説明

画像形成装置

【課題】画像形成ユニットを装置本体に装着する際に、像保持体と現像部材との間に設けられた隙間の大きさが変動するのを抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】受入れ口84と供給口110との相対位置がずれを吸収するため、ゴムチューブ122がトナー搬送路98の延伸方向に縮む場合がある。トナー搬送路98の先端部を現像ロール72及び像保持体18に向けて延ばすことで、ゴムチューブ122が弾性復帰しようとして現像装置22に作用する力により、コロ部材78が像保持体18に押し付けられる。これにより、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着する際に、像保持体18と現像ロール72との間に設けられた隙間の大きさの変動が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像形成装置には、着脱可能な画像形成ユニットが設けられている。そして、この画像形成ユニットには、画像形成ユニットの位置決め安定性を向上させるため、装置本体に対して変位可能に組み付けられるトナー供給部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−117658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、画像形成ユニットを装置本体に装着する際に、像保持体と現像部材との間に設けられた隙間の大きさが変動するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体に対して隙間を設けて配置されると共に前記像保持体の表面に形成された静電潜像に回転しながら現像剤を供給する現像部材が設けられる現像装置と、を備え、装置本体に対して着脱可能とされる画像形成ユニットと、前記画像形成ユニットに設けられ、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記像保持体に対して前記現像部材が近接又は離間するように、前記現像装置を回転可能に支持すると共に、回転軸方向が前記現像部材の回転軸に沿って設けられる軸部材と、前記画像形成ユニットに設けられ、一端が前記現像装置に取り付けられると共に、前記現像部材を前記像保持体に向けて付勢する付勢部材と、
前記現像部材の回転軸方向から見て、前記現像装置に隣接して配置されると共に、前記現像装置に現像剤を供給する供給装置と、基端部が前記供給装置の本体部に接続され、前記本体部に収容された現像剤を前記現像装置に搬送すると共に、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記現像部材及び前記像保持体に向けて延びるように設けられ、先端部に設けられた供給口から前記供給口に連結された前記現像装置の受入れ口を通して前記現像装置に現像剤を搬送する搬送路と、 前記搬送路の一部を構成し、前記供給口と前記受入れ口の相対位置ずれを吸収するように伸縮変形する伸縮部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記軸部材と前記付勢部材との間を、前記搬送路の延伸方向に延びる前記搬送路の中心線が通るように、前記搬送路を配置することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記現像装置に備えられ、回転しながら前記受入れ口から供給された現像剤を攪拌すると共に、回転軸方向が前記現像部材の回転軸方向に沿って設けられる攪拌部材と、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記軸部材の回転軸と前記攪拌部材の回転軸を結んだ直線に沿って、前記搬送路が延びることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項1〜3の何れか1項において、前記搬送路は管状であって、前記搬送路の内部には、回転しながら前記本体部に収容された現像剤を前記供給口に向けて搬送すると共に、回転軸方向が前記搬送路の延伸方向に沿って設けられ、前記搬送路の基端部側で片持ち状態で支持される搬送部材が配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項4に記載において、前記搬送部材において、前記伸縮部材よりも前記搬送路の先端部側に配置される部分は、弾性的に変形されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、トナー搬送路が、前記現像部材及び前記像保持体に向けて延びていない場合と比して、画像形成ユニットを装置本体に装着する際に、像保持体と現像部材との間に設けられた隙間の大きさが変動するのを抑制することができる。
【0011】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、軸部材と付勢部材との間を、トナー搬送路の中心線が通らない場合と比して、像保持体と現像部材との間に設けられた隙間の大きさが変動するのを効果的に抑制することができる。
