説明

画像形成装置

【課題】 装置本体のカートリッジドアにスキャナとカートリッジ付勢部材が取り付けられる構成において、
露光に影響を与えることなしにカートリッジの付勢を行うこと。
【解決手段】 スキャナをカートリッジドアに弾性部材を介して取り付け、その弾性部材による付勢力を用いて、中間転写体や感光体を支持する装置本体に着脱可能なフレームに対してスキャナの位置決めを行う構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジを装置本体に取り外し可能に装着して、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。また、記録媒体とは、電子写真画像形成装置によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHTシート等が含まれる。
【背景技術】
【0003】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置(電子写真画像形成装置)において、プロセスカートリッジ方式のものが知られている。プロセスカートリッジ方式とは、感光体ドラム(電子写真感光体ドラム)と、この感光体ドラムに作用する現像ローラ、及び画像形成に用いるトナーを収容した現像ユニットと、を一体化したプロセスカートリッジを装置本体に着脱可能にしたものである。プロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずユーザー自身で行うことができる。そのため、プロセスカートリッジ方式は電子写真画像形成装置に広く用いられる。また上述のプロスセスカートリッジ方式以外にも、カートリッジ方式の種類は様々存在する。例えば、現像ローラとトナーを収容した現像カートリッジ方式や、トナーのみを収容したトナーカートリッジ方式などがある。それらの中から、装置構成、コスト等を考慮して最適な方式を選択している。
【0004】
従来の電子写真画像形成装置において、露光手段であるスキャナユニットを、複数のカートリッジを着脱する為の開口を開閉する蓋部材に取り付ける構成の開示がある。(特許文献1)この構成では、カートリッジの着脱のために蓋部材が開かれたときに、スキャナユニットが退避し、カートリッジの着脱操作性を向上させることができる。
【0005】
特許文献1には、カラー画像形成可能な画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、複数のカートリッジが上下斜め方向に沿って隣接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−259335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術を更に発展させたものである。
本発明の目的は、露光手段の、露光の対象である感光体に対する位置決めを高精度に行うことを可能とすることにより高品質の画像を形成できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、複数の電子写真感光体ドラムと、前記複数の電子写真感光体ドラムに静電潜像を形成するための露光手段と、前記静電潜像を現像する為の着脱可能な複数のカートリッジと、を有する電子写真画像形成装置であって、前記複数の電子写真感光体ドラムを回転可能に支持し且つ前記複数の電子写真感光体ドラムの各々に対向する位置に前記複数のカートリッジを着脱可能に支持する支持枠体と、前記複数のカートリッジを着脱するために、前記電子写真画像形成装置の本体に設けられた開口部と、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記開口部を開放する開放位置とをとることが可能であり前記閉鎖位置に位置するときに前記複数のカートリッジを前記電子写真感光体ドラムに向けて付勢する付勢手段を有する蓋部材と、
を有し、前記支持枠体は、前記電子写真画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されており、前記露光手段は、弾性部材を介して前記蓋部材に対して移動可能に取り付けられており、前記蓋部材が前記閉鎖位置に位置するときに、前記支持枠体に係合することによって、前記支持枠体に対して直接位置決めを可能にする係合部を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。
【0009】
または、
中間転写体と、電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する為の現像手段とを有し電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な複数のカートリッジと、前記複数のカートリッジに設けられた電子写真感光体ドラムに静電潜像を形成するための露光手段と、を有する電子写真画像形成装置であって、前記中間転写体を回転可能に支持し、且つ、前記中間転写体に対向する位置に前記複数のカートリッジを着脱可能に支持する支持枠体と、前記複数のカートリッジを着脱するために、前記電子写真画像形成装置の本体に設けられた開口部と、前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記開口部を開放する開放位置とをとることが可能であり、前記閉鎖位置に位置するときに前記複数のカートリッジを前記中間転写体に向けて付勢する付勢手段を有する蓋部材と、を有し、前記支持枠体は、前記電子写真画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されており、前記露光手段は、弾性部材を介して前記蓋部材に対して移動可能に取り付けられており、前記蓋部材が前記閉鎖位置に位置するときに、前記支持枠体に係合することによって、前記支持枠体に対して直接位置決めを可能にする係合部を有することを特徴とする電子写真画像形成装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、露光手段の、露光の対象である感光体に対する位置決めを高精度に行うことを可能とすることにより高品質の画像を形成できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)実施例1の画像形成装置の外観斜視図である。(b)実施例1の画像形成装置の縦断左側面図である。
【図2】図1(b)の画像形成ユニット部分の拡大図である。
【図3】(a)1つのカートリッジの右後側斜視図である。(b)1つのカートリッジの左前側斜視図である。
【図4】カバーユニットが開位置にあるときの画像形成装置の縦断左側面図
【図5(a)】画像形成ユニットの左側斜視図である。
【図5(b)】画像形成ユニットの右側斜視図である。
【図5(c)】画像形成ユニットの上面図である。
【図6】(a)カバーユニットを開いた状態の装置本体の左側斜視図である。(b)カバーユニットを開いた状態の装置本体の右側斜視図である。
