印字枚数が増加するにつれてトナーリサイクル部24の経路内に滞留したリサイクルトナー量は増加するが、約3500枚〜約4500枚の範囲では、リサイクルトナー量は約6gとほぼ一定となり、印字枚数の増加によるリサイクルトナー量の増加は見られなくなった。
【0037】
平均カバレッジ30%で印字すると、印字枚数が約5000枚の場合にリサイクルトナー量が約6gとなることが分かった。印字枚数が約7000枚になると、リサイクルトナー量は約8gとほぼ一定となり、印字枚数の増加によるリサイクルトナー量の増加は見られなくなった。
【0038】
図5は、リサイクルトナー吐出しモードを実行しない状態における平均カバレッジ毎の、攪拌時間に対する新品現像剤へのリサイクルトナーの戻り量を測定した結果を示す。
【0039】
上述したように、平均カバレッジ5%で、トナーリサイクル部24の経路内に滞留したリサイクルトナー量の上限が約6gのとき、攪拌時間を60秒とすると、新品現像剤へのリサイクルトナーの戻り量は約0.5gであった。新品現像剤の量を300gとすると、この戻り量により、新品現像剤の量を0.17%増加させる。これにより、トナー濃度を0.17%上昇させるが、トナー濃度自動調整に与える影響は小さく、トナーリサイクル吐出しモードは省略可能であると考えられる。
【0040】
上述したように、平均カバレッジ30%で、経路内に滞留したリサイクルトナー量の上限が約8gのとき、攪拌時間を60秒とすると、新品現像剤へのリサイクルトナーの戻り量は約2.1gであった。新品現像剤の量を300gとすると、この戻り量により、新品現像剤の量を0.70%増加させる。これにより、トナー濃度を0.70%上昇させるが、トナー濃度自動調整に与える影響は大きく、トナーリサイクル吐出しモードは必要であると考えられる。
【0041】
したがって、上述したように、印字枚数、平均カバレッジ、および、トナー濃度自動調整時間に基づいて、画像形成装置10の制御装置38がトナーリサイクル吐出しモード省略の可否を判断できるようにすれば、トナーリサイクル吐出しモード実行が不要な場合にトナー濃度自動調整への影響が少ない範囲で、メンテナンス時間を減らすことができる。
【0042】
図6は、画像形成装置10の現像剤交換直前に行うトナーリサイクル吐出しモード省略の可否を判断する制御のフローチャートを示す。
【0043】
イメージングユニット11の現像剤が交換時期に到達し現像装置14または現像剤を交換する際、現像装置14または現像剤の交換直前に、図示しない操作部への手動による入力により、制御装置38に対してリサイクルトナー吐出しモード省略の可否を判断するように指示を行う。
【0044】
前記入力指示があると、制御装置38は、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジについてのデータを計測装置37から取得する(ステップS1)。ここで、入力指示直前の予め設定した印字枚数は、例えば、入力指示直前の印字からさかのぼった100枚とする。画像の平均カバレッジは、100枚それぞれの画像のカバレッジを記憶し、それらの値から算出することができる。
【0045】
計測装置37から取得した画像の平均カバレッジが予め設定した閾値未満の場合(ステップS2:NO)は、リサイクルトナー吐出しモードを実行しない。
【0046】
一方、画像の平均カバレッジが予め設定した閾値以上の場合(ステップS2:YES)は、トナーリサイクル部24の経路内のリサイクルトナー量を推定する(ステップS3)。
【0047】
制御装置38からトナー濃度自動調整時間のデータを取得し(ステップS4)、推定したリサイクルトナー量と、トナー濃度自動調整時間とからリサイクルトナーの戻り量を推定する(ステップS5)。
【0048】
制御装置38から現像剤量のデータを取得し(ステップS6)、推定したリサイクルトナーの戻り量と、新品現像剤量とからトナー濃度への影響量を推定する(ステップS7)。
【0049】
トナー濃度への影響量が、予め設定した閾値未満の場合(ステップS8:NO)、すなわち小さい場合は、リサイクルトナー吐出しモードを実行しない。
【0050】
トナー濃度への影響量が、予め設定した閾値以上の場合(ステップS8:YES)、すなわち大きい場合は、リサイクルトナー吐出しモードを実行する。
【0051】
本発明によれば、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断することにより、不要な場合にリサイクルトナー吐出しモードの実行を省略できる。トナー濃度自動調整への影響が少ない範囲で、メンテナンス時間を減らすことができる。
【0052】
