説明

画像形成装置

【課題】本発明は、記録材に形成される画像の画質の低下と、記録材への画像形成に要する時間とを、選択的に抑制することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の画像形成装置1は、外周面に画像を保持する感光体ドラム11と、感光体ドラム11との間に挟み込んだ用紙Sに対し画像を転写する転写ドラム21と、用紙Sを転写ドラム21の外周面に保持させるグリッパ23と、感光体ドラム11に保持された複数色の画像を1枚の用紙Sに色毎に順次転写する第1の画像形成動作では、グリッパ23によって転写ドラム21に用紙Sを保持させる制御を行い、感光体ドラム11に保持された単色の画像を1枚の用紙Sに転写する第2の画像形成動作では、グリッパ23によって転写ドラム21に用紙Sを保持させない制御を行う制御部100とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、トナー像を保持して回転する感光体と、感光体に対向し転写材を保持して回転する転写ドラムとを備え、感光体に保持されたトナー像を、転写ドラムに保持された転写材に転写するものが知られている。
公報記載の従来技術として、転写ドラムに転写材を機械的に保持させるための転写材把持手段と、転写ドラムに転写材を静電吸着させるための転写材吸着手段とを設けるものが存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−230687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録材に形成される画像の画質の低下と、記録材への画像形成に要する時間とを、選択的に抑制することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、前記像保持体に保持された複数色の画像を1枚の記録材に色毎に順次転写する第1の画像形成動作では、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該像保持体に保持された単色の画像を1枚の記録材に転写する第2の画像形成動作では、当該保持手段によって当該転写部材に記録材を保持させない制御を行う制御手段とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記制御手段は、前記第1の画像形成動作において、前記複数色の画像のうち前記像保持体に最後に保持される最終色より前に保持される他の色の画像を記録材に転写する間は、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該最終色の画像を記録材に転写する間は、前記転写部材への記録材の保持を解除させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の画像形成動作において、記録材の搬送方向長さが、当該転写部材の外周面の回転方向長さに基づいて予め定められた長さよりも長い場合に、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
【0006】
請求項4記載の発明は、回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、画像が転写された記録材の生産性よりも記録材に転写される画像の画質を優先させる第1の画像形成動作では、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該画質よりも当該生産性を優先させる第2の画像形成動作では、当該保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させない制御を行う制御手段とを含む画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、前記制御手段は、前記第2の画像形成動作において、記録材の搬送方向長さが前記転写部材の外周面の回転方向長さに基づいて予め定められた基準長よりも長い場合に、当該転写部材が1回転する毎に当該転写部材に向けて1枚の記録材を供給させ、当該搬送方向長さが当該基準長よりも短い場合に、当該転写部材が1回転する毎に当該転写部材に向けて2枚以上の記録材を順次供給させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、画像を形成する像形成手段と、回転可能に配置され、前記像形成手段によって形成された画像を外周面に保持する像保持体と、前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、前記像形成手段によって形成される画像の出力に対してなされた指示に基づいて、前記保持手段による前記転写部材への記録材の保持の可否を設定する設定手段とを含む画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録材に形成される画像の画質の低下と、記録材への画像形成に要する時間とを、選択的に抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、1枚の記録材に複数色の画像を形成する場合において、記録材に形成される画像の画質の低下を抑制しつつ、記録材への画像形成に要する時間を低減することができる。
請求項3記載の発明によれば、1枚の記録材に単色の画像を形成する場合において、記録材に形成される画像の画質の低下を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録材に形成される画像の画質の低下と、記録材への画像形成に要する時間とを、選択的に抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、例えば記録材の搬送方向長さが基準長よりも短い場合に、記録材への画像形成に要する時間をさらに抑制することが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、記録材に形成される画像の画質の低下と、記録材への画像形成に要する時間とを、選択的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】制御部の機能ブロック図である。
【図3】画像形成動作のモードを選択するフローチャートである。
【図4】(a)は多色画質優先モードにおけるタイミングチャートの一例を示しており、(b)は多色生産性優先モードにおけるタイミングチャートの一例を示している。
【図5】(a)は単色画質優先モードにおけるタイミングチャートの一例を示しており、(b)は第1単色生産性優先モードにおけるタイミングチャートの一例を示しており、(c)は第2単色生産性優先モードにおけるタイミングチャートの一例を示している。
【図6】各画像形成動作のモードの用紙パスを説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1を示す概略構成図である。
この画像形成装置1は、像形成手段の一例でありトナー像が形成される画像形成部10、供給されてくる用紙Sを保持するとともに保持した用紙S上に画像形成部10で形成したトナー像を転写する転写装置20、転写装置20から解放された用紙S上のトナー像を定着する定着装置30、用紙Sを供給し搬送する用紙供給部40、制御手段および設定手段の一例であり画像形成装置1の全体を制御する制御部100を有している。また、画像形成装置1の各構成部材は、筺体2の内部に収容されており、この筺体2の上部には定着装置30から排出された用紙Sを積載する排紙積載部3が設けられている。ここで、用紙Sは記録材の一例である。
