説明

画像形成装置

【課題】近接現像に伴うドクタギャップが小さい現像条件において、安定した現像剤担持量を確保し、長期に亘り高い現像能力を維持し、充分な画像濃度が得られ、かつ、画像濃度のムラがなく、潜像に忠実な現像が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置424は、2成分現像剤を担持する現像ローラ442と、現像剤規制部材443を有し、現像ローラと像担持体との現像ギャップが0.05〜1.0〜mmであり、現像領域における現像剤の担持量が20〜50mg/cmであり、トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、表面に外添剤が添加されたものであり、キャリアは、BET比表面積が400〜800cm/gである芯材表面に被覆層を形成した磁性キャリアであり、円錐ロータ法により得られるトナーの流動性指標値FTと、2成分現像剤の流動性指標値FDの比(FD/FT)が1.5≦FD/FT≦3.5を満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた複写装置あるいはプリンタ等の画像形成装置においては、内部にマグネットを有する現像ローラ上にトナー及び磁性を有するキャリアからなる2成分系現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを用いて感光体上の静電潜像を現像する現像方法が広く用いられている。
【0003】
この磁気ブラシ現像方式では、一般に現像剤規制部材によって、現像ローラ上の現像剤の搬送量を調整する方法をとっており、潜像に忠実な現像能力を安定して確保することが可能となっている。
【0004】
しかし、現像剤の搬送量が多すぎる場合には、現像領域に過剰な現像剤が供給されて剤落ちが発生したり、過剰な磁気ブラシが感光体表面に傷をつけるなどして地肌汚れなどの異常画像が発生し、逆に、現像剤の搬送量が少なすぎる場合には、現像能力が低下してしまい、所望の画像濃度が得られなくなる。
【0005】
また、近年、電子写真装置は高速化しており、カラー化に伴う現像装置の小型化も影響して現像ローラ上の現像剤が現像領域を通過する時間が短くなり、さらに現像領域も狭くなってきており、現像能力を確保するために、現像ローラと像担持体との現像領域における現像ギャップが狭くなってきている。
【0006】
さらに、現像ギャップを狭くする近接現像化に伴って現像ローラと現像剤規制部材とのドクタギャップも従来よりも狭くする必要があり、現像剤がドクタギャップを通過する際に現像剤にかかる摩擦力や、圧力などといったストレスが大きくなる傾向にある。
【0007】
また、前記カラー化の他、高画質、省エネを達成するためにトナーは小粒径化、低温定着化の傾向にある。このため、小粒径によって、トナーの内部凝集力が大きくなり、流動性が悪くなる傾向にある。また、低温定着化によって、分子量設計からトナーの機械的強度は低くなってきているため、ドクタギャップによるストレスでトナー劣化が起きやすく、画像の劣化が生じていた。
【0008】
特許文献1の特開2005−62476号公報には、現像ギャップが0.1mm〜0.3mmである現像装置の現像領域への現像剤供給量を2.5mg/mm未満とし帯電不足等による画像濃度の低下を防止することが開示されている。
また、特許文献2の特開2005−37878号公報には、現像剤規制部材通過直前の現像剤の層厚Tupと、現像剤規制部材と現像剤坦持体との間隙ドクタギャップGdとの関係を7<Tup/Gd<20として、現像剤規制部材による機械的ストレスと帯電性とを両立させ、長期に亘りトナー飛散、地汚れの発生を防止することが開示されている。
また特許文献3の特開2004−109284号公報には、現像領域の単位面積あたりの現像剤量(g/cm)を、(現像剤の嵩密度(g/cm)×ドクタギャップ(cm)/6)より大きく(現像剤の嵩密度(g/cm)×ドクタギャップ(cm)/2)未満として、トナーの帯電不足を図りつつ、現像剤の寿命延長を図ることが開示されている。
【0009】
しかし、2成分現像剤による現像システムでは、トナーとキャリアとの組み合わせによって現像剤の流動性が大きく異なり、現像剤が現像剤量規制部材から受けるストレスの程度が異なるため、ドクタギャップと現像剤供給量との関係を考慮することでは長期に亘り濃度ムラのない高品質な画像を形成することは困難である。
【0010】
一方、トナーの流動性に関し、特許文献4の特開2009−133953号公報には、円錐ロータ法により測定されるトルクの値を一定範囲とし、クリーニングブレードでせき止められたトナーが凝集することによりクリーニング性を向上させ、かつ流動性が低いことによる配管のつまり等の不具合を防止することが開示されているが、トナーとキャリアとを含む現像剤についての流動性については考慮されていない。
【0011】
また、特許文献5の特開2009−175712号公報には、一成分現像剤について、円錐ロータ法によるトナー流動性と現像ローラの直径との関係を一定範囲内にすることにより、小径現像ローラへのトナー固着を防ぎながら良好な低温定着性も維持することが開示されている。
しかし、良好な帯電性付与と現像剤へのストレス低減とを兼ね備えるには至っておらず、また、2成分現像剤の流動性についての開示はない。
【0012】
以上のように、近接現像において、画像濃度を確保し、濃度ムラのない高品質な画像を長期にわたって安定して提供することはできていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、近接現像に伴うドクタギャップが小さい現像条件において、使用環境、使用状況が変化しても安定した現像剤担持量を確保し、長期に亘り高い現像能力を維持し、充分な画像濃度が得られ、かつ、多量の画像出力後であっても画像濃度のムラがなく、潜像に忠実な現像が可能なドット再現性の高い画像形成装置を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、近接現像に伴うドクタギャップが小さい現像条件において、現像領域における現像剤担持量、及び、2成分現像剤の流動性に対するトナーの流動性の比を所定の範囲にすることにより、現像剤の耐ストレス性と帯電性とを両立させ、充分な画像濃度が得られることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、上記課題は本発明の下記(1)〜(12)によって解決される。
(1)静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体に対向して設けられた現像装置を備える画像形成装置であって、
該現像装置は、トナーと磁性を有するキャリアからなる2成分現像剤を担持して回転する現像ローラと、担持した2成分現像剤の搬送量を調整する現像剤規制部材を有し、前記現像ローラと像担持体との現像領域における現像ギャップが0.05〜1.0〜mmであり、現像領域における現像剤の担持量が20〜50mg/cmであるものであり、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、表面に外添剤が添加されたものであり、
前記キャリアは、BET比表面積が400〜800cm/gである芯材表面に被覆層を形成した磁性キャリアであり、
円錐ロータ法により得られる前記トナーの流動性指標値FTと、前記2成分現像剤の流動性指標値FDの比(FD/FT)が1.5≦FD/FT≦3.5を満たすことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記現像ローラと前記現像剤規制部材とのドクタギャップが0.1〜2.0mmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
(3)前記円錐ロータ法におけるトナーの空間率に対するトルクの傾きが−70〜−10であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記円錐ロータ法においてトナーの空間率が0.4〜0.7%であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)前記トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.1〜1.3であり、且つ前記磁性を有するキャリアの体積平均粒径が20〜50μmである2成分現像剤を用いることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記トナーは、平均円形度が0.92〜0.97であり、かつアスペクト比が0.75〜0.90であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記トナーは、外添剤として少なくとも粒径の異なる2種類のシリカを含有することを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記外添剤の少なくとも一種は、一次粒子径が70〜150nmである疎水性シリカを含有することを特徴とする前記(7)項に記載の画像形成装置。
(9)前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含む有機溶媒のトナー組成物液を水系媒体中で分散し、樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させたトナーであることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段とを備えることを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)トナーが充填されたトナー容器を備えることを特徴とする前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)前記画像形成装置は、潜像担持体と少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする前記(1)乃至(11)に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0015】