制御装置38は、入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジと、トナー濃度制御装置36による基準値設定を行うための設定時間とにより、トナーリサイクル部24から現像装置14内へのトナー戻り量を推定することができる。推定したトナー戻り量により、予め設定した閾値以上の場合にはリサイクルトナー吐出しモードを実行し、予め設定した閾値未満の場合はリサイクルトナー吐出しモードを実行しないように制御することができる。
【0053】
なお、記録紙Sの抵抗値等により転写効率は下がる。そうすると、記録紙Sへの印字が低カバレッジであってもリサイクルトナー量が増えて戻り量も増加し、リサイクルトナー吐出しモードが必要となる。そのため、制御装置38は、環境条件や記録紙Sの種類により、リサイクルトナー吐出しモード実行の要否を判断する閾値を切替えて制御するようにする。
【符号の説明】
【0054】
10 画像形成装置
11 イメージングユニット
12 感光ドラム(像担持体)
13 帯電チャージャ
14 現像装置
15 クリーニング部材(クリーニング手段)
16 リサイクルトナー収容部
17,22 リサイクルトナー搬送スクリュー
18,19,20 現像部スクリュー
21 現像ローラ
23 リサイクルダクト
24 トナーリサイクル部(トナーリサイクル手段)
25 モータ(駆動手段)
26 トナー供給部
27 トナーボトル
28 像露光装置
29 給紙ユニット
30 転写材搬送路
31 搬送ローラ
32 転写ローラ
33 定着ユニット
34 排出ローラ
35 トナー濃度検出センサ(トナー濃度検出手段)
36 トナー濃度制御装置(トナー濃度制御手段)
37 計測装置(計測手段)
38 制御装置(制御手段)
S 記録紙(転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上の静電潜像をトナーとキャリアからなる二成分現像剤で現像する現像手段と、
前記現像手段内に設けられたトナー濃度検出手段による検出値に基づき、トナー濃度制御の基準値を設定するトナー濃度制御手段と、
前記像担持体に設けられたクリーニング手段により除去された、転写材への転写後の前記像担持体上のトナーを、前記現像手段に搬送して戻すトナーリサイクル手段と、
前記像担持体、前記現像手段、および、前記トナーリサイクル手段を駆動する駆動手段と、
印字枚数および画像の平均カバレッジを計測する計測手段と、
前記像担持体上に静電潜像を形成せずに、前記駆動手段により、前記像担持体、前記現像手段、および、前記トナーリサイクル手段を駆動させ、前記トナーリサイクル手段内のトナーを前記現像手段内に戻してから前記トナー濃度制御手段による基準値設定を行うリサイクルトナー吐出しモードを実行する制御手段と
を備え、
前記制御手段への入力指示があると、前記リサイクルトナー吐出しモードの実行の要否を判断する画像形成装置において、
前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジに応じて、前記リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかを判断することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジが予め設定した閾値以上の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行し、予め設定した閾値未満の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リサイクルトナー吐出しモードを実行するかどうかの判断を、現像剤交換直前に行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記入力指示直前の予め設定した印字枚数における画像の平均カバレッジと、前記トナー濃度制御手段による基準値設定を行うための設定時間とにより、前記トナーリサイクル手段内から前記現像手段内へのトナー戻り量を推定し、前記トナー戻り量が、予め設定した閾値以上の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行し、予め設定した閾値未満の場合は前記リサイクルトナー吐出しモードを実行しないように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−128525(P2011−128525A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289212(P2009−289212)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】