【0010】
まず、画像形成部10は、像保持体の一例である感光体ドラム11と、この感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体ドラム11を露光する露光装置13と、トナーを用いて現像を行うロータリ現像装置14と、感光体ドラム11上に残ったトナー等を清掃する清掃装置15とを含んでいる。
【0011】
感光体ドラム11は、その表面に負の帯電極性を有する感光層(図示せず)を備えるとともに、矢印A方向に回転するように取り付けられる。そして、帯電装置12、露光装置13、ロータリ現像装置14、清掃装置15は、感光体ドラム11の周囲に、矢印A方向に沿って、この順番に配設されている。ここで、感光体ドラム11の外径は、例えば30mmとなっている。
【0012】
帯電装置12は、本実施の形態においては接触ローラ型の放電装置であり、感光体ドラム11とともに回転しながら感光体ドラム11を帯電させるよう構成される。
露光装置13は、感光体ドラム11の帯電表面に照射することで、静電潜像を形成するよう構成され、本実施の形態においては複数配置されたLED(図示せず)を含む。
【0013】
ロータリ現像装置14は、回転軸14Aと、回転軸14Aの周囲に配設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各現像器14Y、14M、14C、14Kとを備えている。また、ロータリ現像装置14は、回転軸14Aを中心として矢印C方向に回転するように構成されており、感光体ドラム11と対向する位置(以下の説明では現像位置という)においていずれかの現像器が停止するようになっている。ロータリ現像装置14は、露光装置13によって形成された感光体ドラム11上の静電潜像を、トナーを用いて現像するよう構成されている。なお、ロータリ現像装置14の外径は、例えば100mmとなっている。
また、各色の現像器14Y、14M、14C、14Kには、対応する色成分トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤が収容されている。ここで、本実施の形態においては、2成分現像剤を用いたが、キャリアを含まない1成分現像剤であってもよい。
【0014】
清掃装置15は、感光体ドラム11の表面に残ったトナーやトナー以外の付着物を除去するよう構成されている。本実施の形態の清掃装置15は、ブレード方式のクリーナである。
【0015】
次に、転写装置20を説明する。転写装置20は、感光体ドラム11に対向して回転可能に配置され、感光体ドラム11上のトナー像を用紙Sに転写する転写ドラム21と、転写ドラム21上で用紙Sを把持するグリッパ23と、回転する転写ドラム21の位相を検知する位相センサ25とを有している。ここで、転写ドラム21は、感光体ドラム11との対向位置において感光体ドラム11の回転方向(矢印A方向)と同じ向きとなる矢印B方向に回転するように構成されている。
【0016】
転写部材の一例である転写ドラム21は、円筒形状を有し内部に空間が形成された円筒基部21Aと、この円筒基部21Aの外周面に形成された弾性層21Bとを備えている。ここで、弾性層21Bは、円筒基部21Aの外周面の一部を、円筒基部21Aの軸方向に沿って覆わないようになっており、この部位は円筒基部21Aが外部に露出した露出部21Cとなっている。
なお、図1においては、円筒基部21Aが外部に露出した露出部21Cとした構成としているが、この構成に限定されるものではない。つまり、円筒基部21Aの外周面の一部を必ずしも露出させる必要はなく、例えば弾性層21Bの一部を薄く形成する構成であってもよい。
【0017】
転写ドラム21は、その回転に伴って、弾性層21Bが感光体ドラム11と接触し、且つ、円筒基部21Aのグリッパ23が感光体ドラム11と接触しないように、感光体ドラム11に対する位置決めがなされている。また、転写ドラム21に設けられた弾性層21Bは、感光体ドラム11と接触した際に弾性変形することにより、感光体ドラム11との間に、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を用紙Sに転写するためのニップ部を形成する。また、転写ドラム21には、図示しない転写電源が接続されており、感光体ドラム11に形成されたトナー像を、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する領域において用紙Sに転写するための転写バイアスが供給されるようになっている。なお、以下の説明においては、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する領域を、転写部位Trと称する。
【0018】
本実施の形態における円筒基部21Aは導電性を有する中空管であり、具体的には樹脂製である。本実施の形態においては、外径が110mmで樹脂製の素管の上に導電性のシートを巻きつけたものからなる。
また、弾性層21Bは半導電性を有する弾性部材であり、具体的には厚みが5.0mmの発泡ゴムからなる。そして、本実施の形態の円筒基部21Aの周囲に弾性層21Bを備えたときの外径は、120mmである。
【0019】
保持手段の一例であり、転写装置20を構成するグリッパ23は、転写ドラム21の露出部21Cに取り付けられており、露出部21Cからみて転写ドラム21の回転方向下流側に位置する弾性層21Bの端部側において、弾性層21Bとの間に用紙Sの進行方向の端部を把持し、またその把持を解除するようになっている。本実施の形態におけるグリッパ23は、板状の部材からなり、一方(転写ドラム21の回転方向である矢印B方向下流側)の端部が露出部21Cに回転可能に固定され、他方(転写ドラム21の回転方向である矢印B方向上流側)は自由端である。これによりグリッパ23が揺動可能となり、用紙Sを把持するために開閉することが可能な構成となる。
なお、図1においては、グリッパ23の自由端が、弾性層21Bの外周面から突出した構成としているが、本構成に限定されない。例えば、グリッパ23が外周面から突出することなく構成されてもよい。例えば、露出部21C内にグリッパ23が収まるように構成されても良く、このような構成は、グリッパ23が感光体ドラム11と接触することを回避できる。
【0020】
そして、本実施の形態の転写ドラム21では、所謂静電吸着を用いた用紙Sの保持を行っておらず、グリッパ23による機械的な保持を行っている。このため、転写ドラム21には、用紙Sの静電吸着を行うためのコロトロン等の帯電器は設けられていない。
【0021】
また、位相センサ25は転写ドラム21の外周面に対向して配置されており、転写ドラム21の外周面に設けられたマーク(図示せず)を検知することで、回転する転写ドラム21の位相を測定するようになっている。そして制御部100は、位相センサ25から送られてくる位相信号に応じて、書き出し位置(カラーレジストレーション)の制御を行っている。
【0022】
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11の回転(位相)を検知する回転センサ70が設けられている。
また、グリッパ23が、転写ドラム21に対し用紙Sの進行方向側の端部側だけを把持する例について説明を行ったが、これに加えて、転写ドラム21に対し用紙Sの進行方向とは反対側の端部も把持する構成を採用してもよい。
