画像形成装置
【課題】現像装置を有する画像形成装置において、現像剤供給ローラにトナーを補充することで、トナー容器内のトナーを最後まで使いきり、精度良く現像剤容器内のトナーなしを検知する。
【解決手段】現像ローラ1に接触して設けられ、表面に発泡層を備え、現像ローラ1に現像剤を供給する回転可能な現像剤供給ローラ2を有し、現像ローラ1と供給ローラ2との間で静電容量を検知する現像装置において、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値が現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラを回転させることにより、供給ローラにトナーを補充する補充手段を備え、補充の後に現像剤残量を検知する。
【解決手段】現像ローラ1に接触して設けられ、表面に発泡層を備え、現像ローラ1に現像剤を供給する回転可能な現像剤供給ローラ2を有し、現像ローラ1と供給ローラ2との間で静電容量を検知する現像装置において、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値が現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラを回転させることにより、供給ローラにトナーを補充する補充手段を備え、補充の後に現像剤残量を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体と前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材との間で静電容量を測定することで現像剤残量に関する情報を得る測定手段を備えた画像形成装置に関する。この画像形成装置は、好ましくはプリンタ、複写機などの電子写真装置に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置などの画像形成装置に用いられる現像装置において、現像剤(以下、トナーと称す)の残量を検出する装置として、アンテナ方式が知られている。これは、トナーを担持して電子写真感光体等の像担持体にトナーを供給する現像スリーブ部等の現像剤担持体にステンレス等の金属棒から成るアンテナを平行に設ける。そして、現像剤担持体に直流に交流を重畳した現像バイアスを印加すると、現像剤担持体とアンテナ間の静電容量に依存した電圧がアンテナに誘起される。この場合、現像装置にトナーが充分にあり、アンテナと現像剤担持体との間がトナーで満たされた状態と、現像装置のトナーが消費されアンテナと現像剤担持体との間がトナーで満たされない状態とでは、アンテナと現像剤担持体との間の静電容量が異なる。その為、アンテナに誘起される電圧も異なる。アンテナに誘起された電圧は検出器で検出される。そして、制御部において、その検出電圧値(静電容量に依存した電圧値)に基づいて現像装置内のトナー残量が演算される。
【0003】
また、現像剤として非磁性1成分現像剤(非磁性トナー)を用いた現像装置においては、現像室には現像剤担持体にトナーを供給する現像剤供給部材(以下、供給部材と記す)が設けられるのが一般的である。この現像装置に上記のような静電容量の変化を利用したトナー残量検出方法を適用する場合、供給部材の為に、アンテナを設けるスペースが狭く、トナーの搬送を阻害する等の問題が生ずる。この問題を解決するため、現像剤担持体にトナーを供給する供給部材を利用してトナー残量を検出する方法が知られている。供給部材は、導電性の金属支持体(導電性支持体)の周囲にウレタンスポンジを設けた構成とされる。そして、現像剤担持体に交流電圧を印加することで、トナーの量に応じた電圧を供給部材の金属支持体に誘起させ、この誘起電圧によりトナー残量を検出する方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、専用のアンテナが不要となり、スペース、コストも面で有利となる。供給部材の発泡層の構造としては、特許文献2に示すように、発泡層の通気量を10〜40cc/cm2/秒として、トナー劣化を防ぎ、良好な画質を得ることを可能にした供給部材がある。なお、特許文献2には現像装置のトナー残量の検出に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−234777公報
【特許文献2】特開平11−288161公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した従来の構成を更に発展させたものである。本発明の目的は、より少ない現像剤残量においても画像形成を可能とすることで、様々な使用状況においても現像剤容器内の画像形成を可能とする現像剤の有無を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤容器内の現像剤残量を測定可能な測定手段と、を有する画像形成装置であって、前記現像剤残量が閾値を下回った場合に前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転する。これにより、現像剤供給部材内に現像剤が補充されるので、より少ない現像剤残量においても画像形成が可能となり、現像剤残量測定装置が現像剤容器内の画像形成を可能とする現像剤残量の有無を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)は実施例1の画像形成装置の概略構成図、(b)は(a)の画像形成装置の現像装置部分の拡大図である。
【図2】図1の画像形成装置の動作工程図である。
【図3】供給ローラの表面通気量の測定方法を示す図である。
【図4】現像装置の揺動機構の説明図である。
【図5】静電容量の変化を利用した現像剤残量測定装置の説明図である。
【図6】トナー残量検知のフローチャートである。
【図7】(a)は現像装置内のトナー残量と供給ローラ内含有トナー量の関係を示す図、(b)は供給ローラ内含有トナー量と静電容量検出器の出力の関係を示すグラフである。
【図8】実施例1のトナー残量検知のフローチャートである。
【図9】実施例2のトナー残量検知のフローチャートである。
【図10】実施例3のトナー残量検知のフローチャートである。
【図11】実施例4の画像形成装置の構成説明図である。
【図12】実施例4のトナー残量検知のフローチャートである。
【図13】実施例5の画像形成装置の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。以下に説明する実施例は、例示的に本発明を説明するものであって、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定するものではない。
【0010】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成
図1の(a)は本実施例の画像形成装置10の概略構成図である。この画像形成装置10は転写式電子写真プロセスを利用した、プロセスカートリッジ着脱方式のレーザービームプリンタである。この画像形成装置10は、パーソナルコンピュータ・イメージリーダー等の外部ホスト装置51から画像形成装置側のコントローラ部(制御手段)52に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pに画像形成を行う。コントローラ部52はCPU(演算部)53・ROM(記憶手段)54などを含み、ホスト装置51や画像形成装置の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、コントローラ部52は画像形成装置10の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。この画像形成装置10は、表面に静電潜像を担持する像担持体としての、回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)11を有する。及び、このドラム11に作用するプロセス手段としての、帯電手段12、画像露光手段13、現像手段4、転写手段14、クリーニング手段17を有する。ドラム11は画像形成開始信号に基づいて駆動手段(不図示)により矢印Eの時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電手段12はドラム11の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する手段であり、本実施例では帯電ローラを用いている。帯電ローラ2は導電性弾性ローラであり、ドラム11に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、ドラム11の回転に従動して回転する。本実施例においては、帯電ローラ12に−1000Vの直流電圧を印加して、ドラム表面を約−500Vに帯電している。この帯電電位を暗部電位Vdと呼ぶ。画像露光装置13はドラム11の表面に静電潜像を形成する手段であり、本実施例ではレーザー光学装置(レーザースキャナユニット)を用いている。光学装置13はホスト装置51からコントローラ部52に入力する電気的画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー13aを介してドラム11の帯電処理面を走査露光する。ここで、ドラム11に対する光学装置13による走査露光は帯電ローラ12の帯電によるドラム11の暗部電位Vdが安定するのを待ってなされる。ドラム11の露光した部位の表面電位は感光体の光導電特性により電位減衰して約−100Vとなる。この減衰電位を明部電位Vlと呼ぶ。これにより、ドラム11の面には暗部電位Vdと明部電位Vlの静電コントラストにより走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。本実施例においては、静電潜像形成方式は、帯電したドラム面を画像情報部に対応して露光するイメージ露光方式としている。現像手段4はドラム面に形成された静電潜像を現像剤像(以下、トナー像と記す)として可視像化する手段である。本実施例においては、現像手段4は、現像剤として負帯電性の非磁性1成分トナーを用いた反転現像装置である。トナーがドラム11の露光された部分に付着することで静電潜像が反転現像される。現像装置4は、所定の制御タイミングをもって、画像形成装置に設けられた駆動手段56(図4)により、現像ローラ1ならびに供給ローラ2が回転駆動が開始されて、静電潜像の現像工程に備える。この現像装置4については(4)項で詳述する。
【0011】
転写手段14はドラム面に形成されたトナー像を記録材Pに転写する手段であり、本実施例では転写ローラを用いている。転写ローラ14は導電性弾性ローラであり、ドラム11に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、ドラム11の回転に従動して回転する、あるいはドラム1の回転に順方向にドラム1の速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。一方、所定の制御タイミングで給送ローラ18が駆動されて、カセット15内に積載されて収納されている記録材Pが一枚分離給送されて、ドラム11と転写ローラ14との圧接部である転写ニップ部に導入され、転写ニップ部で挟持搬送される。転写ローラ14には、記録材Pが転写ニップ部を通過している間、トナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、記録材Pは転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、ドラム11上のトナー像が記録材Pの面に順次に静電転写される。記録材Pは転写ニップ部を通過するとドラム11の面から分離されて定着装置16に導入され、定着部材である定着ローラ(熱ヒートローラ)16aと加圧部材である加圧ローラ16bとの圧接部である定着ニップ部で挟持搬送される。記録材Pは定着ニップ部を挟持搬送されていく過程で加熱加圧されて、未定着のトナー像が固着像として記録材上に定着される。定着装置16を出た記録材Pは排出搬送路19を通って画像形成物として排出トレイ22上に排出される。また、転写ニップ部にて記録材が分離された後のドラム表面はクリーニング手段17により転写残りトナー等の付着残留物が除去されて、繰り返して画像形成に供される。本実施例においてクリーニング手段17はクリーニング部材としてクリーニングブレード17aを用いている。ドラム表面の付着残留物はクリーニングブレード17aにより掻き取られて廃トナー容器17bに収納される。
【0012】
(2)画像形成装置の動作工程
図2に上記の画像形成装置の動作工程図を示した。1)前多回転工程:画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。2)スタンバイ:所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。3)前回転工程:プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。より実際的は、a.画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、b.フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、c.前回転工程開始、という順序になる。なお、前記1)の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。4)プリントジョブ実行(画像形成工程):所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。5)紙間工程:連続プリントジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。6)後回転工程:1枚だけのプリントジョブの場合その画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。あるいは、連続プリントジョブの場合その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。7)スタンバイ:所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0013】
(3)プロセスカートリッジ
本実施例の画像形成装置10は、上記のドラム11と、このドラム11に作用するプロセス手段としての帯電ローラ12・現像装置4・クリーニング装置17を一体的にカートリッジ化してある。すなわち、プロセスカートリッジ20としてある。このカートリッジ20は画像形成装置本体(プロセスカートリッジを除く画像形成装置部分)10Aに対して着脱可能である。本実施例においては、カートリッジ20の装置本体10Aに対する着脱は、装置本体10Aに配設したドア23を開いて装置本体10Aの上面側開口部24を開放することでなされる。ドア23はヒンジ部23aを中心に装置本体10Aの開口部24に対して実線示のように閉じ込んだ状態と、2点鎖線示のように開いて開口部24を開放した状態とに回転可能である。この画像形成装置10は、ヒンジ部23aを設けた側が正面側である。G1はドア23の閉じ回転方向、G2は開き回転方向である。ドア23を開くと、装置本体10Aの上面側の開口部24が開放されて、装置本体内のカートリッジ装着部25が見える。ドア23を開いた開口部24から見ると、その装着部25の左右側に配設された後下がりのガイド21が見える。そこで、使用者はカートリッジ20を持ち、それを開口部24から装着部25に対して矢印H1の方向に差し入れる。そして、カートリッジ20側の被位置決め部(不図示)と装置本体側の位置決め部(不図示)とを嵌合させて、カートリッジ20を装置本体内の所定の装着位置に装着する。そして、ドア23を閉じる。カートリッジ20が所定の装着位置に装着された状態において、カートリッジ上面の露光開口部が光学装置13の反射ミラー13aに対して所定に対向して位置する。
【0014】
また、ドラム11の下面が転写ローラ14に対して所定に接触して転写ニップ部が形成される。なお、ドラム11の下面を保護するドラムカバーが配設されている場合は、カートリッジ20の装着移動過程でカバーが開き移動する。また、カートリッジ20が装置本体10Aに対して機械的・電気的に接続した状態になる。即ち、装置本体側の駆動手段(不図示)によりドラム11や現像装置4の現像ローラ1や供給ローラ2などの駆動が可能となる。また、装置本体側の給電手段(不図示)により、帯電ローラ12への帯電バイアスの印加、現像ローラ1への現像バイアスの印加などが可能となる。また、カートリッジ20側の電気的センサと装置本体側のコントローラ部52とが電気的に導通状態になる。カートリッジ20の装置本体10Aからの取り外しは、上記の装着時とは逆手順でなされる。即ち、図1の(a)において、ドア23を開いて開口部24を開放し、カートリッジ20を矢印H2のように右上方に引き出すと、カートリッジ20はガイド21に導かれて装置本体10Aの外に出る。ドラムカバーが配設されている場合は、カバーはカートリッジ20の引き出し移動過程で閉じ動作する。