【0012】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば、軸部材の回転軸と攪拌部材の回転軸を結んだ直線にそって、トナー搬送路が延びていない場合と比して、像保持体と現像部材との間に設けられた隙間の大きさが変動するのを効果的に抑制することができる。
【0013】
本発明の請求項4の画像形成装置によれば、搬送部材が両端で支持されている場合と比して、供給口と受入れ口との相対位置ずれを効果的に吸収することができる。
【0014】
本発明の請求項5の画像形成装置によれば、搬送部材が剛体である場合と比して、供給口と受入れ口との位置が相対的にずれた場合でも、トナー搬送路の内壁と搬送部材とが強く擦れるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられた画像形成ユニット等を示した側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられたトナー供給装置を示した拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられたトナー供給装置のトナー搬送路の先端部側を示した拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられたトナー供給装置のトナー搬送路の先端部側を示した拡大斜視図である。
【図5】(A)(B)(C)本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられた現像装置の装着部とトナー搬送路の被装着部とを示した断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられた画像形成ユニットとトナー供給装置を示した側面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられたトナー供給装置の中間経路を示した断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を図1〜図8に従って説明する。なお図中に示す矢印Vは鉛直方向を示し、矢印Hは水平方向を示す。
【0017】
(全体構成)
図8には、画像形成装置10を背面(装置を操作するユーザ側とは反対側の面)から見た図面が記載されている。図8に示されるように、画像形成装置10の装置本体10Aの内部には、入力される画像データに対して画像処理を行なう画像処理部12が設けられている。
【0018】
この画像処理部12は、入力された画像データをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の階調データに処理するようになっており、この処理された階調データを受け取って、レーザ光LBによる画像露光を行う露光装置14が装置本体10A内の中央側に設けられている。
【0019】
また、露光装置14の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kが、水平方向に対して傾斜する方向に間隔をおいて配置され、装置本体10Aに着脱可能とされている。なお、Y,M,C,Kを区別して説明する必要が無い場合は、Y,M,C,Kを省略して記載することがある。
【0020】
これらの4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kは、すべて同様に構成されており、予め決められた速度で回転駆動される円柱状の像保持体18と、この像保持体18の外周面を帯電する一次帯電用の帯電部材20と、前述した露光装置14の画像露光によって帯電した像保持体18の外周面に形成された静電潜像を、予め決められた色のトナーで現像してトナー画像として可視化する現像装置22と、像保持体18の外周面を清掃する清掃ブレード(図示省略)とを含んで構成されている。
【0021】
さらに、現像装置22と隣接するように、現像装置22に対して図8に示す水平方向右側には、現像装置22にトナーを供給するトナー供給装置68が設けられている。なお、画像形成ユニット16及びトナー供給装置68については、詳細を後述する。
【0022】
また、露光装置14には、4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kに共通に構成された、図示しない4つの半導体レーザが設けられており、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kが階調データに応じて出射されるようになっている。
【0023】
なお、半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないシリンドリカルレンズを介して回転多面鏡であるポリゴンミラー26に照射され、このポリゴンミラー26によって偏向走査されるようになっている。そして、このポリゴンミラー26によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、像保持体18上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光されるようになっている。