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、近接現像に伴うドクタギャップが小さい現像条件において、使用環境、使用状況が変化しても安定した現像剤担持量を確保し、長期に亘り高い現像能力を維持し、充分な画像濃度が得られ、かつ、多量の画像出力後であっても画像濃度のムラがなく、潜像に忠実な現像が可能なドット再現性の高い画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】円錐ロータ法による流動性評価装置の一例を示す図である。
【図2】円錐ロータの一例を示す図である。
【図3】加圧荷重と空間率の関係を示す図である
【図4】空間率に対するトルクの関係を示す図である。
【図5】二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である
【図6】本発明のタンデム型画像形成装置の一例を示す図である。
【図7】タンデム型現像装置の一例を示す図である。
【図8】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の画像形成装置について詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体に対向して設けられた現像装置を備える画像形成装置であって、
該現像装置は、トナーと磁性を有するキャリアからなる2成分現像剤を担持して回転する現像ローラと、担持した2成分現像剤の搬送量を調整する現像剤規制部材を有し、前記現像ローラと前記現像剤規制部材とのドクタギャップが0.1〜2.0mmであり、現像領域における現像剤の担持量が20〜50mg/cmであるものであり、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、表面に外添剤が添加されたものであり、
前記キャリアは、表面に被覆層を有し、BET比表面積が400〜800cm/gである磁性キャリアであり、
円錐ロータ法により得られる前記トナーの流動性指標値FTと、前記2成分現像剤の流動性指標値FDの比(FD/FT)が1.5≦FD/FT≦3.5を満たすものである。
【0018】
高速化、小型化された画像形成装置においては、現像剤が現像領域を通過する時間が短く、かつ現像領域が狭いため、現像ローラと像担持体との現像領域におけるギャップ(現像ギャップ)は、0.05〜1.0mmであることが必要である。
0.05mm未満の場合は、現像剤の搬送性が低下し、濃度ムラが発生しやすく、1.0mmを越える場合は、現像領域の現像剤量が不足しすぎて、現像能力が低下し、画像濃度が確保できない。また、またトナー飛散による地肌汚れの余裕度が低下する。
【0019】
前記現像ローラと像担持体との現像領域における現像ギャップが0.05〜1.0mmである画像形成装置においては、現像ローラから感光体ドラム上に効率良くトナーを現像させるため、現像領域の現像ローラ上の単位面積あたり現像剤の担持量を20〜50mg/cmになるように調製する必要がある。
現像剤担持量が20mg/cmより少ない場合は、十分な濃度が得られず、また、現像ローラと像担持体間に印加させる電界をより大きくする必要があり、その結果、キャリア付着が起こりやすくなって異常画像が発生する。
また、現像剤担持量が50(mg/cm)よりも高い場合には、像担持体上に現像されたトナーに対して、現像剤穂による掻き取り(スキャベジング現象)が発生しやすくなり、ハーフトーン部の白抜け、カスレなどの異常画像発生の要因となり、また、感光体が磁気ブラシで強く摺擦され、感光体磨耗が生じる。
前記現像剤担持量は、現像ローラと前記現像剤規制部材とのドクタギャップにより調節される。
【0020】
また、発明者らの検討によると、単位面積あたりの現像剤の担持量をコントロールする方法としては、現像ローラと現像剤規制部材とのギャップ(ドクタギャップ)を調整することがもっとも容易であり、適切な現像剤担持量を確保するという機能の他にドクタギャップを現像剤が通過する際に圧縮力が働いてトナーとキャリアの摩擦帯電を促進する効果があることが分かった。
【0021】
このとき必要なドクタギャップは0.1〜2.0mm、より好ましくは0.2mm〜1.0mmである。ドクタギャップが0.1mmより小さい時は、単位あたりの現像剤の担持量が少ないために上記のような異常画像が発生するだけでなく、現像剤にかかる圧縮力が大きくなり過ぎてトナーの添加剤が表面に埋没するなどして帯電性が悪化し、地汚れなどの不具合を起こす。
また、2.0mmよりも大きい場合は、単位あたりの現像剤の担持量が多いために上記のような異常画像が発生するだけでなく、現像剤に対するストレスは小さくなるが、摩擦帯電を補助する機能が不十分となり、現像剤が帯電不良を起こして画像濃度の低下を引き起こす。
【0022】
また、前記ドクタギャップにより適正量に規制された現像剤中のトナーは電圧を印加され、感光体上の静電潜像に付着して画像を形成する。ここで、静電潜像に対して適量のトナーを付着させるには、トナー粒子の帯電量を調整する必要がある。
トナーの帯電量が不充分であると、トナー粒子がキャリアから離脱しやすくなることから、トナー飛散や地肌カブリといった問題が発生してしまうからである。
【0023】
前記トナー粒子の帯電は、トナーとキャリアとをあらかじめ混合し、現像ローラ上に汲み上げられた後、前記現像剤量規制部材による規制の際に受けるストレスにより、トナー粒子はキャリア粒子との間で充分な摩擦を受け、帯電して電荷を保持することとなる。上記現像剤量規制部材から受けるストレスの大きさによって、帯電量が調整される。
【0024】
トナー粒子に与えるストレスは、ドクタギャップによっても調節が可能であるが、現像領域の現像剤の担持量を前記範囲内にする必要があり、またトナー粒子はキャリア粒子との充分な摩擦により帯電するため、ドクタギャップだけでなく、現像剤中のトナーの流動性を調節する必要がある。
【0025】
すなわち、現像剤中でのトナーの流動性が低いと、現像剤がドクタギャップを通過する際のずり応力が大きくなる。たとえ流動性が高いトナーを使用したとしても、該トナーとキャリアとの摩擦帯電性が高く、トナーの帯電量が高い場合には、キャリア粒子表面にトナー粒子が静電的に付着し、付着したトナー粒子同士の静電的な反発により、現像剤中でのトナーの流動性が低下する。
【0026】
したがって、前記現像装置で用いると現像剤は、円錐ロータ法により得られる前記トナーの流動性指標値FTと、前記2成分現像剤の流動性指標値FDの比(FD/FT)が1.5≦FD/FT≦3.5を満たすことが必要である。
【0027】
前記FD/FTは、現像剤が現像剤規制部剤から受ける摩擦力に対するトナーが受ける摩擦力を示す指標であり、FD/FTが1.5より小さい場合は、摩擦帯電性が低下し、トナー飛散による地肌汚れが発生し、また、前記現像剤担持量を確保することが困難である。
また、FD/FTの比が3.5より大きい場合は、現像剤の帯電量が高すぎ画像濃度が低下する。また、ストレスが大きく、キャリアスペントが発生し易くなる。
【0028】
前記FDは1.2以上2.0以下であることが好ましく、1.5以上2.0以下が更に好ましい。1.2未満であると、くり返し使用においてキャリアスペントが進行しやすく帯電不良が発生する。2.0を越えるとトナーを充分に帯電させることが困難になり、地汚れが発生する。
【0029】
以下に円錐ロータ法について詳述する。
本発明におけるトナー流動性指標値FT、及び、現像剤の流動性指標値FDは、円錐ロータ法によって得られるものである。
該円錐ロータ法による評価方法は、円錐ロータ表面のV字溝にトナーまたは現像剤が入り込み、円錐ロータに保持されたトナーまたは現像剤と前記円錐ロータ周辺のトナーまたは現像剤との摩擦力を測定できるものであり、測定者によらず、くり返し精度が高く、感度の高い評価が可能な評価方法である。
【0030】
(円錐ロータ法による流動性指標値の評価)
円錐ロータ法は、トナー粉体層または現像剤層を予め圧密手段により圧密状態にした後、表面に溝が切ってある円錐ロータを回転させながら圧密状態にしたトナー粉体相に侵入させ、円錐ロータが粉体層中を移動するときに発生するトルクを測定し、トナーまたは現像剤の流動性を評価するものである。
【0031】
トナー層(あるいは現像剤層)の圧密条件を一定にした場合、トナー層(あるいは現像剤層)の空間率は、表面性や粒径によってトナーそれぞれ固有の値を持ち、該空間率でのトナー粉体層中(あるいは現像剤層中)を円錐ロータと移動させるときのトルク特性は、トナーの流動性と密接な関係を有し、空間率εとトルク値の積を用いることにより、トナー(あるいは現像剤)の流動性を評価できる。
【0032】
つまり、トナー(あるいは現像剤)の流動性が高い場合には1個1個の粉体粒子間の付着力が小さいために粒子が動きやすく、粉体層中の空隙が少なくなって空間率が小さくなる。また、その粉体相内で円錐ロータを動かしてもトルクは小さいため、空間率とトルクの積であるε×トルク値は小さくなる。
しかし、逆にトナー(あるいは現像剤)の流動性が低い場合には、1個1個の粉体粒子間の付着力が大きいために粒子は動きにくく、粉体層中の空隙が大きくなって空間率も大きくなる。また、その粉体相内で円錐ロータを移動した場合には円錐ロータにかかるトルクは大きくなって、ε×トルク値は大きくなる。
【0033】
トナーの表面形状が平滑で、円錐ロータ法により評価した空間率ε×トルク値が小さくトナーの流動性が高いほど、現像剤の流動性も向上し、現像ローラ上への現像剤の搬送性が良くなって連続で多数枚の画像出力を行った際でも画像濃度が低下することなく、長手方向への現像剤の転がりやすさも向上し、搬送性が保たれることによって、長手方向の画像濃度ムラへの余裕度が向上する。