【図7(a)】画像形成ユニットの着脱について説明する図である。
【図7(b)】画像形成ユニットの着脱について説明する図である。
【図7(c)】画像形成ユニットの着脱について説明する図である。
【図7(d)】画像形成ユニットの着脱について説明する図である。
【図7(e)】画像形成ユニットの着脱について説明する図である。
【図8】メンテナンスボタンの説明図である。
【図9】上蓋ユニットの動作について説明する図である。
【図10】(a)カバーユニットの左後側斜視図である。(b)カバーユニットの右前側斜視図である。
【図11】カバーユニットの左右方向の断面説明図。
【図12】カバーユニットの前後方向の断面説明図。
【図13】スキャナユニットと付勢部材、圧縮バネの位置関係の説明図である。
【図14】スキャナユニットの位置決め突起のスキャナガイドに対する着脱時の挙動の説明図である。
【図15】スキャナユニットの位置決め突起のスキャナガイドに対する着脱時の挙動の説明図である。
【図16】スキャナユニットの画像形成ユニットに対する位置決めの説明図である。
【図17】感光体ドラムと現像手段を有するプロセスカートリッジの画像形成装置に対する着脱の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0013】
《電子写真画像形成装置例の全体的な概略構成》
図1の(a)は本実施例における電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)100の外観斜視図である。(b)は画像形成装置100の縦断左側面図である。画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。
【0014】
即ち、画像形成装置100は、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等の外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力する電気的画像信号に基づいて記録媒体(用紙)Sにフルカラーの画像を形成する。
【0015】
以下の説明において、画像形成装置100に関して、前側(正面側)とは、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19を装置本体100Aの内側から外側へ引き出し操作をする向きである。後側とは、それとは反対側である。上側とは記録媒体Sが排紙される側である。前後方向とは、画像形成装置を後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。長手方向とは電子写真感光体ドラム又は現像ローラの軸線方向である。装置本体100Aとは、カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)、及び画像形成ユニット200を除いた画像形成装置部分である。本実施例の画像形成装置は右側が駆動側であり、左側が非駆動側である。
【0016】
画像形成装置100は載置台・机・床等のほぼ水平な設置面Fに載置されている。装置本体100A内の中央部には、画像形成ユニット200が配設されている。
【0017】
ここで図2は図1の(b)における画像形成ユニット200部分の拡大図である。ユニット200は、装置本体100Aのメインフレーム110に対して着脱可能なサブフレーム(支持枠体)31を有する。またユニット200は、複数個のカートリッジ、本実施例では第1から第4の4つの現像カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)を取り外し可能に装着するカートリッジ装着部32l(321Y・321M・321C・321K)を備える。また、またユニット200は、単一の中間転写体34を前記サブフレーム31に有する。本実施例においては、各現像カートリッジ33がそれぞれ対応する電子写真感光体ドラム32aは帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cと共にユニット200に取り付けられている。帯電ローラ32bとクリーニングブレード32cはプロセス手段である。画像形成装置100は複数個のカートリッジ33を装置本体100A(ユニット200)に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成する。上記のように画像形成ユニット200を装置本体に対して着脱可能に構成としている。これにより、画像形成ユニット200が有する中間転写体34や感光体ドラム32a、帯電ローラ32bやクリーニングブレード32cなどのプロセス手段が寿命に達した場合などの交換を簡単に行うことができる。ユニット200のより詳しい構成については後述する。本実施例において、各現像カートリッジ33は、収容された現像剤(トナー)の色が異なる上、特に黒色の現像剤を収納している現像カートリッジ33Kは、他の色の現像剤を収納している現像カートリッジ33よりも現像剤収納部33cの容量を大きくしている。但し、これに限定されるものではない。例えば、各現像カートリッジを収容された現像剤(トナー)の色が異なる以外は互いに同様の構成としても良い。また、本実施例では、カートリッジとして現像カートリッジを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施例ではユニット200に取り付けられているドラム(感光体ドラム)32a、帯電ローラ32b、及び、クリーニングブレード32cを、現像カートリッジ33に取り付けても良い。このように構成した場合には、カートリッジは、現像カートリッジではなくプロセスカートリッジと称する。なぜならば、ドラム32aとプロセス手段としての帯電ローラ32b、現像ローラ33b、及び、クリーニングブレード32cを一体的にカートリッジ化して、装置本体100Aに取り外し可能に装着されるからである。
【0018】
(感光体ドラム)
各感光体ドラム32aは、画像形成ユニット200のサブフレーム31に固定される。また前記サブフレーム31にはドラム32aに作用するプロセス手段としての、帯電ローラ32bと、ドラム32aの表面に残った現像剤を除去するクリーニングブレード32cが設けられている。そして、ドラム32a、帯電ローラ32b及びクリーニングブレード32cはそれぞれ所定の配置関係となるよう組み付けられている。
【0019】
(カートリッジ)