【0015】
(4)現像装置
図1の(b)は(a)の画像形成装置10の現像装置4部分の拡大図である。この現像装置4は、現像剤として負帯電性の非磁性1成分トナーを用いた反転現像装置であり、トナーTを収容する現像剤容器3を有する。また、この現像剤容器3に現像剤担持体である現像ローラ1と、現像ローラ1に接触して回転し、現像ローラ1にトナーTを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ2と、現像ローラ1に供給されたトナーTを薄層に規制する現像剤規制部材5を備える。現像ローラ1は、現像剤容器3のドラム対向側に具備させた開口部31に設置され、回転可能に現像剤容器3に支持されている。現像ローラ1はドラム11に対してほぼ並行である。供給ローラ2は現像ローラ1のドラム対向側とは反対側において現像剤容器3の内部に配置され、現像ローラ1に対してほぼ並行に、かつ現像ローラ1に接触させて、回転可能に現像剤容器3に支持されている。規制部材5は、一端部(基部)が現像剤容器3に固定され、他端部が現像ローラ1に当接して配置されており、現像ローラ1に供給されたトナーTを薄層に規制する。規制部材5は現像ローラ1の回転方向に対してカウンターの姿勢で現像ローラ1に当接している。現像剤供給部材としての供給ローラ2は、後述するように、現像剤容器内のトナー残量(現像剤残量)を検知する検知部材(現像剤残量検知部材)としても機能する。現像装置4は、現像剤容器3の開口部31を下に設け、トナーTの自重が開口部31に設置された現像ローラ1及び供給ローラ2にかかるようにした。このような配置にすることは、供給ローラ2内にトナーTが入りやすく、現像剤容器内のトナー残量を精度良く検知する上で好ましい。
【0016】
ここで、静電潜像の現像に用いられるトナーにおいて、その大部分が有している帯電極性を正規帯電極性とし、本実施例においては負の正規帯電極性を持つトナーを使用する。また、本実施例におけるトナーの凝集度は15%である。トナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETER MODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。測定法としては、振動台に390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるい順に重ねてセットした。このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料(トナー)5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak-to-peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃、60%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃、60%RH環境下で行った。凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20。
【0017】
現像ローラ1は、導電性支持体1aの周囲に導電剤が配合された半導電性の弾性ゴム層1bが設けられており、図中Aの方向(ドラム11との接触部においてドラム11の回転方向Eに対して順方向)に回転される構成となっている。具体的には、導電性支持体たる外径φ6(mm)の芯金電極1aを有し、芯金電極1aの周囲に導電剤が配合された半導電性のシリコンゴム層1bが設けられている。更に、シリコンゴム層1bの表層には20(μm)ほどのアクリル・ウレタン系ゴム層1cをコーティングしており、現像ローラ全体の外径はφ12(mm)である。また、本実施例における現像ローラ1の抵抗は1×106(Ω)である。ここで、現像ローラ1の抵抗の測定方法を説明する。現像ローラ1を、直径30mmのアルミスリーブに対し、当接荷重9.8Nで当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、現像ローラ1を60rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、現像ローラ1の抵抗を算出する。なお、現像ローラ1の体積抵抗が1×109(Ω)よりも大きいと、現像ローラの表面での現像バイアスの電圧値が下がり、現像領域の直流電界が減少することで、現像効率が低下し、よって、画像濃度が低下する現象が生じる。従って、現像ローラ1の抵抗を1×109(Ω)以下とするのが良い。
【0018】
現像ローラ1に現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材であり、かつ現像剤残量検知部材としての供給ローラ2は表面に発泡層を備えている。即ち、供給ローラ2は、導電性支持体2aと、導電性支持体に支持される発泡層2bとを備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極2aの周囲に、気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層である発泡ウレタン層2bが設けられている。供給ローラ2は、図中Bの方向(現像ローラ1との接触部において現像ローラ1の回転方向に対してカウンター方向)に回転される構成となっている。発泡ウレタン層2bを含んだ供給ローラ全体の外径はφ13(mm)である。表層のウレタンを連続気泡体とすることで、供給ローラ内部にトナーが多量に進入可能となるため、後述するトナー残量検知の性能を向上させることが可能となる。また、本実施例における供給ローラ2の抵抗は1×109(Ω)である。ここで、供給ローラ2の抵抗の測定方法を説明する。供給ローラ2を、直径30mmのアルミスリーブに対し、後述する侵入量が1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ2を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、供給ローラ2の抵抗を算出する。供給ローラ2の表面セル径を50μm〜1000μmとした。ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。この最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値である。供給ローラ2の表面通気量は、1.8(リットル/分)以上のものを用いた。
【0019】
本実施例の供給ローラ2の「表面通気量」について、詳細に説明する。図3の(a)は「表面通気量」の測定方法を示す図である。まず、本実施例の供給ローラ2を、図3の(b)に示すような測定冶具28に挿入する。測定冶具28は、中空円筒体の側面にφ10(mm)の貫通孔28aを通したもので、貫通孔28aの中心軸と円筒軸が直交するように作られている。中空円筒体の内径は測定される供給ローラ2の外径よりも1mm小さいものを使用する。これは測定冶具28の円筒体内面と測定される供給ローラ2の間の隙間を無くすためである。本実施例の供給ローラ2は、外径φ13(mm)であるので、測定冶具28の内径はφ12(mm)である。供給ローラ2が挿入された測定冶具28は、図3の(c)に示すような通気ホルダ29に取り付けられる。通気ホルダ29は中空円筒体29aの側面に減圧ポンプ30に通じる通気管31を取り付けるための連結パイプ29bを繋げたT字形をしており、連結パイプ29bの繋げられた部分の反対側に当たる部分29cを大きく切り欠いた形状になっている。連結パイプ29bの内径は、測定冶具28の貫通孔28aよりも大きくなるように設定される。本実施例では連結パイプ29bの内径をφ12(mm)とした。通気ホルダ29の中空円筒体29aの内径は測定冶具28の外径とほぼ同寸法であり、測定冶具28を中空円筒体29aに挿入できるようになっている。図3の(a)に示すように、測定冶具28の貫通孔28aの一方が中空円筒体29aの切り欠き部分29cに全て露出し、貫通孔28aの他方が連結パイプ29bの内径にほぼ正対するように設置する。通気ホルダ29の中空円筒体29aの左右には、図3の(a)に示すように、中空円筒体29aに連結される一端を塞がれたアクリル・パイプ32a・32bが設置される。測定冶具28の左右から出ている供給ローラ部分は、上記アクリル・パイプ32a・32b中に納まるようになっている。
【0020】
通気管31の途中には、流量計33(KZ型通気量測定器:大栄化学精器製作所)、及び差圧調整弁34が設置されている。減圧ポンプ30により通気管31の内部側が排気された際に、露出している測定冶具28の貫通孔28a以外から空気が流入しないようにする。即ち、上記の測定冶具28、通気ホルダ29、通気管31、アクリル・パイプ32a・32bの連結部分はテープやグリスなどによってシールされる。「表面通気量」の測定は、以下のように行う。まず、図3の(a)において、供給ローラ2を設置しない状態で、減圧ポンプ30を作動させ、差圧調整弁34で流量計33の測定値が安定して10.8(リットル/分)となるように調節する。この後、測定対象である供給ローラ2を設置して、前述のように慎重にシーリングし、上記と同一の排気条件で流量計33の測定値を「表面通気量」として計測する。当然ながら「表面通気量」は、流量計33の測定値が十分安定した時点での値を採る。供給ローラ2を通過する空気流は、測定冶具28の露出している貫通孔28aに位置する発泡ウレタン層2bの表面から流入し、発泡ウレタン層2bの内部を通過して、測定冶具28の他方の貫通孔28aに位置する発泡ウレタン層2bの表面から流出する。一般的な供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表面は、発泡ウレタン層2bの内部と異なる場合が多い。例えば、供給ローラ2を型内発泡形成した場合には、表面のセルの開口率が内部と異なるスキン層が表面に現れる場合がある。また、発泡ウレタン層2bの表面を単なる円筒面として形成せず、意図的に凹凸を設けたものも存在する。発泡ウレタン層2bの内外を出入りするトナー粉流体は、上記の表面の状態に影響を受ける場合があり、JIS−L1096のようなバルク通気量の測定だけでは、その挙動を捕らえられない。従って、本発明では、上記のような、発泡ウレタン層2bの表面から流入・流出する空気流を測定する通気量測定法を採用し、これで前述のトナー粉流体の平衡状態(もしくはそれに近い状態)を出現させる主要なパラメータとした。
【0021】
前述したように、現像ローラ1は、図1の(b)の矢印Aの方向に、供給ローラ2は矢印Bの方向に、各々回転される構成となっており、各々の回転中心の距離は11(mm)に設定されている。供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの硬度は、現像ローラ1のシリコンゴム層1bとアクリル・ウレタン系ゴム層1cよりも十分柔らかい。そのため、現像ローラ1の表面は、供給ローラ2に対して発泡ウレタン層2bを最大1.5(mm)押しつぶした状態で接触している。上記の最大押しつぶし量は、発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させてない場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、通常使用時として発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させた場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、の最大の距離である。この最大押しつぶし量を、供給ローラ2対する現像ローラ1の侵入量と呼ぶ。本実施例において、現像ローラ1の回転速度は130(rpm)、供給ローラ2の回転速度は100(rpm)である。駆動手段56(図4)はドライバー57を介してコントローラ部52で制御される。駆動手段56の駆動力が駆動伝達手段(不図示)を介して現像装置4に伝達されて、現像ローラ1、供給ローラ2、攪拌部材6(図11)等が所定の方向と所定の回転速度にて駆動される。現像ローラ1と供給ローラ2の回転に伴い、供給ローラ2の発泡ウレタン層2bが現像ローラ1との接触部で押し潰される。このとき、供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表層もしくは内部に保持されたトナーTは、発泡ウレタン層2bの表層から排出され、その一部が現像ローラ1の表面に転移する。現像ローラ1の表面に転移したトナーTは、前記接触部に対して現像ローラ1の回転方向下流に接触して設けられた現像剤規制部材たる規制ブレード5により、現像ローラ1上に均一に規制される。上記の過程でトナーTは、現像ローラ1と供給ローラ2の接触部、もしくは、現像ローラ1と規制ブレード5の規制部で摺擦されることにより、所望の摩擦帯電電荷(本例では負電荷)を獲得する。また、現像ローラ1と供給ローラ2は相互の接触部において互いに逆方向に回転することにより、現像ローラ1上の現像残トナーは供給ローラ2によって剥ぎ取り除去される。ここで、本実施例においては、後述するトナー補充制御において、現像ローラ1及び供給ローラ2の回転速度を前述の回転速度よりも遅くすることを特徴とする。
【0022】
カートリッジ20は、図4のように、ドラム11、帯電ローラ12、クリーニング装置17を有するドラムユニット20Aに対して、現像装置4が現像ユニット20Bとして支持軸部40を中心に揺動可能に結合された構成になっている。ドラムユニット20Aと現像ユニット20Bとの間には押しバネ41が配設されている。現像ユニット20Bは自由状態においては、バネ41の突っ張り力により、現像装置4の現像ローラ1がドラム11に接触する方向に支持軸部40を中心に回転付勢されている。これにより、現像ローラ1がドラム11に対して所定の押圧力で接触した状態に保持される。カートリッジ20は、装置本体10A内の装着部25に所定に装着されている状態において、ドラムユニット20Aが装置本体側の位置決め部に位置決め保持されている。現像ユニット20Bはそのドラムユニット20Aに対して支持軸部40を中心に揺動可能である。現像ユニット20Bの背面には力受け部43を設けてある。この力受け部43に対して装置本体側の離間カム42が対応位置するように構成されている。離間カム42はコントローラ部52により制御される駆動手段55により90°間欠回転制御されて、図4の(a)のように縦向きの回転角姿勢Xと、(b)のように横向きの回転角姿勢Yとに転換される。(a)のように離間カム42が縦向きの回転角姿勢Xに転換されている状態時においては、離間カム42は力受け部43に対して非接触である。この状態において、現像ユニット20Bは自由状態であり、バネ41の突っ張り力により、現像装置4の現像ローラ1がドラム11に接触する方向に支持軸部40を中心に回転付勢されている。これにより、現像ローラ1がドラム11に対して所定の押圧力で接触した状態に保持される。このように現像ローラ1をドラム11に接触させた状態とする現像装置4の接触位置を第1の位置(現像位置)とする。(b)のように離間カム42が横向きの回転角姿勢Yに転換されている状態時においては、カム42のカム面が現像装置背面の力受け部43を押す。これにより、現像装置4はバネ41の突っ張り力に抗してバネ41をドラムユニット20Aとの間に押し縮めながら、支持軸部40を中心に、現像ローラ1がドラム11から離間αする方向に回転される。現像ローラ1をドラム11から離間αさせた状態とする現像装置4の離間位置を第2の位置(非現像位置)と呼ぶ。当然ながら、この第2の位置では現像動作を行わない。力受け部43は、離間カム42との接触回転時に必要な表面滑り性能、本実施例において最も力のかかった状態である離間状態においても変形しない硬度、等の性能を有している。ここで、現像ローラ1、供給ローラ2、攪拌部材6(図11)等の駆動手段56による駆動は、現像装置4が第2の位置(非現像位置)に移動されている状態においても可能な構成にされている。
【0023】