【0034】
前記円錐ロータ法は、特開2006−78257号公報に記載された評価方法であり、以下により具体的に説明する。
図1は、本発明に用いた円錐ロータ法による流動性評価装置を示すものである。
本評価装置は、圧密ゾーンと測定ゾーンからなる。
圧密ゾーンは、粉体を入れる容器(216)、その容器を上下させる昇降ステージ(218)、圧密させるピストン(215)、そのピストンに荷重を加えるおもり(214)等から構成される。
【0035】
この構成例では、粉体を入れた試料容器(216)を上昇させ、圧密用のピストン(215)に接触させ、さらに上昇させてピストン(215)におもり(214)の荷重が全てかかるよう、おもり(214)が支持板(219)より浮いた状態になるようにし、一定時間放置する。
その後、粉体を入れた容器(216)が載せてある昇降ステージ(218)を下げて、ピストン(215)を粉体表面から離す。
【0036】
ピストン(215)は、どんな材質でもよいが、粉体を押付ける表面の表面性がスムーズである必要がある。 そのため、加工しやすくて、表面が固く、変質しない材質が良い。 また、帯電による粉体付着がないようにする必要があり、導電性の材質が適している。
この材質の一例としては、SUS、Al、Cu、Au、Ag、黄銅等がある。粉体を入れる容器(216)の材質については問わないが、粉体との帯電による影響が出ないように導電性の材質が適している。
また、粉体を入れ替えながら測定するため、汚れを少なくするために表面が鏡面に近いものがよい。
【0037】
本発明では、粉体を入れる容器(216)のサイズが重要であり、円錐ロータが回転しながら侵入するときに容器の壁の影響がでないように円錐ロータの直径に対して大きめの(直径)サイズを選択する必要がある。 本発明では内径60mm、高さ30mmのアルミ製円筒容器を使用し、該容器に圧密前の粉体の高さが約23mmとなるようにトナーを投入し、重さ834gの60mm径の円柱形状のおもりを用い、Cu製のピストンにより、60秒間圧密した。60秒間圧密した後、おもりを静かに取り除き、圧密後のトナー質量m、圧密後のトナー層高さLを計測し、容器(216)の面積S、トナーの真比重ρから圧密後のトナー層の空間率εを得た。
空間率ε=1−{ m/(L×S×ρ)}
【0038】
測定ゾーンは、図1に示されるように、粉体を入れる容器(216)、その容器を上下させる昇降ステージ(218)、ステージには荷重を測定するロードセル(213)、粉体のトルクを測定するトルクメータ(211)等から構成される。 粉体を入れた試料容器ステージは、昇降機によって上下できるようにして、ステージの中央部に粉体を入れた容器(216)を置くようにし、容器を上げることによって、容器の中央に円錐ロータ(212)が回転しながら侵入してくるようにする。
【0039】
円錐ロータ(212)にかかるトルクを上部にあるトルクメータ(211)によって検出し、また粉体の入った容器(216)にかかる荷重を容器の下にあるロードセル(213)によって検出し、さらに円錐ロータ(212)の移動量は、位置検出器で行なう。
【0040】
トルクメータ(211)は高感度タイプのものが良く、非接触方式のものが適している。 ロードセルは荷重レンジが広く、分解能の高いものが適している。
位置検出器は、現在位置をモニタして検出された位置情報を、現在位置と予定位置とのズレをなくする制御のための制御信号としてエンコーダを介して昇降機のモータの駆動回路に帰還させることができるリニアスケール、光を用いた変位センサ等があるが、精度的に0.1mm以下の仕様が適している。
昇降機は、サーボモータやステッピングモータを用いて、精度良く駆動できるものがよい。
【0041】
図2は、本発明における円錐ロータの図である。 本発明で使用した円錐ロータ(212)の形状は、円錐の頂角が60°で、図2のように溝がきってある。 円錐の頂点からまっすぐ底辺方向に溝を切ったもので、その溝の断面が三角形の凹凸からなるのこぎり歯形状をしている。 円錐ロータの母線の長さは30mmであり、頂点の溝の深さは0mmで、底面部分の溝の深さは1mmで、徐々に溝が深くなっている。 溝の数は48本である。
【0042】
本発明では粉体層のトルク測定を以下の条件で行った。
・円錐ロータの回転数 1.0rpm。
・円錐ロータの侵入速度 5mm/min。
本発明における検討結果では円錐ロータの先端を20mm侵入させた時のトルクを測定値とした。
上記方法で得られた空間率とトルクの積をε×トルク値として流動性指標値として評価した。
【0043】
また、円錐ロータ法においてトナーの空間率εに対するトルクの傾きが−70〜−10であると、経時でもトナーの流動性が安定して確保できる点で好ましい。
空間率に対するトルクの傾きは、トナー層の流動性の安定性を意味している。トナー層への加圧力を変化させて空間率を変えてもトルクの変化が小さい方が現像装置内でトナー濃度が変わったときなどでも流動性の変化が小さく、良好な流動性を確保し、キャリアとの摩擦帯電も良好に維持され、コピー枚数が大量になっても、画像濃度ムラが起こらない。
【0044】
傾きが−70よりも小さい(マイナスの傾きが大きい)場合は、空間率が小さいときにトルクがより大きくなり、流動性が低下するため画像のボソツキが生じ易くなる。また、傾きが−10より大きい(マイナスの傾きが小さい)場合は、トルクの変化が小さすぎてキャリアとの摩擦帯電性が悪化し地肌汚れが発生しやすい。
【0045】
ここで、トナーの空間率εに対するトルクの傾きとは、トナー層にかける圧力を上述の図1の60mm径の円柱形状のおもりを361〜3133gまで変化させたときに得られるトナー層の空間率に対して得られるトルクの関係から求めるものである。本発明のトナーの一例として、加圧荷重と空間率の関係を図3に、得られた空間率に対するトルクの関係を図4に示す。
図3のように、トナー層にかける圧力を大きくしていくと空間率は小さくなる傾向にあり、図4のように、空間率が小さいほどトルクは大きくなっていく。
【0046】
また、円錐ロータ法においてトナーの空間率が0.4〜0.7であると、トナー流動性を適正に制御する効果があり好ましい。空間率は、トナー層の加圧力に対するトナーの変形のしやすさを表しており、0.4より小さい時とトナー粒子間力が大きくなってトナーの変形が起こりやすく、キャリアへスペントしやすい。また0.7より大きいと、トナー層中に空隙を多く含みすぎて現像機内でトナー飛散が発生しやすくなる。また、キャリアとの摩擦効率が悪くなって帯電不良を起こしやすい。
なお、トナーの空間率とは、上述と同様、トナー層にかける加圧力として図1の60mm径の円柱形状のおもりで834gにした時の値である。
【0047】
次に本発明のキャリアについて説明する。
本発明キャリアは、BET比表面積が400〜800cm/gである芯材表面に被覆層を形成した磁性キャリアである。
【0048】
キャリア芯材のBET表面積が800cm2/gよりも大きいと、現像ローラのトルクが増大し、現像ローラにトナが固着し、現像ローラの現像剤担持量にばらつきが生じ、画像濃度ムラが生じ、また、表面凹凸が大きいことによるキャリアへのトナースペントもしやすくなり、現像剤帯電量の低下を引き起こす。 また、BET表面積が、400cm2/gより小さくなると、トナーとの摩擦帯電が損なわれ地肌汚れが発生する。
【0049】
前記キャリア芯材としては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライト、磁性粉をフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂など公知の樹脂中に分散した形態を持つ、所謂樹脂分散キャリア芯材を使用できる。
【0050】
キャリア芯材が、フェライトである場合、焼成条件を調節することにより、キャリア芯材の形状、表面平滑性(BET表面積)を制御できる。
すなわち、溶融または半溶融状態となった粒子を急激に冷却すると、粒子の表面に微少な結晶が多数形成され、BET表面積が大きくなり、徐冷することにより、結晶粒が成長しBET表面積を小さくすることができる。
しかし、単に、焼成温度、冷却時間を調節するのみでは、前記範囲のBET表面積を得ることは困難であり、ロータリーキルンで回転させながら焼成することにより、表面が平滑化され、BET表面積が400〜800cm/gのキャリア芯材を得ることができ、また、リン、酸化ビスマス、シリカ等を添加して結晶粒を大きく成長させることによっても、芯材表面を平滑化することができる。
【0051】
キャリア芯材のBET表面積は、試料による窒素の吸着と、その時に生じる圧力変化からBET式に従って表面積を求めるものであり、Micromeritics比表面積自動測定器(TriStar 3000/Surface Area and Porosity Analyzer)により測定できる。
【0052】
多量枚数のコピーを行ってもトナーとの良好な摩擦帯電性を維持するため、キャリアは表面に被覆層を有することが必要である。
【0053】
被覆層を形成するための樹脂としては、キャリアの製造に用いられている従来公知の各種のものを用いることができ、例えば、シリコーン樹脂、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂などが挙げられ、単独または2種以上混合して使用することができる。
【0054】
前記シリコーン樹脂としては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンを用いることができ、特に、キャリア被覆用樹脂として好適なシリコーン樹脂の例としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)が挙げられる。
【0055】
また、前記シリコーン樹脂はアミノシランカップリング剤を含有させることにより、耐久性の良好なキャリアを得ることができ、アミノシランカップリング剤としては以下の化合物が挙げられ、その含有量は、0.001〜30質量%が好ましい。
【0056】
【化1】