図2に示すように、各カートリッジ33(33Y・33M・33C・33K)は、現像手段を有する。即ち、ケース33aと、ドラム32aに現像剤を供給する、即ちドラム32aに形成された静電潜像を現像剤画像として現像するため現像ローラ33bを有する。また、カートリッジ33は、静電潜像の現像に用いられる現像剤を収納する現像剤収納部33cと、現像ローラ33bに現像剤収納部33cの現像剤を供給する供給ローラ33dを有する。また、現像剤収納部33cには内部の現像剤を供給ローラ33dに搬送する為の搬送部材33fが設けられている。第1のカートリッジ33Yは、現像剤収納部33cにイエロー(Y)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にY色現像剤画像を形成する。第2のカートリッジ33Mは、現像剤収納部33cにマゼンタ(M)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にM色現像剤画像を形成する。第3のカートリッジ33Cは、現像剤収納部33cにシアン(C)色の現像剤が収納されていて、対応するドラム32aの面にC色現像剤画像を形成する。第4のカートリッジ33Kは、現像剤収納部33cにブラック(K)色の現像剤を収納されていて、対応するドラム32aの面にK色現像剤画像を形成する。
【0020】
図3の(a)はカートリッジ33Yを右後側から見た斜視図、(b)は左前側から見た斜視図である。各カートリッジ33の説明を、このカートリッジ33Yを例にとって説明する。カートリッジ33Yはユニット200の装着部32lYに対して矢印X10の方向に装着される。また、カートリッジ33Yは、矢印X10とは逆の矢印X11の方向にユニット200の装着部32lYから取り外される。
【0021】
カートリッジ33Yは装着方向の先端側に現像ローラ33bを有する。現像ローラ33bの右端側にはギア50が設けられていて、ドラムギア32a1(図5(a))より駆動力を受け、現像ローラ33bを回転させる。ギア50は更にギア列(不図示)を介して、供給ローラ33d、搬送部材33eに駆動を伝えている。
【0022】
カートリッジ33Yの右端側と左端側には、それぞれ、カートリッジ33Yがユニット200に装着される際にユニット200にガイドされるための被ガイド部33e1・33e2、33e3・33e4が設けられている。被ガイド部33e1・33e2、33e3・33e4は、それぞれ、円柱形状であり、カートリッジ33Yの右端側の外側と左端側の外側に突出している。
【0023】
またカートリッジ33Yの現像ローラ33b側とは反対側には、カートリッジ33Yを把持する為の把持部39(図2参照)が設けられている。使用者は把持部39を把持することでユニット200に対するカートリッジ33Yの着脱を行うことができる。また、他のカートリッジ33M・33C・33Kに関しても、把持部39を有しており、それぞれの把持部39を把持することでユニット200に対する着脱を行うことができる。
【0024】
中間転写体34は、図5に示すように本実施例においては、回転中心34aの軸線を左右方向にし、その軸線を中心にして回転可能に水平に配設された円柱状のドラムである。各カートリッジ33は、中間転写体34の前面側において、装置本体100Aの設置面Fに対してほぼ水平の姿勢で、かつ上から下に順に垂直方向に隣接して並べられて配列されている。本実施例の画像形成装置においては、第1のカートリッジ33Yが最上段であり、第2のカートリッジ33Mがその下に位置している。第3のカートリッジ33Cが更にその下に位置している。そして、第4のカートリッジ33Kが最下段である。各カートリッジ33の現像ローラ33bは、接触現像方式として、ドラム32aに対して当接していてもよいし、非接触現像方式として、ドラム32aに対して所定の僅少な間隙(一定距離)を存して離間していても良い。
【0025】
(カートリッジの付勢)
装置本体100Aは、ユニット200が画像形成位置に位置している状態において、各カートリッジ33を対応する感光体ユニット32に向かって付勢するカートリッジ付勢部材51a〜51dを有している(図4、図6)。付勢部材51a〜51dは、カートリッジ33の長手方向(左右方向)で両端部に設けられていて、カートリッジ33毎に2個ずつ設けられている。付勢部材51a〜51dは、カバーユニット10に設けられていて、カバーユニット10を締める動作に連動して各カートリッジ33の後端部に順次当接していく。図1の(b)のように、ユニット200が画像形成位置に位置すると、カートリッジ33は付勢部材51a〜51dにより矢印P(PY、PM,PC,PK)の方向に付勢される。
【0026】
そしてカートリッジ33が収容する現像ローラ33bは、その両端部に設けられた規制コロ(不図示)をドラム32aに当接させることで、ドラム32aに対して一定の付勢力で当接する。付勢部材51a〜51dによる付勢力は、現像ローラ33bとドラム32a間の当接状態(或は離間状態)を良好に維持する。
【0027】
(スキャナユニット)
図1(b)に示すように、各カートリッジ33の前面側(前方部)には、露光手段としてのスキャナユニット11が配設されている。スキャナユニット11は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有する。そして、スキャナユニット11は、外部ホスト装置400から制御回路部300へ入力するY・M・C・Kの各色の画像情報に対応して変調したレーザービームL(LY・LM・LC・LK)を出力して対応色のカートリッジ33におけるドラム32aを走査露光する。
【0028】
ここで、スキャナユニット11は、各カートリッジを着脱する為の開口100Bを開閉するための蓋部材であるカバーユニット10に取り付けられている。
【0029】
本実施例におけるスキャナユニット11の取り付けや位置決めについての詳細は後述する事とする。
【0030】
(記録媒体搬送機構)
画像形成ユニット200の下方部には、図1(b)に示すように、給送ユニット18が配設されている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納する給送カセット19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。給送カセット19は装置本体100Aの前側から出し入れ(着脱)自由である(フロントローデング)。また、装置本体100A内において、中間転写体34と、装置本体100Aの後側フレーム110bとの間には、給送ローラ20から装置本体100A内の後側の上部に至る記録媒体搬送路が形成されている。そして、この搬送路を下から上に沿って、レジストローラ対18a、二次転写ローラ22、定着装置23、排出ローラ対24が配設されている。定着装置23は定着フィルムユニット23aと加圧ローラ23bを有するものを用いている。排出ローラ対24は排出ローラ24aと排出コロ24bである。装置本体100Aの上面には画像形成済みの記録媒体Sを受ける排出トレイ100cが配設されている。
【0031】
カバーユニット10は装置本体100Aの前面に設けられた開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。カバーユニット10にはスキャナユニット11が取り付けられている。開口部100Bは、後述するようにユニット200に対してカートリッジ33を着脱するための開口である。従ってスキャナユニット11を保持したカバーユニット10を開放位置に持っていくことによりカートリッジ33の着脱を可能にしている。