【0023】
ここで、本実施の形態の画像形成装置1で使用することのできる用紙Sの最大長さは、転写ドラム21に設けられた弾性層21Bの周方向長さ(矢印B方向の長さ)以下に制限されている。そして、用紙Sが露出部21Cを跨ぐことがないように、用紙Sは転写ドラム21に供給される。
【0024】
定着装置30は、加熱源(図示せず)を有し回転可能に配設される加熱ロール31と、この加熱ロール31に圧接される加圧ロール32とを有している。
【0025】
用紙供給部40は、画像形成装置1の下方、具体的には転写ドラム21の下方に備えられ、用紙Sを内部に収容する用紙収容部41、この用紙収容部41から用紙Sを取り出す取出しロール42、密着した用紙Sを分離する捌きロール43、用紙Sを搬送する搬送ロール44を備える。
【0026】
ここで、画像形成装置1は、用紙収容部41から用紙Sを転写部位Trに供給するため供給経路51を備えており、本実施の形態では、供給経路51が、複数の経路すなわち第1の供給経路511および第2の供給経路512で構成されている。そして、本実施の形態では、第1の供給経路511または第2の供給経路512のいずれか一方から、転写ドラム21に向けて用紙Sが供給されるようになっている。なお、第1の供給経路511または第2の供給経路512は、図示しないゲートを用いて切り替えられるようになっている。本実施の形態では、転写部位Trからみて転写ドラム21の回転方向上流側に位置する第1の給紙位置Pa1に向け、第1の供給経路511を経て用紙Sが供給されるか、あるいは転写部位Trからみて転写ドラム21の回転方向上流側であって、第1の給紙位置Pa1よりもさらに転写ドラム21の回転方向上流側に位置する第2の給紙位置Pa2に向け、第2の供給経路512を経て用紙Sが供給されるようになっている。
また、画像形成装置1は、転写部位Trにてトナー像が転写された後の用紙Sを、定着装置30を介して排紙積載部3に排出するための排出経路52を備えている。本実施の形態では、転写部位Trからみて転写ドラム21の回転方向下流側に位置する排紙位置Pbより、定着装置30に向けて用紙Sが排出されるようになっている。
さらに、本実施の形態では、転写ドラム21に向けて供給されてくる用紙Sが、グリッパ23によって転写ドラム21に巻き付けられた状態で回転する場合があるが、この場合に用紙Sが搬送される経路を回転経路53と称する。
【0027】
図2は、図1に示す制御部100の機能ブロック図を示している。
本実施の形態の制御部100には、ユーザから指示を受けたユーザ・インターフェイス60によって信号が入力される。また、制御部100には、画像形成装置1の内部または外部に設けられた画像出力指示部90から画像信号が入力される。さらに、制御部100には、回転センサ70から送られてくる感光体ドラム11の位相信号(以下では第1の位相信号という)および位相センサ25から送られてくる転写ドラム21の位相信号(以下では第2の位相信号という)も入力される。
【0028】
そして、制御部100は、感光体ドラム11を回転駆動する感光体ドラム駆動部81、帯電装置12、露光装置13、ロータリ現像装置14を回転/停止させることで感光体ドラム11と対向する現像位置に目的とする現像器を位置させる現像装置駆動部82、現像位置に配置された現像器に供給する現像バイアスを設定する現像バイアス設定部83、転写ドラム21を回転駆動する転写ドラム駆動部84、転写ドラム21に供給する転写バイアスを設定する転写バイアス設定部85、グリッパ23、用紙供給部40、および定着装置30に、それぞれ制御信号を出力するようになっている。また、制御部100は、露光装置13に対し、露光用の信号に加え、副走査方向の露光周期を設定するための信号を出力する。なお、本実施の形態における露光の周期とは、主走査方向の1つのラインを露光し始めてから、副走査方向で隣り合う、次の主走査方向のラインを露光し始めるまでの時間をいう。
また、制御部100は、転写バイアス設定部85に転写バイアスを供給するか否かの信号を出力する。さらに、制御部100は、位相センサ25から送られてくる第2の位相信号に応じてグリッパ23を開閉させる信号をグリッパ23へ出力する。さらにまた、制御部100は、第1の供給経路511、第2の供給経路512のいずれを経て用紙Sを供給するかについての信号を用紙供給部40へ出力するようになっている。
【0029】
次に、本実施の形態にかかる画像形成装置1で実行される画像形成動作のモードについて説明する。本実施の形態の画像形成装置1では、用紙Sに対し、多色画像形成と単色画像形成とが行える。
【0030】
ここで、本実施の形態における多色画像形成とは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のうち2色以上を用いる画像形成をいう。なお、色についてはこれらの色に限定されない。
一方、本実施の形態における単色画像形成とは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のうちいずれか1色を用いる画像形成をいう。なお、色についてはこれらの色に限定されない。
【0031】
次に、図3を用いて、画像形成装置1で実行される画像形成動作のモードの選択について説明する。なお、図3は、制御部100が画像形成装置1における画像形成動作のモードを選択するフローチャートである。
【0032】
制御部100は、まず、ユーザの操作によってなされた画像形成動作に関する指示の内容を、ユーザ・インターフェイス60を介して受け付ける(ステップ101)。そして、制御部100は、ステップ101で受け付けた指示の内容を確認し、これから形成する画像が多色であるか否か、換言すれば、単色でないか否かを判断する(ステップ102)。ステップ102において肯定の判断(Y)を行った場合、制御部100は、ステップ101で受け付けた指示の内容を参照し、画質を優先させることが指定されているか否かを判断する(ステップ103)。ステップ103において肯定の判断(Y)を行った場合、制御部100は、生産性よりも画質を優先させる多色画質優先モードにて画像形成動作を実行させる(ステップ104)。一方、ステップ103において否定の判断(N)を行った場合、制御部100は、画質よりも生産性を優先させる多色生産性優先モードにて画像形成動作を実行させる(ステップ105)。
また、ステップ102において否定の判断(N)を行った場合、すなわち、これから形成する画像が多色ではなく単色であった場合、制御部100は、ステップ101で受け付けた指示の内容を参照し、画質を優先させることが指定されているか否かを判断する(ステップ106)。ステップ106において肯定の判断(Y)を行った場合、制御部100は、生産性よりも画質を優先させる単色画質優先モードにて画像形成動作を実行させる(ステップ107)。一方、ステップ106において否定の判断(N)を行った場合、制御部100は、ステップ101で受け付けた指示の内容を参照し、画像形成の対象となる用紙Sの進行方向長さが、予め決められた規定サイズ以下となっているか否かを判断する(ステップ108)。ステップ108において否定の判断(N)を行った場合、すなわち、用紙Sの進行方向長さが規定サイズよりも大きかった場合、制御部100は、画質よりも生産性を優先させる第1単色生産性優先モードにて画像形成動作を実行させる(ステップ109)。一方、ステップ108において肯定の判断(Y)を行った場合、制御部100は、上述した第1単色生産性優先モードよりもさらに生産性を向上させる第2単色生産性優先モードにて画像形成動作を実行させる(ステップ110)。なお、ステップ108の判断で用いられる、用紙Sの規定サイズの詳細については後述する。
