説明

画像形成装置

【課題】 複数のトナー排出ユニットから排出されるトナーを本体回収トナーパイプに合流する構成において、各トナー排出ユニットのジョイント部に生じた隙間が搬送路を介して連結することで風路を形成してしまい、トナー飛散が生じる。
【解決手段】 トナー排出ユニットと接続される本体側ジョイント部に、トナー排出ユニットがドラム方向へのセットに連動して作動するシャッターを設け、ユニット搬送パイプとのスキマをふさぐことにより、回収トナーの逆流を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタなどの画像形成装置に着脱可能に設けられ、トナーを排出する排出口を有するトナー排出装置を複数有する画像形成装置に関する。詳しくは、複数のトナー排出装置から排出されるトナーを合流して搬送する搬送路を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置では、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像手段によりトナー画像として現像する。そして、このトナー画像を用紙に転写した後、定着手段によってトナー画像を用紙に定着させて画像を得ている。そして、トナー画像を用紙に転写した後に像担持体上に残留するトナーは、クリーニング装置によって像担持体上から回収トナーとして除去される。そして、クリーニング手段は、除去したトナーを本体側に設けられたトナー搬送路を経て回収容器に向けて排出する。
【0003】
廃トナーを排出するトナー排出装置しては、上述したクリーニング装置のほかにも、例えば現像装置が考えられる。このような現像装置はトリックル現像装置と呼ばれ、劣化した現像剤を排出する排出口が設けられる。排出口から排出されたトナーは、回収トナー搬送経路を経て回収容器へと回収される。
【0004】
例えば、特許文献1、2のように、トリックル現像装置やクリーニング装置といったトナー排出ユニットを複数有する場合、各排出ユニットから排出されたトナーは、同一の搬送路にて合流搬送させ、最終的に同一の回収容器で回収する。こうすることでトナー搬送路を簡素化でき、部品点数の増加を抑制することができる。
【0005】
一方、特許文献3には、ドラムユニット(画像形成部)に対して、現像装置が加圧された状態と、退避する状態とに移動可能な構成が開示されている。こうすることで、ドラムユニットと現像装置を別ユニットにでき、個別にメンテナンスすることができるため、メンテナンス性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−119289号公報
【特許文献2】特開2009−204678号公報
【特許文献3】特開2008−191233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2の構成において、特許文献3を採用した場合、以下のような課題があった。即ち、各トナー排出ユニットは、本体側に設けられた回収トナー搬送路に挿入して装着される。このとき、画像形成部に対して各トナー排出ユニットを接離可能な構成とした場合、本体側トナー搬送パイプとユニット側トナー搬送パイプのジョイント部の開口は、ユニットがドラムに対して接離移動する分大きく設ける必要がある。そのため、ジョイント部に生じた隙間が形成される。
【0008】
トナー排出ユニットが複数の場合、上記隙間が複数となり、本体側のトナー搬送パイプを通じてエアが流れる風路が形成される。そして、画像形成装置本体内のエアフローの影響を受け、上記風路にエアが流れることとなる。
【0009】
そして、エアフローの方向によって、複数のトナー排出ユニットのジョイント部の隙間が吸気部になる部分と排気部になる部分ができる。こうして、排気部となった部分からは本体側の搬送路内の回収トナー噴出し、機内を汚してしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明に係る画像形成装置の構成は、画像を担持する像担持体と、画像形成時に位置する第1位置と、前記第1位置から前記像担持体から離れる方向に位置する第2位置と、に移動可能に設けられ、トナーを排出するための排出口を備えた複数のユニットと、装置本体に固定して設けられ、前記複数のユニットのそれぞれに接続するための複数の開口部を備え、前記前記複数のユニットから排出されるトナーを合流して搬送する搬送路と、を有し、前記複数のユニットの前記排出口がそれぞれ前記複数の開口部と接続された状態で、前記複数のユニットが前記第1位置から前記第2位置に移動可能となるように前記複数の開口部は、前記複数のユニットの移動領域に対応して形成されており、前記複数のユニットが前記第1位置にあるときに前記複数の開口部の一部をそれぞれ遮蔽する複数のシャッタ部材と、を有することを特徴とするを有することを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するための本発明に係る画像形成装置の構成は、画像を担持する像担持体と、画像形成時に位置する第1位置と、前記第1位置から前記像担持体から離れる方向に位置する第2位置と、に移動可能に設けられ、トナーを排出するための排出口を備えたユニットと、を各々備え、画像を形成する複数の画像形成部と、