装置本体10Aに装着されている状態のカートリッジ20の現像装置4は常時は上記の第2の位置に保持されている。コントローラ部52はプリント開始信号が入力した後の所定の制御タイミングにて現像装置4が第2の位置から第1の位置に転換されるように駆動手段55を制御する。そして、現像ローラ1に、所定のタイミングをもって電源部から現像バイアスとして−300Vの直流電圧を印加する。現像装置4の第1の位置は、現像ローラ1と感光ドラム11とを当接し、光ドラム11上に形成された静電潜像を現像する位置である。静電潜像の現像終了後、コントローラ部52は現像装置4が第1の位置から第2の位置に転換されるように駆動手段55を制御する。同時に、現像ローラ1ならびに供給ローラ2の回転駆動を停止し、現像ローラ1への現像バイアスの印加も止める。
【0024】
(5)現像装置4のトナー残量検知
本実施例においては、現像ローラ1をドラム11から離間させた第2の位置(非画像形成時)において、現像剤残量測定装置(トナー残量測定装置)にて、現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知することで現像剤容器3のトナー残量を測定する。即ち、現像装置4のトナー残量検知を行う。図5の(a)・(b)を用いて本実施の形態における、静電容量の変化を利用したトナー残量検出方法を説明する。図5の(a)は、本実施例の現像装置4が画像形成装置10内に設置されている状態を表した模式図である。(b)はトナー残量検知系統のブロック回路図である。65は現像ローラ1の芯金電極1aと導通された現像装置付属の接点電極である。電極65に対応する電極として接点電極66が画像形成装置10の装置本体側に設けられている。電極66は画像形成装置10の装置本体内部の静電容量検出装置(検出器)69と現像ローラ用直流バイアス電源(現像剤担持体電圧印加手段)69aに繋がっている。同様に、供給ローラ2の芯金電極2aと導通された現像装置付属の接点電極67と、対応する画像形成装置10の装置本体側の接点電極68がそれぞれ設けられている。電極68は画像形成装置10の装置本体内部の検出用電源(現像剤供給部材電圧印加手段)70に繋がっている。電源70は検出用交流バイアス電源70aと供給ローラ用直流バイアス電源70bを有する。電源70bは、正負両方のバイアスを印加できる電源である。カートリッジ20が装置本体10A内の所定位置に設置されている状態において、現像装置4が第1の位置に転換されているときも、第2の位置に転換されているときも、電極65と66、電極67と68は導通している。即ち、現像装置4が第1の位置と第2の位置との間で揺動しても、電極65と電極66、電極67と電極68は、接触したままである。
【0025】
通常の現像動作時(画像形成時)には、現像装置4は第1の位置にあり、電源69aより電極66を介して電極65に現像バイアス(直流電圧)−300Vが印加される。即ち、現像ローラ1に対して現像バイアス−300Vが印加される。このとき、電源70においては検出用交流バイアス電源70aはオフに制御され、供給ローラ用直流バイアス電源70bの負バイアス電源がオンに制御され、これにより電極68を介して電極67には現像バイアスと同じ−300Vの直流電圧が印加される。即ち、供給ローラ2に対して現像バイアスと同じ−300Vが印加される。これにより、現像動作時においては、電極65と電極67は同電位となるので、現像ローラ1と供給ローラ2との間に電界は形成されない。
【0026】
非現像動作時(非画像形成時)には現像装置4は第2の位置となる。本実施例においては、現像装置4が第2の位置に切換えられている状態時において、供給ローラ2の導電性の芯金2aに、電源70aからトナー残量検知用バイアス(現像剤残量検出用電圧)を印加して現像装置4のトナー残量検知を行う。トナー残量検知用バイアスとしては、周波数50KHz、Vpp=200Vの交流バイアスを用いる。このとき、電源70b及び電源69aはオフに制御されている。現像ローラ1の導電性の芯金1aには、供給ローラ2に印加されたトナー残量検知用バイアスにより電圧が誘起され、この電圧は、検出器69で検出される。即ち、検出器69は検出電圧に基づいて現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知する。そして、その検知静電容量値に関する電気的情報がコントローラ部52に入力する。コントローラ部52は、検出器69から入力する検知静電容量値に関する電気的情報と、予め測定されてメモリーされている静電容量値と現像剤残量との相関テーブルデータとから現像装置4の現像剤残量を演算して測定する。上記において、検出器69とコントローラ部52が現像剤残量測定装置100である。即ち、非画像形成時において電源70から供給ローラ2に電圧を印加して現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知することで現像剤容器3のトナー残量を測定可能な現像剤残量測定装置100である。
【0027】
現像動作を行わない現像装置4の第2の位置、つまり、ドラム11と現像ローラ1が離間αした状態は、非現像動作時である。具体的に、このような時は、例えば、画像形成を行っていない紙間において実現可能である。また、画像形成を開始する前の準備動作中において実現可能である。また、画像形成工程が終了し、画像形成装置から記録メディア15が機外に排紙される間における装置動作(所謂後回転)等において実現可能である。この時、この現像装置4の第2の位置において、ドラム11と現像ローラ1が離間αしている。そのため、供給ローラ2に対してトナー残量検知用バイアスとして交流バイアスを印加しても、カブリと呼ばれる白地部汚れが発生すること無い。また、現像ローラ1とドラム11が接触する最中に互いに叩きあい振動した際の、不快な打撃音が発生することも無い。供給ローラ2の導電性の芯金2aにトナー残量検知を目的とした交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることで、現像室内に別個のアンテナを設ける構成において発生するトナーの搬送阻害を防止できる。
【0028】
ドラム11と現像ローラ1の当接離間動作、つまり、現像動作を行う現像装置4の第1の位置と、現像動作を行わない現像装置4の第2の位置とで、当然、現像装置4の姿勢は変化し、それに従いトナーも動くことになる。この時、本実施の形態の現像装置4においては、電源70aは供給ローラ2にトナー残量検知のための交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることで、供給ローラ2に含まれるトナーの静電容量変化を測定している。よって、当接離間動作に伴う現像装置4の姿勢、トナーTの動きによっても、供給ローラ2に含まれるトナー量は変化しない。つまり、現像ローラ1と供給ローラ2間に存在するトナー量は変化しないので、アンテナに誘起される電圧出力が変化することは無い。即ち、供給ローラ2は、トナーが内部に進入可能な発泡層を備えるので、現像装置4の姿勢が変わっても発泡層内のトナーが動きにくいので、電圧出力が変化しない。加えて、本実施の形態である非磁性1成分接触現像装置4において、静電容量を利用したトナー残量検出を行っている際、つまり、現像ローラ1とドラム11が離間αしている状態においては、現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止する。現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止することで、現像ローラ1へのトナー供給及び未現像トナーの剥ぎ取り行為が中断され、供給ローラ2に含まれるトナー量が、トナー残量検知最中に一定となり、トナー残量検知精度を高めることができる。
【0029】
図6に本実施例のトナー残量検知のフローチャートを示す。トナー残量検知のタイミングは、画像形成動作終了後(ステップS1)、現像装置4が第1の位置から第2の位置へ移動することで、感光ドラム11と現像ローラ1の離間動作が行われる(ステップS2)。そして、現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止させる(ステップS3)。その後、供給ローラ2にトナー残量検知用バイアスを印加して(ステップS4)、トナー残量検知を行う(ステップS5)。
【0030】
図7の(a)に、実施例1の現像装置4内(現像剤容器内)のトナーTの残量と、その時の供給ローラ2内の含有トナー量をプロットしたものを示す。図7の(a)では、本実施例の現像装置4にトナーTを充填し、徐々に消費させていき、各々異なるトナー残量で静電容量を測定後、供給ローラ2を取り出して中に含まれるトナーTの量を測定した。即ち、使用前の供給ローラ2の重量との差分を取った。図7の(a)に示されるように、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量は比較的リニアで良い相関を保ちつつ変化していることがわかる。上記の測定で、実施例1の現像装置4の静電容量出力値と、その時の供給ローラ2内の含有トナー量を図7の(b)にプロットした。図7の(b)に示されるように、供給ローラ内含有トナー量と静電容量出力値はほぼリニアで非常に良い相関を保っている。これは、本実施例の構成が、供給ローラ2内の静電容量変化を的確に測定していることを示している。
【0031】
供給ローラ2の通気量を大きくするに従い、静電容量検知出力値の絶対値は大きくなる傾向がある。現像装置内トナー残量に応じた変化量は、1.8(リットル/分)以上の通気量を有する供給ローラであれば、検知される静電容量出力値と現像剤容器内のトナー残量の相関が良く、トナー残量の検知精度が更に向上する。また、通気量が大きいと、供給ローラ2の発泡層の空孔部分が増えて供給ローラの強度が小さくなり、供給ローラの発泡層がちぎれ易くなるので、これを防止するために、通気量は5(リットル/分)以下であることが好ましい。これらのことから、供給ローラ2の通気量の範囲は、1.8〜5(リットル/分)であることが好ましい。
【0032】
供給ローラ内のトナーは、供給ローラ2が現像ローラ1に接触し始めるときに供給ローラ2が変形し始めて一部吐き出され、供給ローラ2が現像ローラ1に接触し終わるときに供給ローラ2の変形が元に戻り、一部吸い込まれている。このように、供給ローラ2に対して、トナーTは出入りしているが、供給ローラ内のトナー量は現像剤容器内のトナー残量が変わらなければ、おおむね平衡状態に保たれる。供給ローラ内のトナー量をより正しく判断するにあたって、前記静電容量の出力値を精度良く測定するためには、好ましくは、前述したように、供給ローラ内へのトナーの出入りが生じないように供給ローラ2の回転を停止して測定するのが良い。
【0033】
図7の(a)に示した現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関は、トナーTの凝集度に依存する。凝集度が低いほど、供給ローラ2へのトナーの出入りが容易と成る為に、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関が良くなると考えられる。本実施例の画像形成装置10において、画像形成動作を行い、現像装置内のトナーTが充分消費された状態の現像剤容器内に残されたトナーTの凝集度を測定したところ30%であった。一般に、現像剤容器内のトナーTの使用度が高いほど、トナーTの凝集度が高くなる傾向にあることから、画像形成動作を行う前の現像装置内トナーTの凝集度は30%よりも低いと推測できる。言い換えれば、30%以下の凝集度を持つトナーならば、本発明の特徴である供給ローラへのトナーの出入りが平衡状態になる状況を作る上で、何ら問題なく使用できる。
【0034】
供給ローラ内含有トナー量はトナー容器内のトナー残量との間に相関関係をもつ。よって、トナー容器内のトナーの自重がそのまま供給ローラにかかるほど、図7の(a)に示すような現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関性は高くなる。そのため、本実施例のように、トナー容器内の開口部に供給ローラを配置する構成にすることによって、トナー残検検知の精度を向上させることが可能になる。上記実施例の画像形成装置10において、供給ローラ2にトナー残量検知バイアスを電源70aより印加し、現像ローラ1に誘起される電圧を検出する検出器69を配置する構成であった。しかしながら、現像ローラ1にトナー残検知バイアスを印加し、供給ローラ2に誘起される電圧を検出する検出器を配置する構成であっても同様な効果を得ることが可能である。
【0035】
ここで、現像剤容器内にはトナーが充分あるにも拘わらず、印字率の高いプリントを行ったときや、その他の要因で、ウレタンスポンジからなる供給ローラ内に含まれるトナー量が一時的に急激に減少してしまう場合がある。このときに、次に説明するようなトナー補充制御のない構成の場合には、現像剤残量測定装置はトナーなしを誤検知してしまうことがある。特に、現像剤容器内のトナーが少なくなった場合に誤検知を招く頻度が多くなる恐れがあった。このような誤検知を解消するために、本実施例では現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転させる。これにより、静電的な吸引作用を用いて供給ローラ2にトナーを補充する。即ち、供給ローラ内にトナーを補充するためのトナー補充制御を行う。このことによって、供給ローラ内のトナー量を安定させ、現像剤容器内の画像形成に使用可能なトナー有無を精度良く検出することができる。このトナー補充制御においても、画像形成中に行った場合、濃度薄といった画像安定性を阻害することが懸念されることから、画像形成以外の時に現像剤測定装置を動作させる。例えば、画像形成前後の前回転や後回転に行うことができる。本実施例では、画像形成終了後の後回転中に、現像装置を第2の位置(離間位置)に移動し、電源70bから上述の直流バイアスを供給ローラ2に印加し、供給ローラ2と現像ローラ1を回転させる。本実施例では、現像剤残量測定装置の測定結果に応じて、上記のトナー補充制御を行うかを決定する。
【0036】
本実施例では、上記のトナー補充制御を次のように実行させている。即ち、ドラム11と現像ローラ1を離間させた状態において、電源69aから現像ローラ1に対する印加電圧を0V、電源70bから供給ローラ2に対する印加電圧を+500V印加する。そして、画像形成中と同様に、現像ローラ1は回転速度130(rpm)で、供給ローラ2は回転速度100(rpm)で回転駆動する。この回転駆動を10秒行い、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動を停止する。また、電源69aと電源70bによる現像ローラ1と供給ローラ2に対するバイアス印加を停止することで、トナー補充制御を終了させる。
【0037】
本実施例においては、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動手段56、電源70、駆動手段56と電源70を制御するコントローラ部52、が供給ローラ2にトナーを補充する補充手段である。即ち、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転することで、供給ローラ2に現像剤を補充する補充手段である。
【0038】