【0033】
次に、図1、図4および図5を用いて本実施の形態にかかる画像形成動作のモードについて説明する。
図4は、多色画像形成の場合におけるタイミングチャートの一例を示している。ここで、図4(a)は多色画質優先モードの場合を、図4(b)は多色生産性優先モードの場合をそれぞれ例示している。
一方、図5は、単色画像形成の場合におけるタイミングチャートの一例を示している。ここで、図5(a)は単色画質優先モードの場合を、図5(b)は第1単色生産性優先モードの場合を、図5(c)は第2単色生産性優先モードをそれぞれ例示している。
【0034】
図4および図5は、時間の経過と、転写部位Trを通過する感光体ドラム11上に形成されるトナー像の色、転写部位Trを通過する用紙Sの有無、グリッパ23の開閉、用紙Sの進行速度、および露光装置13による露光周期との関係をそれぞれ示している。
また、各モードでは、1枚の用紙Sに画像形成を行うことおよび複数の用紙Sに順次画像形成を行うことが可能である。そして、図4および図5では、N番目に供給され且つ画像形成が行われる用紙Sを(N)で示している。
【0035】
以下ではまず多色画像形成の場合を説明し、続いて単色画像形成の場合を説明する。
ここで、第1の画像形成動作の一例である多色画像形成の場合は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(K)の画像を順次形成する場合を例とし、第2の画像形成動作の一例である単色画像形成の場合は、黒(K)の画像を形成する場合を例として説明する。
また、多色画像形成および単色画像形成いずれの場合も、画像形成動作が開始される前においては、転写ドラム21に対しグリッパ23は開いた状態となっており、転写バイアスはOFFの状態となっている。
なお、以下の説明においてグリッパ23は、基本的に開いており、用紙Sを把持するときにグリッパ23が閉じるとしているが、反対に基本的に閉じており、用紙Sを把持する直前および用紙Sの把持を終了する際に開くように構成されても良い。
【0036】
<多色画質優先モード>
まず、図1および図4(a)を参照しつつ、図3のステップ104に示す多色画質優先モードにおける画像形成動作について説明を行う。
【0037】
制御部100は、まず、画像形成装置1を構成する各部に対し、多色画質優先モードで動作させるための制御信号を出力する。
また、制御部100は、画像出力指示部90から入力されてくる画像信号を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の記録画像データに変換し、露光装置13にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順で出力する。このとき、制御部100は、露光装置13に対し、露光周期T1とするための制御信号も出力する。
【0038】
また、制御部100からの制御信号を受けて、感光体ドラム駆動部81は感光体ドラム11を周速度V1で回転させ、転写ドラム駆動部84は転写ドラム21を周速度V2で回転させる。また、感光体ドラム11および転写ドラム21が回転を開始するのに伴い、制御部100には、回転センサ70から第1の位相信号が入力され、且つ、位相センサ25から第2の位相信号が入力される。
【0039】
ここで、感光体ドラム11の周速度V1および転写ドラム21の周速度V2は、等しい速度ではなく、どちらか一方が大きくなるように設定される。どちらか一方の速度を大きくすることは、感光体ドラム11および転写ドラム21の相対速度が、プラス側あるいはマイナス側のいずれか一方の側を維持するために有効である。すなわち、感光体ドラム11と転写ドラム21とに予め周速度差を設けておくことにより、両者の周速度V1、V2が変動した場合であっても、周速度の大小関係については維持できることから、転写部位Trにおける転写を安定させることができる。
例えば、本実施の形態においては、感光体ドラム11の周速度V1を1としたときに転写ドラム21の周速度V2を0.99と予め設定する。なお、感光体ドラム11の周速度V1と転写ドラム21の周速度V2の速度差は、転写ドラム21の外径の公差や転写ニップにおける転写ドラム21のくい込み量のばらつきを加味すると、1%程度が好ましい。ここで、V1>V2としたが、V1<V2としてもかまわない。
【0040】
そして、回転する感光体ドラム11の感光層が帯電装置12により帯電された後、回転センサ70により得られた感光体ドラム11の位相に基づいて露光装置13による露光が開始され、露光装置13により記録画像データに応じた一色目(例えばイエロー)の静電潜像が形成される。このとき、露光装置13は、露光周期T1を露光周期として露光を行う。
なお、このときグリッパ23は引き続き開いた状態を維持される。
【0041】
一方、ロータリ現像装置14では、イエローの現像器14Yが現像位置で停止しており、このイエローの現像器14Yに現像バイアス設定部83から現像バイアスを供給する。そして、感光体ドラム11上に形成された静電潜像が現像位置を通過することによって現像が行われ、感光体ドラム11上にイエローのトナー像が形成される。そして、現像されたイエローのトナー像は、感光体ドラム11の回転に伴って転写ドラム21と対向する転写部位Trに向かって送られていく。
【0042】
また、画像形成動作の開始に対応して、用紙供給部40による用紙Sの供給も行われる。制御部100からの制御信号を受けて、用紙収容部41から取出しロール42により取り出された用紙Sは、捌きロール43を経て、搬送ロール44を用いて第2の供給経路512に送り出される。このとき、制御部100は、位相センサ25により得られた転写ドラム21の位相に基づき、グリッパ23が第2の給紙位置Pa2に到達するのに合わせて、用紙Sの進行方向先端側が第2の給紙位置Pa2に到達するように、用紙Sの搬送制御を行う。このときの用紙Sの進行速度は、転写ドラム21の周速度V2と等しい。
【0043】
そして、制御部100は、用紙Sの進行方向端部が第2の給紙位置Pa2に到達するのに合わせて、グリッパ23に制御信号を出力する。これに伴って、グリッパ23は開いた状態から閉じた状態へと移行し、弾性層21Bとグリッパ23の自由端側との間に用紙Sの進行方向先端側の端部が把持される。その結果、用紙Sは、グリッパ23に把持されたまま転写ドラム21に巻きついた状態となって搬送される。
このとき、用紙Sの進行速度は、グリッパ23によって用紙Sが転写ドラム21の外周面に把持されていることから、周速度V2となる。すなわち、この状態において、用紙Sは感光体ドラム11よりも低速で移動していくことになる。
【0044】
ここで、制御部100は、感光体ドラム11上のイエローのトナー像の形成対象領域の進行方向先端側が転写部位Trに到達するのに合わせて、グリッパ23によって転写ドラム21に把持された用紙Sの進行方向先端側が転写部位Trに到達するように、回転する感光体ドラム11に対する露光装置13の露光タイミングおよび転写ドラム21の駆動タイミングの制御を行っている。なお、この制御は、回転センサ70により得られた感光体ドラム11の位相および位相センサ25により得られた転写ドラム21の位相に基づいて行われる。また、制御部100は、転写バイアス設定部85に対し、用紙Sの進行方向先端側が転写部位Trに到達するのに合わせて、OFFに設定されていた転写バイアスをONに切り替える制御信号を出力する。