【0024】
また、この露光装置14は、下方から像保持体18上に画像を走査露光するものであるため、この露光装置14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの現像装置22等からトナー等が落下する虞が有る。そのため、露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム28によって密閉されている。そして、フレーム28の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの像保持体18上に向けて透過させる透明なガラス製のウインドウ30Y、30M、30C、30Kが設けられている。
【0025】
一方、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの上方には、転写装置の一例としての一次転写ユニット21が設けられている。そして、この一次転写ユニット21は、無端状の無端部材の一例としての中間転写ベルト32と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ回転駆動して中間転写ベルト32を矢印方向に周回させる駆動ロール36と、中間転写ベルト32が巻き掛けられ中間転写ベルト32に張力を付与する張力付与部材の一例としての張力付与ロール40と、張力付与ロール40の上方に設けられて中間転写ベルト32と従動回転する従動ロール66と、中間転写ベルト32を挟んで像保持体18Y、18M、18C、18Kの反対側に配置される転写部材の一例としての一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kと、を含んで構成されている。
【0026】
そして、この4つの一次転写ロール34Y、34M、34C、34Kによって、画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの像保持体18上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、中間転写ベルト32上に多重に転写される構成となっている。
【0027】
さらに、中間転写ベルト32の外周面を清掃する清掃ブレード38が、中間転写ベルト32を挟んで駆動ロール36の反対側に設けられている。
【0028】
また、中間転写ベルト32を挟んで従動ロール66の反対側には、二次転写ロール42が設けられている。中間転写ベルト32上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像は、中間転写ベルト32により搬送され、従動ロール66と二次転写ロール42に挟まれ、用紙搬送経路56に沿って搬送される記録媒体としてのシート部材Pに二次転写されるようになっている。
【0029】
さらに、二次転写ロール42に対してシート部材Pの搬送方向の下流側(以下単に下流側と言う)には、シート部材Pに転写されたトナー画像を熱及び圧力によりシート部材Pに定着する定着装置44が設けられている。
【0030】
また、定着装置44の下流側には、トナー画像が定着したシート部材Pを画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部48に排出する排出ロール46が設けられている。
【0031】
一方、画像形成装置10の装置本体10A内の下側には、シート部材Pが積載される給紙部材50が設けられている。さらに、この給紙部材50に積載されたシート部材Pを用紙搬送経路56へ送り出す給紙ロール52が設けられ、給紙ロール52の下流側には、シート部材Pを1枚ずつ分離して搬送る分離ロール54が設けられている。また、分離ロール54の下流側には、搬送タイミングを合わせる位置合せロール58が設けられている。これにより、給紙部材50から供給されたシート部材Pは、回転する位置合せロール58によって中間転写ベルト32と二次転写ロール42とが接する位置(二次転写位置)へ定められたタイミングで送り出される構成となっている。
【0032】
さらに、排出ロール46の隣りには、定着装置44によって片面にトナー画像が定着されたシート部材Pを、排出ロール46によって排出部48上にそのまま排出せずに、両面用搬送経路62に搬送する搬送ロール60が設けられている。これにより、両面用搬送経路62に沿って搬送されるシート部材Pは、表裏が反転された状態で、位置合せロール58へと再度搬送され、今度は、シート部材Pの裏面にトナー画像が転写・定着されて排出部48上に排出されるようになっている。
【0033】
この構成により、以下のようにシート部材Pに画像が形成される。
【0034】