【0032】
図1の(b)は画像形成装置100が画像形成動作可能となっている状態を示している。
【0033】
この状態において、カバーユニット10は開口部100Bを閉じる閉鎖位置に閉じ込まれている。ユニット200は、各カートリッジ33が装着されていて、装置本体に対して画像形成を行う画像形成位置に位置している。ユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34b(図5(c))には装置本体100A側に設けられた駆動出力部(不図示)が連結している。また、ドラム32aや帯電ローラ32bとカートリッジ33の電気接点(不図示)に対して装置本体100A側に設けられた給電系統(不図示)が導通化している。ここで、前述した駆動系及びバイアス印加系については、煩雑をさけるために図には省略したが、通常の画像形成装置の場合と同様の構成を採用することができる。
【0034】
図1(b)、図2を参照して、フルカラー画像を形成するための動作について説明する。
【0035】
各ドラム32aが矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ32bはドラム32aが回転駆動されることで従動して回転する。また、中間転写体34も矢印の時計方向(ドラム32aの回転に順方向)で、ドラム32aの速度に対応した速度で回転駆動される。また、現像ローラ33bと供給ローラ33dがそれぞれ矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。スキャナユニット11も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで各帯電ローラ32bに対して所定の帯電バイアスが印加される。
【0036】
これにより、各ドラム32aの表面が帯電ローラ32bによって所定の極性・電位に一様に帯電される。スキャナユニット11は各ドラム32aの表面を対応するY・M・C・Kの各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光L(LY・LM・LC・LK)で走査露光する。これにより、各ドラム32aの表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。そして、各ドラム32aの表面に形成された静電潜像が対応するカートリッジ33の現像ローラ33bにより現像剤画像として現像される。各現像ローラ33bには所定の制御タイミングで所定の現像バイアスが印加される。
【0037】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、カートリッジ33Yが対向したドラム32aにはフルカラー画像のY色成分に対応するY色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上に一次転写される。カートリッジ33Mが対向したドラム32aにはフルカラー画像のM色成分に対応するM色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Cが対向したドラム32aにはフルカラー画像のC色成分に対応するC色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色現像剤画像に重畳されて一次転写される。カートリッジ33Kが対向したドラム32aにはフルカラー画像のK色成分に対応するK色現像剤画像が形成される。そして、その現像剤画像が、ドラム32aと中間転写体34との当接部である一次転写ニップ部において、中間転写体34上にすでに転写されているY色+M色+C色現像剤画像に重畳されて一次転写される。かくして、中間転写体34上にはY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤画像が合成形成される。
【0038】
なお、中間転写体34上に順次に重畳転写する現像剤画像の色順は上記の順序に限られるものではない。各ドラム32aにおいて中間転写体34に対する現像剤画像の一次転写後のドラム面に残留した転写残現像剤はクリーニングブレード32cにより除去され、各廃現像剤収納部に溜められる。
【0039】
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ20が駆動される。これにより、給送ローラ20と分離パッド21との協働で、給送カセット19内に積載収納されているシート状の記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。そして、その記録媒体Sがレジストローラ対18aにより所定の制御タイミングで、中間転写体34と二次転写ローラ22との当接部である二次転写ニップ部に導入される。二次転写ローラ22には現像剤の帯電極性とは逆極性で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、記録媒体Sが二次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で中間転写体34上の4色重畳の現像剤画像が記録媒体Sの面に二次転写される。二次転写ニップ部を通過した記録媒体Sは中間転写体34の面から分離されて定着装置23へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色の現像剤画像の混色及び記録媒体Sへの定着がなされる。そして、記録媒体Sは定着装置23を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対24により排出トレイ100c上に排出される。中間転写体34からの記録媒体Sの分離後に中間転写体34の表面に残留した二次転写残トナーは除去される。本実施例の場合は、ドラム32aと中間転写体34との一次転写ニップ部においてドラム32aの表面に静電的に付着して、クリーニングブレード32cにて除去される。
【0040】
上述したように、中間転写体34はドラム形状の回転体である。中間転写体34には各ドラム32aに形成された、異なった色の現像剤画像が重ねて転写される。そして、中間転写体34は、重ねて転写された現像剤画像を一括して記録媒体Sに転写する。これによって記録媒体Sにカラー画像が形成される。
【0041】
モノクロ画像を形成する場合は、中間転写体34にはカートリッジ33Kが対向したドラム32aに形成されたK色現像剤画像が転写される。そして、中間転写体34は、転写されたK色現像剤画像を記録媒体Sに転写することにより記録媒体SにK色画像が形成される。
【0042】
二次転写ローラ22は、本実施例においては、シフト機構(不図示)により、中間転写体34に当接して二次転写ニップ部を形成する第1位置と、中間転写体34から非接触に離れた第2位置とに移動可能である。そして、二次転写ローラ22は画像形成装置100の画像形成動作時には第1位置に移動され、非画像形成時には第2位置に移動される。二次転写ローラ22を中間転写体34に対して常時当接させる構成にすることもできる。