【0057】
キャリア芯材粒子表面に樹脂層を形成する方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。
特に流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
【0058】
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。
【0059】
前記キャリアの重量平均粒径は、20〜65μmであることが好ましく、30〜60μmであることがより好ましい。
20μmより小さくさるとキャリア粒子当たりの磁気モーメントが低下し、現像ローラ上の磁気的なキャリア保持力が弱くなり、キャリア付着が起き易くなってドット再現性が悪化することがあり。 さらにトナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が65μmを超える場合では、小粒径トナーとの組み合わせにおいて、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じ、トナー飛散による地肌汚れが発生しやすくなる。
【0060】
キャリアの重量平均粒径は、コールターカウンターTA-II型を用い個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科技研社製)及びパーソナルコンピュータ(PC9801:NEC社製)に接続し、測定する
本発明においてキャリア、及びキャリア芯材における重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
この場合の重量平均粒径Dwは、式 Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)}で表わされる。
前記式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。
なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明のキャリアの場合には、2μmの長さを採用した。
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。
この場合の個数平均粒径Dpは、式 Dp=(1/N)×{ΣnD}で表わされる。
前記式中、Nは計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは各チャネル(2μm)に存在する粒子粒径の下限値を示す。
キャリアの粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA 9320−X100:Honeywell社製)を用いた。
その測定条件は以下の通りである。
(1)粒径範囲:100〜8μm (2)チャネル長さ(チャネル幅):2μm (3)チャネル数:46 (4)屈折率:2.42
【0061】
更に、キャリアの体積固有抵抗は、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることが好ましい。体積固有抵抗が10[Log(Ω・cm)]未満であると非画像部でのキャリア付着が生じることがあり、また、体積固有抵抗が16[Log(Ω・cm)]を超えると、エッジ効果が悪化することがある。
なお、本発明での体積固有抵抗とは、ギャップ2mmを隔てた平行電極間にキャリアを投入しタッピングした後、両電極間にDC1000Vを印加し30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値をいう。
【0062】
更に、1KOeにおける磁気モーメントは、40(Am/kg)以上90(Am/kg)以下であることが好ましい。
前記範囲であると、キャリア粒子間の保持力が適正に保たれるので、キャリアまたは現像剤へのトナーの分散(混ざり)が素早く良好となる。
1KOeにおける磁気モーメントが40Am/kg未満の場合は、磁気モーメント不足によりキャリア付着が生じることがあり、また1KOeにおける磁気モーメントが90Am/kgを超える場合には、現像時に形成する現像剤の穂が硬くなり過ぎ、画像細部の再現性が低下し精細な画像が得られないことがある。
【0063】
次に本発明のトナーについて説明する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、表面に外添剤が添加されたものであり、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系溶媒中で樹脂微粒子の存在下で分散、架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーであることが好ましい。
【0064】
以下に、トナーの構成材料及び製造方法の例を挙げて説明する。
【0065】
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは、好ましくはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。 変性ポリエステル(i)とは、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさし、具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものをさす。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。
【0066】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。
【0067】
上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
【0068】
ウレア変性ポリエステルは、例えば以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
【0069】
3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0070】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。
【0071】
2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
【0072】
3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0073】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
【0074】
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
【0075】
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。
[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0076】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。
0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
【0077】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。
1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0078】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
【0079】
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
【0080】
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
【0081】
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
【0082】
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる
【0083】
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
【0084】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。
【0085】
ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。 ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0086】
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。
変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。 また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。
【0087】
変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。
(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。
20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する
【0088】
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。
反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
なお、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
【0089】
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。
(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。
【0090】
未変性ポリエステル(ii)としては、前記変性ポリエステル(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。
また、未変性ポリエステル(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
【0091】
変性ポリエステル(i)と未変性ポリエステル(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。
したがって、変性ポリエステル(i)のポリエステル成分と未変性ポリエステル(ii)は類似の組成が好ましい。
【0092】
未変性ポリエステル(ii)を含有させる場合の変性ポリエステル(i)と未変性ポリエステル(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。
変性ポリエステル(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
【0093】
未変性ポリエステル(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。
1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。
【0094】
未変性ポリエステル(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。
5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステル(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である
【0095】
バインダは低酸価バインダであると、ワックスに高酸価ワックスを使用でき二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
【0096】
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。 35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。
【0097】
ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
なお、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
【0098】
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
【0099】
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
【0100】
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。
10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0101】
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
【0102】
荷電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
【0103】
(外添剤)
外添剤としてはシリカ、酸化チタンアルミナ微粒子等を使用できるが、粒径の異なる2種類のシリカを含有することが好ましい。
【0104】
前記粒径の異なる2種類のシリカのうち、一方は、平均一次粒子径が1〜20nmであることが好ましく、6〜15nm(BET法による比表面積で100〜400m/g)の疎水化処理されたシリカであると長期に渡ってトナーに良好な流動性を付与でき好ましく用いることができる。
また、他方のシリカは、平均一次粒子径が70〜150nmであることが好ましく、90〜130nm(BET法による比表面積で20〜100m/g)である疎水化処理された大粒径シリカであると更に好ましい。
前記大粒径シリカを添加することにより、トナー粒子間、またはキャリアに対して衝撃を吸収する機能(スペーサ効果)を持たせることによりキャリアスペントに対して余裕度が格段に向上する。
【0105】
前記シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H 1303(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。