そして、感光体ドラム11上に形成された一色目のイエローのトナー像は、感光体ドラム11と転写ドラム21とが対向する転写部位Trにおいて、転写バイアス設定部85から供給される転写バイアスにより転写ドラム21上の用紙Sに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残ったトナーは、清掃装置15によって除去される。
【0045】
その後、記録画像データに基づいて二色目以降のマゼンタ、シアン、黒の潜像形成、現像および転写が、上述した手順に従って同様に繰り返される。ただし、各色のトナー像を形成するに際しては、制御部100からの制御信号によってロータリ現像装置14が回転を行い、対応する現像器14M、14C、14Kが順次現像位置に配置される。なお、この画像形成動作では、用紙Sの大きさに関わらず、転写ドラム21が1回転する毎(転写ドラム21に巻き付いた用紙Sが1周する毎)に現像位置に配置する現像器を切り替えることで、感光体ドラム11上に現像するトナー像の色の変更を行う。その間、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持された状態で回転経路53を回転搬送される。なお、この多色画質優先モードにおける用紙Sは、回転経路53を合計4回通過する。
そして、用紙Sが転写部位Trを通過するたびに、二色目以降のトナー像が重ねあわされるようにして順次転写される。この結果、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が、転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される。したがって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒(K)のトナー像を順次転写するために、用紙Sは、回転経路53を4回通過し、且つ、転写部位Trを4回通過することになる。また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)のトナー像の形成において、露光装置13の露光周期は、露光周期T1に維持される。
【0046】
ここで、多色画質優先モードでは、最後の黒のトナー像の転写が終了するまで、すなわち、転写ドラム21に把持された用紙Sの進行方向の後端側端部が転写部位Trを通過するまでの間、用紙Sは、グリッパ23によって転写ドラム21へ把持された状態を維持する。そして、制御部100は、黒のトナー像の転写終了後であって、用紙Sの進行方向の先端側端部が転写部位Trに到達する前に、グリッパ23に制御信号を出力する。これに伴って、グリッパ23が閉じた状態から開いた状態へと移行し、用紙Sの把持が解除(解放)される。
なお、グリッパ23が閉じた状態から開いた状態に移行するのは、転写部位Trに近い位置であることが好ましい。例えば、第2の給紙位置Pa2においてグリッパ23による用紙Sの把持が解除され、より好ましくは、第1の給紙位置Pa1においてグリッパ23による用紙Sの把持が解除される。
【0047】
そして、4色のトナー像が転写された用紙Sは、グリッパ23による転写ドラム21への把持が解除された状態で、転写部位Trを通過する。なお、この多色画質優先モードにおいて、1枚の用紙Sは転写部位Trを合計5回通過することになる。この5回のうち、トナー像の転写を行う1回目から4回目までは、用紙Sが転写ドラム21に把持された状態で転写部位Trを通過することになるが、トナー像の転写を行う必要のない5回目では、用紙Sが転写ドラム21に把持されない状態で転写部位Trを通過することになる。また、この例において、転写バイアス設定部85から供給される転写バイアスは、5回目に用紙Sが転写部位Trを通過する際においても維持されるが、この状態では感光体ドラム11にトナー像の形成を行っていないことから、用紙Sへのトナー像の転写自体は行われない。
【0048】
ここで、グリッパ23による用紙Sの把持が解除され、用紙Sが5回目に転写部位Trを通過する前後で、用紙Sの進行速度は変化する。把持が解除された用紙Sは、転写ドラム21の周速度V1と感光体ドラム11の周速度V2との両者の影響を受けることから、用紙Sの速度は、転写ドラム21の周速度V2と感光体ドラム11の周速度V1との間の速度となる。上記の例では、転写ドラム21の周速度V2は0.99であり、かつ感光体ドラム11の周速度V1が1であるのに対して、用紙Sの進行速度は例えば0.995となる。
【0049】
さらに、トナー像が重ね転写され、グリッパ23による転写ドラム21への把持が解除された用紙Sは、転写部位Trにおいて、感光体ドラム11が転写ドラム21に設けられた弾性層21Bに用紙Sを押し込むことで、用紙Sの進行方向端部が転写ドラム21から剥離する。そして、用紙Sが転写ドラム21から離れる排紙位置Pbから、用紙Sは排出経路52へと進入し、定着装置30である加熱ロール31および加圧ロール32が圧接する定着ニップ部に送られる。この定着ニップ部にて、用紙Sに保持されたトナー像が定着される。定着終了後の用紙Sは、搬送ロール44によって画像形成装置1の機外に排出され、排紙積載部3に積載される。
【0050】
<多色生産性優先モード>
次に、図1および図4(b)を参照しつつ、図3のステップ105に示す多色生産性優先モードにおける画像形成動作について説明を行う。
多色生産性優先モードの画像形成動作は、原則として上述の多色画質優先モードと同様に行われるが、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像が転写ドラム21上の用紙Sに多重転写される場合において、最後の転写である黒の転写の際の状態が多色画質優先モードと異なる。
【0051】
すなわち、多色画質優先モードにおいては、最終色である黒のトナー像の転写が終了した後に、グリッパ23による用紙Sの把持が解除されたのに対して、多色生産性優先モードにおいては黒のトナー像の転写が始まる前にグリッパ23による把持が解除される。つまり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が順次転写される間において用紙Sはグリッパ23により把持されるが、最終色の1つ前の色であるシアン(C)のトナー像の転写終了後であって、黒のトナー像の転写のため用紙Sの進行方向の端部が転写部位Trに到達する前に、グリッパ23が閉じた状態から開いた状態に移行してグリッパ23による用紙Sの把持が解除される。そして、黒のトナー像の転写が行われる間において用紙Sはグリッパ23により把持されない。
なお、グリッパ23が閉じた状態から開いた状態に移行するのは、上述のように転写部位Trに近い位置であることが好ましい。例えば第2の給紙位置Pa2においてグリッパ23による用紙Sの把持が解除され、より好ましくは、第1の給紙位置Pa1においてグリッパ23による用紙Sの把持が解除される。
【0052】
そして、最終色である黒のトナー像が転写されると、その後用紙Sは回転経路53を通過することなく、排紙位置Pbから排出経路52へと進入し定着装置30に送られる。つまり、多色生産性優先モードにおいては、用紙Sは最後の黒のトナー像が転写されながら、排紙位置Pbにおいて転写ドラム21から離れる。