先ず、画像処理部12から露光装置14に各色の階調データが順次出力され、この露光装置14から階調データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、帯電部材20によって帯電した像保持体18の外周面に走査露光される。そして、像保持体18の外周面には静電潜像が形成される。像保持体18上に形成された静電潜像は、現像装置22Y、22M、22C、22Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像として可視化される。
【0035】
さらに、各画像形成ユニット16Y、16M、16C、16Kの上方に渡って配置された一次転写ユニット21の一次転写ロール34によって、像保持体18上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が、周回する中間転写ベルト32上に多重に転写される。
【0036】
また、周回する中間転写ベルト32上に多重に転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール42により、給紙部材50から給紙ロール52、分離ロール54、位置合せロール58によって用紙搬送経路56に予め決められたタイミングで搬送されたシート部材Pに二次転写される。
【0037】
さらに、トナー画像が転写されたシート部材Pは、定着装置44へと搬送される。シート部材Pに転写されたトナー画像は、定着装置44によってシート部材Pに定着され、定着された後、画像形成装置10の装置本体10Aの上部に設けられた排出部48に排出ロール46によって排出される。
【0038】
一方、シート部材Pの両面に画像を形成させる場合は、定着装置44によって片面にトナー画像が定着されたシート部材Pを、排出ロール46によって排出部48上にそのまま排出せずに、搬送方向を切り替え、搬送ロール60を介して両面用搬送経路62へと搬送する。そして、両面用搬送経路62に沿ってシート部材Pを搬送することで、シート部材Pの表裏が反転され、シート部材Pが再度位置合せロール58へと搬送される。今度は、シート部材Pの裏面にトナー画像が転写・定着された後、排出部48上に排出ロール46によって排出される。
【0039】
(要部構成)
次に、画像形成ユニット16及びトナー供給装置68について説明する。
【0040】
図1に示されるように、装置本体10A(図8参照)に着脱可能に設けられる画像形成ユニット16には、円柱状の像保持体18を回転可能に支持する像保持体ハウジング70と、前述した現像装置22とが設けられている。
【0041】
また、現像装置22には、像保持体18に対して隙間(図1に示すA)を設けて配置されると共に、像保持体18の表面に形成された静電潜像に回転しながらトナーを供給する円柱状の現像部材の一例としての現像ロール72が設けられている。
【0042】
詳細には、現像ロール72を回転可能に支持する現像器ハウジング74が設けられ、現像ロール72の回転軸方向(以下単に回転軸方向と言う場合がある)は、像保持体18の回転軸方向に沿っている。
【0043】
さらに、像保持体ハウジング70と現像器ハウジング74とは、軸中心が現像ロール72の回転軸方向に沿って延びる軸部材76によって、相対的に回転可能に取り付けられている。なお、画像形成ユニット16が、装置本体10Aに装着された状態では、像保持体ハウジング70が装置本体10Aに固定され、現像装置22は像保持体ハウジング70に対して回転可能に支持されるようになっている。
【0044】
さらに、現像ロール72の回転軸方向の両端部には、径寸法が現像ロール72よりひとまわり大きくされた筒状のコロ部材78が設けられている。また、このコロ部材78が像保持体18の両端側に当るようにコロ部材78を付勢するスプリング90が設けられている。このスプリング90は、現像ロール72の回転軸方向の両端側に設けられ、スプリング90の一端は像保持体ハウジング70に取り付けられ、スプリング90の他端は現像器ハウジング74に固定されている。
【0045】
この構成により、このコロ部材78の外周面が像保持体18の両端側に当ることで、像保持体18の外表面と現像ロール72の外表面との間に定められた大きさの隙間(ギャップ、図1に示すA)が生じるようになっている。
【0046】
また、軸部材76に対して図1に示す水平方向右側には、トナー供給装置68から現像装置22に供給されたトナーを回転しながら攪拌すると共に、回転軸80Aの軸方向が現像ロール72の回転軸方向に沿って設けられる攪拌部材80が設けられている。具体的には、回転軸80Aの回りには、螺旋状の羽根部80Bが設けられており、この羽根部80Bが回転することで、トナーが攪拌されるようになっている。
【0047】
さらに、現像器ハウジング74において、攪拌部材80の鉛直方向の上方であって、攪拌部材80の回転軸方向の一端側には、トナー供給装置68から供給されるトナーを現像器ハウジング74の内部に受け入れる受入れ口84が設けられている。具体的には、後述する被装着部108に装着される現像器ハウジング74の装着部82に受入れ口84が形成されている(図3参照)。