また、大粒径シリカとしては、RTS−100A(信越化学工業)、NAX50(ニホンアエロジル)、NHM−3N(トクヤマ)などがある。
【0106】
また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上テイカ)などがある。 また、帯電安定性を高める目的でシリカの他に疎水化処理酸化チタンをトナーに添加するとことができる。
【0107】
特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。
【0108】
疎水化処理された酸化物微粒子、シリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子は、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。
【0109】
またシリコーンオイルを必要ならば熱を加えて無機微粒子に処理した、シリコーンオイル処理酸化物微粒子、無機微粒子も好ましく使用できる。
前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
【0110】
前記外添剤の添加量は、トナーに対しそれぞれ0.5から10重量%、好ましくは0.5から3重量%である。
【0111】
トナーに外添剤を添加する方法としては、ヘンシェルミキサー、Qミキサー等による乾式外添処理だけでなく、湿式外添処理(溶媒、水(必要に応じて濡れ性改善のための活性剤等を含有させる))による付着も有効である。
このとき、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤が均一にかつ強固に母体トナーに付着させることが耐久性の点で重要であり、ミキサー類の羽形状、回転数、混合時間、混合回数、外添剤量、母体トナー量、母体トナーの表面性(凹凸、硬度、粘弾性、他)等により調節される。
【0112】
次に、トナーの製造方法について説明する。
ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
【0113】
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。
具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0114】
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ(登録商標)など)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。 20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
【0115】
前記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
【0116】
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0117】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0118】
前記樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。
このため、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。
【0119】
例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
【0120】
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0121】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。
この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。
分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。
分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0122】
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。
反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。
具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0123】
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。
その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0124】
(5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。
【0125】
さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0126】
本発明におけるトナーは、体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.1〜1.3であることが好ましい。
体積平均粒径(Dv)が3〜7μmであると潜像に対して緻密にトナーを付着させることができ、ドット再現性に優れた現像が可能である。4〜7μmであることがさらに好ましい。
前記範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させる。
逆に、トナーの体積平均粒径が前記範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる。
また、粒径分布を狭くすることで、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、転写率を高くすることができる。
しかしながら、Dv/Dnが1.3を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
【0127】
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)を用いて測定することができる。
【0128】
以下に測定方法について述べる。
まず、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製した電解水溶液(例えばISOTON−II(コールター社製))100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、100μmアパーチャーを用い、体積分布と個数分布を算出する。
得られた分布から、トナーの体積平均粒(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
【0129】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
【0130】
また、本発明のトナーは、平均円形度が0.92〜0.97、アスペクト比が0.75〜0.90であることが好ましく、平均円形度が0.92〜0.96、アスペクト比が0.80〜0.90であることがさらに好ましい。
平均円形度が0.92よりも小さい場合は、凹凸がありすぎてキャリアとの過度な接触によりキャリアスペントが発生し、帯電サイトが減少するため帯電不良となり地肌汚れが発生し易くなり、0.97よりも大きい場合は、より球形に近づくため添加剤が脱離しやすくなり、キャリアへスペントしやすくなる。
また、アスペクト比が0.75以下の場合は、とがった表面形状の凸部がキャリア表面と衝突しやすく、トナーが割れて微粉となり、トナー飛散を起こすことがあり、アスペクト比が0.9よりも大きい場合は円形度の上限と同様の理由で球状のトナー粒子が増えるために添加剤スペントが発生しやすい。
【0131】
平均円形度は、平均円形度は主として粒子の凹凸度合いを表わす形状係数であり、(粒子面積と等しい塩の周囲長)/(粒子周囲長)で表わされ、また、アスペクト比は、主として粒子の針状度を表現する形状係数であり、(最大長垂直長)/(最大長)であられされる。
【0132】
平均円形度及びアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−3000;シスメックス社製)を用いて計測し、同機付属の解析ソフトを用いて解析を行なった。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加し、得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。
前記分散液を前記FPIA−3000を用いて濃度を5000〜15000個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
【0133】
(画像形成装置)
以下、図面を参照しつつ、本発明の画像形成装置について説明する。
図5は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を用いた二成分現像装置の一例を示す概略図である。
この図5の二成分現像装置では、二成分現像剤がスクリュー(441)によって攪拌及び搬送され、現像ローラとしての現像ローラ(442)に供給される。
この現像ローラ(442)に供給される二成分現像剤は現像剤量規制部材としてのドクターブレード(443)によって規制され、供給される現像剤量はドクターブレード(443)と現像ローラ(442)との間隔であるドクターギャップによって制御される。
【0134】
現像剤量規制体は剛性かつ磁性を有する材料であり、現像剤量規制体は鉄、ステンレス等の金属材料からなるものに限らず、フェライト、マグネタイト等の磁性粒子を配合した樹脂材料で構成することも可能である。
さらに、現像剤量規制体自体を磁性材料で構成することなく、磁性材料で構成された金属板等の別部材を現像剤量規制体に直接もしくは間接的に固定する構成とすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0135】
現像ローラ(442)内部には、その周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁界発生手段としての磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像ローラ(442)上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。現像ローラはアルミの押し出しにV字型の溝を切削によってきったものである。
V溝の本数は130本、深さ65μmの直角の溝となっている。
【0136】
現像ローラ(442)と本発明の像担持体である感光体ドラム(1)は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。
現像ローラ(442)は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成しており、回転駆動機構(不図示)によって回転されるようになっている。
【0137】
磁気ブラシは、現像ローラ(442)の回転によって現像領域に移送される。
現像ローラ(442)には現像用電源(不図示)から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像ローラ(442)と感光体ドラム(1)間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム(1)上の静電潜像上に現像される。
なお、現像電圧には交流を重畳させてもよい。
【0138】
前記ドクターギャップは、現像ギャップと同程度か、あるいはやや大きくすることが好ましい。
感光体ドラム(1)のドラム径やドラム線速、現像ローラ(442)のローラ径やローラ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。
ドラム線速に対するローラ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にすることが好ましい。
なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
【0139】
また、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する態様について、図6を参照しながら説明する。
図6に示すタンデム型画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。
このタンデム型カラー画像形成装置は、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。
複写装置本体(150)には、無端ベルト状の中間転写体(50)が中央部に設けられている。
そして、中間転写(50)は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)に張架され、時計回りに回転可能とされている。
支持ローラ(15)の近傍には、中間転写体(50)上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置(17)が配置されている。
支持ローラ(14)と支持ローラ(15)とにより張架された中間転写体(50)には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段(18)が対向して並置されたタンデム型現像手段(120)が配置されている。
タンデム型現像手段(120)の近傍には、露光装置(21)が配置されている。
中間転写体(50)における、タンデム型現像手段(120)が配置された側とは反対側には、二次転写手段22)が配置されている。
二次転写手段(22)においては、無端ベルトである二次転写ベルト(24)が一対のローラ(23)に張架されており、二次転写ベルト(24)上を搬送される記録媒体と中間転写体(50)とは互いに接触可能である。
二次転写手段(22)の近傍には定着装置(25)が配置されている。
なお、二次転写手段(22)及び定着装置(25)の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させる反転装置(28)が配置されている。
【0140】
次に、タンデム型現像手段(120)を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。