したがって、この多色生産性優先モードにおいて1枚の用紙Sは転写部位Trを合計4回通過し、この4回のうち、3回目までに用紙Sが転写部位Trを通過する際には、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持されるが、最後の4回目に用紙Sが転写部位Trを通過する際には、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持されることなく通過する。なお、転写バイアス設定部85から供給される転写バイアスは、4回目に用紙Sが転写部位Trを通過する際においても維持される。なお、この多色生産性優先モードにおいて、用紙Sは回転経路53を合計3回通過する。
【0053】
ここで、上述の通り、多色画質優先モードでは1枚の用紙Sは転写部位Trを合計5回通過し、回転経路53を合計4回通過することから、1枚の用紙Sが転写部位Trを合計4回通過し、回転経路53を合計3回通過する多色生産性優先モードの方がより生産性が高い。なお、本発明における生産性が高いとは、同じ色数で画像形成を行う際に、1枚の用紙Sに対する画像形成に要する時間がより短いことをいう。
【0054】
さて、多色生産性優先モードでは、黒のトナー像の転写が行われる際に用紙Sがグリッパ23により把持されないことと関連して、以下の点においても多色画質優先モードとは異なる。すなわち、用紙Sの進行速度が変化することに対応して、露光装置13の露光周期Trを調整している点において多色画質優先モードとは異なる。
【0055】
まず、多色生産性優先モードにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が転写される間は、用紙Sがグリッパ23により把持されるため、用紙Sの進行速度は転写ドラム21の周速度V2と等しい。上記の例では、転写ドラム21の周速度V2は0.99である。
それに対し、多色画質優先モードとは異なり、多色生産性優先モードにおいて黒のトナー像が転写される際には、用紙Sがグリッパ23により把持されない状態のため、上述のように用紙Sは転写ドラム21の速度と感光体ドラム11の速度との両者の影響を受け、用紙Sの進行速度が転写ドラム21の周速度V2と感光体ドラム11の周速度V1との間の速度となる(図4(b)参照)。上記の例では、転写ドラム21の周速度V2は0.99であり、感光体ドラム11の周速度V1が1であるのに対して、用紙Sの進行速度は中間速となり、例えば0.995となる。
【0056】
用紙Sの進行速度が上述のように変化することに対応して、多色生産性優先モードにおいては、最終色である黒のトナー像を感光体ドラム11に形成する際に露光装置13の露光周期を変化させる。すなわち、本実施の形態においては、最終色の一つ前に形成される、シアン(C)のトナー像が形成された後で、かつ最終色である黒のトナー像が形成される前に、露光装置13による露光の周期を変化させる。具体的には、多色生産性優先モードにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が形成される間は、露光装置13による露光の周期は露光周期T1である。それに対し、多色生産性優先モードにおいて黒のトナー像が形成される際には、制御部100は、露光装置13に対し、露光周期T1とは異なる周期である露光周期T2とするための制御信号を出力する。用紙Sの把持の有無と露光装置13による露光の周期とを対応付けて変化させることで、用紙Sに転写される黒のトナー像の副走査方向の倍率と、他の3色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))のトナー像の副走査方向の倍率とが異なって用紙Sへ転写されることを低減する。
【0057】
上記の例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が転写される際は、グリッパ23によって用紙Sが把持されることから用紙Sの進行速度は転写ドラム21の周速度V2と等しい0.99であり、黒のトナー像の転写が行われる際は、グリッパ23によって用紙Sが把持されないことから、用紙Sの進行速度は0.995となる。そして、これに対応させて露光装置13の露光の周期を変化させる。すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が形成される際の露光装置13の露光周期T1と、黒のトナー像が形成される際の露光装置13の露光周期T2との比を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナー像が転写される際の用紙Sの進行速度と、黒のトナー像の転写が行われる際のトナー像が転写される際の用紙Sの進行速度との比の逆数にする。
【0058】
<単色画質優先モード>
次に、図1および図5(a)を参照しつつ、図3のステップ107に示す、単色画質優先モードにおける画像形成動作について説明を行う。
この単色画質優先モードは、黒の現像器14Kのみにより感光体ドラム11上の静電潜像が現像され、転写部位Trにおける転写が黒のトナー像の転写の一度のみであることを除き、上述の多色画質優先モードと同様である。すなわち、第2の供給経路512を介して第2の給紙位置Pa2に供給されてきた用紙Sを、グリッパ23を用いて転写ドラム21に把持してからトナー像の転写を開始している。
【0059】
ここで、この単色画質優先モードにおいて、1枚の用紙Sは転写部位Trを合計2回通過する。この2回のうち1回目に用紙Sが転写部位Trを通過する際には、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持されるが、2回目に用紙Sが転写部位Trを通過する際には、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持されることなく通過する。また、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持された状態で回転経路53を1回通過する。そして、図5において図示していないが、黒のトナー像が転写された用紙Sが転写部位Trを再び通過する際においても、転写バイアス設定部85から供給される転写バイアスは印加されたまま維持されるが、この状態では感光体ドラム11にトナー像の形成を行っていないことから用紙Sへのトナー像の転写は行われない。
【0060】
また、上記多色画質優先モードで用紙Sが最後に転写部位Trを通過する際と同様に、この単色画質優先モードでグリッパ23による用紙Sの把持が解除され、用紙Sが2回目に転写部位Trを通過する前後で、用紙Sの進行速度が変化する。用紙Sの進行速度は、転写ドラム21の周速度V2と感光体ドラム11の周速度V1との間の速度となる。上記の例では、転写ドラム21の周速度V2は0.99であり、感光体ドラム11の周速度V1が1であるのに対して、用紙Sの進行速度は例えば0.995となる。
なお、単色画質優先モードでは、露光周期を周期T1に維持して露光を行う。
【0061】
<第1単色生産性優先モード>
次に、図1および図5(b)を参照しつつ、図3のステップ109に示す、第1単色生産性優先モードにおける画像形成動作について説明を行う。
ここで、第1単色生産性優先モードおよび第2単色生産性優先モードは、画像形成の対象となる用紙Sの進行方向長さと、予め決められた規定サイズとの比較結果に基づいて選択される(図3参照)。
そして、本実施の形態における規定サイズとは、転写ドラム21に設けられた弾性層21Bの周方向長さの半分の長さをいう。