図8のフローチャートを参照して、本実施例におけるトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図8は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。コントローラ部52は、現像剤残量測定装置100の現像剤残量測定値が所定値に達した場合に、次の制御を実行する。即ち、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、電圧印加手段70によって現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加する。そして、該直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転させる動作(トナー補充制御)を実行させる。そして、この動作の後に現像剤残量測定装置100によって再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴としている。本実施例では、コントローラ部52のROM(記憶手段)54は、画像形成装置がトナー補充制御を行った回数mを計数し、記憶することができる。この回数がある値に達するまでトナー補充制御を行うことで、実際に現像剤容器内の使用可能なトナーを全て使い切った時に、使用者に現像剤容器内のトナーなしを正しく報知することが可能になるのである。図8のフローチャートにおいて、スタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後の後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、現像剤残量測定装置100によるトナー残量検知を行う。そして、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S4)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S5)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEwを下回った場合、現像装置4が第2の位置を維持した状態で、トナー補充制御を実行する(S6)。即ち、電源69aから現像ローラ1に対する印加電圧を0V、電源70bから供給ローラ2に対する印加電圧を+500V印加する。そして、画像形成中と同様に、現像ローラ1は回転速度130(rpm)で、供給ローラ2は回転速度100(rpm)で回転駆動する。この回転駆動を10秒行い、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動を停止する。また、電源69aと電源70bによる現像ローラ1と供給ローラ2に対するバイアス印加を停止することで、トナー補充制御を終了させる。次に、トナー補充制御を実行した回数mと閾値aを比較する(S7)。mがaより小さい場合、再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S5)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、上記のトナー補充制御を実行する(S6)。以上のサイクルを繰り返し、mがaより大きくなった場合、不図示の画像形成装置10やホスト装置51の表示部等の表示装置にて、使用者に現像剤容器内のトナー無しを報知し警告を促す(S10)。本実施例では、mを3回とした。
【0039】
このような構成により、現像剤容器内のトナー有無を精度良く検知することができる。即ち、様々な使用状況においても現像剤容器内の画像形成を可能とするトナーの有無を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供することができる。トナー補充制御時に電源70bから供給ローラ2に印加する直流バイアスは、使用環境(温度・湿度)に応じて変化させることも可能である。また、現像ローラ1と供給ローラ2の回転速度や回転時間も、任意に設定することが可能である。更には、トナー補充制御は、現像装置4を第2の位置で行ったが、第1の位置で行うことも可能である。そのとき、画像形成以外のタイミングにすることが必要となる。なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施例について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。本実施例では、現像剤残量測定装置100の前回測定時の結果を記憶する記憶手段を画像形成装置が有する。図1の(a)においてコントローラ部52のROM54がその記憶手段である。この記憶手段54によって、前回と今回の測定結果を比較することが可能になる。前回は、トナー残量が多かったにも関わらず、今回の測定結果が急激に変化した際に対応することが可能になる。例えば、高印字プリントをした場合、現像剤容器内にトナーが残っているにも関わらず、供給ローラ内のトナーが急激に減った為、現像剤残量測定装置の測定結果は実際よりも少ないトナー残量を表示する可能性がある。そこで、供給ローラ内のトナーを補充することで、現像剤測定装置が実際に現像剤容器内に残っているトナー残量の有無を精度良く測定することが可能になる。
【0041】
以下に図9のフローチャートを参照して、本実施例におけるトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図9は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。即ち、現像剤残量測定装置100の前回測定の現像剤残量測定値から今回測定の現像剤残量測定値を差し引いた値が所定値を上回った場合に、前記のトナー補充制御を実行させる。そして、この動作の後に現像剤残量測定装置100によって再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴としている。図9のフローチャートにおいて、現在の現像剤残量w0を記憶したままでスタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後に後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、現像剤残量測定装置100によるトナー残量検知を行う。そして、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S4)、前回のトナー残量をw0に更新する。まず、トナー変化量W−W0と供給ローラ内のトナー残量が急激に変化しているかを判断する閾値Erと比較を行う(S5)。W−W0がErより小さい場合、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S6)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。WがEwを下回った場合、現像装置4が第2の位置を維持した状態で、実施例1と同様の方法によりトナー補充制御を実行する(S7)。再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S9)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S10)。今度は、W―W0がErより大きい場合、上記のトナー補充制御を実行する(S7)。再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S9)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S10)。
【0042】
なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例では、現像剤残量測定装置の前回測定時の結果を記憶する手段を画像形成装置にもたせたが、この記憶手段は、少なくとも現像装置を内含し、画像形成装置に着脱可能としたプロセスカートリッジに持たせても良い。この記憶手段を設けることで、使用者に対して、トナーの残り量を提示することが可能となる。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0043】
[実施例3]
次に、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。本実施形態では、このトナー残量の警告を段階的に行う。警告を行う基準として、トナー残量レベル1は、プリントした文字がかすれる恐れがあるが、本発明のトナー補充制御を行うことで、文字がかすれる恐れがなくなるトナー残量とする。トナー残量レベル2ではトナー補充をおこなっても文字がかすれるため画像形成を続行不能なトナー残量(トナーなしと判断する残量)とする。
【0044】
以下に図10のフローチャートを参照して、本実施例のトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図10は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、現在(前回測定)の現像剤残量Wを記憶したままでスタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。ここで、現在のトナー残量Wと現像剤容器内のトナー残量レベル2を判断する閾値Ew2との比較を行う(S3)。WがEw2より小さい場合、使用者に現像剤容器内のトナー残量レベル2を警告する(S4)。WがEw2より大きい場合、現在のトナー残量Wと現像剤容器内のトナー残量レベル1を判断する閾値Ew1と比較を行う(S5)。WがEw1より大きい場合、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、ドラム11への静電潜像の作像を行う(S6)。画像形成終了後に後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S7)、スタンバイ状態へ移行する(S1)。WがEw1を下回った場合、使用者に現像剤容器内のトナー残量レベル1を警告し(S8)、トナー補充制御を実行する(S9)。その後、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S6)。画像形成終了後に後回転を実施し、トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S7)、スタンバイ状態へ移行する(S1)。このような構成により、従来文字がかすれてしまうようなトナー残量であっても、文字がかすれなくすることが可能となる状態を作り出し、トナー容器内のトナーを最大限使用した上でトナーなしを判断することが可能となる。本実施例ではトナー残量レベルを上記の2つとしたが、適宜トナー残量レベルを設定することで、使用者のプリントしたい画像に応じて、カートリッジの交換が可能となる。
【0045】
なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
[実施例4]
次に、本発明に係る画像形成装置の第4の実施例について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。第1の測定手段としての第1の現像剤残量測定装置と、第2の測定手段としての第2の現像剤残量測定装置の2つの現像剤残量測定装置をもつ。本実施例では、図11のように、現像装置4に第1の現像剤残量測定装置101として光学式現像剤残量測定装置を具備させている。この光学式現像剤残量測定装置101は、現像剤容器3内のトナーTを攪拌部材6により攪拌した際にレーザーを照射し、透過した光量を測定することでトナー残量を測定する装置である。この測定装置101による検知情報がコントローラ部52に入力する。また、実施例1と同様の構成の、静電容量の変化を利用した現像剤残量測定装置100を第2の現像剤残量測定装置として具備している。そして、本実施例においては、第1の現像剤残量測定装置101による現像剤残量測定値が閾値を下回った場合に、トナー補充制御を実行させる。そして、その後に第2の現像剤残量測定装置100による現像剤残量測定を実行させる制御モードを有することを特徴とする。
【0046】
図12のフローチャートにおいて、スタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後に第1の現像剤残量測定装置101を動作し、画像形成装置が有する第1の現像剤残量記憶手段(不図示:第1の現像剤残量測定装置の現像剤残量測定結果を記憶する第1の現像剤残量記憶手段)のトナー残量W1を測定結果w1に更新する(S4)。そして、トナー残量W1と現像剤容器内のトナーが少なくなっていることを判断する閾値Ew1と比較を行う(S5)。W1がEw1より大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へと移行する(S1)。また、W1がEw1を下回った場合、トナー補充制御を実行する(S6)。次に、静電容量による第2の現像剤残量測定装置100を動作し、画像形成装置が有する第2の現像剤残量記憶手段(不図示)のトナー残量W2を測定結果w2に更新する(S7)。第2の現像剤残量記憶手段は、第2の現像剤残量測定装置の現像剤残量測定結果を記憶する。そして、トナー残量W2と現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ew2と比較を行う(S8)。W2がEw2より大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へと移行する(S1)。また、W2がEw2以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S9)。
【0047】
このような構成により、現像剤容器内のトナー無しを精度良く検知することができる。本実施例では、第1の現像剤残量測定装置101として、トナーを攪拌した際にレーザーを照射し、透過した光量を測定することでトナー残量を測定する光学式現像剤残量測定装置で説明をした。しかし、第1の現像剤残量測定装置101は、光学式現像剤残量測定装置に限るものではない。例えば、第1の現像剤残量測定装置101としては、ドラム上に作像された画像ドット数を計数することで、トナー残量を測定する画像ドット式現像剤残量測定装置(画像ドット数を用いた現像剤残量測定装置)を用いることができる。また、第1の現像剤残量測定装置101としては、現像剤容器内に金属のアンテナを設け静電容量を測定することでトナー残量を測定するアンテナ式現像剤残量測定装置(アンテナを用いた静電容量測定装置)を用いることができる。この他の方式においても、現像剤残量を測定する手段において、閾値を設定し、トナー補充制御を行うことができれば、より精度良く現像剤容器内のトナー無し状態をユーザーに示すことが可能となる。本実施例では、第1の現像剤残量記憶手段と第2の現像剤残量記憶手段を画像形成装置にもたせたが、この記憶手段は少なくとも現像装置を内含し、画像形成装置に着脱可能としたプロセスカートリッジに持たせても良い。また、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0048】
なお、画像形成装置は実施例1乃至4のプロセスカートリッジ着脱方式の画像形成装置に限られるものではない。図13のように、現像装置4を現像カートリッジとして装置本体10Aに対して着脱交換可能な構成にした画像形成装置10とすることもできる。この場合も、実施例1乃至4の画像形成装置と同様の、現像装置揺動構成、現像剤残量測定装置構成により現像装置4の現像剤残量、現像剤の有無を精度良く検知することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1・・現像剤担持体、2・・現像剤供給部材、11・・像担持体、T・・現像剤
、3・・現像剤容器、31・・開口部、4・・現像装置、51・・コントローラ部(制御手段)、54・・現像剤残量記憶手段、70・・電圧印加手段、100・・現像剤残量測定装置(第2)、101・・現像剤残量測定装置(第1)
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体と前記現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材との間で静電容量を測定することで現像剤残量に関する情報を得る測定手段を備えた画像形成装置に関する。この画像形成装置は、好ましくはプリンタ、複写機などの電子写真装置に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真装置などの画像形成装置に用いられる現像装置において、現像剤(以下、トナーと称す)の残量を検出する装置として、アンテナ方式が知られている。これは、トナーを担持して電子写真感光体等の像担持体にトナーを供給する現像スリーブ部等の現像剤担持体にステンレス等の金属棒から成るアンテナを平行に設ける。そして、現像剤担持体に直流に交流を重畳した現像バイアスを印加すると、現像剤担持体とアンテナ間の静電容量に依存した電圧がアンテナに誘起される。この場合、現像装置にトナーが充分にあり、アンテナと現像剤担持体との間がトナーで満たされた状態と、現像装置のトナーが消費されアンテナと現像剤担持体との間がトナーで満たされない状態とでは、アンテナと現像剤担持体との間の静電容量が異なる。その為、アンテナに誘起される電圧も異なる。アンテナに誘起された電圧は検出器で検出される。そして、制御部において、その検出電圧値(静電容量に依存した電圧値)に基づいて現像装置内のトナー残量が演算される。
【0003】