【0043】
《画像形成ユニット》
図5を参照して画像形成ユニット200の構成を説明する。
(a)はユニット200を左側から見た斜視図、(b)は右側から見た斜視図、(c)は上面図である。
【0044】
ユニット200は、装置本体100Aのメインフレーム110に対して着脱可能なサブフレーム31を有する。サブフレーム31は、円筒の基体の周面に弾性体を被覆された中間転写体34を回転可能に支持する。中間転写体34はこのサブフレーム31の左側板31Lと右側板31Rとの間に中心軸(回転中心)34aの左端部と右端部が回転可能に軸受されて支持されている。中間転写体34の右端側には、各ドラム32aに駆動力を伝えるギア34bが設けられていて、装置本体駆動源(不図示)より伝達された駆動力をドラムギア32a1に伝達する。中間転写体34の周囲には、各ドラム32aが中間転写体34に当接した状態で配置されている。ドラム32aの各々は位置決め構成(不図示)によりサブフレーム31に対して位置決めされてドラムの軸線を中心として回転可能に取り付けられている。これにより、ドラム32aと中間転写体34は高精度にお互いの位置決めをすることができる。また、各ドラム32aは中間転写体34に対して所定の押圧力で当接している。
【0045】
左側板31Lと右側板31Rの外面側には、それぞれ、中間転写体34の中心軸34aと同軸に、左軸部45Lと右軸部45Rが側板31L・31Rに対して一体に固定されて配設されている。また、サブフレーム31の右側板31Rには、装置本体100A内でのユニット200の傾き規制を行う被規制部31lが設けられている。この被規制部31lは右軸部45Rに比べ、図5(c)に示すように、サブフレーム側面からの突出量が小さくなっている。
【0046】
ユニット200は、左軸部45L、右軸部45R、被規制部31lによって、装置本体内100Aに位置決めされる。詳細は後述する。中間転写体34の装置本体100A内での位置決め部である左軸部45Lと右軸部45R、及び傾き被規制部31lを、同一の部材であるサブフレーム31に設けたことにより、中間転写体34の装置本体100A内での位置が高精度に決まる。先述したように、サブフレーム31には、カートリッジ33を取り外し可能に装着する為のカートリッジ装着部32lが設けられている。各装着部の機能に関しては後述する。
【0047】
(画像形成ユニット装着部)
図6に示すように、装置本体100Aの左側フレーム110Lの内側と右側フレーム110Rの内側には、各々対向した状態で左側ガイド80Lと右側ガイド80Rが設けられている。このガイド80L・80Rは、それぞれ、サブフレーム31の左右の軸部45L・45Rを回転可能に軸受して支持する位置決め部80aと、軸部45L・45Rを位置決め部80aへガイドするガイド部80bを備えている。また右側ガイド80Rには、長手方向内側に略水平面まで落ち込んだ傾き規制部80cが設けられていて、先述のユニット200に設けられた傾き被規制部31lが当接し、ユニット200の回転規制を行う。
【0048】
また装置本体の上部は、図6に示すように、上蓋ユニット301として、装置本体に開閉可能に設けられている。
【0049】
(画像形成ユニットの装着)
続いて、ユニット200の装置本体100A内への装着に関して図7(a)〜図7(e)および図8を用いて説明する。図7(a)〜図7(e)は右側ガイド80Rの位置で縦断した縦断右側面図、図8は図1(b)の2点鎖線部Wの拡大図である。
【0050】
カバーユニット10は下端側が装置本体100Aに対してヒンジ軸10aを介して回動可能に連結されており、装置本体100Aの側面の開口部100Bを閉じる閉鎖位置(図1の(b))と、開口部100Bを開放する開放位置(図7)と、を取り得る。即ち、カバーユニット10はヒンジ軸10aを中心に装置本体100Aの前方において回動可能に支持されて開口部100Bを開閉可能な開閉部材である。カバーユニット10の閉鎖位置は、図8に示す、装置本体100Aの前面に配設されたメンテナンスボタン136側に設けられている係止爪部136aとカバーユニット10側に設けられている係止爪部10bとの係合(ラッチ係合)により維持されている。係止爪部136aが本体側係止部、係止爪部10bが開閉部材側係止部である。カバーユニット10の閉鎖解除はボタン136を押すことでなされる。ボタン136を戻しバネ(不図示)に抗して後方に押すと、ボタン136側の係止爪部136aが2点鎖線示のようにカバーユニット10の係止爪部10bから後方に逃げてラッチ係合が外れる。これにより、カバーユニット10を、ヒンジ軸10aを中心に開放位置に回動させて、開口部100Bを大きく開放することができる。本実施例では、係止爪部136aと係止爪部10bとが弾性的に、解除可能に係止している。しかしながら、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、一方に設けられている穴(係止部)に他方に設けられている爪(係止部)が弾性的に、解除可能に係止していても良い。
【0051】
また装置本体の上部は、図9に示すように、上蓋ユニット301として、装置本体に対してヒンジ軸301aを介して回動可能に連結されている。そして、上蓋ユニット301は、装置本体100Aの上面の開口部100Cを閉じる閉鎖位置(図9の(b))と、開口部100Cを開放する開放位置(図9(a))と、を取り得る。この上蓋ユニット301の閉鎖位置もカバーユニット10と同様の係止機構(不図示)によって維持される。
【0052】
ユニット200の装置本体100A内への装着について説明する。
先ず、装置本体は、図7(a)に示すように、上蓋ユニット301とカバーユニット10を開放位置とする。
【0053】
次に、開口部100B及び100Cから画像形成ユニットを装置本体に挿入していく。先ずは、サブフレームの左右の軸部45L・45Rがそれぞれ、装置本体100A側の左右のガイド板80L・80Rに対向して設けられたガイド部80bにかかる(図7(b))。
【0054】
装着を進めていくと右側の軸部45Rは長手方向内側に回転規制部80cが設けられている部位にかかる(図7(c))。しかし右側の軸部45Rはサブフレーム側面からの突出量が大きい為、長手方向外側のガイド部80bにかかるため、そのままガイド部80bに沿って装着が進む。また、傾き被規制部31lがガイド部80bにかかり始める。このとき、画像形成ユニットは上蓋ユニット301とカバーユニット10に干渉することなく装着できる。
【0055】
更に装着を進めていくと、左右の軸部45L・45Rはガイド部80bの延長線上に設けられた位置決め部80aに到達する(図7(d))。一方、傾き被規制部31lは、ガイドの回転規制部80cの部位にくる。傾き被規制部31lはサブフレーム側面からの突出量が小さく、長手外側のガイド部80bにはかからない。そのため画像形成ユニットは、図7(e)の位置まで回転する。
【0056】