【0048】
以上より、現像ロール72の下側に軸部材76が配置され、受入れ口84は、この軸部材76と水平方向に並んで配置されている。
【0049】
また、図3に示されるように、画像形成ユニット16が装置本体10Aから離脱された際に、現像器ハウジング74に形成された受入れ口84を塞ぐシャッター86が、スライド可能に設けられている。
【0050】
詳細には、シャッター86は、現像器ハウジング74に対して、画像形成ユニット16の着脱方向(装置本体10Aの奥行方向であって、図3で示す矢印D方向)にスライド可能とされており、受入れ口84を開放する開放位置(図5(C)参照)と、受入れ口84を閉止する閉止位置(図5(A)参照)との間を移動するようになっている。
【0051】
さらに、シャッター86と現像器ハウジング74との間には、シャッター86を閉止位置に付勢するスプリング88が設けられている。そして、このスプリング88は、シャッター86の水平方向の両端部を付勢するように2個設けられている。
【0052】
また、現像器ハウジング74の外表面には、画像形成ユニット16の装置本体10Aへの装着時に、後述するトナー搬送路98側の円柱部118(図5参照)と当る突起部92が設けられている。具体的には、突起部92は、現像器ハウジング74において、装置本体10Aの背面を向いた後壁74Aから前述した着脱方向に突出するように設けられている。
【0053】
一方、図6に示されるように、各色の画像形成ユニット16に対して図6に示す水平方向の右側には、各色現像装置22にトナーを供給する各色のトナー供給装置68が設けられている。
【0054】
トナー供給装置68は、内部にトナーが収容される本体部96と、本体部96の下面から現像装置22に向けて延びるように設けられ、本体部96に収容されたトナーを現像装置22に向けて搬送する管状の部材であるトナー搬送路98と、を含んで構成されている。そして、図1、図6に示されるように、現像ロール72の回転軸方向から見て、軸部材76の回転軸と攪拌部材80の回転軸80Aとを結んだ直線Gに沿って、イエロー(Y)以外のトナー搬送路98M、98C、98Kが延びている。つまり、現像ロール72の回転軸方向から見て、直線Gとトナー搬送路98M、98C、98Kの中心線Jとは平行とされている。
【0055】
また、トナー搬送路98の先端部は、現像ロール72及び像保持体18に向けて延びている。さらに、現像ロール72の回転軸方向から見て、トナー搬送路98の延伸方向に延びるトナー搬送路98の中心線Jを挟んで、軸部材76の反対側に、スプリング90が設けられている。
【0056】
一方、図2に示されるように、本体部96の下面には、基端部が本体部96の下面に固定され、先端部がトナー搬送路98の基端部に固定された中間経路100が設けられている。そして、中間経路100の内部を通って、本体部96に収容されたトナーがトナー搬送路98の基端部に搬送されるようになっている。
【0057】
また、図4に示されるように、装置本体10Aの背面パネル102には、背面パネル102を内側に切り起こすことで成形されたクランク状の保持部104が形成されている。さらに、トナー搬送路98の先端部であって、装置本体10Aの背面パネル102側には、保持部104に上方から引っ掛けられる逆U字状の引掛け部106が設けられている。この構成により、引掛け部106を保持部104に引っ掛けることで、トナー搬送路98の先端部側が、装置本体10Aに仮保持されるようになっている。
【0058】
また、トナー搬送路98の先端部側の鉛直方向下側には、トナーを現像器ハウジング74の装着部82に形成された受入れ口84を通して現像装置22に供給する供給口110が設けられている。
【0059】
さらに、図3、図4に示されるように、供給口110の鉛直方向下側には、画像形成ユニット16を矢印Dに移動させて装置本体10Aに装着させる際に、現像器ハウジング74に設けられた装着部82が装着される被装着部108が設けられている。
【0060】
詳細には、被装着部108には、装着部82に形成されたフランジ部112を(図1参照)を下側から保持する保持部120が設けられている。さらに、画像形成ユニット16が装置本体10Aから離脱された際に、供給口110を塞ぐシャッター114がスライド可能に設けられている。
【0061】
シャッター114は、画像形成ユニット16の着脱方向(装置本体10Aの奥行方向であって、図3で示す矢印D方向)に、トナー搬送路98に対してスライド可能とされており、供給口110を開放する開放位置(図5(C)参照)と、供給口110を閉止する閉止位置(図5(A)参照)との間を移動するようになっている。
【0062】
さらに、図5(A)に示されるように、被装着部108には、シャッター114を閉止位置に付勢するコイル状のスプリング116が設けられている。また、被装着部108には、このコイル状のスプリング116をスプリング116の内側から支持する円柱部118が設けられている。
【0063】