また、現像剤として非磁性1成分現像剤(非磁性トナー)を用いた現像装置においては、現像室には現像剤担持体にトナーを供給する現像剤供給部材(以下、供給部材と記す)が設けられるのが一般的である。この現像装置に上記のような静電容量の変化を利用したトナー残量検出方法を適用する場合、供給部材の為に、アンテナを設けるスペースが狭く、トナーの搬送を阻害する等の問題が生ずる。この問題を解決するため、現像剤担持体にトナーを供給する供給部材を利用してトナー残量を検出する方法が知られている。供給部材は、導電性の金属支持体(導電性支持体)の周囲にウレタンスポンジを設けた構成とされる。そして、現像剤担持体に交流電圧を印加することで、トナーの量に応じた電圧を供給部材の金属支持体に誘起させ、この誘起電圧によりトナー残量を検出する方法が提案されている(特許文献1)。特許文献1によれば、専用のアンテナが不要となり、スペース、コストも面で有利となる。供給部材の発泡層の構造としては、特許文献2に示すように、発泡層の通気量を10〜40cc/cm2/秒として、トナー劣化を防ぎ、良好な画質を得ることを可能にした供給部材がある。なお、特許文献2には現像装置のトナー残量の検出に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−234777公報
【特許文献2】特開平11−288161公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した従来の構成を更に発展させたものである。本発明の目的は、より少ない現像剤残量においても画像形成を可能とすることで、様々な使用状況においても現像剤容器内の画像形成を可能とする現像剤の有無を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤容器内の現像剤残量を測定可能な測定手段と、を有する画像形成装置であって、前記現像剤残量が閾値を下回った場合に前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転する。これにより、現像剤供給部材内に現像剤が補充されるので、より少ない現像剤残量においても画像形成が可能となり、現像剤残量測定装置が現像剤容器内の画像形成を可能とする現像剤残量の有無を精度良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)は実施例1の画像形成装置の概略構成図、(b)は(a)の画像形成装置の現像装置部分の拡大図である。
【図2】図1の画像形成装置の動作工程図である。
【図3】供給ローラの表面通気量の測定方法を示す図である。
【図4】現像装置の揺動機構の説明図である。
【図5】静電容量の変化を利用した現像剤残量測定装置の説明図である。
【図6】トナー残量検知のフローチャートである。
【図7】(a)は現像装置内のトナー残量と供給ローラ内含有トナー量の関係を示す図、(b)は供給ローラ内含有トナー量と静電容量検出器の出力の関係を示すグラフである。
【図8】実施例1のトナー残量検知のフローチャートである。
【図9】実施例2のトナー残量検知のフローチャートである。
【図10】実施例3のトナー残量検知のフローチャートである。
【図11】実施例4の画像形成装置の構成説明図である。
【図12】実施例4のトナー残量検知のフローチャートである。
【図13】実施例5の画像形成装置の構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。以下に説明する実施例は、例示的に本発明を説明するものであって、以下に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれに限定するものではない。
【0010】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成
図1の(a)は本実施例の画像形成装置10の概略構成図である。この画像形成装置10は転写式電子写真プロセスを利用した、プロセスカートリッジ着脱方式のレーザービームプリンタである。この画像形成装置10は、パーソナルコンピュータ・イメージリーダー等の外部ホスト装置51から画像形成装置側のコントローラ部(制御手段)52に入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(記録メディア)としてのシート状の記録材Pに画像形成を行う。コントローラ部52はCPU(演算部)53・ROM(記憶手段)54などを含み、ホスト装置51や画像形成装置の操作部(不図示)との間で各種の電気的な情報の授受をする。また、コントローラ部52は画像形成装置10の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。この画像形成装置10は、表面に静電潜像を担持する像担持体としての、回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)11を有する。及び、このドラム11に作用するプロセス手段としての、帯電手段12、画像露光手段13、現像手段4、転写手段14、クリーニング手段17を有する。ドラム11は画像形成開始信号に基づいて駆動手段(不図示)により矢印Eの時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電手段12はドラム11の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する手段であり、本実施例では帯電ローラを用いている。帯電ローラ2は導電性弾性ローラであり、ドラム11に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、ドラム11の回転に従動して回転する。本実施例においては、帯電ローラ12に−1000Vの直流電圧を印加して、ドラム表面を約−500Vに帯電している。この帯電電位を暗部電位Vdと呼ぶ。画像露光装置13はドラム11の表面に静電潜像を形成する手段であり、本実施例ではレーザー光学装置(レーザースキャナユニット)を用いている。光学装置13はホスト装置51からコントローラ部52に入力する電気的画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力して反射ミラー13aを介してドラム11の帯電処理面を走査露光する。ここで、ドラム11に対する光学装置13による走査露光は帯電ローラ12の帯電によるドラム11の暗部電位Vdが安定するのを待ってなされる。ドラム11の露光した部位の表面電位は感光体の光導電特性により電位減衰して約−100Vとなる。この減衰電位を明部電位Vlと呼ぶ。これにより、ドラム11の面には暗部電位Vdと明部電位Vlの静電コントラストにより走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。本実施例においては、静電潜像形成方式は、帯電したドラム面を画像情報部に対応して露光するイメージ露光方式としている。現像手段4はドラム面に形成された静電潜像を現像剤像(以下、トナー像と記す)として可視像化する手段である。本実施例においては、現像手段4は、現像剤として負帯電性の非磁性1成分トナーを用いた反転現像装置である。トナーがドラム11の露光された部分に付着することで静電潜像が反転現像される。現像装置4は、所定の制御タイミングをもって、画像形成装置に設けられた駆動手段56(図4)により、現像ローラ1ならびに供給ローラ2が回転駆動が開始されて、静電潜像の現像工程に備える。この現像装置4については(4)項で詳述する。
【0011】
転写手段14はドラム面に形成されたトナー像を記録材Pに転写する手段であり、本実施例では転写ローラを用いている。転写ローラ14は導電性弾性ローラであり、ドラム11に対してほぼ並行に配列され、かつ所定の押圧力で当接されていて、ドラム11の回転に従動して回転する、あるいはドラム1の回転に順方向にドラム1の速度とほぼ同じ速度で回転駆動される。一方、所定の制御タイミングで給送ローラ18が駆動されて、カセット15内に積載されて収納されている記録材Pが一枚分離給送されて、ドラム11と転写ローラ14との圧接部である転写ニップ部に導入され、転写ニップ部で挟持搬送される。転写ローラ14には、記録材Pが転写ニップ部を通過している間、トナーの帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)で所定電位の転写バイアスが印加される。これにより、記録材Pは転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、ドラム11上のトナー像が記録材Pの面に順次に静電転写される。記録材Pは転写ニップ部を通過するとドラム11の面から分離されて定着装置16に導入され、定着部材である定着ローラ(熱ヒートローラ)16aと加圧部材である加圧ローラ16bとの圧接部である定着ニップ部で挟持搬送される。記録材Pは定着ニップ部を挟持搬送されていく過程で加熱加圧されて、未定着のトナー像が固着像として記録材上に定着される。定着装置16を出た記録材Pは排出搬送路19を通って画像形成物として排出トレイ22上に排出される。また、転写ニップ部にて記録材が分離された後のドラム表面はクリーニング手段17により転写残りトナー等の付着残留物が除去されて、繰り返して画像形成に供される。本実施例においてクリーニング手段17はクリーニング部材としてクリーニングブレード17aを用いている。ドラム表面の付着残留物はクリーニングブレード17aにより掻き取られて廃トナー容器17bに収納される。
【0012】
(2)画像形成装置の動作工程
図2に上記の画像形成装置の動作工程図を示した。1)前多回転工程:画像形成装置の始動(起動)動作期間(ウォーミング期間)である。画像形成装置のメイン電源スイッチのONにより、画像形成装置のメインモータを起動させて、所要のプロセス機器の準備動作を実行する。2)スタンバイ:所定の始動動作期間終了後、メインモータの駆動が停止し、プリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。3)前回転工程:プリントジョブ開始信号の入力に基づいて、メインモータを再駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ前動作を実行する期間である。より実際的は、a.画像形成装置がプリントジョブ開始信号を受信、b.フォーマッタで画像を展開(画像のデータ量やフォーマッタの処理速度により展開時間は変わる)、c.前回転工程開始、という順序になる。なお、前記1)の前多回転工程中にプリントジョブ開始信号が入力している場合は、前多回転工程の終了後、前記2)のスタンバイ無しに、引き続き前回転工程に移行する。4)プリントジョブ実行(画像形成工程):所定の前回転工程が終了すると、引き続いて前記の画像形成プロセスが実行されて、画像形成済みの記録材が出力される。連続プリントジョブの場合は前記の画像形成プロセスが繰返されて所定枚数分の画像形成済みの記録材が順次に出力される。5)紙間工程:連続プリントジョブの場合において、一の記録材Pの後端と次の記録材Pの先端との間隔工程であり、転写部や定着装置においては非通紙状態期間である。6)後回転工程:1枚だけのプリントジョブの場合その画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。あるいは、連続プリントジョブの場合その連続プリントジョブの最後の画像形成済みの記録材が出力された後(プリントジョブの終了)もメインモータを引き続き駆動させて、所要のプロセス機器のプリントジョブ後動作を実行する期間である。7)スタンバイ:所定の後回転工程終了後、メインモータの駆動が停止し、次のプリントジョブ開始信号が入力されるまで画像形成装置をスタンバイ(待機)状態に保持する。
【0013】
(3)プロセスカートリッジ
本実施例の画像形成装置10は、上記のドラム11と、このドラム11に作用するプロセス手段としての帯電ローラ12・現像装置4・クリーニング装置17を一体的にカートリッジ化してある。すなわち、プロセスカートリッジ20としてある。このカートリッジ20は画像形成装置本体(プロセスカートリッジを除く画像形成装置部分)10Aに対して着脱可能である。本実施例においては、カートリッジ20の装置本体10Aに対する着脱は、装置本体10Aに配設したドア23を開いて装置本体10Aの上面側開口部24を開放することでなされる。ドア23はヒンジ部23aを中心に装置本体10Aの開口部24に対して実線示のように閉じ込んだ状態と、2点鎖線示のように開いて開口部24を開放した状態とに回転可能である。この画像形成装置10は、ヒンジ部23aを設けた側が正面側である。G1はドア23の閉じ回転方向、G2は開き回転方向である。ドア23を開くと、装置本体10Aの上面側の開口部24が開放されて、装置本体内のカートリッジ装着部25が見える。ドア23を開いた開口部24から見ると、その装着部25の左右側に配設された後下がりのガイド21が見える。そこで、使用者はカートリッジ20を持ち、それを開口部24から装着部25に対して矢印H1の方向に差し入れる。そして、カートリッジ20側の被位置決め部(不図示)と装置本体側の位置決め部(不図示)とを嵌合させて、カートリッジ20を装置本体内の所定の装着位置に装着する。そして、ドア23を閉じる。カートリッジ20が所定の装着位置に装着された状態において、カートリッジ上面の露光開口部が光学装置13の反射ミラー13aに対して所定に対向して位置する。
【0014】
また、ドラム11の下面が転写ローラ14に対して所定に接触して転写ニップ部が形成される。なお、ドラム11の下面を保護するドラムカバーが配設されている場合は、カートリッジ20の装着移動過程でカバーが開き移動する。また、カートリッジ20が装置本体10Aに対して機械的・電気的に接続した状態になる。即ち、装置本体側の駆動手段(不図示)によりドラム11や現像装置4の現像ローラ1や供給ローラ2などの駆動が可能となる。また、装置本体側の給電手段(不図示)により、帯電ローラ12への帯電バイアスの印加、現像ローラ1への現像バイアスの印加などが可能となる。また、カートリッジ20側の電気的センサと装置本体側のコントローラ部52とが電気的に導通状態になる。カートリッジ20の装置本体10Aからの取り外しは、上記の装着時とは逆手順でなされる。即ち、図1の(a)において、ドア23を開いて開口部24を開放し、カートリッジ20を矢印H2のように右上方に引き出すと、カートリッジ20はガイド21に導かれて装置本体10Aの外に出る。ドラムカバーが配設されている場合は、カバーはカートリッジ20の引き出し移動過程で閉じ動作する。
【0015】
(4)現像装置
図1の(b)は(a)の画像形成装置10の現像装置4部分の拡大図である。この現像装置4は、現像剤として負帯電性の非磁性1成分トナーを用いた反転現像装置であり、トナーTを収容する現像剤容器3を有する。また、この現像剤容器3に現像剤担持体である現像ローラ1と、現像ローラ1に接触して回転し、現像ローラ1にトナーTを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ2と、現像ローラ1に供給されたトナーTを薄層に規制する現像剤規制部材5を備える。現像ローラ1は、現像剤容器3のドラム対向側に具備させた開口部31に設置され、回転可能に現像剤容器3に支持されている。現像ローラ1はドラム11に対してほぼ並行である。供給ローラ2は現像ローラ1のドラム対向側とは反対側において現像剤容器3の内部に配置され、現像ローラ1に対してほぼ並行に、かつ現像ローラ1に接触させて、回転可能に現像剤容器3に支持されている。規制部材5は、一端部(基部)が現像剤容器3に固定され、他端部が現像ローラ1に当接して配置されており、現像ローラ1に供給されたトナーTを薄層に規制する。規制部材5は現像ローラ1の回転方向に対してカウンターの姿勢で現像ローラ1に当接している。現像剤供給部材としての供給ローラ2は、後述するように、現像剤容器内のトナー残量(現像剤残量)を検知する検知部材(現像剤残量検知部材)としても機能する。現像装置4は、現像剤容器3の開口部31を下に設け、トナーTの自重が開口部31に設置された現像ローラ1及び供給ローラ2にかかるようにした。このような配置にすることは、供給ローラ2内にトナーTが入りやすく、現像剤容器内のトナー残量を精度良く検知する上で好ましい。
【0016】
ここで、静電潜像の現像に用いられるトナーにおいて、その大部分が有している帯電極性を正規帯電極性とし、本実施例においては負の正規帯電極性を持つトナーを使用する。また、本実施例におけるトナーの凝集度は15%である。トナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETER MODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。測定法としては、振動台に390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ、200メッシュ、100メッシュのふるい順に重ねてセットした。このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料(トナー)5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak-to-peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃、60%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃、60%RH環境下で行った。凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20。