装置本体に固定して設けられ、前記複数の画像形成部の各々に設けられた前記ユニットに接続するための複数の開口部を備え、前記複数の画像形成部の各々に設けられた前記ユニットから排出されるトナーを合流して搬送する搬送路と、を有し、各前記排出口が各前記開口部と接続された状態で、前記ユニットが前記第1位置から前記第2位置に移動可能となるように前記開口部は、前記ユニットの移動領域に対応して形成されており、各前記ユニットが前記第1位置にあるときに各前記開口部の一部をそれぞれ遮蔽する複数のシャッタ部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のトナー排出ユニットから共通の搬送路にてトナー排出する画像形成装置において、搬送路を介して複数のトナー排出ユニットとの接続口が連絡することによって風路が形成されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施例を示す画像形成装置断面図
【図2】第1の実施例を示す回収トナー搬送経路図
【図3】画像形成部の模式図
【図4】回収トナー発生ユニット退避状態を示す模式図
【図5】回収トナー発生ユニット引き出し状態を示す模式図
【図6】本体側シャッター詳細図(クリーニング装置側)
【図7】本体側シャッター詳細図(現像器側)
【図8】ユニット側シャッター詳細図(シャッター閉)
【図9】ユニット側シャッター詳細図(シャッター開)
【図10】シャッター動作説明図1
【図11】シャッター動作説明図2
【図12】シャッター動作説明図3
【図13】シャッター動作説明図4
【図14】第2の実施例を示す画像形成装置断面図
【図15】第2の実施例の画像形成部および回収トナー経路図
【図16】現像器シャッター詳細図(シャッター閉)(実施例2)
【図17】現像器シャッター詳細図(シャッター開)(実施例2)
【図18】本体側シャッター詳細図(実施例2)
【図19】シャッター動作説明図1(実施例2)
【図20】シャッター動作説明図2(実施例2)
【図21】シャッター動作説明図3(実施例2)
【図22】シャッター動作説明図4(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施例1]
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略断面を示す。
【0016】
本実施の形態に係る画像形成装置は、プリンタ機能と複写機能を有し、コントローラ等の外部機器又は画像読み取り部100から送信される画像情報に基づいて画像を形成するデジタル複写機である。
【0017】
即ち、画像形成装置は、画像読み取り部100と、画像情報に基づいて画像形成信号を生成する画像処理部(図示せず)と、画像形成部101を有する。また、用紙カセットC1,C2及び用紙カセットC1,C2から用紙Pを給紙する給紙部102と、用紙Pを転写ポイントAに搬送する転写搬送部103と、定着装置104と、転写後の用紙Pを定着装置104に搬送する定着搬送部105を備える。そして、機外排出と両面・多重時の用紙Pの進路切換を行う排紙処理部106と、両面又は多重時の用紙Pの進路切換及び用紙Pの表裏反転を行う両面・多重処理部107を有する。更に、両面又は多重の画像形成時に用紙Pを転写搬送部103へ再度搬送する両面・多重搬送部108を備えている。
【0018】
上記画像形成部101では、コントローラ等の外部機器(図示せず)又は画像読み取り部100から送信された画像情報に基づいてトナー像を形成する。具体的には、画像処理部で生成される画像形成信号に基いて、レーザ露光装置109から照射されるレーザ光Lを像担持体としての感光ドラム1上に結像させて静電潜像を形成し、現像器2によって現像することによってトナー像を形成する。又、感光ドラム1の周囲には、一次帯電器3とクリーニング装置4とが配置されている。尚、画像形成部101の各動作は不図示の画像形成制御手段によって制御される。
【0019】