この構成により、図5(A)(B)(C)に示されるように、現像器ハウジング74の装着部82が、トナー搬送路98の被装着部108に装着されると、円柱部118が現像器ハウジング74の突起部92と当り、受入れ口84と供給口110とが対向するようになっている。さらに、この状態で、シャッター114は、現像器ハウジング74の後壁74Aに押圧されて閉止位置から開放位置へ移動し、シャッター86は、トナー搬送路98に形成された側壁98Aに押圧されて閉止位置から開放位置へ移動するようになっている。
【0064】
また、図6に示されるように、トナー搬送路98において、被装着部108よりも基端部側には、弾性材料で形成された伸縮部材の一例としての蛇腹状のゴムチューブ122が設けられている。受入れ口84と供給口110との相対位置がずれた場合に、このゴムチューブ122が変形して、相対位置ずれを吸収するようになっている。
【0065】
さらに、図1、図7に示されるように、トナー搬送路98の内部には、回転しながら本体部96に収容されたトナーを供給口110に向けて搬送すると共に、回転軸方向がトナー搬送路98の延伸方向に沿って設けられる搬送部材124が設けられている。この搬送部材124は、円柱状の回転軸124Aと回転軸124Aの回りに設けられた羽根部124Bとを備えており、この羽根部124Bが回転することで、トナーが供給口110に向って搬送されるようになっている。
【0066】
また、この搬送部材124は、トナー搬送路98の基端部側で片持ち状態で支持(図7参照)されている。そして、片持ち状態で支持された搬送部材124の回転軸124Aの基端部はトナー搬送路98の外側に設けられたギア群126(図2参照)に接続されており、搬送部材124は図示せぬモータからの駆動力がギア群126を介して伝達されて回転するようになっている。
【0067】
さらに、搬送部材124において、少なくともゴムチューブ122よりもトナー搬送路98の先端側に配置される部分は、弾性変形可能な樹脂材料で成形されている。
【0068】
(要部構成の作用)
次に、画像形成ユニット16及びトナー供給装置68等の作用について説明する。
【0069】
図6に示されるように、各色のトナー供給装置68の本体部96に収容されたトナーは、トナー搬送路98を通って現像装置22に供給される。
【0070】
具体的には、図2、図7に示されるように、本体部96に収容されたトナーは、中間経路100を通ってトナー搬送路98の基端部側に進入する。トナー搬送路98の基端部側に進入したトナーは、ギア群126を介して伝達される駆動力により回転する搬送部材124の羽根部124Bにより、トナー搬送路98の先端部側へ搬送される。
【0071】
図1に示されるように、トナー搬送路98の先端部側に搬送されたトナーは、重力より、供給口110及び受入れ口84を通って現像装置22に供給される。
【0072】
現像装置22に供給されたトナーは、回転する攪拌部材80により攪拌される。攪拌部材80によって攪拌されたトナーは、回転する現像ロール72に受け渡される。
【0073】
回転する現像ロール72は、像保持体18との間に形成された隙間を介して像保持体18にトナーを供給し、像保持体18の外周面に形成された静電潜像を現像する(トナー画像として可視化する)。
【0074】
ここで、現像ロール72が支持される現像器ハウジング74は、装置本体10Aに固定された像保持体ハウジング70に軸部材76によって回転可能に取り付けられている。そして、一端が現像器ハウジング74に固定されたスプリング90が、コロ部材78を像保持体18の両端側に当るように付勢することで、現像ロール72と像保持体18との間でトナーが受け渡される隙間(図1に示すA)の大きさは、定められた範囲内に入る。
【0075】
一方、メンテナンス等のため、画像形成ユニット16を装置本体10Aから離脱させる場合には、先ず、装置本体10Aの正面に設けられた図示せぬメンテナンスドアを開放する。
【0076】
さらに、図3に示されるように、画像形成ユニット16を画像形成ユニット16の着脱方向(装置本体10Aの奥行方向であって、図3で示す矢印D方向)の手前側(装置本体10Aの正面側)に移動させる。
【0077】
図5(A)(B)(C)に示されるように、画像形成ユニット16を、着脱方向の手前側に移動させると、現像器ハウジング74の後壁74Aに押圧されて開放位置(図5(C)参照)に配置されたシャッター114は、スプリング116の付勢力で閉止位置(図5(A)参照)に移動する。これにより、トナー供給装置68から現像装置22に供給されるトナーが外部に飛散するのが抑制される。
【0078】
また、トナー搬送路98の側壁98Aに押圧されて開放位置(図5(C)参照)に配置されたシャッター86は、スプリング88の付勢力で閉止位置(図5(A)参照)に移動する。これにより、現像装置22に収容されるトナーが外部に飛散するのが抑制される。
【0079】
これに対し、メンテナンス等を終えて、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着させる場合には、先ず、装置本体10Aの正面に設けられた図示せぬメンテナンスドアを開放する。
【0080】