【0017】
現像ローラ1は、導電性支持体1aの周囲に導電剤が配合された半導電性の弾性ゴム層1bが設けられており、図中Aの方向(ドラム11との接触部においてドラム11の回転方向Eに対して順方向)に回転される構成となっている。具体的には、導電性支持体たる外径φ6(mm)の芯金電極1aを有し、芯金電極1aの周囲に導電剤が配合された半導電性のシリコンゴム層1bが設けられている。更に、シリコンゴム層1bの表層には20(μm)ほどのアクリル・ウレタン系ゴム層1cをコーティングしており、現像ローラ全体の外径はφ12(mm)である。また、本実施例における現像ローラ1の抵抗は1×106(Ω)である。ここで、現像ローラ1の抵抗の測定方法を説明する。現像ローラ1を、直径30mmのアルミスリーブに対し、当接荷重9.8Nで当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、現像ローラ1を60rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、現像ローラ1の抵抗を算出する。なお、現像ローラ1の体積抵抗が1×109(Ω)よりも大きいと、現像ローラの表面での現像バイアスの電圧値が下がり、現像領域の直流電界が減少することで、現像効率が低下し、よって、画像濃度が低下する現象が生じる。従って、現像ローラ1の抵抗を1×109(Ω)以下とするのが良い。
【0018】
現像ローラ1に現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材であり、かつ現像剤残量検知部材としての供給ローラ2は表面に発泡層を備えている。即ち、供給ローラ2は、導電性支持体2aと、導電性支持体に支持される発泡層2bとを備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極2aの周囲に、気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層である発泡ウレタン層2bが設けられている。供給ローラ2は、図中Bの方向(現像ローラ1との接触部において現像ローラ1の回転方向に対してカウンター方向)に回転される構成となっている。発泡ウレタン層2bを含んだ供給ローラ全体の外径はφ13(mm)である。表層のウレタンを連続気泡体とすることで、供給ローラ内部にトナーが多量に進入可能となるため、後述するトナー残量検知の性能を向上させることが可能となる。また、本実施例における供給ローラ2の抵抗は1×109(Ω)である。ここで、供給ローラ2の抵抗の測定方法を説明する。供給ローラ2を、直径30mmのアルミスリーブに対し、後述する侵入量が1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ2を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。次に、現像ローラ1に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、供給ローラ2の抵抗を算出する。供給ローラ2の表面セル径を50μm〜1000μmとした。ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。この最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値である。供給ローラ2の表面通気量は、1.8(リットル/分)以上のものを用いた。
【0019】
本実施例の供給ローラ2の「表面通気量」について、詳細に説明する。図3の(a)は「表面通気量」の測定方法を示す図である。まず、本実施例の供給ローラ2を、図3の(b)に示すような測定冶具28に挿入する。測定冶具28は、中空円筒体の側面にφ10(mm)の貫通孔28aを通したもので、貫通孔28aの中心軸と円筒軸が直交するように作られている。中空円筒体の内径は測定される供給ローラ2の外径よりも1mm小さいものを使用する。これは測定冶具28の円筒体内面と測定される供給ローラ2の間の隙間を無くすためである。本実施例の供給ローラ2は、外径φ13(mm)であるので、測定冶具28の内径はφ12(mm)である。供給ローラ2が挿入された測定冶具28は、図3の(c)に示すような通気ホルダ29に取り付けられる。通気ホルダ29は中空円筒体29aの側面に減圧ポンプ30に通じる通気管31を取り付けるための連結パイプ29bを繋げたT字形をしており、連結パイプ29bの繋げられた部分の反対側に当たる部分29cを大きく切り欠いた形状になっている。連結パイプ29bの内径は、測定冶具28の貫通孔28aよりも大きくなるように設定される。本実施例では連結パイプ29bの内径をφ12(mm)とした。通気ホルダ29の中空円筒体29aの内径は測定冶具28の外径とほぼ同寸法であり、測定冶具28を中空円筒体29aに挿入できるようになっている。図3の(a)に示すように、測定冶具28の貫通孔28aの一方が中空円筒体29aの切り欠き部分29cに全て露出し、貫通孔28aの他方が連結パイプ29bの内径にほぼ正対するように設置する。通気ホルダ29の中空円筒体29aの左右には、図3の(a)に示すように、中空円筒体29aに連結される一端を塞がれたアクリル・パイプ32a・32bが設置される。測定冶具28の左右から出ている供給ローラ部分は、上記アクリル・パイプ32a・32b中に納まるようになっている。
【0020】
通気管31の途中には、流量計33(KZ型通気量測定器:大栄化学精器製作所)、及び差圧調整弁34が設置されている。減圧ポンプ30により通気管31の内部側が排気された際に、露出している測定冶具28の貫通孔28a以外から空気が流入しないようにする。即ち、上記の測定冶具28、通気ホルダ29、通気管31、アクリル・パイプ32a・32bの連結部分はテープやグリスなどによってシールされる。「表面通気量」の測定は、以下のように行う。まず、図3の(a)において、供給ローラ2を設置しない状態で、減圧ポンプ30を作動させ、差圧調整弁34で流量計33の測定値が安定して10.8(リットル/分)となるように調節する。この後、測定対象である供給ローラ2を設置して、前述のように慎重にシーリングし、上記と同一の排気条件で流量計33の測定値を「表面通気量」として計測する。当然ながら「表面通気量」は、流量計33の測定値が十分安定した時点での値を採る。供給ローラ2を通過する空気流は、測定冶具28の露出している貫通孔28aに位置する発泡ウレタン層2bの表面から流入し、発泡ウレタン層2bの内部を通過して、測定冶具28の他方の貫通孔28aに位置する発泡ウレタン層2bの表面から流出する。一般的な供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表面は、発泡ウレタン層2bの内部と異なる場合が多い。例えば、供給ローラ2を型内発泡形成した場合には、表面のセルの開口率が内部と異なるスキン層が表面に現れる場合がある。また、発泡ウレタン層2bの表面を単なる円筒面として形成せず、意図的に凹凸を設けたものも存在する。発泡ウレタン層2bの内外を出入りするトナー粉流体は、上記の表面の状態に影響を受ける場合があり、JIS−L1096のようなバルク通気量の測定だけでは、その挙動を捕らえられない。従って、本発明では、上記のような、発泡ウレタン層2bの表面から流入・流出する空気流を測定する通気量測定法を採用し、これで前述のトナー粉流体の平衡状態(もしくはそれに近い状態)を出現させる主要なパラメータとした。
【0021】
前述したように、現像ローラ1は、図1の(b)の矢印Aの方向に、供給ローラ2は矢印Bの方向に、各々回転される構成となっており、各々の回転中心の距離は11(mm)に設定されている。供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの硬度は、現像ローラ1のシリコンゴム層1bとアクリル・ウレタン系ゴム層1cよりも十分柔らかい。そのため、現像ローラ1の表面は、供給ローラ2に対して発泡ウレタン層2bを最大1.5(mm)押しつぶした状態で接触している。上記の最大押しつぶし量は、発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させてない場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、通常使用時として発泡ウレタン層2bに現像ローラ1を接触させた場合の発泡ウレタン層2bの表面の位置と、の最大の距離である。この最大押しつぶし量を、供給ローラ2対する現像ローラ1の侵入量と呼ぶ。本実施例において、現像ローラ1の回転速度は130(rpm)、供給ローラ2の回転速度は100(rpm)である。駆動手段56(図4)はドライバー57を介してコントローラ部52で制御される。駆動手段56の駆動力が駆動伝達手段(不図示)を介して現像装置4に伝達されて、現像ローラ1、供給ローラ2、攪拌部材6(図11)等が所定の方向と所定の回転速度にて駆動される。現像ローラ1と供給ローラ2の回転に伴い、供給ローラ2の発泡ウレタン層2bが現像ローラ1との接触部で押し潰される。このとき、供給ローラ2の発泡ウレタン層2bの表層もしくは内部に保持されたトナーTは、発泡ウレタン層2bの表層から排出され、その一部が現像ローラ1の表面に転移する。現像ローラ1の表面に転移したトナーTは、前記接触部に対して現像ローラ1の回転方向下流に接触して設けられた現像剤規制部材たる規制ブレード5により、現像ローラ1上に均一に規制される。上記の過程でトナーTは、現像ローラ1と供給ローラ2の接触部、もしくは、現像ローラ1と規制ブレード5の規制部で摺擦されることにより、所望の摩擦帯電電荷(本例では負電荷)を獲得する。また、現像ローラ1と供給ローラ2は相互の接触部において互いに逆方向に回転することにより、現像ローラ1上の現像残トナーは供給ローラ2によって剥ぎ取り除去される。ここで、本実施例においては、後述するトナー補充制御において、現像ローラ1及び供給ローラ2の回転速度を前述の回転速度よりも遅くすることを特徴とする。
【0022】
カートリッジ20は、図4のように、ドラム11、帯電ローラ12、クリーニング装置17を有するドラムユニット20Aに対して、現像装置4が現像ユニット20Bとして支持軸部40を中心に揺動可能に結合された構成になっている。ドラムユニット20Aと現像ユニット20Bとの間には押しバネ41が配設されている。現像ユニット20Bは自由状態においては、バネ41の突っ張り力により、現像装置4の現像ローラ1がドラム11に接触する方向に支持軸部40を中心に回転付勢されている。これにより、現像ローラ1がドラム11に対して所定の押圧力で接触した状態に保持される。カートリッジ20は、装置本体10A内の装着部25に所定に装着されている状態において、ドラムユニット20Aが装置本体側の位置決め部に位置決め保持されている。現像ユニット20Bはそのドラムユニット20Aに対して支持軸部40を中心に揺動可能である。現像ユニット20Bの背面には力受け部43を設けてある。この力受け部43に対して装置本体側の離間カム42が対応位置するように構成されている。離間カム42はコントローラ部52により制御される駆動手段55により90°間欠回転制御されて、図4の(a)のように縦向きの回転角姿勢Xと、(b)のように横向きの回転角姿勢Yとに転換される。(a)のように離間カム42が縦向きの回転角姿勢Xに転換されている状態時においては、離間カム42は力受け部43に対して非接触である。この状態において、現像ユニット20Bは自由状態であり、バネ41の突っ張り力により、現像装置4の現像ローラ1がドラム11に接触する方向に支持軸部40を中心に回転付勢されている。これにより、現像ローラ1がドラム11に対して所定の押圧力で接触した状態に保持される。このように現像ローラ1をドラム11に接触させた状態とする現像装置4の接触位置を第1の位置(現像位置)とする。(b)のように離間カム42が横向きの回転角姿勢Yに転換されている状態時においては、カム42のカム面が現像装置背面の力受け部43を押す。これにより、現像装置4はバネ41の突っ張り力に抗してバネ41をドラムユニット20Aとの間に押し縮めながら、支持軸部40を中心に、現像ローラ1がドラム11から離間αする方向に回転される。現像ローラ1をドラム11から離間αさせた状態とする現像装置4の離間位置を第2の位置(非現像位置)と呼ぶ。当然ながら、この第2の位置では現像動作を行わない。力受け部43は、離間カム42との接触回転時に必要な表面滑り性能、本実施例において最も力のかかった状態である離間状態においても変形しない硬度、等の性能を有している。ここで、現像ローラ1、供給ローラ2、攪拌部材6(図11)等の駆動手段56による駆動は、現像装置4が第2の位置(非現像位置)に移動されている状態においても可能な構成にされている。
【0023】
装置本体10Aに装着されている状態のカートリッジ20の現像装置4は常時は上記の第2の位置に保持されている。コントローラ部52はプリント開始信号が入力した後の所定の制御タイミングにて現像装置4が第2の位置から第1の位置に転換されるように駆動手段55を制御する。そして、現像ローラ1に、所定のタイミングをもって電源部から現像バイアスとして−300Vの直流電圧を印加する。現像装置4の第1の位置は、現像ローラ1と感光ドラム11とを当接し、光ドラム11上に形成された静電潜像を現像する位置である。静電潜像の現像終了後、コントローラ部52は現像装置4が第1の位置から第2の位置に転換されるように駆動手段55を制御する。同時に、現像ローラ1ならびに供給ローラ2の回転駆動を停止し、現像ローラ1への現像バイアスの印加も止める。
【0024】
(5)現像装置4のトナー残量検知
本実施例においては、現像ローラ1をドラム11から離間させた第2の位置(非画像形成時)において、現像剤残量測定装置(トナー残量測定装置)にて、現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知することで現像剤容器3のトナー残量を測定する。即ち、現像装置4のトナー残量検知を行う。図5の(a)・(b)を用いて本実施の形態における、静電容量の変化を利用したトナー残量検出方法を説明する。図5の(a)は、本実施例の現像装置4が画像形成装置10内に設置されている状態を表した模式図である。(b)はトナー残量検知系統のブロック回路図である。65は現像ローラ1の芯金電極1aと導通された現像装置付属の接点電極である。電極65に対応する電極として接点電極66が画像形成装置10の装置本体側に設けられている。電極66は画像形成装置10の装置本体内部の静電容量検出装置(検出器)69と現像ローラ用直流バイアス電源(現像剤担持体電圧印加手段)69aに繋がっている。同様に、供給ローラ2の芯金電極2aと導通された現像装置付属の接点電極67と、対応する画像形成装置10の装置本体側の接点電極68がそれぞれ設けられている。電極68は画像形成装置10の装置本体内部の検出用電源(現像剤供給部材電圧印加手段)70に繋がっている。電源70は検出用交流バイアス電源70aと供給ローラ用直流バイアス電源70bを有する。電源70bは、正負両方のバイアスを印加できる電源である。カートリッジ20が装置本体10A内の所定位置に設置されている状態において、現像装置4が第1の位置に転換されているときも、第2の位置に転換されているときも、電極65と66、電極67と68は導通している。即ち、現像装置4が第1の位置と第2の位置との間で揺動しても、電極65と電極66、電極67と電極68は、接触したままである。
【0025】
通常の現像動作時(画像形成時)には、現像装置4は第1の位置にあり、電源69aより電極66を介して電極65に現像バイアス(直流電圧)−300Vが印加される。即ち、現像ローラ1に対して現像バイアス−300Vが印加される。このとき、電源70においては検出用交流バイアス電源70aはオフに制御され、供給ローラ用直流バイアス電源70bの負バイアス電源がオンに制御され、これにより電極68を介して電極67には現像バイアスと同じ−300Vの直流電圧が印加される。即ち、供給ローラ2に対して現像バイアスと同じ−300Vが印加される。これにより、現像動作時においては、電極65と電極67は同電位となるので、現像ローラ1と供給ローラ2との間に電界は形成されない。