なお、用紙Sの進行方向長さが規定サイズより長い場合に採用される第1単色生産性優先モードでは、転写ドラム21が1回転するごとに用紙Sが1枚供給され、用紙Sの進行方向長さが規定サイズ以下である場合に採用される第2単色生産性優先モードでは、転写ドラム21が1回転するごとに用紙Sが2枚以上供給される。
また、上述した単色画質優先モードは、例えば用紙Sへの画像の位置について精度が求められる場合(ハガキやフォームへの印字等)に有効である。
【0062】
そして、第1単色生産性優先モードの画像形成動作は、原則として上述の単色画質優先モードと同様に行われるが、単色画質優先モードにおいては黒のトナー像の転写の際に用紙Sが把持されるのに対して、第1単色生産性優先モードにおいてグリッパ23によって把持されない点で異なる。
【0063】
第1単色生産性優先モードでは用紙Sがグリッパ23によって把持されないことと関連して、第1単色生産性優先モードと単色画質優先モードとは以下の点において異なる。
【0064】
まず、画像形成動作の開始に対応して、用紙供給部40による用紙Sの供給が行われる。用紙供給部40は、制御部100からの出力を受けて、用紙収容部41から取出しロール42により取り出された用紙Sを、第1の供給経路511に送り出す。このとき、制御部100は、位相センサ25により得られた転写ドラム21の位相に基づき、用紙Sの進行方向先端側が第1の給紙位置Pa1に到達するように、用紙Sの進行制御を行う。このときの用紙Sの進行速度は、転写ドラム21の周速度V2と感光体ドラム11の周速度V1との間に設定される。なお、用紙Sはグリッパ23によって把持されないことから、上記3つの画像形成動作のモードとは異なり、第1の給紙位置Pa1に用紙Sを供給する際にグリッパ23に向けて用紙Sを供給する必要はない。
【0065】
次に、黒のトナー像が転写されると、用紙Sは回転経路53を通過することなく、用紙Sが転写ドラム21から離れる排紙位置Pbから、排出経路52へと進入し定着装置30に送られる。つまり、用紙Sは、黒のトナー像が転写されながら、排紙位置Pbで転写ドラム21から離れる。
【0066】
したがって、この第1単色生産性優先モードにおける用紙Sは、グリッパ23によって転写ドラム21に把持されることなく転写部位Trを1回通過するのみであり、かつ転写ドラム21とともに回転をしない。上述の通り、多色画質優先モードでは1枚の用紙Sは転写部位Trを合計2回通過し、回転経路53を1回通過することから、第1単色生産性優先モードの方がより生産性が高い。
【0067】
ここで、第1単色生産性優先モードでは、黒のトナー像の転写が行われる際に用紙Sがグリッパ23により把持されないことと関連して、用紙Sの進行速度と、露光装置13の露光周期とが単色画質優先モードとは異なる。
【0068】
まず、用紙Sの進行速度であるが、単色画質優先モードにおいて黒のトナー像が転写される間は、用紙Sがグリッパ23により把持されるため、用紙Sの進行速度は転写ドラム21の周速度V2と等しい。それに対し、この第1単色生産性優先モードでは、用紙Sがグリッパ23により把持されないため、用紙Sの進行速度は、転写ドラム21の周速度V2と感光体ドラム11の周速度V1との間の速度となる(図5(b)参照)。上記の例では、転写ドラム21の周速度V2は0.99であり、感光体ドラム11の周速度V1が1であるのに対して、用紙Sの進行速度は中間速となり、例えば0.995となる。
【0069】
このように転写部位Trにおいて転写がなされる際の用紙Sの進行速度が単色画質優先モードとは異なることに対応して、第1単色生産性優先モードにおいては、露光装置13による露光の周期が、単色画質優先モードの露光周期T1とは異なる露光周期T2で維持される(図5(b)参照)。これにより用紙Sに転写される黒のトナー像の副走査方向の倍率が、意図しない倍率となることを低減する。すなわち、単色画質優先モードの露光装置13の露光周期T1と、この単色生産性優先モードの露光装置13の露光周期T2との比を、単色画質優先モードにおいてグリッパ23によって用紙Sが把持される際の進行される速度である周速度V2と、この単色生産性優先モードにおいてトナー像が転写される際の用紙Sの周速度V1との比の逆数とする。上記の例では、露光周期T1を0.995とすると、黒のトナー像が形成される際の露光装置13の露光周期T2は0.99となる。
【0070】
なお、上述のようにこの第1単色生産性優先モードにおいては、用紙Sを供給する第1の給紙位置Pa1においてグリッパ23に向けて用紙Sを供給する必要がない。したがって、用紙Sが露出部21Cを跨ぐことがなければ、転写ドラム21の位相に関係なく、用紙Sを供給することができる。
ここで、この第1単色生産性優先モードは、上述のように転写ドラム21に設けられた弾性層21Bの周方向長さの半分の長さである規定サイズよりも大きい用紙Sに画像形成するモードである。そして、用紙Sが互いに重なることなく、かつ転写ドラム21の露出部21Cを跨ぐことがないように用紙Sを供給するには、転写ドラム21が少なくとも1回転する毎に1枚供給することが必要である。
【0071】
<第2単色生産性優先モード>
次に、図1および図5(c)を参照しつつ、図3のステップ110に示す、第2単色生産性優先モードにおける画像形成動作について説明を行う。
第2単色生産性優先モードの画像形成動作は、原則として上述の第1単色生産性優先モードと同様に行われるが、用紙Sの供給のタイミングが異なる。
【0072】
すなわち、第1単色生産性優先モードでは転写ドラム21が1回転するごとに、用紙Sが1枚供給されたのに対し、第2単色生産性優先モードでは、転写ドラム21が1回転するごとに用紙Sが2枚以上供給される。このことについて以下で述べる。
まず、上記第1単色生産性優先モードと同様に、第2単色生産性優先モードにおいても、第1の供給経路511を経て、第1の給紙位置Pa1に用紙Sを供給する。その際、用紙Sはグリッパ23によって転写ドラム21に把持されないことから、グリッパ23に向けて用紙Sを供給する必要がない。したがって、用紙Sが露出部21Cを跨ぐことがなければ、転写ドラム21の位相に制限されることなく、用紙Sを供給することができる。そして、第2単色生産性優先モードでは、転写ドラム21に設けられた弾性層21Bの周方向長さの半分の長さである規定サイズよりも、用紙Sの進行方向長さは短いことから、第2単色生産性優先モードでは、転写ドラム21が1回転するごとに用紙Sが2枚以上供給することが可能である(図5(c)図中の(1)および(2)参照)。したがって、転写ドラム21が1回転するごとに用紙Sが1枚供給される第1単色生産性優先モードよりも、第2単色生産性優先モードの生産性は、より高くなる。
【0073】
ここで、以上の各画像形成動作のモードを、図6を用いて整理する。なお、図6は、各画像形成動作のモードを用紙Sの進行経路の相違で整理した概念図である。
【0074】
図6に示すように、本実施の形態における5つの画像形成動作のモードは、特に用紙Sが通過する経路(図6の実線参照)において異なる。すなわち、用紙Sが供給される第1の供給経路511、第2の供給経路512において異なり、さらに用紙Sが回転経路53を通過する回数において異なる。なお、排出経路52は、本実施の形態における5つの画像形成動作のモードにおいて共通する。すなわち、いずれの画像形成モードにおいても用紙Sは排出経路52を経て転写ドラム21から排出される。
【0075】
図6(a)に示すように、多色画質優先モードにおいては、用紙Sは第2の供給経路512を経て供給され、転写ドラム21の周囲の回転経路53を4回通過(転写ドラム21とともに4回転)した後、排出経路52を経て定着装置30へと送られる。