更に、転写ポイントAにおいて転写ローラ5が感光ドラム1に対向して配置され、感光ドラム1上のトナー像にタイミングを合わせて転写搬送部103のレジストローラ対11から搬送される用紙P上にトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された用紙Pは、定着搬送部105によって定着装置104へ搬送される。尚、用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム1上に残留する残留トナーは、クリーニング装置4によって感光ドラム1上から除去された後、クリーニング装置4から回収トナーとして排出される。
【0020】
定着装置104を通過して画像定着が行われた用紙Pは、排紙処理部106を経て、動作シーケンスに応じて機外へ排出されるか両面・多重処理部107へ送られる。両面又は多重時には、用紙Pは、排紙処理部106の第1の進路切換え装置12によって進路変更され、両面・多重処理部107へ搬送される。両面・多重処理部107へ搬送された用紙Pは、更に第2の進路切換え装置13によって、多重時には両面・多重搬送部108へ、又、両面時には反転ローラ14へ送られる。そして、搬送方向の先・後端が反転する方向に表裏反転された後に両面・多重搬送部108へ搬送される。そして、用紙Pは、両面・多重搬送部108から再び転写搬送部103へ送られ、次の画像が転写される。
【0021】
而して、本実施の形態に係る画像形成装置は、トナーと磁性キャリアから成る二成分現像剤を現像剤として用いている。そして、現像剤補給装置(図示せず)からの現像剤補給に伴って過剰となった劣化現像剤を現像器2から排出するトリックル現像システムを採用している。そして、現像器2から排出される劣化現像剤とクリーニング装置4から排出される残留トナーは、共に回収トナーとして、装置後方に設けられた回収トナー容器31まで搬送される。
【0022】
ここで、トナー排出ユニットとしての現像器2及びクリーニング装置4から回収トナー容器31まで搬送される回収トナーの搬送路(搬送経路)について詳しく説明する。図2に現像器2及びクリーニング装置4から回収トナー容器31までの回収トナー搬送経路の概略図を示す。
【0023】
本実施の形態に係る画像形成装置において、回収トナー搬送経路は、回収トナー回収容器31と同様に装置後方側に配置される。図2に示すように、現像器2の装置後方側に設けられた劣化現像剤排出口に連結された劣化現像剤排出路21と、クリーニング装置4の装置後方側に設けられた残留トナー排出口に連結された残留トナー排出路22とを備えている。劣化現像剤排出路21は、第1の回収トナー搬送路23に連結されている。現像器2の劣化現像剤排出口から排出される劣化現像剤は、矢印Bで示すように自由落下によって劣化現像剤排出路21から排出され、第1の回収トナー搬送路23へ到達する。同様に、残留トナー排出路22は、第1の回収トナー搬送路23に連結されている。そして、クリーニング装置4の残留トナー排出口から排出される残留トナーは、矢印Cで示すように自由落下する。これによって残留トナー排出路22から排出され、第1の回収トナー搬送路23へ到達する。
【0024】
そして、第1の回収トナー搬送路23に到達した劣化現像剤と残留トナーは、第1の回収トナー搬送路23内に設けられた第1の回収トナー搬送スクリュー24によって矢印D方向へ搬送され、両者は合流部Fにおいて合流する。第1の回収トナー搬送路23は、回収トナー搬送方向下流側において第1の回収トナー排出路25を備えている。合流部Fにおいて合流した劣化現像剤と残留トナーは、矢印Eで示すように、回収トナーとして第1の回収トナー排出路25を経て回収トナーの貯蔵が可能な回収トナーバッファ26へ搬送される。
【0025】
上記回収トナーバッファ26には、回収トナー容器31へ回収トナーを排出する第2の回収トナー排出路30を備えた第2の回収トナー搬送路29に連結する排出口が設けられている。回収トナーバッファ26内の回収トナーは、第2の回収トナー搬送スクリュー28によって第2の回収トナー搬送路29を矢印G方向へと搬送される。第2の回収トナー搬送路29から自由ら落下によって矢印Hにて示すように第2の回収トナー排出路30を経て回収トナー回収容器31まで搬送される。又、回収トナーバッファ26には攪拌部材27が備えられ、貯蔵した回収トナーが撹拌部材27によって攪拌される。
【0026】
また、現像器2とクリーニング装置4はメンテナンス性を考慮し、ユニット単体で取り外しできるようになっている。図3のユニットセット状態から図4のように一旦矢印方向(接離方向)に着脱可能となっており、ドラムから退避した後に、図5のように手前方向に引き出せる構成となっている。ユニット挿入時は前記の逆の動作にて行なわれる。このようにドラムから退避した後にユニットを引き出す構成にすることで、ドラムに傷を付けずに取り外すことができる。