この時、中間転写体34の一端側に設けられたギア34b(図5(c))は、装置本体100A内に設けられた駆動ギア(不図示)と連結する。最後に上蓋ユニットを閉じることにより、装着が完了する。上蓋ユニットを閉じると付勢部材である圧縮バネ302がサブフレーム31の上部を付勢し抑えるため、画像形成ユニットは図9(b)の位置で安定的に保持される。
【0057】
ユニット200を取り外す場合は、上述した装着のやり方と逆の手順となる。即ち、上蓋ユニット301を開位置に移動させ、傾き被規制部31lがガイド部80bの天井面に接触する位置にくるまでユニット200を回転させ、ガイド部80bに沿って引き抜くという手順となる。
【0058】
上述した手順によりユニット200を装着した後、4台のカートリッジ33(33Y、33M、33C、33K)をサブフレーム31に設けられた各装着部321(321Y、321M、321C、321K)に装着することとなる。
【0059】
《カバーユニット》
開口部100Bを開閉する蓋部材であるカバーユニット10について図10〜図13を参照して説明する。図10(a)はカバーユニットの左後側斜視図、(b)はカバーユニットの右前側斜視図、図11はカバーユニットの左右方向の断面説明図である。図12はカバーユニットの前後方向の断面説明図である。図13はスキャナユニットと付勢部材、圧縮バネの位置関係の説明図である。
【0060】
本実施例の画像形成装置には開口100Bを開閉するためのカバーユニット10が設けられている。
【0061】
(カートリッジの付勢手段)
カバーユニット10には図10(a)に示すように各現像カートリッジ33を付勢する付勢手段(51a〜51d)が設けられている。
【0062】
この付勢手段は図11(c)に示すようにカートリッジ当接部材511とスプリング512がカバーユニット10の容器10cに設けられている。そしてカバーユニット10を閉めると、前述したように各カートリッジ33に当接しカートリッジをドラム32aの方向に向けて付勢する。この付勢力によりカートリッジ33の現像ローラ33bは所定の加圧力で感光ドラム32aに対して当接している。
【0063】
(スキャナ取り付け構成)
一方、先述したように、カバーユニット10には露光手段であるスキャナユニット11が取り付けられている。
【0064】
スキャナユニット11には、図13に示すように、支持枠体であるサブフレーム31に対する係合部である位置決め突起11a1〜11a3が設けられている。
【0065】
この3つの位置決め突起の内、上側2箇所に位置している位置決め突起11a1、11a2は円筒形状であり、お互いに同軸上に位置している。そしてこの2つの突起には長手位置規制部11b1、11b2がそれぞれ設けられている。またスキャナユニット11の下側にある位置決め突起11a3は図12(a)に示すように、円筒形状を途中で屈曲させた形状となっている。
【0066】
カバーユニット10の容器10cは図11(b)に示すように中空の筐体形状となっており、その中空部にスキャナユニット11は位置している。このように構成することにより、スキャナユニット11の光学部品などに操作者が触ってしまったり、スキャナユニットにカートリッジなどをぶつけてしまったりといったことを回避し、スキャナユニットに起因するトラブルを未然に防ぐことが可能となる。
【0067】
上述した3つの位置決め突起11a1〜11a3は図12に示すようにカバーユニットの容器に設けられた開口10d1〜10d3を通って外側に突出している。
【0068】
ここで、スキャナユニット11とカバーユニット容器10cの内壁の間には弾性部材である圧縮バネ(111、112)が図13に示すように4つ設けられている。これら圧縮バネによってスキャナユニットは矢印E1bとE2rの方向に付勢される。そして先ず、E1b方向については、図11(b)および(c)に示すように、3つの圧縮バネ111により付勢され、3つの位置決め突起11a1〜11a3がカバーユニットの容器の開口10d1〜10d3にそれぞれ当接している。またE2r方向については、図12に示すように、圧縮バネ112によりスキャナユニット11は付勢され、位置決め突起11a1の位置規制部11b1がカバーユニット容器の外壁10c1に当接している。残ったE3方向については、図11(c)に示すように、位置決め突起11a1、11a2が開口10d1、10d2に隙間を持ってラフに規定されているのみである。
【0069】
上述したように、スキャナユニット11はカバーユニット10に対して弾性部材である圧縮バネ111、112を介して取り付けられている。そして、どの方向にも所定以上の力を加えればスキャナユニット11をカバーユニット容器10cに対して動かすことが可能な状態で取り付けられている。
【0070】
《スキャナユニットの位置決め》
次にカバーユニット10を、開口部100Bを閉じる閉鎖位置に位置させたときの、スキャナユニット11の位置決めについて図5および図14〜16を参照して説明する。図14および図15はスキャナユニットの位置決め突起のスキャナガイドに対する着脱時の挙動の説明図、図16はスキャナユニットの画像形成ユニットに対する位置決めの説明図である。
【0071】
(スキャナユニットとサブフレームの構成)
スキャナユニット11は前述したように、カバーユニット10に圧縮バネ111、112を介して取り付けられている。一方、画像形成ユニット200のサブフレーム31には、スキャナユニット11の係合部である位置決め突起に対する被係合部であるスキャナガイド312a、312b、312cが形成されている。
【0072】
スキャナガイド312a、312b、312cは図5に示すように3箇所からなり、それぞれがスキャナユニットの位置決め突起部11a1〜11a3に対応する。
【0073】
スキャナガイド312a、312bは図14に示すように円弧形状312a1、312b1と直線部312a2、312b2、入り口部分に設けられた導入部312a3、312b3を組み合わせた溝形状をしている。直線部312a2、312b2は入り口に近づくほど外側に広がる形状となっている。図14は、左側に設けられたスキャナガイド312aのみが示されているが、右側のスキャナガイド312bについても同様の形状で、円弧形状312b1と直線部312b2と導入部312b3がある。
【0074】
またスキャナガイド312a、312bのサブフレーム内側は、入り口に近づくほど外側に広がる斜面312a4、312b4(図5、図16)となっている。
【0075】
下側のスキャナガイド312cは図5(c)に示すような角溝の角部をR形状とした溝となっている。
【0076】
(カバーユニットの閉鎖動作でのスキャナユニットの挙動)
スキャナユニット11はカバーユニット10に対して弾性部材を介して取り付けられており、ある程度の自由度がある。そのため、カバーユニット10を閉鎖位置に近づけていくと、位置決め突起部11a1、11a2は、図14に示すようにスキャナガイドの導入部312a3、312b3によりスキャナガイドの直線部312a2、312b2に導かれる。図14は、左側に設けられたスキャナガイド312a、位置決め突起部11a1についてのみが示されているが、右側のスキャナガイド312b、位置決め突起部11a2についても同様である。