また、図6(b)に示すように、多色生産性優先モードにおいては、用紙Sは第2の供給経路512を経て供給され、転写ドラム21の周囲の回転経路53を3回通過(転写ドラム21とともに3回転)した後、排出経路52を経て定着装置30へと送られる。
よって、多色画質優先モードと多色生産性優先モードとを比較すると、多色生産性優先モードの方が、多色画質優先モードよりも転写ドラム21の周囲の回転経路53を通過する回数(転写ドラム21とともに回転する回数)が少ない。
一方で、多色画質優先モードでは、グリッパ23によって用紙Sを転写ドラム21に把持させた状態で全ての色の転写を行っていることから、多色生産性優先モードよりも、より精度よく用紙Sにおける画像の位置を制御できる。また、多色画質優先モードでは、全ての色の転写が同じ状態で行われている、すなわち、グリッパ23によって用紙Sを転写ドラム21に把持させた状態で全ての色を転写させていることから、用紙Sに重ねあわされる各色の画像の位置が互いにずれることを低減できる。
【0076】
次に、図6(c)に示すように、単色画質優先モードにおいては、用紙Sは第2の供給経路512を経て供給され、転写ドラム21の周囲の回転経路53を1回通過(転写ドラム21とともに1回転)した後、排出経路52を経て定着装置30へと送られる。
また、図6(d)に示すように、第1単色生産性優先モードと第2単色生産性優先モードとにおいては、用紙Sは第1の供給経路511を経て供給され、転写ドラム21の周囲の回転経路53を通過することなく、排出経路52を経て定着装置30へと送られる。
よって、単色画質優先モードと第1単色生産性優先モード(および第2単色生産性優先モード)とを比較すると、第1単色生産性優先モード(および第2単色生産性優先モード)の方が、転写ドラム21の周囲の回転経路53を通過する回数(転写ドラム21とともに回転する回数)が少ない。
一方で、単色画質優先モードでは、グリッパ23によって用紙Sを転写ドラム21に把持させた状態で転写を行っていることから、第1単色生産性優先モード(および第2単色生産性優先モード)よりも、より精度よく用紙Sにおける画像の位置を制御できる。
【0077】
ここで、多色画質優先モード、多色生産性優先モードおよび単色画質優先モード(転写ドラム21に用紙Sを把持させるモード)で、第2の供給経路512を介して第2の給紙位置Pa2に用紙Sを供給している理由は、用紙Sがグリッパ23による把持が完了する前に転写部位Trに到達することを回避するためである。
一方、第1単色生産性優先モードおよび第2単色生産性優先モード(転写ドラム21に用紙Sを把持させないモード)で、第1の供給経路511を介して第1の給紙位置Pa1に用紙Sを供給している理由は、転写部位Trに到達する前に用紙Sが転写ドラム21から剥離することや、転写部位Trで転写ドラム21と感光体ドラム11とのニップ部で紙詰まりを起こすことを回避するためである。
【符号の説明】
【0078】
1…画像形成装置、10…画像形成部、11…感光体ドラム、12…帯電装置、13…露光装置、14…ロータリ現像装置、15…清掃装置、20…転写装置、21…転写ドラム、21A…円筒基部、21B…弾性層、21C…露出部、23…グリッパ、30…定着装置、40…用紙供給部、511…第1の供給経路、512…第2の供給経路、52…排出経路、53…回転経路、70…回転センサ、100…制御部、S…用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、
前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、
前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、
前記像保持体に保持された複数色の画像を1枚の記録材に色毎に順次転写する第1の画像形成動作では、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該像保持体に保持された単色の画像を1枚の記録材に転写する第2の画像形成動作では、当該保持手段によって当該転写部材に記録材を保持させない制御を行う制御手段と
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の画像形成動作において、前記複数色の画像のうち前記像保持体に最後に保持される最終色より前に保持される他の色の画像を記録材に転写する間は、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該最終色の画像を記録材に転写する間は、前記転写部材への記録材の保持を解除させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2の画像形成動作において、記録材の搬送方向長さが、当該転写部材の外周面の回転方向長さに基づいて予め定められた長さよりも長い場合に、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
回転可能に配置され、外周面に画像を保持する像保持体と、
前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、
前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、
画像が転写された記録材の生産性よりも記録材に転写される画像の画質を優先させる第1の画像形成動作では、前記保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させる制御を行い、当該画質よりも当該生産性を優先させる第2の画像形成動作では、当該保持手段によって前記転写部材に記録材を保持させない制御を行う制御手段と
を含む画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の画像形成動作において、記録材の搬送方向長さが前記転写部材の外周面の回転方向長さに基づいて予め定められた基準長よりも長い場合に、当該転写部材が1回転する毎に当該転写部材に向けて1枚の記録材を供給させ、当該搬送方向長さが当該基準長よりも短い場合に、当該転写部材が1回転する毎に当該転写部材に向けて2枚以上の記録材を順次供給させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像を形成する像形成手段と、
回転可能に配置され、前記像形成手段によって形成された画像を外周面に保持する像保持体と、
前記像保持体に対向して回転可能に配置され、当該像保持体との間に挟み込んだ記録材に対し当該像保持体の外周面に保持された画像を転写する転写部材と、
前記転写部材に向けて供給される記録材を、当該転写部材の外周面に保持させる保持手段と、
前記像形成手段によって形成される画像の出力に対してなされた指示に基づいて、前記保持手段による前記転写部材への記録材の保持の可否を設定する設定手段と
を含む画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−164416(P2011−164416A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27991(P2010−27991)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】