【0027】
[回収ユニット連結部のシャッタ機構]
次に、本発明の特徴である本体側のシャッターおよびユニット側シャッターについて詳細を説明する。
【0028】
第1ユニットとしての現像器2および第2ユニットとしてのクリーニング装置4のユニットシャッター図8、図9に示す。図8はシャッター閉状態で、図9がシャッター開状態である。図の中で、ユニット回収トナー搬送スクリュー2a、4a、ユニットシャッター2b、4b、シャッター付勢バネ2c、4cとなっている。ユニットシャッター2b、4bは、図8の矢印方向にシャッター付勢バネ2c、4cにより付勢されている。ユニットが本体内にセットされると、先端部が押され、図9の矢印方向に押されてシャッターが開き、ユニット回収トナー搬送スクリュー2a、4aによって搬送された回収トナーは開口部から落下する。その後、回収トナーは劣化現像剤排出路21と残留トナー排出路22内を通って、第1の回収トナー搬送路23へ送られる。
【0029】
次に本体側のシャッターについて図6、図7にて説明する。
【0030】
劣化現像剤排出路21および残留トナー排出路22には、それぞれ現像器2とクリーニング装置4が接続するための接続口(開口部)が設けられている。この開口部は、現像器2とクリーニング装置4が搬送路に接続した状態で移動できるように現像器2とクリーニング装置4の移動領域に対応している。即ち、開口部は現像器2とクリーニング装置4の移動方向に沿って長孔形状となっている。
【0031】
そして、劣化現像剤排出路21および残留トナー排出路22のジョイント部(開口部)には本体シャッター21b、22bが設けられており、各々シャッター付勢バネ21c、22cにより図の矢印方向に付勢されている。
【0032】
ユニット着脱時のシャッター部の動作について、図10〜13を用いて説明する。シャッター部の構成に関しては、現像器2側とクリーニング装置4側ではほぼ鏡像の関係で構成としては類似なので、クリーニング装置4側のシャッター構成について説明する。クリーニング装置4の挿抜方向とドラムに対する接離方向は略直交方向の関係となっている。クリーニング装置4を画像形成装置内に挿入すると(図10)、ユニット用シャッタ部材としてのユニット側シャッター4bは本体側シャッター22bのテーパ部Tpに当接することにより図11の矢印方向に移動する。本体側シャッター22bは、バネにより開口部(接続口)を閉じる方向に移動可能に付勢されている。
【0033】
そして、ユニットの挿入動作によって、バネによる付勢力に抗して開口部が広がる方向(シャッタ開方向)に本体側シャッター22bが移動する。ユニットシャッターの付勢バネ4cは本体シャッターの付勢バネ22cよりも強く設定されているため、ユニット側シャッター4bはほとんど開くことなくまず本体シャッターを開ける。その後、ユニット側シャッター4bは残留トナー排出路22の内面に突き当たることにより開く。(図12)
ユニット側シャッター4bの排出口は、残留トナー排出路22に全て挿入された状態で、ユニット側シャッター4bが残留トナー排出路22の内面に突き当たる。このようにユニットの排出口が本体側の搬送路に全て挿入された状態で、ユニットシャッターを開くようにしているので、ユニット着脱時の画像形成装置内への回収トナーの飛散が防止できる。最後に、クリーニング装置4が本体側の搬送路に接続された状態でクリーニング装置4がドラム方向にセットされる(装着位置に装着される)と同時に、本体側シャッター22bは閉じる。
【0034】
ここで、クリーニング装置4と本体側の搬送路が接続された状態とは、クリーニング装置の排出口と搬送路が連絡していることを意味する。こうすることで、残留トナー排出路22に設けられたクリーニング装置4を接続する接続口の隙間を遮蔽可能となっている。(図13)
上記のようなシャッター構成は現像器2にも同様にあるので、本体側の第1の回収トナー搬送路23から回収トナーが劣化現像剤排出路21および残留トナー排出路22を逆流して漏れ出てくることもない。
【0035】
また、本体側シャッター22bは、クリーニング装置4が感光ドラムに対して退避位置から作動位置へ移動する方向と同じ方向に付勢する力を持つ。このため、ユニットセットに対して抵抗になることも無く、逆にスムーズなセットに対するアシストにもなる効果がある。
【0036】
以上より、画像形成装置内に回収トナーによる飛散が発生することもなく、良好な画像印字を行なうことができる。
【0037】