まず、原稿自動搬送装置(ADF)(400)の原稿台(130)上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス(32)上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス(32)上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス(32)上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ(300)が駆動し、第1走行体(33)及び第2走行体(34)が走行する。
このとき、第1走行体(33)により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体(34)におけるミラーで反射し、結像レンズ(35)を通して読み取りセンサ(36)で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像手段(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。
即ち、タンデム型現像手段(120)における各画像形成手段(18)(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)は、図7に示すように、それぞれ、静電潜像担持体(10)(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体を一様に帯電させる帯電装置(160)と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図7中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置(不図示)と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによる可視像を形成する現像装置(61)と、該トナー画像を中間転写体(50)上に転写させるための転写帯電器(62)と、クリーニング装置(63)と、除電装置(64)とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。
【0141】
こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像、及び該シアン画像は、支持ローラ(14)、(15)及び(16)により回転移動される中間転写体(50)上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体(10K)上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体(10Y)上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体(10M)上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体(10C)上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。
そして、中間転写体(50)上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
【0142】
一方、給紙テーブル(200)においては、給紙ローラ(142)の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク(143)に多段に備える給紙カセット(144)の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ(145)で1枚ずつ分離して給紙路(146)に送出し、搬送ローラ(147)で搬送して複写機本体(150)内の給紙路(148)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
【0143】
あるいは、給紙ローラ(142)を回転して手差しトレイ(54)上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
なお、レジストローラ(49)は、一般には接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体(50)上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転させ、中間転写体(50)と二次転写手段(22)との間に記録媒体を送出させ、二次転写手段(22)により該合成カラー画像(カラー転写像)を該記録媒体上に転写(二次転写)することにより、該記録媒体上にカラー画像が転写され形成される。
なお、画像転写後の中間転写体(50)上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置(17)によりクリーニングされる。
【0144】
カラー画像が転写され形成された前記記録媒体は、二次転写手段(22)により搬送されて、定着装置(25)へと送出され、定着装置(25)において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該記録媒体上に定着される。
その後、該記録媒体は、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされ、あるいは、切換爪(55)で切り換えて反転装置(28)により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ(56)により排出され、排紙トレイ(57)上にスタックされる。
【0145】
<現像剤入り容器>
前記現像剤入り容器は、前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記現像剤容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。 前記現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
【0146】
<プロセスカートリッジ>
前記プロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、二成分現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像剤が本発明の前記二成分現像剤である。
前記現像手段としては、前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像ローラとを、少なくとも有してなり、更に、現像ローラに担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい
【0147】
具体的には、上記画像形成装置及び画像形成方法で説明した二成分現像手段を好適に用いることができる。
また、前記帯電手段、露光手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段としては、上述した画像形成装置と同様なものを適宜選択して用いることができる。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置、ファクシミリ、プリンタに着脱可能に備えさせることができ、本発明の前記画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが特に好ましい。
【0148】
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図8に示すように、静電潜像担持体(101)を内蔵し、帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(108)、クリーニング手段(107)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
図8中、(103)は露光手段による露光、(105)は記録媒体をそれぞれ示す。
【0149】
次に、図8に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(不図示)による露光(103)により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、得られた可視像は転写手段(108)により、記録媒体(105)に転写され、プリントアウトされる。
次いで、転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
【実施例】
【0150】
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない なお、部は重量部を示す。
【0151】
(キャリア1)
<キャリア芯材>
Fe:60mol%、 MnO:40mol%上記配合比の酸化物からなるフェライト原材料をビーズミルで湿式混合し、その混合物を乾燥し、粉砕した。
粉砕物を850℃で1時間仮焼成し、その後、粉砕物を、更に、ビーズミルで湿式粉砕して、スラリーとした。
このスラリーに対し、バインダーとしてのポリビニルアルコールを0.7%加え、その後、バインダーが添加されたスラリーから、スプレードライヤー法で、球状粒子を調製し、その粒子を、1,150℃で2時間焼成して、フェライト粒子を得た。
得られたフェライト粒子を、1270℃に設定したロータリーキルンに入れ、フェライト粒子の表面に1時間平滑処理を施した。
平滑処理後のフェライト粒子を分級して、体積平均粒径が55μm、BET表面積が350cm/gのキャリア芯材を得た。
【0152】
<キャリア被覆層>
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 132.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66重量部
・トルエン 300重量部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコン樹脂被覆膜形成溶液を得た。上記キャリア芯材5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15[μm]になるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて240℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63[μm]の篩を用いて解砕し、体積固有抵抗:15.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア1を得た。
【0153】
(キャリア2)
キャリア1におけるキャリア芯材作製において、平滑処理後のフェライト粒子の分級条件を変更して体積平均粒径が35μm、BET表面積が350cm/gの芯材を得た以外はキャリア1と同様に作製し、体積固有抵抗:15.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア2を得た。
【0154】
(キャリア3)
キャリア2における被覆層のシリコン樹脂被覆膜形成溶液の構成を以下に変更した以外はキャリア2と同様の方法で作製し、体積固有抵抗:15.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア3を得た。
<キャリア被覆層>
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 132.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.3重量部
・トルエン 300重量部
【0155】
(キャリア4)
キャリア1におけるキャリア芯材作製条件において、ロータリーキルンによる平滑処理の条件を1250℃、3時間とし、体積平均粒径が35μm、BET表面積が410cm/gのキャリア芯材を得た以外はキャリア1と同様に作製し、体積固有抵抗:15.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア4を得た。
【0156】
(キャリア5)
キャリア4における被覆層のシリコン樹脂被覆膜形成溶液の構成を以下に変更した以外はキャリア2と同様の方法で作製し、体積固有抵抗:15.4[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア3を得た。
<キャリア被覆層>
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 132.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.3重量部
・トルエン 300重量部
【0157】
(キャリア6)
キャリア1におけるキャリア芯材作製条件において、ロータリーキルンによる平滑処理の条件を1230℃、5時間とし、体積平均粒径が35μm、BET表面積が780cm/gのキャリア芯材を得た以外はキャリア1と同様に作製し、体積固有抵抗:15.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am/kgのキャリア6を得た。
【0158】
キャリアの結着樹脂膜厚測定は、FIB(集束イオンビーム)でキャリア断面を作成後、TEM(透過型電子顕微鏡)、STEM(走査型透過電子顕微鏡)等にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
【0159】
磁化測定は、東英工業(株)製VSM−P7−15を用い、下記の方法により測定したものである。
試料約0.15gを秤量し、内径2.4mmφ、高さ8.5mmのセルに試料を充填し、1000エルステット(Oe)の磁場下で測定した。
【実施例1】
【0160】
(トナー1)
樹脂 ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル) 100部
着色剤 銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
(LionolBlue FG−7351;東洋インキ社製) 4部
帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩
(ボントロンE84;オリエント化学社製) 5部
上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度110℃、混練機回転数100rpmで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、体積平均粒径が2.8μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナー1を作製した。