【0026】
非現像動作時(非画像形成時)には現像装置4は第2の位置となる。本実施例においては、現像装置4が第2の位置に切換えられている状態時において、供給ローラ2の導電性の芯金2aに、電源70aからトナー残量検知用バイアス(現像剤残量検出用電圧)を印加して現像装置4のトナー残量検知を行う。トナー残量検知用バイアスとしては、周波数50KHz、Vpp=200Vの交流バイアスを用いる。このとき、電源70b及び電源69aはオフに制御されている。現像ローラ1の導電性の芯金1aには、供給ローラ2に印加されたトナー残量検知用バイアスにより電圧が誘起され、この電圧は、検出器69で検出される。即ち、検出器69は検出電圧に基づいて現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知する。そして、その検知静電容量値に関する電気的情報がコントローラ部52に入力する。コントローラ部52は、検出器69から入力する検知静電容量値に関する電気的情報と、予め測定されてメモリーされている静電容量値と現像剤残量との相関テーブルデータとから現像装置4の現像剤残量を演算して測定する。上記において、検出器69とコントローラ部52が現像剤残量測定装置100である。即ち、非画像形成時において電源70から供給ローラ2に電圧を印加して現像ローラ1と供給ローラ2との間の静電容量を検知することで現像剤容器3のトナー残量を測定可能な現像剤残量測定装置100である。
【0027】
現像動作を行わない現像装置4の第2の位置、つまり、ドラム11と現像ローラ1が離間αした状態は、非現像動作時である。具体的に、このような時は、例えば、画像形成を行っていない紙間において実現可能である。また、画像形成を開始する前の準備動作中において実現可能である。また、画像形成工程が終了し、画像形成装置から記録メディア15が機外に排紙される間における装置動作(所謂後回転)等において実現可能である。この時、この現像装置4の第2の位置において、ドラム11と現像ローラ1が離間αしている。そのため、供給ローラ2に対してトナー残量検知用バイアスとして交流バイアスを印加しても、カブリと呼ばれる白地部汚れが発生すること無い。また、現像ローラ1とドラム11が接触する最中に互いに叩きあい振動した際の、不快な打撃音が発生することも無い。供給ローラ2の導電性の芯金2aにトナー残量検知を目的とした交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることで、現像室内に別個のアンテナを設ける構成において発生するトナーの搬送阻害を防止できる。
【0028】
ドラム11と現像ローラ1の当接離間動作、つまり、現像動作を行う現像装置4の第1の位置と、現像動作を行わない現像装置4の第2の位置とで、当然、現像装置4の姿勢は変化し、それに従いトナーも動くことになる。この時、本実施の形態の現像装置4においては、電源70aは供給ローラ2にトナー残量検知のための交流バイアスを印加して、現像ローラ1を静電容量検知用アンテナとして用いることで、供給ローラ2に含まれるトナーの静電容量変化を測定している。よって、当接離間動作に伴う現像装置4の姿勢、トナーTの動きによっても、供給ローラ2に含まれるトナー量は変化しない。つまり、現像ローラ1と供給ローラ2間に存在するトナー量は変化しないので、アンテナに誘起される電圧出力が変化することは無い。即ち、供給ローラ2は、トナーが内部に進入可能な発泡層を備えるので、現像装置4の姿勢が変わっても発泡層内のトナーが動きにくいので、電圧出力が変化しない。加えて、本実施の形態である非磁性1成分接触現像装置4において、静電容量を利用したトナー残量検出を行っている際、つまり、現像ローラ1とドラム11が離間αしている状態においては、現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止する。現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止することで、現像ローラ1へのトナー供給及び未現像トナーの剥ぎ取り行為が中断され、供給ローラ2に含まれるトナー量が、トナー残量検知最中に一定となり、トナー残量検知精度を高めることができる。
【0029】
図6に本実施例のトナー残量検知のフローチャートを示す。トナー残量検知のタイミングは、画像形成動作終了後(ステップS1)、現像装置4が第1の位置から第2の位置へ移動することで、感光ドラム11と現像ローラ1の離間動作が行われる(ステップS2)。そして、現像ローラ1及び供給ローラ2の駆動を停止させる(ステップS3)。その後、供給ローラ2にトナー残量検知用バイアスを印加して(ステップS4)、トナー残量検知を行う(ステップS5)。
【0030】
図7の(a)に、実施例1の現像装置4内(現像剤容器内)のトナーTの残量と、その時の供給ローラ2内の含有トナー量をプロットしたものを示す。図7の(a)では、本実施例の現像装置4にトナーTを充填し、徐々に消費させていき、各々異なるトナー残量で静電容量を測定後、供給ローラ2を取り出して中に含まれるトナーTの量を測定した。即ち、使用前の供給ローラ2の重量との差分を取った。図7の(a)に示されるように、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量は比較的リニアで良い相関を保ちつつ変化していることがわかる。上記の測定で、実施例1の現像装置4の静電容量出力値と、その時の供給ローラ2内の含有トナー量を図7の(b)にプロットした。図7の(b)に示されるように、供給ローラ内含有トナー量と静電容量出力値はほぼリニアで非常に良い相関を保っている。これは、本実施例の構成が、供給ローラ2内の静電容量変化を的確に測定していることを示している。
【0031】
供給ローラ2の通気量を大きくするに従い、静電容量検知出力値の絶対値は大きくなる傾向がある。現像装置内トナー残量に応じた変化量は、1.8(リットル/分)以上の通気量を有する供給ローラであれば、検知される静電容量出力値と現像剤容器内のトナー残量の相関が良く、トナー残量の検知精度が更に向上する。また、通気量が大きいと、供給ローラ2の発泡層の空孔部分が増えて供給ローラの強度が小さくなり、供給ローラの発泡層がちぎれ易くなるので、これを防止するために、通気量は5(リットル/分)以下であることが好ましい。これらのことから、供給ローラ2の通気量の範囲は、1.8〜5(リットル/分)であることが好ましい。
【0032】
供給ローラ内のトナーは、供給ローラ2が現像ローラ1に接触し始めるときに供給ローラ2が変形し始めて一部吐き出され、供給ローラ2が現像ローラ1に接触し終わるときに供給ローラ2の変形が元に戻り、一部吸い込まれている。このように、供給ローラ2に対して、トナーTは出入りしているが、供給ローラ内のトナー量は現像剤容器内のトナー残量が変わらなければ、おおむね平衡状態に保たれる。供給ローラ内のトナー量をより正しく判断するにあたって、前記静電容量の出力値を精度良く測定するためには、好ましくは、前述したように、供給ローラ内へのトナーの出入りが生じないように供給ローラ2の回転を停止して測定するのが良い。
【0033】
図7の(a)に示した現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関は、トナーTの凝集度に依存する。凝集度が低いほど、供給ローラ2へのトナーの出入りが容易と成る為に、現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関が良くなると考えられる。本実施例の画像形成装置10において、画像形成動作を行い、現像装置内のトナーTが充分消費された状態の現像剤容器内に残されたトナーTの凝集度を測定したところ30%であった。一般に、現像剤容器内のトナーTの使用度が高いほど、トナーTの凝集度が高くなる傾向にあることから、画像形成動作を行う前の現像装置内トナーTの凝集度は30%よりも低いと推測できる。言い換えれば、30%以下の凝集度を持つトナーならば、本発明の特徴である供給ローラへのトナーの出入りが平衡状態になる状況を作る上で、何ら問題なく使用できる。
【0034】
供給ローラ内含有トナー量はトナー容器内のトナー残量との間に相関関係をもつ。よって、トナー容器内のトナーの自重がそのまま供給ローラにかかるほど、図7の(a)に示すような現像装置内トナー残量と供給ローラ内含有トナー量の相関性は高くなる。そのため、本実施例のように、トナー容器内の開口部に供給ローラを配置する構成にすることによって、トナー残検検知の精度を向上させることが可能になる。上記実施例の画像形成装置10において、供給ローラ2にトナー残量検知バイアスを電源70aより印加し、現像ローラ1に誘起される電圧を検出する検出器69を配置する構成であった。しかしながら、現像ローラ1にトナー残検知バイアスを印加し、供給ローラ2に誘起される電圧を検出する検出器を配置する構成であっても同様な効果を得ることが可能である。
【0035】
ここで、現像剤容器内にはトナーが充分あるにも拘わらず、印字率の高いプリントを行ったときや、その他の要因で、ウレタンスポンジからなる供給ローラ内に含まれるトナー量が一時的に急激に減少してしまう場合がある。このときに、次に説明するようなトナー補充制御のない構成の場合には、現像剤残量測定装置はトナーなしを誤検知してしまうことがある。特に、現像剤容器内のトナーが少なくなった場合に誤検知を招く頻度が多くなる恐れがあった。このような誤検知を解消するために、本実施例では現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転させる。これにより、静電的な吸引作用を用いて供給ローラ2にトナーを補充する。即ち、供給ローラ内にトナーを補充するためのトナー補充制御を行う。このことによって、供給ローラ内のトナー量を安定させ、現像剤容器内の画像形成に使用可能なトナー有無を精度良く検出することができる。このトナー補充制御においても、画像形成中に行った場合、濃度薄といった画像安定性を阻害することが懸念されることから、画像形成以外の時に現像剤測定装置を動作させる。例えば、画像形成前後の前回転や後回転に行うことができる。本実施例では、画像形成終了後の後回転中に、現像装置を第2の位置(離間位置)に移動し、電源70bから上述の直流バイアスを供給ローラ2に印加し、供給ローラ2と現像ローラ1を回転させる。本実施例では、現像剤残量測定装置の測定結果に応じて、上記のトナー補充制御を行うかを決定する。
【0036】
本実施例では、上記のトナー補充制御を次のように実行させている。即ち、ドラム11と現像ローラ1を離間させた状態において、電源69aから現像ローラ1に対する印加電圧を0V、電源70bから供給ローラ2に対する印加電圧を+500V印加する。そして、画像形成中と同様に、現像ローラ1は回転速度130(rpm)で、供給ローラ2は回転速度100(rpm)で回転駆動する。この回転駆動を10秒行い、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動を停止する。また、電源69aと電源70bによる現像ローラ1と供給ローラ2に対するバイアス印加を停止することで、トナー補充制御を終了させる。
【0037】
本実施例においては、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動手段56、電源70、駆動手段56と電源70を制御するコントローラ部52、が供給ローラ2にトナーを補充する補充手段である。即ち、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転することで、供給ローラ2に現像剤を補充する補充手段である。
【0038】
図8のフローチャートを参照して、本実施例におけるトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図8は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。コントローラ部52は、現像剤残量測定装置100の現像剤残量測定値が所定値に達した場合に、次の制御を実行する。即ち、現像ローラ1の電位から供給ローラ2の電位を引いた値がトナーの正規帯電極性と同極性を持つように、電圧印加手段70によって現像ローラ1と供給ローラ2との間に直流バイアスを印加する。そして、該直流バイアスを印加しながら、供給ローラ2を回転させる動作(トナー補充制御)を実行させる。そして、この動作の後に現像剤残量測定装置100によって再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴としている。本実施例では、コントローラ部52のROM(記憶手段)54は、画像形成装置がトナー補充制御を行った回数mを計数し、記憶することができる。この回数がある値に達するまでトナー補充制御を行うことで、実際に現像剤容器内の使用可能なトナーを全て使い切った時に、使用者に現像剤容器内のトナーなしを正しく報知することが可能になるのである。図8のフローチャートにおいて、スタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後の後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、現像剤残量測定装置100によるトナー残量検知を行う。そして、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S4)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S5)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEwを下回った場合、現像装置4が第2の位置を維持した状態で、トナー補充制御を実行する(S6)。即ち、電源69aから現像ローラ1に対する印加電圧を0V、電源70bから供給ローラ2に対する印加電圧を+500V印加する。そして、画像形成中と同様に、現像ローラ1は回転速度130(rpm)で、供給ローラ2は回転速度100(rpm)で回転駆動する。この回転駆動を10秒行い、現像ローラ1と供給ローラ2の駆動を停止する。また、電源69aと電源70bによる現像ローラ1と供給ローラ2に対するバイアス印加を停止することで、トナー補充制御を終了させる。次に、トナー補充制御を実行した回数mと閾値aを比較する(S7)。mがaより小さい場合、再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S5)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、上記のトナー補充制御を実行する(S6)。以上のサイクルを繰り返し、mがaより大きくなった場合、不図示の画像形成装置10やホスト装置51の表示部等の表示装置にて、使用者に現像剤容器内のトナー無しを報知し警告を促す(S10)。本実施例では、mを3回とした。
【0039】
このような構成により、現像剤容器内のトナー有無を精度良く検知することができる。即ち、様々な使用状況においても現像剤容器内の画像形成を可能とするトナーの有無を精度良く検知することが可能な画像形成装置を提供することができる。トナー補充制御時に電源70bから供給ローラ2に印加する直流バイアスは、使用環境(温度・湿度)に応じて変化させることも可能である。また、現像ローラ1と供給ローラ2の回転速度や回転時間も、任意に設定することが可能である。更には、トナー補充制御は、現像装置4を第2の位置で行ったが、第1の位置で行うことも可能である。そのとき、画像形成以外のタイミングにすることが必要となる。なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0040】
[実施例2]
次に、本発明に係る画像形成装置の第2の実施例について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。本実施例では、現像剤残量測定装置100の前回測定時の結果を記憶する記憶手段を画像形成装置が有する。図1の(a)においてコントローラ部52のROM54がその記憶手段である。この記憶手段54によって、前回と今回の測定結果を比較することが可能になる。前回は、トナー残量が多かったにも関わらず、今回の測定結果が急激に変化した際に対応することが可能になる。例えば、高印字プリントをした場合、現像剤容器内にトナーが残っているにも関わらず、供給ローラ内のトナーが急激に減った為、現像剤残量測定装置の測定結果は実際よりも少ないトナー残量を表示する可能性がある。そこで、供給ローラ内のトナーを補充することで、現像剤測定装置が実際に現像剤容器内に残っているトナー残量の有無を精度良く測定することが可能になる。