クリーニング装置4や現像器2が本体にセットされていない状態では、図6、図7、図10のように本体側シャッター22b、21bは少し開いた状態になっているが、ユニットがセットされていない時は画像形成装置のエアフローは停止しているので問題ない。
【0038】
[実施例2]
実施例2は複数の画像形成部をもつ構成に適用した例である。本実施例での符号は前記実施例1と異なる。
【0039】
図14は本実施例が適用された画像形成装置Aの一例の概略構成示す縦断正面模式図である。この画像形成装置Aは、電子写真プロセスを用いた、4色タンデム型、中間転写方式のカラーデジタルプリンタ(カラー画像形成装置)である。この画像形成装置Aは、制御回路部(制御手段)Bと通信可能に接続した外部ホスト装置Cから入力する電気的な画像情報に応じて作像動作して記録材(被転写材)上にフルカラー画像を形成して出力することができる。外部ホスト装置Cは、コンピュータ、イメージリーダ、相手方ファクシミリ装置等である。
【0040】
a〜dは画像形成装置本体内に図面上左側から右側に水平方向に並列(タンデム)に配設した第1〜第4の4つの画像形成部である。第1の画像形成部aはイエロー(Y)の色画像形成用、第2の画像形成部bはマゼンタ(M)の色画像形成用、第3の画像形成部cはシアン(C)の色画像形成用、第4の画像形成部dはブラック(K)の色画像形成用である。
【0041】
各画像形成部は、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)1001(a〜d)と、感光体ドラムに作用する画像形成プロセス手段を有する。画像形成プロセス手段は、帯電手段としての帯電ローラ1002(a〜d)、像露光手段としてのレーザスキャナ1003(a〜d)、現像手段としての現像器1004(a〜d)、一次転写手段としての一次転写ローラ1005(a〜d)である。また、像担持体クリーニング手段としてのドラムクリーナ1006(a〜d)等である。各現像器1004(a〜d)に対してトナーを補給するトナーカートリッジ1007(a〜d)を備えている。第1の画像形成部aの現像器1004aとトナーカートリッジ1007aには現像剤としてY色トナーが収容されている。第2の画像形成部bの現像器1004bとトナーカートリッジ1007bには現像剤としてM色トナーが収容されている。第3の画像形成部cの現像器1004cとトナーカートリッジ1007cには現像剤としてC色トナーが収容されている。第4の画像形成部dの現像器1004dとトナーカートリッジ1007dには現像剤としてK色トナーが収容されている。
【0042】
上記の第1〜第4の画像形成部a〜dの下方には、中間転写ユニット1008が配設されている。このユニット1008は、中間転写体としての、誘電体製で可撓性を有するエンドレスの中間転写ベルト1009を有する。そして、このベルト1009を懸回張設しているテンションローラ1010・駆動ローラ1011・二次転写対向ローラ1012と、ベルト1009のクリーニング手段としてのベルトクリーナ1014を有する。第1〜第4の画像形成部a〜dの感光体ドラム1はそれぞれの下面がベルト1009のテンションローラ1010と駆動ローラ1011との間の上行側ベルト部分の上面に接している。各一次転写ローラ1005は、ベルト9の内側に配設されていて、それぞれ、ベルト1009のテンションローラ1010と駆動ローラ1011との間の上行側ベルト部分を挟んで対応の感光体ドラムの下面に圧接している。各画像形成部a〜dにおいて、感光体ドラム1001とベルト1009との接触部が一次転写部である。また、二次転写対向ローラ1012にはベルト1009を挟んで二次転写手段としての二次転写ローラ1013が圧接している。この二次転写ローラ1013とベルト1009との接触部が二次転写部である。
【0043】
フルカラー画像を形成する動作は次のとおりである。制御回路部Bは画像形成スタート信号に基づいて所定の画像形成シーケンス制御を実行する。各画像形成部a〜dにおいては、感光体ドラム1001(a〜d)が矢印の反時計方向に所定の制御速度(プロセススピード)で回転駆動される。ベルト1009も矢印の時計方向(感光体ドラムの回転に順方向)に、感光体ドラム1001の速度に対応した速度で回転駆動される。各レーザスキャナ1003(a〜d)も駆動される。この駆動に同期して、各画像形成部a〜dにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ1002(a〜d)が感光体ドラム1(a〜d)の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する(帯電プロセス)。そして、第1の画像形成部aのレーザスキャナ1003aには制御回路部Bからフルカラー画像のY色成分画像信号が所定の制御タイミングで出力される。