【0077】
更に閉鎖動作を進め、カバーユニット10が閉鎖位置に到達すると、位置決め突起部11a1、11a2はスキャナガイドの直線部312a2、312b2によってスキャナガイドの位置決め部312a1、312b1に導かれる。このとき、圧縮バネ111の付勢力によって、位置決め突起部11a1、11a2が、図16に示す、スキャナガイドの位置決め部312a1、312b1と同軸になる位置で位置決めされ保たれる。
【0078】
また下側の位置決め突起部11a3は、カバーユニット10を閉鎖位置に近づけていくと、先ず、図15に示すように屈曲部11a3Aがスキャナガイド312cに当接する。そして更に閉動作を進め、カバーユニット10が閉位置に到達すると、位置決め突起部の屈曲部11a3Aがガイドとなり垂直円筒部11a3Bがスキャナガイド312cに当接する。
【0079】
またスキャナユニット11の位置決め突起部の長手位置規制部11b2は閉鎖動作を進めると圧縮バネ112の付勢力に抗いながら長手位置規制部11b2が斜面312b4に沿ってガイドされる。そしてカバーユニットが閉鎖位置に到達すると、図16に示すように、長手位置規制部11b2が内壁312b5に圧縮バネ112によって付勢され、当接した位置となる。
【0080】
(スキャナユニットの位置決め)
上述したように、カバーユニット10が開口部100Bを閉じる閉鎖位置に位置したとき、スキャナユニット11は、図16に示すようにサブフレーム31に対して位置決めがなされることとなる。ここで図16はスキャナユニット11のサブフレーム31に対する位置決め構成を分かりやすく示すため、スキャナユニット11とサブフレーム31のみを図示している。
【0081】
カバーユニット10が閉鎖位置まで来ると、位置決め突起部11a1、11a2はスキャナガイドの位置決め部312a1,312a2に図16(a)に示すようにそれぞれ嵌り込むことにより位置決めがなされる。
【0082】
この状態においては、圧縮バネ111によってスキャナユニット11がE1b方向に付勢されているため位置決め突起11a1、11a2はスキャナガイドの位置決め部312a1,312a2に押し付けられる。
【0083】
そのため、位置決め突起部11a1、11a2とスキャナガイドの位置決め部312a1,312a2が同軸となった位置で位置決め突起部11a1、11a2のE1およびE3方向の位置決めがなされ保たれる。ここでE1およびE3方向において、位置決め突起部11a1、11a2の位置が決まってもそれだけではスキャナユニット11は、位置決め突起部11a1、11a2を中心として回転する方向の自由度があり完全には位置決めされない。そこで、下側の位置決め突起部11a3は図16(b)に示すようにスキャナガイド312cに当接するように構成し、位置決め突起部11a1、11a2を中心として回転する方向の角度が決まるようになっている。
【0084】
上述した位置決め構成により、E1方向およびE3方向において、サブフレーム31に対するスキャナユニット11の位置が決まるようになっている。
【0085】
またE2方向の位置については、圧縮バネ112によって位置決め突起部の位置規制部11b2がサブフレームの内壁312b5に押し当てられることで位置決めされる。
【0086】
このように構成することにより、カバーユニット10を閉じるだけで、スキャナユニット11は、ITDユニット34やドラム32a、現像カートリッジ33を支持しているサブフレーム31に対して位置決めがなされる。上述したように、スキャナユニット11とカバーユニット10の間に介在する圧縮バネ111、112の付勢力を利用して、スキャナユニット11のサブフレーム31に対する位置決めを行っているため、位置決め専用の付勢手段を別途設ける必要が無い。
【0087】
(まとめ)
以上により、画像形成装置100は画像形成動作(プリント動作)可能な状態になっており、画像形成開始信号(プリントスタート信号)に基づいて、前述のような画像形成動作がなされる。即ち、画像形成位置に位置しているユニット200の中間転写体34の駆動入力部であるギア34bに対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が連結している。また、各感光体ドラム32aのドラムギア32a1が上記のギア34bに対して連結している。また、各カートリッジ33の現像ローラ33bのギア50が上記のドラムギア32a1に連結している。
【0088】
また、各感光体ドラム32aと各カートリッジ33の電気接点に対して装置本体側の接点が電気的に接続している。これにより、画像形成装置は画像形成動作可能な状態になっている。
【0089】
本実施例の画像形成装置100は、図1の(b)に示すとおり、設置面Fに対して水平方向にほぼ並んで、スキャナユニット11、カートリッジ33、ドラム32a、中間転写体34、及び、記録媒体Sの搬送路が形成されている。そして、装置100の上方には、排出トレイ100c、及び、装置100の下方には、カセット19が配置されている。そして、スキャナユニット11からのレーザー光L(LY・LM・LC・LK)が装置100の前方からドラム32aに照射される。また、各ドラム32aから中間転写体34に転写された各色の現像剤画像は、中間転写体34を挟んで各ドラム32aが配置されているのとは反対側でもって記録媒体Sに転写される。
【0090】
ここで本実施例では転写体として、ドラム32aから記録媒体Sに間接的に転写するための中間転写体34を例にとって説明した。しかし、直接ドラム32aから記録媒体Sに転写する方式でもよい。この際、転写体34は記録媒体S上にドラム32a上の現像像を直接転写する役目を果たす。また、本実施例では、交換を行うカートリッジが現像カートリッジ33である構成を示した。しかしながら、交換を行うカートリッジがドラム32a、帯電ローラ32b、及び、クリーニングブレード32cと現像手段である現像ローラ33bなどを一体として交換する一体型のプロセスカートリッジ133とする構成も可である。図17は、一体型のプロセスカートリッジ133(133Y・133M・133C・133K)が、装着部に対して矢印X10の方向に装着され、装着部からX11の方向に取り外されることを説明する図である。 即ち、装置本体に着脱可能なカートリッジが、電子写真感光体ドラムと前記電子写真感光体ドラムに形成された静電潜像を現像する為の現像手段とを有する構成としても良い。
【0091】
以上説明したように、本実施例の構成では、
カートリッジ33の付勢はカバーユニット10の容器に取り付けられた付勢手段51により行われている。一方、スキャナユニット11はカバーユニット10の容器に対しては弾性部材である圧縮バネ111、112を介して取り付けられていて、位置決めは支持部材である画像形成ユニットのサブフレーム31に対して行われている。このように、スキャナユニット11が、サブフレーム31に直接位置決めされるような構成になっている。