さらに、図3に示されるように、画像形成ユニット16を画像形成ユニット16の着脱方向(装置本体10Aの奥行方向であって、図3で示す矢印D方向)の奥側(装置本体10Aの背面側)に移動させる。
【0081】
図5(A)(B)(C)に示されるように、画像形成ユニット16を、着脱方向の奥側に移動させると、スプリング116の付勢力で閉止位置(図5(A)参照)に配置されていたシャッター114は、現像器ハウジング74の後壁74Aに押圧されて開放位置(図5(C)参照)に移動する。そして、現像器ハウジング74に形成された突起部92が、トナー搬送路98の被装着部108に形成された円柱部118と当り、現像器ハウジング74は停止する。
【0082】
また、スプリング88の付勢力で閉止位置(図5(A)参照)に配置されていたシャッター86は、トナー搬送路98の側壁98Aに押圧されて開放位置(図5(C)参照)に移動する。
【0083】
ここで、図1に示されるように、現像装置22の受入れ口84とトナー搬送路98の供給口110との相対位置がずれている場合には、トナー搬送路98に設けられたゴムチューブ122が弾性的に変形したり、トナー搬送路98全体がトナー搬送路98の基端部を中心に回転移動することで、受入れ口84と供給口110との相対位置ずれが吸収される。
【0084】
また、トナー搬送路98内に配置された搬送部材124の先端部側は、搬送部材124が基端部側のみが支持されているため、トナー搬送路98の移動と共に移動する。
【0085】
これにより、図1に示されるように、現像装置22の装着部82が、トナー搬送路98の被装着部108(図3参照)に装着され、トナー供給装置68から、供給口110及び受入れ口84を通してトナーが現像装置22に供給される。
【0086】
以上説明したように、画像形成ユニット16が装置本体10Aに装着された状態では、トナー搬送路98の先端部は、現像ロール72及び像保持体18に向けて延びている。現像装置22の受入れ口84とトナー搬送路98の供給口110との相対位置がずれ、このずれを吸収するため、ゴムチューブ122がトナー搬送路98の延伸方向に縮む場合がある。
【0087】
この場合に、前述したように、トナー搬送路98の先端部を現像ロール72及び像保持体18に向けて延ばすことで、ゴムチューブ122が弾性復帰しようとして現像装置22に作用する力により、コロ部材78が像保持体18に押し付けられる。このため、画像形成ユニット16を装置本体10Aに装着する際に、像保持体18と現像ロール72との間に設けられた隙間の大きさの変動が抑制される。特に、前述の相対位置がずれるとゴムチューブ122が縮むように部品の交差を設定すると、特に構成は、隙間の大きさの変動を抑制するという意味で有効となる。
【0088】
また、このように、像保持体18と現像ロール72との間に設けられた隙間の大きさの変動が抑制される構造を採用することで、この構造が採用されない場合と比して、ゴムチューブ122が小型化される。
【0089】
また、上記実施形態によれば、現像ロール72の回転軸方向から見て、軸部材76とスプリング90との間にトナー搬送路98の中心線Jが通るように、トナー搬送路98が配置されている。このため、受入れ口84と供給口110との相対位置がずれることで生じる力により現像器ハウジング74が軸部材76を中心に回転移動しようとするモーメントは、軸部材76とスプリング90との間にトナー搬送路98の中心線Jが通らない場合と比して、小さくなる。これにより、像保持体18と現像ロール72との間に設けられた隙間の大きさが変動するのが効果的に抑制される。
【0090】
また、上記実施形態によれば、現像ロール72の回転軸方向から見て、軸部材76の回転軸と攪拌部材80の回転軸80Aとを結んだ直線Gとトナー搬送路98M、98C、98Kの中心線Jとは平行とされている。これにより、直線Gとトナー搬送路の中心線とが直交している場合と比して、トナー搬送路98から現像器ハウジング74に伝わる変位が小さくなるため、像保持体18と現像ロール72との間に設けられた隙間の大きさの変動が効果的に抑制される。
【0091】
また、上記実施形態によれば、搬送部材124は、トナー搬送路98の基端部側で片持ち状態で支持されている。このため、現像装置22の受入れ口84とトナー搬送路98の供給口110との相対位置がずれてトナー搬送路98の先端部側が移動した場合でも、搬送部材124はこの移動に追従して移動する。
【0092】
また、上記実施形態によれば、搬送部材124において、少なくともゴムチューブ122よりもトナー搬送路98の先端側に配置される部分は、弾性変形可能な樹脂材料で成形されている。これにより、受入れ口84と供給口110との相対位置がずれている場合に、ゴムチューブ122が弾性的に変形し、トナー搬送路98のゴムチューブ122より先端側の部分が移動したときでも、搬送部材124の先端部側が弾性的に変形するため、トナー搬送路98の内壁と搬送部材124とが強く擦れることが抑制され、トナーの固まり(トナーグリッド)等の問題が生じるのが抑制される。
【0093】