添加剤 シリカ微粉末
(R972;日本アエロジル社製、平均一次粒子径16nm)3.0部


混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0161】
(2成分現像剤の作製)
得られたトナー1とキャリア1をトナー濃度7wt%の割合でターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
得られた現像剤を下記評価方法で評価した。
トナー、キャリア、現像剤物性を表1に示す。
【実施例2】
【0162】
実施例1において、ドクタギャップを0.15mmに変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。このときの現像剤担持量は30mg/cmであった。
【実施例3】
【0163】
実施例1において、ドクタギャップを0.6mm、現像ギャップを1.2mmに変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。このときの現像剤担持量は40mg/cmであった。
【実施例4】
【0164】
実施例1において、ドクタギャップを0.6mm、現像ギャップを0.3mmに変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。このときの現像剤担持量は40mg/cmであった。
【実施例5】
【0165】
実施例4において、トナーを以下に変更しトナー2とした以外は実施例4と同様に評価を行った。
樹脂 ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、コハク酸誘導体から合成されたポリエステル) 100部

着色剤 マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)
(Hostaperm Pink E;クラリアント社製) 4部

帯電制御剤 サルチル酸亜鉛塩(ボントロンE84、オリエント化学) 5部

離型剤 低分子量ポリエチレン 5部

上記原材料をミキサーで十分に混合した後、2軸押出し機によりバレル温度100℃
混練機回転数100rpmで溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、体積平均粒径が7.2μmの粒度分布に分級した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナー2を作製した。

添加剤 シリカ微粉末
(H2000;クラリアントジャパン製、平均一次粒子径10nm) 3.0部
酸化チタン微粉末
(MT−150A;テイカ社製、平均一次粒子径15 nm)0.3部
混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
このときの現像剤剤担持量は42mg/cmであった。
【実施例6】
【0166】
実施例4において、トナーを以下に変更してトナー3とした以外は実施例4と同様に評価を行った。
添加剤 シリカ微粉末
(H2000;クラリアントジャパン社製、平均一次粒子径10nm)3.0部

大粒径シリカ(RTS−100A;信越化学工業社製、平均一次粒子径100nm)
0.5部

酸化チタン微粉末
(MT−150A;テイカ社製、平均一次粒子径15 nm) 0.3部

混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
このときの現像剤剤担持量は45mg/cmであった。
【実施例7】
【0167】
実施例4において、トナーを以下に変更してトナー4とした以外は実施例4と同様に評価を行った。
【0168】
製造例1
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、メタクリル酸166部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。
加熱して、系内温度75℃まで昇温し3時間反応させた。
さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、70℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、75nmであった。
[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
該樹脂分のTgは60℃であり、重量平均分子量は11万であった。
【0169】
製造例2
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液((エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。
これを[水相1]とする。
【0170】
製造例3
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。
[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
【0171】
製造例4
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。
[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
【0172】
〜プレポリマーの合成〜
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
【0173】
製造例5
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た
[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
【0174】
製造例6
〜マスターバッチ(MB)の合成〜
水600部、Pigment Blue 15:3 含水ケーキ(固形分50%)、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて120℃で45分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
【0175】
製造例7
〜油相の作成〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。
次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
【0176】
製造例8
〜乳化⇒脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
【0177】
製造例9
〜洗浄⇒乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、 1:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
2:1の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
3:2の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
4:3の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。

その後目開き75μmメッシュで篩いトナー母体粒子を得た。
得られた母体粒子に対して以下の条件で添加剤を混合し、トナー4とした。
【0178】
添加剤 シリカ微粉末
(H2000;クラリアントジャパン製、平均一次粒子径10nm)3.0部
酸化チタン微粉末
(MT−150A;テイカ社製、平均一次粒子径15 nm) 0.3部
混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
このときの現像剤剤担持量は38mg/cmであった。
【実施例8】
【0179】
実施例7において、キャリアをキャリア1からキャリア2に変更した以外は実施例8と同様にして評価を行った。
【実施例9】
【0180】
実施例8において、キャリアをキャリア2からキャリア3に変更した以外は実施例8と同様にして評価を行った。
【実施例10】
【0181】
実施例8において、添加剤を以下に変更してトナー5とした以外は実施例8と同様に評価を行った。
添加剤
シリカ微粉末
(H2000;クラリアントジャパン社製、平均一次粒子径10nm) 3.0部