【0092】
そのため、カートリッジ33を付勢することによりカバーユニット10の容器が若干変形した場合、圧縮バネ111、112の位置がその分変化しスキャナユニット11を付勢する力に影響することが考えられる。しかしながら、若干の位置の変化による付勢力の変化ではスキャナ11の位置に対しては影響が及ばない。
【0093】
よって、カートリッジ33の付勢が露光プロセスに及ぼす悪影響を、スキャナユニット11がカバーユニット10の容器に位置決め固定されている構成に比べて、大きく低減できる。
【0094】
また、スキャナユニット11を、露光対象であるドラム32aと各カートリッジ33、またはドラム32aを有する各カートリッジ、を支持、位置決めしている画像形成ユニットのサブフレーム31に対して直接的に位置決めできるため、高精度の画像と、スキャナユニットのレーザービームLが各カートリッジのケース33aなどに遮られ露光不良となることの確実な防止と、を実現できる。ここで、スキャナユニットがサブフレームに対して直接的に位置決めされるとは、スキャナユニットの一部がサブフレームの一部に当接することにより位置決めがなされることである。
【符号の説明】
【0095】
100 カラー電子写真画像形成装置
100A 装置本体、
200 画像形成ユニット
S 記録媒体
10 カバーユニット
11 スキャナユニット
31 サブフレーム
32a 電子写真感光体ドラム
32l カートリッジ装着部
32c 清掃部材
33(33Y・33M・33C・33K) カートリッジ
34 転写体
39 把持部
51 付勢部材
111、112 圧縮バネ
312 スキャナガイド
11a1〜11a3 位置決め突起
11b1、11b2 長手位置規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子写真感光体と、
前記複数の電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光手段と、
前記静電潜像を現像する為の着脱可能な複数のカートリッジと、
を有する電子写真画像形成装置であって、
前記複数の電子写真感光体を回転可能に支持し、且つ、前記複数の電子写真感光体の各々に対向する位置に前記複数のカートリッジを着脱可能に支持する支持枠体と、
前記複数のカートリッジを着脱するために、前記電子写真画像形成装置の本体に設けられた開口部と、
前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記開口部を開放する開放位置とをとることが可能であり、前記閉鎖位置に位置するときに前記複数のカートリッジを前記電子写真感光体に向けて付勢する付勢手段を有する蓋部材と、
を有し、
前記支持枠体は、前記電子写真画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されており、
前記露光手段は、弾性部材を介して前記蓋部材に対して移動可能に取り付けられており、前記蓋部材が前記閉鎖位置に位置するときに、前記支持枠体に係合することによって、前記支持枠体に対して位置決めを可能にする係合部を有する
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
前記蓋部材は筐体形状であり、前記露光手段は前記筐体形状の内部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記支持枠体は前記露光手段の前記係合部に係合される被係合部を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記露光手段の前記係合部が前記支持枠体の前記被係合部に対して前記弾性部材によって付勢されることにより、前記露光手段の前記支持枠体に対しての位置決めがなされることを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
中間転写体と、
電子写真感光体と前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する為の現像手段とを有し電子写真画像形成装置の装置本体に対して着脱可能な複数のカートリッジと、
前記複数のカートリッジに設けられた電子写真感光体に静電潜像を形成するための露光手段と、
を有する電子写真画像形成装置であって、
前記中間転写体を回転可能に支持し、且つ、前記中間転写体に対向する位置に前記複数のカートリッジを着脱可能に支持する支持枠体と、
前記複数のカートリッジを着脱するために、前記電子写真画像形成装置の本体に設けられた開口部と、
前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記開口部を開放する開放位置とをとることが可能であり、前記閉鎖位置に位置するときに前記複数のカートリッジを前記中間転写体に向けて付勢する付勢手段を有する蓋部材と、
を有し、
前記支持枠体は、前記電子写真画像形成装置の本体に対して着脱可能に構成されており、
前記露光手段は、弾性部材を介して前記蓋部材に対して移動可能に取り付けられており、前記蓋部材が前記閉鎖位置に位置するときに、前記支持枠体に係合することによって、前記支持枠体に対して位置決めを可能にする係合部を有する
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記蓋部材は筐体形状であり、前記露光手段は前記筐体形状の内部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記支持枠体は前記露光手段の前記係合部に係合される被係合部を有する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記露光手段の前記係合部が前記支持枠体の前記被係合部に対して前記弾性部材によって付勢されることにより、前記露光手段の前記支持枠体に対しての位置決めがなされることを特徴とする請求項7に記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5(a)】
image rotate

【図5(b)】
image rotate

【図5(c)】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7(a)】
image rotate

【図7(b)】
image rotate

【図7(c)】
image rotate

【図7(d)】
image rotate

【図7(e)】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−123198(P2012−123198A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273911(P2010−273911)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】