第2の画像形成部bのレーザスキャナ1003bには制御回路部Bからフルカラー画像のM色成分画像信号が所定の制御タイミングで出力される。第3の画像形成部cのレーザスキャナ1003cには制御回路部Bからフルカラー画像のC色成分画像信号が所定の制御タイミングで出力される。第4の画像形成部dのレーザスキャナ1003dには制御回路部Bからフルカラー画像のK色成分画像信号が所定の制御タイミングで出力される。各レーザスキャナ1003(a〜d)は各感光体ドラム1001(a〜d)の表面を各色の画像信号に対応して変調されたレーザ光で走査露光する(露光プロセス)。この露光により電荷を中和し、各感光体ドラム1001(a〜d)の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像器1004(a〜d)によりトナー像として現像される(現像プロセス)。
【0044】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1の画像形成部aの感光体ドラム1001aにはフルカラー画像のY色成分に対応するY色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。第2の画像形成部bの感光体ドラム1001bにはフルカラー画像のM色成分に対応するM色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。第3の画像形成部cの感光体ドラム1001cにはフルカラー画像のC色成分に対応するC色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。第4の画像形成部dの感光体ドラム1001dにはフルカラー画像のK色成分に対応するK色トナー像が所定の制御タイミングで形成される。
【0045】
そして、上記のように、各画像形成部a〜dの感光体ドラム1001(a〜d)に所定の制御タイミングで形成される色トナー像が、回転駆動されて各画像形成部a〜dの一次転写部を順次に移動するベルト1009の表面に順番に所定に重ね合わされて一次転写される。即ち、ベルト1009上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。そのトナー像が引き続くベルト1009の回転で二次転写部へ移動する。また、各画像形成部a〜dの一次転写部においてベルト1009上に転写されなかった感光体ドラム1上の転写残トナーはドラムクリーナ1006(a〜d)により回収される。
【0046】
一方、予め選択指定した、第1の給紙カセット部1015、又は第2の給紙カセット部1016、又は手差し給紙部1017のいずれかの給紙部から、所定の制御タイミングで紙等の記録材Pが一枚分離給紙される。給紙された記録材Pはシートパス1018内を搬送ローラ1019で搬送されてレジストローラ1020に向かって送られる。そして、その記録材Pはその時点では回転を停止しているレジストローラ1020のニップ部に対して先端が突き当たり、ループを形成することで斜行矯正を受ける。その後、記録材Pはレジストローラ1020がベルト1009上のトナー像と同期して所定の制御タイミングで回転駆動されることで、二次転写部に導入される。これにより、ベルト1009上のフルカラーのトナー像が記録材Pの表面に二次転写される。また、二次転写部において記録材P上に転写されなかったベルト1009上の転写残トナーはベルトクリーナ1014により回収される。
【0047】
そして、トナー像の二次転写を受けた記録材Pは定着器1021に導入され、定着部材と加圧部材との間の定着ニップ部を通過することによって熱及び圧力により各色トナー像の混色及び記録材面への定着を受ける。
【0048】
定着器1021を出た記録材Pはシートパス1022を通って、予め選択指定された第1の排紙部1025又は第2の排紙部1026に第1の排紙口1023又は第2の排紙口1024から排出される。
【0049】
両面画像形成も可能である。この画像形成モードが選択された場合には、定着器1021を出てシートパス1022で排出搬送された一方面に画像形成済みの記録材Pがシートパス1022によりスイッチバック搬送されて、再循環シートパス1027には入る。そして、再びシートパス1018によりレジストローラ1020に表裏反転して送られ、二次転写部で他方面に対するトナー像の二次転写を受け、再度定着器1021に導入される。これにより、記録材Pの両面に画像が形成されて、シートパス1022を通って、第1の排紙部1025又は第2の排紙部1026に排出される。
【0050】