大粒径シリカ(RTS−100A;信越化学工業社製、平均一次粒子径100nm)
1.0部

酸化チタン微粉末
(MT−150A;テイカ社製、平均一次粒子径15 nm) 0.3部
混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【実施例11】
【0182】
実施例10において、キャリアをキャリア2からキャリア4に変更した以外は実施例10と同様にして評価を行った。
【実施例12】
【0183】
実施例11において、キャリアをキャリア4からキャリア5に変更した以外は実施例11と同様にして評価を行った。
【実施例13】
【0184】
実施例11において、キャリアをキャリア5からキャリア6に変更した以外は実施例12と同様にして評価を行った。
【0185】
<比較例1>
実施例1において、添加剤の以下の条件で作製してトナー6とした以外は実施例1と同様にして評価を行った。
添加剤 シリカ微粉末
(R972;日本アエロジル社製、平均一次粒子径16nm) 0.3部

混合回転数 2200rpm
混合時間 120sec
混合機 Qミキサー
【0186】
<比較例2>
実施例1において、添加剤を以下の条件で作製してトナー7とした以外は実施例1と同様にして評価を行った。
添加剤 シリカ微粉末
(R972;日本アエロジル社製、平均一次粒子径16nm) 3.0部

混合回転数 2700rpm
混合時間 360sec
混合機 Qミキサー
【0187】
<比較例3>
実施例1において、ドクタギャップを0.9mmに変更し、キャリア1をキャリア6に変更した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
【0188】
<比較例4>
実施例10において、添加剤のドクタギャップを0.9mmに変更し、トナーの添加剤を以下の条件で作製してトナー8とした以外は実施例10と同様に評価した。
添加剤
シリカ微粉末
(H2000;クラリアントジャパン社製、平均一次粒子径10nm) 3.0部
大粒径シリカ(RTS−100A;信越化学工業社製、平均一次粒子径100nm)
1.0部
酸化チタン微粉末
(MT−150A;テイカ社製、平均一次粒子径15 nm) 0.3部
混合回転数 2700rpm
混合時間 360sec
混合機 Qミキサー
【0189】
実施例1〜13および比較例1〜4の現像条件を表1−1に、現像剤の物性を表1−2に、キャリア1〜6の物性を表1−3に、トナー1〜8の物性を表1−4に示す。
また、実施例1〜13および比較例1〜4の現像剤を以下の方法により評価した。
評価結果を表2に示す。
【0190】
(評価装置)
現像ギャップ、ドクタギャップを変更可能にした現像装置を装着したリコー製IPSiO color 8100機で以下の実機評価を行った。現像剤担持量は、主走査方向に手前側、中央、奥側3箇所の各3回測定した平均値とした。品質評価結果を表1に示す。
【0191】
−画像濃度−
内部パターンを用いて黒ベタ(A3面積)を出力し、画像濃度をX-riteを用いて端部と中央部の2点を測定した。さらに、黒ベタ100枚をコピー後、内部パターンを用いて黒ベタ(A3面積)を出力し、画像濃度をX-riteを用いて端部と中央部の2ヶ所について測定した。画像濃度の測定はそれぞれの測定箇所につき5点とし、平均値を評価値として用いた。本評価は黒ベタ画像の追従性を評価するものである。画像濃度は1.5以上が良好なレベル、1.3以上が許容レベル、1.1以下がNGレベルである。評価は、それぞれ初期と1万枚、30万枚出力後に行った。なお、初期と1万枚、30万枚出力で画像濃度は変化しないほど画像濃度が安定していると言える。
【0192】
−キャリアスペント性−
20%画像面積のチャートを、画像濃度1.4±0.2になるようにトナー濃度を制御しながら300,000枚出力後の現像剤の帯電量(μc/g)の変化量で、出力前の初期剤と比較して、0〜30%の低下量の場合を○、30%〜50%の低下量の場合を△、50%以上の低下量の場合を×として評価した。
【0193】
−ドット再現性−
鮮鋭性単色で写真画像の出力を行い、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。
良好なものから◎、○、△、×で評価した。
◎は非常に良好、○は良好、△は許容レベル、×は悪くNGレベル。
【0194】
−地肌汚れ−
画像面積率5%チャート出力持の転写紙上地肌部のトナー汚れ度合を目視(ルーペ)にて評価した。
良好なものから◎、○、△、×で評価した。
◎は、トナー汚れがまったく観察されず良好状態、○は、わずかに汚れが観察される程度で問題とはならない、△は少し汚れが観察される程度で許容レベル、×は許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる、とした。 評価は初期と3万枚出力後にそれぞれ行った。
【0195】
【表1−1】

【0196】
【表1−2】

【0197】
【表1−3】

【0198】
【表1−4】

【0199】
【表2】

【符号の説明】
【0200】
(図1について)
211 トルクメータ
212 円錐ロータ
213 ロードセル
214 おもり
215 圧密用ピストン
216 試料容器
217 加振器
218 昇降ステージ
219 支持板

(図5について)
424 現像装置
441 スクリュー
442 現像ローラ
443 ドクターブレード

(図6〜8について)
10 静電潜像担持体(感光体ドラム) 10K ブラック用静電潜像担持体 10Y イエロー用静電潜像担持体 10M マゼンタ用静電潜像担持体 10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 42Y 42M 42C 現像剤収容部
43K 43Y 43M 43C 現像剤供給ローラ
44K 44Y 44M 44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電装置
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
161 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0201】
【特許文献1】特開2005−62476号公報
【特許文献2】特開2005−37878号公報
【特許文献3】特開2004−109284号公報
【特許文献4】特開2009−133953号公報
【特許文献5】特開2009−175712号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像を担持する像担持体と、該像担持体に対向して設けられた現像装置を備える画像形成装置であって、
該現像装置は、トナーと磁性を有するキャリアからなる2成分現像剤を担持して回転する現像ローラと、担持した2成分現像剤の搬送量を調整する現像剤規制部材を有し、前記現像ローラと像担持体との現像領域における現像ギャップが0.05〜1.0〜mmであり、現像領域における現像剤の担持量が20〜50mg/cmであるものであり、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、表面に外添剤が添加されたものであり、
前記キャリアは、BET比表面積が400〜800cm/gである芯材表面に被覆層を形成した磁性キャリアであり、
円錐ロータ法により得られる前記トナーの流動性指標値FTと、前記2成分現像剤の流動性指標値FDの比(FD/FT)が1.5≦FD/FT≦3.5を満たすことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記現像ローラと前記現像剤規制部材とのドクタギャップが0.1〜2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記円錐ロータ法におけるトナーの空間率に対するトルクの傾きが−70〜−10であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記円錐ロータ法においてトナーの空間率が0.4〜0.7%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナーの体積平均粒径(Dv)が3〜7μm、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)の比(Dv/Dn)が1.1〜1.3であり、且つ前記磁性を有するキャリアの体積平均粒径が20〜50μmである2成分現像剤を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナーは、平均円形度が0.92〜0.97であり、かつアスペクト比が0.75〜0.90であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記トナーは、外添剤として少なくとも粒径の異なる2種類のシリカを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記外添剤の少なくとも一種は、一次粒子径が70〜150nmである疎水性シリカを含有することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含む有機溶媒のトナー組成物液を水系媒体中で分散し、樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させたトナーであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
トナーが充填されたトナー容器を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置は、潜像担持体と少なくとも現像手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする請求項1乃至11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−194430(P2012−194430A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59187(P2011−59187)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】