【0041】
以下に図9のフローチャートを参照して、本実施例におけるトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図9は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。即ち、現像剤残量測定装置100の前回測定の現像剤残量測定値から今回測定の現像剤残量測定値を差し引いた値が所定値を上回った場合に、前記のトナー補充制御を実行させる。そして、この動作の後に現像剤残量測定装置100によって再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴としている。図9のフローチャートにおいて、現在の現像剤残量w0を記憶したままでスタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後に後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、現像剤残量測定装置100によるトナー残量検知を行う。そして、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S4)、前回のトナー残量をw0に更新する。まず、トナー変化量W−W0と供給ローラ内のトナー残量が急激に変化しているかを判断する閾値Erと比較を行う(S5)。W−W0がErより小さい場合、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S6)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。WがEwを下回った場合、現像装置4が第2の位置を維持した状態で、実施例1と同様の方法によりトナー補充制御を実行する(S7)。再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S9)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S10)。今度は、W―W0がErより大きい場合、上記のトナー補充制御を実行する(S7)。再度トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w2に更新し(S8)、トナー残量Wと現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ewと比較を行う(S9)。WがEwより大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へ移行する(S1)。また、WがEw以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S10)。
【0042】
なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例では、現像剤残量測定装置の前回測定時の結果を記憶する手段を画像形成装置にもたせたが、この記憶手段は、少なくとも現像装置を内含し、画像形成装置に着脱可能としたプロセスカートリッジに持たせても良い。この記憶手段を設けることで、使用者に対して、トナーの残り量を提示することが可能となる。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0043】
[実施例3]
次に、本発明に係る画像形成装置の第3の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。本実施形態では、このトナー残量の警告を段階的に行う。警告を行う基準として、トナー残量レベル1は、プリントした文字がかすれる恐れがあるが、本発明のトナー補充制御を行うことで、文字がかすれる恐れがなくなるトナー残量とする。トナー残量レベル2ではトナー補充をおこなっても文字がかすれるため画像形成を続行不能なトナー残量(トナーなしと判断する残量)とする。
【0044】
以下に図10のフローチャートを参照して、本実施例のトナー補充制御を用いたトナー残量検知システムの動作を詳しく説明する。図10は、図1の(a)に示される画像形成装置の動作のフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、現在(前回測定)の現像剤残量Wを記憶したままでスタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。ここで、現在のトナー残量Wと現像剤容器内のトナー残量レベル2を判断する閾値Ew2との比較を行う(S3)。WがEw2より小さい場合、使用者に現像剤容器内のトナー残量レベル2を警告する(S4)。WがEw2より大きい場合、現在のトナー残量Wと現像剤容器内のトナー残量レベル1を判断する閾値Ew1と比較を行う(S5)。WがEw1より大きい場合、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、ドラム11への静電潜像の作像を行う(S6)。画像形成終了後に後回転で現像装置を第1の位置から第2の位置に移動し、トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S7)、スタンバイ状態へ移行する(S1)。WがEw1を下回った場合、使用者に現像剤容器内のトナー残量レベル1を警告し(S8)、トナー補充制御を実行する(S9)。その後、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、感光ドラム11への静電潜像の作像を行う(S6)。画像形成終了後に後回転を実施し、トナー残量検知を行い、トナー残量Wを測定結果w1に更新し(S7)、スタンバイ状態へ移行する(S1)。このような構成により、従来文字がかすれてしまうようなトナー残量であっても、文字がかすれなくすることが可能となる状態を作り出し、トナー容器内のトナーを最大限使用した上でトナーなしを判断することが可能となる。本実施例ではトナー残量レベルを上記の2つとしたが、適宜トナー残量レベルを設定することで、使用者のプリントしたい画像に応じて、カートリッジの交換が可能となる。
【0045】
なお、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
[実施例4]
次に、本発明に係る画像形成装置の第4の実施例について説明する。以下の説明において、上述した実施例1と同様の部分については、その説明を省略する。第1の測定手段としての第1の現像剤残量測定装置と、第2の測定手段としての第2の現像剤残量測定装置の2つの現像剤残量測定装置をもつ。本実施例では、図11のように、現像装置4に第1の現像剤残量測定装置101として光学式現像剤残量測定装置を具備させている。この光学式現像剤残量測定装置101は、現像剤容器3内のトナーTを攪拌部材6により攪拌した際にレーザーを照射し、透過した光量を測定することでトナー残量を測定する装置である。この測定装置101による検知情報がコントローラ部52に入力する。また、実施例1と同様の構成の、静電容量の変化を利用した現像剤残量測定装置100を第2の現像剤残量測定装置として具備している。そして、本実施例においては、第1の現像剤残量測定装置101による現像剤残量測定値が閾値を下回った場合に、トナー補充制御を実行させる。そして、その後に第2の現像剤残量測定装置100による現像剤残量測定を実行させる制御モードを有することを特徴とする。
【0046】
図12のフローチャートにおいて、スタンバイ状態(S1)にある画像形成装置10のコントローラ部52にプリント信号が入力される(S2)。この信号入力に基づいて、画像形成装置10は画像形成動作を開始し、適宜タイミングで現像ローラ1の回転、ドラム11への静電潜像の作像を行う(S3)。画像形成終了後に第1の現像剤残量測定装置101を動作し、画像形成装置が有する第1の現像剤残量記憶手段(不図示:第1の現像剤残量測定装置の現像剤残量測定結果を記憶する第1の現像剤残量記憶手段)のトナー残量W1を測定結果w1に更新する(S4)。そして、トナー残量W1と現像剤容器内のトナーが少なくなっていることを判断する閾値Ew1と比較を行う(S5)。W1がEw1より大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へと移行する(S1)。また、W1がEw1を下回った場合、トナー補充制御を実行する(S6)。次に、静電容量による第2の現像剤残量測定装置100を動作し、画像形成装置が有する第2の現像剤残量記憶手段(不図示)のトナー残量W2を測定結果w2に更新する(S7)。第2の現像剤残量記憶手段は、第2の現像剤残量測定装置の現像剤残量測定結果を記憶する。そして、トナー残量W2と現像剤容器内のトナー無しを判断する閾値Ew2と比較を行う(S8)。W2がEw2より大きい場合、プリントを終了させ、スタンバイ状態へと移行する(S1)。また、W2がEw2以下の場合、使用者に現像剤容器内のトナー無しを警告する(S9)。
【0047】
このような構成により、現像剤容器内のトナー無しを精度良く検知することができる。本実施例では、第1の現像剤残量測定装置101として、トナーを攪拌した際にレーザーを照射し、透過した光量を測定することでトナー残量を測定する光学式現像剤残量測定装置で説明をした。しかし、第1の現像剤残量測定装置101は、光学式現像剤残量測定装置に限るものではない。例えば、第1の現像剤残量測定装置101としては、ドラム上に作像された画像ドット数を計数することで、トナー残量を測定する画像ドット式現像剤残量測定装置(画像ドット数を用いた現像剤残量測定装置)を用いることができる。また、第1の現像剤残量測定装置101としては、現像剤容器内に金属のアンテナを設け静電容量を測定することでトナー残量を測定するアンテナ式現像剤残量測定装置(アンテナを用いた静電容量測定装置)を用いることができる。この他の方式においても、現像剤残量を測定する手段において、閾値を設定し、トナー補充制御を行うことができれば、より精度良く現像剤容器内のトナー無し状態をユーザーに示すことが可能となる。本実施例では、第1の現像剤残量記憶手段と第2の現像剤残量記憶手段を画像形成装置にもたせたが、この記憶手段は少なくとも現像装置を内含し、画像形成装置に着脱可能としたプロセスカートリッジに持たせても良い。また、本実施例では、上述のように静電容量からトナー残量を測定し、トナー残量にもとづいてトナー補充制御を実行しているが、トナー残量自体を測定することは必須ではない。すなわち静電容量の検知によってトナー残量を測定することが可能であるため、静電容量自体をパラメータとしてトナー補充制御を実行することも本発明に含まれる。また、本実施例では接触現像を採用しているが、本発明は接触現像に限るものではなく、トナー供給ローラを用いた非磁性ジャンピング現像方式などを用いた画像形成装置においても有効である。また、本実施例と同様の形態のプロセスカートリッジを複数並べてフルカラー画像を得られるようにした画像形成装置に関しても同様に有効である。
【0048】
なお、画像形成装置は実施例1乃至4のプロセスカートリッジ着脱方式の画像形成装置に限られるものではない。図13のように、現像装置4を現像カートリッジとして装置本体10Aに対して着脱交換可能な構成にした画像形成装置10とすることもできる。この場合も、実施例1乃至4の画像形成装置と同様の、現像装置揺動構成、現像剤残量測定装置構成により現像装置4の現像剤残量、現像剤の有無を精度良く検知することが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1・・現像剤担持体、2・・現像剤供給部材、11・・像担持体、T・・現像剤
、3・・現像剤容器、31・・開口部、4・・現像装置、51・・コントローラ部(制御手段)、54・・現像剤残量記憶手段、70・・電圧印加手段、100・・現像剤残量測定装置(第2)、101・・現像剤残量測定装置(第1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、
前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤容器内の現像剤残量を測定可能な測定手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記現像剤残量が閾値を下回った場合に前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御モードは、前回測定した現像剤残量から今回測定した現像剤残量を差し引いた値が所定値を上回った場合にも前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項3】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、
前記現像剤容器内の現像剤残量を測定する第1の測定手段と、
前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤残量を測定可能な第2の測定手段と、
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、
前記第1の測定手段により測定された前記現像剤残量が閾値を下回った場合に、前記補充手段による補充を行い、該補充の後に前記第2の測定手段により前記現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、
前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤容器内の現像剤残量を測定可能な測定手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記現像剤残量が閾値を下回った場合に前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御モードは、前回測定した現像剤残量から今回測定した現像剤残量を差し引いた値が所定値を上回った場合にも前記補充手段による補充を行い、該補充の後に再度現像剤残量を測定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項3】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に現像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像装置であって、現像剤を収容する現像剤容器、表面に発泡層を有し、前記現像剤を担持して前記像担持体に供給する回転可能な現像剤担持体、前記現像剤担持体に接触して設けられ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給部材、を備えた現像装置と、
前記現像剤容器内の現像剤残量を測定する第1の測定手段と、
前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間の静電容量を検知することで前記現像剤残量を測定可能な第2の測定手段と、
前記現像剤担持体の電位から前記現像剤供給部材の電位を引いた値が前記現像剤の正規帯電極性と同極性を持つように、前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との間に直流バイアスを印加しながら、前記現像剤供給部材を回転することで、前記現像剤供給部材に現像剤を補充する補充手段と、
前記第1の測定手段により測定された前記現像剤残量が閾値を下回った場合に、前記補充手段による補充を行い、該補充の後に前記第2の測定手段により前記現像剤残量を測定する制御モードを有することを特徴とする画像形成装置。
【図2】
【図4】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
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【図6】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−81222(P2011−81222A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234005(P2009−234005)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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