次に、画像形成部および回収トナーの搬送経路について、図15を用いて説明する。図15においては、便宜上、マゼンタの画像形成部bのみを示している。その他の3つの画像形成部a、c、dも不図示ではあるが同一の構成をしている。
【0051】
実施例1と同様に、本実施の形態に係る画像形成装置も、トナーと磁性キャリアから成る二成分現像剤を現像剤として用いている。そして、現像剤補給装置1007からの現像剤補給に伴って過剰となった劣化現像剤を現像器1004から排出するトリックル現像システムを採用している。そして、現像器1004から排出される劣化現像剤とクリーニング装置1006から排出される残留トナーは、共に回収トナーとして、装置後方に設けられた不図示の回収トナー容器まで搬送される。
【0052】
本実施の形態に係る画像形成装置において、回収トナー搬送経路は、図15に示すように、現像器1004の装置後方側に設けられた劣化現像剤排出口に連結された劣化現像剤排出路121を備える。更に、クリーニング装置1006の装置後方側に設けられた残留トナー排出口に連結された残留トナー排出路122を備えている。劣化現像剤排出路121と残留トナー排出路122は、第1の回収トナー搬送路123に連結される。現像器2の劣化現像剤排出口から排出される劣化現像剤とクリーニング装置1006の残留トナー排出口から排出される残留トナーは、それぞれ自由落下によって劣化現像剤排出路121と残留トナー排出路122から本体回収トナー搬送路123にて合流する。その後、残留トナーは、本体回収トナー搬送路上を矢印方向に搬送し、回収トナー容器へと搬送される。
【0053】
ここで、現像器1004(4b)はメンテナンス性を考慮しユニット単体で取り外しできるようになっており、ドラムから矢印X方向に退避した後にY方向に引き出して現像器1004(4b)を取り外す。一方、クリーニング装置1006(6b)はドラムと一緒に矢印のように手前に引き出してメンテナンスを行なう。
【0054】
次に、本発明の特徴である本体側のシャッターおよびユニット側シャッターについて詳細を説明する。
【0055】
現像器4のユニットシャッターを図16、図17に示す。図16はシャッター閉状態で、図17がシャッター開状態である。図の中で、ユニット回収トナー搬送スクリュー101、ユニットシャッター102、シャッター付勢バネ103となっている。ユニットシャッター102は、図17の矢印方向にシャッター付勢バネ103により付勢されており、現像器4が本体内にセットされると、先端部102Tが押され、図17の矢印方向に押されてシャッターが開く。そして、ユニット回収トナー搬送スクリュー101によって搬送された回収トナーは開口部から落下し、劣化現像剤排出路121内を通って、本体回収トナー搬送路123へ送られる。
【0056】
次に本体側のシャッターについて図18にて説明する。劣化現像剤排出路121のユニット側のジョイント部には本体シャッター105が設けられており、シャッター付勢バネ106により図の矢印方向に付勢されている。
【0057】
ユニット着脱時のシャッター部の動作について、図19〜22を用いて説明する。シャッター部の構成に関しては、現像器1004を画像形成装置内に挿入すると(図19)、ユニット側シャッター102は本体側シャッター105のテーパ部Tpに当接することにより図20の矢印方向に移動する。ユニットシャッターの付勢バネ103は本体シャッターの付勢バネ106よりも強く設定されているため、ユニットシャッターはほとんど開くことなくまず本体シャッターを開ける。その後、ユニットシャッターは劣化現像剤排出路121の内側面に突き当たることにより開く。(図21)このようにユニットシャッターを最後に開くようにしているので、ユニット着脱時の画像形成装置内への回収トナーの飛散が防止できる。最後に、現像器4がドラム方向にセットされると同時に、本体側シャッター105は閉じ、ユニットシャッター102とのスキマをふさぐことができる。(図22)
従来は、複数の劣化現像剤排出路121(a〜d)と本体回収トナー搬送路123にて風路ができる。画像形成装置内のエアフローの影響により、複数の劣化現像剤排出路121(a〜d)のある部分が吸気口となり、また異なる部分が排気口となって、本体回収トナー搬送路123内をエアが流れる。このエアの流れにともなって排気口となった部分から回収トナーが逆流することがあった。
【0058】
しかし、本実施例では上記のようなシャッター構成が現像器1004a〜1004dと劣化現像剤排出路121a〜121dのすべてのジョイント部に対してあるので、上記の吸気口および排気口となる部分がふさがれる。従って、本体側の本体回収トナー搬送路123から回収トナーが劣化現像剤排出路121a〜121dを逆流して漏れ出てくることもない。