また、上記実施形態によれば、図6に示されるように、シャッター86を付勢するスプリング88は、シャッター86の幅方向両端部を付勢するように2個設けられている。このため、スプリングが1個の場合と比して、シャッター86が安定した状態でスライドする。
【0094】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明にかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、搬送部材124において、少なくともゴムチューブ122よりもトナー搬送路98の先端側に配置される部分は、弾性変形可能な樹脂材料で成形されたが、搬送部材の先端部側の軸部材の径を小さくすることで、搬送部材の先端部側を弾性的に変形可能としてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、直線Gとトナー搬送路98M、98C、98Kの中心線Jとを平行としたが、直線Gとトナー搬送路98Yの中心線も平行としてもよい。また、本発明にかかる実施形態では、現像装置22に供給されるものはトナーとしたが、トナーとキャリアを混合した現像剤を供給するように構成してもよい。また、本発明にかかる実施形態では、電子写真方式の画像形成装置について説明したが、インクジェット方式等の他の現像剤を用いた画像形成装置についても本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0096】
10 画像形成装置
10A 装置本体
16 画像形成ユニット
68 トナー供給装置
76 軸部材
80 攪拌部材
84 受入れ口
90 スプリング(付勢部材の一例)
96 本体部
110 供給口
122 ゴムチューブ(伸縮部材の一例)
124 搬送部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体に対して隙間を設けて配置されると共に前記像保持体の表面に形成された静電潜像に回転しながら現像剤を供給する現像部材が設けられる現像装置と、を備え、装置本体に対して着脱可能とされる画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットに設けられ、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記像保持体に対して前記現像部材が近接又は離間するように、前記現像装置を回転可能に支持すると共に、回転軸方向が前記現像部材の回転軸に沿って設けられる軸部材と、
前記画像形成ユニットに設けられ、一端が前記現像装置に取り付けられると共に、前記現像部材を前記像保持体に向けて付勢する付勢部材と、
前記現像部材の回転軸方向から見て、前記現像装置に隣接して配置されると共に、前記現像装置に現像剤を供給する供給装置と、
基端部が前記供給装置の本体部に接続され、前記本体部に収容された現像剤を前記現像装置に搬送すると共に、前記現像部材の回転軸方向から見て、前記現像部材及び前記像保持体に向けて延びるように設けられ、先端部に設けられた供給口から前記供給口に連結された前記現像装置の受入れ口を通して前記現像装置に現像剤を搬送する搬送路と、 前記搬送路の一部を構成し、前記供給口と前記受入れ口の相対位置ずれを吸収するように伸縮変形する伸縮部材と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記現像部材の回転軸方向から見て、前記軸部材と前記付勢部材との間を、前記搬送路の延伸方向に延びる前記搬送路の中心線が通るように、前記搬送路を配置する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像装置に備えられ、回転しながら前記受入れ口から供給された現像剤を攪拌すると共に、回転軸方向が前記現像部材の回転軸方向に沿って設けられる攪拌部材と、
前記現像部材の回転軸方向から見て、前記軸部材の回転軸と前記攪拌部材の回転軸を結んだ直線に沿って、前記搬送路が延びる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送路は管状であって、
前記搬送路の内部には、回転しながら前記本体部に収容された現像剤を前記供給口に向けて搬送すると共に、回転軸方向が前記搬送路の延伸方向に沿って設けられ、前記搬送路の基端部側で片持ち状態で支持される搬送部材が配置される請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送部材において、前記伸縮部材よりも前記搬送路の先端部側に配置される部分は、弾性的に変形される請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203386(P2012−203386A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71130(P2011−71130)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】