【0059】
また、本体側シャッター22bは、クリーニング装置1006が感光ドラムに対して退避位置から作動位置へ移動する方向と同じ方向に付勢する力を持つ。このため、ユニットセットに対して抵抗になることも無く、逆にスムーズなセットに対するアシストにもなる効果がある。
【0060】
以上より、画像形成装置内に回収トナーによる飛散が発生することもなく、良好な画像印字を行なうことができる。
【符号の説明】
【0061】
1 感光ドラム(像担持体)
2 現像器(現像手段)
3 一次帯電器
4 クリーニング装置(クリーニング手段)
21 劣化現像剤排出路
22 残留トナー排出路
23 第1の回収トナー搬送路
24 第1の回収トナー搬送スクリュー
25 第1の回収トナー排出路
31 回収トナー回収容器
101 ユニット回収トナー搬送スクリュー
102 ユニットシャッター
103 シャッター付勢バネ
105 本体シャッター
106 本体シャッター付勢バネ
121 劣化現像剤排出路
122 残留トナー排出路
123 本体回収トナー搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を担持する像担持体と、
画像形成時に位置する第1位置と、前記第1位置から前記像担持体から離れる方向に位置する第2位置と、に移動可能に設けられ、トナーを排出するための排出口を備えた複数のユニットと、
装置本体に固定して設けられ、前記複数のユニットのそれぞれに接続するための複数の開口部を備え、前記前記複数のユニットから排出されるトナーを合流して搬送する搬送路と、を有し、
前記複数のユニットの前記排出口がそれぞれ前記複数の開口部と接続された状態で、前記複数のユニットが前記第1位置から前記第2位置に移動可能となるように前記複数の開口部は、前記複数のユニットの移動領域に対応して形成されており、
前記複数のユニットが前記第1位置にあるときに前記複数の開口部の一部をそれぞれ遮蔽する複数のシャッタ部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数のシャッタ部材は、前記複数のユニットを前記複数の開口部にそれぞれ挿抜する動作によって移動すると共に、前記複数のユニットが前記第1位置と前記第2位置とに移動する動作によって移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数のシャッタ部材を前記像担持体に向けて付勢する付勢手段を備え、前記複数のシャッタ部材は、前記複数のユニットが前記複数の開口部にそれぞれ挿入される動作に伴って前記複数のユニットとそれぞれ当接するテーパ部を有し、前記テーパ部に前記複数のユニットがそれぞれ当接することで前記複数のシャッタ部材が前記像担持体から退避する方向に移動することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記排出口をそれぞれ開閉する複数のユニット用シャッタ部材を有し、前記複数のユニット用シャッタ部材は、対応する前記複数のシャッタ部材にそれぞれ当接することで前記排出口を閉じた状態で前記複数のシャッタ部材を移動させ、前記搬送路の内面に当接することで前記排出口が開かれることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像を担持する像担持体と、
画像形成時に位置する第1位置と、前記第1位置から前記像担持体から離れる方向に位置する第2位置と、に移動可能に設けられ、トナーを排出するための排出口を備えたユニットと、を各々備え、画像を形成する複数の画像形成部と、
装置本体に固定して設けられ、前記複数の画像形成部の各々に設けられた前記ユニットに接続するための複数の開口部を備え、前記複数の画像形成部の各々に設けられた前記ユニットから排出されるトナーを合流して搬送する搬送路と、を有し、
各前記排出口が各前記開口部と接続された状態で、前記ユニットが前記第1位置から前記第2位置に移動可能となるように前記開口部は、前記ユニットの移動領域に対応して形成されており、
各前記ユニットが前記第1位置にあるときに各前記開口部の一部をそれぞれ遮蔽する複数のシャッタ部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−242539(P2011−242539A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113504(P2010−113504)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】